JP2003505396A - プソイドマイシンプロドラッグ - Google Patents

プソイドマイシンプロドラッグ

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JP2003505396A
JP2003505396A JP2001511470A JP2001511470A JP2003505396A JP 2003505396 A JP2003505396 A JP 2003505396A JP 2001511470 A JP2001511470 A JP 2001511470A JP 2001511470 A JP2001511470 A JP 2001511470A JP 2003505396 A JP2003505396 A JP 2003505396A
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hydrogen
chemical
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alkoxy
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シュ・フイ・チェン
マイケル・ジョン・ロドリゲス
スン・シチェン
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Eli Lilly and Co
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、構造式(A): 【化42】 [式中、Rはアシルオキシアルキルカルバメート結合基である]によって示されるプソイドマイシンプロドラッグに関するものであって、該プロドラッグは、有害な副作用が少ない抗真菌活性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、プソイドマイシン化合物、特にプソイドマイシン化合物のプロドラ
ッグに関する。
【0002】 (背景技術) プソイドマイシンは、プソイドモナス・シリンガエ(Pseudomonas
syringae)(植物に関連する細菌)の液体培養物から単離された天然
物であって、抗真菌活性を有することが分かっている(例えば、Harriso
n,L.らによる「Pseudomycins,a family of no
vel peptides from Pseudomonas syring
ae possessing broad−spectrum antifun
gal activity」、J.Gen.Microbiology,137
(12),2857−65(1991)、並びに米国特許第5,576,298
号および5,837,685号を参照)。これまでに記載されているP.シリン
ガエ由来の抗真菌剤(例えば、シリンゴマイシン、シリンゴトキシンおよびシリ
ンゴスタチン)と違って、プソイドマイシンA−Cはヒドロキシアスパラギン酸
、アスパラギン酸、セリン、デヒドロアミノ酪酸、リシンおよびジアミノ酪酸を
含む。プソイドマイシンA、A’、B、B’、CおよびC’のペプチド部分は、
末端カルボキシル基がN−末端SerのOH基上で閉環してマクロサイクルを形
成している、L−Ser−D−Dab−L−Asp−L−Lys−L−Dab−
L−aThr−Z−Dhb−L−Asp(3−OH)−L−Thr(4−Cl)
に対応している。該アナログはN−アシル側鎖によって区別され、すなわちプソ
イドマイシンAは3,4−ジヒドロキシテトラデコノイルによって、プソイドマ
イシンA’は3,4−ジヒドロキシペンタデカノイルによって、プソイドマイシ
ンBは3−ヒドロキシテトラデカノイルによって、プソイドマイシンB’は3−
ヒドロキシドデカノイルによって、プソイドマイシンCは3,4−ジヒドロキシ
ヘキサデカノイルによって、そしてプソイドマイシンC’は3−ヒドロキシヘキ
サデカノイルによってN−アシル化されている(すなわち、Ballio,A.
らによる「Novel bioactive lipodepsipeptid
es from Pseudomonas syringae:the pse
udomycins」、FEBS Letters,355(1);96−10
0(1994)およびCoiro,V.M.らによる「Solution co
nformation of the Pseudomonas syring
ae MSU 16H phytotoxic lipodepsipepti
de Pseudomysin A determined by compu
ter simulations using distance geome
try and molecular dynamics from NMR
data」、Eur.J.Biochem.,257(2)、449−456(
1998)を参照。
【0003】 プソイドマイシンはある有害な生物学的な影響を有していることが知られてい
る。例えば、プソイドマイシンを静脈内注射した時に、静脈の内皮の破壊、組織
の破壊、炎症および宿主の組織に対する局所的な毒性が観察される。従って、現
在観察されている有害な副作用を有しない、真菌感染を処置するのに有用なこの
種類の化合物を同定する必要がある。
【0004】 (本発明の概要) 本発明は、抗真菌剤として有用な以下の構造式によって示されるプソイドマイ
シンプロドラッグ、並びにその医薬的に許容し得る塩および溶媒和物を提供する
【化21】 [式中、 Rは、式:
【化22】 (ここで、RおよびRa’は独立して水素もしくはメチルであるか、またはR もしくはRa’のいずれかがアルキルアミノであって、RもしくはRb’
一緒になって6員シクロアルキル環、6員芳香環もしくは二重結合を形成するか
、またはRと一緒になって6員芳香環を形成する。 RおよびRb’は独立して水素、ハロゲンもしくはメチルであるか、または
もしくはRb’のいずれかがアミノ、アルキルアミノ、α−アセトアセテー
ト、メトキシもしくはヒドロキシである。 Rは水素、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシC〜Cアル
コキシであるか、またはRと一緒になって6員芳香環もしくはC〜Cシク
ロアルキル環を形成する。 Rは水素であるか、またはRと一緒になって6員芳香環、C〜C14
ルコキシ置換の6員芳香環もしくはC〜C14アルキル置換の6員芳香環であ
る。そして、 Rは、C〜C18アルキル、C〜C11アルコキシまたはビフェニルで
ある) であるか; Rは、式:
【化23】 (ここで、Rは、水素またはC〜C13アルキルである。そして、 Rは、C〜C15アルキル、C〜C15アルコキシ、(C〜C10
ルキル)フェニル、−(CH−アリール、または−(CH−(C 〜Cシクロアルキル)であって、nは1または2である) であるか; Rは、式:
【化24】 (ここで、Rは水素、ハロゲンまたはC〜Cアルコキシであって、mは1
、2または3である) であるか; Rは、式:
【化25】 (ここで、RはC〜C14アルコキシまたはC〜C14アルキルであって
、pは0、1または2である) であるか; Rは、式:
【化26】 (ここで、RはC〜C14アルコキシである) であるか;または、 Rは、−(CH)−NR−(C13〜C18アルキル) (ここで、RはH、−CHまたは−C(O)CHである) である。 Rは独立して、水素、アシルオキシメチレン−1,3−ジオキソレン−2−
オン(例えば、以下に示す化合物1(a))またはアシルオキシメチレンカルボ
キシレート(例えば、以下に示す化合物1(b))である。
【化27】 1(a) 1(b) (ここで、R1aは、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、
ベンジルまたはアリールである。そして、 R1bは水素またはメチルである。 但し、少なくとも1つのRはアシルオキシメチレン−1,3−ジオキソレン
−2−オンまたはアシルオキシメチレンカルボキシレートである。 RおよびRは独立して、−OR2aまたは−N(R2b)(R2c)であ
る。 ここで、R2aおよびR2bは独立して、水素、C〜C10アルキル(例え
ば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、
s−ブチル、t−ブチルなど)、C〜Cシクロアルキル(例えば、シクロプ
ロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンチルメチレン、メチルシク
ロペンチル、シクロヘキシルなど)、ヒドロキシ(C〜C10)アルキル、ア
ルコキシ(C〜C10)アルキル(例えば、メトキシエチル)、C〜C10 アルケニル、アミノ(C〜C10)アルキル、モノ−もしくはジ−アルキルア
ミノ(C〜C10)アルキル、アリール(C〜C10)アルキル(例えば、
ベンジル)、ヘテロアリール(C〜C10)アルキル(例えば、3−ピリジル
メチル、4−ピリジルメチル)またはシクロヘテロアルキル(C〜C10)ア
ルキル(例えば、N−テトラヒドロ−1,4−オキサジニルエチルおよびN−ピ
ペラジニルエチル)であるか、または R2bはアミノ酸アルキルエステルのカルボン酸アルキル残基(例えば、−C
COCH、−CH(COCH)CH(CH、−CH(CO CH)CH(フェニル)、−CH(COCH)CHOH、−CH(CO CH)CH(p−ヒドロキシフェニル)、−CH(COCH)CH SH、−CH(COCH)CH(CHNH、−CH(COCH )CH(4−または5−イミダゾール)、−CH(COCH)CH
CHまたは−CH(COCH)CHCONHなど)である]
【0005】 本発明の別の実施態様においては、上記のプソイドマイシンプロドラッグおよ
び医薬的に許容し得る担体を含む医薬製剤を提供する。
【0006】 本発明の更なる別の実施態様においては、抗真菌感染の処置が必要な動物にお
ける該感染の処置法を提供するが、該方法は該動物に以下に示すプソイドマイシ
ンプロドラッグを投与することを含む。動物における真菌感染を処置するのに使
