JPH0828613A - ベンチレーテッドディスク - Google Patents

ベンチレーテッドディスク

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JPH0828613A
JPH0828613A JP16958994A JP16958994A JPH0828613A JP H0828613 A JPH0828613 A JP H0828613A JP 16958994 A JP16958994 A JP 16958994A JP 16958994 A JP16958994 A JP 16958994A JP H0828613 A JPH0828613 A JP H0828613A
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JP
Japan
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friction plates
pair
friction
sliding
fin body
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JP16958994A
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English (en)
Inventor
Kiyoaki Takagi
清明 高木
Hideyuki Kai
秀幸 甲斐
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Aisin Takaoka Co Ltd
Original Assignee
Aisin Takaoka Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】強度を確保しつつ、一対の摩擦板間の間隔を大
きくするとともに冷却風の滑らかな流通を確保して放熱
効果を高める。 【構成】環状の摺動部11、21のそれぞれ対向する位
置に複数の取付孔13、23が設けられたリング板状の
一対の摩擦板1、2と、両摩擦板1、2の摺動部11、
21間に介装され摺動部11、21間に放熱用通風路を
形成するフィン体3と、各取付孔13、23に取り付け
られて両摩擦板1、2の摺動部11、21間を所定間隔
に保持しつつ両摩擦板1、2を結合する複数の取付具4
とから構成されている。取付具4の長さに応じて、一対
の摩擦板1、2間の間隔を調整することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、産業用車両等
の車両用ブレーキ装置に用いられるベンチレーテッドデ
ィスクに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両用ブレーキ装置には、ヒ
ートフェード防止とパッド寿命向上等の観点から、冷却
性の優れたベンチレーテッドタイプ(通風型)のディス
クロータが用いられている。例えば、実公昭60−18
673号公報には、図5に示すように、環状の摺動部9
1aを有する平リング板形状の摩擦板91と、環状の摺
動部92a及び筒状の組付部92bを有するハット状の
摩擦板92とから構成されたベンチレーテッドディスク
が開示されている。各摺動部91a、92aには半抜き
曲げ加工により複数の連結片91c、92cが放射状に
立設され、一方の摩擦板91の摺動部91aの内周縁端
部には連結片と同一高さの複数の内周縁補強リブ91d
が屈曲立設され、他方の摩擦板92の摺動部92aの外
周縁端部には同じく連結片と同一高さの複数の外周縁補
強リブ92dが屈曲立設されている。なお、各摺動部9
1a、92aには、連結片91c、92cが半抜き曲げ
加工された部分にそれぞれ通風孔91e,92eが設け
られている。そして、各連結片91c、92c、各内周
縁補強リブ91d及び各外周縁補強リブ92dを、それ
ぞれ対向する摺動部91a、92aの内面に電気溶接す
ることにより、両摩擦板91、92が一体的に固着され
ている。
【0003】このベンチレーテッドディスクでは、一対
の摺動部91a及び92a間において、放射状に立設さ
れた多数の連結片91c、92cにより多数の通気路が
区画されるとともに、各摺動部91a、92aにも連結
片91c、92cが半抜き曲げ加工された部分にそれぞ
れ通気孔91e、92eが設けられ、これら通気路及び
