JP2002542257A - シュードマイシン天然産物 - Google Patents

シュードマイシン天然産物

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、シュードマイシンA'およびB'を含むシュードマイシン天然産物、該シュードマイシンの製造方法およびこれらのシュードマイシンの抗真菌活性を用いる方法に関する。NMRおよび質量分析はシュードマイシンA'に対して式(I)を示した。NMRおよび質量分析はシュードマイシンB'に対して式(II)を示した。 【化15】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の属する分野 本発明は、シュードマイシンA'およびB'を含むシュードマイシン天然産物、
このようなシュードマイシンの製造方法およびこれらのシュードマイシンの抗真
菌活性を用いる方法に関する。
【0002】 背景 真菌感染は、ヒト、特に免疫易感染性患者における疾患、生活の質の崩壊およ
び死亡の重大な原因である。ヒトにおける真菌感染の発生率は、過去20年間に
大きく増大してきた。このことは部分的に、器官移植、癌化学療法、AIDS、
年齢および他の同様の障害または症状によって免疫系が弱められているか、ある
いは破壊されているヒトの数の増加によるものである。このような患者は、人々
に流行しているが、機能的免疫系によるチェックにおいては排除されている真菌
病原によって攻撃を受けやすい。いくつかの既存の抗真菌剤は高度に毒性である
か、あるいは真菌活性を阻害するだけであるので、これらの病原は制御が困難で
ある。例えば、ポリエンは殺菌性であるが、毒性であり;一方、アゾールはずっ
と毒性が低いが、静真菌性のみである。より重大なことに、このような株に対す
る治療の選択を大きく制限する Candida のアゾールおよびポリエン耐性株が最
近報告された。
【0003】 Pseudomonas syringae はいくつかのクラスの抗真菌または抗生物質、例えば
リポデプシノナペプチドである、シュードマイシン、シリンゴマイシン、シリン
ゴトキシンおよびシリンゴスタチンなどを生産する。P. syringae の天然株およ
びトランスポゾンによって製造された突然変異体はこれらのリポデプシノナペプ
チドを生産する。いくつかのシュードマイシン、シリンゴマイシンおよび他のリ
ポデプシペプチド抗真菌剤が単離され、化学的に特徴付けされ、ヒトおよび植物
の両方における重要な真菌病原に対する活性を含む広い範囲の抗真菌活性を有す
ることが示された。例えばシュードマイシンA、B、CおよびC'はそれぞれ単
離精製され、その構造はアミノ酸配列決定、NMRおよび質量分析によって特徴
付けされている。例えば Ballio et al., "Novel bioactive lipodepsipeptides
from Pseudomonas syringae: the pseudomycins." FEBS Lett. 355. 96-100 (1
994) および米国特許第5,576,298号を参照のこと。シュードマイシン
、シリンゴマイシン、シリンゴトキシンおよびシリンゴスタチンは構造的に明確
な抗真菌化合物のファミリーを示す。
【0004】 シュードマイシン、シリンゴマイシン、シリンゴトキシンまたはシリンゴスタ
チンはいずれも抗真菌治療に関する市場に持ちこまれていない。望ましくない副
作用、製剤の作成、生産の拡大および他の開発問題の発見は、動物、ヒトおよび
植物に影響する全範囲の真菌感染に対するシュードマイシン、シリンゴマイシン
、シリンゴトキシンまたはシリンゴスタチンの活用を大きく妨げてきた。既存の
抗真菌剤によって治療できない感染に対して用いることができる抗真菌剤および
動物、ヒトまたは植物における感染に対する適用が依然必要とされている。
【0005】 発明の要旨 本発明は P. syringae によって生産されるシュードマイシン天然産物を提供
する。このシュードマイシン天然産物には、ClThrのカルボキシル基とセリンの
ヒドロキシル基が閉環し、ラクトン結合を有する、配列 Ser-Dab-Asp-Lys-Dab-a
Thr-Dhb-HOAsp-ClThr、より具体的には、L-Ser-D-Dab-L-Asp-L-Lys-L-Dab-L-aTh
r-Z-Dhb-L-Asp(3-OH)-L-Thr(4-Cl) を有するデプシノナペプチド環を含む。シュ
ードマイシンA'(IA)は3,4−ジヒドロキシペンタデカン酸部分を含み、
そのカルボキシル基はN末端セリンのアミン基とアミド結合を形成する。
【化11】
【0006】 シュードマイシンB'(IB)は3−ヒドロキシドデカン酸部分を含み、その
カルボキシル基はN末端セリンのアミン基とアミド結合を形成する。
【化12】
【0007】 本発明はまた、それを必要としている患者において、真菌活性を阻害するか、
あるいは真菌感染の症状を軽減するために、シュードマイシン天然産物、例えば
シュードマイシンA'、シュードマイシンB'またはその混合物を用いる方法に関
する。このような方法は真菌を殺し、真菌感染の苦しみを減少させ、熱を下げ、
ならびに/あるいは患者の全体的幸福を増大させることができる。本発明の方法
は真菌、例えば Candida parapsilosis、Candida albicans、Cryptococcus neof
ormans ならびに/あるいは Histoplasma capsulatum に対して有効である。
【0008】 詳細な説明 シュードマイシン 本明細書中で用いるシュードマイシンまたはシュードマイシン天然産物は、細
菌 Pseudomonas syringae から単離された抗真菌剤のファミリーの1またはそれ
以上のメンバーを意味する。シュードマイシンはリポデプシペプチド、1個また
はそれ以上の異常アミノ酸を含み、1個またはそれ以上の追加の疎水性または脂
肪酸側鎖を有する環式ペプチドである。詳細には、シュードマイシンは、ラクト
ン結合によって閉環された環式ペプチド部分を有するリポデプシノナペプチドで
あり、これは異常アミノ酸4−クロロスレオニン、3−ヒドロキシアスパラギン
酸、デヒドロ−2−アミノ酪酸および2,4−ジアミノ酪酸を含む。これらの異
常アミノ酸はこのシュードマイシンの生物学的特徴、例えば血清中の安定性およ
びその殺生作用に関与する。
【0009】 各シュードマイシンは同じ環式ペプチド核を有するが、これらはこの核に結合
した疎水性側鎖において異なっている。各シュードマイシンは、ClThr のカルボ
キシル基とセリンのヒドロキシル基が閉環し、ラクトン結合を有する、配列 Ser
-Dab-Asp-Lys-Dab-aThr-Dhb-HOAsp-ClThr(すなわちセリン:2,4−ジアミノ
酪酸;アスパラギン酸;リジン;2,4−ジアミノ酪酸;アロスレオニン;デヒ
ドロ−2−アミノ酪酸;3−ヒドロキシアスパラギン酸;4−クロロスレオニン
)を有する環式ノナペプチド環を有する。親油性部分はN末端セリンのアミン基
と結合している。セリンのアミン基は、シュードマイシンAの3,4−ジヒドロ
キシテトラデカノイル部分、シュードマイシンBの3−モノヒドロキシテトラデ
カノイル部分、シュードマイシンCの3,4−ジヒドロキシヘキサデカノイル部
分およびシュードマイシンC'の3−モノヒドロキシヘキサデカノイル部分のカ
ルボキシルとアミド結合を形成する。セリンのカルボキシル基はこの環のDab
とアミド結合を形成する。
【0010】 シュードマイシンA'およびB' 本明細書中で用いる用語、シュードマイシンA'およびシュードマイシンB'は
、細菌 Pseudomonas syringae から単離された抗真菌性物質を意味する。シュー
ドマイシンA'およびB'は、ClThr のカルボキシル基とセリンのヒドロキシルが
閉環し、ラクトン結合を有する、配列 Ser-Dab-Asp-Lys-Dab-aThr-Dhb-HOAsp-Cl
Thr を有する特徴的デプシノナペプチド環を有するシュードマイシンである。シ
ュードマイシンA'は3,4−ジヒドロキシペンタデカン酸部分を含み、そのカ
ルボキシル基はN末端セリンのアミン基とアミド結合を形成する。シュードマイ
シンB'は3−ヒドロキシドデカン酸部分を含み、そのカルボキシル基はN末端
セリンのアミン基とアミド結合を形成する。
【0011】 シュードマイシンの生物学的活性 シュードマイシンは、種々の真菌、例えば植物および動物の真菌性病原を殺す
ことを含むいくつかの生物学的活性を有する。特にシュードマイシンは、免疫易
感染性の個人における日和見感染を引き起こす真菌に対する活性な抗真菌剤であ
る。これらの真菌には、C. parapsilosis、C. albicans、C. glabrata、C. trop
icalis および C. krusei を含む種々の種類の Candida が含まれる。これらは
また、他の属、例えば Cryptococcus neoformans、Aspergillus fumigatus およ
び Histoplasma capsulatum を含む。真菌、特に真菌性病原の生育阻害よりむし
ろ殺生は、抗真菌剤、例えばシュードマイシンA'および/またはB'の所望かつ
好ましい生物学的活性である。
【0012】 シュードマイシンは、Rynchosporium secalis、Ceratocystis ulmi、Rizocton
ic solani、Sclerotinia sclerotiorum、Verticillium albo-atrum、Verticilli
um dahliae、Thielaviopis basicola、Fusarium oxysporum および Fusarium cu
lmorum を含む広い範囲の植物病原性真菌に対する毒性を示した(Harrison, L.,
et al., "Pseudomycins, a family of novel peptides from Pseudomonas syri
ngae possessing broad-spectrum antifungal activity," J. of General Micro
biology, 7, 2857-2865 (1991))。さらに、P. syringae MSU 16H は、Dutch ニ
レ疾患の原因物質である Ceratocystic ulmi に感染したニレにおいて野生型よ
り大きな保護を与えることが示されている。(例えば Lam et al, Proc. Natl.