用するための薬物の製造における上記のプソイドマイシンプロドラッグの使用を
も提供する。
【0007】定義 本明細書で使用する用語「アルキル」とは、特に指示しなければ、1〜30の
炭素数を含有する一般式C2n+1の炭化水素基を意味する。該アルカン基
は直鎖(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、分枝(例えば、イ
ソプロピル、イソブチル、t−ブチル、ネオペンチルなど)、環状(例えば、シ
クロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、シクロ
ヘキシルなど)、または多環(例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、スピ
ロ[2.2]ペンタンなど)であり得る。該アルカン基は置換されていたり、ま
たは無置換であり得る。同様に、アルコキシ、アルカノイル、またはアルカノエ
ート基のアルキル部分は、上記と同じ定義を有する。
【0008】 用語「アルケニル」とは、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む非環式
の炭化水素を意味する。該アルケン基は直鎖、分枝、環状または多環であり得る
。該アルケン基は置換されていたり、または無置換であり得る。アルケンオキシ
、アルケノイルまたはアルケノエート基のアルケニル部分は、上記と同じ定義を
有する。
【0009】 用語「アリール」とは、単環(例えば、フェニル)または縮合環系(例えば、
ナフタレン、アントラセン、フェナントレンなど)を有する芳香族分子を意味す
る。該アリール基は置換されていたり、または無置換であり得る。
【0010】 有機化学の分野において、特に有機生物化学の分野において、化合物の有意な
置換は許容されるか、または有用でさえあることは広く理解されている。本発明
において、例えば置換基としての用語「アルキル基」とは、典型的なアルキル基
(例えば、メチル、エチル、プロピル、ヘキシル、イソオクチル、ドデシル、ス
テアリルなど)を許容する。用語「基」は具体的に構想することができ、当該分
野で一般的であるアルキル上の置換基としては例えば、ヒドロキシ、ハロゲン、
アルコキシ、カルボニル、ケト、エステル、カルバメートなどが許容されるが、
併せて無置換のアルキル部分を含む。しかしながら、化合物の薬理学的な性質に
有害な影響を及ぼさず、または薬物の使用を有害に妨害しないように、置換基を
選択するべきであることが、当該分野の当業者によって通常理解されている。上
で定義するいずれかの基の適当な置換基としては、例えばアルキル、アルケニル
、アルキニル、アリール、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メ
ルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、モノ−およびジ−アルキルアミノ、4
級アンモニウム塩、アミノアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、アミノアル
キルチオ、カルバミル、カルボニル、カルボキシ、グリコイル、グリシル、ヒド
ラジノ、グアニルおよびそれらの組合せを含む。
【0011】 用語「プロドラッグ」とは、体内の代謝反応による変換(すなわち、生体内変
換)によって薬理学的な作用を引き起こす1群のドラッグを意味する。本発明に
おいて、プソイドマイシンプロドラッグ化合物は、血漿中のエステラーゼによっ
て切断されて活性な薬物を与え得る連結基を含む。
【0012】 用語「動物」とは、ヒト、コンパニオン動物(例えば、イヌ、ネコおよびウマ
)、食料源の動物(例えば、ウシ、ブタ、ヒツジおよび飼鳥類)、動物園の動物
、海洋動物、鳥類および他の同様な動物種を意味する。
【0013】 (発明の詳細な記載) 出願人は、プソイドマイシンの天然物または半合成産物のプロドラッグ誘導体
が対応する天然物よりも有害な副作用が少なく、且つC.アルビカンス(albica
n)、C.ネオフォルマンスおよびA.フミガーツスに対するインビボ効能を保
持していることを発見した。該プロドラッグは、プソイドマイシンのシクロペプ
チド環系におけるリシンまたは2,4−ジアミノ酪酸ペプチド単位に結合した少
なくとも1つのペンダントなアミノ基をアシル化してアシル置換基を得ることに
よって製造する。該アシル剤(または、連結基)は通常、プソイドマイシン構造
上のペンダントなアミノ基とのカルバメート連結基を形成することができるよう
な適当な脱離基を含有するアシルオキシメチレン−1,3−ジオキソレン−2−
オンまたはアシルオキシメチレンカルボキシレートアシル化化合物である。適当
な脱離基については当該分野におけると当業者にとってよく知られており、例え
ばp−ニトロフェニルオキシおよびN−オキシスクシンイミドなどの基を含む。
【0014】 アシルオキシメチレン−1,3−ジオキソレン−2−オンアシル化化合物を、
下記の反応式Iにおいて示す合成経路を用いて製造することができる。例示の目
的で、具体的なアシル化化合物を示す。しかしながら、同じ基本的な合成法を用
いて多数の誘導体を製造することができることは、当該分野の当業者によって理
解されるであろう。
【化28】 製造方法のより詳細な説明については、以下の実施例における製造の項を参照
のこと。
【0015】 アシルオキシメチレンカルボキシレートアシル化化合物を、以下の反応式II
に示す製造経路を用いて製造することができる。例示の目的で、具体的なアシル
化化合物を示す。しかしながら、同じ基本的な合成経路を用いて多数の誘導体を
製造することができることは、当該分野の当業者によって理解されるであろう。
【化29】 製造方法のより詳細な説明については、以下の実施例における製造の項を参照
のこと。
【0016】 上述した通り、プソイドマイシンはプソイドモナス・シリンガエ・バクテリア
から単離される天然物であり、これはラクトン結合によって閉環した環状のペプ
チド部分を含み、異常アミノ酸4−クロロトレオニン(ClThr)、3−ヒド
ロキシアスパラギン酸(HOAsp)、2,3−デヒドロ−2−アミノ酪酸(D
hb)および2,4−ジアミノ酪酸(Dab)を含有するリポデプシノナペプチ
ドを特徴とする。様々な菌株のP.シリンガエを増殖させて異なるプソイドマイ
シンアナログ(A、A’、B、B’、CおよびC’)を得る方法を以下に記載す
るが、より詳細にはPCT特許出願番号、PCT/US00/08728(これ
はHiltonらにより、2000年4月14日に出願、標題は「Pseudo
mycin Production by Pseudomonas Syri
ngae」;これは本明細書の一部を構成する);PCT特許出願番号、PCT
/US00/08727(これは、Kulanthaivelらにより、200
0年4月14日に出願、標題は「Pseudomycin Natural P
roducts」;これは本明細書の一部を構成する);および米国特許第5,
576,298号および第5,837,685号(これらは本明細書の一部を構
成する)に記載されている。
【0017】 1つ以上のプソイドマイシンを産生するP.シリンガエの単離菌株については
当該分野でよく知られている。野生型菌株MSU174、およびトランスポゾン
突然変異によって生成したこの菌株の変異体については、米国特許第5,576
,298号および第5,837,685号;Harrisonらによる「Pse
udomycins,a family of novel peptides
from Pesudomonas syringae possessin
g broad−spectrum antifungal activity
」、J.Gen.Microbiology、137、2857−2865(1
991);およびLambらによる「Transposon mutagene
sis and tagging of fluorescent peudo
monas:Antimycotic production is nece
ssary for control of Dutch elm disea
se」、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84,6447−6
451(1987)に記載されている。
【0018】 1つ以上のプソイドマイシンの産生に適当なP.シリンガエの菌株を植物(例
えば、大麦、カンキツ属およびライラック)を含む環境的な供給源、並びに土、
水、空気および埃などの供給源から単離することができる。好ましい菌株は植物
から単離する。環境的な供給源から単離するP.シリンガエの菌株を野生型と呼
ぶことができる。本明細書で使用する「野生型」とは、P.シリンガエの正常な
個体群(例えば、天然において見られ、且つ実験室での操作によって産生しない
P.シリンガエの菌株または単離物)において天然に存在する優勢な遺伝子型を
意味する。ほとんどの生物体と同様に、使用するプソイドマイシン産生の培養物
(MSU174、MSU16H、MSU206、25−B1および7H9−1な
どのP.シリンガエ菌株)の性質は変異し易い。従って、これら菌株の後代(例
えば、組換え体、突然変異体および変異体)を当該分野で知られている方法によ
って得ることができる。
【0019】 P.シリンガエMSU16Hは、アメリカンタイプカルチャーコレクション(
Parklawn Drive,Rockville,MD,米国;寄託番号A
TCC67028号)から公然と入手することができる。P.シリンガエ菌株2
5−B1、7H9−1および67H1はアメリカンタイプカルチャーコレクショ
ンに2000年3月23日に寄託されており、これらは以下の寄託番号: 25−B1(寄託番号PTA−1622)、 7H9−1(寄託番号PTA−1623)、 67 H1(寄託番号PTA−1621) が与えられている。
【0020】 P.シリンガエの突然変異菌株もまた、1つ以上のプソイドマイシンの産生に
適当である。本明細書で使用する「突然変異体」とは、菌株の表現型における突
