JP2003507487A - 抗菌活性を有する9a−アザライド類 - Google Patents

抗菌活性を有する9a−アザライド類

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JP2003507487A JP2001518727A JP2001518727A JP2003507487A JP 2003507487 A JP2003507487 A JP 2003507487A JP 2001518727 A JP2001518727 A JP 2001518727A JP 2001518727 A JP2001518727 A JP 2001518727A JP 2003507487 A JP2003507487 A JP 2003507487A
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compound
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オア,ヤツト・サン
キーズ,ロバート・エフ
マー,チエンクン
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Abbott Laboratories
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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    • C07H17/00Compounds containing heterocyclic radicals directly attached to hetero atoms of saccharide radicals
    • C07H17/04Heterocyclic radicals containing only oxygen as ring hetero atoms
    • C07H17/08Hetero rings containing eight or more ring members, e.g. erythromycins
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
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Abstract

(57)【要約】 式(I)、式(II)、式(III)および式(IV)の化合物またはそれら化合物の医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグは抗菌薬である。前記化合物を含む組成物、前記化合物の製造方法、その方法で用いられる合成中間体、ならびに細菌感染の治療および予防方法が開示されている。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、抗菌薬である9a−アザライド類;その化合物を含む組成物;その
化合物の製造方法;その方法で用いられる合成中間体;ならびに細菌感染の治療
および予防方法に関する。
【0002】 (背景技術) マクロライド系抗菌薬は、細菌感染の治療および予防に広く用いられている。
しかしながら、マクロライド系抗菌薬に対して耐性を有するか感受性の不十分な
菌株の発見によって、抗生物質活性プロファイルが変化または向上した化合物の
開発が促進されている。そのような種類の化合物の一つは、米国特許44747
68号および同4517359号で言及されているアジスロマイシン(azithrom
ycin)などのアザライド類である。アザライド類は、9a位に置換もしくは未置
換の窒素部分が存在する以外、エリスロノリドAまたはB環と構造的に類似した
中心環を有するマクロライド系抗菌薬である。アザライド類は変化もしくは向上
した抗生物質活性プロファイルを示す可能性があることから、それの臨床的可能
性についての研究が現在行われている。
【0003】 1998年12月17日公開のPCT出願WO98/56801には、一連の
9a−(N−(アルキル))−アザライドエリスロマイシンA誘導体および一連
の9a−(N−(アルキル))−アザライド6−O−メチルエリスロマイシンA
誘導体が開示されている。
【0004】 1998年12月17日公開のPCT出願WO98/56802には、一連の
9a−(N(H))−アザライドエリスロマイシンA誘導体および一連の9a−
(N(H))−アザライド6−O−メチルエリスロマイシンA誘導体が開示され
ている。
【0005】 1999年1月7日公開のPCT出願WO99/00124には、一連の9a
−(N(R))−アザライド3−チオキソエリスロマイシンA誘導体および一
連の9a−(N(R))−アザライド6−O−メチル−3−オキソエリスロマ
イシンA誘導体(Rは置換されていても良いアルキルまたはヘテロアルキルで
ある)が開示されている。
【0006】 1999年1月7日公開のPCT出願WO99/00125には、一連の9a
−(N(R))−アザライド3−オキソエリスロマイシンA誘導体および一連
の9a−(N(R))−アザライド6−O−メチル−3−オキソエリスロマイ
シンA誘導体(Rは置換されていても良いアルキルまたはヘテロアルキルであ
る)が開示されている。
【0007】 米国特許5686587号には、オキシム形成、ベックマン転位、還元および
メチル化によって、エリスロマイシンAに9a−(N(H))−部分を導入する
段階を有するアジスロマイシンの合成が開示されている。
【0008】 (発明の開示) 本発明の1実施態様では、下記式(I)の化合物
【0009】
【化7】 下記式(II)の化合物
【0010】
【化8】 下記式(III)の化合物
【0011】
【化9】 および 下記式(IV)の化合物
【0012】
【化10】 あるいはこれら化合物の医薬的に許容される塩またはプロドラッグが開示され、
式(I)〜(IV)において、 RおよびRは独立に、 (1)水素、 (2)−C〜C12−アルキル、 (3)−C〜C12−アルケニルおよび (4)−C〜C12−アルキニル からなる群から選択され; 上記(2)〜(4)は、 (a)ハロゲン、 (b)−OR(Rは、 (i)水素、 (ii)−C〜C12−アルキル、 (iii)−C〜C12−ヘテロアルキル(上記(ii)および(ii
i)は、 (1′)アリール、 (2′)置換アリール、 (3′)ヘテロアリールおよび (4′)置換ヘテロアリール からなる群から独立に選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置
換されていても良い)、 (iv)アリール、 (v)置換アリール、 (vi)ヘテロアリールおよび (vii)置換ヘテロアリール からなる群から独立に選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置換
されていても良い)、 (c)−NR1112(R11およびR12は独立に、 (i)水素、 (ii)−C〜C12−アルキル、 (iii)−C〜C12−ヘテロアルキル(上記(ii)および(ii
i)は、 (1′)アリール、 (2′)置換アリール、 (3′)ヘテロアリールおよび (4′)置換ヘテロアリール からなる群から独立に選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置
換されていても良い)、 (iv)アリール、 (v)置換アリール、 (vi)ヘテロアリールおよび (vii)置換ヘテロアリール からなる群から独立に選択されるか;あるいは R11とR12が、それらが結合している原子とともに、置換されていても
良い複素環アルキルを形成している)、 (d)=N−O−R(Rは上記で定義の通りである)、 (e)アリール、 (f)置換アリール、 (g)ヘテロアリール、 (h)置換ヘテロアリール、 (i)−C〜C−シクロアルキル、 (j)置換−C〜C−シクロアルキル、 (k)複素環アルキル、 (l)置換複素環アルキル、 (m)−NHC(O)R(Rは前記で定義の通りである)、 (n)−NHC(O)OR10(R10は、 (i)−C〜C12−アルキル、 (ii)−C〜C12−ヘテロアルキル(上記(i)および(ii)は
、 (1′)アリール、 (2′)置換アリール、 (3′)ヘテロアリールおよび (4′)置換ヘテロアリール からなる群から独立に選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置
換されていても良い)、 (iii)アリール、 (iv)置換アリール、 (v)ヘテロアリールおよび (vi)置換ヘテロアリール からなる群から選択される)、 (o)−NHC(O)NR1112(R11およびR12は上記で定義の
通りである)、 (p)−OC(O)R10(R10は上記で定義の通りである)、 (q)−OC(O)OR10(R10は上記で定義の通りである)、 (r)−OC(O)NR1112(R11およびR12は上記で定義の通
りである)、 (s)−C(O)R(Rは上記で定義の通りである)、 (t)−CO(Rは上記で定義の通りである)、および (u)−C(O)NR1112(R11およびR12は上記で定義の通り
である) からなる群から独立に選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置換され
ていても良く; Rは水素であり; Rは−OR13であり;R13は (1)水素、 (2)−C(O)R10(R10は上記で定義の通りである)、 (3)−CO10(R10は上記で定義の通りである)、および (4)−C(O)NR1112(R11およびR12は上記で定義の通りで
ある) からなる群から選択され;あるいは RとRが一体となってオキソであり; RおよびRは水素であり;あるいは RとRが一体となって−C(O)−または−(CH−であり;xは
1、2または3であり;あるいは RとRが一体となって−C(O)−または−(CH−であり;xは
上記で定義の通りであり; Rは、 (1)水素、 (2)−C〜C12−アルキル、 (3)−C〜C12−アルケニル、 (4)−C〜C12−アルキニル、 (5)−C〜C12−ヘテロアルキル、 (6)−C〜C12−ヘテロアルケニル、 (7)−C〜C12−ヘテロアルキニル(前記(2)〜(7)は、 (a)ハロゲン、 (b)水酸基、 (c)−NR1112(R11およびR12は上記で定義の通りである)
、 (d)アリール、 (e)置換アリール、 (f)ヘテロアリールおよび (g)置換ヘテロアリール からなる群から独立に選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置換さ
れていても良い)、 (8)−C(O)R(Rは上記で定義の通りである)、 (9)−CO(Rは上記で定義の通りである)、および (11)−C(O)NR1112(R11およびR12は上記で定義の通り
である) からなる群から選択され; Rは、水素または水酸基保護基であり; ただし、RとRが一体となってオキソである場合、Rは水素および未置
換メチル以外である。
【0013】 本発明の別の実施態様では、医薬的に許容される担体との組合せで医薬的に有
効量の前記化合物を含む医薬組成物が開示される。
【0014】 本発明のさらに別の実施態様では、処置を必要とする哺乳動物における細菌感
染を治療する方法において、その哺乳動物に治療上有効量の前記化合物を投与す
る段階を有することを特徴とする方法が開示される。
【0015】 本発明のさらに別の実施態様では、前記化合物の製造方法であって、 (a)下記式(Ia)の化合物
【0016】
【化11】 または下記式(Ib)の化合物
【0017】
【化12】 (式中、R、R、R、R、R、RおよびRは上記で定義の通りで
