JP2003515610A - シュードマイシンホスフェートプロドラッグ - Google Patents

シュードマイシンホスフェートプロドラッグ

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JP2003515610A
JP2003515610A JP2001542721A JP2001542721A JP2003515610A JP 2003515610 A JP2003515610 A JP 2003515610A JP 2001542721 A JP2001542721 A JP 2001542721A JP 2001542721 A JP2001542721 A JP 2001542721A JP 2003515610 A JP2003515610 A JP 2003515610A
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シュ・フイ・チェン
スン・シチェン
ジャン・ヤンジ
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Eli Lilly and Co
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Abstract

(57)【要約】 構造式(A)[式中、R1はホスフェート ベンジルオキシカルバメートまたはホスフェート メチレンオキシカルバメート結合である]によって示されるシュードマイシンプロドラッグを記載する。このホスフェートプロドラッグは抗真菌活性を示し、親シュードマイシン化合物より有毒な副作用が少ない。 【化51】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の属する分野 本発明はシュードマイシン化合物、特にシュードマイシン化合物のホスフェー
トプロドラッグに関する。
【0002】 発明の背景 シュードマイシンは、シュードモナス・シリンガエ(Pseudomonas syringae)
(植物関連細菌)の液体培養から単離される天然産物であり、抗真菌活性を有す
ることが示されている(すなわち Harrison, L., et al., "Pseudomycins, a fa
mily of novel peptides from Pseudomonas syringae possessing broad-spectr
um antifungal activity," J. Gen. Microbiology, 137(12), 2857-65 (1991)
および米国特許第5,576,298号および第5,837,685号を参照)
。以前に記載された P. syringae 由来の抗真菌剤(例えば、シリンゴマイシン
、シリンゴトキシンおよびシリンゴスタチン)と異なり、シュードマイシンA−
Cはヒドロキシアスパラギン酸、アスパラギン酸、セリン、デヒドロアミノ酪酸
、リシンおよびジアミノ酪酸を含有する。シュードマイシンA、A’、B、B’
、C、C’のペプチド部分は、N末端セリンのOH基上でマクロ環式環を閉環す
る末端カルボキシル基を有するL−Ser−D−Dab−L−Asp−L−Ly
s−L−Dab−L−aThr−Z−Dhb−L−Asp(3−OH)−L−T
hr(4−Cl)に対応する。このアナログはN−アシル側鎖によって区別され
る。すなわち、シュードマイシンAは3,4−ジヒドロキシテトラデカノエート
によって、シュードマイシンA’は3,4−ジヒドロキシペンタデカノエートに
よって、シュードマイシンBは3−ヒドロキシテトラデカノエートによって、シ
ュードマイシンB’は3−ヒドロキシドデカノエートによって、シュードマイシ
ンCは3,4−ジヒドロキシヘキサデカノエートによって、ならびにシュードマ
イシンC’は3−ヒドロキシヘキサデカノエートによってN−アシル化されてい
る(すなわち Ballio, A., et al., "Novel bioactive lipodepsipeptides from
Pseudomonas syringae: the pseudomycins," FEBS Letters, 355(1), 96-100,
(1994) および Coiro, V.M., et al., "Solution conformation of the Pseudom
onas syringae MSU 16H phytotoxic lipodepsipeptide Pseudomycin A determin
ed by computer simulations using distance geometry and molecular dynamic
s from NMR data," Eur. J. Biochem., 257(2), 449-456 (1998) を参照)。
【0003】 シュードマイシンは一定の有害な生物学的作用を有することが知られている。
例えば、シュードマイシンを静脈内投与した場合、血管内皮の破壊、組織の破壊
、炎症、および宿主組織に対する局所的毒性が観察された。したがって、現在観
察されている有害な副作用を有さない、真菌感染の処置に有用なこのクラス内の
化合物を同定する必要がある。
【0004】 本発明の簡単な要約 本発明は、抗真菌剤として有用な、以下の構造式によって示されるシュードマ
イシンプロドラッグを提供する。
【化29】 [式中、Rは
【化30】 (式中、 RおよびRa’は独立して、水素またはメチルであるか、あるいはRまた
はRa’のいずれかはアルキルアミノであり、RまたはRb’といっしょにな
って6員シクロアルキル環、6員芳香環または二重結合を形成するか、あるいは
といっしょになって6員芳香環を形成し; RおよびRb’は独立して水素、ハロゲン、またはメチルであるか、あるい
はRまたはRb’のいずれかはアミノ、アルキルアミノ、α−アセトアセテー
ト、メトキシ、またはヒドロキシであり; Rは水素、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、ヒドロキシC−Cアル
コキシであるか、あるいはRといっしょになって6員芳香環またはC−C シクロアルキル環を形成し; Rは水素であるか、あるいはRといっしょになって6員芳香環、C−C 14 アルコキシ置換6員芳香環、またはC−C14アルキル置換6員芳香環で
あり、ならびに、 RはC−C18アルキル、またはC−C11アルコキシである)である
か; Rは
【化31】 (式中、 Rは水素、またはC−C13アルキルであり、ならびに、 RはC−C15アルキル、C−C15アルコキシ、(C−C10アル
キル)フェニル、−(CH)−アリール、または−(CH)−(C−C
クロアルキル)であり、ここにn=1または2である)であるか;あるいは、 Rは
【化32】 (式中、 Rは水素、ハロゲン、またはC−Cアルコキシであり、ならびに、 mは1、2または3である)であるか; Rは
【化33】 (式中、 RはC−C14アルコキシまたはC−C14アルキルであり、ならびに
p=0、1または2である)であるか; Rは
【化34】 (式中、 RはC−C14アルコキシである)であるか;あるいは、 Rは−(CH)−NR−(C13−C18アルキル)(ここに、RはH、−
CHまたは−C(O)CHである)であり; Rは独立して水素または式1(a) 、1(b) 、または1(c):
【化35】 (式中、 R1aは水素、C−Cアルキル(例えばメチル、エチル、n−プロピル、
i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチルなど)、ベン
ジル、または−CHCHSi(CH)であり、ならびに、 R1bは水素またはC−Cアルキルである) で表される基であり、 ただし少なくとも1つのRは式1(a) 、1(b) または1(c) で表される
基であり; RおよびRは独立して−OR2aまたは−N(R2b)(R2c)であり、 ここに、 R2aおよびR2bは独立して水素、C−C10アルキル(例えばメチル、
エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、
t−ブチルなど)、C−Cシクロアルキル(例えばシクロプロピル、シクロ
ブチル、シクロペンチル、シクロペンチルメチレン、メチルシクロペンチル、シ
クロヘキシル、など)、ヒドロキシ(C−C10)アルキル、アルコキシ(C
−C10)アルキル(例えばメトキシエチル)、またはC−C10アルケニル
、アミノ(C−C10)アルキル、モノ−またはジ−アルキルアミノ(C−C
10)アルキル、アリール(C−C10)アルキル(例えばベンジル)、ヘテロ
アリール(C−C10)アルキル(例えば3−ピリジルメチル、4−ピリジルメ
チル)、またはシクロヘテロアルキル(C−C10)アルキル(例えばN−テト
ラヒドロ−1,4−オキサジニルエチルおよびN−ピぺラジニルエチル)である
か、あるいは、 R2bはアミノ酸アルキルエステルのアルキルカルボキシラート残基(例えば
−CHCOCH、−CH(COCH)CH(CH)、−CH(CO
CH)CH(フェニル)、−CH(COCH)CHOH、−CH(COCH )CH(p−ヒドロキシフェニル)、−CH(COCH)CHSH、−C
H(COCH)CH(CH)NH、−CH(COCH)CH(4−
または5−イミダゾール)、−CH(COCH)CHCOCH、−CH(