然の遺伝子変化を意味し、これは自然発生であるか、または公知の変異誘発物質
によって誘発され得る。該変異誘発物質としては、放射(例えば、紫外放射また
はx−線)、化学的変異誘発物質(例えば、メタンスルホン酸エチル(EMS)
、ジエポキシオクタン、N−メチル−N−ニトロ−N’−ニトロソグアニン(N
TG)および亜硝酸)、部位特異的突然変異誘発およびトランスポゾン媒介の突
然変異誘発を挙げられる。P.シリンガエにおけるプソイドマイシン産生の突然
変異体は、1つ以上のプソイドマイシンを過剰産生したり、他のプソイドマイシ
ンより過剰に1つのプソイドマイシン(例えば、プソイドマイシンB)を産生し
たり、または有利な増殖条件下で1つ以上のプソイドマイシンを産生するような
突然変異体を得るのに有効な量の変異誘発物質を用いて、該細菌を処理すること
によって得ることができる。使用すべき変異誘発物質の種類および量は変えるこ
とはできるが、好ましい方法はNTGを1〜100μg/mLに及ぶレベルまで
連続希釈することである。好ましい突然変異体は、プソイドマイシンBを過剰産
生し、且つ最小規定(defined)培地で増殖するものである。
【0021】 P.シリンガエの環境単離物、突然変異菌株および他の所望する菌株を、増殖
習性における望む形質、増殖培地栄養源、炭素源、増殖条件、必須アミノ酸など
について選択することができる。P.シリンガエにおけるプソイドマイシン産生
の菌株は、最小培地(例えば、N21培地)での増殖のために、および/または
1つ以上のプソイドマイシンを約10μg/mLより大きいレベルで産生させる
ために選別することが好ましい。好ましい菌株は、3つもしくはそれより少ない
アミノ酸、および場合により脂質、ポテト産物もしくはそれらの組み合わせを含
む培地で増殖させた場合に、1つ以上のプソイドマイシンを産生するという特徴
を示す。
【0022】 当該分野で知られた方法を用いて、P.シリンガエ菌株を形質転換することに
よって、組換え菌株を開発することができる。組換えDNA技術を使用すること
によって、P.シリンガエ菌株を形質転換して、これらの菌株が産生する抗生物
質に加えて多数の遺伝子産物を発現することができる。例えば、内因性プソイド
マイシンの生合成遺伝子の多重コピーを導入するために該菌株を改良して、より
高収率のプソイドマイシンを得ることができる。
【0023】 P.シリンガエの野生型または突然変異菌株から1つ以上のプソイドマイシン
を得るために、生物体を栄養培地水溶液(これは、有効な量の3つまたはそれよ
り少ないアミノ酸を含有しており、該アミノ酸はグルタミン酸、グリシン、ヒス
チジンまたはそれらの組合せであることが好ましい)中で撹拌しながら培養する
。別法として、グリシンを1つ以上のポテト産物および脂質と混合する。培養は
、P.シリンガエの増殖および目的のプソイドマイシンの産生に有効な条件下で
行なう。有効な条件とは、温度が約22℃〜約27℃で、且つ期間が約36時間
〜約96時間であることを含む。P.シリンガエの培養の間に、培地中の酸素濃
度を制御することは、プソイドマイシンの産生にとって有利である。酸素レベル
は約5〜約50%の飽和を保つことが好ましく、約30%の飽和であることがよ
り好ましい。空気、純粋な酸素または酸素含有のガス混合物をスパージングする
ことにより、培地中の酸素濃度を調節することができる。
【0024】 p.シリアガエの培養の間、培地のpHを制御することも有利となる。プソイ
ドマイシンは、塩基性のpHで不安定であり、該培地のpHが約12時間以上に
わたって約6である場合には、有意な分解が起こり得る。培地のpHは6〜4を
保つことが好ましい。バッチ培地で増殖させた場合には、P.シリンガエは1つ
以上のプソイドマイシンを産生することができる。しかしながら、グルコースの
フィードバスまたは半連続的なフィード、および場合によりpHをコントロール
するための酸または塩基(例えば、水酸化アンモニウム)により、産生が増大す
る。グルコースおよび水酸化アンモニウムを自動的にフィードする連続培養法を
用いることによって、プソイドマイシンの産生を更に増大させることができる。
【0025】 P.シリンガエ菌株の選択は、得られるプソイドマイシンの量および分布に影
響を及ぼし得る。例えば、MSU16Hおよび67H1菌株は各々、優先的にプ
ソイドマイシンAを産生するが、プソイドマイシンBおよびCをも典型的に4:
2:1の割合で産生する。菌株67H1は、典型的にMSU16H菌株によって
産生するよりも約3〜5倍以上のレベルでプソイドマイシンを与える。MSU1
6Hおよび67H1菌株と比較して、25−B1菌株はより多くのプソイドマイ
シンBおよびより少ないプソイドマイシンCを産生する。7H9−1菌株は、プ
ソイドマイシンBを優位に産生し、且つ他の菌株よりも多量のプソイドマイシン
Bを産生する点で区別される。例えば、この菌株はプソイドマイシンAまたはC
のどちらかの少なくとも10倍以上の過剰量でプソイドマイシンBを産生するこ
とができる。
【0026】 別法として、該プロドラッグを、N−アシル半合成化合物から生成することが
できる。半合成プソイドマイシン化合物を、L−セリン単位でのN−アシル基を
交換することによって製造することができる。様々なN−アシル誘導体の例につ
いては、PCT特許出願番号 (Belvoらによる同日出願、標題は「P
seudomycin N−Acyl Side−Chain Analogs
」、これは本明細書の一部を構成する)に記載されている。一般的に、以下の4
つの製造工程を使用して、天然に存在するプソイドマイシン化合物から半合成化
合物を製造することができる。該工程とは、(1)選択的なアミノ保護;(2)
N−アシル側鎖の化学的なまたは酵素的な脱アシル化;(3)異なる側鎖につい
ての再アシル化;および(4)該アミノ基の脱保護である。
【0027】 2、4および5位でのペンダントなアミノ基を、アミノ保護について当該分野
の当業者にとって知られているいずれかの標準的な方法を用いて保護することが
できる。誘導化されたアミノ基が中間体分子の他の位置での続く反応条件に対し
て安定であり、且つ該保護基をいずれかの他のアミノ保護基を含む分子の残り部
分を破壊することなく、適当な時点で選択的に除去することができる限り、使用
するアミノ保護基の正確な族および種類は重要ではない。適当なアミノ保護基と
しては、ベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、p
−ブロモベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、
p−メトキシフェニルアゾベンジルオキシカルボニル、p−フェニルアゾベンジ
ルオキシカルボニル、t−ブチルオキシカルボニル、シクロペンチルオキシカル
ボニルおよびフタルイミドを含む。好ましいアミノ保護基は、t−ブトキシカル
ボニル(t−Boc)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、フタルイミド
およびベンジルオキシカルボニル(CbzまたはCBZ)を挙げられる。適当な
保護基についての更なる例については、T.W.Greenによる「Prote
ctive Groups in Organic Synthesis」,J
ohn Wiley and Sons、ニューヨーク(2版、1991)の7
章に記載されている。
【0028】 γまたはδ位のヒドロキシル化された側鎖を有するN−アシル基(例えば、3
,4−ジヒドロキシテトラデカノエート)の脱アシル化は、アミノで保護したプ
ソイドマイシン化合物を水性溶媒中で酸を用いて処理することによって達成する
ことができる。適当な酸としては、酢酸およびトリフルオロ酢酸を含む。好まし
い酸はトリフルオロ酢酸である。トリフルオロ酢酸を使用する場合には、反応を
室温でまたは室温近くで行なうことができる。しかしながら、酢酸を使用する場
合には、反応は通常約40℃で行なう。適当な水性の溶媒系としては、アセトニ
トリル、水およびそれらの混合物を含む。有機溶媒は反応を促進することができ
るが、しかしながら、有機溶媒の添加により、他の副生成物が誘導され得る。側
鎖上にδまたはγヒドロキシ基を有しないプソイドマイシン化合物(例えば、プ
ソイドマイシンBおよびC’)を、酵素学的に脱アシル化することができる。適
当なデアシラーゼ酵素としては、ポリミキシンアシラーゼ(これは、粗164−
16081脂肪酸アシラーゼまたは純粋な164−16091脂肪酸アシラーゼ
であって、これらは和光純薬から入手可能である)またはECBデアシラーゼを
含む。該酵素学的な脱アシル化は、当該分野における当業者にとってよく知られ
る標準的な脱アシル化法を用いて達成することができる。例えば、ポリミキシン
アシラーゼを用いる一般的な方法については、Yasuda,N.らによるAr gic.Biol.Chem. ,53,3245(1989)およびKimur
a,Y.らによるArgic.Biol.Chem.,53,497(1989
)において知ることができる。
【0029】 脱アシル化産物(これは、プソイドマイシン骨格としても知られる)を、カル
ボニル活性化剤の存在下で対応する酸を用いて再アシル化する。「カルボニル活
性化基」とは、カルボニル上での求核付加反応を促進するカルボニルの置換基を
意味する。適当な活性化置換基とは、カルボニル上で実効電子吸引効果を有する
置換基である。該基としては、例えばアルコキシ、アリールオキシ、含窒素芳香
族性ヘテロ環またはアミノ基(例えば、オキシベンゾトリアゾール、イミダゾリ
ル、ニトロフェノキシ、ペンタクロロフェノキシ、N−オキシスクシンイミド、
N、N’−ジシクロヘキシルイソウレア−O−イルおよびN−ヒドロキシ−N−
メトキシアミノ);アセテート;ホルメート;スルホネート(例えば、メタンス
ルホネート、エタンスルホネート、ベンゼンスルホネートおよびp−トリルスル
ホネート);およびハライド(例えば、クロリド、ブロミドおよびヨード)を含
むが、これらに限定されない。
【0030】 多数の酸をアシル化工程において使用することができる。適当な酸としては、