Sci. USA, 84, 6447-6451 (1987) を参照のこと)。
【0013】 Pseudomonas syringae Pseudomonas syringae は、一般に植物関連の広い範囲の細菌を含む。P. syri
ngae のいくつかは植物病原であるが、他のものは弱病原性のみであるか、ある
いは雑菌である。P. syringae の多くの種々の単離体は、真菌および他の細菌と
競合しなければならない野生においてこの細菌の生存を援助する1個またはそれ
以上の細胞毒性物質を生産する。P. syringae によって生産される細胞毒性物質
には、抗真菌性物質、例えばシュードマイシン、シリンゴマイシン、シリンゴト
キシンおよびシリンゴスタチンが含まれる。
【0014】 1個またはそれ以上のシュードマイシンを生産する P. syringae の株は当分
野に記載されている。例えば、野生型株MSU 174(モンタナ大麦畑から単
離)およびTN905を用いるトランスポゾン突然変異誘発によって調製された
この株の突然変異体(MSU 16H)は、1996年11月19日発行の米国
特許第5,576,298号から G. Strobel et al.; Harrison et al., J. "P
seudomycins, a family of novel peptides from Pseudomonas syringae posses
sing broad-spectrum antifungal activity, " Gen. Microbiology 137, 2857-2
865(1991); および Lamb et al., "Transposon mutagenesis and tagging of fl
uorescent pseudomonas; Antimycotic production is necessary for control o
f Dutch elm disease," Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84, 6447-6451 (1987) に
記載されている。P. syringae の種々の株を培養する方法および抗真菌性物質、
例えばシュードマイシンの生産におけるその使用はまた、本出願と同日に提出さ
れた Matthew D. Hilton et al, 米国特許第 号、標題 "Pseu
domycin Production By Pseudomonas Syringae" に開示され、以下に記載されて
いる。MSU 174およびMSU 16Hの培養は Montana State University
(Bozeman, Montana, USA) に寄託され、American Type Culture Collection (Pe
rklawn Drive, Rockville, MD, USA) から入手可能である。本段落中のこの引用
文献の開示内容は引用により本明細書中に包含される。
【0015】 本発明は、少なくとも10μg/mL量のシュードマイシンA'および/また
はB'を生産する P. syringae の株、単離体および生物学的に精製された培養を
含む。好ましくは、生物学的に精製された微生物の培養は、シュードマイシンA
'および/またはB'を生産する Pseudomonas syringae 株MSU 16H、25
−B1、67H1または7H9−1または突然変異体、変異体、単離体またはこ
れらの株の組換え体である。培養MSU 174およびMSU 16Hを、本明細
書中、上に引用される文献中に記載されているように得た。
【0016】 シュードマイシンA'および/またはB'の生産に適当な P. syringae の株は
、植物、例えば大麦植物、カンキツ属植物、およびハシドイ属植物を含む周囲の
供給源から、ならびに土壌、水、空気およびちりのような供給源から単離可能で
ある。好ましい株は植物から単離されたものである。周囲の供給源から単離され
た P. syringae は野生型と称することができる。本明細書中で用いる「野生型
」とは、P. syringae の正常な集団(すなわち、天然に発見されたものであり、
実験室の操作によって生産されたものではない P. syringae の株または単離体
)中に天然に存在する優性な遺伝型を意味する。他の生物を用いる場合と同じで
、本発明において用いられる、シュードマイシンA'および/またはB'を生産す
る培養、P. syringae 株、例えばMSU 174、MSU 16H、MSU 20
6、25−B1、7H9−1および67H1の特徴は変化を受ける。したがって
、これらの株の子孫、例えば組換え体、突然変異体および変異体は当業者に周知
の方法によって得ることができる。
【0017】 P. syringae の突然変異株はまた、シュードマイシンA'および/またはB'の
生産に適当である。本明細書中で用いる突然変異体は、株の表現型の突然の遺伝
性変化を意味し、これは自然発生的であるか、あるいは、放射線および種々の化
学物質を含む既知の突然変異を起こさせる物質によって誘導されたものであり得
る。本発明の突然変異体 P. syringae は、放射線、例えば紫外線、x線;化学
変異誘発物質、部位特異的突然変異誘発およびトランスポゾンが媒介する突然変
異誘発を含む種々の突然変異を起こさせる物質を用いて作成できる。化学変異誘
発物質の例はメタンスルホン酸エチル(EMS)、ジエポキシオクタン、N−メ
チル−N−ニトロ−N'−ニトロソグアニン(NTG)および亜硝酸である。
【0018】 本発明の、シュードマイシンA'および/またはB'を生産する P. syringae
突然変異体は、シュードマイシンA'および/またはB'を過剰発現するか、他の
シュードマイシンを超えて過剰のシュードマイシンA'および/またはB'を生産
するか、あるいは有利な生育条件下でシュードマイシンA'および/またはB'を
生産する突然変異体を作成するのに有効な一定量の突然変異を起こさせる物質で
細菌を処理することによって製造できる。用いるべき突然変異を起こさせる物質
のタイプおよび量は変化し得るが、好ましい方法はNTGを1〜100μg/m
Lの範囲のレベルに連続希釈することである。本発明の好ましい突然変異体はシ
ュードマイシンA'および/またはB'を過剰発現し、最小規定培地で生育するも
のである。この突然変異体は、シュードマイシンA'および/またはB'を、好ま
しくは少なくとも約10μg/mLまで過剰発現する。
【0019】 P. syringae の環境単離体、突然変異株および他の望ましい株を、生育性質、
培養培地、栄養源、炭素源、培養条件およびアミノ酸要求性の所望の特徴に関す
る選択に付することができる。好ましくは、シュードマイシンA'および/また
はB'を生産する P. syringae の株を最小規定培地、例えばN21培地での生育
、および/または約10μg/mLより高いレベルのシュードマイシンA'およ