COCH)CHCONH、など)であり、ならびに、 R2cは水素またはC−Cアルキルである] ならびに製薬的に許容されるその塩および溶媒和物。
【0005】 好ましい態様では、Rは構造式:
【化36】 (式中、Rb’は水素であり、R、Ra’、R、R、R、およびR
すべて水素であり、ならびにRはn−オクチルである) で表される。
【0006】 本発明の別の態様では、上記シュードマイシンプロドラッグおよび製薬的に許
容される担体を含む医薬製剤を提供する。
【0007】 本発明のさらに別の態様では、抗真菌感染を処置する方法であって、それを必
要としている動物に上記シュードマイシンプロドラッグを投与することを含む方
法を提供する。さらに動物における抗真菌感染の処置に使用するための薬物の製
造における上記シュードマイシンプロドラッグの使用を提供する。
【0008】 定義 本明細書中で用いられる用語「アルキル」とは、特に記載しない限り、1〜3
0炭素原子を含む一般式:C2n+1で示される炭化水素基を表す。アルカ
ン基は直鎖(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、分岐鎖(例えば
イソプロピル、イソブチル、第三級ブチル、ネオペンチル、など)、環式基(例
えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、
シクロヘキシル、など)、または多環式基(例えばビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ン、スピロ[2.2]ペンタン、など)であり得る。このアルカン基は置換されて
いてもよいし、非置換であってもよい。同様に、アルコキシ基、アルカノイル、
またはアルカノエートのアルキル部分は上と同一の定義を有する。
【0009】 用語「アルケニル」とは、少なくとも1炭素炭素二重結合を含む非環式の炭化
水素を表す。このアルケン基は直鎖、分岐鎖、環式基または多環式基であってよ
い。このアルケン基は置換されていてもよいし、非置換であってもよい。アルケ
ノキシ、アルケノイルまたはアルケノエート基のアルケニル部分は上と同一の定
義を有する。
【0010】 用語「アリール」とは、単一(例えばフェニル)または融合環系(例えばナフ
タレン、アントラセン、フェナントレン、など)を有する芳香族部分を表す。ア
リール基は置換されていてもよいし、非置換であってもよい。
【0011】 有機化学の分野内、および特に有機生化学の分野内では、化合物の重大な置換
が許容され、あるいは有用でさえあることが広く理解されている。本発明では、
例えば、用語アルキル基は伝統的アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、
ヘキシル、イソオクチル、ドデシル、ステアリル、などである置換基を許容する
。用語「基」とは、特に、当分野に一般的であるアルキル基上の置換基、例えば
ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、カルボニル、ケト、エステル、カルバメー
ト、などを想定し、かつ許容し、ならびに非置換のアルキル部分を含む。しかし
、当業者に一般に理解されているように、置換基は化合物の薬理学的性質に有害
に影響しないようにか、あるいは薬物の使用を有害に妨害しないように選択され
るべきである。上に定義される任意の基に関して適当な置換基には、アルキル、
アルケニル、アリール、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メル
カプト、アルキルチオ、アリールチオ、モノ−およびジ−アルキルアミノ、第四
級アンモニウム塩、アミノアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、アミノアル
キルチオ、カルバミル、カルボニル、カルボキシ、グリコリル、グリシル、ヒド
ラジノ、グアニル、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0012】 用語「プロドラッグ」とは、体内の代謝過程による変換(バイオトランスフォ
ーメーション)のせいで薬理学的作用を生じさせるクラスの薬物を表す。本発明
では、シュードマイシンプロドラッグ化合物は血漿内のエステラーゼによって分
解可能であり、活性な薬物を生じさせるリンカーを含む。
【0013】 用語「動物」とは、ヒト、伴生動物(例えばイヌ、ネコおよびウマ)、食用動
物(ウシ、ブタ、ヒツジおよび飼鳥類)、動物界の動物、海洋動物、トリおよび
他の同様の動物種を表す。
【0014】 発明の詳細な説明 発明者らは、シュードマイシン天然または半合成産物のプロドラッグ誘導体が
、対応する天然産物と比べてより少ない有害副作用を提供し、かつ C. albican
、C. neoformans、および A. fumigatus に対するインビボ効力を維持すること
を発見した。このプロドラッグは、シュードマイシンシクロペプチド環系内のリ
シンまたは2,4−ジアミノ酪酸ペプチド単位に結合した少なくとも1つのペン
ダントアミノ基をアシル化し、アシルホスフェート置換基(群)を形成させるこ
とによって生産される。このホスフェートアシル化剤(またはリンカー)は一般
に以下の式1a−L1b−Lまたは1c−Lを有する化合物である:
【化37】 [式中、Lは、シュードマイシン構造上、ペンダントアミノ酸とのカルバメート
結合が形成可能である適当な脱離基である]。適当な脱離基は当業者に周知であ
り、これには、p−ニトロフェノキシおよびN−オキシスクシンイミドのような
基が含まれる。R1aおよびR1bは上に定義されるとおりである。
【0015】 ベンジルホスフェートリンカー(1a−L)は以下の反応式Iに示される合成
経路を用いて合成することができる。説明のために、p−ニトロフェノキシ脱離
基を有する特定のパラ−フェニルメチレン置換アシル化化合物を記載する。しか
し、同一の基本的合成方法を用いて種々の誘導体(オルト置換誘導体(1b−L
)を含む)を合成できることが当業者には理解されよう。
【化38】 反応式I
【0016】 合成手法のより詳細な説明に関しては、以下の実施例の製造段落を参照のこと
【0017】 ホスフェートリンカー(1a−Lまたは1b−L)(式中、R1aは−CH CHSi(CH)である)は、Li, J., et al., Bioorg. Med. Chem. Lett.
, 8, 3159-3164 (1998) に記載されるように、四塩化炭素中、ビス−テオクホス
ファイト(bis-teocphosphite)を4−ヒドロキシベンジルアルコールと酸化的
カップリングさせることによって製造することができる。ビス−テオクホスファ
イトは、McCombie, et al., J. Chem. Soc., 381 (1945) に記載のように、2−
2−トリメチルシリルエタノールおよびPClから製造することができる。
【0018】 メチレンホスフェートリンカー(1c−L)は、以下の反応式IIに示される
合成経路を用いて合成することができる。説明のために、N−スクシンイミド脱
離基を伴う特定のアシル化化合物を記載する。しかし、同一の基本的合成方法を
用いて種々の誘導体が合成できることが当業者には理解されよう。
【化39】 反応式II
【0019】 この合成手法のより詳細な説明に関しては、以下の実施例の製造段落を参照の
こと。ホスフェートトリエステル(メチレンオキシおよびベンジルオキシ誘導体
)は、水素化(例えばメタノール中水素−Pd/C)によりそのモノエステル誘
導体に変換することができる。
【0020】 上に記載されるように、シュードマイシンは細菌シュードモナス・シリンガエ
から単離された天然産物であり、これはラクトン結合によって閉環された環式ペ
プチド部分を含み、異常アミノ酸、4−クロロスレオニン(ClThr)、3−
ヒドロキシアスパラギン酸(HOAsp)、2,3−デヒドロ−2−アミノ酪酸
(Dhb)、および2,4−ジアミノ酪酸(Dab)を含むリポデプシノナペプ
チドとして特徴付けされている。種々のシュードマイシンアナログ(A,A’,
B、B’、C、およびC’)を生産する P. syringae の種々の株の培養方法は
以下に記載されるものであり、Hilton, et al. により2000年4月14日に
提出されたPCT特許出願第PCT/US00/08728号(標題 "Pseudomy
cin Production by Pseudomonas Syringae")(これは引用により本明細書中に
包含される)、Kulanthaivel, et al. により2000年4月14日に提出され
たPCT特許出願第PCT/US00/08727号(標題 "Pseudomycin Natu
ral Products")(これは引用により本明細書中に包含される)、ならびに米国
特許第5,576,298号および第5,837,685号(これらはそれぞれ
引用により本明細書中に包含される)により詳細に記載されている。
【0021】 1またはそれ以上のシュードマイシンを生産する P. syringae の単離株は当
分野に既知である。野生型株MSU174およびトランスポゾン突然変異誘発に
より作成されたこの株の変異体、MSU16H(ATCC 67028)は米国
特許第5,576,298号および第5,837,685号;Harrison, et al.