1つ以上のペンダントなアリール、アルキル、アミノ(これは、1級、2級およ
び3級のアミンを含む)、ヒドロキシ、アルコキシおよびアミド基を含有する脂
肪族酸;脂肪族鎖中に窒素または酸素を含有する脂肪族酸;アルキル、ヒドロキ
シ、アルコキシおよび/またはアルキルアミノ基によって置換された芳香族酸;
並びにアルキル、ヒドロキシ、アルコキシおよび/またはアルキルアミノ基によ
って置換された芳香族酸を含む。
【0031】 別法として、固相合成(ここで、ヒドロキシベンゾトリアゾール樹脂(HOB
t−樹脂)はアシル化反応におけるカップリング剤として機能する)を使用する
ことができる。
【0032】 アミノ基を脱アシル化して再アシル化した(上記の通り)後、アミノ保護基(
2、4および5位)を水素添加触媒(例えば、10%Pd/C)の存在下での水
素添加によって除去することができる。アミノ保護基がアリルオキシカルボニル
である場合には、該保護基を水素化トリブチルスズおよびトリフェニルホスフィ
ンパラジウムジクロリドを用いて除去することができる。この特定の保護/脱保
護反応は、プソイドマイシン構造のZ−Dhb単位のビニル基を水素添加する能
力を低下させる利点を有する。
【0033】 次いで、N−アシル修飾した半合成プソイドマイシン化合物のリシンまたは2
,4−ジアミノ酪酸ペプチド単位に結合したペンダントなアミノ基の少なくとも
1つをアシル化して、目的のカルバメート結合を生成することによって、該プロ
ドラッグを得る。
【0034】 他の修飾したプロドラッグのプソイドマイシン化合物を、プソイドマイシン環
のアスパラギン酸および/またはヒドロキシアスパラギン酸単位のペンダントな
カルボン酸基のアミド化またはエステル化によって製造することができる。様々
な酸で修飾した誘導体の例については、PCT特許出願番号 (Chenら
による同時出願、標題は「Pseudomycin Amide & Este
r Analogs」、これは本明細書の一部を構成する)に記載されている。
該酸で修飾した誘導体は、上記のいずれかのプロドラッグを適当なアルコールま
たはアミンと縮合させて製造することができて、それぞれエステルまたはアミド
を得る。
【0035】 エステル基の生成は、当該分野の当業者にとってよく知られた標準的なエステ
ル化方法を用いて達成することができる。酸性条件でのエステル化は、典型的に
プソイドマイシン化合物をプロトン性の酸(例えば、HCl、TFAなど)の存
在下、適当なアルコール中に溶解するかまたは懸濁することを含む。塩基性条件
下では、該プソイドマイシン化合物を通常、弱塩基(例えば、炭酸水素ナトリウ
ムおよび炭酸カリウム)の存在下で、適当なアルキルハライドを用いて反応させ
る。
【0036】 アミド基の生成は、当該分野の当業者にとってよく知られた標準的なアミド化
法を用いて達成することができる。しかしながら、カップリング剤を選択するこ
とにより、酸基の選択的な修飾ができる。例えば、ベンゾトリアゾール−1−イ
ルオキシ−トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBO
P)をカップリン剤として使用することにより、残基8位での純粋なモノアミド
および(場合により)純粋なビスアミドを同時に単離することができる。一方で
、o−ベンゾトリアゾール−1−イル−N、N,N’,N’−テトラメチルウロ
ニウムテトラフルオロボレート(TBTU)をカップリング剤として使用するこ
とは、3位残基でのモノアミドを生成するのに有利である。
【0037】 プソイドマイシンプロドラッグを単離して、そのままでまたはその医薬的に許
容し得る塩もしくは溶媒和物の形態で使用することができる。該プロドラッグは
、上記のアシルオキシアルキルカルバメート結合基の少なくとも1つを生成させ
ることによって製造される。用語「医薬的に許容し得る塩」とは、無機酸および
有機酸から誘導させた無毒の酸付加塩を意味する。適当な塩誘導体としては、ハ
ライド、チオシアン酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、アリール
スルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水
素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、アルカン酸塩、シクロアルキルアルカン酸
塩、アリールアルカン酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、
安息香酸塩、フマル塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、乳酸塩、マレ
イン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、ペクチン酸塩、ピクリ
ン酸塩、ピバル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、カ
ンファースルホン酸塩、二グルコン酸塩、トリフルオロ酢酸塩などを含む。
【0038】 用語「溶媒和物」とは、1つ以上の溶質分子(すなわち、プソイドマイシンプ
ロドラッグ化合物)と一緒に、1つ以上の医薬的な溶媒(例えば、水、エタノー
ルなど)を含む凝集物を意味する。溶媒が水である場合には、凝集物は水和物と
呼ばれる。加熱しながら適当な溶媒中に該プロドラッグを溶解させ、そしてゆっ
くりと冷却させてアモルファス状または結晶性の溶媒和形態を得ることによって
、通常、溶媒和物は生成する。
【0039】 各プソイドマイシン化合物、半合成プソイドマイシン誘導体、プソイドマイシ
ンプロドラッグおよびそれらの混合物を、当該分野の当業者にとって知られる様
々な方法のいずれかによって検出し、測定し、単離しおよび/または精製するこ
とができる。例えば、ブロスまたは単離物もしくは精製した組成物中でのプソイ
ドマイシンまたはプソイドマイシンプロドラッグの活性レべルを、真菌(例えば
、カンジダ)についての抗真菌作用によって測定することができ、且つ高速液体
クロマトグラフィーによって単離し、精製することができる。
【0040】 活性成分(すなわち、プソイドマイシンプロドラッグ)は典型的に医薬的な投
与形態に製剤化されて、容易に制御可能な用量の薬物が得られて、且つ患者、医
師または獣医師は製品をエレガントで容易に取扱える。製剤は、0.1重量%〜
99.9重量%(通常、約10重量%〜約30重量%がより好ましい)の活性成
分を含有することができる。
【0041】 本明細書で使用する用語「単位量」または「単位用量」とは、目的の治療学的
な効果を与えるように算出した予め決定した量の活性成分を含む、物理的に別個
な単位を意味する。単位用量を経口投与または非経口投与する場合には、そのも
のは典型的に錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤の小袋、局所組成物、坐剤、水剤、
計量したアンプル単位または多数回投与用の容器などの形態で得ることができる
。或いは、単位用量を、吸入したりまたは噴射することができる乾燥または液体
のエアロゾル剤の形態で投与することができる。
【0042】 投与する用量は、動物の身体的な特徴、動物の症状の激しさ、薬物を投与する
のに使用する方法および動物の種類に依存して変わり得る。ある動物についての
具体的な用量は、通常看護している医師または獣医師の判断によって決まる。
【0043】 適当な担体、希釈物および賦形剤は、当該分野の当業者にとってよく知られて
おり、このものは炭水化物、ワックス、水溶性および/または膨潤性のポリマー
、親水性または親油性の物質、ゼラチン、油、溶媒、水などの物質を含む。使用
するある担体、希釈剤または賦形剤は、活性成分を適用する方法および目的に応
じて変わる。該製剤は、湿潤剤、滑沢剤、界面活性剤、緩衝化剤、張度調節剤(
tonicity agent)、バルク剤、安定剤、乳化剤、懸濁剤、保存剤、甘味剤、芳香
剤、香味剤およびそれらの組合せをも含むことができる。
【0044】 医薬組成物を、多数の方法を用いて投与することができる。適当な方法として
は、例えば局所(例えば、軟膏またはスプレー剤)、経口、注射および吸入を含
む。使用するある処置法は立ち向かう感染の種類に応じて変わるであろう。
【0045】 非経口静脈内適用の場合には、製剤は典型的に希釈するかまたは再構成するか
(凍結乾燥の場合)、必要ならば投与の前に更に希釈する。凍結乾燥製品につい
ての再構成の操作に関する指示の例としては、バイアルに注射用の水(WFI)
(10mL)を加えて、静かに撹拌して溶解させることである。典型的な再構成
の時間は、1分間よりも短い。次いで、投与する前に、得られた溶液を更に注入
溶液(例えば、水中のデキストロース5%(D5W))中で希釈する。
【0046】 プソイドマイシン化合物は、抗真菌活性(例えば、様々な感染性真菌の増殖の
抑制)を示すことが分かっている。該真菌としては、例えばカンジダ種(すなわ
ち、C.アルビカンス、C.パロプシロシス(parapsilosis)、C.クルセイ(
krusei)、C.グラブラタ(glabrata)、C.トロピカリスまたはC.ルシタニ
アウ(lusitaniaw));トルロプス(Torulopus)種.(すなわち、T.グラブ
ラタ);アスペルギルス種(すなわち、A.フミガーツス);ヒストプラスマ種
(すなわち、H.カプスラーツム);クリプトコックス種(すなわち、C.ネオ
ホルマンス);ブラストミセス種(すなわち、B.デルマチチジス);フサリウ
ム種;白癬菌種、シュードアルシェリア・ポイジイ、コクシジオイデス・イミテ
ィス(immitis)、スポロスリックス・シェンクキー(schenckii)などを含む。
【0047】 それ故に、本発明の化合物および製剤は、全身真菌感染または真菌皮膚感染の
いずれかと闘うのに使用するための薬物の製造において有用である。従って、真
菌活性を阻害するための方法を提供するが、該方法は本発明のプソイドマイシン
プロドラッグと真菌とを接触させることを含む。好ましい方法は、カンジダアル
