JP4402463B2 - リポペプチド抗生物質のDab9誘導体およびそれを製造および使用する方法 - Google Patents

リポペプチド抗生物質のDab9誘導体およびそれを製造および使用する方法 Download PDF

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Description

(発明の分野)
本発明は、一般に、アンホマイシン型のリポペプチド抗生物質の誘導体、それらを調製する方法および中間体、特に、グラム陽性菌により引き起こされる感染に対して、薬理学的に活性な物質としてそれらを使用する方法に関する。
(関連技術の説明)
微生物由来の二次代謝物は、感染症の治療に首尾よく使用されている。二次代謝物は、低分子量化合物であり、これは、一次代謝物から枝分かれした「生合成一方通行」により、生成される。特定の産生株に対する二次代謝物の機能は、明らかではない。今までのところ、種々の微生物(特に、ストレプトマイセス属の真菌および細菌)の培養物から単離した約8000種の二次代謝物が知られている。
これらの二次代謝物は、主に、感染症を治療するのに使用されている。このような二次代謝物の1つの重要な種類には、アンホマイシン型リポペプチド抗生物質がある。アンホマイシン型リポペプチド抗生物質は、グラム陽性菌(例えば、連鎖球菌、ブドウ球菌およびエンテロコッカス)に対して抗生物質活性を示し、そして大環状ペプチド「コア」(これは、そのN−末端にて、親油性脂肪酸でアシル化されている)からなる。アンホマイシン型リポペプチド抗生物質は、一般に、それらの大環状ペフチドコアおよび/またはそれらの脂肪酸部分の構造に関して異なる化合物の混合物として、生成される。このようなアンホマイシン型リポペプチド抗生物質の例には、以下が挙げられる:アンホマイシン(グルママイシン(glumamycin))(Heinemannら、1953,Antibiot.Chemother.3:1239−1242;Fujinoら、1965,Bull.Chem.Soc.Jap.38:515;Bodanszkyら、1973,J.Am.Chem.Soc.95:2352;Shibataら、米国特許第3,160,561号);アスパルトシン(aspartocin)(Shayら、米国特許第3,057,779号;Shayら、1960,Antibiotics Ann.194;Hausmanら、1964,Antimicrob.Ag.Chemother.352;Hausmanら、1969,J.Antibiotics 22:207;Martinら、1960,J.Am.Chem.Soc.2079);クリスタロマイシン(crystallomycin)(Gauzeら、1957,Antibiotiki 2:9−14);抗生物質A1437(Hammannら、EP 0 629 636 B1;Hammannら、米国特許第6,194,383号;Lattrellら、米国特許第5,629,288号);フリウリマイシン(friulimycin)(Vertesyら、2000,J.Antibiotics 53:816);ツシマイシン(tsushimycin)(Shojiら、1968,J.Antibiotics 21:439;Nishimuraら、米国特許第3,781,420号);およびザオマイシン(zaomycin)(Hinuma,1954,J.Antibiotics 7(4):134−136;Kuroya,1960,Antibiotics Ann.194;Kuroya,JP 8150)。
一部には、抗生物質治療が幅広く使用されていることが原因で、細菌株の多くは、それらの種類および他の種類の抗菌化合物に対して耐性を獲得している。連鎖球菌、ブドウ球菌およびエンテロコッカスの菌株は、従来の抗生物質(例えば、β−ラクタム抗生物質および/または糖ペプチド抗生物質(例えば、バンコマイシンおよびテイコプラニン))に対して耐性を獲得したために、効率的に制御するには、特に問題がある有機体であることが判明している。耐性を獲得した他の群の微生物株には、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(「MRSA」株)が挙げられる。現在では、これらのMRSA株は、しばしば、メチシリンに加えて、他の抗生物質(例えば、キノロン)に耐性であることが知られている。
現在の抗生物質治療に耐性がある微生物株が蔓延していることから、新規の作用機構を備えた新規抗生物質を開発することが必要とされ続けている。本発明は、このような要求を満たし、さらに、他の関連した利点をもたらす。
(発明の要旨)
