JPH06157594A - ある種のシクロヘキサペプチドのリン酸エステル化合物の製造方法 - Google Patents

ある種のシクロヘキサペプチドのリン酸エステル化合物の製造方法

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JPH06157594A
JPH06157594A JP4203374A JP20337492A JPH06157594A JP H06157594 A JPH06157594 A JP H06157594A JP 4203374 A JP4203374 A JP 4203374A JP 20337492 A JP20337492 A JP 20337492A JP H06157594 A JPH06157594 A JP H06157594A
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ethanol
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James M Balkovec
エム.バルコヴェック ジェームス
Mallory F Loewe
エフ.レーヴェ マロリー
David J Mathre
ジェー.マスレー ディヴィッド
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K7/00Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K7/50Cyclic peptides containing at least one abnormal peptide link
    • C07K7/54Cyclic peptides containing at least one abnormal peptide link with at least one abnormal peptide link in the ring
    • C07K7/56Cyclic peptides containing at least one abnormal peptide link with at least one abnormal peptide link in the ring the cyclisation not occurring through 2,4-diamino-butanoic acid

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 シクロヘキサペプチドのリン酸エステル化合
物の簡易な製造方法を提供する。 【構成】 式 (式中、RはC13−C17アルキル、C13−C17
アルケニル、C13−C17アルキニル、フェニル、及
びC−C10アルキル、C−C10アルコキシ、C
−C10アルキルチオ又はC−C10アルキルアミ
ノで置換したフェニル;R,R,R及びRはそ
れぞれH又はOH;XはH,OH又はCH;XはH
又はOH;YはH又はCH;ZはH又は−CON
;ただしXとXの少なくとも一方はOHであ
る。)の化合物を、水酸化リチウムの存在下に、対応す
るフェノール化合物を約−13〜−17℃、LiOH存
在下にテトラベンジルピロホスフェートと混合して得ら
れたジベンジルホスフェートをPd/C上で水素化分解
して製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、ある種のシクロヘキサペプチド
のリン酸エステル化合物を直接リン酸化して製造する簡
易な方法を目的とする。
【0002】化合物IAは、同時係属出願第07/49
5,199号に記述され請求されているものであり、構
造式(IA)
【化9】 (SEQ ID NO:1)を有しており、後述するよ
うに、ある種の真菌の抑制、また同様に寄生性ニューモ
シスチス・カリニ(Pneumocystis carinii) の抑制に有
用な、天然物のリン酸化誘導体である。
【0003】化合物Iを誘導するこの天然物は、一定条
件下にザレリオン アルボリコラ(Zalerion arboricol
a )ATCC20957を培養することによって生産さ
れ、構造式(A)
【化10】 (以後化合物Aとよぶ。SEQ ID NO:1)で表
わすことができる。化合物Aは、シクロペプチドのオル
ニチン部分の5位に塩基反応性の水酸基を持っているた
めに、通常の好ましいエステル形成方法の際には、前も
って5位の水酸基をベンジルエステルを形成して保護し
た後に他の部分の反応を行なう。したがって構造式(I
A)(SEQ ID NO:1)の化合物は、ベンジル
エステル(SEQ ID NO:1)を製造した後、リ
ン酸化を行なってジベンジルホスフェート(SEQ I
D NO:1)を形成し、その後、そのホスフェートか
らベンジル基を除去するために水素化分解して製造して
いた。これは以下のような反応手順に従がっていた。
【化11】
【0004】本発明によれば、後述するような置換基を
有し、化合物Aもその一種であるところの、構造式
【化12】 を有する化合物X(SEQ ID NOS:1−17)
を、オルニチンの5位を保護する必要なしに直接にリン
酸化してジベンジルホスフェートを得、さらにこれを水
素化分解して構造式
【化13】 を有するリン酸エステル(I)(SEQ ID NO
S:1−17)を得、および出発物質が化合物Aの場合
には、化合物IAを得ることができるということがわか
った。構造式IとXにおいて、置換基は以下のように定
義される。RはC13−C17アルキル、C13−C17アルケ
ニル、C13−C17アルキニル、フェニル、及びC1 −C