通気孔91e、92eを介して、ブレーキングによって
摺動部91a、92aに発生する摩擦熱を効果的に発散
させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のベ
ンチレーテッドディスクでは、板状の摺動部91a、9
2aを半抜き曲げ加工することにより立設された連結片
91c、92cの高さ分だけ、一対の摩擦板91、92
間に間隔が形成されるようになっている。このため、放
熱効果をより高めるために一対の摩擦板91、92間の
間隔を大きくしようとすると、その分連結片91b、9
2bの高さが高くなるとともに摺動部91a、92aに
形成される通気孔91e、92eの幅が大きくなるの
で、連結片91c、92c自身の強度が低下するととも
に、摺動部91a、92aの強度も低下する。なお、内
周縁補強リブ91dや外周縁補強リブ92dの存在によ
り、連結片91c、92cの強度低下を多少補うことが
できるが、摺動部91a、92aの強度低下を補うこと
ができない。したがって、上記従来のベンチレーテッド
ディスクでは、強度を確保しつつ、一対の摩擦板91、
92間の間隔を大きくして放熱効果を高めることには限
界がある。
【0005】また、上記従来のベンチレーテッドディス
クにおいて、冷却風は、放射状に立設された多数の連結
片91c、92cにより一対の摩擦板91、92間に形
成された多数の通気路を遠心力により内側から外側に流
れるが、各通気路の出口に立設され強度確保の上で必要
不可欠な外周縁補強リブ92dにより冷却風の滑らかな
流通が妨げられる。
【0006】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、強度を確保しつつ、一対の摩擦板間の間隔を大き
くするとともに冷却風の滑らかな流通を確保して放熱効
果を高めることのできるベンチレーテッドディスクを提
供することを解決すべき技術課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明のベンチレーテッドディスクは、環状の摺動部のそれ
ぞれ対向する位置に複数の取付孔が設けられたリング板
状の一対の摩擦板と、両摩擦板の該摺動部間に配置され
該摺動部間に放熱用通風路を形成するフィン体と、各上
記取付孔に取り付けられて両摩擦板の摺動部間を所定間
隔に保持しつつ該両摩擦板を結合する複数の取付具とか
ら構成されていることを特徴とするものである。
【0008】好ましい態様において、前記フィン体は、
前記通風路が放射方向に延びて形成されるように山部及
び谷部が周方向に交互に連設されたリング状薄板よりな
り、該フィン体には前記摩擦板の各取付孔に対応する位
置に取付具が挿通可能な複数の挿通孔が設けられる。好
ましい態様において、前記フィン体は、前記各摩擦板の
摺動部の内面で前記取付孔が設けられていない位置にそ
れぞれ放射方向に延びて突設された複数の棒状片よりな
る。なお、この棒状片よりなるフィン体は、摩擦板を成
形する際に摩擦板の摺動部の内面に一体的に設けること
もできるし、または摩擦板とは別体として形成し、これ
を摩擦板の摺動部の内面に固着して設けることもでき
る。
【0009】好ましい態様において、前記各取付孔は、
前記各摩擦板の外面に設けられた凹部及び該凹部よりも
小さな孔径で該凹部の底壁に貫設された通孔よりなり、
前記各取付具は、両摩擦板の摺動部間に挟持される軸部
及び該軸部の両端にそれぞれ一体的に設けられ上記取付
孔の通孔から凹部内に挿通される一対のネジ部を有する
両ネジと、上記取付孔の凹部内に収容されて該両ネジの
各ネジ部に螺合される一対のナットとからなる。
【0010】好ましい態様において、前記各取付孔は、
各摩擦板の外面に設けられた凹部及び該凹部よりも小さ
な孔径で該凹部の底壁に貫設された通孔よりなり、前記
各取付具は、一方の摩擦板の凹部内に収容される頭部及
び両摩擦板の通孔に挿通されるネジ部よりなるボルト
と、両摩擦板の摺動部間に挟持されるとともに該ボルト
のネジ部が挿通されるカラーと、他方の摩擦板の凹部内
に収容されて該ボルトのネジ部に螺合されるナットとか
らなる。
【0011】
【作用】本発明のベンチレーテッドディスクは、各摩擦
板の環状の摺動部にそれぞれ対向する位置に複数の取付
孔が設けられ、これらの取付孔に取り付けられた取付具
により、一対の摩擦板が各摺動部間の間隔を一定にかつ
確実に保持しつつ結合されている。このため、取付具の
