JP2001518475A - 環状亜リン酸およびリン酸塩 - Google Patents

環状亜リン酸およびリン酸塩

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JP2001518475A
JP2001518475A JP2000513860A JP2000513860A JP2001518475A JP 2001518475 A JP2001518475 A JP 2001518475A JP 2000513860 A JP2000513860 A JP 2000513860A JP 2000513860 A JP2000513860 A JP 2000513860A JP 2001518475 A JP2001518475 A JP 2001518475A
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クラーク,リチヤード・エフ
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Abstract

(57)【要約】 式(I)または(II)の構造を有する抗菌化合物またはその薬学上許容し得る塩およびエステルが開示されている。また、本発明の式(I)および(II)の化合物の製造方法、治療上有効な量の本発明の化合物を薬学上許容し得る担体と組みあわせて含む薬学的組成物、ならびに、治療上有効な量の本発明の化合物を含有する薬学的組成物を哺乳動物に投与することにより細菌感染を治療する方法も開示されている。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は抗菌活性を有し、細菌感染の治療および予防に有用な新規な半合成マ
クロライドに関する。より詳細には、本発明は抗菌特性を有する環状亜リン酸塩
、該化合物を含有する組成物、およびその使用法、ならびに該化合物の製造方法
に関する。
【0002】 (背景技術) 下記の式(I):
【0003】
【化6】
【0004】 で表されるエリスロマイシンA〜Dは、周知の強力な抗菌剤であり、細菌感染を
治療および予防するために広く使用されている。しかしながら、他の抗菌剤の場
合と同様に、エリスロマイシンに対する耐性や低い感受性を有する細菌も同定さ
れてきている。また、エリスロマイシンAはグラム陰性菌に対しては弱い活性し
か有しない。したがって、高い抗菌活性を有し、耐性を高める潜在性が低く、所
望のグラム陰性活性を有し、あるいは標的微生物に対する予期せぬ選択性を有す
る、新規なエリスロマイシン誘導化合物を同定することが要求され続けている。
このようなことから、多数の研究者が、修飾または改良された抗生活性プロファ
イルを有する類似体を得るための試みの中で、エリスロマイシンの化学的誘導体
を製造してきた。
【0005】 米国特許第4,331,803は、多くのグラム陽性菌、マイコプラズマなど
に対する所望の抗菌活性を示し、臨床的に広く用いられている6−O−メチルエ
リスロマイシンAを開示している。しかしながらこの化合物は、グラム陰性細菌
に対しては弱い抗微生物活性しか有せず、酸安定性も低い。
【0006】 スロビンスキー(Slowinski)らは、Recl. Trav. Ch
im, Pays−Bas.(1975) 94:236−238の中で、エリ
スロマイシン11,12−炭酸塩の製造について記載している。さらに、6−O
−メチル−3−デスクラジノース−3−オキソエリスロマイシンサイクリック1
1,12−カルバメート誘導体の製造についてのいくつかの特許出願が公開され
ている(大正製薬(株)WO9321199−A1、ルーセルウクラーフ(Ro
ussel−Uclaf)FR2697524−A1、ルーセルウクラーフEP
596802−A1)。EP−A−0 248 279において、ベーカー(B
aker)らは、6−O−メチルエリスロマイシンサイクリック11,12−カ
ルバメート誘導体を開示している。
【0007】 本発明の目的は、新規な抗生化合物、およびその無毒の薬学上許容し得る塩、
新規な化合物の製造方法、およびそれらの製造のための化合物および中間体を提
供することである。
【0008】 (発明の要約) 1つの態様において、本発明は下記の式:
【0009】
【化7】
【0010】 で表される化合物またはその薬学上許容し得る塩およびエステルに関する。上記
の式IおよびIIにおいて、 Rは水素、C〜C10アルキル、C〜C12アルケニル、またはC
12アルキニルであり、そのそれぞれはアリール、置換アリール、ヘテロアリ
ール、または置換ヘテロアリールによって任意に置換されていてもよく、 XはOまたは存在せず、 Rは水素またはヒドロキシ保護基であり、 RおよびRは独立して、水素、C〜C10アルキル、C〜C12アル
ケニル、またはC〜C12アルキニルであり、そのそれぞれはアリール、置換
アリール、ヘテロアリール、または置換ヘテロアリールによって任意に置換され
ていてもよく、RおよびRはそれらが結合している原子と一緒になって、3
〜10員ヘテロシクロアルキル環を形成し、 Yは水素、Zはクラジノースであるか、あるいはYおよびZは一緒になってオ
キソ基を形成する。
【0011】 他の態様において、本発明は式Iに対応する化合物の製造方法であって、 (a)下記の式:
【0012】
【化8】
【0013】 (式中、Rは水素またはヒドロキシ保護基であり、Yが水素であって、Zがク
ラジノースであるか、あるいはYおよびZは一緒になってオキソ基を形成する)
の化合物を三塩化リンおよび2,6−ルチジンと反応させる工程と、 (b)工程(a)からの化合物をR−OH(式中、Rは上で定義した通り
である。)と反応させる工程と、 (c)任意に工程(b)からの化合物を酸化し、ヒドロキシ保護された基を脱
保護する工程とを含む方法に関する。
【0014】 さらに別の態様において、本発明は式IIの化合物の製造方法に関し、該方法
は、式IIIの化合物を3塩化リンおよびアミンと反応させる工程、その結果生
じた化合物を酸化させる工程および任意にヒドロキシ保護された基を脱保護する
工程とを含む。
【0015】 さらに別の態様において、本発明は、治療上有効な量の本発明の化合物を、薬
学上許容し得る担体と組みあわせて含む薬学的組成物、およびそのような組成物
による抗細菌感染治療に関する。適切な担体および調整方法についても開示する
。本発明の化合物および組成物は、抗菌活性を有することが期待される。
【0016】 さらに別の態様において、本発明は、細菌感染を治療する方法であって、その
ような治療を必要とする哺乳動物に治療上有効な量の本発明の化合物を含有する
薬学的組成物を投与することを含む方法である。
【0017】 (発明の詳細な説明) 定義 本明細書中で用いる「C〜C10アルキル」という用語は、それぞれ1〜1
0個の炭素原子を含む飽和、直鎖または分枝鎖炭化水素基のことをいう。C
10アルキルの例としては、メチル、エチル、プロピルおよびイソプロピル、
n−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、
オクチルおよびn−デシルなどが含まれる。
【0018】 「C〜C12アルケニル」という用語は、2〜12個の炭素原子を含み、単
一水素原子の除去による少なくとも1つの炭素−炭素間二重結合を有する炭化水
素部分から誘導された1価の基のことを指す。アルケニル基の例には、エテニル
、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イル等が含まれる。
【0019】 本明細書中で用いる「C〜C12アルキニル」という用語は、2〜12個の
炭素原子を含み、単一水素原子の除去による少なくとも1つの炭素−炭素間三重
結合を有する炭化水素部分から誘導された1価の基のことを指す。
【0020】 本明細書中で用いる「非プロトン性溶媒」という用語は、プロトン作用に対し