10アルキル、C1 −C10アルコキシ、C1 −C10アルキ
ルチオ又はC1 −C10アルキルアミノで置換したフェニ
ルであり、R1 、R2 、R3 及びR4 はそれぞれH又は
OHであり、XはH、OH又はCH3 であり、X1 はH
又はOHであり、YはH又はCH3 であり、ZはH又は
−CONH2 であり、ただしXとX1 の少なくとも一方はO
Hである。
【0005】また、結晶性カリウム塩として化合物Iを
単離して、これを他の塩に変換できる方法が説明され
る。塩の形態の化合物IAは構造式(IB)
【化14】 (SEQ ID NO:1)で表わすことができるが、
式中Mはカチオンを形成する塩の基である。
【0006】「カチオンを形成する塩の基」とは、カリ
ウム、ナトリウム、ルビジウム、セシウム、リチウム、
マグネシウム、カルシウム、アンモニウム及び第4アン
モニウムの基を意味する。
【0007】簡易に化合物I又はIAを製造する本発明
の方法は、(1)化合物X又はAを、水酸化リチウムの
存在下にテトラベンジルピロホスフェートと十分に混合
して、ジベンジルホスフェートエステルを得ること、及
び(2)炭素上のパラジウムを用いた水素化分解によっ
て脱ベンジル化することから成る。
【0008】本発明の方法の第1の工程は、水酸化リチ
ウムの存在下に化合物Aをテトラベンジルピロホスフェ
ートと十分に混合して、化合物Aのジベンジルホスフェ
ートを得ることである。反応は固体の水酸化リチウムを
用いて行なってもよいが、本発明の最も簡易な方法で
は、反応時にすべての反応物が溶液として存在するよう
にして反応を行なう。
【0009】他の反応物を加える前にリン酸化剤を含み
かつ溶解している溶媒系に、化合物Aを固体のまま加え
てもよい。
【0010】テトラベンジルピロホスフェートは、リン
酸化剤である。他の活性化されたリン酸化剤を用いても
よいが、これが好ましいリン酸化剤である。テトラベン
ジルピロホスフェートは、既知の方法で前もって製造し
てもよいが、しかし、後述する方法全体のうちのある工
程で用いる直前に製造するのが好ましい。
【0011】水酸化リチウムは、好ましくは2Mの水性
溶液として用いるが、1.0ないし2.5Mで用いても
よい。加える水酸化リチウムの量は、慎重に調整しなけ
ればならない。量がほぼ当量、最適には1.05当量で
あることが重要である。水酸化リチウムが過剰である
と、塩基が触媒する分解のためにかなり生成物が減る結
果となる。少なすぎると反応が完全に行なわれなくなっ
てしまうが、細かくHPLCでモニターしながらごく慎
重に塩基を加えることでこれを解決することができる。
【0012】リン酸化に用いる反応媒質は、好ましく
は、反応物の溶媒であり水性塩基と混和できるジメチル
ホルムアミドである。ジメチルホルムアミドの純度は、
アッセイにおいて水50μg/ml及びジメチルアミン
100μg/mlでなければならない。
【0013】反応を行なう温度は重要である。これは−
15℃付近、すなわち−13°ないし−17℃の範囲外
であってはならない。温度が−10℃まで上昇すると、
収率は2.5%減少し、0℃まで上昇すると収率は5%
減少する。
【0014】以後、リン酸化反応については、簡単のた
めに、出発物質を化合物Aとして説明するが、この方法
はZを出発物質として用いても適用できると考えるべき
である。
【0015】リン酸化反応は、化合物A(1当量)を、
1.15当量のテトラベンジルピロホスフェート及び化
合物Aの1グラム当り6ミリリットルとなるように加え
た十分な余分のジメチルホルムアミドを含んだよく攪拌
したジメチルホルムアミド溶液に加えて行なう。化合物
Aが完全に溶解した後、溶液を−15℃まで冷却する。
水酸化リチウムの(直前に滴定した)水溶液を、内部温
度を−15℃に保つような速度で加える。加え終わった
ら、反応が完了して(HPLCで決定する)化合物Aの
ジベンジルホスフェートが形成するまで、混合物を1〜
3時間−15℃に置く。
【0016】好ましい方法では、テトラベンジルピロホ
スフェートを最初の工程で調製して、単離せずに溶液中
に保つようにする。この物質は、ジクロロヘキシルカル
ボジイミドでジベンジルリン酸を脱水した後、ジシクロ
ヘキシル尿素の副生物から分離して製造する。
【0017】ジベンジルリン酸が高純度であることは重
要である。この純度は、テトラベンジルピロホスフェー
トの収率、純度及び安定性に大きく影響する。ジベンジ
ルリン酸の純度は、滴定、HPLC及びNMRでの決定
によって約98〜99パーセントでなければならない。
【0018】テトラベンジルピロホスフェートをただち
に用いない場合には、水分をふせいで保存する必要があ
る。テトラベンジルピロホスフェートの溶液の安定性
は、溶媒と溶媒の含水量に左右される。酢酸エチル、ジ
メチルホルムアミド及びt−ブチルメチルエーテル等の
溶媒中では、テトラベンジルピロホスフェートは、どん
なに含水量が少なくとも1日あたり約1パーセントの割
合で分解し、含水量が100μg/mlではより速く分
解する。しかし含水量100μg/mlの0℃のテトラ
ヒドロフラン中では、損失は1週間あたり0.5パー
セントである。したがって、テトラベンジルピロホスフ
ェートの調製は、テトラヒドロフラン中で行なう。ただ
し、テトラヒドロフランの含水量は50μg/ml以下で
なければならない。
【0019】テトラベンジルピロホスフェートの製造に
は、2モルのジベンジルリン酸に対して約1.05モル
のジシクロヘキシルカルボジイミドを用いる。
【0020】テトラベンジルピロホスフェートの製造を
行なう際には、ジシクロヘキシルカルボジイミドのテト
ラヒドロフラン溶液を、20〜25℃のジベンジルリン