び/またはB'の生産に関して選択する。好ましい株は、グリシンおよび、場合
により、脂質、ポテト産物またはそれらの組み合わせを含む培地で培養した場合
、特徴的なシュードマイシンA'および/またはB'生産を示す。
【0020】 当業者に周知の確立された実験手法を用いて P. syringae 株を形質転換する
ことによって組換え株を開発できる。組換え技術の使用を通して、P. syringae
株を形質転換し、これらの株が生産する抗生物質に加えて種々の遺伝子産物を発
現させることができる。例えば、この株が通常は感受性である抗生物質に対する
耐性を付与する組換えベクターで株を形質転換することができる。このように得
られた形質転換体はシュードマイシン、例えばシュードマイシンA'および/ま
たはB'だけでなく、野生型細胞からの形質転換体の選択を可能にする耐性付与
酵素を生産するであろう。さらに、同様の技術を用いて、現在の株を修飾して、
複数コピーの内因性シュードマイシン生合成遺伝子を導入し、より多量のシュー
ドマイシン、例えばシュードマイシンA'および/またはB'収量を達成すること
ができる。特徴的なシュードマイシン、例えばシュードマイシンA'および/ま
たはB'の過剰発現を達成する P. syringae 株25−B1、67H1および7H
9−1の子孫、すなわち、天然および誘導化変異体、突然変異体および組換え体
は本発明の一部である。
【0021】 Pseudomonas syringae の培養 本明細書中で記載される水性栄養培地とは、本発明において用いられる細菌の
生育に必要な無機および有機化合物およびその塩を含む水ベースの組成物を意味
する。好ましい栄養培地は、有効量の3個あるいはより少ないアミノ酸、好まし
くはグルタミン酸、グリシン、ヒスチジンまたはそれらの組み合わせを含む。1
つの態様では、培地は有効量のグリシンおよび、場合により、1個またはそれ以
上のポテト産物および脂質を含む。グリシンは単一のアミノ酸としてか、あるい
は加水分解されたタンパク質のようなアミノ酸の混合物の部分として提供できる
。適当な脂質には、ダイズ油または脂肪酸が含まれる。適当なポテト産物にはポ
テトデキストロースブロス、ポテトデキストリン、ポテトタンパク質および市販
のマッシュポテト混合食品が含まれる。栄養培地中の好ましい無機物には、一般
に細胞培養および発酵において用いられる塩の混合物、例えば Czapek 無機塩類
溶液(例えばKCl、MgSOおよびFeSO)が含まれる。栄養培地中の
有機化合物には、好ましくは、グルコースが含まれ、場合により、可溶性デンプ
ンを含ませることができ、他の同様の有機化合物を含ませることもできる。培地
のpHは好ましくは約4〜6.5の範囲であり、より好ましくは約4.5〜約5
.7の範囲、最も好ましくは約5.2である。
【0022】 栄養ブロス中の各成分の量は典型的には、細菌の生育またはシュードマイシン
A'および/またはB'の生産には重要ではないが、一定レベルの栄養素が有利で
ある。グリシンの好ましい量は約0.1g/L〜約10g/Lであり、より好ま
しくは約0.3g/L〜約3g/L、最も好ましくは約1g/Lである。脂質の
好ましい量は約1g/L〜約10g/Lの油状生成物、例えばダイズ油であり、
より好ましくは約0.5g/L〜約2g/Lのダイズ油である。脂肪酸または脂
肪酸エステルの好ましい量は約0.5g/L〜約5g/Lである。ポテト産物の
好ましい量は、約12g/L〜約36g/L、好ましくは約24g/Lのポテト
デキストロースブロス;約5g/L〜約50g/L、好ましくは約30g/Lの
市販のマッシュポテトミックス;約1g/L〜約30g/L、好ましくは約20
g/Lのポテトデキストリン;または約1g/L〜約10g/L、好ましくは約
4g/Lのポテトタンパク質を含む。好ましい栄養培地には、無機物、好ましく
は約0.02〜約2g/L、より好ましくは約0.2g/LのKCl;約0.0
2〜約2g/L、より好ましくは約0.2g/LのMgSO、好ましくはMg
SO・7HO;および約0.4〜約40mg/L、より好ましくは約4mg
/LのFeSO、好ましくはFeSO・7HOを含む。存在するならば、
可溶性デンプンは約0.5〜約50g/L、より好ましくは約5g/Lである。
グルコースは好ましくは約2〜約80g/L、より好ましくは約20g/Lで存
在する。
【0023】 P. syringae を制御または調節されたpHおよび温度条件下、記載の培地中で
典型的に培養する。約15℃〜約35℃の範囲、好ましくは約20℃〜約30℃
、より好ましくは約22℃〜約27℃の範囲、最も好ましくは約25℃の温度で
P. syringae は生育し、シュードマイシンA'および/またはB'を生産する。
pH約4〜約9の範囲、好ましくは約4〜約6の範囲、より好ましくは約4.5
〜約5.5の範囲で P. syringae は生育し、シュードマイシンA'および/また
はB'を生産する。典型的には、P. syringae の生育は、温度37℃以上または
10℃以下、あるいはpH9以上または4以下では生じない。
【0024】 シュードマイシンA'およびB'の生産方法 P. syringae の野生型または突然変異株からシュードマイシンA'および/ま
たはB'を生産するため、この生物を、有効量の3つまたはより少ないアミノ酸
を含む水性栄養培地中で攪拌しながら培養する。この3つまたはより少ないアミ
ノ酸は好ましくはグルタミン酸、グリシン、ヒスチジンまたはそれらの組み合わ
せである。1つの好ましい態様では、このアミノ酸はグリシンおよび、場合によ
り、1個またはそれ以上のポテト産物および脂質を含む。培養は、P. syringae
の生育およびシュードマイシンA'および/またはB'の生産に有効な条件下で行
う。有効な条件には、約22℃〜約27℃の温度、および約36時間〜約96時
間の期間が含まれる。本明細書中に記載のような培地で培養した場合、P. syrin
gae は約10〜15g/L乾燥重量までの細胞密度で生育でき、総量が少なくと
も約10μg/mLのシュードマイシンA'および/またはB'を生産できる。
【0025】 P. syringae の培養時、培地中の酸素濃度を制御することは、シュードマイシ
ンA'および/またはB'の生産に有利である。好ましくは酸素レベルを約5%〜
約50%飽和、好ましくは約30%飽和で維持する。空気、純粋な酸素、または
酸素を含むガス混合物でスパージし、培地中の酸素濃度を調節できる。さらに、
攪拌速度を調節して、酸素輸送速度を調節できる。
【0026】 P. syringae の培養時に、培地のpHを制御することは、シュードマイシンA
'および/またはB'の生産に有利である。シュードマイシン、例えばシュードマ
イシンA'および/またはB'は塩基性pHでは不安定であり、培養培地のpHが
約12時間以上の間、約6より高い場合、重大な分解が生じ得る。好ましくは、
培養培地のpHを約6より低く、好ましくは約5.5より低く、好ましくは4.