ある)をオキシム活性化剤と反応させる段階; (b)場合により、段階(a)からの生成物を還元剤と反応させる段階; (c)場合により、段階(b)からの生成物をアルキル化する段階;ならびに (d)場合により、段階(c)からの生成物を脱保護する段階 を有する方法が開示される。
【0018】 (発明を実施するための最良の形態) 本明細書で使用される「アルケニル」という用語は、1以上の炭素−炭素二重
結合を有する1価の直鎖または分岐基を指す。本発明のアルケニル基は置換され
ていても良い。
【0019】 本明細書で使用される「アルキル」という用語は、飽和の直鎖または分岐炭化
水素基を指す。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、n−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチルおよびn−ヘキシルなどが
ある。本発明のアルキル基は置換されていても良い。
【0020】 本明細書で使用される「−C〜C−アルキルアミノ」という用語は、1個
の水素原子が−C〜C−アルキルに置き換わった本明細書で定義のアミノ基
を指す。−C〜C−アルキルアミノの例としては、メチルアミン、エチルア
ミン、プロピルアミンおよびイソプロピルアミンなどがある。
【0021】 本明細書で使用される「−C〜C−アルキルチオ」という用語は、硫黄原
子を介して親分子基に結合した、本明細書に定義の−C〜C−アルキル基を
指す。−C〜C−アルキルチオの例としては、メチルスルフィド、エチルス
ルフィド、プロピルスルフィドおよびイソプロピルスルフィドなどがある。
【0022】 本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は、酸素原子を介して親分子
基に結合した、前記で定義のアルキル基を指す。アルコキシの例としては、メト
キシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブト
キシ、ネオペントキシおよびn−ヘキソキシなどがある。本発明のアルコキシ基
は置換されていても良い。
【0023】 本明細書で使用される「アルキニル」という用語は、1以上の炭素−炭素三重
結合を有する1価の直鎖または分岐基を指す。アルキニルの例としては、エチニ
ル、プロピニルおよびブチニルなどがある。本発明のアルキニル基は置換されて
いても良い。
【0024】 本明細書で使用される「アミノ」という用語は−NHを指す。
【0025】 本明細書で使用される「非プロトン性溶媒」という用語は、プロトン活性に対
して比較的不活性な、すなわちプロトン供与体として作用しない溶媒を指す。例
としては、ヘキサンおよびトルエンなどの炭化水素;塩化メチレン、エチレンク
ロライドおよびクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素;テトラヒドロフランお
よびN−メチルピロリジノンなどの複素環化合物;ジエチルエーテル、ビスメト
キシメチルエーテルなどのエーテル類などがある。そのような化合物は当業者に
は公知であり、具体的な化合物および反応条件においては、例えば試薬の溶解度
、試薬の反応性および好ましい温度範囲などの要素に応じて、個々の溶媒または
それらの混合物が好ましい場合があることは当業者には明らかであろう。非プロ
トン性溶媒についてのさらに詳細な考察は、有機化学の教科書または専門書(例
:Organic Solvents Physical Properties and Methods of Purification, 4th
ed., edited by John A. Riddick et al., Vol.II in the Techniques of Chemi
stry Series, John Wiley & Sons, NY, 1986)(その関連部分は、引用によって
本明細書に含まれる)にある。
【0026】 本明細書で使用される「アリール」という用語は、未置換の炭素環芳香族基を
指し、例えばフェニル、ナフチルおよびアントラセニルなどがある。
【0027】 本明細書で使用される「アリールアミノ」という用語は、1個の水素原子が本
明細書で定義のアリール基に置き換わった本明細書で定義のアミノ基を指す。
【0028】 本明細書で使用される「アリールオキシ」という用語は、酸素原子を介して親
分子基に結合した本明細書で定義のアリール基を指す。
【0029】 本明細書で使用される「アリールチオ」という用語は、硫黄原子を介して親分
子基に結合した本明細書で定義のアリール基を指す。
【0030】 本明細書で使用される「アジド」という用語は、−Nを指す。
【0031】 本明細書で使用される「ベンジル」という用語は、−CHを指す。
【0032】 本明細書で使用される「ベンジルオキシ」という用語は、酸素原子を介して親
分子基に結合した本明細書で定義のベンジル基を指す。
【0033】 本明細書で使用される「ベンジルアミノ」という用語は、1個の水素原子が本
明細書で定義のベンジル基に置き換わった本明細書で定義のアミノ基を指す。
【0034】 本明細書で使用される「ベンジルチオ」という用語は、硫黄原子を介して親分
子基に結合した本明細書で定義のベンジル基を指す。
【0035】 本明細書で使用される「カルボキシアルデヒド」という用語は、−CHOを指
す。
【0036】 本明細書で使用される「シアノ」という用語は、−CNを指す。
【0037】 本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、3〜7個の炭素を有
する飽和炭素環基を指し、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチ
ル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルなどがある。
【0038】 本明細書で使用される「ハロゲン」という用語は、−F、−Cl、−Brおよ
び−Iを指す。
【0039】 本明細書で使用される「ヘテロアルケニル」という用語は、4〜12個の原子
を有するアルケニル基であって、少なくとも1個の原子が−O−、=N−、−N
(H)−、−N(CH)−、−C(O)−、−S(O)−またはそれらの組
合せから選択される基と置き換わっており、残りの原子が炭素であるものを指す
。本発明のヘテロアルケニル基は置換されていても良い。
【0040】 本明細書で使用される「ヘテロアルキル」という用語は、2〜12個の原子を
有するアルキル基であって、少なくとも1個の原子が−O−、=N−、−N(H
)−、−N(CH)−、−C(O)−、−S(O)−またはそれらの組合せ
から選択される基と置き換わっており、残りの原子が炭素であるものを指す。本
発明のヘテロアルキル基は置換されていても良い。
【0041】 本明細書で使用される「ヘテロアルキニル」という用語は、4〜12個の原子
を有するアルキニル基であって、少なくとも1個の原子が−O−、=N−、−N
(H)−、−N(CH)−、−C(O)−、−S(O)−またはそれらの組
合せから選択される基と置き換わっており、残りの原子が炭素であるものを指す
。本発明のヘテロアルキニル基は置換されていても良い。
【0042】 本明細書で使用される「ヘテロアリール」という用語は、1以上の環原子が酸
素、硫黄および窒素からなる群から選択され、残りの環原子が炭素である5個ま
たは6個の環原子を有する環状芳香族基を指す。窒素原子は4級化していても良
く、硫黄原子は酸化されていても良い。本発明のヘテロアリール基には、フラン
、イミダゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、オキ
サゾール、1,2,3−オキサジアゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン
、ピリジン、ピリミジン、ピロリジン、キノリン、チアゾール、1,3,4−チ
アジアゾール、チエン、トリアゾールおよびテトラゾールから誘導されるものな
どがある。
【0043】 本明細書で使用される「ヘテロアリールアミノ」という用語は、1個の水素原
子が本明細書で定義のヘテロアリール基と置き換わった本明細書で定義のアミノ
基を指す。
【0044】 本明細書で使用される「ヘテロアリールオキシ」という用語は、酸素原子を介
して親分子基に結合した本明細書で定義のヘテロアリール基を指す。
【0045】 本明細書で使用される「ヘテロアリールチオ」という用語は、硫黄原子を介し
て親分子基に結合した本明細書で定義のヘテロアリール基を指す。
【0046】 本明細書で使用される「複素環アルキル」という用語は、酸素、硫黄および窒
素から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する非芳香族5員、6員また
は7員環または縮合6員環を有する二環式もしくは三環式基を指し、各5員環は
0〜1個の二重結合を有しており、各6員環は0〜2個の二重結合を有しており
、窒素および硫黄ヘテロ原子は酸化されていても良く、窒素ヘテロ原子は4級化
されていても良く、上記複素環のいずれもベンゼン環と縮合していても良い。代
表的な複素環には、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリ
ニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、イ
ソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニルおよ
びテトラヒドロフリルなどがあるが、これらに限定されるものではない。本発明
の複素環アルキル基は、−F、−Cl、−Br、−I、−OH、−NO、−C
N、−C(O)−C〜C−アルキル、−C(O)−アリール、−C(O)−
ヘテロアリール、−CO−アルキル、−CO−アリール、−CO−ヘテロ
アリール、−CONH、−CONH−C〜C−アルキル、−CONH−ア
リール、−CONH−ヘテロアリール、−OC(O)−C〜C−アルキル、
−OC(O)−アリール、−OC(O)−ヘテロアリール、−OCO−アルキ
ル、−OCO−アリール、−OCO−ヘテロアリール、−OCONH、−
OCONH−C〜C−アルキル、−OCONH−アリール、−OCONH−
ヘテロアリール、−NHC(O)−C〜C−アルキル、−NHC(O)−ア
リール、−NHC(O)−ヘテロアリール、−NHCO−C〜C−アルキ
ル、−NHCO−アリール、−NHCO−ヘテロアリール、−NHCONH 、−NHCONH−C〜C−アルキル、−NHCONH−アリール、−N
HCONH−ヘテロアリール、−SO−C〜C−アルキル、−SO−ア
リール、−SO−ヘテロアリール、−SONH、−SONH−C〜C −アルキル、−SONH−アリール、−SONH−ヘテロアリール、−C 〜C−アルキル、−C〜C−シクロアルキル、−CF、−CHCF 、−CHCl、−CHOH、−CHCHOH、−CHNH、−C
SOCH、アリール、ヘテロアリール、ベンジル、ベンジルオキシ、ア
リールオキシ、ヘテロアリールオキシ、−C〜C−アルコキシ、メトキシメ
トキシ、メトキシエトキシ、アミノ、ベンジルアミノ、アリールアミノ、ヘテロ
アリールアミノ、−C〜C−アルキルアミノ、チオ、アリールチオ、ヘテロ
アリールチオ、ベンジルチオ、−C〜C−アルキルチオまたはメチルチオメ
チルから独立に選択される1個、2個、3個または4個の置換基で置換されてい
ても良い。
【0047】 本明細書で使用される「水酸基」という用語は−OHを指す。
【0048】 本明細書で使用される「水酸基保護基」という用語は、合成手順時に望ましく
ない反応に対して水酸基を保護し、選択的に脱離させることが可能であることが
当業界で公知である容易に脱離可能な基を指す。水酸基保護基の使用は、合成手
順時の望ましくない反応に対する保護基に関して当業界では公知であり、そのよ
うな保護基の多くが公知であり、例えばグリーンらの著作に記載されている(T.