て比較的不活性な、すなわちプロトン供与体として作用しない溶媒のことをいう
。その例としては、ヘキサンやトルエンなどの炭化水素、ジクロロメタン、塩化
エチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、たとえばテトラヒドロフラ
ンやN−メチルピロリジノンなどのヘテロ環化合物、および、ジエチルエーテル
やビス−メトキシメチルエーテルなどのエーテルが含まれるが、それらに限定さ
れることはない。そのような化合物は当業者によって周知であり、当業者にとっ
ては、特定の化合物および反応条件に対しては、たとえば試薬の溶解度、試薬の
反応性、および好ましい温度範囲などの因子に応じて、個々の溶媒もしくはそれ
らの混合物のどれが好ましいかが自明であろう。非プロトン性溶媒に関するさら
なる考察については、有機化学教科書または専門の研究論文、たとえば「有機溶
媒の物理的性質と精製方法(Organic Solents Physica
l Properties and Methods of Purifica
tion, 4th ed., edited by John A. Rid
dick et al., Vol. II, in the Techniq
ues of Chemistry Series, John Wiley
& Sons, NY, 1986)」に記載されている。
【0021】 本明細書中で用いる「アリール」という用語は、フェニル、ナフチル、テトラ
ヒドロナフチル、インダニル、インデニルなどの基やそれらに限定されることの
ない基を含む1つまたは2つの芳香族環を有する単炭素環または複炭素環系のこ
とをいう。
【0022】 本明細書中で用いる「ハロ」および「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素
、臭素およびヨウ素から選択される原子のことをいう。
【0023】 本明細書中で用いる「ハロ−C〜C−アルキル」という用語は、上で定義
したC〜Cアルキル基のうち、1,2または3個の水素原子が独立してハロ
ゲン原子に置換されているような基のことをいう。
【0024】 本明細書中で用いる「ヘテロアリール」とは、5〜10個の環原子を有する環
状芳香族基であって、該環原子の1つがS,OおよびNから選択され、0,1ま
たは2個の環原子がさらなるヘテロ原子として独立してS,OおよびNから選択
され、残りの環原子が炭素であり、該基は環原子のいずれかを介して残りの分子
部分に結合されているような、たとえば、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニ
ル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオ
キサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チエニル、フラニル、キノリ
ニル、イソキノリニルなどのことをいう。
【0025】 本明細書中で用いる「ヘテロシクロアルキル」という用語は、非芳香族性の5
員、6員または7員環、あるいは、酸素、硫黄および窒素から独立して選択され
る1〜3個のヘテロ原子を有する縮合6員環から成る2環基または3環基のこと
をいい、これにおいて、(i)各5員環は0〜1個の二重結合を有し、各6員環
は0〜2個の二重結合を有し、(ii)窒素および硫黄ヘテロ原子は任意に酸化
されていてもよく、(iii)窒素ヘテロ原子は任意に4価化されていてもよく
、(iv)上記いずれのヘテロ環もベンゼン環に縮合されていてもよい。代表的
なヘテロ環には、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニ
ル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、イソ
オキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニルおよび
テトラヒドロフリルが含まれるが、これらに限定されることはない。
【0026】 本明細書中で用いる「置換アリール」という用語は、上で定義したアリール基
の、1,2または3個の水素原子を独立してCl、Br、F、I、OH、CN、
〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、アリール置換C〜Cアルコキ
シ、ハロアルキル、チオアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミ
ノ、メルカプト、ニトロ、カルボキシアルデヒド、カルボキシ、アルコキシカル
ボニルおよびカルボキサミドで置換した基のことをいう。さらに、いずれか1つ
の置換基は、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル基であって
もよい。また、置換アリール基は、テトラフルオロフェニルおよびペンタフルオ
ロフェニルを含む。
【0027】 本明細書中で用いる「置換ヘテロアリール」という用語は、本明細書中で定義
されるヘテロアリール基の、1,2または3個の水素原子を独立して、Cl、B
r、F、I、OH、CN、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、アリー
ル置換C〜Cアルコキシ、ハロアルキル、チオアルコキシ、アミノ、アルキ
ルアミノ、ジアルキルアミノ、メルカプト、ニトロ、カルボキシアルデヒド、カ
ルボキシ、アルコキシカルボニルおよびカルボキサミドで置換した基のことをい
う。さらに、いずれか1つの置換基は、アリール、ヘテロアリール、またはヘテ
ロシクロアルキル基であってもよい。
【0028】 本明細書中で用いる「ヒドロキシ保護基」とは、合成工程中の望ましくない反
応に対してヒドロキシ基を保護し、選択的に除去可能であることが技術上知られ
ている、容易に除去されうる基のことをいう。合成工程中の望ましくない反応に
対して基を保護するためにヒドロキシ保護基を用いることは、技術上周知であり
、多くのそのような保護基が知られている。たとえば、T.H.グリーン(Gr
eene)とP.G.M.ワッツ(Wuts)による「有機合成における保護基
(Protective Groups in Organic Synthe
sis)第2版」(John Wiley & Sons, New York
(1991))が参照される。ヒドロキシ保護基の例としては、メチルチオメ
チル、tert−ジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル、芳香族
環基で置換されたアシルなどが含まれるが、それらに限定されることはない。
【0029】 「保護されたヒドロキシ」という用語は、上で定義したヒドロキシ保護基によ
って保護されたヒドロキシ基のことをいい、たとえば、ベンゾイル、アセチル、
トリメチルシリル、トリエチルシリル、メトキシメチル基などを含む。
【0030】 本明細書中で用いる「プロトン性有機溶媒」という用語は、アルコール、たと
えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、
t−ブタノールなどの、プロトン等を供給する傾向にある溶媒のことをいう。そ
のような溶媒は当業者に周知であり、当業者にとっては、特定の化合物および反
応条件に対しては、たとえば試薬の溶解度、試薬の反応性、および好ましい温度
範囲などの因子に応じて、個々の溶媒もしくはそれらの混合物のどれが好ましい
かが自明であろう。プロトン性溶媒に関するさらなる考察については、有機化学
教科書または専門の研究論文、たとえば「有機溶媒の物理的性質と精製方法(O
rganic Solvents Physical Properties
and Methods of Purification, 4th ed.