0より高く維持する。このpHを好ましくは約5〜約5.4、より好ましくは約
5.0〜約5.2で維持する。本発明を制限しないが、塩基性pHでのシュード
マイシン分解はラクトン環の開環およびClThrのThrへの変換によるもの
であると考えられる。
【0027】 P. syringae は、バッチ培養法で培養された場合、シュードマイシンA'およ
び/またはB'を生産できる。しかし、グルコースおよび、場合により、pHを
制御するための酸または塩基、例えば水酸化アンモニウムの流加または半継続フ
ィードはシュードマイシン生産を高める。P. syringae によるシュードマイシン
生産は、グルコースおよび、場合により、pHを制御するための酸または塩基、
例えば水酸化アンモニウムが自動的にフィードされる継続培養法を用いることに
よってさらに高めることができる。
【0028】 シュードマイシンA'および/またはB'は、当業者に既知の種々の方法のいず
れかによって検出、測定、単離および/または精製できる。例えば、ブロスまた
は単離または精製組成物中のシュードマイシン活性のレベルは、真菌、例えば C
andida に対する抗真菌作用によって測定できる。シュードマイシンの製造およ
び分析に関する多数の方法が既知である。例えば1個またはそれ以上のシュード
マイシンをクロマトグラフィー、例えばHPLCによって単離および精製できる
【0029】 医薬用途 シュードマイシンA'またはB'の製剤化および抗真菌活性 シュードマイシンA'およびB'はそれぞれインビトロおよびインビボで活性を
示し、したがって、全身性真菌感染または真菌皮膚感染と闘うのに有用であり得
る。したがって、本発明は、シュードマイシンA'および/またはB'または製薬
的に許容されるその塩を真菌と接触させることを含む真菌活性の阻害方法を提供
する。好ましい方法には、C. parapsilosis、C. albicans、Cryptococcus neofo
rmans および Histoplasma capsulatum を含む種々の真菌の生育または活性を阻
害することが含まれる。本明細書中で用いる本発明の化合物を寄生虫または真菌
と接触させることとは、本発明の化合物を寄生虫または真菌と結合または連結、
または明白な接触または相互接触させることを意味する。しかし、接触という用
語はいずれの阻害機構をも含まない。
【0030】 本発明はさらに、有効量のシュードマイシンA'および/またはB'、または製
薬的に許容されるその塩、水和物またはエステルを、その処置を必要としている
宿主に投与することを含む真菌感染の処置方法を提供する。好ましい方法には、
C. parapsilosis, C. albicans, Cryptococcus neoformans および Histoplasma
capsulatum を含む種々の真菌による感染の処置が含まれる。有効かつ適当な量
を投与した場合、シュードマイシンA'および/またはB'の処方は真菌感染の苦
しみを減少させ、真菌感染に付随する症状を軽減し、結果として真菌感染を排除
することができる。
【0031】 抗真菌治療を必要としている幾人かの患者は、高熱のような深刻な感染症状を
有し、集中治療または緊急治療となり得る。種々の真菌は深刻な感染を生じさせ
る。例えば Candida spp. は粘膜および深刻な全身性感染を生じさせることがあ
る。Candida のアゾールおよびポリエン耐性株が頻繁に報告された。Aspergillu
s は生命を脅かす全身性感染を引き起こす。Cryptococcus は髄膜炎の原因であ
る。このような深刻な真菌感染は、免疫易感染性の患者、例えば器官または骨髄
移植を受けたか、癌に対する化学治療を受けたか、大手術から回復したか、ある
いはHIV感染を患っている患者で生じ得る。このような患者に関しては、抗真
菌治療には、典型的に、数日またはそれ以上にわたる、感染を止めるための、シ
ュードマイシンA'および/またはB'を含む製剤の静脈内投与が含まれる。
【0032】 抗真菌活性に関して、用語「有効量」とは、真菌生育または活性を阻害するこ
とができるか、あるいは真菌感染の症状を軽減することができる本発明の化合物
の量を意味する。ほとんどの真菌感染に関して、感染症状の軽減には、熱の低下
、意識の回復、および患者の幸福の増大が含まれる。好ましくは、真菌を殺して
感染を排除するか、あるいは感染を患者によって寛容されるか、あるいは患者の
免疫系によって制御されるレベルにまで持っていくことによって症状を軽減する
。本明細書中で用いる阻害とは、生育または任意の付随する特徴および真菌の存
在から生じる結果の停止、遅延または予防的妨害または防止を含む真菌活性の阻
害を意味する。
【0033】 投与量は感染の性質および重篤度、宿主の年齢および全体的健康および抗真菌
物質に対する宿主の寛容性のような要因に応じて変化するだろう。典型的には、
真菌感染を阻害する有効量の組成物を、それを必要としている患者(ヒトまたは
、例えばネコ、ウマおよびウシであるがこれらに限定されない哺乳類および鳥類
を含む他の動物)に投与する。具体的な投与療法も同様に、このような要因によ
って変化し得るし、1日を通して単回投与または複数回投与を与えることができ
る。この治療は約2〜3日から約2〜3週間またはそれ以上で終了し得る。(単
回または分割投与による)典型的な1日の用量は、約0.01mg/体重kg〜
約100mg/体重kgの投与量の本発明の活性化合物を含むであろう。好まし
くは、1日の用量は一般に、約0.1mg/kg〜約60mg/kgであり、理
想的には、約2.5mg/kg〜約40mg/kgであるだろう。深刻な感染に
対しては、例えば0.01〜10mg/kg/時間の活性成分を用いる静脈内注
入により本化合物を投与できる。
【0034】 本発明はまた、本発明の抗真菌性化合物の投与に有用な医薬製剤を提供する。
したがって本発明はまた、1個またはそれ以上の製薬的に許容される担体、希釈
剤、ビヒクル、賦形剤、または他の添加剤とシュードマイシンA'および/また
はB'を含む医薬製剤を提供する。このような製剤には、製剤の0.1重量%〜
99.9重量%、より一般的には約10重量%〜約30重量%の活性成分が含ま
れる。「製薬的に許容される」とは、担体、希釈剤または賦形剤が製剤の他の成
分と混合しても化学反応を起こさず、その服用者に有害でないことを意味する。
【0035】 製剤には、石油、動物、植物または合成起源のもの、例えば落花生油、ダイズ
油、鉱油およびゴマ油を含む種々の油状物などの添加剤を含ませることができる
。適当な医薬的賦形剤には、デンプン、セルロース、グルコース、ラクトース、
スクロース、ゼラチン、麦芽、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリ
ウム、モノステアリン酸グリセロール、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グ
リセロール、プロピレングリコール、水およびエタノールが含まれる。この組成
物は、慣用の製薬方法、例えば滅菌化に付することができ、慣用の医薬的添加剤
、例えば保存剤、安定化剤、湿潤剤または乳化剤、浸透圧調節用の塩およびバッ
ファーを含ませることができる。適当な医薬的担体およびその製剤化は Martin,
"Remington's Pharmaceutical Sciences," 15th Ed.; Mack Publishing Co., E
aston (1975); 例えば pp. 1405-1412 および pp. 1461-1487 を参照。
【0036】 本明細書中で用いる用語「製薬的に許容される塩」とは、生命に対して実質的
に無毒な上記化合物の塩を意味する。典型的な製薬的に許容される塩には、本発
明の化合物を無機または有機の酸または無機塩基と反応させることによって調製
される塩が含まれる。このような塩は酸付加塩および塩基付加塩として既知であ
る。
【0037】 酸付加塩の形成に一般に用いられる酸は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、
ヨウ化水素酸、硫酸およびリン酸、および有機酸、例えばp−トルエンスルホン
酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、p−ブロモフェニルスルホン酸、炭酸、コハ
ク酸、クエン酸、安息香酸および酢酸である。このような製薬的に許容される塩
の例には、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、
リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、クロライド、
ブロミド、ヨーダイド、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、
アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオル
酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フ
マル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−二酸塩、ヘキシン−1,6−二酸塩
、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒ
ドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレ
ンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、
クエン酸塩、乳酸塩、ガンマ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、
メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、
ナフタレン−2−スルホン酸塩およびマンデル酸塩がある。好ましい製薬的に許
容される酸付加塩には、無機酸、例えば塩酸および臭化水素酸と形成されたもの
、および有機酸、例えばマレイン酸およびメタンスルホン酸と形成されたものが
ある。
【0038】 塩基付加塩には、無機塩基、例えばアンモニウムまたはアルカリまたはアルカ
リ土類金属ヒドロキシド、カルボナートおよびビカルボナート由来のものが含ま
れる。したがって、このような本発明の塩の調製に有用な塩基には、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム
、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、水酸化カルシウムおよび炭酸カルシウム
が含まれる。カリウムおよびナトリウム塩形態は特に好ましい。
【0039】 塩が全体として薬理学的に許容され、対イオンが全体としての塩に望ましくな
い性質を与えない限り、本発明の任意の塩の部分を形成する特定の対イオンは重
要な性質のものではないことが理解されるべきである。
【0040】 シュードマイシンA'および/またはB'は、例えば筋肉内、皮下、または腹腔
内注射を使用して非経口的に、鼻腔または経口経路により投与することができる
。これらの投与方法に加えて、シュードマイシンA'および/またはB'は表皮感
染に関して局所的に適用することができ、あるいは粘液中の真菌を根絶し、ある
いは阻害することができる。