H. Greene and P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 2n
d edition, John Wiley & Sons, New York (1991))(その関連部分は、引用に
よって本明細書に含まれる)。水酸基保護基の例としては、メチルチオメチル、
tert−ジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル、芳香族基で置
換されたアシルなどがある。
【0049】 本明細書で使用される「メトキシメトキシ」という用語は、−OCHOCH を指す。
【0050】 本明細書で使用される「メトキシエトキシ」という用語は、−OCHOCH CHを指す。
【0051】 本明細書で使用される「メチルチオメチル」という用語は、−CHSCH を指す。
【0052】 本明細書で使用される「オキソ」という用語は、上記で定義のアルキル基の同
一炭素原子上の2個の水素原子を1個の酸素原子で置き換えることで形成される
基を指し、例としてはカルボニル基がある。
【0053】 「保護水酸基」という用語は、ベンゾイル、アセチル、トリメチルシリル、ト
リエチルシリルまたはメトキシメチル基などの上記で定義の水酸基保護基で保護
された水酸基を指す。
【0054】 本明細書で使用される「置換アリール」という用語は、本明細書で定義のアリ
ール基であって、その基上の1個、2個または3個の水素原子が、−F、−Cl
、−Br、−I、−OH、−NO、−CN、−C(O)−C〜C−アルキ
ル、−C(O)−アリール、−C(O)−ヘテロアリール、−CO−アルキル
、−CO−アリール、−CO−ヘテロアリール、−CONH、−CONH
−C〜C−アルキル、−CONH−アリール、−CONH−ヘテロアリール
、−OC(O)−C〜C−アルキル、−OC(O)−アリール、−OC(O
)−ヘテロアリール、−OCO−アルキル、−OCO−アリール、−OCO −ヘテロアリール、−OCONH、−OCONH−C〜C−アルキル、
−OCONH−アリール、−OCONH−ヘテロアリール、−NHC(O)−C 〜C−アルキル、−NHC(O)−アリール、−NHC(O)−ヘテロアリ
ール、−NHCO−C〜C−アルキル、−NHCO−アリール、−NH
CO−ヘテロアリール、−NHCONH、−NHCONH−C〜C−ア
ルキル、−NHCONH−アリール、−NHCONH−ヘテロアリール、−SO −C〜C−アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、
−SONH、−SONH−C〜C−アルキル、−SONH−アリー
ル、−SONH−ヘテロアリール、−C〜C−アルキル、−C〜C
シクロアルキル、−CF、−CHCF、−CHCl、−CHOH、−
CHCHOH、−CHNH、−CHSOCH、アリール、ヘテロ
アリール、ベンジル、ベンジルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ
、−C〜C−アルコキシ、メトキシメトキシ、メトキシエトキシ、アミノ、
ベンジルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、−C〜C−アル
キルアミノ、チオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、ベンジルチオ、−C 〜C−アルキルチオまたはメチルチオメチルによって独立に置き換わっている
ものを指す。
【0055】 本明細書で使用される「置換ヘテロアリール」という用語は、本明細書で定義
のヘテロアリール基であって、その基上の1個、2個または3個の水素原子が、
−F、−Cl、−Br、−I、−OH、−NO、−CN、−C(O)−C
−アルキル、−C(O)−アリール、−C(O)−ヘテロアリール、−CO −アルキル、−CO−アリール、−CO−ヘテロアリール、−CONH 、−CONH−C〜C−アルキル、−CONH−アリール、−CONH−ヘ
テロアリール、−OC(O)−C〜C−アルキル、−OC(O)−アリール
、−OC(O)−ヘテロアリール、−OCO−アルキル、−OCO−アリー
ル、−OCO−ヘテロアリール、−OCONH、−OCONH−C〜C −アルキル、−OCONH−アリール、−OCONH−ヘテロアリール、−NH
C(O)−C〜C−アルキル、−NHC(O)−アリール、−NHC(O)
−ヘテロアリール、−NHCO−C〜C−アルキル、−NHCO−アリ
ール、−NHCO−ヘテロアリール、−NHCONH、−NHCONH−C 〜C−アルキル、−NHCONH−アリール、−NHCONH−ヘテロアリ
ール、−SO−C〜C−アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテ
ロアリール、−SONH、−SONH−C〜C−アルキル、−SO NH−アリール、−SONH−ヘテロアリール、−C〜C−アルキル、−
〜C−シクロアルキル、−CF、−CHCF、−CHCl、−C
OH、−CHCHOH、−CHNH、−CHSOCH、アリ
ール、ヘテロアリール、ベンジル、ベンジルオキシ、アリールオキシ、ヘテロア
リールオキシ、−C〜C−アルコキシ、メトキシメトキシ、メトキシエトキ
シ、アミノ、ベンジルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、−C 〜C−アルキルアミノ、チオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、ベンジル
チオ、−C〜C−アルキルチオまたはメチルチオメチルによって独立に置き
換わっているものを指す。
【0056】 本明細書で使用される「置換ヘテロシクロアルキル」という用語は、本明細書
で定義のヘテロシクロアルキル基であって、その基上の1個、2個または3個の
水素原子が、−F、−Cl、−Br、−I、−OH、−NO、−CN、−C(
O)−C〜C−アルキル、−C(O)−アリール、−C(O)−ヘテロアリ
ール、−CO−アルキル、−CO−アリール、−CO−ヘテロアリール、
−CONH、−CONH−C〜C−アルキル、−CONH−アリール、−
CONH−ヘテロアリール、−OC(O)−C〜C−アルキル、−OC(O
)−アリール、−OC(O)−ヘテロアリール、−OCO−アルキル、−OC
−アリール、−OCO−ヘテロアリール、−OCONH、−OCONH
−C〜C−アルキル、−OCONH−アリール、−OCONH−ヘテロアリ
ール、−NHC(O)−C〜C−アルキル、−NHC(O)−アリール、−
NHC(O)−ヘテロアリール、−NHCO−C〜C−アルキル、−NH
CO−アリール、−NHCO−ヘテロアリール、−NHCONH、−NH
CONH−C〜C−アルキル、−NHCONH−アリール、−NHCONH
−ヘテロアリール、−SO−C〜C−アルキル、−SO−アリール、−
SO−ヘテロアリール、−SONH、−SONH−C〜C−アルキ
ル、−SONH−アリール、−SONH−ヘテロアリール、−C〜C
アルキル、−C〜C−シクロアルキル、−CF、−CHCF、−CH
Cl、−CHOH、−CHCHOH、−CHNH、−CHSO CH、アリール、ヘテロアリール、ベンジル、ベンジルオキシ、アリールオキ
シ、ヘテロアリールオキシ、アルコキシ、メトキシメトキシ、メトキシエトキシ
、アミノ、ベンジルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、−C
−アルキルアミノ、チオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、ベンジルチ
オ、アルキルチオまたはメチルチオメチルによって独立に置き換わっているもの
を指す。
【0057】 本明細書で使用される「チオ」という用語は−SHを指す。
【0058】 本発明の化合物には、多くの不斉中心が存在する場合がある。別段の断りがな
い限り本発明は、各種立体異性体およびそれらの混合物を想到するものである。
従って、結合が波線または直線によって表されている場合は常に、立体配置方向
の混合物または未確認の方向の個々の異性体が存在し得るものとする。
【0059】 本明細書で使用される「医薬的に許容されるプロドラッグ」という用語は、妥
当な医学的判断の範囲内で、ヒトおよびそれより下等な動物の組織と接触しての
使用に好適であって、不適当な毒性、刺激、アレルギー応答などを起こさず、妥
当な利益/危険比を有し、所期の用途に有効である本発明の化合物のプロドラッ
グ、ならびに可能な場合には本発明の化合物の両性イオン型を指す。
【0060】 本明細書で使用される「プロドラッグ」という用語は、in vivoで例えば血液
中での加水分解によって、上記で定義の親化合物に急速に変換される化合物を表
す。詳細な考察が、ヒグチらの著作(T. Higuchi and V. Stella, Prodrugs as
Novel Delivery Systems, Vol. 14 of the A. C. S. Symposium Series)および
ロッシェの編著(Edward B. Roche, ed., Bioreversible Carriers in Drug Des
ign, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987)にあ
る(これらの関連部分は、引用によって本明細書に含まれる)。
【0061】 本明細書で使用される「医薬的に許容される塩」という用語は、妥当な医学的
判断の範囲内で、ヒトおよびそれより下等な動物の組織と接触しての使用に好適
であって、不適当な毒性、刺激およびアレルギー応答を起こさず、妥当な利益/
危険比を有する塩を指す。医薬的に許容される塩は、当業界で公知である。例え
ば、バージらは医薬的に許容される塩について詳細に記載している(S.M.Berge,
et al, J.Pharmaceutical Sciences, 66:1-19(1977);これの関連部分は、引用
によって本明細書に含まれるものとする)。そのような塩は、本発明の化合物の
最終的単離および精製の際にin situで製造することができるか、あるいは遊離
塩基基を好適な有機酸と反応させることで別個に製造することができる。医薬的
に許容される、無毒性の酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫
酸および過塩素酸などの無機塩あるいは酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、
クエン酸、コハク酸またはマロン酸などの有機酸で形成した、あるいはイオン交
換などの当業界で使用される他の方法を用いることで形成したアミノ基の塩が挙
げられる。他の医薬的に許容される塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アス
コルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸
塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、フマ
ル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、
ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホ
ン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸
塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン
酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パ
モ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンス
ルホン酸塩、ウンデカン酸塩および吉草酸塩などがある。代表的なアルカリ金属
塩またはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、カ
ルシウム塩およびマグネシウム塩などがある。さらに別の医薬的に許容される塩
には、適切であれば、ハロゲンイオン、水酸イオン、カルボン酸イオン、硫酸イ
オン、リン酸イオン、硝酸イオン、低級アルキルスルホン酸イオンおよびアリー
ルスルホン酸イオンなどの対イオンを用いて形成される無毒性のアンモニウムカ
チオン、4級アンモニウムカチオンおよびアミンカチオンなどがある。
【0062】 本発明の医薬組成物は、1以上の医薬的に許容される担体とともに製剤された
治療上有効量の本発明の化合物を含有するものである。本明細書で使用される「