1局面では、本発明は、アンホマイシン型の新規リポペプチド抗生物質を提供する。これらの新規抗生物質は、アンホマイシン型の大環状ペプチド「コア」および親油性脂肪酸部分または親油性断片からなる。この大環状ペプチドコアは、Dab残基、または他のアミノ酸(これは、第一級アミン基またはアミノ酸または親油性断片を備えた側鎖を有する)、およびそれらの誘導体を含み、これは、典型的には、その大環の9位にある(「Dab残基」)。この大環状ペプチドコアはまた、環外アミノ酸を含み、これは、典型的には、AspまたはAsnであり、そのコアの環部分と親油性脂肪酸部分とに介在する。この大環状Dab残基のβ−アミノ基は、置換基(これは、第一級または第二級アミンまたはアミノ酸または親油性断片およびそれらの誘導体を含む)でアシル化されている。1実施形態では、このアミン含有置換基は、アミノ酸、典型的には、α−アミノ酸、β−アミノ酸またはγ−アミノ酸である。このアミノ酸は、必要に応じて、1個またはそれ以上の側鎖部分(例えば、遺伝的にコードされた20個のアミノ酸のうちの1個の側鎖)を含み得る。この親油性脂肪酸部分は、その末端カルボキシル基を介して、この大環状ペプチドコアのN−末端に連結されている。この親油性脂肪酸部分は、直鎖または分枝で飽和または単一不飽和もしくは複数不飽和の脂肪酸またはヒドロキシ脂肪酸であり、これは、6個〜22個の炭素原子の鎖長を有する。他の実施形態では、この大環状ペプチドコアのN−末端は、親油性断片に連結されており、ここで、この親油性断片は、水素、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C25)アルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C25)ヘテロアルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C10)アリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C15)アリールアリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C15)ビアリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した5員〜10員のヘテロアリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C26)アリールアルキル、および1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した6員〜26員のヘテロアリールアルキルからなる群から選択される;各R15は、別個に、−OR16、−SR16、NR1616、−CN、−NO、−N、−C(O)OR16、−C(O)NR1616、−C(S)NR1616、−C(NR16)NR1616、−CHO、−R16CO、−SO16、−SOR16、−PO(OR16、−PO(OR16)、−COH、−SOH、−POH、ハロゲンおよびトリハロメチルからなる群から選択される;そして各R16は、別個に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C10)アリール、5員〜10員のヘテロアリール、(C〜C16)アリールアルキルおよび6員〜16員のヘテロアリールアルキルからなる群から選択される。
これらの化合物を合成する方法に関連してさらに詳細に記述するように、本発明の化合物は、構造的に純粋であり得るか、1種またはそれ以上の構造的に異なる化合物の混合物を含有する組成物の形態であり得る。それらはまた、遊離酸または遊離塩基の形態、または塩(例えば、薬学的に受容可能な塩)の形態であり得る。
他の局面では、本発明は、本発明の化合物を含有する組成物を提供する。一般に、これらの組成物は、1種またはそれ以上の本発明の化合物と、適切な担体、賦形剤または希釈剤とを含有する。この担体、賦形剤または希釈剤の正確な性質は、その組成物の所望の用途に依存しており、環境上の用途に適切または受容可能であることから、獣医学用途に適切または受容可能であること、ヒト用途に適切または受容可能(すなわち、薬学的に受容可能)であることまでの範囲であり得る。
さらに他の局面では、本発明は、本発明の化合物を合成する方法を提供する。1実施形態では、本発明の化合物は、適切に保護した試薬(例えば、適切に保護したアミノ酸)を、その親抗生物質と、大環状Dab残基のβ−窒素と結合するのに適切な条件下にて反応させることによって、培養物から単離した親アンホマイシン型リポペプチド抗生物質から調製され得る。存在している任意の保護基は、次いで、除去されて、本発明のDab誘導体が生じ得る。
