JP4507437B2 - ブレーキディスク - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制動ディスクとハブディスクとを分割構成してフローティング状態に連結したブレーキディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ディスクブレーキ装置のブレーキディスクとして、ブレーキディスクを、ブレーキパッドが圧接される環状の制動ディスクと、制動ディスクの内側に装着されるハブディスクとに分割構成し、両ディスクを複数の連結手段を介してフローティング状態に連結し、ブレーキ操作時の発熱による制動ディスクの熱膨張を両ディスク間の隙間で吸収して、制動ディスクの熱変形を防止し、制動ディスクの熱変形による制動性能の低下や不安定化を抑制した、所謂フローティングブレーキディスクが広く実用化されている。
【0003】
前記連結機構としては、例えば実公平2−42897号公報に記載のように、制動ディスクの内周縁部に複数の制動側連結凹部を形成し、ハブディスクの外周縁部に制動側連結凹部と突き合わせ可能なハブ側連結凹部を形成し、両連結凹部を組み合わせて形成される連結孔に連結ピンを装着し、連結ピンと連結ピンに外嵌状に装着した皿バネ及び座金を介して両ディスクをフローティング状態に連結するように構成したものが広く採用されている。
【0004】
一方、特開平8−20319号公報には、熱伝導面の外周部からフランジ状に立ち上がった放熱面とを有する放熱メンバーを、ブレーキディスクとともにホイールハブに固定して、ブレーキディスク及びホイールハブを冷却するように構成した冷却装置が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記ブレーキディスクにおいては、制動ディスクの発熱によるブレーキディスクの変形は抑制できるものの、制動ディスクとハブディスクとが隙間を介して縁切りされているので、制動ディスクの熱がハブディスク側へ伝熱され難く、制動ディスクの温度が高くなり易い。このため、制動ディスクを厚肉に構成してその熱容量を大きく設定し、制動ディスクの温度上昇を抑制して、温度上昇による制動ディスクの熱変形及び熱劣化を防止するように構成されている。しかし、この場合には、ブレーキディスクの重量が大きくなり、操縦安定性が悪化する傾向にある。更に、コストアップにもなる。
【0006】
一方、前記公報に記載の冷却装置では、1枚もののブレーキディスクの冷却には好適であるが、制動ディスクとハブディスクとに分割構成したブレーキディスクにおいては、前述したように制動ディスクの熱がハブディスク側へ伝熱され難くいことから、制動ディスクを冷却できないという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、温度上昇による制動ディスクの熱変形及び熱劣化を防止して制動性能の向上及び安定化を図りつつ、制動ディスクを薄肉軽量に構成し得るブレーキディスクを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段及びその作用】
本発明に係るブレーキディスクは、平板環状の制動ディスクと、前記制動ディスクの内側に配置したハブディスクと、前記両ディスクをフローティング状態に連結する複数の連結手段であって、両ディスクの突き合わせ部分に装着した連結ピンを有する複数の連結手段と、前記制動ディスクの温度上昇を抑制するための放熱部材であって、両ディスクにわたって取り付けた取付部と、取付部から制動ディスクの面外方向へ突出する放熱フィンと有する放熱部材とを備えたものである。
【0009】
このブレーキディスクにおいては、制動ディスクとハブディスクと分割構成されて、複数の連結手段でフローティング状態に連結されているので、ブレーキ操作時の発熱による制動ディスクの熱膨張は両ディスク間の隙間で吸収され、制動ディスク乃至ブレーキディスク全体が変形するという不具合が防止される。また、放熱部材による放熱作用で、ブレーキ作動時における制動ディスクの温度上昇を抑制して、制動ディスクの熱変形及び熱劣化を防止できる。しかも、放熱部材の取付部が両ディスクにわたって取り付けられているので、取付部を介してなされる、制動ディスクからハブディスクへの伝熱により、ブレーキ操作時における制動ディスクの温度上昇を一層効果的に抑制でき、制動ディスクの温度上昇による熱変形や熱劣化を確実に防止できる。その結果、制動性能の向上及び安定化を図りつつ、制動ディスクとして熱容量の小さい薄肉軽量のものを採用することが可能となる。