医薬的に許容される担体」という用語は、無毒性で不活性な固体、半固体もしく
は液体の充填剤、希釈剤、包埋材またはあらゆる種類の製剤補助剤を意味する。
医薬的に許容される担体として役立ち得る材料の例をいくつか挙げると、乳糖、
グルコースおよびショ糖などの糖類;コーンスターチおよびジャガイモデンプン
などのデンプン類;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース
および酢酸セルロースなどのセルロースおよびその誘導体;粉末トラガカントガ
ム;モルト;ゼラチン;タルク;カカオ脂および坐剤用ロウなどの賦形剤;落花
生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油
などのオイル;プロピレングリコールなどのグリコール類;オレイン酸エチルお
よびラウリン酸エチルなどのエステル類;寒天;水酸化マグネシウムおよび水酸
化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張性生理
食塩水;リンゲル液;エチルアルコールおよびリン酸緩衝液;ならびにラウリル
硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなどの他の無毒性で適合性の潤
滑剤がある。さらには、着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤なら
びに芳香剤、保存剤および酸化防止剤を、製剤者の判断で組成物中に存在させる
こともできる。本発明の医薬組成物は、ヒトおよび他の動物に対して、経口投与
、経直腸投与、非経口投与、大槽内投与、経膣投与、腹腔内投与、局所投与(粉
剤、軟膏または滴剤として)、口腔投与で投与することができるか、あるいは経
口もしくは経鼻の噴霧剤として投与することができる。
【0063】 経口投与用の液体製剤には、医薬的に許容される乳濁液、微細乳濁液、液剤、
懸濁液、シロップおよびエリキシル剤などがある。活性化合物以外に、液体製剤
には、例えば水その他の溶媒などの当業界で一般的に使用される不活性希釈剤、
溶解剤、ならびにエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢
酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1
,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、オイル類(詳細には、綿実
油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)
、グリセリン、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール類
およびソルビタンの脂肪酸エステル類などの乳化剤、ならびにそれらの混合物を
含有させることができる。不活性希釈剤以外に、経口組成物には、湿展剤、乳化
剤および懸濁剤、甘味剤、香味剤ならびに芳香剤などの補助剤を含有させること
もできる。
【0064】 無菌の注射可能な水系もしくは油系の懸濁液のような注射製剤は、好適な分散
剤もしくは湿展剤および懸濁剤を用いて公知の技術によって製剤することができ
る。無菌注射製剤は、例えば1,3−ブタンジオール溶液のように、無毒性で非
経口的に許容される希釈剤もしくは溶媒中での、無菌で注射可能な液剤、懸濁液
または乳濁液であることもできる。使用することができる許容される媒体および
溶媒には、水、リンゲル液U.S.P.および等張性塩化ナトリウム液がある。
さらに、無菌の固定油は、溶媒または懸濁媒体として簡便に使用される。その点
においては、合成のモノもしくはジグリセリドなどのいかなる商品の固定油も使
用することができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が注射剤の調製に使用さ
れる。
【0065】 注射製剤は、例えば細菌保持フィルターによる濾過、あるいは使用に先だって
無菌水その他の無菌注射媒体に溶解もしくは分散させることができる無菌固体組
成物の形で滅菌剤を組み入れることで滅菌することができる。
【0066】 薬剤の効果を持続させるには、皮下注射もしくは筋肉注射からの薬剤の吸収を
遅延させることが望ましい場合が多い。それは、水溶性の低い結晶材料もしくは
非晶質材料の懸濁液を使用することで行うことができる。薬剤の吸収速度は、薬
剤の溶解速度によって決まり、従って結晶の大きさおよび結晶の形態によって決
まる。別法として、非経口投与製剤の吸収遅延は、薬剤をオイル媒体に溶解また
は懸濁させることで行う。薬剤とポリラクチド−ポリグリコライドなどの生物分
解性ポリマー中のマイクロカプセル基材を形成することによって、蓄積注射剤が
製剤される。薬剤のポリマーに対する比および使用する特定のポリマーの性質に
応じて、薬剤放出速度を制御することができる。他の生物分解性ポリマーの例と
しては、ポリ(オルトエステル)類およびポリ(無水物)などがある。蓄積注射
剤はさらに、身体組織と適合性であるリポソームまたは微細乳濁液に薬剤を捕捉
させることによっても製造される。
【0067】 経直腸もしくは経膣投与用の組成物は好ましくは坐剤であり、坐剤は、カカオ
脂、ポリエチレングリコールまたは坐剤用ロウなどの、常温では固体であるが体
温では液体であることから、直腸もしくは膣内で溶融して活性化合物を放出する
好適な非刺激性の賦形剤もしくは担体と本発明の化合物とを混和することで製造
することができる。
【0068】 経口投与用の固体製剤には、カプセル、錠剤、丸薬、粉剤および粒剤などがあ
る。そのような固体製剤においては、活性化合物を、クエン酸ナトリウムもしく
はリン酸二カルシウムなどの1以上の不活性で医薬的に許容される賦形剤もしく
は担体、および/またはa)デンプン類、乳糖、ショ糖、グルコース、マニトー
ルおよびケイ酸などの充填剤もしくは増量剤;b)カルボキシメチルセルロース
、アルギン酸塩類、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖およびアカシアガ
ムなどの結合剤;c)グリセリンなどの湿潤剤;d)寒天、炭酸カルシウム、ジ
ャガイモもしくはタピオカデンプン、海藻酸、ある種のケイ酸化合物および炭酸
ナトリウムなどの崩壊剤;e)パラフィンなどの溶液遅延剤;f)4級アンモニ
ウム化合物などの吸収促進剤;g)セチルアルコールおよびモノステアリン酸グ
リセリンなどの湿展剤;カオリンおよびベントナイトクレーなどの吸収剤;なら
びにi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポ
リエチレングリコール類、ラウリル硫酸ナトリウムおよびそれらの混合物などの
潤滑剤と混合する。カプセル、錠剤および丸薬の場合、製剤にはさらに緩衝剤を
含有させることができる。
【0069】 同様の種類の固体組成物は、ラクトースすなわち乳糖などの賦形剤と高分子量
ポリエチレングリコール類などを用いる軟および硬充填ゼラチンカプセルでの充
填剤として使用することもできる。
【0070】 錠剤、糖衣剤、カプセル、丸薬および粒剤の固体製剤は、腸溶コーティング剤
および医薬製剤業界で公知の他のコーティング剤などのコーティング剤および外
殻を用いて製剤することができる。それには場合によっては乳白剤を含有させる
ことができ、腸管のある一定の部分のみまたはその部分で優先的に、場合により
遅延的に有効成分を放出する組成物とすることもできる。使用可能な包埋組成物
の例としては、ポリマー物質およびロウ類などがある。
【0071】 同様の種類の固体組成物は、ラクトースすなわち乳糖などの賦形剤と高分子量
ポリエチレングリコール類などを用いる軟および硬充填ゼラチンカプセルでの充
填剤として使用することもできる。
【0072】 活性化合物はさらに、上記の1以上の賦形剤とともに微小カプセル剤とするこ
ともできる。錠剤、糖衣剤、カプセル、丸薬および粒剤の固体製剤は、腸溶コー
ティング剤、放出抑制コーティング剤および医薬製剤業界で公知の他のコーティ
ング剤などのコーティング剤および外殻を用いて製剤することができる。そのよ
な固体製剤では、活性化合物を、ショ糖、乳糖またはデンプンなどの1以上の不
活性な希釈剤と混合することができる。そのような製剤はさらに、通常行われる
ように、例えば打錠潤滑剤およびステアリン酸マグネシウムおよび微結晶セルロ
ースなどの他の打錠補助剤のような、不活性希釈剤以外の別の物質を含有するこ
ともできる。カプセル、錠剤および丸薬の場合、製剤にはさらに緩衝剤を含有さ
せることができる。それには場合によっては乳白剤を含有させることができ、腸
管のある一定の部分のみまたはその部分で優先的に、場合により遅延的に有効成
分を放出する組成物とすることもできる。使用可能な包埋組成物の例としては、
ポリマー物質およびロウ類などがある。
【0073】 本発明の化合物の局所投与もしくは経皮投与用の製剤には、軟膏、ペースト、
クリーム、ローション、ゲル、粉剤、液剤、噴霧剤、吸入剤または膏薬などがあ
る。活性化合物は、医薬的に許容される担体および必要に応じて要求される保存
剤もしくは緩衝剤とともに、無菌条件下に混合される。眼科製剤、点耳剤、耳軟
膏、粉剤および液剤も、本発明の範囲に含まれるものである。
【0074】 軟膏、ペースト、クリームおよびゲルには、本発明の活性化合物に加えて、動
物性および植物性の油脂、オイル、ロウ、パラフィン、デンプン、トラガカント
ガム、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール類、シリコーン類、ベントナ
イト類、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはそれらの混合物などの賦形剤を
含有させることができる。
【0075】 粉剤および噴霧剤には、本発明の化合物に加えて、乳糖、タルク、ケイ酸、水
酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、あるいはこれら物
質の混合物などの賦形剤を含有させることができる。噴霧剤にはさらに、クロロ
フルオロ炭化水素類などの通常の発射剤を含有させることができる。
【0076】 経皮膏薬には、身体への化合物の搬送制御を行うというさらなる利点がある。
そのような製剤は、適切な媒体にその化合物を溶解もしくは分散させることで製
造することができる。吸収促進剤を用いて、皮膚を通る化合物の流量を増加させ
ることもできる。その速度は、速度制御膜を使用するか、あるいはポリマー基材
もしくはゲルに化合物を分散させることによって制御することができる。
【0077】 本発明の治療方法によれば、所望の結果を得るのに必要な量および時間で、治
療上有効量の本発明の化合物を、ヒトまたはそれより下等な哺乳動物などの患者
に投与することで、該患者における細菌感染が治療または予防される。「治療上
有効量」の本発明の化合物とは、あらゆる医学的処置に適用可能な妥当な利益/
危険比で、細菌感染を治療する上で十分な量の化合物を意味する。しかしながら
、本発明の化合物および組成物の総1日用量は、妥当な医学的判断の範囲内で、
担当医が決定するものであることは明らかであろう。特定の患者における具体的
な治療上有効な用量レベルは、治療対象の障害および該障害の重度;使用する具
体的な化合物の活性;使用する具体的な組成;患者の年齢、体重、全身の健康状
態、性別および食事;使用される具体的化合物の投与時刻、投与経路および排泄
速度;投与の期間;使用される具体的化合物との併用でもしくは同時に使用され
る薬剤;ならびに医学の分野で公知の同様の要素などの各種要素によって決まる
ものである。
【0078】 単回投与または分割投与でヒトまたは他の哺乳動物に対して投与される本発明
の化合物の総1日用量は、例えば0.01〜50mg/kg、あるいはより普通
には0.1〜25mg/kgという量にすることができる。単回投与組成物には
、1日用量を構成する量またはその整数分の1を含有させることができる。通常
、本発明による治療法では、そのような治療を必要とする患者に対して、単回投
与または複数回投与で1日当たり本発明の化合物約10mg〜約1000mgを
投与する段階がある。
【0079】 本発明の好ましい化合物には、 Rが水素であり;Rが−OR13であり;R13が水素である式(II)