, edited by John A. Riddick et al.,
Vol. II, in the Techniques of Chemis
try Series, John Wiley & Sons, NY, 1
986)」などに記載されている。
【0031】 本明細書中で用いる「置換アリール」という用語は、本明細書中で定義するヘ
テロアリール基の、1,2または3個の水素原子を独立して、Cl、Br、F、
I、OH、シアノ、メルカプト、ニトロ、C〜Cアルキル、ハロC〜C アルキル、C〜Cアルコキシ、チオC〜Cアルコキシ、メトキシメトキ
シ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、ジ(C〜Cアルキル)アミノ、ホ
ルミル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、C〜Cアルキル−CO−O−
、C〜Cアルキル−CO−NH−、またはカルボキサミドで置換した基のこ
とをいい、例外としてテトラフルオロフェニルおよびペンタフルオロフェニルも
「置換アリール」の定義に含まれる。
【0032】 本明細書中で用いる「置換ヘテロアリール」という用語は、本明細書中で定義
するヘテロアリール基の、1,2または3個の水素原子を独立して、Cl、Br
、F、I、OH、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、メトキシメトキ
シ、アミノ、またはC〜Cアルキルアミノで置換した基のことをいい、また
、たとえば4−オキソ−1H−キノリンなどのモノオキソ置換ヘテロアリール化
合物のこともいう。
【0033】 本明細書中で用いる「置換ヘテロシクロアルキル」という用語は、上に定義し
たようなヘテロシクロアルキル基の、1,2または3個の水素原子を独立して、
Cl,Br,F,I,OH,シアノ、メルカプト、ニトロ、C〜Cアルキル
、ハロC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、チオC〜Cアルコキシ
、メトキシメトキシ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、ジ(C〜Cアル
キル)アミノ、カルボキシアルデヒド、カルボキシ、アルコキシカルボニル、C 〜Cアルキル−CO−O−、C〜Cアルキル−CO−NH−、またはカ
ルボキサミドで置換した基のことをいう。
【0034】 本発明の化合物内には多数の不斉中心が存在してもよい。特に注記しない限り
、本発明は様々な立体異性体およびその混合物をも意図する。したがって、波線
によって結合が表されている場合には、立体配向の混合物または指定された、あ
るいは指定されていない配向の個々の異性体が存在しうることを意図する。
【0035】 本明細書中で用いる「薬学上許容し得る塩」という用語は、健全な医療的判断
の範囲内にあり、過度な毒性や刺激やアレルギー反応を引き起こすことなく人お
よび下等動物の組織に接触させて使用するのに適した塩であって、適当な利益/
危険の比率を示す塩のことをいう。薬学上許容し得る塩は技術上周知である。た
とえば、S.M.バージ(Berge)らは、ここで参照として含めるJ. harmaceutical Science, 66: 1−19 (199
7)の中で薬学上許容し得る塩について詳細に記載している。塩は、本発明の化
合物の最終単離および精製の間にin situ(生体内)で調製することもで
きるし、あるいは、遊離の塩基性官能基を適当な有機酸と反応させることによっ
て別個に調製することもできる。薬学上許容し得る無毒の酸付加塩の例としては
、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、過塩素酸などの無機酸とアミノ基とで形成
される塩、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、マロン
酸などの有機酸とアミノ基とで形成される塩、またはイオン交換などの当該技術
分野において用いられる他の方法を用いて形成される塩が挙げられる。他の薬学
上許容し得る塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパ
ラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸
塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプ
ロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩
、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫
酸塩、ヘプタノン酸塩、ヘキサノン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エ
タンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩(lactobionate)、乳酸塩、
ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタン
スルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン
酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモエート(pamoate)、ペクチン
酸塩、ペルオキソ硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸
塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石
酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩
などが含まれる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム
、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが含まれる。さらに薬学
的に許容し得る塩には、適時、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩
、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩およびアリールスルホン酸塩な
どを用いて形成される無毒のアンモニウム、4価アンモニウムおよびアミンカチ
オンが含まれる。
【0036】 本明細書中で用いる「薬学上許容し得るエステル」という用語は、in vi
vo(生体内)において加水分解するエステルのことをいい、人体内において容
易に分解してその親化合物または塩を残すようなエステルを含む。適切なエステ
ル群としては、たとえば、各アルキルまたはアルケニル部分が好適には6個以下
の炭素原子を有する、薬学上許容し得る脂肪族カルボン酸、特にアルカン酸、ア
ルケン酸、シクロアルカン酸、アルカン二酸などから誘導されたものが含まれる
。特定のエステルの例としては、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、ア
クリル酸塩、およびエチルコハク酸塩などが含まれる。
【0037】 好適な実施形態 本発明の1つの実施形態には、上記の式(I)を有する化合物が含まれる。1
つの好ましい実施形態には、YおよびZが一緒になってオキソ基を形成すること
を特徴とする式(I)の化合物が含まれる。他の好ましい実施形態には、Yおよ
びZが一緒になってオキソ基を形成し、Xが酸素であることを特徴とする式(I
)の化合物が含まれる。
【0038】 本発明の第2の実施形態には、上記の式(II)を有する化合物が含まれる。
1つの好ましい実施形態には、YおよびZが一緒になってオキソ基を形成し、X
が酸素であることを特徴とする式(II)の化合物が含まれる。
【0039】 本発明の代表的な化合物には、以下のものが含まれるが、これらに限定される
ことはない。
【0040】 Rがメチルであり、Rがベンゾイルであり、Xが存在せず、YおよびZが
一緒になってオキソ基を形成することを特徴とする、式(I)の化合物。
【0041】 Rがメチルであり、Rが水素であり、Xが存在せず、YおよびZが一緒に
なってオキソ基を形成することを特徴とする、式(I)の化合物。
【0042】 Rがエチルであり、Rがベンゾイルであり、Xが存在せず、YおよびZが
一緒になってオキソ基を形成することを特徴とする、式(I)の化合物。
【0043】 Rがエチルであり、Rが水素であり、Xが存在せず、YおよびZが一緒に
なってオキソ基を形成することを特徴とする、式(I)の化合物。
【0044】 Rが水素であり、Rがベンゾイルであり、X=O、YおよびZが一緒にな
ってオキソ基を形成することを特徴とする、式(I)の化合物。
【0045】 Rが水素であり、Rがベンゾイルであり、X=O、YおよびZが一緒にな
ってオキソ基を形成することを特徴とする、式(I)の化合物。
【0046】 Rがメチルであり、Rがベンゾイルであり、X=O、YおよびZが一緒に
なってオキソ基を形成することを特徴とする、式(I)の化合物。
【0047】 Rがメチルであり、Rが水素であり、X=O、YおよびZが一緒になって
オキソ基を形成することを特徴とする、式(I)の化合物。
【0048】 Rがベンゾイルであり、RおよびRがそれぞれ(−CHCH−O−