【0010】
ここで、前記連結ピンを介して放熱部材を両ディスクに取り付けてもよい。この場合には、放熱部材による放熱作用で制動ディスクの温度上昇を抑制できるとともに、放熱部材を介して制動ディスクからハブディスク側への伝熱を促進して、制動ディスクの温度上昇を一層効果的に抑制できる。また、連結ピンを介して放熱部材を両ディスクに取り付けているので、部品点数を増やすことなく放熱部材をブレーキディスクに取り付けることが可能となる。
【0011】
前記連結ピンに弾性部材を外装するとともに、放熱部材の取付部を両ディスクにわたって配置させて、弾性部材の付勢力を利用して取付部を両ディスクに圧接させてもよい。このように構成すると、ブレーキディスクを構成する弾性部材を利用して、放熱部材を両ディスクに圧接させ、部品点数を増やすことなく放熱部材と両ディスク間における伝熱効率を向上し、放熱部材への伝熱を促進して制動ディスクの温度上昇を一層効果的に抑制できる。
【0012】
前記放熱部材を両ディスクの突き合わせ部分に沿ったリング状に形成してもよい。つまり、両ディスク部は突き合わせ部分に形成される隙間により熱的に分離されるので、放熱部材を突き合わせ部分に沿ってリング状に形成することで、放熱部材による放熱作用及び制動ディスクからハブディスク側への伝熱作用をブレーキディスク全体的に作用させて、制動ディスクの温度上昇を全体的にバランスよく抑制することが可能となる。
【0013】
前記放熱部材の素材板を切り起こして放熱フィンを形成してもよい。このように構成すると、複数の放熱フィンを有する放熱部材を安価に製作することが可能となる。
【0014】
前記制動ディスクからハブディスク側或いは反対側へ向かう空気の流れが形成されるように放熱フィンを配置してもよい。このような空気の流れを形成すると、制動ディスクの放熱性を高めて、制動ディスクの温度上昇をより一層効果的に抑制できる。
【0015】
前記放熱フィンを両ディスクの半径方向に放射状に形成してもよい。この場合には、ブレーキディスクの回転により放熱フィン付近に乱流が形成されて、放熱フィンの外面の熱が剥ぎ取られるので、放熱部材による冷却性能を向上できるので好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1〜図3に示すように、ブレーキディスク1は、平板環状の制動ディスク2と、制動ディスク2の内側に所定の隙間10をあけて装着したハブディスク3と、制動ディスク2とハブディスク3とをフローティング状態に連結する複数の連結手段4と、連結手段4を介して両ディスク2,3に取り付けた放熱部材5とを備えている。但し、本実施例では、10個の連結手段4で制動ディスク2とハブディスク3とを連結した、10個以外の個数の連結手段4で連結することも可能である。
【0017】
制動ディスク2は、耐磨耗性に優れたステンレス鋼や炭素鋼などの金属材料を用いて、平板な環状に形成されている。制動ディスク2には、制動性能の向上や安定化、冷却性能やウォーターリカバリー性の向上、重量軽減などのため、複数の貫通孔2aが所定のパターンで形成されている。
【0018】
ハブディスク3は、制動時における荷重に耐え得るものであれば各種金属材料で構成できるが、ステンレス鋼、炭素鋼、アルミニウム合金などが挙げられ、特にブレーキディスク1を極力軽量に構成するため、アルミニウム合金などの金属材料で構成することが好ましい。ハブディスク3は平板な環状に形成され、ハブディスク3の半径方向の途中部には軽量化のための複数の第1軽減孔6が一定間隔おきに形成されるとともに、ホイールハブ(図示略)に対する取付用の複数の取付孔7が形成されている。但し、ハブディスク3としては、ホイールハブの形状等に応じて例えば深皿状などの立体形状に形成したものを採用してもよい。また、第1軽減孔6の形状や個数、取付孔7の個数は任意に設定することが可能である。
【0019】
図3、図4に示すように、制動ディスク2の内側にはハブディスク3が装着され、両ディスク2,3間には制動ディスク2の熱膨張を吸収するための所定の隙間10が形成されている。制動ディスク2の内周縁部には複数の制動側連結凹部12が円周方向に一定間隔おきに形成され、ハブディスク3の外周縁部には制動側連結凹部12と突き合わせ可能なハブ側連結凹部13が円周方向に一定間隔おきに形成されている。ハブディスク3は、両連結凹部12,13を対面状に突き合わせて制動ディスク2の内側に内嵌装着され、両連結凹部12,13により両ディスク2,3間には複数の連結孔14が円周一定間隔おきに形成されている。連結孔14は、加工が容易なことから平面視円形に形成することが好ましいが、楕円形や小判型に形成することも可能である。