ビカンスまたはアスペルギルスフミガーツス活性を阻害することを含む。用語「
接触させること」とは、本発明の化合物と真菌との結合もしくは接合、または顕
著なタッチ、または相互に接することを含む。該用語は、プロセス(例えば、抑
制の機構によるプロセス)について更にいかなる限定を行なうものではない。該
方法は、該化合物の作用およびそれら化合物に内在する抗真菌性質によって寄生
虫および真菌の活性を阻害することを包含するものと定義する。
【0048】 本発明の医薬製剤の有効な量を該処置が必要な宿主に投与することを含む真菌
感染の処置法をも提供する。好ましい方法としては、例えばカンジダ・アルビカ
ンスまたはアスペルギルス・フミガーツス感染を処置することを含む。用語「有
効な量」とは、活性化合物の真菌活性を阻害することができる量を意味する。投
与用量は、感染の性質および激しさ、宿主の年齢および通常の健康状態、抗真菌
剤に対する宿主の耐性および宿主の種類などの因子に依存して変わるであろう。
同様に、ある投与レジメはこれらの因子に従って変わり得る。該薬物を1日1回
投与で、または1日かけて多数回投与で与えることができる。該レジメは約2〜
3日から約2〜3週間またはそれ以上にわたって続けることができる。典型的な
1日用量(1回投与でまたは多数回投与で投与する)は、投与レベルが約0.0
1mg/体重kg〜100mg/体重kgの間の活性化合物であることを含む。
好ましい1日用量は通常、約0.1mg/kg〜約60mg/kgであり、約2
.5mg/kg〜約40mg/kgの間であることがより好ましい。宿主は通常
、ヒト、コンパニオン動物(例えば、イヌ、ネコおよびウマ)、食料源の動物(
例えば、ウシ、ブタ、ヒツジおよび飼鳥類)、動物園の動物、海洋動物、鳥類お
よび他の同様な動物種を含む。
【0049】実施例 以下の略号を、各々の下記に示す物質を示すのに実施例を通して使用する。 ACNは、アセトニトリルを示す。 TFAは、トリフルオロ酢酸を示す。 DMFは、ジメチルホルムアミドを示す。 EDCIは、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイ
ミド・塩酸塩を示す。 BOCは、t−ブトキシカルボニル、(CH)C−O−C(O)−を示す。 CBZは、ベンジルオキシカルボニル、CCH−O−C(O)−を示
す。 PyBOPは、ベンゾトリゾール−1−イルオキシ−トリピロリジノホスホニ
ウム・ヘキサフルオロホスフェートを示す。 TBTUは、o−ベンゾトリアゾ−ル−1−イル−N,N,N’,N’−テト
ラメチルウロニウム・テトラフルオロボレートを示す。 DIEAは、N,N−ジイソプロピルエチルアミンを示す。
【0050】 以下の構造式IIを、実施例1〜7において観察される生成物を記載するのに
使用する。
【化30】
【0051】抗菌活性の検出および定量化 抗菌活性を、標準寒天希釈試験またはディスク分散試験を用いて化合物の最小
阻止濃度(MIC)を得ることによってインビトロで測定した。抗真菌活性を試
験する際に用いる典型的な真菌はカンジダ・アルビカンスである。試験試料(5
0μL)がC.アルビカンスx657を播種した寒天プレート上の直径10〜1
2mmの阻止ゾーンを生じた場合に、抗菌活性は有意であるとみなす。
【0052】尾の静脈の毒性 マウスについて、試験化合物(20mg/kg)の0.1mLを用いて、外側
の尾の静脈に0、24、48および72時間時に静脈内(IV)処理した。各群
は2匹のマウスを含む。注射のために、化合物を5.0%デキストロースおよび
減菌した水中で製剤化した。最初の処置後の7日間、該マウスを追跡し、刺激作
用の徴候(例えば、紅斑、膨張、変色、壊死、尾の欠失)および毒性の指標とな
る有害な影響の他のいずれかの徴候を綿密に観察した。
【0053】 該研究で使用するマウスは非近交系であって、雄性のICRマウスは平均体重
が18〜20gである(これは、Harlan Sparangue Dawl
ey、インディナアナポリス、INから入手可能である)。
【0054】 製造例4−ブロモメチル−1−5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オン(1a− 1)の製造:
【化31】 4,5−ジメチル−1,3−ジオキソレン−2−オン(0.1モル)、N−ブ
ロモスクシンイミド(0.1モル)および2,2−アゾビス(2−メチルプロピ
オニトリル)(0.1g)の四塩化炭素(CCl)(70mL)の混合物を加
熱還流した。6時間後、該混合物を氷を用いて冷却し、ろ過した。そのろ液を水
(2×50mL)、塩化ナトリウム溶液(2×50mL)および更に水(50m
L)を用いて洗浄した。溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて乾固させて
、真空下で乾燥して油状物(16.5g、収率は85%)を得た。このものの H−NMRデータは構造1a−1と一致する。
【0055】化合物(1a−2)の製造:
【化32】 化合物1a−2を、Synthetic Comunication,22(
9),1297(1992)に記載の方法を用いて製造して、粗油状物(11.
5g、収率は78%)を得た。
【0056】化合物1a−3の製造:
【化33】 化合物1a−2(粗油状物)(11.5g)、37%HCl(500mL)お
よびメタノール(300mL)の混合物を4℃で終夜撹拌した。次いで、該混合
物を濃縮して油状物を得た。カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン
(1:1))による精製を行なうことにより、生成物(5.27g、33.8%
)を得た。これらのH−NMRデータは構造1a−3と一致する。
【0057】化合物1a−4の製造:
【化34】 化合物1a−3(3.0g)およびピリジン(2.02g)のクロロホルム(
30mL)混合物を0〜4℃まで冷却した。該混合物に、p−ニトロフェニルク
ロロホルメート(5.08g)のクロロホルム(30mL)溶液を加え、約4.
5時間撹拌させた。該混合物を冷1%水酸化ナトリウム(3×30mL)、1N
HCl(2×30mL)、水(2×30mL)およびブライン(2×30mL
)を用いて洗浄した。溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ジクロロメタン
を用いて洗浄した。溶媒を除去することにより、油状物を得て、このものは放置
すると固化した。該固体をジクロロメタン(10mL)中で砕き、ヘキサンを加
えて沈殿物を生成させた。該混合物をろ過し、ヘキサンで洗浄し、真空下で終夜
乾燥させて生成物(6.39g、収率は94%)を得た。このもののH−NM
Rデータは構造1a−4と一致した。
【0058】化合物1b−1の製造:
【化35】 化合物1b−1を、Synthesis、1159(1990)に記載の方法
を用いて製造することができる。
【0059】化合物1b−2の製造:
【化36】 1b−1(4.57g、30mmol)のジクロロメタン(40mL)溶液
を0℃で、N−ヒドロキシスクシンイミド(3.91g、34mmol)および
ピリジン(2.7g、34mmol)のジクロロメタン(100mL)溶液に加
えた。0℃で30分間撹拌後、該混合物を室温で終夜放置した。次いで、該混合
物を4回水洗し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過した後、溶媒を蒸発
させて、油状の粗生成物(4.0g、収率は58%)を得た。このもののH−
NMRデータは構造1b−2と一致した。
【0060】CBZで保護したプソイドマイシンB(2a−1)の製造: DMF(20mg/ml、Aldrich Sure Seal)中にプソイ
ドマイシンBを溶解し/懸濁する。室温で撹拌しながら、N−(ベンジルオキシ
カルボニルオキシ)スクシンイミド(6当量)を加える。室温で32時間撹拌さ
せた。HPLC(4.6×50mm、3.5μm、300−SB、C8、Zor
baxカラム)によって反応を追跡する。室温で高圧回転蒸発機を用いて反応液
を10mLまで濃縮する。クロマトグラフィーによる精製を準備するまで、物質
を冷凍庫におく。凍結乾燥後、逆相プレパラティブHPLC精製を行なうことに
より、アモルファス状の白色固体(化合物2a−1)を得る。
【0061】化合物2b−1の製造:1’、R1’’およびR1’’’はHである。 Rは−NH(シクロプロピル)である。 Rは−OHである。 2b−1 CBZで保護したプソイドマイシンB(2a−1)(400mg、0.25m
mol)を乾燥DMF(4mL)に溶解する。TBTU(79mg、0.25m
mol)、DIEA(200μL、6当量)およびシクロプロピルアミン(14
.2mg、0.25mmol)を連続して加えた。反応液を窒素下、室温で撹拌
し、その間HPLCによって追跡した。完結後、反応液を真空下で濃縮した。粗
生成物をプレパラティブHPLCによって精製した。凍結乾燥することにより、
無色の粉末(209.2mg、51.1%)を得た。
【0062】 3−アミド化合物(279.1mg、0.169mmol)を、水素バルーン
下、1%HOAC/MeOH中で10%Pd/Cによる触媒作用によって水素添
加を行なった。反応液をろ過し、真空下で濃縮した。残渣を水:ACN(1:1
)混合物中で砕き、次いで凍結乾燥して無色の粉末(2b−1)(208,3m
g、98.6%)を得た。該構造はH−NMRによって証明した。
【0063】化合物3a−1の製造:1’、R1’’およびR1’’’はHである。 Rは−OCHである。 Rは−CHである。 3a−1 50mLの丸底フラスコを、無水エタノール(10mL)およびCBZで保護
したプソイドマイシンB(2a−1)(251.7mg、0.156mmol)
で満たした。この混合物に、酸性化したエタノール(予めHClガスを用いて酸
性とする)(〜1mL)を加え、反応液を室温で終夜撹拌させた。次いで、溶媒
を真空下で除去し、その残渣をMeOH(10mL)/氷酢酸(1.5mL)の
溶液中に溶解することによる更なる精製を行なうことなく、次の工程に使用した