酸のテトラヒドロフラン溶液に加えて、混合物をこの温
度のまま、テトラベンジルピロホスフェートとそのジシ
クロヘキシル尿素副生物が形成されて反応が完了するま
で、1〜3時間攪拌する。副生物を濾過して取り除い
て、得られたテトラベンジルピロホスフェート溶液を水
分をさけて0℃に保存する。
【0021】テトラベンジルピロホスフェートの製造に
用いる溶媒はテトラヒドロフランであるが、リン酸化反
応に好ましい溶媒はジメチルホルムアミドである。した
がって、リン酸化の工程を行なう準備ができたならば、
まず溶媒の交換を行なう。この交換のために、テトラベ
ンジルピロホスフェート溶液を、ジメチルホルムアミド
(含水量50mg/ml、ジメチルアミン100mg/m
l)で希釈して、テトラベンジルピロホスフェートの不
均化を最小限にするために温度を30℃以下に保ったま
ま、テトラヒドロフランを減圧下(100mb) に除去す
る。加えるジメチルホルムアミドの量は、リン酸化反応
に用いる理論値の50パーセント未満でなければならな
い。この工程に用いる前に、ジメチルホルムアミド溶媒
を13Xモレキュラシーブで乾燥させて水とジメチルア
ミンを除去する。
【0022】次に、リン酸化反応で得られる化合物Aの
ジベンジルホスフェートを水素化して、ベンジル基を取
り除く。リン酸化において反応混合物はジメチルホルム
アミド中にある。水素化するための望ましい溶媒はエタ
ノール/水である。ジベンジルホスフェートを、溶媒を
除去して回収した後、このホスフェートをエタノール/
水に溶解してもよいが、本発明の方法では、ジベンジル
ホスフェートを単離せずに水素化のために調製できる。
これは、まず溶媒を転換して行なうことができる。
【0023】溶媒転換は以下のように行なう。まずリン
酸化反応混合物を酸性にして水酸化リチウムを中和させ
た後、反応混合物を50:50(v/v)エタノール/
水で希釈して、希釈溶液を官能基化していない樹脂カラ
ムに通すが、このとき、ジベンジルホスフェートエステ
ルは樹脂に強力に吸着する。次に、カラムを50:50
エタノール/水で洗浄してジメチルホルムアミドと副生
物のリチウムジベンジルホスフェートを除去し、最後に
ジベンジルホスフェートエステルを90:10エタノー
ル/水で希釈する。その後、この溶液をそのまま水素化
分解(脱ベンゼン化)工程に用いる。ジメチルホルムア
ミドは大量の過剰な50:50エタノール/水に入れて
希釈する。約10倍量が適当である。ジメチルホルムア
ミド溶液をエタノール/水に希釈することが非常に重要
である。これを逆にすると、ゴム状の物質が生ずる。ま
た、いったん溶液を希釈したならば、カラムに保持した
いエステルが加水分解しないようにできる限りすばやく
カラムにかけるのが大切である。
【0024】溶媒の転換に用いる適当な樹脂には、AMBE
RCHROM CG −161md(50〜100μm)とAMBERCHR
OM CG −161cd(80〜160μm)が含まれる。
(AMBERCHROMは Rohm & Haasの登録商標であり、Toso H
aas より入手できるジビニルベンゼンポリスチレン樹脂
である)。他の官能基化していない樹脂を用いてもよ
い。「官能基化していない樹脂」とは、官能基を持たな
い吸着樹脂を意味する。したがって、他のジビニルベン
ゼン−スチレンコポリマー型のカラム樹脂も適当であ
る。使用前に、樹脂を調製する必要がある。樹脂の調製
と再生は後述する。
【0025】ジベンジルホスフェートエステルを含む溶
出した画分を触媒で還元する。炭素上のパラジウムが好
ましい還元用触媒である。水素雰囲気下に約2.5〜
3.5気圧、好ましくは3気圧の圧力が適当であり、酸
の形態の所望の化合物Iを得るためのPd/Cのローディ
ングによって時間を変えて行なう。還元が完了した後、
濾過して触媒を除去し、ただちに単離しない場合は、酸
生成物の溶液を−10℃に保つ。
【0026】遊離酸を従来の方法で単離できるが、好ま
しくは、水素化分解後の濾過溶液から一塩に直接変換す
る。いろいろなアルカリ金属、又はカルシウム、マグネ
シウム、アンモニウムあるいは第4アンモニウムの塩を
このようにして作ることができるが、直接の変換によっ
て結晶の形態で最も確実に得ることができるのは一カリ
ウム塩であることがわかっており、したがってこれが単
離のために酸を変換する好ましい塩である。
【0027】一カリウム塩への直接の変換方法は、濾液
に水を加えて、20〜25℃で正確に1当量の1.0M
水性水酸化カリウムを慎重に加えて行なう。加える水の
量は、中和完了時の全含水量が20パーセントとなるよ
うにする。次に混合物を50〜60℃に加熱して、結晶
種を入れて、水分が13〜15パーセントになるまでゆ
っくりとエタノールを加えて、得られた混合物を約50
〜60℃に約1時間置いた後、12〜18時間にわたっ
てゆっくりと20〜25℃まで冷却して結晶を形成す
る。この粗精製結晶性物質を濾過して回収する。
【0028】次に粗精製固体を「ホットスウィッシュ
(hot-swish)」(温洗浄)又は再結晶の方法で精製す
る。「ホットスウィッシュ」方法は、粗精製固体を、固
体1グラムあたり約10mlの80:20(v/v)エタ
ノール/水に溶解し、混合物を50〜60℃に加熱し
て、この温度で1〜3時間攪拌した後、12ないし18
時間にわたってゆっくりと20〜25℃に冷却して精製
結晶を得る。
【0029】別の方法としては、粗精製固体を、固体1
グラムあたり約12mlの約75〜78℃の50:50
(v/v)エタノール/水に溶解した後、無水エタノー
ルを0.5ないし1.0時間にわたって加えることによ
り、粗精製結晶を再結晶してもよい。生成物1グラムあ
たり約18ミリリットルの溶媒で十分である。次に混合
