JP2002303343A - ブレーキディスク - Google Patents

ブレーキディスク

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JP2002303343A JP2001106618A JP2001106618A JP2002303343A JP 2002303343 A JP2002303343 A JP 2002303343A JP 2001106618 A JP2001106618 A JP 2001106618A JP 2001106618 A JP2001106618 A JP 2001106618A JP 2002303343 A JP2002303343 A JP 2002303343A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度上昇による制動ディスクの熱変形及び熱
劣化を防止して制動性能の向上及び安定化を図りつつ、
制動ディスクを薄肉軽量に構成し得るブレーキディスク
を提供する。 【解決手段】 平板環状の制動ディスク2と、制動ディ
スク2の内側に配置したハブディスク3と、両ディスク
2,3をフローティング状態に連結する複数の連結手段
4であって、両ディスク2,3の突き合わせ部分に装着
した連結ピン15を有する複数の連結手段4と、制動デ
ィスク2の温度上昇を抑制するための放熱部材5であっ
て、制動ディスク2又は両ディスク2,3にわたって取
り付けた取付部21と、取付部21から制動ディスク2
の面外方向へ突出する放熱フィン23と有する放熱部材
5とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制動ディスクとハ
ブディスクとを分割構成してフローティング状態に連結
したブレーキディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ディスクブレーキ装置のブレー
キディスクとして、ブレーキディスクを、ブレーキパッ
ドが圧接される環状の制動ディスクと、制動ディスクの
内側に装着されるハブディスクとに分割構成し、両ディ
スクを複数の連結手段を介してフローティング状態に連
結し、ブレーキ操作時の発熱による制動ディスクの熱膨
張を両ディスク間の隙間で吸収して、制動ディスクの熱
変形を防止し、制動ディスクの熱変形による制動性能の
低下や不安定化を抑制した、所謂フローティングブレー
キディスクが広く実用化されている。
【0003】前記連結機構としては、例えば実公平2−
42897号公報に記載のように、制動ディスクの内周
縁部に複数の制動側連結凹部を形成し、ハブディスクの
外周縁部に制動側連結凹部と突き合わせ可能なハブ側連
結凹部を形成し、両連結凹部を組み合わせて形成される
連結孔に連結ピンを装着し、連結ピンと連結ピンに外嵌
状に装着した皿バネ及び座金を介して両ディスクをフロ
ーティング状態に連結するように構成したものが広く採
用されている。
【0004】一方、特開平8−20319号公報には、
熱伝導面の外周部からフランジ状に立ち上がった放熱面
とを有する放熱メンバーを、ブレーキディスクとともに
ホイールハブに固定して、ブレーキディスク及びホイー
ルハブを冷却するように構成した冷却装置が記載されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記ブレー
キディスクにおいては、制動ディスクの発熱によるブレ
ーキディスクの変形は抑制できるものの、制動ディスク
とハブディスクとが隙間を介して縁切りされているの
で、制動ディスクの熱がハブディスク側へ伝熱され難
く、制動ディスクの温度が高くなり易い。このため、制
動ディスクを厚肉に構成してその熱容量を大きく設定
し、制動ディスクの温度上昇を抑制して、温度上昇によ
る制動ディスクの熱変形及び熱劣化を防止するように構