長さを調整することで、一対の摩擦板間の強度を確保し
た上で、一対の摩擦板間の間隔を容易に調整することが
できる。また、前記従来のベンチレーテッドディスクの
ように、一対の摩擦板間の間隔を大きくすることに伴っ
て、ベンチレーテッドディスクの強度が低下することが
ない。このため、本発明のベンチレーテッドディスクで
は、冷却風の流通を妨げる補強リブを通風路に設ける必
要がなく、通風路における冷却風の滑らかな流通を確保
することができる。したがって、本発明のベンチレーテ
ッドディスクでは、ベンチレーテッドディスクの強度低
下を伴うことなく、一対の摩擦板間の間隔を大きくする
とともに冷却風の滑らかな流通を確保して放熱効果をよ
り高めることが可能である。
【0012】また、各取付具の一部は、一対の摩擦板間
でフィン体により形成される通風路内に位置しているの
で、この取付部を介して摺動部に発生する摩擦熱を発散
させることができる。そして、一対の摩擦板間に配置さ
れるフィン体が、通風路が放射方向に延びて形成される
ように山部及び谷部が周方向に交互に連設されたリング
状薄板よりなり、該フィン体には摩擦板の各取付孔に対
応する位置に取付具が挿通可能な複数の挿通孔が設けら
れる態様とした場合、上記作用に加えて、以下に示す作
用も奏する。すなわち、このようなフィン体により、放
射方向に延びるとともに内側(冷却風の入口側)及び外
側(冷却風の出口側)が確実に開放された複数の通風路
が一対の摩擦板間に形成されるため、ベンチレーテッド
ディスクの回転に伴う該通風路内の内側から外側への滑
らかな空気流れによって、各摺動部に発生する摩擦熱を
効果的に発散させることができる。このとき、上記山部
及び谷部の数を増やせば、それに応じてフィン体の表面
積を増大させるとともに通風路の数も増やすことがで
き、放熱効果を容易に高めることができる。また、摩擦
板及びフィン体はそれぞれ固有振動しており、両者間で
は微小摺接が繰り返されるため、このときの摩擦運動に
より、ブレーキ振動の起励力を減衰させることができ
る。さらに、フィン体と一対の摩擦板とを別体として設
けることができるので、フィン体を熱伝導性が高く放熱
効果の高い材料や、軽量化に適した材料や、減衰性に優
れた材料で形成することが可能となる。
【0013】また上記フィン体が、各摩擦板の摺動部の
内面で取付孔が設けられていない位置にそれぞれ放射方
向に延びて突設された複数の棒状片よりなる態様とした
場合も同様に、放射方向に延びるとともに内側(冷却風
の入口側)及び外側(冷却風の出口側)が確実に開放さ
れた複数の通風路が一対の摩擦板間に形成されるため、
ベンチレーテッドディスクの回転に伴う該通風路内の内
側から外側への滑らかな空気流れによって、各摺動部に
発生する摩擦熱を効果的に発散させることができる。こ
のとき、棒状片の数に応じてフィン体の表面積及び通風
路を増大させることができ、放熱効果を容易に高めるこ
とができる。なお、棒状片よりなるフィン体が摩擦板と
は別体として形成され、摩擦板の摺動部の内面に固着し
て設けたものである場合は、上記山部及び谷部が周方向
に交互に連設されたリング状薄板よりなるフィン体と同
様に、フィン体を熱伝導性が高く放熱効果の高い材料
や、軽量化に適した材料や、減衰性に優れた材料で形成
することが可能となる。
【0014】さらに、各取付孔が、各摩擦板の外面に設
けられた凹部及び該凹部よりも小さな孔径で該凹部の底
壁に貫設された通孔よりなり、各取付具が、両摩擦板の
摺動部間に挟持される軸部及び該軸部の両端にそれぞれ
一体的に設けられ取付孔の通孔から凹部内に挿通される
一対のネジ部を有する両ネジと、取付孔の凹部内に収容
されて該両ネジの各ネジ部に螺合される一対のナットと
からなる態様とした場合、取付具が着脱可能となる。こ
のため、例えば上記フィン体を放熱効果の高い鉄系材料
で形成した場合、このフィン体が錆びたとしても、取付
具の着脱により、容易にフィン体のみを交換可能とな
る。
【0015】同様に、各取付具が、一方の摩擦板の凹部
内に収容される頭部及び両摩擦板の通孔に挿通されるネ
ジ部よりなるボルトと、両摩擦板の摺動部間に挟持され
るとともに該ボルトのネジ部が挿通されるカラーと、他
方の摩擦板の凹部内に収容されて該ボルトのネジ部に螺
合されるナットとからなる態様とした場合も、取付具が
着脱可能となるので、該取付具の着脱により、容易にフ
ィン体のみを交換可能となる。
【0016】さらに、フィン体のみが交換可能となれ