物を70〜75℃まで多少冷却して結晶種を加えた後、
12ないし18時間にわたってゆっくりと20〜25℃
に冷却して精製した結晶性一カリウム塩生成物を得る。
【0030】どちらの方法で精製した生成物も、濾過し
て単離し、湿潤したケーキは、85:15エタノール/
水、90:10エタノール水、100パーセントエタノ
ール、さらにヘキサンで順次洗浄する。窒素又は乾燥し
た空気流を12ないし48時間、20〜25℃でケーキ
に通じて生成物を乾燥する。この乾燥過程は、エタノー
ル含有量を0.5重量パーセントに減らすために必要
である。常温での減圧乾燥ではエタノールを十分に除去
できないし、高温では分解を引き起す。単離後、生成物
を<−20℃に保存する。
【0031】他の塩が得たい場合、別の方法として、一
カリウム塩を以下の一般的方法で他の塩に変換できる
が、この場合、水、80:20水/エタノール又は8
0:20水/アセトニトリル中の一カリウム塩を、好ま
しくは AMBERCHROM 161である樹脂カラムに吸着す
る。次にカラムをベッドの2倍量の0.1M′H2PO4
溶液、又は80:20水/エタノールで洗浄するが、こ
こにM′は所望のカチオンである。必要ならば、この溶
液のpHを4.5に調製する。次にカラムをベッドの2倍
量の水又は80:20水/エタノールで洗浄して過剰な
塩を除去する。一カチオン塩である生成物を20:80
水/エタノールでカラムから溶出する。生成物を多く含
む画分をひとつまとめて減圧下に濃縮する。残留水分は
エタノールを用いた共沸蒸留か凍結乾燥のいずれかで除
去することができる。カチオンによっては、塩を結晶化
して精製してもよい。当業者に知られる他の変換又は単
離方法を用いてもよい。以下の実施例はこの発明を説明
するものではあっても制限するものと考えてはならな
い。
【0032】実施例I
【化15】 テトラベンジルピロホスフェートの調製 窒素導入口、オーバーヘッドスターラー、テフロン加工
熱電対プローブ及び圧力を均一化するための補助漏斗を
とりつけたフラスコに350mlの無水(含水量50μg
/ml以下)の過酸化物のないテトラヒドロフランを入れ
て、さらに50.0g(174mmol)のジベンジルリン
酸(DBP)を入れて、得られた混合物を固体が溶解す
るまで(約10〜15分間)攪拌した。215mlTHF
中の18.9g(91.6mmol)のジシクロヘキシルカ
ルボジイミド(DCC)の溶液を、補助漏斗から、温度
を約20〜25℃に保つような速さで、攪拌して冷却し
た(水浴)DBPに加えた。反応はわずかに発熱性であ
り、この添加に約30分かかった。数分以内に、混合物
中にジシクロヘキシル尿素の沈澱が形成した。攪拌を2
0〜25℃で約2時間つづけた。反応は溶出液に水
(0.02M KH2PO4)アセトニトリルを用いたVYD
AC C−18(300A 4.6×250mm)を使っ
てHPLCアッセイでモニターした。反応は約1時間で
完了した(アッセイでは反応していないDBPが<2パ
ーセントであった)。次に混合物を濾過して、ジシクロ
ヘキシル尿素を除去するために水分を除外した。濾過ケ
ーキを25mlのTHFで2回洗浄した。HPLCでアッ
セイすると、溶液は、620mlのTHF(0.137
M)中にテトラベンジルピロホスフェート(tetrabenzy
l pyrophosphate 、TBPP)45.9g(98%)の
収量を示した。その後、濾液は、次の工程まで水分をさ
けて0℃に保存した。
【0033】リン酸化 窒素導入口、オーバーヘッド・スターラー、及びテフロ
ン加工熱電対プローブをとりつけたフラスコに、0.1
27M TBPP溶液(40.1mmol)293mlと乾燥
した(13xモレキュラシーブで処理)DMF120ml
を入れた。次に混合物を25℃で減圧下(100mb)で
体積約140mlまで濃縮した。セパレートベッセル内で
40gの(7.1%の水分を考えると37.2g、3
4.9mmol)の化合物Aを、数回にわけて120mlのD
MFに加えた。得られた混合物をすべての固体が溶解す
るまで室温で攪拌した。この化合物Aの溶液をTBPP
溶液に加えて、混合物を−15℃に冷却した。1.96
M水酸化リチウム18.7ml(36.6mmol)を0.5
〜1時間にわたってよく攪拌しながら反応混合物に滴下
した。加える速さと外からの冷却は、内部温度を−15
℃に保つように調節した。加え終わってから、混合物を
−15℃で3時間攪拌した。反応の進行を1:1アセト
ニトリル/水(0.02M KH2PO4)を用いたZORB
AXC8(Dupont) カラム(4.6×250mm)を使っ
たHPLCによってモニターしてもよい。反応が完了し
た後、溶液を室温にまで放置する。同様なアッセイ方法
を用いると、収量は39.1gとなった。
【0034】溶媒の交換 A.樹脂カラムの調製 100gの AMBERCHROM CG−161(メディウム直径)
を、おだやかに振とうした80:20(v/v)アセト
ン/水溶液に加えて、混合物を室温で4〜12時間おだ
やかに攪拌した。混合物を4.3×30cmの調節可能な
ベッドカラムにスラリー詰めした。次に樹脂をアセトン
で洗浄した。洗浄は、低分子芳香族物質が溶出液中に検
出されなくなるまでつづけた。(溶出液の分析には、D
B−1(J&W Associates) カラムを使ったキャピラ
リーガスクロマトグラフィーアッセイを用いた。)その
後、カラムを100%エタノール1.5リットルで20
ml/分の割合で洗浄し、その後50:50(v/v)エ
タノール/水1.5リットルで洗浄した。
【0035】B.溶媒の取り換え 9.7グラム(162mmol)の酢酸を、化合物B(アッ