, "Pseudomycins, a family of novel peptides from Pseudomonas syringae po
ssessing broad-spectrum antifungal activity, " J. Gen. Microbiology, 137
, 2857-2865 (1991); and Lamb et al.,"Transposon mutagenesis and tagging
of fluorescent pseudomonas: Antimycotic production is necessary for cont
rol of Dutch elm disease," Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84, 6447-6451 (19
87) に記載されている。
【0022】 1またはそれ以上のシュードマイシンを生産するのに適当な P. syringae 株
は、植物(例えば大麦植物、カンキツ属植物、およびハシドイ属植物)、ならび
に土壌、水、空気、および塵を含む環境の供給源から単離できる。好ましい株は
植物から単離されるものである。環境の供給源から単離される P. syringae 株
は野生型と称することができる。本明細書中で用いられる「野生型」とは、P. s
yringae の通常集団中に天然に存在する優勢遺伝子型(例えば、天然に見られる
ものであり、実験室の操作によって生産されたものではない P. syringae の株
または単離体)を表す。ほとんどの生物と同様に、用いられるシュードマイシン
を生産する培養(P. syringae 株、例えばMSU 174、MSU 16H、MS
U 206、25−B1、7H9−1)の特徴をバリエーションに付する。これ
ゆえ、これらの株の子孫(例えば、組換え体、変異体、バリアント)は当分野に
既知の方法によって得ることができる。
【0023】 P. syringae MSU 16Hは、American Type Culture Collection, Parklaw
n Drive, Rockville, MD, USA から受入れ番号ATCC 67028として公に
利用可能である。P. syringae 株 25−B1、7H9−1、および67 H1
は2000年3月23日に American Type Culture Collection に寄託され、以
下の受入れ番号を割り当てられた: 25−B1 受入れ番号PTA−1622 7H9−1 受入れ番号PTA−1623 67 H1 受入れ番号PTA−1621。
【0024】 P. syringae の変異体株はまた、1またはそれ以上のシュードマイシンの生産
に適当である。本明細書中で用いられる「変異体」とは、株の表現型における突
然の遺伝的変化を表し、これは自発的であるか、あるいは既知の変異原性物質、
例えば放射線(例えば紫外線放射またはX線)、化学変異原(例えばメタンスル
ホン酸エチル(EMS)、ジエポキシオクタン、N−メチル−N−ニトロ−N’
−ニトロソグアニン(NTG)、および亜硝酸)、部位特異的突然変異誘発、お
よびトランスポゾン媒介性突然変異誘発によって誘導されたものであり得る。P.
syringae のシュードマイシン生産変異体は、この細菌を、1またはそれ以上の
シュードマイシンを過剰生産する変異体を作成するのに有効な量の変異原性物質
で処理することによって生産でき、これは1シュードマイシン(例えばシュード
マイシンB)を他のシュードマイシンに比べて過剰に生産するか、あるいは有利
な生育条件下で1またはそれ以上のシュードマイシンを生産する。用いられるべ
き変異原性物質のタイプおよび量は変化し得るが、好ましい方法はNTGを1〜
100μg/mLの範囲の量に連続希釈することである。好ましい変異体はシュ
ードマイシンBを過剰発現し、最小規定培地で生育するものである。
【0025】 P. syringae の環境単離体、変異体株、および他の望ましい株は、生育性の所
望の性質、培養培地栄養源、炭素源、培養条件、アミノ酸要求性、などに関する
選択に付することができる。好ましくは、P. syringae のシュードマイシン生産
株を最小規定培地、例えばN21培地での生育ならびに/あるいは約10μg/
mL以上の量の1またはそれ以上のシュードマイシンの生産に関して選択する。
好ましい株は、3種またはより少ない種類のアミノ酸および、場合により、脂質
、ポテト産物またはそれらの組み合わせを含む培地で培養した場合に、1または
それ以上のシュードマイシンを生産する性質を示すものである。
【0026】 組換え株は、当分野に既知の手法を用いて P. syringae 株を形質転換するこ
とによって開発できる。組換えDNA技術の使用により、P. syringae 株を形質
転換し、これらの株が生産する抗生物質に加えて種々の遺伝子産物を発現するよ
うにできる。例えば、多重コピーの内因性シュードマイシン生合成遺伝子を導入
し、より多量のシュードマイシン収量を達成するように株を修飾できる。
【0027】 P. syraingae の野生型または変異体株から1またはそれ以上のシュードマイ
シンを生産するために、生体を有効量の3種またはより少ない種類のアミノ酸、
好ましくはグルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、またはこれらの組み合わせを
含む水性栄養培地中、攪拌しながら培養する。別法では、グリシンを1またはそ
れ以上のポテト産物および脂質と混合する。P. syringae の生育および所望のシ
ュードマイシンまたはシュードマイシン(群)の生産に有効な条件下で培養を行
う。有効な条件は、約22℃〜約27℃の温度、約36時間〜約96時間の期間
を含む。P. syringae の培養中、培地中の酸素の濃度を制御することはシュード
マイシンの生産に有益である。好ましくは、酸素量を約5〜50%飽和、より好
ましくは約30%飽和で維持する。空気、純粋酸素、または酸素を含むガス混合
物でスパージし、培地中の酸素濃度を調節できる。
【0028】 また P. syringae の培養中、培地のpHを制御することは有益である。シュ
ードマイシンは塩基性pHで不安定であり、培養培地のpHが約6以上である場
合、約12時間以上の間に重大な分解が生じ得る。好ましくは、培養培地のpH
は6〜4の範囲で維持される。P. syringae はバッチ培養で培養された場合、1
またはそれ以上のシュードマイシンを生産できる。しかし、フィード槽(fed-ba
th)または半連続フィード(semi-continuous feed)のグルコースおよび場合に
より、pHを制御するための酸または塩基(例えば、水酸化アンモニウム)は生
産を高める。シュードマイシン生産は、グルコースおよび水酸化アンモニウムが
自動的にフィードされる連続培養法を用いることによってさらに高めることがで
きる。
【0029】 P. syringae 株の選択は、生産されるシュードマイシンまたはシュードマイシ
ン群の量および分布に影響し得る。例えば、株MSU 16Hおよび67 H1
はそれぞれ、主にシュードマイシンAを生産するが、またシュードマイシンBお
よびCを、典型的には4:2:1の割合で生産する。株67 H1は、株MSU
16Hと比べて典型的に約3〜5倍量のシュードマイシンを生産する。株MS
U 16Hおよび67 H1と比べて、株25−B1はより多くのシュードマイ
シンBおよびより少ないシュードマイシンCを生産する。株7H9−1は、主に
シュードマイシンBを生産する点ではっきり区別でき、他の株より多量のシュー
ドマイシンBを生産する。例えば、この株はシュードマイシンAまたはCのいず
れよりも少なくとも10倍過剰のシュードマイシンBを生産できる。
【0030】 別法では、このプロドラッグはN−アシル半合成化合物から形成できる。半合
成シュードマイシン化合物は、L−セリンユニット上のN−アシル基を交換する
ことによって合成することができる。種々のN−アシル誘導体の例は、Chen, et
al により2000年6月8日に提出されたPCT出願第PCT/US00/1
5017号(標題 "Pseudomycin N-Acyl Side-Chain Analogs")に記載されてお
り、これは引用により本明細書中に包含される。一般に、4つの合成工程を用い
て、天然に存在するシュードマイシン化合物から半合成化合物を製造する: (1)選択的アミノ保護;(2)N−アシル側鎖の化学的または酵素的脱アシル
化;(3)種々の側鎖を用いる再アシル化;および(4)アミノ基の脱保護。
【0031】 第2位、第4位および第5位のペンダントアミノ基は、アミノ保護に関して当
業者に既知の任意の標準的手段を用いて保護することができる。用いられるアミ
ノ保護基の正確な類および種は、誘導されたアミノ基が、中間体分子の他の位置
での以後の反応の条件に対して安定であり、適当な時点で、任意の他のアミノ保
護基(群)を含む分子の残りの部分を乱すことなく選択的に除去できる限り重要
ではない。適当なアミノ保護基には、ベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベ
ンジルオキシカルボニル、p−ブロモベンジルオキシカルボニル、p−メトキシ