典型的には、このような親抗生物質は、それらの大環状ペプチドコアおよび/または脂肪酸部分または親油性断片の構造に関して互いに異なる化合物の混合物である。この場合、その結果生じる本発明のDab誘導体は、化合物の混合物として得られ、それらの構造および相対量は、その親抗生物質混合物を含有する化合物の構造および相対量により影響される。構造的に純粋な本発明の化合物が望ましいとき、その親抗生物質混合物を構成する成分化合物は、その大環状Dab残基の誘導体化前に、互いから分離され単離され得る。あるいは、その分離および単離は、任意の保護基を除去する前または後のいずれかで、このDab誘導体化反応の結果として生じる生成物に対して実行され、構造的に純粋な本発明のDab誘導体が生じ得る。
多くの場合、この親抗生物質の脂肪酸部分の構造は、未知である。脂肪酸または親油性断片を正確に規定した本発明のDab誘導体は、その親油性脂肪酸部分を除去することにより、そして特定の構造を有する脂肪酸または親油性断片でそれを置き換えることにより、得られ得る。1実施形態では、この親抗生物質混合物は、脱脂されて、脱脂中間体が得られ、この脱脂中間体は、次いで、アシル化条件下にて、所望の脂肪酸と反応されて、脂肪酸部分を正確に規定した合成抗生物質が得られる。この合成抗生物質は、次いで、上記方法に従って誘導体化されて、本発明のDab誘導体が得られる。当業者に認められているように、その大環状Dab残基のβ−アミノ基は、この親抗生物質の脱脂前に、適切な保護基で保護すべきである。
ある実施形態では、この脂肪酸または親油性断片は、必要に応じて、類似のリンカーを介して、その環外アミノ酸のアミノ末端に連結され得、ここで、該リンカーは、当業者に公知の窒素で共有結合を形成できる任意の種類の化学官能基であり得る。代表的な実施形態では、Xは、−CO−、−SO、−CS−、−PO−、−OPO−、−OC(O)−、−NHCO−、−NRCO−からなる群から選択される。他の好ましい実施形態では、Xは、−CO−、−NHCOまたは−SOである。特に好ましい実施形態では、Xは、−CO−である。同様に、このDab誘導体を生成するために加えられる置換基は、必要に応じて、リンカーを介して結合され得、必要に応じて、スペーサ部分を含む。ある実施形態では、このスペーサ部分は、親水性または疎水性で、長いか短く、剛性、半剛性または可撓性である。関連した実施形態では、このスペーサ部分は、アルキル、ヘテロアルキル、非環式ヘテロ原子架橋、アリール、アリールアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−ヘテロアリール、置換ヘテロアリール−ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリール−ヘテロアルキルなどである。それゆえ、スペーサは、単結合、二重結合、三重結合または芳香族の炭素−炭素結合、窒素−窒素結合、炭素−窒素結合、炭素−酸素結合および/または炭素−イオウ結合を含み得、従って、カルボニル、エーテル、チオエーテル、カルボキサミド、スルホンアミド、尿素、ウレタン、ヒドラジンなどのような官能基を含み得る。
特定の親抗生物質混合物の成分化合物の全てが同じ大環状ペプチドコアを共有して、それらの脂肪酸部分の構造に関してのみ構造が異なる場合、特定の脂肪酸部分を有する構造的に純粋なDab誘導体が得られる。この親抗生物質混合物の成分化合物が構造的に異なる大環状ペプチドコアを有する場合(例えば、抗生物質A1437の場合)、その結果として生じるDab誘導体は、それらの大環状ペプチドコアの構造に関して互いに異なる化合物の混合物を含有する。構造的に純粋なDab誘導体は、もし望ましいなら、通常の技術を使用して、その成分Dab誘導体を分離し単離することにより、この混合物から得られ得る。
他の実施形態では、先に記述したように親抗生物質から誘導体化することにより生じるDab誘導体は、典型的には、存在している任意の保護基を除去する前に脱脂され得、そして特定の構造を有する脂肪酸部分または親油性断片で再び脂質化され得る。存在している任意の保護基の除去により、本発明のDab誘導体が生じる。その結果として生じるDab誘導体が構造的に純粋であるか成分の混合物を含有するかは、この脱脂の出発物質として使用されるDab製剤が大環状ペプチドコアに関して構造的に純粋であるかどうかに依存している。
上記合成経路は、新規な保護中間体を生じ、これらの中間体は、本発明の他の局面を構成する。