の化合物; RおよびRが一体となってオキソである式(II)の化合物; RおよびRが水素である式(I)の化合物; RおよびRが水素である式(I)の化合物; RおよびRが一体となって−C(O)−である式(II)の化合物; Rが水素である式(I)の化合物; Rがメチルである式(I)の化合物; Rがメチルである式(II)の化合物; Rが−CH−CH=CHである式(I)の化合物; Rが−CH−CH=CHである式(II)の化合物; Rが−CH−CH=CH−(3−キノリニル)である式(I)の化合物;
および Rが−CH−CH=CH−(3−キノリニル)である式(II)の化合物
などがある。
【0080】 本発明の具体的な化合物には、 Rが−CH−CH=CHであり;Rが水素であり;Rが水素であり
;Rが水素である式(III)の化合物; Rが−CH−CH=CHであり;Rが水素であり;Rが水素であり
;Rが水素であり;Rが水素であり;Rが水素である式(I)の化合物; Rが−CH−CH=CHであり;Rが水素であり;Rが水素であり
;Rがメチルであり;Rが水素であり;Rが水素である式(I)の化合物
; Rが−CH−CH=CH−(3−キノリニル)であり;RおよびR
一体となってオキソであり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rがメチ
ルであり;Rが水素である式(II)の化合物; Rが−CH−CH=CH−(3−キノリニル)であり;RおよびR
一体となってオキソであり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rがメチ
ルであり;Rが水素である式(II)の化合物; Rが−CH−CH=CH−(3−キノリニル)であり;RおよびR
一体となってオキソであり;RおよびRが一体となって−C(O)−であり
;Rがメチルであり;Rが−C(O)CHである式(II)の化合物;お
よび Rが−CH−CH=CH−(3−キノリニル)であり;Rが水素であり
;Rが水素であり;Rがメチルであり;Rが水素であり;Rが水素であ
る式(I)の化合物などがある。
【0081】 生理活性の測定 抗菌活性のin vitroアッセイ 本発明の代表的化合物について、以下のようにして抗菌活性をin vitroで定量
した。被験化合物の連続希釈水溶液と無菌脳-心臓浸出物(BHI)寒天(Difco
0418-01-5)10mLとが入ったシャーレ12個を準備した。各平板にスティア
ーズ(Steers)レプリケータブロックを用いて、32種類以下の微生物の1:1
00(小球菌および連鎖球菌などの成長の遅い菌株については1:10)希釈液
を接種した。接種した平板を35〜37℃で20〜24時間インキュベートした
。さらに、被験化合物を含まないBHI寒天を用いた対照平板を準備し、各試験
の開始時および終了後にインキュベートした。
【0082】 試験微生物についての感受性パターンが既知であり、被験化合物と同じ抗生物
質分類に属する化合物を含む別の平板も準備し、さらに別の対照としてインキュ
ベートして、試験間で比較が可能となるようにした。それに関してはエリスロマ
イシンAを用いた。
【0083】 インキュベーション後、各平板を肉眼で調べた。成長対照と比較して、接種物
スポットで成長がなかったり、曇りがわずかであったり、あるいはコロニーがま
ばらで分離している最低薬剤濃度を最小阻害濃度(MIC)とした。以下の表1
に示すこのアッセイの結果は、本発明の化合物に抗菌活性のあることを示してい
る。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】 合成方法 略称 後述の図式および実施例の説明で使用した略称は、Ac:酢酸塩(エステル)
;Bz:ベンゾイル;dba:ジベンジリデンアセトン;CDI:カルボニルジ
イミダゾール;DCM:塩化メチレン;DMA:N,N−ジメチルアセトアミド
;DMAP:4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン;DME:ジメトキシエ
タン;DMF:N,N−ジメチルホルムアミド;DMS:ジメチルスルフィド;
DMSO:ジメチルスルホキシド;dppb:1,4−ビス(ジフェニルホスフ
ィノ)ブタン;EDCI:1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチ
ルカルボジイミド塩酸塩;HMPA:ヘキサメチルホスホルアミド;MTBE:
メチルtert−ブチルエーテル;TEA:トリエチルアミン;TFA:トリフ
ルオロ酢酸;THF:テトラヒドロフラン;TBAB:臭化テトラブチルアンモ
ニウム。
【0087】 本発明の化合物を製造することができる方法を示した以下の合成図式により、
本発明の化合物および方法についての理解が深まるであろう。上記で定義の化合
物は、各種合成経路によって製造することができる。代表的な手順を、以下の図
式1〜14に示してある。R、R、R、R、R、R、RおよびR の基は上記で定義の通りであり、X、X、XおよびXの基は以下に定
義の通りである。上記で定義の化合物を、下記に示す合成において適切な反応物
および試薬に代えることで合成可能であることは、当業者には明らかであろう。
選択的な保護および脱保護の段階は、それらの段階自体の順序とともに、R
、R、R、R、R、RおよびRの基の性質に応じて各種順序で
行って、上記で定義の化合物を良好に合成することが可能であることも、当業者
には明らかであろう。保護基についての詳細な考察がグリーンらの著作にある(
Greene and Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 2nd ed., John W
iley & Son, Inc., 1991;これの関連部分は、引用によって本明細書に含まれる
)。
【0088】 R、R13、R、R、RとRの一体のもの、ならびにRとR
一体のものという基は、それぞれが水素以外のものである場合、それぞれ前駆体
化合物R−X、R13−X、R−X、X−(CH−Xまた
はX−C(O)−XおよびR−Xから、エリスロノリド環(R、R 、R、RとRの一体のもの、ならびにRとRの一体のものの場合)
またはクラジノース環(Rの場合)に導入することができる。各場合において
は、ハロもしくはスルホネート脱離基またはカルボニル活性化基を有する付
加基である。前駆体化合物は市販されているか、あるいは市販の原料から製造す
ることができる。例えば、アルコール基を有する化合物は、当業界で公知の手段
によって、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルデヒド、エーテル、酸ハロ
ゲン化物、エステル、アミド、アミン、オキシム、チオアルコキシド、スルフィ
ニル、スルホニルまたはカルボン酸含有基とすることができる。これらの基の多
くはさらに、カーボネート類、カーバメート類または尿素類などの他の基とする
ことができる。前駆体化合物R−X、R13−X、R−X、X−(
CH−XまたはX−C(O)−XおよびR−Xを製造する上で
有用な官能基変換がラロックの著作に開示されている(Larock, ″Comprehensiv
e Organic Transformations. A Guide to Functional Group Preparations,″ V
CH Publishers, New York (1989);これの関連部分は、引用によって本明細書に
含まれる)。エリスロノリド環またはクラジノース環へのこれらの基の導入につ
いて図式で説明する。
【0089】 図式1における式(1)の化合物は、エリスロマイシンAから製造することが
できる。その合成は、米国特許4990602号、同4331803号および同
4670549号に記載されており、それらの関連部分は引用によって本明細書
に含まれる。エリスロマイシンAのC−9カルボニルはオキシムとして保護する
ことができる。C−9カルボニルの好ましい保護基は=N−O−Rまたは=N
−O−C(R)(R)(OR)であり;Rは(a)−C〜C12−ア
ルキル、(b)アリールで置換された−C〜C12−アルキル、(c)置換ア
リールで置換された−C〜C12−アルキル、(d)ヘテロアリールで置換さ
れた−C〜C12−アルキル、(e)置換ヘテロアリールで置換された−C 〜C12−アルキル、(f)−C〜C12−シクロアルキルまたは(g)−S
i(Rであり;Rは−C〜C12−アルキルまたはアリールであり;
およびRは独立に、(a)水素、(b)−C〜C12−アルキル、(c
)アリールで置換された−C〜C12−アルキルまたは(d)置換アリールで
置換された−C〜C12−アルキルであるか、あるいはRおよびRが、そ
れらが結合している炭素とともに−C〜C12−シクロアルキル環を形成して
いる。エリスロマイシンAのC−9カルボニルについての特に好ましいカルボニ
ル保護基は、RおよびRが一体でシクロヘキシルであり、Rがイソプロピ
ルであるO−(1−イソプロポキシシクロヘキシル)オキシムである。
【0090】
【化13】
【0091】 図式1に示したように、式(1)の化合物のデソサミン環の2′−水酸基およ
びクラジノース環の4″−水酸基を、水酸基保護基前駆体でそれを処理すること
で順次または同時に保護して、それぞれ式(2)または(3)の化合物を得るこ
とができる。水酸基保護基前駆体には、クラジノースジメチルアミン基の脱メチ
ルを防止する条件下での無水酢酸、無水安息香酸、ヘキサメチルジシラザン、ト
リアルキルシリルもしくはトリアリールシリルハライド、あるいはクロロギ酸ベ
ンジルなどがある。好ましい保護基には、アセチル、ベンゾイルおよびトリメチ
ルシリルなどがある。特に好ましい保護基前駆体は、トリメチルシリルクロライ
ドである。式(2)の化合物はさらに、それをR−X(Xはハライドであ
る)および塩基で処理することで、式(4)の化合物とすることができる。式(
1)の化合物を誘導体化する際には、反応が進行するに連れて酸が遊離し得る。
そのため、図式1に示した反応は通常、少なくとも化学量論量の塩基を存在させ
て行う。そのような塩基の例としては、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン
およびTEAなどがある。その反応で使用される溶媒には特に制限はないが、原
料とは反応せず、いずれの原料も可能である溶媒を用いる。そのような溶媒の例
としては、アセトン、アセトニトリル、ジエチルエーテル、DCM、クロロホル
ム、酢酸エチル、THF、ジオキサンまたはそれらの混合物などがある。他の要
素も生成物の性質を決定する。例えば、室温にて1当量の水酸基保護基前駆体お
よび塩基で式(1)の化合物を処理すると、通常は式(2)の化合物が得られる
。室温または高温にて、触媒のDMAPとともに、2当量の水酸基保護基前駆体
および塩基で式(1)の化合物を処理すると、通常は式(3)の化合物が得られ
る。反応時間は30分間〜18時間であり、所望の生成物の性質に応じて選択す
ることができる。
【0092】
【化14】
【0093】 式(3)の化合物から式(5)の化合物への変換を図式2に示してある。式(
3)の化合物のアルキル化は、米国特許5866549号(その関連部分は引用
によって本明細書に含まれる)および下記の実験に記載の方法に従って、塩基存
在下に前記化合物をR−Xで処理することで行うことができる。Rがアリ
ル(−C−アルケニル)である式(I)の化合物の別途製造では、1999年
6月24日に出願された共有の係属出願である米国特許出願 号および実施例
1段階1(c)に記載の方法に従って、Pd(dba)などの触媒存在下に
、R−X(Rはアリル(−C−アルケニル)または置換アルキルであり
;Xはtert−ブチルカーボネート部分である)で式(I)の化合物を処理
する。これらの反応で使用される溶媒には特に制限はないが、原料と反応せず、
両方の原料が可溶である溶媒を用いる。そのような溶媒の例としては、ジエチル
エーテル、DME、THF、ジオキサンまたはそれらの混合物などがある。R −Xを用いて6位を誘導体化する場合、反応が進行するに連れて酸が遊離する
ことから、好適な脱酸剤存在下に反応を行うことが好ましい。従ってこの反応は
、少なくとも化学量論量の塩基を存在させて行うのが普通である。そのような塩
基の例としては、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、TEA、水酸化カリ
ウム、水酸化セシウム、水酸化テトラアルキルアンモニウム、水素化ナトリウム
、水素化カリウム、ならびにカリウムイソプロポキシド、カリウムtert−ブ
トキシドおよびカリウムイソブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド類な
どがある。この反応は室温で進行するが、必要に応じてそれより低い温度または
それより高い温度で行うことができる。反応時間は通常30分〜18時間であり