【0020】
制動ディスク2とハブディスク3の突き合わせ部分には連結孔14と第2軽減孔11が円周方向に交互に形成されている。但し、連結孔14及び第2軽減孔11の個数は連結手段4の個数に応じて任意に設定することになる。
【0021】
連結手段4は、連結孔14に装着した連結ピン15と、連結ピン15の胴体部16に外装した弾性部材20とを備えている。連結ピン15は、図4に示すように、連結孔14に内嵌装着した略円筒状の胴体部16と、胴体部16の一端部に形成した連結孔14よりも大径の抜け止め用の第1鍔部17と、胴体部16の他端部に形成した連結孔14よりも大径の抜け止め用の第2鍔部18とから一体的に形成され、弾性部材20は第2鍔部18と両ディスク2,3間において胴体部16に外嵌状に装着されている。両ディスク2,3は、連結ピン15により相対回転不能で且つ軸方向への相対移動を規制した状態に連結され、また弾性部材20により同一平面内に位置するように付勢されて、フローティング状態に連結されている。
【0022】
ここで、連結手段4の組付方法について簡単に説明すると、図5に示すように、一端に第1鍔部17を予め形成した連結ピン15Aを連結孔14に装着し、連結孔14から外部へ突出した連結ピン15Aの他端部に後述する放熱部材5と弾性部材20とを順次外装してから、連結ピン15Aの他端部をかしめて連結ピン15Aの他端に第2鍔部18を形成することで、両ディスク2,3に組み付けられている。
【0023】
尚、連結手段4としては、任意の構成のものを採用することが可能である。例えば、連結ピン15として、中実のピン部材を用いたり、胴体部16に段部を有しないストレートピンを用いたり、第2鍔部18のかしめ加工を容易にするため、かしめ前の胴体部を先端側へ行くほど薄肉に構成したピン部材を用いてもよい。また、弾性部材20としては、皿バネの小径端に内側へ延びる平坦部を形成したものや、皿バネの大径端に外側へ延びる平坦部を形成したものを採用したり、皿バネに代えてウェーブワッシャ等を採用することも可能である。更に、第2鍔部18と弾性部材20間において胴体部16にワッシャを装着したものや、第2鍔部18と胴体部16間にワッシャを挟持させたものや、第1鍔部17と両ディスク2,3間において胴体部16に弾性部材20を外装したものなどを採用することも可能である。また、比較的凹凸の少ない路面を常時走行する例えばレーシング用の自動二輪車に適用する場合には、弾性部材20を省略することも可能である。
【0024】
放熱部材5は、図1、図2、図4〜図6に示すように、両ディスク2,3の突き合わせ部分に沿ったリング状に形成され、連結孔14に対応する位置には両ディスク2,3にわたって延びる取付部21がそれぞれ形成され、取付部21の中央部には連結ピン15の胴体部16が挿通する挿通孔22が形成されている。取付部21は、弾性部材20と両ディスク2,3間において連結ピン15の胴体部16に外装されて、弾性部材20の付勢力で両ディスク2,3に圧接され、放熱部材5は連結ピン15を介して両ディスク2,3に取り付けられている。
【0025】
取付部21の円周方向両側には両ディスク2,3の面外方向へ突出する放熱フィン23が半径方向に放射状に設けられている。尚、この放熱フィン23は放熱部材5の外周側部分に設けることも可能であるし、内周側部分と外周側部分とに設けることも可能である。また、隣接する挿通孔22間に2枚の放熱フィン23を設けたが、2枚以外の枚数の放熱フィンを設けることも可能である。更に、この放熱フィン23を半径方向に対して円周一方向に角度を付けて配置させ、ブレーキディスク1の回転により、制動ディスク2からハブディスク3側或いは反対側への空気の流れが形成されるように構成して、制動ディスク2の放熱効率を高めてもよい。更にまた、放熱フィン23に凹凸部や貫通孔を形成して、放熱フィン23の表面付近の空気の流れを乱し、放熱効率を高めてもよい。
【0026】