さらに他の局面では、本発明は、微生物(例えば、グラム陽性菌)の増殖を阻止する方法を提供する。この方法は、一般に、微生物を、その微生物の増殖を阻止するのに有効な量で、本発明の1種またはそれ以上の化合物(またはそれらの受容可能な塩)と接触させる工程を包含する。この方法は、微生物の増殖を阻止するマイクロビスタティック(microbistatic)効果を達成するために、または微生物を殺す殺菌性効果を達成するために、実施され得る。
最終局面では、本発明は、被験体(例えば、ヒト、植物または動物)において、微生物感染(例えば、グラム陽性菌により引き起こされる感染)を治療および/または予防する方法を提供する。これらの方法は、一般に、被験体に、その感染を治療または予防するのに有効な量で、1種またはそれ以上の本発明の化合物または組成物を投与する工程を包含する。これらの化合物または組成物は、その感染の性質に依存して、全身的に投与され得るか、または局所的に適用され得る。
(発明の詳細な説明)
(略語)
遺伝的にコードされたアミノ酸および特定の一般的な非コード化アミノ酸に使用される略語は、通常のものであり、以下のとおりである:
Figure 0004402463
Figure 0004402463
特に明記しない限り、アミノ酸は、DまたはLのいずれかの立体配置であり得る。本明細書中で使用する「ATCC」とは、American Type Culture Collection,Manassas,VA 20108(www.atcc.orgも参照)を意味し、そして「NRRL」は、Agriculture Research Service Culture Collection,Microbial Genomics and Bioprocessing Research Unit,National Center for Agriculture Utilization Research,Peoria,IL 61604(nrrl.ncaur.usda.govも参照)を意味する。
(定義)
本明細書中で列挙した任意の濃度または百分率は、特に明記しない限り、その範囲および割合内の任意の整数の濃度(例えば、整数の10分の1および100分の1)を含むことが理解できるはずである。本明細書中で使用される場合、「約」または「〜を本質的に含む」は、±15%を意味する。
本明細書中で使用する以下の用語は、以下の意味を有することが意図される:
「アルキル」とは、飽和または不飽和の分枝、直鎖または環状の一価炭化水素基であって、親アルカン、アルケンまたはアルキンの単一炭素原子から1個の水素原子を除去することにより誘導されたものを意味する。典型的なアルキル基には、メチル;エチル(例えば、エタニル、エテニル、エチニル);プロピル(例えば、プロパン−1−イル、プロパン−2−イル、シクロプロパン−1−イル、プロプ−1−エン−1−イル、プロプ−1−エン−2−イル、プロプ−2−エン−1−イル(アリル)、シクロプロプ−1−エン−1−イル;シクロプロプ−2−エン−1−イル、プロプ−1−イン−1−イル、プロプ−2−イン−1−イルなど);ブチル(例えば、ブタン−1−イル、ブタン−2−イル、2−メチル−プロパン−1−イル、2−メチル−プロパン−2−イル、シクロブタン−1−イル、ブト−1−エン−1−イル、ブト−1−エン−2−イル、2−メチル−プロプ−1−エン−1−イル、ブト−2−エン−2−イル、ブト−2−エン−1−イル、ブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブタ−1,3−ジエン−2−イル、シクロブト−1−エン−1−イル、シクロブト−1−エン−3−イル、シクロブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブト−1−イン−1−イル、ブト−1−イン−3−イル、ブト−3−イン−1−イルなど)などが挙げられるが、これらに限定されない。
「アルキル」との用語は、具体的には、任意の飽和度または飽和レベルを有する基、すなわち、炭素−炭素単結合だけを有する基、1個またはそれ以上の炭素−炭素二重結合を有する基、1個またはそれ以上の炭素−炭素三重結合を有する基、および炭素−炭素単結合、炭素−炭素二重結合および炭素−炭素三重結合の混合物を有する基を含むことが意図される。特定の飽和レベルが意図される場合、「アルカニル」、「アルケニル」および「アルキニル」との表現が使用される。「低級アルキル」との表現は、1個〜4個の炭素原子を含むアルキル基を意味する。
「アルカニル」とは、飽和の分枝、直鎖または環状のアルキル基を意味する。典型的なアルカニル基には、メタニル;エタニル;プロパニル(例えば、プロパン−1−イル、プロパン−2−イル(イソプロピル)、シクロプロパン−1−イルなど);ブタニル(例えば、ブタン−1−イル、ブタン−2−イル(sec−ブチル)、2−メチル−プロパン−1−イル(イソブチル)、2−メチル−プロパン−2−イル(t−ブチル)、シクロブタン−1−イルなど);などが挙げられるが、これらに限定されない。