、選択する方法の種類に応じて選択することができる。
【0094】
【化15】
【0095】 本発明の同系統内変換(intraconversion)化合物を図式3にも示してある。
がプロパルギルである式(5)の化合物はさらに、多くの一般的経路によっ
て、式(5a)の化合物とすることができる。好ましい一般経路を図式3に示し
てある。6−Oプロパルギル基を、X−Ar(Arは、それぞれ未置換または
置換のアリール基またはヘテロアリール基であり、Xはハライド(好ましくは
ブロマイドおよびヨージド)およびスルホネートなどの多くの共有結合前駆体の
うちのいずれかである)などの基と反応させることができる。このカップリング
反応は、選択されるカップリング法およびXの性質に応じて、ほぼ室温から約
150℃の温度で、ベンゼン、トルエン、DMF、DMSO、DME、アセトニ
トリル、THFまたはそれらの混合物などの極性非プロトン性溶媒中、ホスフィ
ン類(好ましくはトリフェニルホスフィン)、アルシン類(好ましくはトリフェ
ニルアルシン)、アミン類(好ましくはピリジンおよびトリエチルアミン)およ
び無機塩基(好ましくは炭酸カリウムまたはフッ化セシウム)などの促進剤を加
えて、Pd(II)またはPd(0)触媒存在下に行う。
【0096】
【化16】
【0097】 本発明の同系統内変換化合物を図式4にも示してある。Rがプロパルギルで
ある式(5)の化合物はさらに、約−20℃〜ほぼ室温の温度で、非プロトン性
溶媒中、ボラン−THFを用いて式(5b)の中間体として、ビニルボロン酸誘
導体を得ることができる。次に、中間体(5b)を、図式3に記載のX−Ar
試薬、触媒および促進剤と、スズキ(Suzuki)条件下で反応させて、別の式(5
)の化合物を得る。スズキ条件についての詳細な考察が文献にある(Chemical R
eviews, 1995, Vol.95, No.7, 2457-2483;これの関連部分は引用によって本明
細書に含まれる)。
【0098】
【化17】
【0099】 本発明の同系統内変換化合物を図式5にも示してある。式(5)の化合物はさ
らに、ラロック(Larock)の報告(前述)および米国特許5866549号(実
施例1段階1a〜gおよび実施例102段階120a〜c)(これらは引用によ
って本明細書に含まれる)に記載の条件であるヘックの条件下に、X−Ar試
薬で処理することで、式(5c)の化合物とすることができる。
【0100】
【化18】
【0101】 図式6に示したように、式(5)の化合物の式(6)の化合物への変換を、H
Cl、HBr、酢酸またはTFAなどの酸で前者化合物を処理することで行うこ
とができる。これらの反応で使用される溶媒には特に制限はないが、原料と反応
せず、原料および酸がいずれも可溶である溶媒を用いる。そのような溶媒の例と
しては、アセトニトリル、DME、THF、ジオキサンまたはそれらの混合物な
どがある。デソサミン環およびクラジノース環のそれぞれの2′−および4″−
水酸基の脱保護に好ましい条件では(アセトニトリルおよび水中の酢酸)、通常
は1−イソプロポキシシクロヘキシル基が同時に脱離して、C−9位で未アルキ
ル化オキシム(=N−OH)が得られる。
【0102】
【化19】
【0103】 式(III)の化合物の合成、式(III)の化合物の式(IV)の化合物へ
の同系統内変換、式(III)の化合物の式(I)の化合物への変換を図式7に
示してある。式(6)の化合物をオキシム活性化剤で処理して、式(7)の化合
物を得ることができる。特に好ましいオキシム活性化剤は、p−トルエンスルホ
ニルクロライド、メタンスルホニルクロライド、p−ブロモスルホニルクロライ
ドおよびp−ブロモスルホニルクロライドなどのスルホニルハライドである。ス
ルホニルハライドを用いてオキシムを活性化する場合、反応が進行するに連れて
酸が遊離することから、好適な脱酸剤の存在下に反応を行うことが好ましい。従
ってその反応は、少なくとも化学量論量の塩基存在下に行う。そのような塩基の
例としては、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、TEA、NaHCO
NaCO、KHCOおよびKCOなどがある。式(7)の化合物の式
(8)の化合物への変換は、場合によってTiCl、CoCl、AlCl 、メタンスルホン酸または酢酸などの酸存在下に、PtO、ボランのTHF溶
液、ボラン−ジメチルスルフィド、水素化シアノホウ素ナトリウムまたは水素化
ホウ素ナトリウムなどの還元剤で、前者化合物を処理することで行うことができ
る。特に好ましい実施態様では、式(6)の化合物を、THF中でp−トルエン
スルホニルクロライドおよびピリジンによって処理して、式(7)の化合物を得
て、それをNaBHCNおよび酢酸で処理して、式(8)の化合物を得る。こ
れらの反応で使用される溶媒には特に制限はないが、原料と反応せず、両方の原
料が可溶である溶媒を用いる。そのような溶媒の例としては、アセトン、水、ア
セトニトリル、ジエチルエーテル、DME、DCM、クロロホルム、DMF、D
MA、酢酸エチル、THF、ジオキサン、N−メチルピロリジノン、DMSO、
ジエチルスルホキシド、HMPAまたはそれらの混合物などがある。反応は室温
で進行するが、それより低い温度で行うことができる。反応時間は通常30分〜
18時間であり、原料の種類および反応温度に応じて選択することができる。
【0104】 別法として、式(7)の化合物は、その化合物の希酸水溶液による加水分解ま
たは酵素加水分解によって3−ヒドロキシクラジノース基からクラジノース部分
を脱離させることで、式(7a)の化合物に変換することができる。代表的な酸
には、塩酸、硫酸、過塩素酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸またはTFAなどがあ
る。この反応で使用される溶媒には特に制限はないが、原料と反応せず、両方の
原料が可溶である溶媒を用いる。そのような溶媒の例としては、アセトン、アセ
トニトリル、C〜Cアルコール、THF、ジオキサンまたはそれらの混合物
などがある。好ましい反応温度は約−10℃〜約60℃であり、選択する方法に
よって決まる。反応時間は代表的には、約0.5〜約24時間である。
【0105】 式(7a)の化合物は、その化合物を2′−水酸基保護基で処理することで式
(7b)の化合物とし、次にN−クロロコハク酸イミド−ジメチルスルフィドを
用いるコーリー−キム(Corey-Kim)反応、トリフルオロ酢酸ピリジニウム存在
下でカルボジイミド−DMSO錯体を用いるモファット酸化またはデス−マーチ
ンペルヨージナン(periodinane)による3−水酸基の3−オキソ基への酸化に
より、式(7c)の化合物に変換することができる。好ましい実施態様では、D
CMまたはクロロホルムなどの塩素化溶媒中で予め形成しておいたN−クロロコ
ハク酸イミド−ジメチルスルフィド錯体に、約−10℃〜約25℃で式(7b)
の化合物を加える。約0.5〜約4時間撹拌後、TEAまたはジイソプロピルエ
チルアミンなどの三級アミンを加えて、式(7c)の化合物を製造する。
【0106】
【化20】
【0107】 式(I)の化合物の同系統内変換を図式8に示してある。式(8)の化合物は
、塩基存在下にアルキル化剤R−X(Xはハロ脱離基である)でその化合
物を処理することにより、式(9)の化合物に変換することができる。式(8)
の化合物の式(9)の化合物への別途変換方法は、ギ酸存在下にアルキル化剤R −X(Xはカルボキシアルデヒド基である)で前者化合物を処理するとい
うものである。反応で使用される溶媒には特に制限はないが、原料と反応せず、
両方の原料が可溶である溶媒を用いる。そのような溶媒の例としては、アセトン
、アセトニトリル、ジエチルエーテル、DCM、クロロホルム、酢酸エチル、T
HF、ジオキサンまたはそれらの混合物などがある。反応は高温で進行するが、
比較的低温で行うことができる。反応時間は通常30分〜18時間であり、原料
の種類および反応温度に応じて選択することができる。特に好ましい実施態様で
は、R−Xを、高温でクロロホルム中にて(8)と反応させる。
【0108】
【化21】
【0109】 式(I)の化合物から式(II)の化合物への変換および式(II)の同系統
内変換化合物を図式9に示してある。式(9)の化合物は、希酸水溶液による加
水分解または酵素加水分解によって3−ヒドロキシクラジノース基からクラジノ
ース部分を脱離させることで、式(10)の化合物に変換することができる。代
表的な酸には、塩酸、硫酸、過塩素酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸またはTFA
などがある。この反応で使用される溶媒には特に制限はないが、原料と反応せず
、両方の原料が可溶である溶媒を用いる。そのような溶媒の例としては、アセト
ン、アセトニトリル、C〜Cアルコール、THF、ジオキサンまたはそれら
の混合物などがある。好ましい反応温度は約−10℃〜約60℃であり、選択す
る方法によって決まる。反応時間は代表的には、約0.5〜約24時間である。
式(10)の化合物は次に、図式1で式(1)の化合物について記載の水酸基保
護によって、式(11)の化合物に変換することができる。式(11)の化合物
から式(12)の化合物への変換は、R13−X(Xはカルボニル活性化基
である)で前者化合物を処理することで行うことができる。
【0110】
【化22】
【0111】 式(II)の同系統内変換化合物を図式10に示してある。式(12)の化合
物から式(13)の化合物への変換は、N−クロロコハク酸イミド−ジメチルス
ルフィドを用いるコーリー−キム反応、トリフルオロ酢酸ピリジニウム存在下で
カルボジイミド−DMSO錯体を用いるモファット酸化またはデス−マーチンペ
ルヨージナンによる3−水酸基の3−オキソ基への酸化によって行うことができ
る。好ましい実施態様では、DCMまたはクロロホルムなどの塩素化溶媒中で予
め形成しておいたN−クロロコハク酸イミド−ジメチルスルフィド錯体に、約−
10℃〜約25℃で式(12)の化合物を加える。約0.5〜約4時間撹拌後、
TEAまたはジイソプロピルエチルアミンなどの三級アミンを加えて、式(13
)の化合物を製造する。
【0112】
【化23】
【0113】 式(II)の同系統内変換化合物を図式11に示してある。式(13)の化合
物から式(14)の化合物への変換は、図式2で式(3)の化合物へのRの導
入に関して記載のものと同じ条件を用い、塩基存在下にX−(CH−X (Xもハロ脱離基である)などの2官能性アルキル化剤で前者化合物を処理
することで行うことができる。
【0114】
【化24】
【0115】 式(II)の同系統内変換化合物を図式12にも示してある。式(13)の化
合物から式(15)の化合物への変換は、塩基存在下にCDI、ホスゲンまたは
トリホスゲンなどのカルボニル活性化剤で前者化合物を処理することで行うこと
ができる。ホスゲンまたはトロホスゲン(trophosgene)を用いて式(13)の
化合物の誘導体化を行う場合、反応が進行するに連れて酸が遊離することから、
好適な脱酸剤の存在下に反応を行うことが好ましい。従ってその反応は、少なく
とも化学量論量の塩基存在下に行う。そのような塩基の例としては、ピリジン、
ジイソプロピルエチルアミン、TEA、NaHCO、NaCO、KHCO およびKCOなどがある。これらの反応で使用される溶媒には特に制限は
ないが、原料と反応せず、両方の原料が可溶である溶媒を用いる。そのような溶
媒の例としては、アセトン、アセトニトリル、DME、DCM、クロロホルム、
DMF、DMA、酢酸エチル、THF、ジオキサン、ベンゼン、トルエンまたは
それらの混合物などがある。反応は比較的低温で進行するが、比較的高温で行う
ことができる。反応時間は通常30分〜18時間であり、原料の種類および反応
温度に応じて選択することができる。
【0116】
【化25】
【0117】 本発明の同系統内変換化合物を図式13にも示してある。式(18)の化合物
を、図式12において式(13)の化合物について説明した方法に従ってカルボ
ニル活性化基で処理して、式(19)の化合物を得ることができる。
【0118】
【化26】
【0119】 本発明の同系統内変換化合物を図式13にも示してある。式(18)の化合物
を、図式11において式(13)の化合物について説明した方法に従ってX
(CH−Xで処理して、式(20)の化合物を得ることができる。
【0120】 以下の実施例により、本発明の化合物および方法についての理解が深まるが、
下記の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を限定する
ものではない。