CHCH−)、X=O、YおよびZは一緒になってオキソ基を形成すること
を特徴とする、式(III)の化合物。
【0049】 Rが水素であり、RおよびRがそれぞれ(−CHCH−O−CH CH−)、X=O、YおよびZは一緒になってオキソ基を形成することを特徴
とする、式(III)の化合物。
【0050】 薬学的組成物 本発明の薬学的組成物は、1種またはそれ以上の薬学上許容し得る担体ととも
に調製された、治療上有効な量の本発明の化合物を含む。本明細書中で用いる用
語「薬学上許容し得る担体」とは、あらゆる種類の、無毒で不活性な固体、半固
体または液体の充填剤、希釈剤、カプセル材料、または調剤補助剤を意味する。
薬学上許容し得る担体のいくつかの物質例としては、ラクトース、グルコース、
スクロースなどの糖類、トウモロコシデンプンや馬鈴薯デンプンなどのデンプン
、セルロース並びにカルボキシメチルセルロース、エチルセルロースおよび酢酸
セルロースのナトリウム塩などのセルロースの誘導体、粉末トラガカント、麦芽
、ゼラチン、タルク、カカオ脂や坐剤ワックスなどの賦形剤、ピーナツ油、綿実
油、紅花油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油などの油類、プ
ロピレングリコールなどのグリコール類、オレイン酸エチルやラウリン酸エチル
などのエステル類、寒天、水酸化マグネシウムや水酸化アンモニウムなどの緩衝
剤、アルギン酸、パイロジェン不含水、等張生理食塩水、リンガー溶液、エチル
アルコール、およびリン酸緩衝溶液、ならびに、ラウリル硫酸ナトリウムやステ
アリン酸マグネシウムなどの他の無毒の融和性賦形剤、ならびに、着色剤、放出
剤、コーティング剤、甘味剤、着香および芳香剤、保存剤、および抗酸化剤が、
調剤師の判断に従って組成物内に存在していてもよい。本発明の薬学的組成物は
、経口、直腸、非経口、槽内、腟内、腹腔内、局所(粉剤、軟膏剤、またはドロ
ップ剤などによって)、口腔(頬)、あるいは経口または経鼻スプレー剤として
、ヒトおよび他の動物に投与することができる。
【0051】 経口投与のための液体剤形には、薬学上許容し得るエマルション、マイクロエ
マルション、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシルが含まれる。活性化合
物に加えて、液体剤形には、技術上一般的に用いられている不活性希釈剤、たと
えば水や他の溶剤、可溶化剤および乳化剤、たとえばエチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベ
ンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルム
アミド、油類(特に綿実油、グランドナッツ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリ
ーブ油、ひまし油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアル
コール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、および
それらの混合物を含んでいてもよい。不活性希釈剤に加えて、経口用組成物は、
湿潤化剤、乳化および懸濁化剤、甘味剤、着香剤、および芳香剤などの補助剤を
含んでいてもよい。
【0052】 注射用製剤、たとえば、無菌注射用水性または油脂性懸濁液は、適切な分散ま
たは湿潤剤および懸濁化剤を用いて既知の技術に従って調製することができる。
無菌注射用製剤は、非経口的に許容し得る希釈剤または溶剤に溶解した無毒の無
菌注射用の溶液、懸濁液またはエマルション、たとえば1,3−ブタンジオール
の溶液などであってもよい。利用することのできる許容し得る賦形剤および溶剤
は、水、リンガー溶液、U.S.Pおよび等張塩化ナトリウム溶液である。さら
に、無菌の不揮発性油が従来から溶剤または懸濁溶媒として用いられている。こ
の目的のために、合成モノまたはジグリセリドを含むあらゆる刺激のない不揮発
性油を使用することができる。さらにオレイン酸のような脂肪酸が注射用に使用
される。
【0053】 注射用製剤は、たとえば細菌保持フィルタに通してのろ過によって、あるいは
、使用前に無菌水または他の無菌の注射用溶媒に溶解または分散させることので
きる、無菌固体組成物の形の滅菌剤を組み込むことによっても滅菌することがで
きる。
【0054】 薬物の効果を引き延ばすために、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅
らせることが要求される場合も多い。これは、溶解度の低い結晶またはアモルフ
ァス物質の液体懸濁液を用いて達成することができる。したがって、薬物の吸収
速度は該薬物の溶解速度に依存し、また結晶の大きさや結晶形状にも依存しうる
。あるいは、非経口的に投与される剤形の遅延吸収は、薬物を油状ビヒクル中に
溶解または懸濁することによっても達成することができる。注射用デポ剤形は、
ポリラクチド−ポリグリコライドなどの生分解性ポリマーに薬物のマイクロカプ
セルマトリックスを形成することによって製造することができる。ポリマーに対
する薬物の割合、および使用した特定のポリマーの性質によって、薬物の放出速
度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルト
エステル)およびポリ(無水物)が含まれる。注射用デポ製剤は、薬物を体組織
に適合するリポソームまたはミクロエマルション内に捕捉することによっても製
造される。
【0055】 直腸または腟内投与のための組成物は、好ましくは坐剤であって、該坐剤は、
本発明の化合物を適切な非刺激性賦形剤または担体、たとえば、周囲温度におい
ては固体であるが、体温では液体であり、したがって直腸または膣腔内で溶解し
て活性化合物を放出するような、カカオ脂、ポリエチレングリコール、または坐
剤ワックスなどと混合することによって製造することができる。
【0056】 経口投与のための固体剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉剤および顆粒剤を
含む。そのような固体剤形においては、活性化合物は少なくとも1つの不活性で
薬学上許容し得る賦形剤または担体、たとえばクエン酸ナトリウムやリン酸二カ
ルシウムなど、および/または、a)デンプン、ラクトース、スクロース、グル
コース、マンニトール、およびケイ酸などの充填剤、b)たとえばカルボキシメ
チルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロー
ス、アカシアゴムなどの結合剤、c)グリセロールなどの保湿剤、d)寒天−寒
天、炭酸カルシウム、馬鈴薯またはタピオカデンプン、アルギン酸、ケイ酸塩類
、炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなどの溶液徐放化剤、f)第四
アンモニウム化合物などの吸収促進剤、g)セチルアルコールやモノステアリン
酸グリセロールなどの湿潤化剤、h)カオリンやベントナイト粘土などの吸収剤
、i)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリ
エチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの滑沢剤、およびそれらの混
合物と混合される。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合には、緩衝剤を含んで
もよい。
【0057】 類似のタイプの固体組成物は、高分子量のポリエチレングリコールだけでなく
、ラクトースあるいは乳糖などの賦形剤を用いる、ゼラチンで充填されたソフト
またはハードカプセル剤の充填剤として使用することもできる。
【0058】 錠剤、糖衣錠剤、カプセル剤、丸剤および顆粒剤といった固体剤形には、腸溶
コーティングや薬学的製剤の技術において周知の他のコーティングなどのコーテ
ィングおよび保護を施すことができる。それらは任意に遮光剤を含んでいてもよ
く、また有効成分を腸管路のある部分に排他的もしくは優先的に、そして任意で
徐放的に放出するような組成物からなるものであってもよい。使用され得る包埋
組成物には、高分子物質およびワックスが含まれる。
【0059】 活性化合物は、上記1つまたはそれ以上の賦形剤を含むマイクロカプセルの剤
形であってもよい。錠剤、糖衣錠剤、カプセル剤、丸剤および顆粒剤といった固
体剤形には、腸溶コーティング、放出制御コーティング、および薬学的製剤技術
において周知の他のコーティングなどのコーティングおよび保護を施すことがで
きる。そのような固体剤形において、活性化合物は少なくとも1つの不活性希釈
剤、たとえばスクロース、ラクトース、またはデンプンなどと混合することもで
きる。そのような剤形は、通常実施されているように、不活性希釈剤以外の添加
物質、たとえば滑沢剤や他の錠剤補助剤、たとえばステアリン酸マグネシウムや
微結晶セルロースなどを含んでいてもよい。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合
、剤形は緩衝剤を含んでいてもよい。それらは任意に遮光剤を含んでいてもよく
、また有効成分を腸管路のある部分に排他的もしくは優先的に、そして任意で徐
放的に放出するような組成物からなるものであってもよい。使用され得る包埋組