「アルケニル」とは、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する不飽和の分枝、直鎖または環状のアルキル基であって、親アルケンの単一炭素原子から1個の水素原子を除去することにより誘導されたものを意味する。この基は、その二重結合の周りにおいて、シス立体配座またはトランス立体配座のいずれかであり得る。典型的なアルケニル基には、エテニル;プロペニル(例えば、プロプ−1−エン−1−イル、プロプ−1−エン−2−イル、プロプ−2−エン−1−イル(アリル)、プロプ−2−エン−2−イル、シクロプロプ−1−エン−1−イル;シクロプロプ−2−エン−1−イル);ブテニル(例えば、ブト−1−エン−1−イル、ブト−1−エン−2−イル、2−メチル−プロプ−1−エン−1−イル、ブト−2−エン−1−イル、ブト−2−エン−1−イル、ブト−2−エン−2−イル、ブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブタ−1,3−ジエン−2−イル、シクロブト−1−エン−1−イル、シクロブト−1−エン−3−イル、シクロブタ−1,3−ジエン−1−イルなど)などが挙げられるが、これらに限定されない。
「アルキニル」とは、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する不飽和の分枝、直鎖または環状のアルキル基であって、これは、親アルキンの単一炭素原子から1個の水素原子を除去することにより誘導されたものを意味する。典型的なアルキニル基には、エチニル;プロピニル(例えば、プロプ−1−イン−1−イル、プロプ−2−イン−1−イルなど);ブチニル(例えば、ブト−1−イン−1−イル、ブト−1−イン−3−イル、ブト−3−イン−1−イルなど)などが挙げられるが、これらに限定されない。
「アルキルジイル」とは、飽和または不飽和の分枝、直鎖または環状の二価炭化水素基であって、親アルカン、アルケンまたはアルキンの2個の異なる炭素原子の各々から1個の水素原子を除去することにより、あるいは親アルカン、アルケンまたはアルキンの単一炭素原子から2個の水素原子を除去することにより誘導されたものを意味する。これらの2個の一価ラジカルの中心または二価ラジカル中心の各原子価は、同一または異なる原子で結合を形成できる。典型的なアルキルジイル基には、メタンジイル;エチルジイル(例えば、エタン−1,1−ジイル、エタン−1,2−ジイル、エテン−1,1−ジイル、エテン−1,2−ジイル);プロピルジイル(例えば、プロパン−1,1−ジイル、プロパン−1,2−ジイル、プロパン−2,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、シクロプロパン−1,1−ジイル、シクロプロパン−1,2−ジイル、プロプ−1−エン−1,1−ジイル、プロプ−1−エン−1,2−ジイル、プロプ−2−エン−1,2−ジイル、プロプ−1−エン−1,3−ジイル、シクロプロプ−1−エン−1,2−ジイル、シクロプロプ−2−エン−1,2−ジイル、シクロプロプ−2−エン−1,1−ジイル、プロプ−1−イン−1,3−ジイルなど);ブチルジイル(例えば、ブタン−1,1,−ジイル、ブタン−1,2−ジイル、ブタン−1,3−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ブタン−2,2−ジイル、2−メチル−プロパン−1,1−ジイル、2−メチル−プロパン−1,2−ジイル、シクロブタン−1,1−ジイル、シクロブタン−1,2−ジイル、シクロブタン−1,3−ジイル、ブト−1−エン−1,1−ジイル、ブト−1−エン−1,2−ジイル、ブト−1−エン−1,3−ジイル、ブト−1−エン−1,4−ジイル、2−メチル−プロプ−1−エン−1,1−ジイル、2−メタニリデン−プロパン−1,1−ジイル、ブタ−1,3−ジエン−1,1−ジイル、ブタ−1,3−ジエン−1,2−ジイル、ブタ−1,3−ジエン−1,3−ジイル、ブタ−1,3−ジエン−1,4−ジイル、シクロブト−1−エン−1,2−ジイル、シクロブト−1−エン−1,3−ジイル、シクロブト−2−エン−1,2−ジイル、シクロブタ−1,3−ジエン−1,2−ジイル、シクロブタ−1,3−ジエン−1,3−ジイル、ブト−1−イン−1,3−ジイル、ブト−1−イン−1,4−ジイル、ブタ−1,3−ジイン−1,4−ジイルなど)などが挙げられるが、これらに限定されない。特定レベルの飽和が意図されている場合、アルカニルジイル、アルケニルジイルおよび/またはアルキニルジイルという術語が使用される。好ましい実施形態では、このアルキルジイル基は、(C〜C)アルキルジイルである。飽和非環式アルカニルジイル基もまた、好ましく、ここで、それらのラジカル中心は、その末端炭素にあり、例えば、エタンジイル(メタノ);エタン−1,2−ジイル(エタノ);プロパン−1,3−ジイル(プロパノ);ブタン−1,4−ジイル(ブタノ)など(これらはまた、以下で定義のアルキレノとも呼ばれる)がある。