成されている。しかし、この場合には、ブレーキディス
クの重量が大きくなり、操縦安定性が悪化する傾向にあ
る。更に、コストアップにもなる。
【0006】一方、前記公報に記載の冷却装置では、1
枚もののブレーキディスクの冷却には好適であるが、制
動ディスクとハブディスクとに分割構成したブレーキデ
ィスクにおいては、前述したように制動ディスクの熱が
ハブディスク側へ伝熱され難くいことから、制動ディス
クを冷却できないという問題がある。
【0007】本発明の目的は、温度上昇による制動ディ
スクの熱変形及び熱劣化を防止して制動性能の向上及び
安定化を図りつつ、制動ディスクを薄肉軽量に構成し得
るブレーキディスクを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段及びその作用】本発明に係
るブレーキディスクは、平板環状の制動ディスクと、前
記制動ディスクの内側に配置したハブディスクと、前記
両ディスクをフローティング状態に連結する複数の連結
手段であって、両ディスクの突き合わせ部分に装着した
連結ピンを有する複数の連結手段と、前記制動ディスク
の温度上昇を抑制するための放熱部材であって、制動デ
ィスク又は両ディスクにわたって取り付けた取付部と、
取付部から制動ディスクの面外方向へ突出する放熱フィ
ンと有する放熱部材とを備えたものである。
【0009】このブレーキディスクにおいては、制動デ
ィスクとハブディスクとが分割構成されて、複数の連結
手段でフローティング状態に連結されているので、ブレ
ーキ操作時の発熱による制動ディスクの熱膨張は両ディ
スク間の隙間で吸収され、制動ディスク乃至ブレーキデ
ィスク全体が変形するという不具合が防止される。ま
た、放熱部材による放熱作用で、ブレーキ作動時におけ
る制動ディスクの温度上昇を抑制して、制動ディスクの
熱変形及び熱劣化を防止できる。その結果、制動性能の
向上及び安定化を図りつつ、制動ディスクとして熱容量
の小さい薄肉軽量のものを採用することが可能となる。
【0010】ここで、前記連結ピンを介して放熱部材を
両ディスクに取り付けてもよい。この場合には、放熱部
材による放熱作用で制動ディスクの温度上昇を抑制でき
るとともに、放熱部材を介して制動ディスクからハブデ
ィスク側への伝熱を促進して、制動ディスクの温度上昇
を一層効果的に抑制できる。また、連結ピンを介して放
熱部材を両ディスクに取り付けているので、部品点数を
増やすことなく放熱部材をブレーキディスクに取り付け
ることが可能となる。
【0011】前記連結ピンに弾性部材を外装するととも
に、放熱部材の取付部を両ディスクにわたって配置させ
て、弾性部材の付勢力を利用して取付部を両ディスクに
圧接させてもよい。このように構成すると、ブレーキデ
ィスクを構成する弾性部材を利用して、放熱部材を両デ
ィスクに圧接させ、部品点数を増やすことなく放熱部材
と両ディスク間における伝熱効率を向上し、放熱部材へ
の伝熱を促進して制動ディスクの温度上昇を一層効果的
に抑制できる。
【0012】前記放熱部材を両ディスクの突き合わせ部
分に沿ったリング状に形成してもよい。つまり、両ディ
スク部は突き合わせ部分に形成される隙間により熱的に
分離されるので、放熱部材を突き合わせ部分に沿ってリ
ング状に形成することで、放熱部材による放熱作用及び
制動ディスクからハブディスク側への伝熱作用をブレー
キディスク全体的に作用させて、制動ディスクの温度上
昇を全体的にバランスよく抑制することが可能となる。
【0013】前記放熱部材の素材板を切り起こして放熱
フィンを形成してもよい。このように構成すると、複数
の放熱フィンを有する放熱部材を安価に製作することが
可能となる。
【0014】前記制動ディスクからハブディスク側或い
は反対側へ向かう空気の流れが形成されるように放熱フ
ィンを配置してもよい。このような空気の流れを形成す