ば、フィン体の材料や重量を変更することによりベンチ
レーテッドディスクの固有振動数を場合に応じて適宜調
整することが可能となるので、ベンチレーテッドディス
クの固有振動数と車両の固有振動数との共振に起因して
発生するブレーキ振動に対して、容易に対策を講じるこ
とができるようになる。なお、ベンチレーテッドディス
クの固有振動数の調整は、取付具の材料や重量を変更す
ることによっても可能である。
【0017】
【実施例】
(第1実施例)図1、図2に示す本実施例のベンチレー
テッドディスクは、中心孔1aが設けられた環状の摺動
部11を有する平リング板形状の摩擦板1と、同じく中
心孔が設けられた環状の摺動部21及び筒状の組付部2
2を有するハット状の摩擦板2と、両摩擦板1、2の摺
動部11、21間に介装され該摺動部11、21間に放
熱用通風路を形成するフィン体3と、両摩擦板1、2の
摺動部11、21間を所定間隔に保持しつつ該両摩擦板
1、2を結合する複数の取付具4とから構成されてい
る。
【0018】各摩擦板1、2の摺動部11、21には、
放射方向に並び、かつ、周方向に等間隔に並ぶ取付孔1
3、23がそれぞれ対向する位置に設けられている。各
取付孔13、23は、図2に示すように、各摩擦板1、
2の外面に設けられた凹部13a、23a及び凹部13
a、23aよりも小さな孔径で凹部13a、23aの底
壁に貫設された通孔13b、23bよりなる。
【0019】摩擦板1、2の摺動部11、21の相対向
する各内面の間にフィン体3が介装され、摩擦板2の組
付部22は摩擦板2の外面側に摺動部21と一体的に設
けられている。この組付部22の先端面には、図示しな
い車軸が貫通する嵌入孔22aが中心に設けられてお
り、この嵌入孔22aの周囲には該車軸に本実施例のベ
ンチレーテッドディスクを固定するための4個の締付孔
22bが等間隔に設けられている。なお、摩擦板1、2
は、鋳鉄よりなる。
【0020】フィン体3は、通風路が放射方向に延びて
形成されるように山部及び谷部が周方向に交互に連設さ
れたリング状薄板よりなり、このフィン体3により一対
の摩擦板1、2の摺動部11、21間に放射方向に延び
る独立した通風路が形成されている。そして、フィン体
3には摩擦板1、2の各取付孔13、23に対応する位
置に取付具4が挿通可能な挿通孔31が設けられてい
る。なお、フィン体3の各山部及び谷部は、それぞれ対
向する摩擦板1、2の摺動部11、21の内面に当接し
ている。また、このフィン体3には、取付具4による締
付け力が作用しておらず、フィン体3は摩擦板1、2の
摺動部11、21間で圧縮されていない。
【0021】各取付具4は、両摩擦板1、2の摺動部1
1、21間に挟持される軸部41a及び軸部41aの両
端にそれぞれ一体的に設けられ取付孔13、23の通孔
13b、23bから凹部13a、23a内に挿通される
一対のネジ部41bを有する両ネジ41と、取付孔1
3、23の凹部13a、23a内に収容されて該両ネジ
41の各ネジ部41bに螺合される一対のナット42、
42とから構成されている。なお、両ネジ41及びナッ
ト42は、いずれも鉄材料より形成されている。
【0022】上記構成を有する本実施例のベンチレーテ
ッドディスクは、各摩擦板1、2の環状の摺動部11、
21にそれぞれ対向する位置に複数の取付孔13、23
が設けられ、これらの取付孔13、23に取り付けられ
た各取付具4により、一対の摩擦板1、2が各摺動部1
1、21間の間隔を一定にかつ確実に保持しつつ結合さ
れている。すなわち、各取付具4を構成する両ネジ41
の軸部41aにより、一対の摩擦板1、2間の間隔が一
定にかつ確実に保持される。また、一対の摩擦板1、2
の摺動部11、21間に介装されたフィン体3の各挿通
孔31に両ネジ41の軸部41aが挿通されるととも
に、この両ネジ41の各ネジ部41b、41bに一対の
ナット42、42が螺合されることにより、一対の摩擦
板1、2及びフィン体3が結合される。
【0023】このため、本実施例のベンチレーテッドデ
ィスクでは、両ネジ41の軸部41aの長さを調整する
ことで、一対の摩擦板1、2間の間隔を調整することが
できる。したがって、ベンチレーテッドディスクの強度
低下を伴うことなく、一対の摩擦板1、2間の間隔を大
きくして放熱効果をより高めることが可能である。ま
た、フィン体3と一対の摩擦板1、2とを別体として設
けることができるので、摩擦板1、2を強度の高い鋳鉄
で形成するとともに、フィン体3を熱伝導性が高く放熱