。10%Pd/C(249.7mg)を用いて標準的な水素添加を30分間行な
い、ろ過することによって触媒を除き、プレパラティブHPLCにより精製し、
凍結乾燥後、化合物3a−1(120.9mg)を得た。MS(イオンスプレー
)(C5596ClN1219として計算)(M+H) 理論値:126
4.89、実測値:1264.3。
【0064】C18側鎖(4a−1)の製造:
【化37】 キラルアセタール4a−1(6.22g、19.1mmol)のジクロロメタ
ン(190mL)溶液に、−78℃でトリメチルアリルシラン(10.9mL、
68.69mmol)を加え、続いてニートのTiCl(2.94mL、26
.71mmol)を加えた。その反応液を−78℃で1時間、次いで−40℃で
2時間撹拌した。この後、反応液をメタノール(15mL)を用いてクエンチし
、ジクロロメタン(200mL)を用いて希釈した。得られた反応混合物を1N
HCl(2×50mL)、水およびブラインを用いて洗浄した。有機相を乾燥
し、真空下で濃縮して残渣を得て、このものをシリカゲルクロマトグラフィー(
10%EtOAc/ヘキサン)により精製して目的物4b−1(5.51g、7
8%)を得た。
【0065】 4b−1(8.56g、23.3mmol)のジクロロメタン(155ml)
溶液に、PCC(10.0g、46.5mmol)を加えた。反応液を室温で1
8時間撹拌し、次いでセライトのパッドを通してろ過した。該ろ液を真空下で濃
縮して赤みがかった残渣を得て、このものをシリカゲルクロマトグラフィー(1
0%EtOAc/ヘキサン)により精製することによって、メチルケトン中間体
(構造は示さない)(8.36g、80%)を得た。ここで得られた中間体(8
.36g、22.8mmol)をTHF(60mL)およびMeOH(30mL
)に溶解した。この溶液に、7.5M KOH(15mL)を加えた。室温で3
時間撹拌後、溶媒の一部を除去した。残りの反応混合物をEtOAc/Et
(比率は3:1、350mL)を用いて希釈した。有機相を水(3×50mL)
およびブラインを用いて洗浄した。得られた有機相を乾燥し、真空下で濃縮して
残渣を得て、このものをシリカゲルクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘ
キサン)によって精製して、白色固体の目的物4c−1(6.22g、96%)
を得た。
【0066】 カルビノール4c−1(6.22g、22.0mmol)を水性THF溶液(
水(5.5mL)およびTHF(55mL))に溶解した。この溶液に、NMO
(4.42g、33.0mmol)を加え、続いてOsO(280mgをTH
Fに溶解したもの、1.10mmol)を加えた。該反応液を室温で終夜撹拌し
た。この後、二硫化ナトリウム(4g)を加えた。反応液を2時間撹拌し、次い
でEtOAc(300mL)を用いて希釈した。混合物の全てを水(2×40m
L)およびブラインを用いて洗浄した。その得られた有機相を乾燥し、真空下で
濃縮して、相当するトリオール中間体を得た。この物質をMeOH(200mL
)および水(40mL)に溶解した。この溶液に、NaIO(10.6g、4
9.5mmol)を加えた。室温で1時間撹拌後、反応液をセライトを通してろ
過し、短いカラムシリカゲルクロマトグラフィー(30%のEtOAc/ヘキサ
ン)によって精製して、粗β−ヒドロキシルアルデヒド(〜10g、>100%
)を得た。その結果得られた不純なアルデヒドをt−BuOH(100mL)お
よびシクロヘキセン(14mL)に溶解した。この溶液に、室温でNaClO (15.97g、176mmol)およびKHPO(17.8g、132m
mol)の水溶液(50mL)を加えた。反応液を室温で6時間撹拌し、次いで
5N HClを用いて0℃でクエンチしてpHを4とした。該反応液をEtOA
c/EtOの混合溶媒(3:1の比率)(3×250mL)を用いて抽出した
。有機相をブラインを用いて洗浄し、乾燥し、濃縮して、粗酸4d−1(7.3
g、>100%)を得て、このものをカップリング反応に直接に使用した。
【0067】プソイドマイシンC18(化合物4b−2)の製造:
【化38】 粗酸4d−1(2.1g、6.99mmol)を乾燥THF(20mL)および
DMF(20mL)に溶解した。この溶液に、HOBt(1.23g、9.08
mmol)およびEDCI(1.74g、9.08mmol)を加えた。室温で
8時間撹拌後、CBZで保護したプソイドマイシン骨格(3.87g、2.80
mmol)を加えた。反応液を室温で2日間撹拌した。この後、溶媒を一部除去
した。その反応混合物を精製のためにプレパラティブ逆相HPLCシステムにロ
ードした(4回注入)。凍結乾燥後、CBZで保護したC18アシル誘導体4a −2 (550mg、12%)と合わせてHOBt活性側鎖エステル(1g)を単
離した。次に、その回収した側鎖エステル(1.0g、2.40mmol)を乾
燥THFおよびDMF(各々10mL)中で、CBZで保護したプソイドマイシ
ン骨格(1.33g、0.96mmol)と反応させた。直ぐ上に記載したのと
同じ精製法に従って、CBZで保護したC18誘導体4a−2(660mg、3
8%)を更に得た。
【0068】 CBZで保護したC18誘導体4a−2(550mg、0.33mmol)の
10% HOAc/MeOH溶液(55mL)に、−78℃でPd/C(550
mg、10%パラジウム含有)を加えた。該反応液を1.5加圧下で40分間水
素添加を行なった。反応の進行を分析用HPLCによって追跡した。完結後、触
媒をろ過し、ろ液を真空下、30℃で濃縮した。得られた残渣を水性アセトニト
リル(1:1)に再び溶解し、凍結乾燥して目的物4b−2(250mg、60
%)を得た。
【0069】 以下の実施例の各々において、具体的なプソイドマイシン化合物を出発物質と
して使用する。しかしながら、異なるN−アシル基を有するプソイドマイシン化
合物を出発とすることを除いた同様な製法を用いて、他のN−アシル誘導体を製
造することができることを、当該分野の当業者は認めるであろう。
【0070】実施例1 以下の実施例は、プソイドマイシンC’(n=12、RおよびRは−OH
である)のモノ−、ジ−およびトリ置換のアシルオキシカルキルカルバメートプ
ロドラッグの製造を示す。
【0071】 プソイドマイシンC’(1.5g、1当量)を含有するDMF溶液(1L)に
、化合物1a−4(1.5当量)を加え、該混合物を室温で約3日間撹拌した。
溶媒を一部除去して、残渣を逆相HPLC(Waters(登録商標)、Del
ta Pak C18カラム)によって精製して、以下の生成物および該生成物
の混合物を得た: 純粋なモノ置換のプソイドマイシンC’(1−1)(86mg); モノ置換のプソイドマイシンC’(1−2)(87mg); ジ置換のプソイソマイシンC’(1−3)(177mg); 純粋なジ置換のプソイドマイシンC’(1−4)(132mg);および トリ置換のプソイドマイシンC’(1−5)(248mg)。 トリ置換プロドラッグまたはジ置換プロドラッグ混合物の場合には、尾静脈の
痙攣は全く観察されなかった。純粋なモノ置換プロドラッグ、モノ置換プロドラ
ッグ試料と純粋なジ置換プロドラッグ試料の混合物の場合には、ある程度の痙攣
が観察された。それと比較して、無置換のプソイドマイシンC’および無置換の
プソイドマイシンBは、尾静脈の痙攣をはっきりと示した。純粋なジ置換プロド
ラッグ試料を除く全ての試料が、有意なインビボ効能(ED50>20mg/k
g×4)を示した。
【0072】 R1’、R1’’および/またはR1’’’
【化39】 であり、nは10、12および14である構造式IIのモノ−、ジ−およびトリ
−置換のプロドラッグ試料もまた、上と同様な製法を用いて製造した。
【0073】 化合物1−1および1−5は、親化合物であるプソイドマイシンC’と同程度
のインビボ効能を示した。化合物1−5の場合には、尾静脈の痙攣は全く観察さ
れず、化合物1−1の場合には、改善された尾静脈の毒性プロフィールが観察さ
れた。驚くべきことに、化合物1−4の場合には、インビボ効能は全く観察され
なかった。
【0074】 実施例2 以下の実施例は、プソイドマイシンB(n=10、RおよびRは−OHで
ある)のモノ−、ジ−およびトリ−置換のアシルオキシアルキルカルバメートプ
ロドラッグの製造について例示する。
【0075】 ジメチルホルムアミド(500mL)に溶解したプソイドマイシンB(2.0
g、1.65mmol)溶液に、化合物1b−2(574mg、2.47mmo
l)を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。次いで、溶液を約50mLにまで
濃縮し、該生成物をHPLC(0〜30%の0.1%TFA/ACNを5分間、
および30〜70%のTFA/ACNを40分間とする勾配溶出スキームを使用
する)によって精製を行なった。合わせて59%の収率を観察した。
【0076】 3つの単離した生成物(モノ置換プロドラッグ(化合物(2−1)、ここでR 1’ およびR1’’はHであり、R1’’’は−C(O)OCHOAcである
);ジ置換プロドラッグ(化合物2−2)、ここでR1’およびR1’’は−C
(O)OCHOAcであって、R1’’’はHである)およびトリ置換プロド
ラッグ(化合物2−3、ここでR1’、R1’’およびR1’’’は−C(O)
OCHOAcである))については全て試験を行ない、それらはマウスの全身
カンジダ症についてインビボ効能を示した。しかしながら、尾静脈の毒性は陽性
であった。
【0077】実施例3 上記の実施例2の方法と同様な一般的方法を用いて、プソイドマイシンB(こ
こで、nは10であって、RおよびRは−OHである)のモノ−、ジ−およ
びトリ−置換プロドラッグ(ここで、R1’、R1’’およびR1’’’は−C
(O)OCHOC(O)C(CHである)を製造した。以下の5つの試
料を単離した: 3−1 モノ置換R1’’’3−2 混合型 モノ置換R1’およびR1’’3−3 混合型 ジ置換R1’’’+R1’およびR1’’’+R1’’3−4 ジ置換 R1’+R1’’3−5 トリ置換 R1’+R1’’+R1’’’