放熱部材5の素材としては、特に限定しないが、ステンレス鋼、炭素鋼などのような熱容量の大きな金属材料や、アルミニウム合金、銅や銅合金、銀などのような熱伝導率に優れる金属材料からなるものを採用できる。また、ハブディスク3の素材に応じて放熱部材5の素材を選定してもよく、例えばハブディスク3をアルミニウム合金で構成する場合には、ハブディスク3の摩耗を防止するためアルミニウム合金で構成し、ハブディスク3をステンレス鋼で構成する場合には、熱容量を大きくするため厚肉なステンレス鋼板で構成することが好ましい。
【0027】
放熱部材5の厚さは、適宜に設定可能であるが、厚すぎるとブレーキディスク1が重たくなり、薄すぎると破損することが考えられるので、0.2〜2.0mm、望ましくは0.4〜1.5mmに設定することになる。また、放熱フィン23の面外方向への突出長さは、長すぎると空気抵抗が大きくなり、短すぎると放熱効果が十分に得られないので、3〜20mm、望ましくは5〜18mmに設定することになる。更に、放熱フィン23の幅はブレーキ装置やホイールハブと干渉しないように適宜に設定可能である。
【0028】
このような放熱部材5は、例えば図7に示すような平板状のリング部材5Aに、T字状に切り込み25を入れてフィン構成部23Aを破線で示す折り目線26に沿って立起させることにより製作することになる。尚、リング部材5Aは、例えば金属板を打ち抜いて製作することになるが、金属板の中央部及び外周部に使用できない部分が多量に発生するので、円周方向に複数に分割構成して、素材金属の無駄を極力少なくすることが好ましい。但し、放熱部材5を連結ピン15の個数に分割すると、連結ピン15を中心に放熱部材が回転するので、少なくとも2本の連結ピン15で放熱部材が取り付けられるように分割することが好ましい。
【0029】
このように放熱部材5を設けると、制動ディスク2の熱を効率的に放熱できるとともに、放熱部材5の取付部23を介して制動ディスク2からハブディスク3への伝熱を促進して、ブレーキ操作時における制動ディスク2の温度上昇を抑制でき、制動ディスク2の温度上昇による熱変形や熱劣化を確実に防止できる。その結果、制動性能の向上及び安定化を図りつつ、制動ディスク2として熱容量の小さい薄肉軽量のものを採用することが可能となる。
【0030】
ここで、ブレーキディスク1の性能を評価するために行った性能試験ついて簡単に説明する。
放熱部材5を設けたブレーキディスク1と、放熱部材5を設けていないブレーキディスクとを用意し、ブレーキディスクを一定回転数まで回転させて制動し、再度回転させて制動するという操作を一定時間毎に行ったときの制動ディスク2の表面温度をそれぞれ測定し、表1に示す結果を得た。
【0031】
【表1】
Figure 0004507437
【0032】
表1から、放熱部材5を設けたブレーキディスクは、放熱部材5を設けていないブレーキディスクと比較して、最高温度が60℃以上低く抑えられ、その分制動ディスク2の熱変形が抑制できることが実証された。
【0033】
尚、前記実施例では、両ディスク2,3と弾性部材20間に取付部21が配置されるように放熱部材5を設けたが、両ディスク2,3と第1鍔部17間に取付部21が配置されるように放熱部材5を設けたり、両ディスク2,3と弾性部材20間及び両ディスク2,3と第1鍔部17間に取付部21が配置されるように2枚の放熱部材5を設けることも可能である。また、放熱部材5は、連結ピン15以外の別途のリベットやビス等の固定具で制動ディスク2に取り付けてもよい。更に、両ディスク2,3と放熱部材5間における伝熱効率を改善するため、シリコンオイルなどを介して放熱部材5の取付部21を両ディスク2,3に密着させてもよい。更にまた、放熱部材5の取付部21に両ディスク2,3の隙間10内へ延びて両ディスク2,3の突き合わせ部分に圧接される突部を形成し、放熱部材5と両ディスク2,3との接触面積を増やして、伝熱能力を高めてもよい。
【0034】
【発明の効果】
本発明に係るブレーキディスクによれば、制動ディスクとハブディスクにわたって放熱部材が設けられ、この放熱部材による放熱作用で、ブレーキ作動時における制動ディスクの温度上昇を抑制して、制動ディスクの熱変形及び熱劣化を防止できる。しかも、放熱部材の取付部が両ディスクにわたって取り付けられているので、取付部を介してなされる、制動ディスクからハブディスクへの伝熱により、ブレーキ操作時における制動ディスクの温度上昇を一層効果的に抑制でき、制動ディスクの温度上昇による熱変形や熱劣化を確実に防止できる。その結果、制動性能の向上及び安定化を図りつつ、制動ディスクとして熱容量の小さい薄肉軽量のものを採用することが可能となる。