ると、制動ディスクの放熱性を高めて、制動ディスクの
温度上昇をより一層効果的に抑制できる。
【0015】前記放熱フィンを両ディスクの半径方向に
放射状に形成してもよい。この場合には、ブレーキディ
スクの回転により放熱フィン付近に乱流が形成されて、
放熱フィンの外面の熱が剥ぎ取られるので、放熱部材に
よる冷却性能を向上できるので好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。図1〜図3に示すよ
うに、ブレーキディスク1は、平板環状の制動ディスク
2と、制動ディスク2の内側に所定の隙間10をあけて
装着したハブディスク3と、制動ディスク2とハブディ
スク3とをフローティング状態に連結する複数の連結手
段4と、連結手段4を介して両ディスク2,3に取り付
けた放熱部材5とを備えている。但し、本実施例では、
10個の連結手段4で制動ディスク2とハブディスク3
とを連結した、10個以外の個数の連結手段4で連結す
ることも可能である。
【0017】制動ディスク2は、耐磨耗性に優れたステ
ンレス鋼や炭素鋼などの金属材料を用いて、平板な環状
に形成されている。制動ディスク2には、制動性能の向
上や安定化、冷却性能やウォーターリカバリー性の向
上、重量軽減などのため、複数の貫通孔2aが所定のパ
ターンで形成されている。
【0018】ハブディスク3は、制動時における荷重に
耐え得るものであれば各種金属材料で構成できるが、ス
テンレス鋼、炭素鋼、アルミニウム合金などが挙げら
れ、特にブレーキディスク1を極力軽量に構成するた
め、アルミニウム合金などの金属材料で構成することが
好ましい。ハブディスク3は平板な環状に形成され、ハ
ブディスク3の半径方向の途中部には軽量化のための複
数の第1軽減孔6が一定間隔おきに形成されるととも
に、ホイールハブ(図示略)に対する取付用の複数の取
付孔7が形成されている。但し、ハブディスク3として
は、ホイールハブの形状等に応じて例えば深皿状などの
立体形状に形成したものを採用してもよい。また、第1
軽減孔6の形状や個数、取付孔7の個数は任意に設定す
ることが可能である。
【0019】図3、図4に示すように、制動ディスク2
の内側にはハブディスク3が装着され、両ディスク2,
3間には制動ディスク2の熱膨張を吸収するための所定
の隙間10が形成されている。制動ディスク2の内周縁
部には複数の制動側連結凹部12が円周方向に一定間隔
おきに形成され、ハブディスク3の外周縁部には制動側
連結凹部12と突き合わせ可能なハブ側連結凹部13が
円周方向に一定間隔おきに形成されている。ハブディス
ク3は、両連結凹部12,13を対面状に突き合わせて
制動ディスク2の内側に内嵌装着され、両連結凹部1
2,13により両ディスク2,3間には複数の連結孔1
4が円周一定間隔おきに形成されている。連結孔14
は、加工が容易なことから平面視円形に形成することが
好ましいが、楕円形や小判型に形成することも可能であ
る。
【0020】制動ディスク2とハブディスク3の突き合
わせ部分には連結孔14と第2軽減孔11が円周方向に
交互に形成されている。但し、連結孔14及び第2軽減
孔11の個数は連結手段4の個数に応じて任意に設定す
ることになる。
【0021】連結手段4は、連結孔14に装着した連結
ピン15と、連結ピン15の胴体部16に外装した弾性
部材20とを備えている。連結ピン15は、図4に示す
ように、連結孔14に内嵌装着した略円筒状の胴体部1
6と、胴体部16の一端部に形成した連結孔14よりも
大径の抜け止め用の第1鍔部17と、胴体部16の他端
部に形成した連結孔14よりも大径の抜け止め用の第2
鍔部18とから一体的に形成され、弾性部材20は第2
鍔部18と両ディスク2,3間において胴体部16に外
嵌状に装着されている。両ディスク2,3は、連結ピン
15により相対回転不能で且つ軸方向への相対移動を規