効果の高い鉄で形成することが可能となる。
【0024】そして、一対の摩擦板1、2間に介装され
るフィン体3が、通風路が放射方向に延びて形成される
ように山部及び谷部が周方向に交互に連設されたリング
状薄板よりなるので、フィン体3により一対の摩擦板
1、2間に放射方向に延びるとともに内側(冷却風の入
口側)及び外側(冷却風の出口側)が確実に開放された
複数の独立した通風路が形成される。このため、ベンチ
レーテッドディスクの回転に伴い該通風路内で放射方向
の内側から外側への滑らかな空気流れが生じるので、各
摺動部11、21に発生する摩擦熱は、各摺動部11、
21の内面に当接するフィン体3に伝達され、フィン体
3に接触する上記空気流れによってを効果的に発散され
得る。さらに、取付具4の両ネジ41の軸部41aは上
記通風路内に位置し、鉄材料より形成された取付具4を
介しても上記摩擦熱が放熱され得る。
【0025】また、フィン体3の山部及び谷部の数を増
やせば、それに応じてフィン体3の表面積を増大させる
とともに通風路の数も増やすことができ、放熱効果を容
易に高めることができる。さらに、摩擦板1、2及びフ
ィン体3はそれぞれ固有振動しており、摩擦板1とフィ
ン体3との間、及び摩擦板2とフィン体3との間では微
小摺接が繰り返されるため、このときの摩擦運動によ
り、ブレーキ振動の起励力を減衰させることができる。
【0026】なお、フィン体3の各山部及び谷部が摺動
部11、21の内面にそれぞれ当接しない構成とするこ
とも可能であるが、この場合若干放熱効果が低下すると
ともに、上記フィン体3と摩擦板1、2との間での摩擦
運動によるブレーキ振動の減衰効果がなくなる。また、
各摩擦板1、2及びフィン体3は、両ネジ41及び一対
のナット42、42よりなる取付具4により結合されて
おり、この取付具4は脱着可能であるため、フィン体3
が錆びたとしても、取付具4の着脱により、容易にフィ
ン体3のみを交換可能となる。さらに、フィン体3のみ
の交換が可能となることにより、フィン体3の材料や重
量を変更して、ベンチレーテッドディスクの固有振動数
を場合に応じて適宜調整することが可能となるので、ベ
ンチレーテッドディスクの固有振動数と車両の固有振動
数との共振に起因して発生するブレーキ振動に対して、
容易に対策を講じることができる。なお、取付具4の材
料や重量を変更することによってもベンチレーテッドデ
ィスクの固有振動数を調整することが可能となる。
【0027】(第2実施例)図3に示す本実施例のベン
チレーテッドディスクは、上記フィン体3の代わりに、
各摩擦板1、2の摺動部11、21の内面で取付孔1
3、23が設けられていない位置にそれぞれ放射方向に
延びて突設された棒状片のフィン体32および33とし
たこと以外は、上記第1実施例と同様の構成を有する。
【0028】なお、一方の摩擦板1に突設されたフィン
体32と他方の摩擦板2に突設されたフィン体33と
は、それぞれ相対向しておらず、各フィン体32および
33の先端は僅かな間隙を保って摺動部11、21の内
面の平坦部に対向している。すなわち、各フィン体32
および33の先端は、対向する摺動部11、21の内面
の平坦部と当接しておらず、フィン体32および33の
先端と摺動部11、21の内面との間には僅かなクリア
ランスが形成されている。
【0029】したがって、本実施例のベンチレーテッド
ディスクでは、各摩擦板1、2の摺動部11、21間
に、放射方向に延びる多数のフィン体32および33に
より、放射方向に延びるとともに内側(冷却風の入口
側)及び外側(冷却風の出口側)が確実に開放された複
数の通風路が形成されるとともに、各通風路は周方向に
連続した状態で形成される。このため、ベンチレーテッ
ドディスクの回転に伴い該通風路内で放射方向及び周方
向の滑らかな空気流れが生じ、各摺動部11、21に発
生する摩擦熱は、各摺動部11、21の内面に突設され
たフィン体32および33に伝達され、フィン体32お
よび33に接触する上記空気流れによってを効果的に発
散され得る。
【0030】また、本第2実施例のベンチレーテッドデ
ィスクにおいても、上記第1実施例と同様に、両ネジ4
1の軸部41aの長さを調整することで一対の摩擦板
1、2間の間隔を調整したり、フィン体32および33
のみを熱伝導性が高く放熱効果の高い材料で形成した
り、フィン体の数に応じてフィン体32および33の表
面積及び通風路を増大させたりすることができることは