【0121】 クラリスロマイシン(3−O−クラジノシル−5−O−デソサミニル−6−O
−メチル−エリスロノリドA)は、アボット社(Abbott Laboratories)から入
手した。実施例で具体的に言及していない他の原料はいずれも、アルドリッチ・
ケミカル社(Aldrich Chemical Company, Milwaukee, WI)から購入した。
【0122】 実施例1 式IIIの化合物(Rが−CHCH=CHであり;Rが水素であり; が水素であり;Rが水素である) 段階1a:図式1からの化合物(1) 2−メトキシプロペンに代えて1−シクロヘキセン−1−イルイソプロピルエ
ーテルを用い、米国特許4990602号実施例(1)および(2)に記載の方
法に従って、所望の生成物を製造した。
【0123】 段階1b:炭酸アリルtert−ブチル 文献(Canadian Journal of Chemistry, 1985, Vol.63, pp.153-162)に記載
の方法に従って、所望の生成物を製造した。
【0124】 段階1c:図式2からの化合物(5)(Rが−CHCH=CHであり; が水素であり;Rが水素であり;Rが−Si(CHであり;R が−Si(CHであり;Rがイソプロピルであり;RおよびRが一 体でシクロヘキシルである) Pd(dba)(0.120g、0.131mmol)およびdppb(
111mg、0.259mmol)の混合物をTHF(100mL)中で、段階
1aからの生成物(トルエンで共沸脱水したもの25.0g、24.23mmo
l)および段階1bからの生成物(4.6g、29.1mmol)によって処理
し、30分間加熱還流し、冷却し、濃縮した。濃縮液を酢酸エチル(250mL
)に溶かし、得られた溶液を半飽和NaCOおよびブラインで洗浄し、脱水
し(NaSO)、濾過し、濃縮して、それ以上精製しなくとも使用に十分な
純度の所望の生成物25.2gを得た。 MS(DCI/NH)m/z1073(M+H)
【0125】 段階1d:図式6からの化合物(6)(Rが−CHCH=CHであり; が水素であり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rが水素であり; が水素である) 段階1cからの生成物(25.2g、23.5mmol)のアセトニトリル(
240mL)および水(50mL)懸濁液を氷酢酸(70mL)で処理し、得ら
れた溶液を室温で3日間撹拌し、濃縮した。濃縮液をDCM(100mL)に溶
かし、得られた溶液を半飽和NaCO(洗浄液のpHが10となるまで)、
水およびブラインの順で洗浄し、脱水し(NaSO)、濾過し、濃縮して、
それ以上精製しなくとも使用に十分な純度の所望の生成物17.4gを得た。 MS(DCI/NH)m/z790(M+H)
【0126】 段階1e:式(III)の化合物(Rが−CHCH=CHであり;R が水素であり;Rが水素であり;Rが水素である) 段階1dからの生成物(7.0g、8.88mmol)のピリジン(90mL
)溶液に0℃で、p−トルエンスルホニルクロライド(3.39g、17.77
mmol)のTHF(90mL)溶液を30分間かけて加え、2.5時間撹拌し
、40℃で20時間加熱し、冷却し、酢酸エチル(200mL)を加えた。得ら
れた溶液を半飽和NaCO、水およびブラインの順で洗浄し、脱水し(Na SO)、濾過し、濃縮した。濃縮物について、96:4アセトン/TEAを
用いるシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー精製を行って、所望
の生成物2.86gを得た。 MS(DCI/NH)m/z771(M+H)
【0127】 実施例2 式(I)の化合物(Rが−CHCH=CHであり;Rが水素であり; が水素であり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rが水素である) 実施例1の化合物(100mg、0.13mmol)およびブロモクレゾール
グリーンの結晶1個のメタノール(1mL)溶液に室温で、溶液の色が青色から
黄色に変化するまで氷酢酸を加え、最初のNaBHCN(16mg、0.26
mmol)を加え、室温で18時間撹拌し、2回目のNaBHCN(16mg
、0.260mmol)を加え、4時間撹拌し、3回目のNaBHCN(32
mg、0.52mmol)を加え、3時間撹拌し、4回目のNaBHCN(3
2mg、0.52mmol)を加え、16時間撹拌し、1M NaOH(5mL
)を加え、MTBEで抽出した。抽出液をブラインで洗浄し、脱水し(Na
)、濾過し、濃縮した。濃縮物について、9:1:0.5DCM/メタノー
ル/濃NHOHを用いるシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー
精製を行って、所望の生成物15.1mgを得た。 MS(DCI/NH)m/z775(M+H)
【0128】 実施例3 式(I)の化合物(Rが−CHCH=CHであり;Rが水素であり; が水素であり;Rがメチルであり;Rが水素であり;Rが水素である 実施例2の化合物(840mg、1.09mmol)のクロロホルム(20m
L)溶液に室温で、ギ酸(90μL、2.39mmol)および37%ホルムア
ルデヒド水溶液(196μL、7.05mmol)の混合物を滴下し、15時間
加熱還流し、冷却し、半飽和NaCO(50mL)を加えた。分液を行い、
水層をクロロホルムで抽出した。抽出液を水およびブラインで洗浄し、脱水し(
NaSO)、濾過し、濃縮して、それ以上精製しなくとも使用に十分な純度
の所望の生成物1.0gを得た。 MS(DCI/NH)m/z789(M+H)
【0129】 実施例4 式(II)の化合物(Rが−CHCH=CHであり;Rが水素であり ;Rが−OR13であり;R13が水素であり;Rが水素であり;Rが水 素であり;Rがメチルであり;Rが水素である) 実施例3の化合物(757mg、0.972mmol)の90%エタノール(
15mL)溶液に水(30mL)を加え、1M HCl(4.86mL、4.8
6mmol)を加え、室温で15.5時間撹拌し、濃縮した。濃縮物を水(50
mL)に溶かし、得られた溶液をMTBEで洗浄し、半飽和NaCOで塩基
性とし、酢酸イソプロピルで抽出した。抽出液をブライン(50mL)で洗浄し
、脱水し(NaSO)、濾過し、濃縮して、それ以上精製しなくとも使用に
十分な純度の所望の生成物637mgを得た。 MS(DCI/NH)m/z631(M+H)
【0130】 実施例5 式(II)の化合物(Rが−CHCH=CH−(3−キノリニル)であり ;RおよびRが一体でオキソであり;Rが水素であり;Rが水素であり ;Rがメチルであり;Rが水素である) 段階5a:図式10の化合物(12)(Rが−CHCH=CHであり; が水素であり;Rが−OR13であり;R13が水素であり;Rが水素 であり;Rが水素であり;Rがメチルであり;Rが−C(O)CHであ る) 実施例4の化合物(590mg、0.937mmol)のDCM(12mL)
溶液に室温で、TEA(196μL、1.41mmol)および無水酢酸(13
3μL、1.41mmol)をその順序で加え、20時間撹拌し、DCM(25
mL)で希釈し、飽和NaHCOおよびブライン(25mL)で洗浄し、脱水
し(NaSO)、濾過し、濃縮して、それ以上精製しなくとも使用に十分な
純度の所望の生成物654mgを得た。 MS(DCI/NH)m/z673(M+H)
【0131】 段階5b:(選択肢1):図式11の化合物(13)(Rが−CHCH= CHであり;Rが水素であり;RおよびRが一体でオキソであり;R が水素であり;Rが水素であり;Rがメチルであり;Rが−C(O)CH である) 段階5aからの生成物(25mg、0.037mmol)のDCM(1mL)
溶液に室温で、DMSO(73μL、1.02mmol)およびEDCI(57
mg、0.29mmol)をその順序で加え、30分間撹拌し、トリフルオロ酢
酸ピリジニウム(58mg、0.29mmol)を加え、室温で44時間撹拌し
、水(10mL)を加え、DCMで抽出した。抽出液を飽和NaHCOおよび
ブラインで洗浄し、脱水し(NaSO)、濾過し、濃縮して、それ以上精製
しなくとも使用に十分な純度の所望の生成物21.8mgを得た。 MS(DCI/NH)m/z671(M+H)
【0132】 段階5b:(選択肢2):図式11の化合物(13)(Rが−CHCH= CHであり;Rが水素であり;RおよびRが一体でオキソであり;R が水素であり;Rが水素であり;Rがメチルであり;Rが−C(O)CH である) 段階5aからの生成物(200mg、0.298mmol)のDCM(3mL
)溶液に0℃で、デス−マーチンペルヨージナン(139mg、0.33mmo
l)で処理し、30分間撹拌し、昇温して室温とし、2.5時間撹拌し、半飽和
NaCO(25mL)を加え、DCMで抽出した。抽出液を半飽和Na
およびブラインで洗浄し、脱水し(NaSO)、濾過し、濃縮した。濃
縮物について、99:1:1DCM/メタノール/濃NHOHを用いるシリカ
ゲルでのフラッシュクロマトグラフィー精製を行って、所望の生成物51mgを
得た。 MS(DCI/NH)m/z671(M+H)
【0133】 段階5c:図式11の化合物(13)(Rが−CHCH=CH−(3−キ ノリニル)であり;Rが水素であり;RおよびRが一体でオキソであり; が水素であり;Rが水素であり;Rがメチルであり;Rが−C(O) CHである) 段階5bからの生成物(133mg、0.167mmol)、3−ブロモキノ
リン(42μL、312mmol)、TBAB(76mg、0.327mmol
)、ジイソプロピルエチルアミン(103μL、0.592mmol)および酢
酸パラジウム(II)(33mg、0.147mmol)のDME(5mL)中
混合物を封管中、80℃で16時間加熱し、冷却して室温とし、半飽和Na
(15mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を半飽和NaCO 、水およびブラインで洗浄し、脱水し(NaSO)、濾過し、濃縮した。濃
縮物について、99:1:1DCM/メタノール/濃NHOHを用いるシリカ
ゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー精製を行って、所望の生成物58
.6mgを得た。 MS(DCI/NH)m/z798(M+H)
【0134】 段階5d:式(II)の化合物(Rが−CHCH=CH−(3−キノリニ ル)であり;RおよびRが一体でオキソであり;Rが水素であり;R 水素であり;Rがメチルであり;Rが水素である) 段階5cからの生成物(70mg、0.088mmol)のメタノール(5m
L)溶液を室温で40時間撹拌し、濃縮した。濃縮物について、98:2:1D
CM/メタノール/濃NHOHを用いるシリカゲルでのフラッシュカラムクロ
マトグラフィー精製を行って、所望の生成物15mgを得た。 MS(DCI/NH)m/z756(M+H)
【0135】 実施例6 式(II)の化合物(Rが−CHCH=CH−(3−キノリニル)であり ;RおよびRが一体でオキソであり;RおよびRが一体で−C(O)− であり;Rがメチルであり;Rが水素である) 段階6a:図式12からの化合物(15)(Rが−CHCH=CH−(3 −キノリニル)であり;RおよびRが一体でオキソであり;RおよびR が一体で−C(O)−であり;Rがメチルであり;Rが−C(O)CH ある) 段階5cからの生成物(59mg、0.074mmol)のDCM(1.5m
L)溶液にピリジン(28μL、0.221mmol)を加え、冷却して−10
℃とし、トリホスゲン(218mg、0.074mmol)を加え、2時間撹拌
し、追加のピリジン(3滴)およびトリホスゲン(10mg)を加え、21時間
撹拌し、酢酸エチル(15mL)およびDCM(15mL)を加え、半飽和Na COで洗浄した。洗浄液をDCMで抽出し、合わせた抽出液をブラインで洗
浄し、脱水し(NaSO)、濃縮した。濃縮物について、99:1:1DC
M/メタノール/濃NHOHを用いるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラ
フィー精製を行って、所望の生成物34.2mgを得た。 MS(DCI/NH)m/z824(M+H)
【0136】 段階6b:式(II)の化合物(Rが−CHCH=CH−(3−キノリニ ル)であり;RおよびRが一体でオキソであり;RおよびRが一体で− C(O)−であり;Rがメチルであり;Rが水素である) 段階12の化合物(34mg、0.042mmol)のメタノール(2.5m
L)溶液を室温で20時間撹拌し、濃縮して、それ以上精製せずに使用するのに