制した状態に連結され、また弾性部材20により同一平
面内に位置するように付勢されて、フローティング状態
に連結されている。
【0022】ここで、連結手段4の組付方法について簡
単に説明すると、図5に示すように、一端に第1鍔部1
7を予め形成した連結ピン15Aを連結孔14に装着
し、連結孔14から外部へ突出した連結ピン15Aの他
端部に後述する放熱部材5と弾性部材20とを順次外装
してから、連結ピン15Aの他端部をかしめて連結ピン
15Aの他端に第2鍔部18を形成することで、両ディ
スク2,3に組み付けられている。
【0023】尚、連結手段4としては、任意の構成のも
のを採用することが可能である。例えば、連結ピン15
として、中実のピン部材を用いたり、胴体部16に段部
を有しないストレートピンを用いたり、第2鍔部18の
かしめ加工を容易にするため、かしめ前の胴体部を先端
側へ行くほど薄肉に構成したピン部材を用いてもよい。
また、弾性部材20としては、皿バネの小径端に内側へ
延びる平坦部を形成したものや、皿バネの大径端に外側
へ延びる平坦部を形成したものを採用したり、皿バネに
代えてウェーブワッシャ等を採用することも可能であ
る。更に、第2鍔部18と弾性部材20間において胴体
部16にワッシャを装着したものや、第2鍔部18と胴
体部16間にワッシャを挟持させたものや、第1鍔部1
7と両ディスク2,3間において胴体部16に弾性部材
20を外装したものなどを採用することも可能である。
また、比較的凹凸の少ない路面を常時走行する例えばレ
ーシング用の自動二輪車に適用する場合には、弾性部材
20を省略することも可能である。
【0024】放熱部材5は、図1、図2、図4〜図6に
示すように、両ディスク2,3の突き合わせ部分に沿っ
たリング状に形成され、連結孔14に対応する位置には
両ディスク2,3にわたって延びる取付部21がそれぞ
れ形成され、取付部21の中央部には連結ピン15の胴
体部16が挿通する挿通孔22が形成されている。取付
部21は、弾性部材20と両ディスク2,3間において
連結ピン15の胴体部16に外装されて、弾性部材20
の付勢力で両ディスク2,3に圧接され、放熱部材5は
連結ピン15を介して両ディスク2,3に取り付けられ
ている。
【0025】取付部21の円周方向両側には両ディスク
2,3の面外方向へ突出する放熱フィン23が半径方向
に放射状に設けられている。尚、この放熱フィン23は
放熱部材5の外周側部分に設けることも可能であるし、
内周側部分と外周側部分とに設けることも可能である。
また、隣接する挿通孔22間に2枚の放熱フィン23を
設けたが、2枚以外の枚数の放熱フィンを設けることも
可能である。更に、この放熱フィン23を半径方向に対
して円周一方向に角度を付けて配置させ、ブレーキディ
スク1の回転により、制動ディスク2からハブディスク
3側或いは反対側への空気の流れが形成されるように構
成して、制動ディスク2の放熱効率を高めてもよい。更
にまた、放熱フィン23に凹凸部や貫通孔を形成して、
放熱フィン23の表面付近の空気の流れを乱し、放熱効
率を高めてもよい。
【0026】放熱部材5の素材としては、特に限定しな
いが、ステンレス鋼、炭素鋼などのような熱容量の大き
な金属材料や、アルミニウム合金、銅や銅合金、銀など
のような熱伝導率に優れる金属材料からなるものを採用
できる。また、ハブディスク3の素材に応じて放熱部材
5の素材を選定してもよく、例えばハブディスク3をア
ルミニウム合金で構成する場合には、ハブディスク3の
摩耗を防止するためアルミニウム合金で構成し、ハブデ
ィスク3をステンレス鋼で構成する場合には、熱容量を
大きくするため厚肉なステンレス鋼板で構成することが
好ましい。
【0027】放熱部材5の厚さは、適宜に設定可能であ
るが、厚すぎるとブレーキディスク1が重たくなり、薄
すぎると破損することが考えられるので、0.2〜2.