いうまでもない。
【0031】なお、上記フィン体32および33の高さ
を両ネジ41の軸部41aの長さと同等としてフィン体
32および33の先端を対向する摺動部11、21の内
面の平坦部に当接させることも可能であり、この場合フ
ィン体32および33の数に等しい数の放射方向に延び
る独立した通風路を形成することができる。この場合フ
ィン体32および33と摺動部11、21との接触面積
が増大するので、より放熱効果を高めることができる。
【0032】(第3実施例)本実施例のベンチレーテッ
ドディスクは摩擦板1、2とフィン体32および33と
を同一材料で一体的に鋳造したもので、その他の構成は
上記第2実施例のベンチレーテッドディスクと同様であ
る。本実施例のベンチレーテッドディスクは、摩擦板
1、2とフィン体32およびひ33とが一体的に鋳造さ
れているので、上記第2実施例のベンチレーテッドディ
スクと比較して、以下のような作用、効果を奏する。
【0033】すなわち、フィン体32および33が摩擦
板1から離脱するおそれがなく、信頼性及び耐久性が向
上する。また、ベンチレーテッドディスクの製造工程を
簡素化することができる。一方、フィン体32および3
3のみを熱伝導性が高く放熱効果の高い材料で形成する
ことはできない。なお、その他の作用、効果は上記第2
実施例のベンチレーテッドディスクと同様である。
【0034】(その他の実施例)上記第1〜第3実施例
では、両ネジ41及び一対のナット42、42よりなる
取付具4の例について説明したが、これの代わりに図4
に示すように、ボルト43、カラー44及びナット45
よりなる鉄材料で形成された取付具40を用いることも
可能である。すなわち、この取付具40は、一方の摩擦
板1の凹部13a内に収容される頭部43a及び両摩擦
板1、2の通孔13b,23bに挿通されるネジ部43
bよりなるボルト43と、両摩擦板1、2の摺動部1
1、21間に挟持されるとともに該ボルト43のネジ部
43bが挿通されるカラー44と、他方の摩擦板2の凹
部23a内に収容されて該ボルト43のネジ部43bに
螺合されるナット45とから構成されている。なお、上
記第1実施例のベンチレーテッドディスクにこの取付具
40を挿着する場合は、各カラー44がフィン体3の挿
通孔31にそれぞれ挿通される。
【0035】この取付具40では、各取付具40を構成
する所定長さのカラー44により、一対の摩擦板1、2
間の間隔が一定にかつ確実に保持され、上記両ネジ41
及び一対のナット42、42よりなる取付具4と同様の
作用、効果を奏する。また、上記第1〜第3実施例で
は、摩擦板1、2の摺動部11、21の相対向する各内
面の間にフィン体3、32および33が配置され、摩擦
板2の組付部22は摩擦板2の外面側に摺動部21と一
体的に設けられている例について説明したが、例えば摩
擦板1の中心孔1aを組付部22が挿通可能な大きさと
して該摩擦板1の中心孔1a内に摩擦板2の組付部22
を挿通させ、摩擦板2の摺動部21の組付部22が突設
された側の面と摩擦板1の摺動部11との間にフィン体
3、32および33を介装させる構成とすることも可能
である。
【0036】さらに、上記第1〜第3実施例では、フィ
ン体3、3’を鉄材料で形成したが、フィン体の材料と
しては、熱伝導性、重量及び減衰特性等を考慮して適宜
材料を選定することが可能である。同様に、取付具4、
40の材料も、上記実施例で用いた鉄材料の他に、強
度、熱伝導性、重量及び減衰特性等を考慮して、適宜材
料を用いることが可能である。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のベンチレ
ーテッドディスクは、各摩擦板とフィン体とを、複数の
取付具により一対の摩擦板間の間隔を一定にかつ確実に
保持しつつ結合したものであるから、取付具の長さに応
じて一対の摩擦板間の間隔を調整することができる。ま
た、冷却風の流通を妨げる補強リブを通風路に設ける必
要がなく、通風路における冷却風の滑らかな流通を確保
することができる。したがって、本発明のベンチレーテ
ッドディスクでは、ベンチレーテッドディスクの強度低
下を伴うことなく、一対の摩擦板間の間隔を大きくする
とともに冷却風の滑らかな流通を確保して放熱効果をよ
り高めることが可能である。
【0038】また、フィン体を熱伝導性が高く放熱効果
の高い材料や、軽量化に適した材料や、減衰性に優れた
材料で形成することが可能となる。そして、取付具を、