ベンジルオキシカルボニル(p-methoxybenxyloxycarbonyl)、p−メトキシフェ
ニルアゾベンジルオキシカルボニル、p−フェニルアゾベンジルオキシカルボニ
ル、t−ブチルオキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、およびフ
タリミドが含まれる。好ましいアミノ保護基には、t−ブトキシカルボニル(t
−Boc)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、フタリミド、およびベン
ジルオキシカルボニル(CbzまたはCBZ)である。適当な保護基のさらなる
例は、T.W. Greene, "Protective Groups in Organic Synthesis, " John Wiley
and Sons, New York, N.Y., (2nd ed., 1991), 第7章に記載されている。
【0032】 ガンマまたはデルタヒドロキシル化側鎖(例えば、3,4−ジヒドロキシテト
ラデコノエート)を有するN−アシル基の脱アシル化は、このアミノ保護された
シュードマイシン化合物を水性溶媒中の酸で処理することによって達成すること
ができる。適当な酸には、酢酸およびトリフルオロ酢酸が含まれる。トリフルオ
ロ酢酸を用いる場合、この反応は室温または室温に近い温度で行うことができる
。しかし、酢酸を用いる場合、一般にこの反応は約40℃で行う。適当な水性溶
媒系には、アセトニトリル、水、およびそれらの混合物が含まれる。有機溶媒は
反応を促進する;しかし、有機溶媒を加えると他の副産物が生じ得る。側鎖上の
デルタまたはガンマヒドロキシ基を欠いているシュードマイシン化合物(例えば
シュードマイシンBおよびC’)は酵素的に脱アシル化することができる。適当
なデアシラーゼ酵素には、ポリミキシンアシラーゼ(Polymyxin Acylase)(1
64−16081 脂肪アシラーゼ(Fatty Acylase)(粗製)または161−1
6091 脂肪アシラーゼ(純粋)(Wako Pure Chemical Industries, Ltd.))
またはECBデアシラーゼが含まれる。酵素的脱アシル化は、当業者に周知の標
準的脱アシル化手順を用いて行うことができる。例えばポリミキシンアシラーゼ
を用いる一般的手法は、Yasuda, N., et al., Agric. Biol. Chem., 53, 3245 (
1989) および Kimura, Y., et al., Agric. Biol. Chem., 53, 497 (1989) に見
出だすことができる。
【0033】 カルボニル活性化剤の存在下、所望のアシル基の対応する酸を用いて、脱アシ
ル化生成物(シュードマイシン核としても知られている)を再アシル化する。「
カルボニル活性化基」とは、そのカルボニルにおける求核付加反応を促進するカ
ルボニルの置換基を表す。適当な活性化置換基は、カルボニルに対する正味の電
子吸引効果を有するものである。このような基には、アルコキシ、アリールオキ
シ、窒素を含む芳香族ヘテロ環式基、またはアミノ基(例えば、オキシベンゾト
リアゾ-ル、イミダゾリル、ニトロフェノキシ、ペンタクロロフェノキシ、N−
オキシスクシンイミド、N,N’−ジシクロヘキシルイソウレ−O−イル、およ
びN−ヒドロキシ−N−メトキシアミノ);アセテート;フォルメート;スルホ
ナート(例えば、メタンスルホナート、エタンスルホナート、ベンゼンスルホナ
ート、およびp−トリルスルホナート);およびハライド(例えば、クロライド
、ブロミド、およびヨーダイド)が含まれるがこれらに限定されない。
【0034】 アシル化工程には種々の酸を用いることができる。適当な酸には、1またはそ
れ以上のペンダントアリール、アルキル、アミノ(第一級、第二級、および第三
級アミンを含む)、ヒドロキシ、アルコキシ、およびアミド基を含む脂肪族酸;
脂肪族鎖内に窒素または酸素を含む脂肪族酸;アルキル、ヒドロキシ、アルコキ
シおよび/またはアルキルアミノ基で置換されている芳香族酸;およびアルキル
、ヒドロキシ、アルコキシおよび/またはアルキルアミノ基で置換されているヘ
テロ芳香族酸が含まれる。
【0035】 別法では、ヒドロキシベンゾトリアゾール樹脂(HOBt−樹脂)をアシル化
反応のカップリング剤として用いる固相合成を用いることができる。
【0036】 (上記のように)アミノ基を脱アシル化し、再アシル化した後、水素化触媒(
例えば10% Pd/C)の存在下で水素化することによって(第2位、第4位
および第5位の)アミノ保護基を除去できる。アミノ保護基がアリルオキシカル
ボニルである場合、保護基は水素化トリブチルスズおよびトリフェニルホスフィ
ンパラジウムジクロライドを用いて除去できる。この特定の保護/脱保護反応工
程は、シュードマイシン構造のZ−Dhb単位のビニル基の水素化に関するポテ
ンシャルを減少させる利点を有する。
【0037】 次いで、N−アシル修飾半合成シュードマイシン化合物のリシンまたは2,4
−ジアミノ酪酸ペプチド単位に結合した少なくとも1つのペンダントアミノ基ア
シル化することによって所望のカルバメート結合を形成させ、プロドラッグを生
産する。
【0038】 シュードマイシン環のアスパラギン酸および/またはヒドロキシアルパラギン
酸単位のペンダントカルボン酸基のアミド化またはエステル化によって他の修飾
プロドラッグシュードマイシン化合物を合成することができる。種々の酸修飾誘
導体の例は、Chen, et al. により2000年6月8日に提出されたPCT出願
第PCT/US00/15021号(標題 "Pseudomycin Amide & Ester Analog
s")に記載されており、これは引用により本明細書中に包含される。酸修飾誘導
体は、上に記載される任意のプロドラッグを適当なアルコールまたはアミンと縮
合させ、それぞれのエーテルまたはアミドを製造することによって形成させるこ
とができる。
【0039】 当業者に周知の標準的エステル化手法を用いることによってエステル基の形成
を行うことができる。酸性条件下でのエステル化は、典型的に、適当なアルコー
ル中、プロトン性酸(例えば、HCl、TFAなど)の存在下、シュードマイシ
ン化合物を溶解あるいは懸濁することを含む。塩基性条件下において、一般に、
弱い塩基(例えば重炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウム)の存在下、シュードマ
イシン化合物を適当なアルキルハライドと反応させる。
【0040】 当業者に周知の標準的アミド化手法を用いてアミド基の形成を行うことができ
る。しかし、カップリング剤の選択は酸基の選択的修飾を提供する。例えば、カ
ップリング剤としてベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリピロリジノホス
ホニウム ヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)を用いると、残基8にお
ける純粋なモノ−アミドおよび(場合により)同時に純粋なビスアミドを単離す
ることが可能になる。一方、o−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’
,N’−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレート(TBTU)をカッ
プリング剤として用いると、残基3におけるモノアミドの形成に好ましい。
【0041】 シュードマイシンプロドラッグを単離し、そのままか、あるいはその製薬的に
許容される塩または溶媒和物の形態で用いることができる。前述のように少なく
とも1つのホスフェートカルバメート結合を形成させることによってプロドラッ
グを製造する。用語「製薬的に許容される塩」とは、無機および有機酸から誘導
された無毒の酸付加塩を表す。適当な塩誘導体には、ハライド、チオシアン酸塩
、硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、アリールスルホン酸塩、アルキル
硫酸塩、ホスホン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロ
ホスホン酸塩、アルカン酸塩、シクロアルキルアルカン酸塩、アリールアルカン
酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、フマル酸
塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、ニコチン
酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、ペクチニン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸
塩s、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、カンフルスルホン酸塩、
ジグルコン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、などが含まれる。
【0042】 用語「溶媒和物」とは、1またはそれ以上の溶質分子(すなわちシュードマイ