0mm、望ましくは0.4〜1.5mmに設定することに
なる。また、放熱フィン23の面外方向への突出長さ
は、長すぎると空気抵抗が大きくなり、短すぎると放熱
効果が十分に得られないので、3〜20mm、望ましく
は5〜18mmに設定することになる。更に、放熱フィ
ン23の幅はブレーキ装置やホイールハブと干渉しない
ように適宜に設定可能である。
【0028】このような放熱部材5は、例えば図7に示
すような平板状のリング部材5Aに、T字状に切り込み
25を入れてフィン構成部23Aを破線で示す折り目線
26に沿って立起させることにより製作することにな
る。尚、リング部材5Aは、例えば金属板を打ち抜いて
製作することになるが、金属板の中央部及び外周部に使
用できない部分が多量に発生するので、円周方向に複数
に分割構成して、素材金属の無駄を極力少なくすること
が好ましい。但し、放熱部材5を連結ピン15の個数に
分割すると、連結ピン15を中心に放熱部材が回転する
ので、少なくとも2本の連結ピン15で放熱部材が取り
付けられるように分割することが好ましい。
【0029】このように放熱部材5を設けると、制動デ
ィスク2の熱を効率的に放熱できるとともに、放熱部材
5の取付部23を介して制動ディスク2からハブディス
ク3への伝熱を促進して、ブレーキ操作時における制動
ディスク2の温度上昇を抑制でき、制動ディスク2の温
度上昇による熱劣化や熱劣化を確実に防止できる。その
結果、制動性能の向上及び安定化を図りつつ、制動ディ
スク2として熱容量の小さい薄肉軽量のものを採用する
ことが可能となる。
【0030】ここで、ブレーキディスク1の性能を評価
するために行った性能試験ついて簡単に説明する。放熱
部材5を設けたブレーキディスク1と、放熱部材5を設
けていないブレーキディスクとを用意し、ブレーキディ
スクを一定回転数まで回転させて制動し、再度回転させ
て制動するという操作を一定時間毎に行ったときの制動
ディスク2の表面温度をそれぞれ測定し、表1に示す結
果を得た。
【0031】
【表1】
【0032】表1から、放熱部材5を設けたブレーキデ
ィスクは、放熱部材5を設けていないブレーキディスク
と比較して、最高温度が60℃以上低く抑えられ、その
分制動ディスク2の熱変形が抑制できることが実証され
た。
【0033】尚、前記実施例では、両ディスク2,3と
弾性部材20間に取付部21が配置されるように放熱部
材5を設けたが、両ディスク2,3と第1鍔部17間に
取付部21が配置されるように放熱部材5を設けたり、
両ディスク2,3と弾性部材20間及び両ディスク2,
3と第1鍔部17間に取付部21が配置されるように2
枚の放熱部材5を設けることも可能である。また、放熱
部材5は、連結ピン15以外の別途のリベットやビス等
の固定具で制動ディスク2に取り付けてもよい。更に、
両ディスク2,3と放熱部材5間における伝熱効率を改
善するため、シリコンオイルなどを介して放熱部材5の
取付部21を両ディスク2,3に密着させてもよい。更
にまた、放熱部材5の取付部21に両ディスク2,3の
隙間10内へ延びて両ディスク2,3の突き合わせ部分
に圧接される突部を形成し、放熱部材5と両ディスク
2,3との接触面積を増やして、伝熱能力を高めてもよ
い。
【0034】
【発明の効果】本発明に係るブレーキディスクによれ
ば、制動ディスク又は両ディスクにわたって放熱部材が
設けられ、この放熱部材による放熱作用で、ブレーキ作
動時における制動ディスクの温度上昇を抑制して、制動
ディスクの熱変形及び熱劣化を防止できる。その結果、
制動性能の向上及び安定化を図りつつ、制動ディスクと
して熱容量の小さい薄肉軽量のものを採用することが可
能となる。
【0035】ここで、連結ピンを介して放熱部材を両デ
ィスクに取り付けると、放熱部材による放熱作用で制動
ディスクの温度上昇を抑制できるとともに、放熱部材を
介して制動ディスクからハブディスク側への伝熱を促進
して、制動ディスクの温度上昇を一層効果的に抑制でき
る。また、連結ピンを介して放熱部材を両ディスクに取
り付けているので、部品点数を増やすことなく放熱部材
をブレーキディスクに取り付けることが可能となる。
【0036】連結ピンに弾性部材を外装するとともに、
放熱部材の取付部を両ディスクにわたって配置させて、
弾性部材の付勢力を利用して取付部を両ディスクに圧接
させると、ブレーキディスクを構成する弾性部材を利用