成物には、高分子物質およびワックスが含まれる。
【0060】 本発明の化合物の局所投与または経皮投与用剤形には、軟膏剤、パスタ剤、ク
リーム剤、ローション剤、ゲル剤、粉剤、溶液剤、スプレー剤、吸入剤あるいは
貼付剤が含まれる。活性化合物は無菌状態で薬学上許容しうる担体および必要な
保存剤あるいは必要であれば緩衝剤と混合される。点眼剤、点耳剤、眼用軟膏剤
、粉剤および溶液剤もまた、本発明の範囲に包含される。
【0061】 軟膏剤、パスタ剤、クリーム剤およびゲル剤は、本発明の活性化合物の他に、
動物または植物性脂肪、油脂、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント
、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケ
イ酸、タルクおよび酸化亜鉛などの賦形剤、あるいはそれらの混合物を含んでい
てもよい。
【0062】 粉剤およびスプレー剤は、本発明の化合物の他に、ラクトース、タルク、ケイ
酸、無水アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよび粉末ポリアミドなどの賦形剤、
およびこれらの物質の混合物を含んでいてもよい。スプレー剤はさらに、クロロ
フルオロ炭化水素などの従来の圧縮不活性ガスを含んでいてもよい。
【0063】 経皮貼付剤は、体内への化合物の送達を制御できるというさらなる利点を持つ
。そのような剤形は、適切な溶媒に化合物を溶解または分散させることによって
製造することができる。皮膚を介した化合物の流動を増加させるために、吸収促
進剤を用いることもできる。速度は、速度制御膜を設けるか、あるいは化合物を
高分子マトリックスまたはゲル中に分散させるかのいずれかによって制御するこ
とができる。
【0064】 本発明の治療方法に従えば、患者に対して治療上有効な量の本発明の化合物を
、所望の結果を達成するのに必要な量および回数で投与することによって、ヒト
や下等動物などの患者における細菌感染が治療または防止される。本発明の化合
物の「治療上有効な量」とは、あらゆる医療的治療に適用できる適切な利益/危
険比において、細菌感染を治療するのに十分な量の化合物を意味する。しかしな
がら、本発明の化合物および組成物の全日用量は、担当医師の健全な医療的判断
の範囲内で決定されるものであることが理解されよう。ある患者に対する特別の
治療上有効な投与量は、治療中の障害やその障害の重さ、使用する特定の化合物
の活性、使用する特定の組成物、患者の年齢、体重、全健康状態、性別、食事、
投与時間、投与経路、および使用する特定の化合物の排出、治療の持続期間、使
用する特定の化合物と組みあわせてあるいは同時に用いられる薬物、および医療
技術において周知の要素を含むあらゆる要素によって決まる。
【0065】 ヒトまたは他の哺乳動物に対して1回または分割投与される、本発明の化合物
の全日用量は、たとえば体重1kgあたり0.01mg〜50mgであり、より
一般には体重1kgあたり0.1mg〜25mgである。一回投与量組成物は、
日用量を構成する量もしくはその約量を含んでいてもよい。一般に、本発明に従
う治療概要は、そのような治療を必要としている患者に、一日当たり約10mg
〜約1000mgの本発明の化合物を、一回若しくは数回に分けて投与すること
を含む。
【0066】 略語 以下の図式および実施例の説明において用いる略語は以下の通りである。
【0067】 9−BBN...9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン AIBN...アゾビスイソブチロニトリル BuSnH...水素化トリブチルスズ CDI...カルボニルジイミダゾール DBU...1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン DEAD...アゾジカルボン酸ジエチル DMAP...4−ジメチルアミノピリジン DMF...ジメチルホルムアミド DPPA...ジフェニルホスホリルアジド EtOAc...酢酸エチル MeOH...メタノール NaHMDS...ヘキサメチルジシラザンナトリウム NaN(TMS)...ビス(トリメチルシリル)アミドナトリウム NMMO...N−メチルモルホリンN−オキシド TEA...トリエチルアミン THF...テトラヒドロフラン TPP...トリフェニルホスフィン
【0068】 本発明の化合物は以下に記載する代表的な方法によって製造される。
【0069】 合成方法 本発明の化合物および方法は、本発明の化合物を製造するための方法を説明す
る以下の合成図式に関連して、さらによく理解されるであろう。
【0070】 式Iおよび式IIの本発明の化合物の製造については、下記の反応図式1〜4
にまとめている。
【0071】 図式Iは、本発明の式Iおよび式IIの化合物を製造するための、出発化合物
6である6−O−メチルエリスロマイシンAの製造について説明したものである
。6−O−置換エリスロマイシンAは、ここで参照として含める米国特許第4,
990,602号、第4,331,803号、第4,680,368号、および
第4,670,549号に記載されている。欧州特許出願EP260,938も
参照として含める。6−O−メチルエリスロマイシンAは、クラリスロマイシン
として知られており、アボット・ラボラトリー(Abbott Laborat
ories)より市販されている。
【0072】 一般に、化合物1のC−9−カルボニル基はオキシムとして保護されている[
Vは、=N−O−Rまたは=N−O−C(R)(R)−O−R(式中、
は前に定義した通りであり、RおよびRはそれぞれ独立して、(a)水
素、(b)非置換C〜C12アルキル、(c)アリールで置換されたC〜C 12 アルキル、および(d)置換アリールで置換されたC〜C12アルキルか
ら成る群より選択され、あるいは、RおよびRはそれらが結合している炭素
と一緒になってC〜C12シクロアルキル環を形成する。)]。特に好ましい
カルボニル保護基VはO−(1−イソプロポキシ−シクロヘキシル)オキシムで
ある。
【0073】 化合物2の2’−および4’’−ヒドロキシ基は、ここで参照として含めるT
.H.グリーン(Greene)とP.G.M.ワッツ(Wuts)による「有
機合成における保護基(Protective Groups in Orga
nic Synthesis)第2版」(John Wiley & Sons
, New York (1991))に記載されているような、適切なヒドロ
キシ保護試薬と反応させることによって保護される。ヒドロキシ保護基には、た
とえば、非プロトン性溶媒に溶解した、無水酢酸、無水安息香酸、クロロギ酸ベ
ンジル、ヘキサメチルジシラザン、または塩化トリアルキルシリルなどが含まれ
る。非プロトン性溶媒の例としては、ジクロロメタン、クロロホルム、DMF、
テトラヒドロフラン(THF)、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシ
ド、ジエチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、それらの混合物、あるいは上記
溶媒の1つとエーテルとの混合物、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエ
タン、アセトニトリル、酢酸エチル、アセトンなどが挙げられる。非プロトン性
溶媒は、反応に悪影響を及ぼすことがなく、好ましくは、ジクロロメタン、クロ
ロホルム、DMF、テトラヒドロフラン(THF)、N−メチルピロリジノンま
たはそれらの混合物である。化合物2の2’−および4’’−ヒドロキシ基の保
護についても引き続き、若しくは同時に行い、Rがヒドロキシ保護基であるよ
うな化合物3を得る。好ましい保護基Rはトリメチルシリルである。
【0074】 次に、化合物3の6−ヒドロキシ基を、塩基の存在下でメチル化試薬と反応さ
せてメチル化し、化合物4を得る。メチル化試薬には、塩化メチル、臭化メチル
、ヨウ化メチルまたはスルホン酸メチルが含まれる。使用する溶媒は、ジメチル
スルホキシド、ジエチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリジン、ヘキサメチルリン酸ト
リアミド、それらの混合物、あるいは上記溶媒の1つとエーテルとの混合物、テ
トラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、アセトニトリル、酢酸エチル、
アセトンなどの非プロトン性溶媒である。使用可能な塩基の例としては、水酸化
カリウム、水酸化セシウム、水酸化テトラアルキルアンモニウム、水素化ナトリ
ウム、水素化カリウム、カリウムイソプロポキシド、カリウムtert−ブトキ
シド、カリウムイソブトキシドなどが挙げられる。
【0075】 次に、たとえばグリーン(Greene)とワッツ(Wuts)(前掲引用書
)および他による文献に記載された方法に従って、2’−および4’’−ヒドロ
キシ基の脱保護を行うことができる。2’−および4’’−ヒドロキシ基の脱保
護に用いられる条件は、通常Xの=N−OHへの転換を引き起こす。[たとえば
、アセトニトリルおよび水に溶解した酢酸を用いた場合、2’−および4’’−
ヒドロキシ基の脱保護と同時に、Xが、=N−O−Rまたは=N−O−C(R )(R)−O−R(式中、R、RおよびRは前に定義した通りであ
る)から、=N−OHに転換される。]そうでない場合は、転換は別個の段階で