両ネジ及び一対のナットや、ボルト、カラー及びナット
で構成した場合、該取付具が着脱可能となるので、フィ
ン体が錆びたりして交換必要となった場合にも、容易に
フィン体のみの交換が可能となる。また、フィン体及び
取付具の材料や重量を変更することによりベンチレーテ
ッドディスクの固有振動数を場合に応じて適宜調整する
ことが可能となるので、ベンチレーテッドディスクの固
有振動数と車両の固有振動数との共振に起因して発生す
るブレーキ振動に対して、容易に対策を講じることがで
きるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のベンチレーテッドディスクの全体
構成を示す斜視図である。
【図2】上記ベンチレーテッドディスクに係る取付具の
構成を示す部分断面図である。
【図3】第2実施例のベンチレーテッドディスクの全体
構成を示す斜視図である。
【図4】上記取付具のその他の実施例を示す部分断面図
である。
【図5】従来のベンチレーテッドディスクの全体構成を
示す斜視図である。
【符号の説明】
1、2・・・・・・・・・摩擦板、 11、21・・・・・・・摺動部、 13、23・・・・・・・取付孔、 13a,23a・・・・・凹部、 13b,23b・・・・・通孔、 3、32、33・・・・・フィン体、 31・・・・・・・・・・挿通孔、 4、40・・・・・・・・取付具、 41・・・・・・・・・・両ネジ、 41a・・・・・・・・・軸部、 41b、43b・・・・・ネジ部、 42、45・・・・・・・ナット、 43・・・・・・・・・・ボルト、 43a・・・・・・・・・頭部、 44・・・・・・・・・・カラー、

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状の摺動部のそれぞれ対向する位置に
    複数の取付孔が設けられたリング板状の一対の摩擦板
    と、両摩擦板の該摺動部間に配置され該摺動部間に放熱
    用通風路を形成するフィン体と、各上記取付孔に取り付
    けられて両摩擦板の摺動部間を所定間隔に保持しつつ該
    両摩擦板を結合する複数の取付具とから構成されている
    ことを特徴とするベンチレーテッドディスク。
  2. 【請求項2】 前記フィン体は、前記通風路が放射方向
    に延びて形成されるように山部及び谷部が周方向に交互
    に連設されたリング状薄板よりなり、該フィン体には前
    記摩擦板の各取付孔に対応する位置に取付具が挿通可能
    な複数の挿通孔が設けられている請求項1記載のベンチ
    レーテッドディスク。
  3. 【請求項3】 前記フィン体は、前記各摩擦板の摺動部
    の内面で前記取付孔が設けられていない位置にそれぞれ
    放射方向に延びて突設された複数の棒状片よりなる請求
    項1記載のベンチレーテッドディスク。
  4. 【請求項4】 前記各取付孔は、前記各摩擦板の外面に
    設けられた凹部及び該凹部よりも小さな孔径で該凹部の
    底壁に貫設された通孔よりなり、前記各取付具は、両摩
    擦板の摺動部間に挟持される軸部及び該軸部の両端にそ
    れぞれ一体的に設けられ上記取付孔の通孔から凹部内に
    挿通される一対のネジ部を有する両ネジと、上記取付孔
    の凹部内に収容されて該両ネジの各ネジ部に螺合される
    一対のナットとからなる請求項1、2又は3記載のベン
    チレーテッドディスク。
  5. 【請求項5】 前記各取付孔は、各摩擦板の外面に設け
    られた凹部及び該凹部よりも小さな孔径で該凹部の底壁
    に貫設された通孔よりなり、前記各取付具は、一方の摩
    擦板の凹部内に収容される頭部及び両摩擦板の通孔に挿
    通されるネジ部よりなるボルトと、両摩擦板の摺動部間
    に挟持されるとともに該ボルトのネジ部が挿通されるカ
    ラーと、他方の摩擦板の凹部内に収容されて該ボルトの
    ネジ部に螺合されるナットとからなる請求項1、2又は
    3記載のベンチレーテッドディスク。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101439141B1 (ko) * 2012-12-27 2014-09-11 현대자동차주식회사 삼중 접합된 경량형 디스크 브레이크
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