【0041】 非経口投与では、製剤に、シュードマイシンA'および/またはB'および生理
学的に許容される希釈剤、例えば脱イオン水、生理食塩水、5%デキストロース
および他の一般に用いられる希釈剤を含ませる。この製剤には、シクロデキスト
リンおよび/または可溶化剤、例えばポリエチレングリコールまたはポリプロピ
レングリコールまたは他の既知の可溶化剤を含ませてもよい。このような製剤は
、抗真菌剤および賦形剤を含む滅菌バイアル中で乾燥粉末または凍結乾燥粉末形
態で作成することができる。使用前に生理学的に許容される希釈剤を加え、患者
への投与用に溶液をシリンジで吸引する。
【0042】 本医薬製剤は、既知であり、かつ容易に入手可能な成分を用いる既知の手法に
よって製造する。本発明の組成物の作成では一般に、活性成分を担体と混合する
か、あるいは担体で希釈するか、あるいはカプセル、サシエ、ペーパーまたは他
の容器の形態であってよい担体中に包含させる。担体が希釈剤として働く場合、
これは、活性成分に対するビヒクル、賦形剤または媒体として作用する固形、半
固形または液状物質であり得る。したがって、組成物は錠剤、ピル剤、粉末剤、
トローチ剤、サシエ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、エマルジョン、溶液
剤、シロップ剤、エアロゾル剤、(固形物として、あるいは液状媒体中)、例え
ば10重量%までの活性化合物を含む軟膏剤、ゼラチン軟および硬カプセル剤、
坐剤、滅菌注射用溶液剤および滅菌パッケージ化粉末剤の剤型であってよい。
【0043】 経口投与用には、抗真菌化合物をゼラチンカプセルに充填するか、あるいは錠
剤に成形する。このような錠剤は、シュードマイシンA'および/またはB'適用
量に対して適正なサイズの錠剤を製造するのに適した結合剤、分散剤または他の
適当な賦形剤を含んでもよい。小児用または老人用の使用では、抗真菌性化合物
を香気を添えた液状懸濁液、溶液またはエマルジョン中に製剤化することができ
る。好ましい経口製剤は、リノール酸、クレモフォア(cremophor)RH-60 およ
び水、ならびに好ましくは8%リノール酸、5% クレモフォア RH-60、87%
滅菌水の量(用量%)、ならびに約2.5〜約40mg/mL量のシュードマイ
シンA'および/またはB'である。
【0044】 局所的使用では、抗真菌性化合物を皮膚表面への適用のための乾燥粉末ととも
に製剤化することができ、またこれは、可溶化水溶液または非水溶液、例えばア
ルコールまたはグリコールを含む液状製剤として製剤化してもよい。
【0045】 シュードマイシンA'またはB'製剤の使用 また本発明は本医薬組成物を含み、本発明の方法とともに用いられるキットを
含む。このキットは、乾燥または液状形態の本発明の製剤および適当な担体を含
むバイアルを含み得る。このキットはさらに、バイアルのラベルとして、および
/または、バアルがパッケージされているボックス中に含まれる挿入物として、
化合物の使用および投与に関する指示書を含む。この指示書は、バイアルがパッ
ケージされているボックスに印刷されていてもよい。この指示書は、当分野の働
き手がこの薬物を投与できるように、十分な適用量および投与情報などの情報を
含む。当分野の働き手には、この薬物を投与するかもしれない任意の医者、看護
婦または技師が含まれることが予想される。
【0046】 本発明はまた、シュードマイシンA'および/またはB'の製剤を含む医薬組成
物であって、注射による投与に適したものに関する。本発明では、シュードマイ
シンA'および/またはB'の製剤は、注射による投与に適した組成物または薬物
を製造するために用いることができる。本発明はまた、注射による投与に適した
剤型のシュードマイシンA'および/またはB'の製剤を含む組成物を製造する方
法に関する。例えば、液状または固形製剤は、慣用技術を用いるいくつかの経路
で製造できる。ある液状製剤はシュードマイシンA'および/またはB'を、緩衝
剤または他の賦形剤を含む適当なpHの適当な溶媒、例えば水に溶解することに
よって製造できる。
【0047】 農業上の使用 P. syringae から生産される抗生物質 NRRL B-12050 は、Dutch ニレ疾患を有
効に処置することが示された(例えば、米国特許第4,342,746号および
第4,277,462号を参照)。特に、P. syringae MSU 16H は、Dutch ニレ
疾患の原因物質である Ceratocystis ulmi に感染したニレにおいて、野生型株
より大きな保護を与えることが示された(例えば Lam et al, Proc. Natl. Sci.
USA, 84, 6447-6451 (1987) を参照)。畑で生育したニレに対するより大規模
な試験により、予防レベルでバイオコントロールの現象が確認された。したがっ
て、本発明のシュードマイシンは Dutch ニレ疾患の予防処置にとして有用であ
り得る。このシュードマイシンは、Rynchosporium secalis、Ceratocystis ulmi
、Rizoctonia solani、Sclerotinia sclerotiorum、Verticillium albo-atrum、
Verticillium dahliae、Thielaviopis basicola、Fusarium oxysporum および F
usarium culmorum を含む広い範囲の植物病原性真菌に対して毒性であることが
示された(Harrison, L., et al., "Pseudomycins, a family of novel peptide
s from Pseudomonas syringae possessing broad-spectrum antifungal activit
y," J. General Microbiology, 7, 2857-2865 (1991) を参照)。結論として、
単離されたシュードマイシンA'および/またはB'(その水和物、溶媒和物およ
びエステルを含む)は、直接処置または予防処置として、植物における真菌(特
に、V. albo-atrum、Rhizoctonia solani および F. oxysporum)の処置に有用
であり得る。一般に、シュードマイシン化合物の水性懸濁液を植物中へ、あるい
は植物上に注射またはスプレーすることによって感染植物を処置する。注射の手
段は当業者に周知である(例えば、切骨器ピストル (gouge pistol))。有効量
の活性物質を植物表面に分配する、いずれかの懸濁液スプレー手段を用いること
ができる。この懸濁液には、当業者が一般に用いる他の添加剤、例えば可溶化剤
、安定化剤、湿潤剤およびその組み合わせを含ませてもよい。
【0048】 植物の処置はまた、単離のシュードマイシンA'および/またはB'化合物を含
む乾燥組成物を用いて行うことができる。乾燥製剤は当業者に周知のいずれかの
手段、例えば容器からのスプレーまたはシェイクにより植物表面に適用すること
ができる。
【0049】 以下の実施例を参照して、本発明をより理解することができる。これらの実施
例は本発明の具体的態様を示すことを意図するものであり、本発明の範囲の限定
を意図しない。
【0050】 実施例 寄託された生物学的材料 P. syringae MSU 16Hは American Type Culture Collection, Parklawn Drive, Rockville, MD, USA から受入れ番号 No. ATCC 67028 として公に利用
可能である。P. syringae 株25−B1、7H9−1および67 H1は200
0年3月23日に American Type Culture Collection に寄託され、以下の受入
れ番号を割り当てられた: 25−B1 受入れ番号 PTA-1622 7H9−1 受入れ番号 PTA-1623 67 H1 受入れ番号 PTA-1621
【0051】 実施例1 シュードマイシンA'およびB'の生産 Pseudomonas syringae 株の発酵ブロス中、シュードマイシンA'およびB'生
産に関する発酵方法を開発した。
【0052】 材料および方法 種菌の調製: 液体窒素の蒸気相中に保存された一定量の細胞を解凍し、900mL量のCS
Mブロス2つを接種するのに用いた。CSMブロスは以下から構成されるもので
あった(単位g/L):デキストロース(5)、マルトース(4)、Difco Tryp
tic Soy Broth(30)、Difco 酵母抽出物(3)およびMgSO 7HO(
2)。細胞約0.5mLを用いて、2個のリットルフラスコ中に入れられた培地
各900mLを接種した。フラスコを24時間振りながら、25℃でインキュベ
ートした。2個のフラスコ中の内容物をまとめ、滅菌発酵ブロス115リットル
を含む150リットル発酵槽を接種した。
【0053】 発酵段階: 発酵ブロスは以下から構成されるものであった(単位g/L):デキストロー
ス(20)、可溶性デンプン(5)、Basic American Foods Country Style Pot
ato Pearls インスタントマッシュポテト(30)、グリシン(1)、MgSO
7HO(0.2)、KCl(0.2)およびFeSO 7HO(0.0
04)(生水中)。pHを5.2に調節した後、滅菌した。発酵は25℃で68
時間行った。空気流およびインペラー攪拌速度を継続して調節することにより、
溶存酸素を空気飽和の30%またはそれ以上に維持した。HSOまたはNa
OHを加えることによってpHを4.0〜5.4の間で維持した。
【0054】 バッチ法のバリエーション: 単純バッチ処理のいくつかのバリエーションによりシュードマイシンA'およ
び/またはB'を生産できることがわかった。初期接種24時間後に出発し、1
時間当たり60mLの割合でデキストロースを発酵槽に移すことができる。発酵
工程を通してフィードを継続できる。別法では、接種24時間後に出発し、発酵
期間の終わりまで継続して、溶存酸素を空気飽和の5%で維持する方法を用いた
。発酵槽に連結されている空気供給器に不活性窒素ガス(N)を加えることに
よって溶存酸素を5%で維持することができた。すべての場合で、発酵槽中の底
部攪拌タービンの直下に開口部が位置する単一の水中スパージャー管を介してガ
スを供給した。
【0055】 結果および結論 いくつかの発酵方法で P. syringae からシュードマイシンA'および/または
B'が生産される。
【0056】 実施例2 シュードマイシンA'およびB'の単離および精製 Pseudomonas syringae 株の発酵ブロスからのシュードマイシンA'およびB'
の単離および精製に関して方法を開発した。
【0057】 材料および方法 回収後の全発酵ブロス(4X100L)を Membralox セラミックフィルター
(0.45μm)を通してろ過し、ろ液(フラクションA)および固形スラリー
(フラクションB)を得た。フラクションB(135L)を等量の、0.1%T
FAを含むアセトンで120分間抽出し、静置した。透明なアセトン抽出物をろ
過によって分離し、次いで減圧下で蒸発させ、水溶液にし、フラクションC(8
8L)を得た。まずフラクションAを水中に詰めたHP20ss樹脂カラム(1
0L)に載せ、カラムを0.1%TFAを含む15%アセトニトリル(20L)
で洗浄した。次いでフラクションCを同じカラムにロードし、このカラムを0.