セイによると38.5g、29.1mmol)を含む20〜
25℃のリン酸化混合物330mlに加えた。混合物を1
5分間攪拌した後、よく振とうしながら50:50(v
/v)エタノール/水2.6リットルに入れて希釈し
た。希釈したリン酸化反応混合物を流速20ml/分で A
MBERCHROM 樹脂カラムにかけて、140mlの画分を回収
した。カラムは、45:55水(0.02M KH2PO4
/アセトニトリルを用いたZORBAX C8カラムを
使って、210nmで検出してHPLCアッセイでモニタ
ーした。次にカラムを約1.5リットルの50:50
(v/v)エタノール/水で洗浄してジメチルホルムア
ミドとジベンジルホスフェートを除去した。その後、化
合物Bを流速20ml/分の90:10(v/v)エタノ
ール/水1.5リットルで溶出して、140mlの画分を
回収した。3g/リットル以上を含んでいると決定した
画分を集めると、収量は38.5gとなった。この溶液
を水素化分解するまでの間0℃に保存した。
【0036】水素化分解 窒素雰囲気下に、2.4g(5重量パーセント)のPd/
Cを、前もって窒素でパージした容器内の38.5g
(29.1mol)の化合物Bを含む約90:10エタノー
ル/水溶液775mlに加えた。混合物を、予想される水
素の取り込みが完了するまで、約2時間20〜25℃で
40psi で水素化する。反応が完了したら、容器を開口
して窒素を入れる。反応混合物を前もって洗浄した(9
0:10エタノール/水)SOLKA−FLOC(セル
ロースをベースにした濾過用具、James River Corp. Vi
rginia) のパッドを通して濾過して、濾過したケークを
2回25mlの90:10エタノール/水で洗浄した。溶
液を酸生成物に関してHPLCと滴定の両方でアッセイ
した。収量は32.2gとわかった。
【0037】中和/結晶化 前記と同様に行なう一連の反応で得られる化合物IAを
単離して精製し、以下のように結晶性塩とした:遊離酸
として58.5mmolの化合物IAを含む濾過した水素化
混合物1.67リットルと200mlの水の溶液を攪拌し
て、そこに20〜25℃の109mlの水を加えて、混合
物の水分を20%にした。攪拌をつづけながら、1M水
酸化カリウム水溶液58.5mlを、1時間にわたって滴
下すると、一カリウム塩が結晶しはじめた。補助的漏斗
を20mlのエタノールで2回洗浄して、エタノールは混
合物とあわせる。攪拌した混合物を60〜65℃にあた
ためて、内部温度を60〜65℃に保ったまま0.5時
間にわたって592mlのエタノールを滴下した。次に混
合物を0.5〜1時間60〜65℃で攪拌した後、15
時間かけて20〜25℃まで冷却する。生成物を濾過し
て単離し、ケーキを85:15(v/v)エタノール/
水100mlで3回、90:10(v/v)エタノール/
水100mlで1回、無水エタノール100mlで2回、最
後にヘキサン150mlで3回順次洗浄した。洗浄終了
後、窒素流をケーキに15時間通じて生成物を乾燥させ
て60.3g(水分の補正なし)の所望の生成物を得
た。生成物の純度は93%だった。
【0038】再結晶化 61gの結晶化した化合物Iの一カリウム塩を、366
mlの水と366mlのエタノールの混合物に加えて、混合
物をすべての固体が溶解するまで75〜78℃に加熱し
た。この温度に保ったまま、次に、無水エタノール10
98mlを1時間かけてしだいに加えた。加え終わった
後、溶液の温度を70〜75℃に下げて、さらに化合物
Iの一カリウム塩を結晶種として加えた。種を加えた混
合物をゆっくり攪拌しながら15時間かけて20〜25
℃までゆっくりと冷却した。生成物を中程度の多孔度の
半融ガラス漏斗を通じて濾過して単離し、ケーキは、8
0:20(v/v)エタノール/水100mlで3回、9
0:10(v/v)エタノール/水100mlで1回、無
水エタノール100mlで2回、最後にヘキサン150ml
で3回順次洗浄した。窒素流を15時間ケーキに通じて
生成物を乾燥し、カリウム塩として化合物I 43.0
gを得た。
【0039】実施例Ia一カリウム塩から一ナトリウム塩への変換 80:20(v/v)水/エタノール(600ml)中の
Mがカリウムである化合物IB6.0gの溶液を、 AMB
ERCHROM 161/cdを充填した2.5×30cmカラムに
ポンプを用いて流速20ml/分で通じた。その後カラム
をベッドの体積(約300ml)の倍の80:20(v/
v)水(0.1M NaH2PO4 、pH4.5)/エタノール
で洗浄した後、ベッドの体積の倍の80:20(v/
v)水/エタノールで流速20ml/分で洗浄した。生成
物を20:80(v/v)水/エタノールでカラムから
溶出して、40mlの画分を回収した。含有量の多い(H
PLCで決定して0.5g/リットルをこえるもの、約
1ベッド体積)分画をひとまとめにして、減圧下(10
0mb、40cm)に濃縮してエタノールを除去した。残留
水を除去して収量5.8g(98%)で化合物IBの−
ナトリウム塩を得た。
【0040】実施例II 以上の方法を、以下の表に指定する置換基を持った化合
物Iにより定義される属に入る代表的化合物の製造に用