実施される。
【0076】 脱オキシム反応は、たとえばグリーン(Greene)とワッツ(Wuts)
(前掲引用書)および他による文献に記載された方法に従って実施することがで
きる。脱オキシム化試薬の例としては、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナト
リウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ヒドロ亜硫
酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、ジチオン酸ナトリウム、チオ硫酸カリ
ウム、メタ重亜硫酸カリウムなどの無機硫黄酸化物、および、亜硝酸ナトリウム
や亜硝酸カリウムなどの無機亜硝酸塩が挙げられる。使用される溶媒は、水、メ
タノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、トリメチルシラノー
ル、または1つまたはそれ以上の前記溶媒の混合物などのプロトン性溶媒である
。脱オキシム反応は、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸の存在下にお
いてより好都合に実施することができる。使用される酸の量は、使用される化合
物5の量に対して約1〜10当量である。好ましい実施形態において、脱オキシ
ム化は、エタノールと水に溶解したギ酸などの有機酸を用いて実施され、所望の
生成物6を得る。
【0077】
【化9】
【0078】 図式2は、式Iおよび式II(式中YおよびZは一緒になってオキソ基を形成
)の化合物を製造するための、化合物9の製造について説明したものである。
【0079】
【化10】
【0080】 この図式に従えば、化合物6のクラジノース部分が、酸加水分解または酵素的加
水分解によって除去されて、化合物7が得られる。典型的には、6−O−置換エ
リスロマイシンA(化合物6)を、約−10℃〜約35℃において約0.5〜2
4時間、低濃度の強酸と反応させて、クラジノース部分を除去して化合物7を得
る。適切な強酸には、塩酸、硫酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、過塩素酸、
クロロ酢酸、トリフルオロ酢酸などが含まれるが、これらに限定されることはな
い。反応は、試薬を水性アルコール、たとえばメタノール、エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノール、ブタノール、o−ブタノール、t−ブタノールなど
に懸濁させた懸濁液を用いて実施してもよい。その後、反応混合液をアルカリ金
属塩基によって中和し、生成物を適切な有機溶媒、たとえばエーテル、酢酸エチ
ル、あるいは塩化メチレンなどで抽出し、有機層を洗浄して乾燥させる。化合物
は任意に単離されるが、好ましくは溶液中で次の段階に進める。
【0081】 化合物7の2’−ヒドロキシ基は、ここで参照として含めるT.H.グリーン
(Greene)とP.G.M.ワッツ(Wuts)による「有機合成における
保護基(Protective Groups in Organic Syn
thesis)第2版」(John Wiley & Sons, New Y
ork (1991))に記載されているような、非プロトン性溶媒に溶解した
適切なヒドロキシ保護試薬と反応させることによって保護し、2’−保護された
化合物8を得る。このヒドロキシ保護試薬には、たとえば、無水酢酸、無水安息
香酸、クロロギ酸ベンジル、ヘキサメチルジシラザン、または塩化トリアルキル
シリルなどが含まれる。非プロトン性溶媒の例としては、ジクロロメタン、クロ
ロホルム、DMF、テトラヒドロフラン(THF)、N−メチルピロリジノン、
ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド
、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、それらの混
合物、あるいは上記溶媒の1つとエーテルとの混合物、テトラヒドロフラン、1
,2−ジメトキシエタン、アセトニトリル、酢酸エチル、アセトンなどが挙げら
れる。非プロトン性溶媒は、反応に悪影響を及ぼすことがなく、好ましくは、ジ
クロロメタン、クロロホルム、DMF、テトラヒドロフラン(THF)、N−メ
チルピロリジノンまたはそれらの混合物である。好ましい保護基は、トリメチル
シリル、アセチルおよびベンゾイルである。例示として、化合物7を無水安息香
酸およびトリエチルアミンで処理し、2’−ベンゾイル誘導体を得る。クラジノ
ース部分を除去する工程と2’−ヒドロキシ基を保護する工程とを、プロセスの
収率に影響を与えることなく逆にすることもできる。このようにして得られた化
合物8の3−ヒドロキシ基は、改良スワーン(Swern)酸化ホウを用いてケ
ト基に酸化することができ、化合物9が得られる。適切な酸化剤は、N−クロロ
スクシンイミド−ジメチルスルフィドまたはカルボジイミド−ジメチルスルホキ
シドである。典型的な例において、化合物8を、−10℃〜25℃において塩化
メチレンなどの塩素化溶媒中で予め形成しておいたN−クロロ−スクシンイミド
とジメチルスルフィドとの複合体に加える。0.5〜4時間撹拌した後、トリメ
チルアミンなどの第三アミン若しくはヒューニヒ(Hunig)の塩基を加えて
、対応するケトンを生成させる。
【0082】 次に図式3Aに従って、化合物9を、2,6−ルチジンおよびテトラヒドロフ
ランの存在下、約0℃〜周囲温度において約1時間、三塩化リンと反応させて中
間化合物10を得る。次にこの中間化合物10を式R−NH−R(式中、R およびRは上で定義した通りである。)で表されるアミンと反応させる。反
応は室温にて約12時間実施し、化合物11Aと12Aを得る。化合物11Aと
12Aを単離した後、ここで参照として含める、たとえばT.H.グリーン(G
reene)とP.G.M.ワッツ(Wuts)による「有機合成における保護
基(Protective Groups in Organic Synth
esis)第2版」(John Wiley & Sons, New Yor
k (1991))に記載された方法に従って、それぞれの2’−ヒドロキシ保
護基の除去を行い、化合物11Bおよび12Bを得る。
【0083】
【化11】
【0084】 あるいは、図式3Bに従って、化合物9は、約0℃〜周囲温度で約1時間、2
,6−ルチジンとTHFに溶解した三塩化リンと反応させた後、室温で約12時
間アルコールと反応させて化合物13Aを得ることもできる。次に化合物13A
をN−メチルモルホリンN−オキシドによって酸化し、化合物14Aを得る。次
に各化合物13Aおよび14Aに対して、上述のように脱保護を行って、それぞ
れ13Bおよび14Bを得るようにしてもよい。
【0085】
【化12】
【0086】 図式4は、式IIおよびI(式中、Yは水素であり、Zはクラジノースである
)の本発明の化合物17,18および19を製造について説明したものである。
まず最初に出発化合物6の2’−および4’’−ヒドロキシ基を保護し、対応す
るビス保護化合物15を得る。次に化合物15を、図式3Aにおいて説明したよ
うに、テトラヒドロフラン中、三塩化リンおよび2,6−ルチジンで処理し、中
間化合物16を得る。次にこの中間化合物16をアミンと反応させて、本発明の
化合物17を得る。あるいは、化合物16をR−OHと反応させて、本発明の
化合物18を得、その後N−メチルモルホリンN−オキシドとの反応によって、
本発明の化合物19を得る。
【0087】
【化13】
【0088】 以下の実施例は本発明を説明するものであるが、本発明を限定することはない
【0089】 実施例 実施例1 2’−O−ベンゾイル−5−O−デソサミニル−3−デオキシ−3−オキソ− 6−O−メチルエリスロノリドA 実施例1は、実施例2、3および5の化合物を製造するための出発物質として
用いられる、図式2の化合物9の調製について説明するものである。
【0090】 工程1a:5−O−デソサミニル−6−O−メチルエリスロノリドA クラリスロマイシンとしてアボット・ラボから入手可能な、図式1の化合物6
(900g,1.2モル)を水(10.8L)およびエタノール(4.0L)に
懸濁し、生じたスラリーを室温で均一になるまで撹拌した(約20分間)。15
分間かけてHCl(1.00M,2.16L)を加え、反応混合液を20分間撹
拌した。30分間かけて、NaOH溶液(2.00M,1.20L)をpHが1
0.5〜11.0に達するまで加え、反応混合液を2時間撹拌した。沈殿を回収
して冷水で洗浄し、50℃の真空中で乾燥させ、601gの標題化合物を得た。
MS m/z (M+H):590。
【0091】 工程1b:2’−O−ベンゾイル−5−O−デソサミニル−6−O−メチルエ
リスロノリドA 塩化メチレン(2.0L)に溶解した5−O−デソサミニル−6−O−メチル
エリスロノリドA(上記工程2aで得られたもの。600g,1.01モル)に
、90%のテクニカルグレード無水安息香酸(380g,1.59モル)を加え
た。10分間かけて、トリエチルアミン(222mL,1.59モル)を加え、
濃厚溶液を48時間撹拌した。重炭酸ナトリウム溶液(10%,1.5L)を加
え、混合物を30分間撹拌した。層を分離し、有機画分を水(3×600mL)
およびブライン(600mL)で洗浄した。有機層を乾燥(NaSO)、ろ
過し、揮発分を回転式蒸発装置上で除去し、シロップ状にした。ヘキサン(2.