十分な純度の所望の生成物28.5mgを得た。 MS(DCI/NH)m/z782(M+H)
【0137】 実施例7 式(I)の化合物(Rが−CHCH=CH−(3−キノリニル)であり; が水素であり;Rが水素であり;Rがメチルであり;Rが水素であり ;Rが水素である) 実施例3の化合物、3−ブロモキノリン(26μL、0.19mmol)、ト
リ(o−トリル)ホスフィン(6mg、0.019mmol)、TEA(53μ
L、39mg、0.381mmol)および酢酸パラジウム(II)(3mg、
0.013mmol)のアセトニトリル(2.5mL)中混合物を封管中、60
℃で1時間、90℃で20時間加熱し、冷却して室温とし、酢酸エチル(25m
L)および半飽和NaCO(25mL)を加えた。分液を行い、水層を酢酸
エチルで抽出した。抽出液を水およびブラインで洗浄し、脱水し(NaSO )、濾過し、濃縮した。濃縮物について、9:1:0.5DCM/メタノール/
濃NHOHを用いるシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー精製
を行って、所望の生成物25mgを得た。 MS(DCI/NH)m/z916(M+H)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 キーズ,ロバート・エフ アメリカ合衆国、ウイスコンシン・53258、 プレ−ザント・プレイリ−、ワンハンドレ ツドアンドナインス・ストリート・3621 (72)発明者 マー,チエンクン アメリカ合衆国、イリノイ・60031、ガー ニー、プレジデンシヤル・ドライブ・7193 Fターム(参考) 4C057 CC03 DD01 FF01 KK11 KK12 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 EA12 EA13 MA01 MA04 MA13 MA17 MA22 MA23 MA24 MA28 MA31 MA35 MA36 MA37 MA38 MA41 MA43 MA52 MA56 MA57 MA59 MA60 MA63 MA66 MA67 NA14 ZB35

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I)の化合物 【化1】 下記式(II)の化合物 【化2】 下記式(III)の化合物 【化3】 および 下記式(IV)の化合物 【化4】 からなる群から選択される化合物あるいは該化合物の医薬的に許容される塩また
    はプロドラッグ[上記式(I)〜(IV)において、 RおよびRは独立に、 (1)水素、 (2)−C〜C12−アルキル、 (3)−C〜C12−アルケニルおよび (4)−C〜C12−アルキニル からなる群から選択され; 上記(2)〜(4)は、 (a)ハロゲン、 (b)−OR(Rは、 (i)水素、 (ii)−C〜C12−アルキル、 (iii)−C〜C12−ヘテロアルキル(上記(ii)および(ii
    i)は、 (1′)アリール、 (2′)置換アリール、 (3′)ヘテロアリールおよび (4′)置換ヘテロアリール からなる群から独立に選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置
    換されていても良い)、 (iv)アリール、 (v)置換アリール、 (vi)ヘテロアリールおよび (vii)置換ヘテロアリール からなる群から独立に選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置換
    されていても良い)、 (c)−NR1112(R11およびR12は独立に、 (i)水素、 (ii)−C〜C12−アルキル、 (iii)−C〜C12−ヘテロアルキル(上記(ii)および(ii
    i)は、 (1′)アリール、 (2′)置換アリール、 (3′)ヘテロアリールおよび (4′)置換ヘテロアリール からなる群から独立に選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置
    換されていても良い)、 (iv)アリール、 (v)置換アリール、 (vi)ヘテロアリールおよび (vii)置換ヘテロアリール からなる群から独立に選択されるか;あるいは R11とR12が、それらが結合している原子とともに、置換されていても
    良い複素環アルキルを形成している)、 (d)=N−O−R(Rは上記で定義の通りである)、 (e)アリール、 (f)置換アリール、 (g)ヘテロアリール、 (h)置換ヘテロアリール、 (i)−C〜C−シクロアルキル、 (j)置換−C〜C−シクロアルキル、 (k)複素環アルキル、 (l)置換複素環アルキル、 (m)−NHC(O)R(Rは前記で定義の通りである)、 (n)−NHC(O)OR10(R10は、 (i)−C〜C12−アルキル、 (ii)−C〜C12−ヘテロアルキル(上記(i)および(ii)は
    、 (1′)アリール、 (2′)置換アリール、 (3′)ヘテロアリールおよび (4′)置換ヘテロアリール からなる群から独立に選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置
    換されていても良い)、 (iii)アリール、 (iv)置換アリール、 (v)ヘテロアリールおよび (vi)置換ヘテロアリール からなる群から選択される)、 (o)−NHC(O)NR1112(R11およびR12は上記で定義の
    通りである)、 (p)−OC(O)R10(R10は上記で定義の通りである)、 (q)−OC(O)OR10(R10は上記で定義の通りである)、 (r)−OC(O)NR1112(R11およびR12は上記で定義の通
    りである)、 (s)−C(O)R(Rは上記で定義の通りである)、 (t)−CO(Rは上記で定義の通りである)、および (u)−C(O)NR1112(R11およびR12は上記で定義の通り
    である) からなる群から独立に選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置換され
    ていても良く; Rは水素であり; Rは−OR13であり;R13は (1)水素、 (2)−C(O)R10(R10は上記で定義の通りである)、 (3)−CO10(R10は上記で定義の通りである)、および (4)−C(O)NR1112(R11およびR12は上記で定義の通りで
    ある) からなる群から選択され;あるいは RとRが一体となってオキソであり; RおよびRは水素であり;あるいは RとRが一体となって−C(O)−または−(CH−であり;xは
    1、2または3であり;あるいは RとRが一体となって−C(O)−または−(CH−であり;xは
    上記で定義の通りであり; Rは、 (1)水素、 (2)−C〜C12−アルキル、 (3)−C〜C12−アルケニル、 (4)−C〜C12−アルキニル、 (5)−C〜C12−ヘテロアルキル、 (6)−C〜C12−ヘテロアルケニル、 (7)−C〜C12−ヘテロアルキニル(前記(2)〜(7)は、 (a)ハロゲン、 (b)水酸基、 (c)−NR1112(R11およびR12は上記で定義の通りである)
    、 (d)アリール、 (e)置換アリール、 (f)ヘテロアリールおよび (g)置換ヘテロアリール からなる群から独立に選択される1個、2個もしくは3個の置換基で置換さ
    れていても良い)、 (8)−C(O)R(Rは上記で定義の通りである)、 (9)−CO(Rは上記で定義の通りである)、および (11)−C(O)NR1112(R11およびR12は上記で定義の通り
    である) からなる群から選択され; Rは、水素または水酸基保護基であり; ただし、RとRが一体となってオキソである場合、Rは水素および未置
    換メチル以外である。]。
  2. 【請求項2】 Rが水素であり;Rが−OR13であり;R13が水素
    である請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 RおよびRが一体となってオキソである請求項1に記載
    の化合物。
  4. 【請求項4】 RおよびRが水素である請求項1に記載の化合物。
  5. 【請求項5】 RおよびRが一体となって−C(O)−である請求項1
    に記載の化合物。
  6. 【請求項6】 Rが水素である請求項1に記載の化合物。
  7. 【請求項7】 Rがメチルである請求項1に記載の化合物。
  8. 【請求項8】 Rが−CH−CH=CHまたは−CH−CH=CH
    −(3−キノリニル)である請求項1に記載の化合物。
  9. 【請求項9】 Rが−CH−CH=CHである請求項1に記載の化合
    物。
  10. 【請求項10】 Rが−CH−CH=CH−(3−キノリニル)である
    請求項1に記載の化合物。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の化合物の製造方法であって、 (a)下記式(Ia)の化合物 【化5】 または下記式(Ib)の化合物 【化6】 (式中、R、R、R、R、R、RおよびRは請求項1で定義の通
    りである)をオキシム活性化剤と反応させる段階; (b)段階(a)からの生成物を還元剤と反応させる段階; (c)場合により、段階(b)からの生成物をアルキル化する段階;ならびに (d)場合により、段階(c)からの生成物を脱保護する段階 を有する方法。
  12. 【請求項12】 前記オキシム活性化剤がスルホニルハライドである請求項
    11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記スルホニルハライドが、p−トルエンスルホニルクロ
    ライド、メタンスルホニルクロライド、p−ブロモスルホニルクロライドまたは
    p−ブロモスルホニルクロライドである請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記還元剤が、場合によって酸存在下でのボランのTHF
    溶液、ボラン−ジメチルスルフィド、水素化シアノホウ素ナトリウムまたは水素
    化ホウ素ナトリウムである請求項11に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記還元剤が、酸存在下での水素化シアノホウ素ナトリウ
    ムである請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記酸が酢酸である請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 医薬的に許容される担体との組合せで、医薬的に有効量の
    請求項1に記載の化合物を含む医薬組成物。
  18. 【請求項18】 処置を必要とする哺乳動物での細菌感染の治療方法であっ
    て、該哺乳動物に対して、治療上有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段
    階を有する方法。
  19. 【請求項19】 Rが−CH−CH=CHであり;Rが水素であり;Rが水素であり
    ;Rが水素である式(III)の化合物; Rが−CH−CH=CHであり;Rが水素であり;Rが水素であり
    ;Rが水素であり;Rが水素であり;Rが水素である式(I)の化合物; Rが−CH−CH=CHであり;Rが水素であり;Rが水素であり
    ;Rがメチルであり;Rが水素であり;Rが水素である式(I)の化合物
    ; Rが−CH−CH=CH−(3−キノリニル)であり;RおよびR
    一体となってオキソであり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rがメチ
    ルであり;Rが水素である式(II)の化合物; Rが−CH−CH=CH−(3−キノリニル)であり;RおよびR
    一体となってオキソであり;Rが水素であり;Rが水素であり;Rがメチ
    ルであり;Rが水素である式(II)の化合物; Rが−CH−CH=CH−(3−キノリニル)であり;RおよびR
    一体となってオキソであり;RおよびRが一体となって−C(O)−であり
    ;Rがメチルであり;Rが−C(O)CHである式(II)の化合物;お
    よび Rが−CH−CH=CH−(3−キノリニル)であり;Rが水素であり
    ;Rが水素であり;Rがメチルであり;Rが水素であり;Rが水素であ
    る式(I)の化合物 からなる群から選択される化合物。
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