いて、よい結果を得ることができる。 R1 R2 R3 R4 X X1 Y Z R SEQ ID NO. OH OH OH OH H OH CH3 CONH2 C17H31 1 OH OH OH OH CH3 OH CH3 CONH2 C15H31 2 OH H OH OH CH3 OH CH3 CONH2 C15H31 3 H H OH H CH3 OH CH3 CONH2 C15H31 4 H H H H CH3 OH CH3 CONH2 C15H31 5 OH OH H H CH3 OH CH3 CONH2 C15H31 6 H OH H OH CH3 OH CH3 CONH2 C15H31 7 H OH H OH H OH CH3 CONH2 C15H31 8 OH OH H OH H OH CH3 CONH2 C15H31 9 OH OH OH OH OH OH CH3 CONH2 C15H31 10 OH OH OH OH CH3 OH CH3 CH3 C17H31 11 OH OH OH OH CH3 OH CH3 CH3 C17H35 11 H OH OH OH CH3 OH CH3 CH3 C17H35 12 H OH H H CH3 OH CH3 CH3 C17H35 13 H OH OH OH H OH CH3 CONH2 C15H31 14 H OH OH OH CH3 OH CH3 CONH2 C15H31 15 OH OH H OH CH3 OH CH3 CONH2 C15H31 16 OH OH OH OH CH3 OH H CONH2 C15H31 17 ────────────────────────────────── ホスフェート誘導体の有用性については、ニューモシス
チス・カリニ(Pneumocystis carinii) に対する効能に
関しての免疫抑制したラットについての以下の代表的研
究で見ることができる。
【0041】遊離酸としての化合物Iを研究に用いた。
Sprague - Dawleyラット(体重およそ250g)を飲み
水に入れたデキサゾン(2.0mg/l)で免疫抑制し
て、5週間低タンパク質飼料で育てて、潜伏性感染によ
るニューモシスチス肺炎の進行をうながした。薬物処理
する前に、2体のラットを犠牲にしてニューモシスチス
カリニ(Pneumocystis carinii) 肺炎の存在を確認する
と、2体ともに感染していることがわかった。6体のラ
ット(体重約150g)に、1日2回、4日間、賦形剤
(蒸留水)0.25ml中の化合物Iを、尾の静脈から静
脈内(I.V.)に注射した。賦形剤のみのコントロー
ルもまた注射を行なった。すべての動物は飲み水の中の
デキサゾンを取り入れ、処置期間は低タンパク質飼料を
受けつづけた。処置が完了したら、すべての動物を犠牲
にして、肺をとり出して処理し、疾患の拡がりを染色ス
ライドを顕微鏡で調べて決定した。この研究の結果、化
合物Iは約0.6mg/kgのED90で4日間でP.カリニ
(P. carinii) 嚢胞をとりのぞくのに効果があることが
示された。
【0042】ラットに一日2回、4日間、腹腔内注射
(I.P.)することをのぞいて同様な実験において、
動物を犠牲にして肺をとり出して処理し、疾患の拡がり
を染色スライドを顕微鏡で分析して決定した。その結
果、遊離酸としての化合物Iが、約0.6mg/kgのED
90で4日間でP.カリニ(P. carinii) 嚢胞をふせぐ効
果があることが示された。
【0043】また、この化合物は、カンジダ(Candida)
菌に対して有用である。この特性は1%デキストロース
を含む イースト窒素ベース (Difco)培地(YNBD)
で行なうマイクロブロス希釈アッセイにおける最小殺菌
濃度(MFC)の決定によって示すことができる。この
アッセイを行なう場合、化合物Iを10%ジメチルスル
ホキシド(DMSO)に可溶化して2560μg/mlに
希釈した。次に化合物をYNBDで257μg/mlに希
釈した。懸濁液0.15mlを(各0.15mlのYNBD
を入れた)96ウェルプレートの最上列に入れて、薬物
濃度を128μg/mlにした。さらに2倍希釈を最上列
から行なってゆき、最終的には128から0.06μg
/mlまでの範囲の薬物濃度を作った。
【0044】Sabouraud デキストロース寒天で成長させ
たイースト培養物をYNブロス(Difco)に移して35℃
で振とうして(250rpm )一晩インキュベートした。
インキュベーション後、各培養物を滅菌水で希釈して、
最終濃度1〜5×106 コロニー形成単位(CFU)/
mlとした。
【0045】96ウェルマイクロプレートに、ウェルあ
たり1.5mlを与えるMIC−2000(Pynatech) を
用いて接種し、ウェルあたり1.5〜7.5×103
の細胞を含む最終接種物を作った。マイクロプレートを
35℃で24時間インキュィートした。最小阻害濃度
(MIC)を、成長が全く見られない最低薬物濃度とし
て記録した。
【0046】MICを記録した後、プレートをゆすって
細胞を再懸濁した。その後、96ウェルマイクロプレー
トの各ウェルからの1.5μlのサンプルを、Sabourau
d デキストロース寒天を入れた1個のウェルトレイに移
した。接種したトレイを24時間28℃でインキュベー
トしてから、読みとりを行なった。MFCは、全く成長
していないか、あるいはスポットあたり4コロニー未満
の成長しか示さない最低の薬物濃度であると定義され
る。結果は以下の表のようである。 真菌株番号 最小殺菌濃度(μg/ml) C.アルビカンス(C. albicans) MY 1055 2 MY 1208 4 MY 1028 4 C.トロピカリス(C. tropicalis) MY 1012 1 C.パラプシロシス(C. parapsilosis) MY 1010 32
【0047】出発物質の調製 出発物質である化合物Aは、MF5404Z.アルボリ
コラ(Z. arboricola)ATCC20957の寒天斜面を
以下の組成のKF種培地54mlに接種して調製できる。
すなわち:コーンスティープリカー5.0g;トマトペ
ースト40.0g;オート麦粉10.0g;グルコース
10.0g;微量元素10ml;水1000ml;pH6.