シンプロドラッグ化合物)と、1またはそれ以上の製薬的溶媒、例えば水、エタ
ノール、などの集合物を表す。溶媒が水である場合、集合物は水和物と称される
。溶媒和物は一般に、プロドラッグを適当な溶媒に加熱しながら溶解し、ゆっく
り冷却することによって非晶性または結晶性溶媒和物形態を製造することによっ
て形成される。
【0043】 各シュードマイシン、半合成シュードマイシン、シュードマイシンプロドラッ
グおよび混合物を、当業者に既知の任意の種々の方法によって検出し、測定し、
単離し、ならびに/あるいは精製することができる。例えば、ブロスまたは、単
離体または精製された組成物中のシュードマイシンまたはシュードマイシンプロ
ドラッグ活性のレベルは、真菌、例えば Candida に対する抗真菌活性によって
測定でき、高性能液体クロマトグラフィーによって単離精製できる。
【0044】 活性成分(すなわちシュードマイシン誘導体)は典型的に、医薬投与剤型に製
剤化し、容易に制御可能な用量の薬物を提供し、医者、患者、または獣医に簡潔
かつ容易に取り扱うことができる製品を提供する。製剤には、0.1重量%〜9
9.9重量%、より一般的には約10重量%〜約30重量%の活性成分を含ませ
ることができる。
【0045】 本明細書中で用いられる用語「単位用量」とは、所望の治療効果を生じさせる
ように計算された、あらかじめ決められた量の活性成分を含む物理的に分けられ
た単位を表す。単位用量を経口または非経口的に投与する場合、典型的には、錠
剤、カプセル剤、ピル剤、粉末小包剤、局所組成物、坐剤、カシェ剤、アンプル
または複数用量容器中の測定された単位、などの剤型で提供される。別法として
、単位用量は、吸入またはスプレーすることができる乾燥または液状エアロゾル
の剤型で投与することができる。
【0046】 投与されるべき用量は、動物の肉体的特徴、動物の症状の重篤度、この薬物の
投与に用いられる手段に応じて変化し得る。規定の動物に関する具体的な用量は
、通常、担当医または獣医の判断によって決められる。
【0047】 適当な担体、希釈剤および賦形剤は当業者に周知であり、これにはカルボヒド
レート、ワックス、水溶性および/または吸水性ポリマー、親水性または疎水性
材料、ゼラチン、油状物、溶媒、水、などのような材料を含む。用いられる具体
的な担体、希釈剤または賦形剤は、活性成分が適用される手段および目的に依存
するだろう。また、製剤には、湿潤剤、滑沢剤、界面活性剤、緩衝液、張性剤、
充填剤、安定化剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、甘味料、香料剤、フレーバー剤
およびそれらの組み合わせを含ませることができる。
【0048】 種々の方法を用いて医薬組成物を投与することができる。適当な方法には、局
所(例えば、軟膏またはスプレー)、経口、注射および吸入が含まれる。用いら
れる具体的な処置方法は、対処する感染のタイプに依存するだろう。
【0049】 非経口iv適用では、典型的に、製剤を希釈し、あるいは再組成(凍結乾燥さ
れている場合)し、必要であればさらに希釈した後、投与する。凍結乾燥製品の
再組成説明の例は、注射用水(WFI)10mLをバイアルに加え、穏やかに攪
拌し、溶解することである。典型的な再組成時間は、1分以下である。次いで得
られた溶液を、注入溶液、例えば水中5%デキストロース(D5W)中でさらに
希釈した後、投与する。
【0050】 シュードマイシン化合物は、抗真菌活性、例えば Candida spp. (すなわち C.
Albicans, C. Parapsilosis, C. Krusei, C. Glabrata, C. Tropicalis, or C.
Lusitaniaw);Torulopus spp. (すなわち T. Glabrata); Aspergillus spp. (
すなわち A. Fumigatus); Histoplasma spp. (すなわち H. Capsulatum); Crypt
ococcus spp. (すなわち C. Neoformans); Blastomyces spp. (すなわち B. Der
matitidis); Fusarium spp.; Trichophyton spp., Pseudallescheria boydii, C
occidioides immits, Sporothrix schenckii などを含む種々の感染性真菌の生
育阻害を示すことがわかっている。
【0051】 その結果、本発明の化合物および製剤は、全身性真菌感染または真菌皮膚感染
を処置するのに用いられる医薬品の製造において有用である。したがって、本発
明のシュードマイシンプロドラッグを真菌と接触させることを含む真菌活性の阻
害方法を提供する。好ましい方法には、Candida albicans または Aspergillus
fumigatus 活性の阻害が含まれる。用語「接触」には、真菌に対する本発明の化
合物の結合または接合、見かけの接触または相互接触が含まれる。この用語は、
例えば阻害の機構による限定のような、この工程に対するさらなる限定を包含し
ない。この方法は、本化合物の作用およびその本来の抗真菌性による寄生性およ
び真菌性活性の阻害を包含するものとする。
【0052】 また、本発明の医薬製剤の有効量を、その処置を必要としている宿主に投与す
ることを含む真菌感染の処置方法を提供する。好ましい方法には、Candida albi
cans、Cryptococcus neoformans、または Aspergillus fumigatus 感染の処置が
含まれる。用語「有効量」とは、真菌活性の阻害能を有する活性化合物の量を表
す。投与される用量は、感染の性質および重篤度、宿主の年齢および全体的健康
および抗真菌剤に対する宿主の許容度のような要因に応じて変化するだろう。具
体的な投与計画も同様にこれらの要因に応じて変化し得る。医薬品は一日一回の
用量で与えてもよいし、あるいはその日に複数回の用量で与えてもよい。治療は
約2〜3日から約2〜3週間あるいはもっと長期間続くかもしれない。(単一ま
たは分割用量の)典型的な一日の用量は、約0.01mg/体重kg〜100m
g/体重kgの範囲の投与量レベルの活性化合物を含む。好ましい一日の用量は
一般に、約0.1mg/kg〜60mg/kgの範囲、より好ましくは約2.5
mg/kg〜40mg/kgの範囲であり得る。宿主は、ヒト、伴生動物(例え
ば、イヌ、ネコおよびウマ)、食用動物(例えば、ウシ、ブタ、ヒツジおよび飼
鳥類)、動物界動物、海洋動物、鳥類などを含む任意の動物であってよい。
【0053】 実施例 特に記載しない限り、すべての化学物質は Aldrich Chemical (Milwaukee, WI
) から入手できる。
【0054】 生物学的サンプル P. syringae MSU 16Hは、American Type Culture Collection, Parklaw
n Drive, Rockville, MD, USA から受入れ番号ATCC 67028として公に
入手可能である。P. syringae 株25−B1、7H9−1、および67 H1は
American Type Culture Collection に2000年3月23日に寄託され、以下
の受入れ番号: 25−B1 受入れ番号 PTA−1622 7H9−1 受入れ番号 PTA−1623 67 H1 受入れ番号 PTA−1621 を付与された。
【0055】 化学における略語 以下の略語は、実施例を通じて、それぞれの列記される材料を表すために用い
られる: ACN − アセトニトリル TFA − トリフルオロ酢酸 DMAP − 4−ジメチルアミノピリジン DMF − ジメチルホルムアミド EDCI − 1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミ
ド塩酸塩 BOC = t−ブトキシカルボニル、(CH)C−O−C(O)− CBZ = ベンジルオキシカルボニル、CCH−O−C(O)− PyBOP = ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリピロリジノホスホ
ニウム ヘキサフルオロホスフェート TBTU = o−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N',N'−テトラ
メチルウロニウム テトラフルオロボレート DIEA = N,N−ジイソプロピルエチルアミン
【0056】 以下の構造式IIを用いて、実施例1〜7において観察される生成物を記載す
る。
【化40】
【0057】抗真菌活性の検出および定量: 以下の実施例において、標準的寒天希釈試験またはディスク−ディフュージョ
ン(disc-diffusion)試験を用いて化合物の最小阻害濃度(MIC)を得ること
により抗真菌活性をインビトロで測定した。抗真菌活性を試験するのに用いられ
る典型的な真菌は Candida albicans である。抗真菌活性は、試験サンプル(5
0μL)が、C. albicans x657 をまいた寒天プレート上10〜12mm直径ゾ
ーンの阻害を生じさせる場合に有意と考える。
【0058】尾静脈毒性: 0、24、48および72時間の時点で、試験化合物(20mg/kg)0.