1%TFAを含む15%アセトニトリル20Lで前記のように洗浄した。
【0058】 次いでこのカラムを、0.1%TFAを含む15〜20%アセトニトリルの直
線状濃度勾配で30分間、0.1%TFAを含む20〜35%アセトニトリルの
直線状濃度勾配で60分間、流速1L/分で溶出した。1Lフラクションを収集
した。フラクション6〜9をまとめ(4L)、フラクションD(24g)を得た
。フラクションDの一部(〜1g)を、トリエチルアンモニウムホスフェートバ
ッファー(pH3)−アセトニトリル−メタノールを移動相として用いて逆相カ
ラム(Dynamax C18 41.4 X 250mm)でクロマトグラフィーした(65:17:1
8から30:35:35濃度勾配溶出、45分間、流速40mL/分)。適当な
フラクションをまとめ、容量を75mLに減らし、80:10:10から46:
27:27の濃度勾配を用いてC18カラムで前記のように再クロマトグラフィ
ーし、フラクションE(113mg)およびフラクションF(116mg)を得
た。C18カラム(Dynamax 21.4 X 250mm)で、フラクションEおよびFをさら
にクロマトグラフィーし、シュードマイシンA'45mgおよびシュードマイシ
ンB'62mgをそれぞれ得た。
【0059】 結果および結論 他のシュードマイシンの精製に用いられるものと同様のHPLC法により、発
酵ブロスからシュードマイシンA'およびB'を精製した。
【0060】 実施例3 シュードマイシンA'およびB'の構造の決定 質量分析およびNMRによりシュードマイシンA'およびB'構造を測定した。
【0061】 シュードマイシンA'の構造決定 方法および結果 シュードマイシンA'の分子式を、高分解能FABMSによって、C52
ClN1220[m/z 1237.6112(C5290ClN12
20に関して)(M+H)、Δ−2.4ppm)]として決定した。シュード
マイシンAと比較すると、シュードマイシンA'の分子式は1個の追加のCH
基を示した。この観察は、シュードマイシンA'においては、N末端セリンが、
シュードマイシンAにおける3,4−ジヒドロキシテトラデカン酸のかわりに3
,4−ジヒドロキシペンタデカン酸でアシル化され得ることを示した。この議論
は、以前に特徴付けられたすべてのシュードマイシンにおいて、コアが特有かつ
同一のノナデプシペプチド環を有し、これらの間の唯一の相違は疎水性側鎖の性
質によって生じることによって支持される。
【0062】 したがって、シュードマイシンA'のNMRスペクトルデータは実質的にすべ
ての既知のシュードマイシン、例えばシュードマイシンA、B、CおよびC'と
同一である。シュードマイシンA'のTOCSYおよびHMQCを含むH、
Cおよび2D NMRスペクトルの総合的分析により、シュードマイシンA'の
疎水性側鎖における3,4−ジオール官能基が確立され、分子中のすべてのプロ
トンおよびプロトンを保持する炭素を割り当てることが可能になった(表1)。
これらの質量分析およびNMRデータに基づく、シュードマイシンA'に対して
測定された構造を以下に示す。
【化13】 質量およびNMRスペクトルデータから得られたシュードマイシンA'の構造 表1 HO+CDCN中のシュードマイシンA'のHおよび13CNM
Rデータ
【表1】
【表2】 *Dab−1およびDab−2に関する割り当ては交換可能である。
【0063】 シュードマイシンB'の構造決定 シュードマイシンB'の構造決定も質量およびNMRスペクトルデータの解釈
によって行った。分子式:C4983ClN1219[m/z 1179.
5685(C4984ClN1219に関して)(M+H)、Δ−1.8p
pm]は高分解能FAB−MSデータによって確立した。この式は、シュードマ
イシンBに関して観察されるものではない2個のCHを示した。TOCSYお
よびHMQCスペクトルを含むH、13Cおよび2D NMRの詳細な分析お
よび既知のシュードマイシンとのスペクトルデータの比較により、同一のアミノ
酸組成が示された。さらにNMRデータは3−ヒドロキシドデカン酸の存在を示
した(表2)。したがってこのスペクトルデータからシュードマイシンB'の構
造は以下に示すものであることがわかる。
【化14】 質量およびNMRスペクトルデータから得られたシュードマイシンB'の構造 表2 HO+CDCN中のシュードマイシンB'のHおよび13CNM
Rデータ
【表3】
【表4】
【表5】 *Dab−1およびDab−2に関する割り当ては交換可能である。
【0064】 結論 シュードマイシンA'およびB'は、独特のクラスのノナデプシペプチドの新規
メンバーである。これらの分子は既知のシュードマイシンに非常に密接に関連し
、疎水性側鎖の性質のみが異なっているが、これらは、抗真菌剤としてのこのク
ラスの化合物の構造−活性相関を解明する鍵となる役割を担うはずである。
【0065】 実施例4 Pseudomonas syringae の単離、特徴付けおよび突然変異誘発 P. syringae の環境単離体および突然変異体を生産し、抗真菌物質の製造に用
いた。
【0066】 材料および方法 1996年11月19日発行の米国特許第5,576,298号から G. Stro
bel et al.; Harrison et al., "Pseudomycins, a family of novel peptides f
rom Pseudomonas syringae possessing broad-spectrun antifungal activity."