【0078】 試料3−13−3および3−5の各々は、陰性の尾静脈毒性を示した。5つ
全ての試料が、マウスの全身カンジダ症についてインビボ効能を示した。
【0079】実施例4 上記の実施例2の方法と同様な一般的方法を用いて、プソイドマイシンC’(
nは12であって、RおよびRは−OHである)のモノ−、ジ−およびトリ
置換のプロドラッグ(ここで、R1’、R1’’およびR1’’’は−C(O)
OCHOC(O)C(CHである)を製造した。以下の5つの試料を単
離した: 4−1 モノ置換 R1’’’4−2 混合型 モノ置換R1’およびR1’’4−3 混合型 ジ置換R1’’’+R1’およびR1’’’+R1’’4−4 ジ置換 R1’+R1’’4−5 トリ置換 R1’+R1’’+R1’’’
【0080】 試料4−1については試験を行なわなかった。試料4−34−4および4− の全てが、陰性の尾静脈毒性を示した。試料4−24−34−4および −5 全てがマウスの全身カンジダ症についてインビボ効能を示した。
【0081】実施例5 上記の実施例2に記載の方法と同様の一般的な方法を用いて、プソイドマイシ
ンB(nは10である)のモノー、ジ−およびトリ置換のプロドラッグ(ここで
、R1’、R1’’および/またはR1’’’は−C(O)OCH(CH)O
C(O)CHである)を製造した。トリ置換の誘導体(化合物5−1)につい
てだけ試験を行なった。該トリ置換の化合物は、陰性の尾静脈毒性を示した。
【0082】実施例6 上記の実施例2に記載の方法と同様な一般的方法を用いて、プソイドマイシン
B(nは10であって、RおよびRは−OHである)のモノ−、ジ−および
トリ置換のプロドラッグ(ここで、R1’、R1’’および/またはR1’’’ は−C(O)OCHOC(O)CHCHである)を製造した。トリ置換誘
導体(化合物6−1)についてだけ試験を行なった。該トリ置換の化合物は、尾
静脈の痙攣を伴なわずに、マウスの全身カンジダ症について良好なインビボ効能
を示した。
【0083】実施例7 上記の実施例2に記載の方法と同様な一般的方法を用いて、プソイドマイシン
B(ここで、nは10であって、RおよびRは−OHである)のモノ−、ジ
−およびトリ−置換プロドラッグ(ここで、R1’、R1’’および/またはR
’’’は−C(O)OCHOC(O)CH(CH)CHである)を製造
した。該トリ置換誘導体(化合物7−1)についてだけ試験を行なった。該トリ
置換化合物は、尾静脈の痙攣を伴なわずに、マウスの全身カンジダ症について良
好なインビボ効能を示した。
【0084】実施例8 実施例8および実施例9は、半合成のプソイドマイシン化合物からのプロドラ
ッグ(ここで、該プソイドマイシン構造のL−セリン単位のペンダントなN−ア
シル基は修飾されている)の製造について例示する。
【0085】 上記の実施例2に記載の方法と同様な一般的方法を用いて、プソイドマイシン
C−18(ここで、nは14であって、RおよびRは−OHである)(4b −2 )のモノ−、ジ−およびトリ−置換のプロドラッグ(ここで、R1’、R ’’ および/またはR1’’’は−C(O)OCHOC(O)C(CH である)を製造した。該トリ置換の誘導体(化合物8−1)についてだけ試験を
行なった。該トリ置換の化合物は、陰性の尾静脈の毒性を示した。
【0086】実施例9 上記の実施例2に記載の方法と同様な一般的方法を用いて、プソイドマイシン
C−18(ここで、nは14であって、RおよびRは−OHである)(4b −2 )のモノー、ジーおよびトリ−置換のプロドラッグ(ここで、R1’、R ’’ および/またはR1’’’は−C(O)OCHOC(O)CH(CH
CHである)を製造した。該トリ置換の誘導体(化合物9−1)についてだけ
試験を行なった。該トリ置換の化合物は陰性の尾静脈の毒性を示した。
【0087】実施例10 実施例10は、上記のプロドラッグの更なる改良(ここで、プソイドマイシン
環のアスパラギン酸単位のカルボン酸基を修飾して、3−モノアミド誘導体を得
る)について更に例示する。
【0088】化合物10−1、10−2、10−3、10−4および10−5の製造:1’、R1’’、R1’’’は−C(O)OCHOC(O)C(CH である。 Rは−NHCHCHN(CHである。 Rは−OHである。 10−1 プロドラッグ3−5(864mg、0.52mmol)のDMF(9mL)溶
液に、1−ジメチルアミノ−3−アミノエタン(57.9μL,0.52mmo
l)およびTBTU(168.6mg、0.52mmol)を加え、続いてジイ
ソプロピルエチルアミン(423μL)を加えた。室温で20分間撹拌後、反応
混合物を逆相HPLC(ACN:0.1%のTFA/水)によって精製した。凍
結乾燥することにより、化合物10−1(295mg、34%)を得た。
【0089】 R1’、R1’’およびR1’’’は−C(O)OCHOC(O)C(CH である。 Rは−NH(シクロプロピル)である。 Rは−OHである。 10−2 1−ジメチルアミノ−2−アミノエタンの代わりにシクロプロピルアミン(0
.052mmol)を使用することを除いて上記の方法と同様の製法を用いて、
化合物10−2を製造する。
【0090】 R1’、R1’’およびR1’’’は−C(O)OCHOC(O)C(CH である。 Rは−NHCH(COCH)である。 Rは−OHである。 10−3 1−ジメチルアミノ−2−アミノエタンの代わりにグリシンメチルエステルを
使用することを除いて上記の方法と同様な製法を用いて、化合物10−3を製造
する。
【0091】 R1’、R1’’およびR1’’’は−C(O)OCHOC(O)CH(C
である。 Rは−NHCHCHN(CHである。 Rは−OHである。 10−4 プロドラッグ3−5の代わりにプロドラッグ7−1(0.052mmol)を
使用することを除いて上記の方法と同様な製法を用いて、化合物10−4を製造
する。
【0092】 R1’、R1’’およびR1’’’は−C(O)OCHOC(O)CH(C
である。 Rは−NH(シクロプロピル)である。 Rは−OHである。 10−5 プロドラッグ3−5の代わりにプロドラッグ7−1(0.052mmol)を
使用し、1−ジメチルアミノ−2−アミノエタンの代わりにシクロプロピルアミ
ンを使用する点を除いて上記の方法と同様な製法を用いて、化合物10−5を製
造する。
【0093】実施例11 実施例11は、プソイドマイシン化合物(ここで、プソイドマイシン環のアス
パラギン酸単位のカルボン酸基は修飾されて3−アミド誘導体を形成する)の製
造について例示する。
【0094】3−モノアミド誘導体11−1の製造:
【化40】 化合物2b−1(1当量)を含有するDMF(1L)溶液に、化合物1a−4
(1.5当量)を加え、該混合物を室温で約3日間撹拌した。該溶媒を一部除去
し、残渣を逆相HPLC(Waters(登録商標)、Delta Pak C
18カラム)によって精製して、化合物11−1と合わせて他のモノ−およびジ
−置換生成物を得た。
【0095】 実施例12 実施例12は、プロドラッグ(ここで、アスパラギン酸単位およびヒドロキシ
アスパラギン酸単位の両方のカルボン酸基は修飾されて、ビスエステル誘導体を
形成する)の製造について例示する。ビスエステル12−1の製造
【化41】 化合物3a−1(1当量)を含有するDMF(1L)溶液に、化合物1a−4
(1.5当量)を加え、該混合物を室温で約3日間撹拌した。溶媒を一部除去し
、残渣を逆相HPLC(Water(登録商標)、Delta Pak C18
カラム)によって精製して、化合物12−1を他のモノ−およびジ−置換生成物
と合わせて得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM, HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT ,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW, MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR ,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 マイケル・ジョン・ロドリゲス アメリカ合衆国46278インディアナ州イン ディアナポリス、ゴードンシャー・コート 7649番 (72)発明者 スン・シチェン アメリカ合衆国80027コロラド州スペリオ ー、グレイズ・ピーク・ドライブ923番 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA07 BA01 BA10 BA17 BA25 MA01 NA06 NA15 ZA902 ZB352 ZC612 4H045 AA10 AA30 BA15 BA33 CA11 EA29 FA52 FA73

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造式: 【化1】 を有するプソイドマイシンプロドラッグ、並びにその医薬的に許容し得る塩およ
    び溶媒和物。 [式中、 Rは、式: 【化2】 (ここで、RおよびRa’は独立して水素もしくはメチルであるか、またはR もしくはRa’のいずれかがアルキルアミノであって、RもしくはRb’
    一緒になって6員シクロアルキル環、6員芳香環もしくは二重結合を形成するか
    、またはRと一緒になって6員芳香環を形成する。 RおよびRb’は独立して水素、ハロゲンもしくはメチルであるか、または
    もしくはRb’のいずれかがアミノ、アルキルアミノ、α−アセトアセテー
    ト、メトキシもしくはヒドロキシである。 Rは水素、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシアルコキシであ
    るか、またはRと一緒になって6員芳香環もしくはC〜Cシクロアルキル
    環を形成する。 Rは水素であるか、またはRと一緒になって6員芳香環、C〜C14