【0035】
ここで、連結ピンを介して放熱部材を両ディスクに取り付けると、放熱部材による放熱作用で制動ディスクの温度上昇を抑制できるとともに、放熱部材を介して制動ディスクからハブディスク側への伝熱を促進して、制動ディスクの温度上昇を一層効果的に抑制できる。また、連結ピンを介して放熱部材を両ディスクに取り付けているので、部品点数を増やすことなく放熱部材をブレーキディスクに取り付けることが可能となる。
【0036】
連結ピンに弾性部材を外装するとともに、放熱部材の取付部を両ディスクにわたって配置させて、弾性部材の付勢力を利用して取付部を両ディスクに圧接させると、ブレーキディスクを構成する弾性部材を利用して、放熱部材を両ディスクに圧接させ、部品点数を増やすことなく放熱部材と両ディスク間における伝熱効率を向上し、放熱部材への伝熱を促進して制動ディスクの温度上昇を一層効果的に抑制できる。
【0037】
放熱部材を両ディスクの突き合わせ部分に沿ったリング状に形成すると、放熱部材による放熱作用及び制動ディスクからハブディスク側への伝熱作用をブレーキディスク全体的に作用させて、制動ディスクの温度上昇を全体的にバランスよく抑制することが可能となる。
【0038】
放熱部材の素材板を切り起こして放熱フィンを形成すると、複数の放熱フィンを有する放熱部材を安価に製作することが可能となる。
【0039】
制動ディスクからハブディスク側或いは反対側へ向かう空気の流れが形成されるように放熱フィンを配置すると、制動ディスクの放熱性を高めて、制動ディスクの温度上昇を一層効果的に低減できる。
【0040】
放熱フィンを両ディスクの半径方向に放射状に形成すると、ブレーキディスクの回転により放熱フィン付近に乱流が形成されて、放熱フィンの外面の熱が剥ぎ取られるので、放熱部材による冷却性能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ブレーキディスクの平面図
【図2】 図1のII-II線断面図
【図3】 制動ディスク及びハブディスクの平面図
【図4】 連結手段付近の縦断面図
【図5】 連結ピンをかしめる前の連結手段付近の縦断面図
【図6】 放熱部材の平面図
【図7】 放熱部材の素材板の平面図
【符号の説明】
1 ブレーキディスク 2 制動ディスク
2a 貫通孔
3 ハブディスク 4 連結手段
5 放熱部材 6 第1軽減孔
7 取付孔 10 隙間
11 第2軽減孔 12 制動側連結凹部
13 ハブ側連結凹部 14 連結孔
15 連結ピン 15A 連結ピン
16 胴体部 17 第1鍔部
18 第2鍔部
20 弾性部材 21 取付部
22 挿通孔 23 放熱フィン
5A リング部材 23A フィン構成部
25 切り込み 26 折り目線

Claims (7)

  1. 平板環状の制動ディスクと、
    前記制動ディスクの内側に配置したハブディスクと、
    前記両ディスクをフローティング状態に連結する複数の連結手段であって、両ディスクの突き合わせ部分に装着した連結ピンを有する複数の連結手段と、
    前記制動ディスクの温度上昇を抑制するための放熱部材であって、両ディスクにわたって取り付けた取付部と、取付部から制動ディスクの面外方向へ突出する放熱フィンと有する放熱部材と、
    を備えたことを特徴とするブレーキディスク。
  2. 前記連結ピンを介して放熱部材を両ディスクに取り付けた請求項1記載のブレーキディスク。
  3. 前記連結ピンに弾性部材を外装するとともに、放熱部材の取付部を両ディスクにわたって配置させて、弾性部材の付勢力を利用して取付部を両ディスクに圧接させた請求項1又は2記載のブレーキディスク。
  4. 前記放熱部材を両ディスクの突き合わせ部分に沿ったリング状に形成した請求項1〜3のいずれか1項記載のブレーキディスク。
  5. 前記放熱部材の素材板を切り起こして放熱フィンを形成した請求項1〜4のいずれか1項記載のブレーキディスク。
  6. 前記制動ディスクからハブディスク側或いは反対側へ向かう空気の流れが形成されるように放熱フィンを配置した請求項1〜5のいずれか1項記載のブレーキディスク。
  7. 前記放熱フィンを両ディスクの半径方向に放射状に形成した請求項1〜6のいずれか1項記載のブレーキディスク。
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