1mLを用い、側面尾静脈を介してマウスを静脈内(IV)処置した。各群には
2匹のマウスが含まれた。化合物を5.0%デキストロースおよび注射用滅菌水
中で製剤化した。マウスを最初の処置後7日間モニターし、紅斑、膨張、変色、
壊死、尾部喪失を含む炎症の症状および毒性を示す有害作用の任意の他の症状に
関して綿密に観察した。
【0059】 実験に用いたマウスは、平均重量18〜20gの、異系交配された雄性ICR
マウスであった(Harlan Sprangue Dawley, Indianapolis, IN)。
【0060】インビボ試験手順: 以下の実施例は、播種性カンジダ症のマウスモデルにおいて評価した。異系交
配の雄性ICRマウス(平均重量、18〜20g;Harlan Sprangue Dawley, In
dianapolis, IN)を、播種性カンジダ症ED50生存実験において用いた。Cand
ida albicans A26 を35℃で一晩、Sabouraud デキストロース寒天(SDA;D
IFCO Laboratories; Detroit, MI)スラントにおいて培養した。滅菌塩水中、こ
のスラント表面からブラストコニディア(Blastoconidia)を洗浄し、血球計算
器を用いて定量した。マウスを400r24時間、x−放射した後、Gamacell 4
0(Atomatic Energy of Canada Limited Commercial Products, Ottawa, Canada
)で感染させた。マウスを、側面尾部静脈において0.1mLの静脈内(IV)
注射(マウス当たり2×10 ブラストコニディア)によって感染させた。未
処置のコントロールは感染後3〜4日以内に瀕死であった。感染後0、4、24
および48時間の4時点で、試験化合物0.2mL(これは20、10および5
mg/kgで与えられる)を投与した。化合物を4.0%ヒドロキシプロピル
シクロデキストリンおよび酢酸ナトリウム、pH7.0バッファーおよび1.7
5%デキストロース中で製剤化した。感染擬似処置マウス(10動物)はビヒク
ルのみを投与した。罹患率および死亡率を7日間記録した。Reed and Muench の
方法を用いて50%有効用量(ED50)を測定した。Student's t 試験を用い
て未処置感染コントロールと比較した処置群における統計学的差異を測定した。
【0061】 製造例(1a−1:R1a=ベンジル)の製造
【化41】 4−ヒドロキシベンジルアルコール(657mg、5.30mmol)の冷却(−
20℃)アセトニトリル溶液(31.5mL)に、CCl(2.5mL、26
.5mmol)を加えた。得られた乳状溶液をEtPrN(1.9mL、11.3
mmol)およびDMAP(65mg、0.53mmol)で処理した。10分後、−2
0℃において反応混合物を亜リン酸ジベンジル(1.39g、5.30mmol)で
処理した。完了後、この反応混合物を0.5N KHPOでクエンチした。
有機層を分離し、保存した。水層をEtOAc(3×10mL)で抽出した。有
機層をまとめ、ブラインで洗浄し、減圧下で濃縮乾燥し、粗製の生成物1a−1 2.27gを〜100%収率で得た。 また、適当な出発物質を用い、上記と同一の一般的手法を用いて、R1a=−
CH1a−2)、R1a=−CHCH1a−3)およびR1a=−C
CHSi(CH)1a−4)である化合物を製造した。
【0062】(1b−1:R1a=ベンジル)の製造:
【化42】 粗製の1a−1(2.27g、5.3mmol)のジクロロメタン溶液(12mL
)に、0℃においてクロロギ酸p−ニトロフェニル(1.18g、5.8mmol)
を加えた。次いでこれにピリジン(0.5mL、6.1mmol)を加えた。この反
応物を0℃で2時間攪拌し、NaHCOの飽和溶液でクエンチした。この反応
混合物をEtOAcで抽出し、抽出物を水およびブラインで洗浄した。有機層を
乾燥し、減圧下で濃縮し、油状残留物を得、これをシリカゲルクロマトグラフィ
ーを用いて精製し、所望の生成物1b−1 1.55g(53%)を得た。 また、適当な出発物質を用い、上記と同一の一般的手法を用いて、R1a=−
CH1b−2)、R1a=−CHCH1b−3)およびR1a=−C
CHSi(CH)1b−4)である化合物を製造した。
【0063】(2a−1:R1b=ベンジル)の製造
【化43】 リン酸ジベンジル7.51g(27mmol)を40%水酸化テトラブチルアンモ
ニウム1.75g(27mmol)と混合し、混合物を凍結乾燥し、油状物を形成さ
せた。 また、適当な出発物質を用い、上記と同一の一般的手法を用いて、R1b=−
CHCH2a−2)およびR1b=−CHCHCH2a−3)で
ある化合物を製造した。
【0064】(2b−1:R1b=ベンジル)の製造
【化44】 化合物2a−1(2.34g、4.3mmol)をTHF25mLに溶解した。S
−エチル−ヨードメチルチオカルボナート(1.14g、4.7mmol)(Folkma
nn, et al., Synthesis, 1159 (1990) にしたがって製造)を室温で上記溶液に
加えた。この反応物を室温で一晩攪拌した。混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃
縮し、茶色油状残留物を得、これをヘキサン中の40%酢酸エチルを用いるカラ
ムクロマトグラフィーによって精製し、2b−1 0.86g(51%)を油状
物として得た。 また、適当な出発物質を用い、上記と同一の一般的手法を用いて、R1b=−
CHCH2b−2)およびR1b=−CHCHCH2b−3)で
ある化合物を製造した。
【0065】(2c−1:R1b=ベンジル)の製造
【化45】 化合物2b−1(0.46g、1.1mmol)をジクロロメタン1mLに溶解し
、−78℃に冷却した。スルホニルクロライド(0.12mL、1.49mmol)
をゆっくり加えた。混合物を−78℃で15分間攪拌し、室温にゆっくりあたた
めた。攪拌を室温で3時間継続した。この混合物を減圧下で濃縮し、必要とされ
るクロロギ酸塩中間体を得た。このように得られたクロロギ酸塩を有する粗製の
ホスフェートをジクロロメタン3mLに溶解し、0℃に冷却した。エチルジプロ
ピルアミン(0.3mL)およびヒドロキシル スクシンイミド134mgを加
えた。この混合物を室温で30分間攪拌し、粗製の2c−1を得、これを実施例
2において直接用いた。 また、適当な出発物質を用い、上記と同一の一般的手法を用いて、R1b=−
CHCH2c−2)およびR1b=−CHCHCH2c−3)で
ある化合物を製造した。
【0066】 実施例1 以下の実施例は、シュードマイシンBのモノ−、ジ−およびトリ−置換ホスフ
ェート ベンジルオキシカルバメートプロドラッグ(n=10、RおよびR
=−OH)の形成を示す。
【化46】 シュードマイシンB(604mg、0.50mmol)のDMF溶液(100mL
)を、室温において1b−1(0.909g、1.65mmol)で処理した。室温
で24時間攪拌した後、この反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた(モノ−、
ジ−および所望のトリプロドラッグを含有する)反応混合物を逆相クロマトグラ
フィーによって精製し、所望のトリプロドラッグ(1A−1)418mg(34
%)を得た。 また、適当な出発物質を用い、上記と同一の一般的手法を用いて、R1a=−
CH1A−2)、R1a=−CHCH1A−3)、およびR1a=−
CHCHSi(CH)1A−4)である化合物を製造した。
【0067】 ホスフェート トリエステルプロドラッグ1A−1は、水素化によりリン酸モ
ノエステルプロドラッグ1Bに変換することができる。