J. Gen. Microbiology 137, 2857-2865 (1991); および Lamb et al., "Transp
oson mutagenesis and tagging of fluorescent pseudomonas; Antimycotic pro
duction is necessary for control of Dutch elm disease." Proc. Natl. Acad
. Sci. USA 84, 6447-6451 (1987) に記載されるように、株MSU 174およ
びMSU 16−Hを単離し、特徴付けした。この段落に引用されている文献の
開示内容は引用により本明細書中に包含される。
【0067】 このような野生型および化学突然変異誘発によるトランスポゾン作成突然変異
体からさらなる株を派生させた。突然変異誘発に付された株にはMSU 174
、MSU 16Hおよび25−B1が含まれる。突然変異を起こさせるべき株を
CSM培地中で生育させ、次いで0、1,2,4、16または32μg/mLの
化学突然変異原である、1−メチル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニジン(N
TGまたはMNNG)を含む培地に分けた。次いでこれらの細胞を後のスクリー
ニングおよび選択用に凍結した。
【0068】 突然変異を起こさせた細胞を、所望の生育条件および/または1個またはそれ
以上のシュードマイシン、例えばシュードマイシンA'および/またはB'の生産
に関して選択した。化学的に突然変異を起こさせた、P. syringae の細胞、例え
ば突然変異を起こさせた株25−B1を解凍し、N21SM培地中6細胞/mL
に希釈した(表5)。この培地は1個またはそれ以上の選択に関する成分、例え
ば種々の濃度のホスフェートを含んでいることもあった。50μL容量の突然変
異を起こさせた細胞を96ウェル丸底ミクロタイタープレートのウェルに、平均
0.3細胞/ウェルのデリバリーで分配した。典型的に、シリコーンオイルを各
ウェルに加え、蒸発を最小化した。このプレートを6〜12日間25℃でシェイ
クしながらインキュベートした。 表5 N21SM培地の組成
【表6】
【0069】 このインキュベーション後、各ウェルからの一定量、典型的には5TLを連続
希釈(例えば1:56、1:196、1:320、1:686および/または1
:1715)し、Candida albicans に対する活性に関して、液体ミクロタイタ
ープレートバイオアッセイにおいて評価した。このプレートを37℃で一晩イン
キュベートし、C. albicans 生育の阻害に関してウェルを評点した。適当な株を
選び、CSM培地(表6)に接種し、25℃で1〜3日間生育させた。 表6 完全ストレプトマイセス培地(CSM)
【表7】
【0070】 選択された株を保存し、N21SM培地13mLを含む発酵ボトルに接種し、
25℃で約66時間生育させた。この発酵物から一定量を取り出し、該一定量と
等容量のアセトニトリルで1時間抽出し、遠心し、実施例1〜3に記載のように
1個またはそれ以上のシュードマイシン、例えばシュードマイシンA'またはB'
のHPLC分析用にデカンテーションした。1個またはそれ以上のシュードマイ
シン、例えばシュードマイシンA'またはB'を生産する株を再び単離し、再発酵
させ、大規模培養用に調製した。
【0071】 結果 上記方法を用いて、1個またはそれ以上のシュードマイシン、例えばシュード
マイシンA'またはB'の生産を示す株を作成した。
【0072】 結論 本明細書中に開示されている選択方法および基準は、最小培地で生育し、1個
またはそれ以上のシュードマイシン、例えばシュードマイシンA'またはB'を生
産する P. syringae の株の作成に有効である。
【0073】 実施例5 P. syringae の培養およびシュードマイシンの生産 P. syringae の培養に関して公開されている培地中で用いられているポテト産
物を一切含まない培地N21中で P. synringae を発酵させると、単離に適当な
レベルのシュードマイシンが生産された。
【0074】 シェイクしたフラスコおよびN21培地中のシュードマイシン生産 材料および方法 P. syringae を、250mLフラスコ中、N21培養培地(表7)50mL中
で生育させた。P. syringae MSU 16Hの一定量の種菌で培養を開始し、2
5℃および70%湿度で7日間、インキュベーター中、250rpmで振りなが
ら維持した。インキュベーション期間の終わりに、ブロス4mLをフラスコから
取り出し、0.1%リン酸を含むメタノール6mLと混合した。低pHはシュー
ドマイシンを安定化すると考えられる。粒状物質をろ過および遠心によって取り
出し、シュードマイシンを、本明細書中上に記載のようにHPLCによって測定
した。 表7 N21培地の組成
【表8】
【0075】 いくつかの P. syringae の株によるシュードマイシン生産を、添加ミリスチ
ン酸メチルを含むか、あるいは含まないN21培地を用いて評価した。評価され
た P. syringae の株には、MSU 16H、25−B1、67H1および7H9
−1が含まれていた。
【0076】 結果 P. syringae の種々の株を、ミリスチン酸メチルの存在または不存在下で培養
すると、有意なレベルの1個またはそれ以上のシュードマイシン、例えば10T
g/mL以上の1個またはそれ以上のシュードマイシンA、シュードマイシンB
および/またはシュードマイシンCが生産された。ミリスチン酸メチルは特定の
株に関するシュードマイシン生産を刺激した。
【0077】 結論 P. syringae の種々の株は、ポテト産物を欠いている培地中、商業的に有意な
レベルのシュードマイシンを生産し、この生産はミリスチン酸メチルによって刺
激できる。
【0078】 N21培地を用いる5000L規模でのシュードマイシンの生産 ポテト産物を添加しない培地を用いてシュードマイシンを生産する方法を50
00Lレベルに規模拡大した。
【0079】 材料および方法 完全ストレプトマイセス培地(CSM、表5)を含む生長期のフラスコを凍結 P. syringae 培養、典型的には株67H1で接種し、25℃で24時間、25
0rpmでシェイクした。生長期フラスコを24時間インキュベートした後、こ
れらのフラスコの内容物を用いてバンプ期(bump-stage)のフラスコを接種した
。バンプ期のフラスコには、CSM培地が含まれ、これを250rpmで回転さ
せ、25℃で維持した。バンプ期のフラスコを、3個または4個の生長期フラス
コ由来のプール化培養約0.45mLで接種した。バンプ期のフラスコは典型的
に非緩衝化2.5L Tunair(登録商標)フラスコ中のCSM約900mLを含
む。各発酵槽に対して Tunair(登録商標)フラスコ中のバンプ期培養2個をセ
ットした。バンプ期フラスコを16時間インキュベートした。
【0080】 次いで、2個のバンプ期培養を種菌バズーカにおいて混合してプールした。こ
れらの混合培養を用いて、さらに3g/L(トータルで4g/L)のグリシン、
1g/Lのダイズ油および1g/Lの酵母抽出物を補った表15中に記載の培地
を含むタンクに接種した。これらの大規模培養を25℃で3〜4日間生育させた
。この生育期間中、溶存酸素を、攪拌および空気流を用いて空気飽和の30%で
制御した。必要に応じて硫酸または水酸化ナトリウムを加えることにより、pH
を5.2±0.2で制御した。大規模培養の開始18時間後、グルコース供給を
200mL/時間の割合で開始した。大規模培養の開始20時間後、水酸化アン
モニウム供給を20mL/時間の割合で開始した。この培養時に、ホールドバッ
ク圧は5psigであった。攪拌の初期設定は150rpmであり、空気流は0.5
scfmである。必要であれば、抗泡沫剤をさらに加えた。これらの条件に対する特
定のバリエーションをさらに試験した。大規模培養の3〜4日後、P. syringae
を回収した。実施例6に記載されるように抗真菌活性を測定した。
【0081】 結果および結論 添加ポテト産物を含まない培地を用いて5000L規模で、商業的に有意な量
のシュードマイシンを生産した。
【0082】 実施例6 シュードマイシンの測定および精製 抗真菌活性によるシュードマイシンの検出および定量 シュードマイシンまたはシュードマイシン混合物の存在または量は調製物の抗
真菌活性を測定することによって測定できる。標準寒天希釈試験またはディスク
拡散試験を用いて調製物の最小阻害濃度(MIC)を得ることにより抗真菌活性
をインビトロで測定した。1個またはそれ以上のシュードマイシンの調製物は、
細胞培養の抽出物、あるいはより精製された混合物であってよい。抗真菌活性の
試験に用いられる典型的な真菌は C. albicans である。試験調製物が、Candida
albicans x657播種寒天プレート上10〜12mm直径領域の阻害を生じさ
せた場合、抗真菌活性は有意であると考えた。
【0083】 抗真菌実験は、96ウェルミクロタイタープレート中、National Committee f
or Clinical Laboratory Standards ガイドラインにしたがって、ミクロタイタ
ーブロス希釈アッセイを用いて行った。サブロー(Sabourauds)およびデキスト
ロースブロスは、2.5X10conida/mLを含むように調節した。試験化合
物を水に溶解し、20μg/mLの最も高い濃度で出発する2倍希釈物中で試験
した。プレートを35℃で48時間インキュベートした。表3および表4中の結
果は、化合物の最小阻害濃度(MIC)を示し、これは非処理培養コントロール
と比べて完全に生育を阻害する。 表3 シュードマイシンA'の抗真菌活性
【表9】 表4 シュードマイシンB'の抗真菌活性
【表10】
【0084】 HPLCによるシュードマイシンの検出および定量 1個またはそれ以上のシュードマイシンを含むと考えられるサンプルをろ過お
よび遠心によって明らかにした。明らかにされた混合物を Zorbax RxC8カラ
ム(3.5T粒子25x0.46cm)において流速1mL/分でクロマトグラ