    ルコキシ置換の6員芳香環もしくはC〜C14アルキル置換の6員芳香環であ
    る。そして、 Rは、C〜C18アルキル、C〜C11アルコキシまたはビフェニルで
    ある) であるか; Rは、式: 【化3】 (ここで、Rは、水素またはC〜C13アルキルである。そして、 Rは、C〜C15アルキル、C〜C15アルコキシ、(C〜C10
    ルキル)フェニル、−(CH−アリール、または−(CH−(C 〜Cシクロアルキル)であって、nは1または2である) であるか; Rは、式: 【化4】 (ここで、Rは水素、ハロゲンまたはC〜Cアルコキシであって、mは1
    、2または3である) であるか; Rは、式: 【化5】 (ここで、RはC〜C14アルコキシまたはC〜C14アルキルであって
    、pは0、1または2である) であるか; Rは、式: 【化6】 (ここで、RはC〜C14アルコキシである) であるか;または、 Rは、−(CH)−NR−(C13〜C18アルキル) (ここで、RはH、−CHまたは−C(O)CHである) である。 Rは独立して水素、アシルオキシメチレン−1,3−ジオキソレン−2−オ
    ンまたはアシルオキシメチレンカルボキシレートであるが、但し、少なくとも1
    つのRはアシルオキシメチレン−1,3−ジオキソレン−2−オンまたはアシ
    ルオキシメチレンカルボキシレートである。 RおよびRは独立して、−OR2aまたは−N(R2b)(R2c)であ
    って、R2aおよびR2bは独立して、水素、C〜C10アルキル、C〜C シクロアルキル、ヒドロキシ(C〜C10)アルキル、アルコキシ(C
    10)アルキル、C〜C10アルケニル、アミノ(C〜C10)アルキル
    、モノ−もしくはジ−アルキルアミノ(C〜C10)アルキル、アリール(C 〜C10)アルキル、ヘテロアリール(C〜C10)アルキルまたはシクロ
    ヘテロアルキル(C〜C10)アルキルであるか、あるいは R2bは、アミノ酸アルキルエステルのカルボン酸アルキル残基である。そし
    て、 R2cは、水素またはC〜Cアルキルである]
  2. 【請求項2】 アシルオキシメチレン−1,3−ジオキソレン−2−オンが
    、構造式1(a): 【化7】 [式中、R1aは、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、ベンジル
    またはアリールであって、R1bは水素またはメチルである] によって示される、請求項1に記載のプロドラッグ。
  3. 【請求項3】 アシルオキシメチレンカルボキシレートが、構造式(1b)
    : 【化8】 [式中、R1aはC〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、ベンジルま
    たはアリールであって、R1bは水素またはメチルである] によって示される、請求項1に記載のプロドラッグ。
  4. 【請求項4】 Rが構造式: 【化9】 [式中、Rb’はヒドロキシであり、R、Ra’、R、R、RおよびR は全て水素であり、そしてRはn−オクチルである] によって示される、請求項2に記載のプロドラッグ。
  5. 【請求項5】 Rは構造式: 【化10】 [式中、Rb’はヒドロキシであり、R、Ra’、R、R、RおよびR は全て水素であり、そしてRはn−オクチルである] によって示される、請求項3に記載のプロドラッグ。
  6. 【請求項6】 アミノ酸アルキルエステルのカルボン酸アルキル残基が、−
    CHCOCH、−CH(COCH)CH(CH、−CH(CO CH)CH(フェニル)、−CH(COCH)CHOH、−CH(C
    CH)CH(p−ヒドロキシフェニル)、−CH(COCH)CH SH、−CH(COCH)CH(CHNH、−CH(CO
    )CH(4−イミダゾール)、−CH(COCH)CH(5−イミ
    ダゾール)、−CH(COCH)CHCOCHまたは−CH(CO CH)CHCONH)によって示される、請求項1に記載のプロドラッ
    グ。
  7. 【請求項7】 構造式: 【化11】 を有するプソイドマイシンプロドラッグ、並びにその医薬的に許容し得る塩およ
    び溶媒和物。 [式中、 Rは、式: 【化12】 (ここで、RおよびRa’は独立して水素もしくはメチルであるか、またはR もしくはRa’のいずれかがアルキルアミノであって、RもしくはRb’
    一緒になって6員シクロアルキル環、6員芳香環もしくは二重結合を形成するか
    、またはRと一緒になって6員芳香環を形成する。 RおよびRb’は独立して水素、ハロゲンもしくはメチルであるか、または
    もしくはRb’のいずれかがアミノ、アルキルアミノ、α−アセトアセテー
    ト、メトキシもしくはヒドロキシである。 Rは水素、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシアルコキシであ
    るか、またはRと一緒になって6員芳香環もしくはC〜Cシクロアルキル
    環を形成する。 Rは水素であるか、またはRと一緒になって6員芳香環、C〜C14
    ルコキシ置換の6員芳香環もしくはC〜C14アルキル置換の6員芳香環であ
    る。そして、 Rは、C〜C18アルキル、C〜C11アルコキシまたはビフェニルで
    ある) であるか; Rは、式: 【化13】 (ここで、Rは、水素またはC〜C13アルキルである。そして、 Rは、C〜C15アルキル、C〜C15アルコキシ、(C〜C10
    ルキル)フェニル、−(CH−アリール、または−(CH−(C 〜Cシクロアルキル)であって、nは1または2である) であるか; Rは、式: 【化14】 (ここで、Rは水素、ハロゲンまたはC〜Cアルコキシであって、mは1
    、2または3である) であるか; Rは、式: 【化15】 (ここで、RはC〜C14アルコキシまたはC〜C14アルキルであって
    、pは0、1または2である) であるか; Rは、式: 【化16】 (ここで、RはC〜C14アルコキシである) であるか;または、 Rは、−(CH)−NR−(C13〜C18アルキル) (ここで、RはH、−CHまたは−C(O)CHである) である。 Rは独立して、水素、アシルオキシメチレン−1,3−ジオキソレン−2−
    オンまたはアシルオキシメチレンカルボキシレートであるが、但し、少なくとも
    1つのRはアシルオキシメチレン−1,3−ジオキソレン−2−オンまたはア
    シルオキシメチレンカルボキシレートである。 RおよびRは独立して、−OR2aまたは−N(R2b)(R2c)であ
    って、R2aおよびR2bは独立して、水素、C〜C10アルキル、C〜C シクロアルキル、ヒドロキシ(C〜C10)アルキル、アルコキシ(C
    10)アルキル、C〜C10アルケニル、アミノ(C〜C10)アルキル
    、モノ−もしくはジ−アルキルアミノ(C〜C10)アルキル、アリール(C 〜C10)アルキル、ヘテロアリール(C〜C10)アルキルまたはシクロ
    ヘテロアルキル(C〜C10)アルキルであるか、あるいは R2bは、アミノ酸アルキルエステルのカルボン酸アルキル残基である。そし
    て、 R2cは、水素またはC〜Cアルキルである]
  8. 【請求項8】 アシルオキシメチレン−1,3−ジオキソレン−2−オンは
    構造式1(a): 【化17】 [式中、R1aはC〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、ベンジルま
    たはアリールであって、そしてR1bは水素またはメチルである] によって示される、請求項7に記載のプロドラッグ。
  9. 【請求項9】 アシルオキシメチレンカルボキシレートは、構造式1(b)
    : 【化18】 [式中、R1aはC〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、ベンジルま
    たはアリールであって、そしてR1bは水素またはメチルである] によって示される、請求項7に記載のプロドラッグ。
  10. 【請求項10】 Rは構造式: 【化19】 [式中、Rb’はヒドロキシであり、R、Ra’、R、R、RおよびR は全て水素であって、そしてRはn−オクチルである] によって示される、請求項8に記載のプロドラッグ。
  11. 【請求項11】 Rは構造式: 【化20】 [式中、Rb’はヒドロキシであり、R、Ra’、R、R、RおよびR は全て水素であって、そしてRはn−オクチルである] によって示される、請求項9に記載のプロドラッグ。
  12. 【請求項12】 アミノ酸アルキルエステルのカルボン酸アルキル残基が、
    −CHCOCH、−CH(COCH)CH(CH、−CH(C
    CH)CH(フェニル)、−CH(COCH)CHOH、−CH(
    COCH)CH(p−ヒドロキシフェニル)、−CH(COCH)C
    SH、−CH(COCH)CH(CHNH、−CH(CO CH)CH(4−イミダゾール)、−CH(COCH)CH(5−イ
    ミダゾール)、−CH(COCH)CHCOCHまたは−CH(CO CH)CHCONH)によって示される、請求項7に記載のプロドラ
    ッグ。
  13. 【請求項13】 全身真菌感染または真菌皮膚感染と闘う際に使用するため
    の薬物の製造における、請求項1〜12のいずれかに記載の化合物の使用。
  14. 【請求項14】 請求項1〜7のいずれかに記載のプソイドマイシンプロド
    ラッグおよび医薬的に許容し得る担体を含む医薬製剤。
  15. 【請求項15】 動物の真菌感染を処置するための薬物であって、請求項1
    〜7のいずれかに記載の化合物を含む薬物。
  16. 【請求項16】 真菌感染の処置が必要な動物における該感染の処置法であ
    って、該動物に請求項7、8、9、10または11のいずれかに記載のプロドラ
    ッグを投与することを含む方法。
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