【化47】 窒素下、1A−1(110.6mg、0.045mmol)のMeOH溶液(10
mL)に10% Pd/C(60mg)を注意して加えた。この反応混合物を、
1.5気圧H下、標準的水素化に付した。30分後、この反応をストップし、
触媒をろ別した。ろ液を濃縮し、1:1 CHCN/HOで希釈し、凍結乾
燥して、生成物67.6mg(89%)を得た(質量分析によって判断すると主
にジプロドラッグ1B)。 適当な出発物質を用い、上記と同一の一般的手法を用いて、オルトベンジル誘
導体(例えば、R=1(b) 以下)を合成した。
【化48】
【0068】 実施例2 以下の実施例は、シュードマイシンBのモノ−、ジ−およびトリ−置換ホスフ
ェートおよびリン酸モノエステル メチレンオキシカルバメートプロドラッグ(
n=10、RおよびR=−OH)の形成を説明する。
【化49】 粗製の2c−1を、DMF100mL中のシュードマイシンB300mg(0
.25mmol)の溶液に加えた。この混合物を室温で一晩攪拌した。この混合物を
濃縮し、逆相調製用HPLCによって精製し、2A−1(19%)50mgを得
た。 また、適当な出発化合物を用い、上記と同一の一般的手法を用いて、R1b
−CHCH2A−2)およびR1b=−CHCHCH2A−3
である化合物を製造した。
【0069】 ホスフェートトリエステルプロドラッグ2A−1は水素化によりリン酸モノエ
ステルプロドラッグ2Bに変換することができる。
【化50】 精製された生成物2A−1をメタノール5mLに溶解した。窒素下、10%
Pd/C 50mgを加えた。水素を適用し、反応混合物を室温で1時間攪拌し
た。この混合物をろ過し、溶媒を除去した。生成物を水/アセトニトリル(1/
1)に溶解し、凍結乾燥して所望の生成物2B 32mg(90%収率)を得た
。 シュードマイシンBと比較した、シュードマイシンBのリン酸トリエステルお
よびモノエステル ベンジルオキシカルバメートプロドラッグ(1A−1、1A
−2、1A−3、1A−4および1B)およびリン酸トリエステルおよびモノエ
ステル メチレンオキシカルバメートプロドラッグ(2A−1、2A−2、2A
−3および2B)における尾部静脈毒性の改善を観察した。パラおよびオルトリ
ン酸モノエステル ベンジルオキシカルバメートプロドラッグ両者はインビボ活
性を示したが、最高のインビボ活性は化合物1Bを用いて観察された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 スン・シチェン アメリカ合衆国80027コロラド州スペリオ ー、グレイズ・ピーク・ドライブ923番 (72)発明者 ジャン・ヤンジ アメリカ合衆国02067マサチューセッツ州 シャロン、ハックルベリー・レイン3番 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA07 BA01 BA09 BA17 BA27 BA33 CA04 DC50 NA06 NA07 NA15 ZB35 4H045 AA10 AA30 BA15 BA33 CA11 DA83 EA29

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の構造式: 【化1】 [式中、Rは 【化2】 (式中、 RおよびRa’は独立して、水素またはメチルであるか、あるいはRまた
    はRa’のいずれかはアルキルアミノであり、RまたはRb’といっしょにな
    って6員シクロアルキル環、6員芳香環または二重結合を形成するか、あるいは
    といっしょになって6員芳香環を形成し; RおよびRb’は独立して水素、ハロゲン、またはメチルであるか、あるい
    はRまたはRb’のいずれかはアミノ、アルキルアミノ、α−アセトアセテー
    ト、メトキシ、またはヒドロキシであり; Rは水素、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、ヒドロキシアルコキシであ
    るか、あるいはRといっしょになって6員芳香環またはC−Cシクロアル
    キル環を形成し; Rは水素であるか、あるいはRといっしょになって6員芳香環、C−C 14 アルコキシ置換6員芳香環、またはC−C14アルキル置換6員芳香環で
    あり、ならびに、 RはC−C18アルキル、C−C11アルコキシ、またはビフェニルで
    ある)であるか; Rは 【化3】 (式中、 Rは水素、またはC−C13アルキルであり、ならびに、 RはC−C15アルキル、C−C15アルコキシ、(C−C10アル
    キル)フェニル、−(CH)−アリール、または−(CH)−(C−C
    クロアルキル)であり、ここにn=1または2である)であるか;あるいは、 Rは 【化4】 (式中、 Rは水素、ハロゲン、またはC−Cアルコキシであり、ならびに、 mは1、2または3である)であるか; Rは 【化5】 (式中、 RはC−C14アルコキシまたはC−C14アルキルであり、ならびに
    p=0、1または2である)であるか; Rは 【化6】 (式中、 RはC−C14アルコキシである)であるか;あるいは、 Rは−(CH)−NR−(C13−C18アルキル)(ここに、RはH、−
    CHまたは−C(O)CHである)であり; Rは独立して水素または式1(a) 、1(b) 、または1(c): 【化7】 (式中、 R1aは水素、C−Cアルキル、ベンジル、または−CHCHSi(
    CH)であり、ならびに、 R1bは水素またはC−Cアルキルである) で表される基であり、 ただし少なくとも1つのRは式1(a) 、1(b) または1(c) で表される
    基であり; RおよびRは独立して−OR2aまたは−N(R2b)(R2c)であり、 ここに、 R2aおよびR2bは独立して水素、C−C10アルキル、C−Cシク
    ロアルキル、ヒドロキシ(C−C10)アルキル、アルコキシ(C−C10)ア
    ルキル、C−C10アルケニル、アミノ(C−C10)アルキル、モノ−また
    はジ−アルキルアミノ(C−C10)アルキル、アリール(C−C10)アルキ
    ル、ヘテロアリール(C−C10)アルキル、シクロヘテロアルキル(C−C
    10)アルキルであるか、あるいは、 R2bはアミノ酸アルキルエステルのアルキルカルボキシラート残基であり、
    ならびに、 R2cは水素またはC−Cアルキルである] を有するシュードマイシンプロドラッグならびに製薬的に許容されるその塩およ
    び溶媒和物。
  2. 【請求項2】 Rが構造式1(a): 【化8】 (式中、R1aは水素、C−Cアルキル、ベンジル、または−CHCH Si(CH)である) で表される、請求項1に記載のプロドラッグ。
  3. 【請求項3】 R1aが水素である、請求項2に記載のプロドラッグ。
  4. 【請求項4】 該アシルオキシメチレンカルボキシラートが構造式1(b)
    : 【化9】 (式中、R1aは水素、C−Cアルキル、ベンジル、または−CHCH Si(CH)である) で表される、請求項1に記載のプロドラッグ。
  5. 【請求項5】 R1aが水素である、請求項4に記載のプロドラッグ。
  6. 【請求項6】 R1が構造式: 【化10】 (式中、R1bは水素またはC−Cアルキルである) で表される、請求項1に記載のプロドラッグ。
  7. 【請求項7】 Rが構造式: 【化11】 (式中、Rb’はヒドロキシであり、R、Ra’、R、R、R、および
    はすべて水素であり、ならびにRはn−オクチルである) で表される、請求項2に記載のプロドラッグ。
  8. 【請求項8】 Rが構造式: 【化12】 (式中、Rb’はヒドロキシであり、R、Ra’、R、R、R、および
    はすべて水素であり、ならびにRはn−オクチルである) で表される、請求項3に記載のプロドラッグ。