フィーする。このカラムを0.2%TFAを含む20〜55%アセトニトリルの
直線状濃度勾配で15分間溶出し、0.2%TFAを含む55%アセトニトリル
で5分間保持した。典型的に、シュードマイシンA'は約13.7分(822秒
)で溶出し、シュードマイシンB'は約12.4分(822秒)で溶出した。シ
ュードマイシンは215nmでの吸光度によって検出し、UVピークの積分によ
って定量した。各シュードマイシンの標準物を同定および定量に用いた。
【0085】 実施例7 シュードマイシンA'および/またはB'を含む製剤 以下の製剤例は単に例示であり、いかなる意味においても本発明の範囲の限定
を意図しない。用語「活性成分」はシュードマイシンA'および/またはB'また
は製薬的に許容されるその塩を意味する。
【0086】 製剤例1 以下の成分を用いてゼラチン硬カプセル剤を製造する:
【表11】
【0087】 製剤例2 以下の成分を用いて錠剤を製造する。成分を混合し、各665mg重量の錠剤
に圧縮成形する。
【表12】
【0088】 製剤例3 以下の成分を含むエアロゾル溶液を製造する。活性化合物をエタノールと混合
し、混合物を、―30℃に冷却したプロペラント22の一部に加え、充填装置に
移す。次いで必要量をステンレス鋼の容器に移し、残りのプロペラントで希釈す
る。次いでバルブユニットを容器に取り付ける。
【表13】
【0089】 製剤例4 それぞれ活性成分60mgを含む錠剤を以下のように製造する:
【表14】 活性成分、デンプンおよびセルロースをNo.45メッシュ米国ふるいに通し
、十分に混合する。ポリビニルピロリドンを含む水溶液を得られた粉末と混合し
、次いで混合物をNo.14メッシュ米国ふるいに通す。このように製造された
顆粒を50℃で乾燥し、No.18メッシュ米国ふるいに通す。次いで、あらか
じめNo.60メッシュ米国ふるいに通しておいたカルボキシメチルデンプンナ
トリウム、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクを顆粒に加え、これを混合し
た後、打錠機で圧縮し、各150mg重量の錠剤を得る。
【0090】 製剤例5 それぞれ活性成分80mgを含むカプセルを以下のように製造する:
【表15】 活性成分、セルロース、デンプンおよびステアリン酸マグネシウムを混合し、
No.45メッシュ米国ふるいに通し、ゼラチン硬カプセルに200mg量を充
填する。
【0091】 製剤例6 それぞれ活性成分225mgを含む坐剤を以下のように製造する:
【表16】 活性成分をNo.60メッシュ米国ふるいに通し、必要最小限の加熱によりあ
らかじめ融解させておいた飽和脂肪酸グリセリドに懸濁する。次いでこの混合物
を呼称2g容量の坐剤型に注ぎ、放冷する。
【0092】 製剤例7 それぞれ5mL用量当たり活性成分50mgを含む懸濁剤を以下のように製造
する:
【表17】 活性成分をNo.45メッシュ米国ふるいに通し、カルボキシメチルセルロー
スナトリウムおよびシロップと混合して滑らかなペーストを形成する。安息香酸
溶液、香料および着色料を一部の水で希釈し、攪拌しながら加える。次いで十分
な水を加え、必要量を得る。
【0093】 製剤例8 静脈内製剤を以下のように製造することができる。これらの成分の溶液を1分
当たり1mLの割合で患者に静脈内投与する。
【表18】
【0094】 種々の具体的で好ましい態様および技術に関して、本発明を記載した。しかし
、本発明の思想および範囲から逸脱することなく多くのバリエーションおよび修
飾を施すことができることが理解されるべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:38) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 マシュー・デイビッド・ベルボ アメリカ合衆国46140インディアナ州グリ ーンフィールド、グリーンブルック・コー ト24番 (72)発明者 ジェイムズ・ウィリアム・マーティン アメリカ合衆国46121インディアナ州コー ツビル、ミル・スプリングズ177番 (72)発明者 トーマス・ジョン・ペラン・ジュニア アメリカ合衆国46239インディアナ州イン ディアナポリス、クロス・ウィロー・レイ ン2127番 (72)発明者 ダグラス・ジョゼフ・ゼックナー アメリカ合衆国46143インディアナ州グリ ーンウッド、ベイサイド・ドライブ980番 Fターム(参考) 4B064 AG37 CA02 DA03 4C084 AA02 AA07 BA01 BA17 BA27 BA36 CA05 DA43 NA05 NA07 ZB352 4H045 AA10 AA30 BA15 BA33 CA11 EA29 FA73

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シュードマイシン、シュードマイシンB'、それらの混合物
    または製薬的に許容されるその塩、水和物またはエステルを含む単離のシュード
    マイシン天然産物。
  2. 【請求項2】 シュードマイシンA'または製薬的に許容されるその塩、水
    和物またはエステルを含む、請求項1に記載のシュードマイシン。
  3. 【請求項3】 式: 【化1】 で示されるか、あるいは製薬的に許容されるその塩、水和物またはエステルであ
    る、請求項2に記載のシュードマイシン。
  4. 【請求項4】 シュードマイシンB'または製薬的に許容されるその塩、水
    和物またはエステルを含む、請求項1に記載のシュードマイシン。
  5. 【請求項5】 式: 【化2】 で示されるか、あるいは製薬的に許容されるその塩、水和物またはエステルであ
    る、請求項4に記載のシュードマイシン。
  6. 【請求項6】 式: 【化3】 で示される単離の化合物または製薬的に許容されるその塩、水和物またはエステ
    ル。
  7. 【請求項7】 式: 【化4】 で示される単離の化合物または製薬的に許容されるその塩、水和物またはエステ
    ル。
  8. 【請求項8】 真菌を、シュードマイシンA'、シュードマイシンB'、それ
    らの混合物または製薬的に許容されるその塩、水和物またはエステルを含む単離
    のシュードマイシン天然産物と接触させることを含む、真菌活性を阻害する方法
  9. 【請求項9】 シュードマイシン天然産物がシュードマイシンA'または製
    薬的に許容されるその塩、水和物またはエステルを含む、請求項8に記載の方法
  10. 【請求項10】 シュードマイシン天然産物が式: 【化5】 示されるか、あるいは製薬的に許容されるその塩、水和物またはエステルである
    、請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 シュードマイシン天然産物がシュードマイシンB'または
    製薬的に許容されるその塩、水和物またはエステルを含む、請求項8に記載の方
    法。
  12. 【請求項12】 シュードマイシン天然産物が式: 【化6】 で示されるか、あるいは製薬的に許容されるその塩、水和物またはエステルであ
    る、請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 真菌が Candida parapsilosis, Candida albicans, Crypt
    ococcus neoformans または Histoplasma capsulatum を含む、請求項8に記載
    の方法。
  14. 【請求項14】 真菌を、式: 【化7】 で示される単離の化合物または製薬的に許容されるその塩、水和物またはエステ
    ルと接触させることを含む、真菌活性を阻害する方法。
  15. 【請求項15】 真菌を、式: 【化8】 で示される単離の化合物または製薬的に許容されるその塩、水和物またはエステ
    ルと接触させることを含む、真菌活性を阻害する方法。
  16. 【請求項16】 真菌感染の症状の軽減を必要としている患者において、真
    菌感染の症状を軽減する方法であって、この患者に、シュードマイシンA'、シ
    ュードマイシンB'、それらの混合物または製薬的に許容されるその塩、水和物
    またはエステルを含む単離のシュードマイシン天然産物を含む組成物の有効量を
    投与することを含む方法。
  17. 【請求項17】 シュードマイシン天然産物がシュードマイシンA'または
    製薬的に許容されるその塩、水和物またはエステルを含む、請求項16に記載の
    方法。
  18. 【請求項18】 シュードマイシン天然産物が式: 【化9】 で示されるか、あるいは製薬的に許容されるその塩、水和物またはエステルであ
    る、請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 シュードマイシン天然産物がシュードマイシンB'または
    製薬的に許容されるその塩、水和物またはエステルを含む、請求項16に記載の
    方法。
  20. 【請求項20】 シュードマイシン天然産物が式: 【化10】 で示されるか、あるいは製薬的に許容されるその塩、水和物またはエステルであ
    る、請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 真菌が Candida parapsilosis、Candida albicans、Crypt
    ococcus neoformans または Histoplasma capsulatum を含む、請求項16に記
    載の方法。
  22. 【請求項22】 真菌活性を阻害する医薬組成物の製造における、請求項1
    、2、3、4、5、6または7に記載の化合物の使用。
  23. 【請求項23】 真菌活性を阻害するか、あるいは患者における真菌感染の
    症状を軽減する医薬組成物の製造における、請求項1、2、3、4、5、6また
    は7に記載の化合物の使用。
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