0L)と酢酸エチル(100mL)の温溶液で摩砕して、生成物を白色結晶状に
した。生成物をろ過し、ヘキサンで洗浄し、真空乾燥器中で周囲温度にて一晩乾
燥させて、標題化合物(691g)を得た。MS m/z (M+H):69
4。
【0092】 工程1c:2’−O−ベンゾイル−5−O−デソサミニル−3−デオキシ−3
−オキソ−6−O−メチルエリスロノリドA N−クロロスクシンイミド(57.0g,0.42モル)の試料を無水塩化メ
チレン(600mL)にスラリー化し、ジメチルスルフィド(36.0mL,0
.49モル)を30分間かけて滴下して加えた。工程2bからの化合物(200
.0g,0.29モル)を塩化メチレン(1.20L)に溶解し、この溶液を4
5分間かけて反応混合液に加えた。30分間撹拌した後、塩化メチレン(200
mL)に溶解したトリエチルアミン(40.0mL)の溶液を30分間かけて滴
下して加えた。得られた溶液を重炭酸ナトリウム(10%,3×600mL)お
よびブライン(600mL)で洗浄した。有機画分を乾燥(NaSO)させ
、ろ過し、揮発分を回転式蒸発装置上で除去して濃厚なシロップ状にした。これ
を放置しておくと固体になった。固体を粉砕し、真空乾燥器中で周囲温度にて一
晩乾燥させ、標題化合物(196g)を得た。MS m/z (M+H):6
92。
【0093】 実施例2 2a:図式3Aからの化合物11A(R,Rが(−CHCH−O−C CH−)であり、Rがベンゾイル) 2b:図式3Aからの化合物12A(Rがベンゾイル) 19μLの三塩化リンと1mLのTHFからなる0℃溶液に、実施例1から得
られた化合物150ミリグラム、2,6−ルチジン100μL(4当量)および
THF1mLからなる、別個に調製された溶液を2分間かけて加えた。混合物を
0℃で1.5時間撹拌し、48μL(2.5当量)のモルホリンを加えた。混合
物を周囲温度まで温め、16時間撹拌した。反応混合物を3グラムシリカゲルプ
ラグを通してろ過し、一度目は35%アセトン/ヘキサンで溶出して極性の低い
アミドリン酸塩生成物2a(12ミリグラム,収率7%)を溶離し、次に89:
10:1ジクロロメタン/メタノール/水酸化アンモニウムで溶出して、より極
性の高いリン酸生成物2b(79ミリグラム,収率49%)を溶離した。MS
m/z (M+H):754。
【0094】 13C NMR (CDCl)d 169.4(C−1),51.0(C−
2),20.9(C−2Me),204.6(C−3),47.0(C−4),
13.9(C−4Me),78.0(C−5),77.7(C−6),19.6
(C−6Me),49.3(C−6OMe),38.9(C−7),44.2(
C−8),18.2(C−8Me),215.1(C−9),38.9(C−1
0),14.2(C−10Me),80.5(C−11),82.8(C−12
),77.6(C−13),21.8(C−14),10.5(C−15),1
01.4(C−1’),71.8(C−2’),63.5(C−3’),40.
7(C−3’NMe),31.3(C−4’),69.1(C−5’),20.
9(C−6’),165.1(ベンジル カルボニル 炭素),132.7,1
30.3,129.7,128.2(芳香族炭素)。
【0095】 実施例3 図式3Bからの化合物13B(Rがメチル) 実施例3a:図式3Bからの化合物13A(Rがメチル、Rがベンゾイル 138μL(1.1当量)の三塩化リンを7mLの蒸留したてのTHFに溶解
した−20℃の溶液に、1グラムの実施例1で得られた化合物、740μLの2
,6−ルチジン(4.4当量)および4mLのTHFから成る別個に調製した溶
液を1分間かけて加えた。添加と同時に、反応物を10分間で0℃まで温めた。
反応混合物を周囲温度まで温め、2時間撹拌した。その後、再び0℃まで冷却し
、160μLのエタノール(3.5当量)を3分間かけて加えた。混合物を周囲
温度まで温め、1.5時間撹拌した。反応混合物を35グラムのシリカゲルプラ
グに導入し、30:90アセトン/ヘキサンで溶出して、30mLの画分を回収
し、メチル亜リン酸塩(486ミリグラム)を得た。MS m/z (M+H) :752。
【0096】 実施例3b:図式3Bからの化合物13B(Rがメチル、Rが水素) 実施例3aで得られた化合物をメタノールに溶解し、不活性雰囲気下において
、65℃で2時間加熱した。一定重量まで濃縮して乾燥させた後、粗生成物をシ
リカゲル上で精製し、不活性雰囲気下においてメタノール/クロロホルムで溶出
して標題化合物を得た。MS m/z (M+H):648。
【0097】 実施例4 図式3Bからの化合物14A(Rがメチル、Rがベンゾイル) 実施例3aからの化合物450ミリグラムを4mLのアセトンに溶解した室温
溶液に、62ミリグラムの4−メチルモルホリンN−オキシド(1当量)を加え
た。混合物は、不活性雰囲気下において周囲温度で1時間撹拌し、真空中で濃縮
した。混合物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、40:60アセトン/
ヘキサンによって溶出してメチルリン酸塩目的物を得た。MS m/z (M+
H):768。
【0098】 実施例5 図式3Bからの化合物13B(Rがエチル) 実施例5a:図式3Bからの化合物13A(Rがエチル、Rがベンゾイル 138μL(1.1当量)の三塩化リンを7mLの蒸留したてのTHFに溶解
した−20℃の溶液に、1グラムの実施例1で得られた化合物、740μLの2
,6−ルチジン(4.4当量)および4mLのTHFから成る別個に調製した溶
液を1分間かけて加えた。添加と同時に、反応物を10分間に0℃まで温めた。
反応混合物を周囲温度まで温め、2時間撹拌した。その後、再び0℃まで冷却し
、160μLのエタノール(3.5当量)を3分間かけて加えた。混合物を周囲
温度まで温め、1.5時間撹拌した。反応混合物を35グラムのシリカゲルプラ
グに導入し、30:90アセトン/ヘキサンで溶出して、30mLの画分を回収
し、エチル亜リン酸塩(486ミリグラム)を得た。
【0099】 実施例5b:図式3Bからの化合物13B(Rがエチル、Rが水素) 工程3aで得られた化合物をメタノールに溶解し、不活性雰囲気下において、
65℃で2時間加熱した。一定重量まで濃縮して乾燥させた後、粗生成物をシリ
カゲル上で精製し、不活性雰囲気下においてメタノール/クロロホルムで溶出し
て標題化合物を得た。MS m/z (M+H):662。
【0100】 実施例6 抗菌活性 本発明の代表的な化合物に対し、以下のように、in vitroにおいて抗
菌活性の検定を行った。10mLの滅菌済ブレインハートインフュージョン(B
HI)寒天(Difco 0418−01−5)と混合した試験化合物の連続希
釈液を含む、12枚のペトリ皿を準備した。各プレートに、ステアーズレプリケ
ータブロック(Steers replicator block)を用いて3
2の異なる微生物の1:100希釈液(若しくは、ミクロコッカスやストレプト
コッカスなどの成長の遅い株については1:10希釈液)を接種した。接種後の
プレートを35〜37℃で20〜24時間インキュベートした。さらに、試験化
合物を含まないBHI寒天を用いて、対照プレートを準備し、各試験の開始およ
び終了時にインキュベートした。
【0101】 試験している生物体に対する既知の感受性パターンを有し、試験化合物と同一
の抗生物質クラスに属する化合物を含む別のプレートを準備し、さらに別の対照
として、また試験間の比較を行うためにインキュベートした。この目的のために
、エリスロマイシンAを使用した。