  9. 【請求項9】 Rが構造式: 【化13】 (式中、Rb’はヒドロキシであり、R、Ra’、R、R、R、および
    はすべて水素であり、ならびにRはn−オクチルである) で表される、請求項4に記載のプロドラッグ。
  10. 【請求項10】 Rが構造式: 【化14】 (式中、Rb’はヒドロキシであり、R、Ra’、R、R、R、および
    はすべて水素であり、ならびにRはn−オクチルである) で表される、請求項5に記載のプロドラッグ。
  11. 【請求項11】 Rが構造式: 【化15】 (式中、Rb’はヒドロキシであり、R、Ra’、R、R、R、および
    はすべて水素であり、ならびにRはn−オクチルである) で表される、請求項6に記載のプロドラッグ。
  12. 【請求項12】 アミノ酸アルキルエステルの該アルキルカルボキシラート
    残基が、−CHCOCH、−CH(COCH)CH(CH)、−CH
    (COCH)CH(フェニル)、−CH(COCH)CHOH、−CH(C
    CH)CH(p−ヒドロキシフェニル)、−CH(COCH)CH
    H、−CH(COCH)CH(CH)NH、−CH(COCH)CH (4−イミダゾール)、−CH(COCH)CH(5−イミダゾール)、−C
    H(COCH)CHCOCH、または−CH(COCH)CHCO NHで表される、請求項1に記載のプロドラッグ。
  13. 【請求項13】 以下の構造式: 【化16】 [式中、Rは 【化17】 (式中、 RおよびRa’は独立して、水素またはメチルであるか、あるいはRまた
    はRa’のいずれかはアルキルアミノであり、RまたはRb’といっしょにな
    って6員シクロアルキル環、6員芳香環または二重結合を形成するか、あるいは
    といっしょになって6員芳香環を形成し; RおよびRb’は独立して水素、ハロゲン、またはメチルであるか、あるい
    はRまたはRb’のいずれかはアミノ、アルキルアミノ、α−アセトアセテー
    ト、メトキシ、またはヒドロキシであり; Rは水素、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、ヒドロキシアルコキシであ
    るか、あるいはRといっしょになって6員芳香環またはC−Cシクロアル
    キル環を形成し; Rは水素であるか、あるいはRといっしょになって6員芳香環、C−C 14 アルコキシ置換6員芳香環、またはC−C14アルキル置換6員芳香環で
    あり、ならびに、 RはC−C18アルキル、C−C11アルコキシまたはビフェニルであ
    る)であるか; Rは 【化18】 (式中、 Rは水素、またはC−C13アルキルであり、ならびに、 RはC−C15アルキル、C−C15アルコキシ、(C−C10アル
    キル)フェニル、−(CH)−アリール、または−(CH)−(C−C
    クロアルキル)であり、ここにn=1または2である)であるか;あるいは、 Rは 【化19】 (式中、 Rは水素、ハロゲン、またはC−Cアルコキシであり、ならびに、 mは1、2または3である)であるか; Rは 【化20】 (式中、 RはC−C14アルコキシまたはC−C14アルキルであり、ならびに
    p=0、1または2である)であるか; Rは 【化21】 (式中、 RはC−C14アルコキシである)であるか;あるいは、 Rは−(CH)−NR−(C13−C18アルキル)(ここに、RはH、−
    CHまたは−C(O)CHである)であり; Rは独立して水素または式1(a) 、1(b) 、または1(c): 【化22】 (式中、 R1aは水素、C−Cアルキル、ベンジル、または−CHCHSi(
    CH)であり、ならびに、 R1bは水素またはC−Cアルキルである) で表される基であり、 ただし少なくとも1つのRは式1(a) 、1(b) または1(c) で表される
    基であり; RおよびRは独立して−OR2aまたは−N(R2b)(R2c)であり、 ここに、 R2aおよびR2bは独立して水素、C−C10アルキル、C−Cシク
    ロアルキル、ヒドロキシ(C−C10)アルキル、アルコキシ(C−C10)ア
    ルキル、C−C10アルケニル、アミノ(C−C10)アルキル、モノ−また
    はジ−アルキルアミノ(C−C10)アルキル、アリール(C−C10)アルキ
    ル、ヘテロアリール(C−C10)アルキル、シクロヘテロアルキル(C−C
    10)アルキルであるか、あるいは、 R2bはアミノ酸アルキルエステルのアルキルカルボキシラート残基であり、
    ならびに、 R2cは水素またはC−Cアルキルである] を有するシュードマイシンプロドラッグならびに製薬的に許容されるその塩およ
    び溶媒和物。
  14. 【請求項14】 Rが構造式1(a): 【化23】 (式中、R1aは水素、C−Cアルキル、ベンジル、または−CHCH Si(CH)である) で表される、請求項13に記載のプロドラッグ。
  15. 【請求項15】 R1aが水素である、請求項14に記載のプロドラッグ。
  16. 【請求項16】 該アシルオキシメチレンカルボキシラートが構造式1(b
    ): 【化24】 (式中、R1aは水素、C−Cアルキル、ベンジル、または−CHCH Si(CH)である) で表される、請求項13に記載のプロドラッグ。
  17. 【請求項17】 R1aが水素である、請求項16に記載のプロドラッグ。
  18. 【請求項18】 R1が構造式: 【化25】 (式中、R1bは水素またはC−Cアルキルである) で表される、請求項13に記載のプロドラッグ。
  19. 【請求項19】 Rが構造式: 【化26】 (式中、Rb’はヒドロキシであり、R、Ra’、R、R、R、および
    はすべて水素であり、ならびにRはn−オクチルである) で表される、請求項15に記載のプロドラッグ。
  20. 【請求項20】 Rが構造式: 【化27】 (式中、Rb’はヒドロキシであり、R、Ra’、R、R、R、および
    はすべて水素であり、ならびにRはn−オクチルである) で表される、請求項17に記載のプロドラッグ。
  21. 【請求項21】 Rが構造式: 【化28】 (式中、Rb’はヒドロキシであり、R、Ra’、R、R、R、および
    はすべて水素であり、ならびにRはn−オクチルである) で表される、請求項18に記載のプロドラッグ。
  22. 【請求項22】 アミノ酸アルキルエステルの該アルキルカルボキシラート
    残基が、−CHCOCH、−CH(COCH)CH(CH)、−CH
    (COCH)CH(フェニル)、−CH(COCH)CHOH、−CH(C
    CH)CH(p−ヒドロキシフェニル)、−CH(COCH)CHSH
    、−CH(COCH)CH(CH)NH、−CH(COCH)CH (4−イミダゾール)、−CH(COCH)CH(5−イミダゾール)、−CH
    (COCH)CHCOCH、または−CH(COCH)CHCO NHで表される、請求項13に記載のプロドラッグ。
  23. 【請求項23】 請求項8、10、19または20に記載のシュードマイシ
    ンプロドラッグおよび製薬的に許容される担体を含む医薬製剤。
  24. 【請求項24】 請求項8、10、19または20に記載の化合物を含む、
    動物における抗真菌感染を処置するための医薬品。
  25. 【請求項25】 抗真菌感染を処置する方法であって、それを必要としてい
    る動物に請求項8、10、19または20に記載のシュードマイシンプロドラッ
    グを投与することを含む方法。
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