8。ここに微量元素は溶液となっていて、1リットルあ
たり:NHCl0.6g; FeSO4・7H2O 1.0g;MnSO4
・4H2O 1.0g;CuCl・2H2O0.025g;CuCl2
0.1g;H3BO3 、0.056g;(NH4)6Mo7O24・4H2
O0.019g;及び ZnSO4・7H2O 0.2gであり、
接種した接地は4日間25℃で220rpm でインキュベ
ートする。その後20mlのサンプルをとり出して500
mlのKF接地を接種するのに用いて、接種した接地を2
20rpm で3日間25℃でインキュベートしてよい。こ
のように接種とインキュベーションをした4つの接地を
用いて、2ml/リットルのポリプロピレングリコールP
−2000を含むKF接地180リットルを接種し、こ
の接地を25℃で90リットル/分で通気して、0.7
kg/cm2 ゲージの圧力下に200rpm で振とうして培養
してもよい。その後、この培養サンプル25リットルを
用いて、1リットルあたり以下の成分を含む培地475
リットルを接種するのに用いることができる。すなわ
ち:D−マンニトール40g;NZ−Amine (タイプ
E;カゼイン加水分解物、Humko - Shefield, Memphis,
Tenn)、33g;Fidco - East Extract 10g;硫酸
アンモニウム5g;及びリン酸一カリウム9g及び2ml
のポリプロピレングリコールP−2000。次にこの培
地を120kgで25分間滅菌した後、25℃、250リ
ットル/分で通気して、0.7kg/cm2 ゲージの圧力下
に、150rpmで振とうして5日間培養する。pHは初期
値6.0ないし5.5から低下するにまかせて、その後
5.5±0.4に5日間保った後、収穫して、一連のク
ロマトグラフィーによる分離によって単離する。
【0048】多くの出発物質の化合物は、ある種の真菌
生物を栄養培地で培養して得られる天然生成物である。
他の出発物質は、適当な天然生成物の側鎖を脱アシル化
して核化合物を得た後、これを所望の側鎖のアシル化剤
でアシル化することによって得られる。R1 、R2 、R
3 及びR4 がOHであり、XがH、X′がOH、YがC
3 、そしてZが−CONH2 である化合物も、ザレリオン
アルボリコラ(Zalerion arboricola)ATCC2095
7の培養によって得られる。R1 、R2 、R3 及びR4
がOHであり、XがCH3 、X′がOH、YがCH3
そしてZが−CONH2 、そしてRが9,11−ジメチルト
リデシルである化合物を、栄養培地中でザレリオンアル
ボリコラ(Zalerion arboricola)ATCC20868を
培養し、クロマトグラフィーによる分離で単離であるこ
とで得られるが、より詳細には、米国特許第4,93
1,352号に説明されている。Zが−CONH2 であり、
1 、R3 、R4 がOH、R2 がH、XがH又はC
3、そしてX′がメチル、YがHである他の化合物
を、Annual Reports in Medicinal Chemistry, Vol. 1
9、p131(1984)が教えるように、クリプトス
ポリオプシス(Cryptosporiopsis) 種ATCC2059
4の培養によって得ることができる。
【0049】Zが CONH2でありRがいろいろな基であ
る、ある種の他の化合物を、シュードモナス(Pseudomo
ndacea) 又はアクチノプラーネス(Actinoplanaceae)等
の科の微生物によって天然生成物の側鎖を脱アシル化
し、この脱シアル化したシクロヘキサペプチドを単離し
た後、活性アシル誘導体でアシル化することによって調
製できる。異なった親油性の側鎖をもついろいろな半合
成化合物を得るための代表的な方法、及び多くの化合物
を得るための方法に関して、核を得ることに関しては米
国特許第4,304,716号に、核を利用して誘導体
を調製することに関しては米国特許第4,289,12
0号に記述が見られる。同様に、ZがHである半合成化
合物を得ることがてきる。すなわち、ZがHであるいろ
いろな天然生成物を脱アシル化する代表的な方法の記述
が米国特許第4,293,482号に見られる。シュー
ドモナス(Pseudomonas)種を用いた代表的な脱アシル化
においては、基質のシクロヘキサペプチド天然生成物の
ジメチルスルホキシド溶液を攪拌したpH6.5のリン酸
バッファー中のシュードモナス(Pseudomonas)種の細胞
懸濁液に加えた後、栄養培地中で37℃で18時間培養
して、脱アシル化をさせる。脱アシル化した生成物は、
細胞を分離するために遠心分離した上澄みから回収し、
精製した後、ハロゲン化アシル、ペンタクロロフェノキ
シド、スルホン酸アルキル、又はスルホン酸アリール等
の活性化酸誘導体と室温で15〜20時間反応させてア
シル化し、その後通常の方法で精製する。
【0050】ZがHである構造を有し、エキノカンジン
(echinocandins)、アクリアシン(aculiacins) 、ムル
ンドカンジン(mulundocandin)として知られており、文
字及びナンバーコードで様々に同定される天然生成物
を、アスペルギルス(Aspergillus)菌の培養により得る
ことができる。すなわち、エキノカンジンはアスペルギ
ルス ルグロスス(Aspergillus rugulosus)によって、
アクリアシンはアスペルギルス アクレアトス(Asperg