【0102】 インキュベーション後、各プレートを目視にて検査した。最小阻害濃度(MI
C)は、成長対照と比較して、イノキュラムスポット上に、成長が見られず、か
すかな曇りが見え、あるいは孤立したコロニーが散在するときの最低薬物濃度と
して定義される。下記の表1に示したこの検定の結果は、本発明の化合物が抗菌
活性を有することを実証している。
【0103】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 クラーク,リチヤード・エフ アメリカ合衆国、イリノイ・60060、マン デレイン、ウエスト・ヒルサイド・ドライ ブ・425 (72)発明者 チユー,ダニエル・テイー アメリカ合衆国、カルフオルニア・95051、 サンタ・クララ、ベントン・ストリート・ 3767 Fターム(参考) 4C057 BB02 DD01 KK13 4C086 AA01 AA03 AA04 EA13 MA04 NA14 ZB35

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式: 【化1】 (式中、 Rは水素、C〜C10アルキル、C〜C12アルケニル、またはC
    12アルキニルであり、そのそれぞれはアリール、置換アリール、ヘテロアリ
    ール、または置換ヘテロアリールによって任意に置換されていてもよく、 XはOまたは存在せず、 Rは水素またはヒドロキシ保護基であり、 RおよびRは、水素、C〜C10アルキル、C〜C12アルケニル、
    またはC〜C12アルキニルであり、そのそれぞれはアリール、置換アリール
    、ヘテロアリール、または置換ヘテロアリールによって任意に置換されていても
    よく、RおよびRはそれらが結合している原子と一緒になって、3〜10員
    ヘテロシクロアルキル環を形成し、 Yは水素、Zはクラジノースであるか、あるいはYおよびZは一緒になってオ
    キソ基を形成する。)で表される化合物またはその薬学上許容し得る塩およびエ
    ステル。
  2. 【請求項2】 Yは水素であり、Zはクラジノースであることを特徴とする
    請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 YおよびZは一緒になってオキソ基を形成することを特徴と
    する請求項1に記載の化合物。
  4. 【請求項4】 以下の化合物: Rがメチルであり、Rがベンゾイルであり、Xが存在せず、YおよびZが
    一緒になってオキソ基を形成することを特徴とする、式(I)の化合物; Rがメチルであり、Rが水素であり、Xが存在せず、YおよびZが一緒に
    なってオキソ基を形成することを特徴とする、式(I)の化合物; Rがエチルであり、Rがベンゾイルであり、Xが存在せず、YおよびZが
    一緒になってオキソ基を形成することを特徴とする、式(I)の化合物; Rがエチルであり、Rが水素であり、Xが存在せず、YおよびZが一緒に
    なってオキソ基を形成することを特徴とする、式(I)の化合物; Rが水素であり、Rが水素であり、X=O、YおよびZが一緒になってオ
    キソ基を形成することを特徴とする、式(I)の化合物; Rが水素であり、Rがベンゾイルであり、X=O、YおよびZが一緒にな
    ってオキソ基を形成することを特徴とする、式(I)の化合物; Rがメチルであり、Rが水素であり、X=O、YおよびZが一緒になって
    オキソ基を形成することを特徴とする、式(I)の化合物; Rがメチルであり、Rが水素であり、X=O、YおよびZが一緒になって
    オキソ基を形成することを特徴とする、式(I)の化合物; Rがベンゾイルであり、RおよびRがそれぞれ(−CHCH−O−
    CHCH−)、X=O、YおよびZは一緒になってオキソ基を形成すること
    を特徴とする、式(III)の化合物;および Rが水素であり、RおよびRがそれぞれ(−CHCH−O−CH CH−)、X=O、YおよびZは一緒になってオキソ基を形成することを特徴
    とする、式(III)の化合物 から成る群より選択されることを特徴とする請求項3に記載の化合物。
  5. 【請求項5】 下記の式: 【化2】 (式中、 Rは水素、C〜C10アルキル、C〜C12アルケニル、またはC
    12アルキニルであり、そのそれぞれはアリール、置換アリール、ヘテロアリ
    ール、または置換ヘテロアリールによって任意に置換されていてもよく、 XはOまたは存在せず、 Rは水素またはヒドロキシ保護基であり、 Yは水素、Zはクラジノースであるか、あるいはYおよびZは一緒になってオ
    キソ基を形成する。)で表される化合物の製造方法であって、 (a)下記の式: 【化3】 (式中、R、YおよびZは上で定義した通りである)の化合物を三塩化リンお
    よび2,6−ルチジンと反応させる工程と、 (b)工程(a)からの化合物をR−OH(式中、Rは上で定義した通り
    である。)と反応させる工程と、 (c)工程(b)からの化合物を任意に酸化し、ヒドロキシ保護基を脱保護す
    る工程とを含む方法。
  6. 【請求項6】 YおよびZは一緒になってオキシ基を形成し、Xは存在しな
    いことを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 Rはメチルであり、Rはベンゾイルまたは水素であるこ
    とを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 Rはエチルであり、Rはベンゾイルまたは水素であるこ
    とを特徴とする請求項6に記載の方法。
  9. 【請求項9】 Rはメチルであり、Rはベンゾイルまたは水素であり、
    X=O、YおよびZは一緒になってオキソ基を形成することを特徴とする請求項
    5に記載の方法。
  10. 【請求項10】 Rは水素であり、Rはベンゾイルまたは水素であり、
    X=O、YおよびZは一緒になってオキソ基を形成することを特徴とする請求項
    5に記載の方法。
  11. 【請求項11】 下記の式: 【化4】 (式中、 XはOまたは存在せず、 Rは水素またはヒドロキシ保護基であり、 RおよびRは、水素、C〜C10アルキル、C〜C12アルケニル、
    またはC〜C12アルキニルであり、そのそれぞれはアリール、置換アリール
    、ヘテロアリール、または置換ヘテロアリールによって任意に置換されていても
    よく、RおよびRはそれらが結合している原子と一緒になって、3〜10員
    ヘテロシクロアルキル環を形成し、 Yは水素、Zはクラジノースであるか、あるいはYおよびZは一緒になってオ
    キソ基を形成する。)で表される化合物の製造方法であって、 (a)下記の式: 【化5】 (式中、R、YおよびZは上で定義した通りである)の化合物を三塩化リンお
    よびアミンと反応させる工程と、 (b)任意に、得られた化合物を酸化する工程と、 (c)任意に、ヒドロキシ保護基を脱保護する工程とを含む方法。
  12. 【請求項12】 YおよびZは一緒になってオキソを形成し、X=Oである
    ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 RおよびRはそれぞれ(−CHCH−O−CH CH−)であり、Rはベンゾイルまたは水素であることを特徴とする請求項
    12に記載の方法。
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