して、放熱部材を両ディスクに圧接させ、部品点数を増
やすことなく放熱部材と両ディスク間における伝熱効率
を向上し、放熱部材への伝熱を促進して制動ディスクの
温度上昇を一層効果的に抑制できる。
【0037】放熱部材を両ディスクの突き合わせ部分に
沿ったリング状に形成すると、放熱部材による放熱作用
及び制動ディスクからハブディスク側への伝熱作用をブ
レーキディスク全体的に作用させて、制動ディスクの温
度上昇を全体的にバランスよく抑制することが可能とな
る。
【0038】放熱部材の素材板を切り起こして放熱フィ
ンを形成すると、複数の放熱フィンを有する放熱部材を
安価に製作することが可能となる。
【0039】制動ディスクからハブディスク側或いは反
対側へ向かう空気の流れが形成されるように放熱フィン
を配置すると、制動ディスクの放熱性を高めて、制動デ
ィスクの温度上昇を一層効果的に低減できる。
【0040】放熱フィンを両ディスクの半径方向に放射
状に形成すると、ブレーキディスクの回転により放熱フ
ィン付近に乱流が形成されて、放熱フィンの外面の熱が
剥ぎ取られるので、放熱部材による冷却性能を向上でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ブレーキディスクの平面図
【図2】 図1のII-II線断面図
【図3】 制動ディスク及びハブディスクの平面図
【図4】 連結手段付近の縦断面図
【図5】 連結ピンをかしめる前の連結手段付近の縦断
面図
【図6】 放熱部材の平面図
【図7】 放熱部材の素材板の平面図
【符号の説明】
1 ブレーキディスク 2 制動ディスク 2a 貫通孔 3 ハブディスク 4 連結手段 5 放熱部材 6 第1軽減孔 7 取付孔 10 隙間 11 第2軽減孔 12 制動側連結凹部 13 ハブ側連結凹部 14 連結孔 15 連結ピン 15A 連結ピン 16 胴体部 17 第1鍔部 18 第2鍔部 20 弾性部材 21 取付部 22 挿通孔 23 放熱フィン 5A リング部材 23A フィン構成部 25 切り込み 26 折り目線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野口 喜久 滋賀県大津市萱野浦8−12 Fターム(参考) 3J058 AA48 AA53 AA62 BA32 CB12 CB13 CB28 DD06 DD19 DE05 EA03 EA04 EA08 FA01 GA91

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板環状の制動ディスクと、 前記制動ディスクの内側に配置したハブディスクと、 前記両ディスクをフローティング状態に連結する複数の
    連結手段であって、両ディスクの突き合わせ部分に装着
    した連結ピンを有する複数の連結手段と、 前記制動ディスクの温度上昇を抑制するための放熱部材
    であって、制動ディスク又は両ディスクにわたって取り
    付けた取付部と、取付部から制動ディスクの面外方向へ
    突出する放熱フィンと有する放熱部材と、 を備えたことを特徴とするブレーキディスク。
  2. 【請求項2】 前記連結ピンを介して放熱部材を両ディ
    スクに取り付けた請求項1記載のブレーキディスク。
  3. 【請求項3】 前記連結ピンに弾性部材を外装するとと
    もに、放熱部材の取付部を両ディスクにわたって配置さ
    せて、弾性部材の付勢力を利用して取付部を両ディスク
    に圧接させた請求項1又は2記載のブレーキディスク。
  4. 【請求項4】 前記放熱部材を両ディスクの突き合わせ
    部分に沿ったリング状に形成した請求項1〜3のいずれ
    か1項記載のブレーキディスク。
  5. 【請求項5】 前記放熱部材の素材板を切り起こして放
    熱フィンを形成した請求項1〜4のいずれか1項記載の
    ブレーキディスク。
  6. 【請求項6】 前記制動ディスクからハブディスク側或
    いは反対側へ向かう空気の流れが形成されるように放熱
    フィンを配置した請求項1〜5のいずれか1項記載のブ
    レーキディスク。
  7. 【請求項7】 前記放熱フィンを両ディスクの半径方向
    に放射状に形成した請求項1〜6のいずれか1項記載の
    ブレーキディスク。
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