illus aculeatus)によって、そして他のエキノカンジン
様化合物は Asp. ニゲル(niger)、Asp.ニドランス(ni
dulans) 等によって生産される。XとX′がいずれもO
Hである化合物を、Z.アルボリコラ(Z. arboricola)
ATCC74030を栄養培地中で3〜30日間培養し
た後、生成物を通常の方法で回収することにより、得る
ことができる。R1 とR3 がHであり、いろいろな他の
置換基を持つ化合物は、対応する天然生成物又はR1
3 がOHである半合成化合物を0℃窒素雰囲気下に冷
却して攪拌しながら、トリフルオロ酢酸中のナトリウム
シアノボロヒドリドと反応させて、その後室温で反応を
完了させることによって調製できる。生成物は、トリフ
ルオロ酢酸を蒸発させて、残渣をメタノールに溶解し、
pHを約8に調製して、これを水中に注ぎ入れて沈澱生成
物を得ることによって回収できるが、さらにHPLCに
よって精製してもよい。R1 がOHでR3 がHの化合物
を、還元を行なう前に化合物を氷酢酸又は二塩化メチレ
ン等の溶媒で溶液にしておくことを除いては同様な方法
で調製できる。R1 がHでR3 がOHの化合物は、対応
する天然生成物又はR1 とR3 がOHである半合成化合
物を数回に分けて、トリフルオロ酢酸中でトリアセトキ
シボロヒドリドと反応させて攪拌することによって調製
できる。反応終了後に、減圧下に揮発性成分を除去し、
残渣を分取HPLCで精製できる。
【配列表】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
フロントページの続き (72)発明者 マロリー エフ.レーヴェ アメリカ合衆国,07746 ニュージャーシ ィ,マルボロ,79 ハイウェイ 189 (72)発明者 ディヴィッド ジェー.マスレー アメリカ合衆国,08558 ニュージャーシ ィ,スキルマン,グランドビュー ロード 317

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造式 【化1】 のシクロヘキサペプチドのリン酸エステル化合物の製造
    方法において、 (1)構造式 【化2】 のシクロヘキサペプチドを、温度を約−13°から−1
    7℃の範囲に保って、水酸化リチウムの存在下にテトラ
    ベンジルピロホスフェートと混合することにより、前記
    シクロヘキサペプチドをリン酸化して構造式 【化3】 を有する前記シクロヘキサペプチドのジベンジルホスフ
    ェートを得ること、及び (2)このようにして得たこのシクロヘキシルペプチド
    のジベンジルホスフェートエステルをPd/C上で水素化
    分解することにより、脱ベンジル化することからなる、 シクロヘキサペプチドのリン酸エステル化合物の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 構造式 【化4】 のシクロヘキサペプチドのリン酸エステル化合物の製造
    方法において、 (1)構造式 【化5】 のシクロヘキサペプチドを、温度を約−13°から−1
    7℃の範囲に保って、水酸化リチウムの存在下にテトラ
    ベンジルピロホスフェートと混合することにより、前記
    シクロヘキサペプチドをリン酸化して構造式 【化6】 を有する前記シクロヘキサペプチドのジベンジルホスフ
    ェートを得ること、及び (2)このようにして得たこのシクロヘキシルペプチド
    のジベンジルホスフェートエステルをPd/C上で水素化
    分解することにより、脱ベンジル化することからなる、 シクロヘキサペプチドのリン酸エステル化合物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 構造式 【化7】 の化合物を簡単に製造する方法において、 (1)(a)構造式 【化8】 の化合物とジメチルホルムアミドをテトラベンジルピロ
    ホスフェートに加えて、完全に溶解するように攪拌し
    て、 (b)内部温度を約−15℃に保つような速度で攪拌し
    ながら、前記溶液に水酸化リチウム水溶液を加えて、反
    応が完了するまで攪拌を続けること、によってリン酸化
    すること; (2)(a)リン酸化混合物を酸性にして、50:50
    (v/v)エタノール/水に前記混合物を加え、官能基
    化していないカラムに得られた溶液を通して、カラムに
    ジベンジルホスフェートエステルを吸着させて、 (b)カラムを50:50エタノール/水で洗浄して、 (c)ジベンジルホスフェートエステルを90:10の
    エタノール/水で溶出すること、 によって溶媒を交換すること;および (3)(a)炭素触媒上のパラジウムの存在下に溶出液
    を水素と接触させて、(b)濾過して触媒をとり除くこ
    と、 によってベンジルエステル基を水素化分解すること、 から成る製造方法。
  4. 【請求項4】 水素化分解の濾液中の酸生成物を直接に
    変換させて結晶性一塩を生成する工程をさらに含む請求
    項3の方法。
JP4203374A 1991-07-30 1992-07-30 ある種のシクロヘキサペプチドのリン酸エステル化合物の製造方法 Pending JPH06157594A (ja)

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