「アルキレノ」とは、2個の末端一価ラジカル中心を有する直鎖アルキルジイル基であって、直鎖の親アルカン、アルケンまたはアルキンの2個の末端炭素原子の各々から1個の水素原子を除去することにより誘導されたものを意味する。典型的なアルキレノ基には、メタノ;エチレノ(例えば、エタノ、エテノ、エチノ);プロピレノ(例えば、プロパノ、プロプ[1]エノ、プロパ[1,2]ジエノ、プロプ[1]イノなど);ブチレノ(例えば、ブタノ、ブト[1]エノ、ブト[2]エノ、ブタ[1,3]ジエノ、ブト[1]イノ、ブト[2]イノ、ブト[1,3]ジイノなど)などが挙げられるが、これらに限定されない。特定レベルの飽和が意図されている場合、アルカノ、アルケノおよび/またはアルキノという術語が使用される。好ましい実施形態では、このアルキレノ基は、(C〜C)アルキレノまたは(C〜C)アルキレノである。直鎖飽和アルカノ基もまた、好ましく、例えば、メタノ、エタノ、プロパノ、ブタノなどがある。
「ヘテロアルキル、ヘテロアルカニル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルカニル、ヘテロアルキルジイルおよびヘテロアルキレノ」とは、それぞれ、その1個またはそれ以上の炭素原子(および任意の会合した水素原子)が、それぞれ別個に、同一または異なるヘテロ原子またはヘテロ芳香族基で置き換えられたアルキル基、アルカニル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルジイル基およびアルキレノ基を意味する。これらの基に含めることができる典型的な異なるヘテロ原子またはヘテロ芳香族基には、−O−、−S−、−Se−、−O−O−、−S−S−、−O−S−、−O−S−O−、−O−NR’−、−NR’−、−NR’−NR’−、=N−N=、−N=N−、−N=N−NR’−、−PH−、−P(O)−、−O−P(O)−、−SH−、−S(O)−、−SnH−など、およびそれらの組合せ(例えば、−NR’−S(O)−を含めて)が挙げられるが、これらに限定されず、ここで、各R’は、別個に、本明細書中で定義されるように、水素、アルキル、アルカニル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群より選択される。
「アリール」とは、一価芳香族炭化水素基であって、親芳香環系の単一炭素原子から1個の水素原子を除去することにより誘導されたものを意味する。典型的なアリール基には、以下から誘導された基が挙げられるが、これらに限定されない:アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as−インダセン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ−2,4−ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、トリナフタレンなど。好ましい実施形態では、このアリール基は、(C〜C14)アリールであり、(C〜C10)アリールがさらに好ましい。特に好ましいアリールには、シクロペンタジエニル、フェニルおよびナフチルがある。
「アリールアルキル」とは、炭素原子(典型的には、末端またはsp炭素原子)に結合した水素原子の1個がアリール基で置き換えられた非環式アルキル基を意味する。典型的なアリールアルキル基には、ベンジル、2−フェニルエタン−1−イル、2−フェニルエテン−1−イル、ナフチルメチル、2−ナフチルエタン−1−イル、2−ナフチルエテン−1−イル、ナフトベンジル、2−ナフトフェニルエタン−1−イルなどが挙げられるが、これらに限定されない。特定のアルキル部分が意図されている場合、アリールアルカニル、アリールアルケニルおよび/またはアリールアルキニルという術語が使用される。好ましい実施形態では、このアリールアルキル基は、(C〜C20)アリールアルキルであり、例えば、このアリールアルキル基のアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分は、(C〜C)であり、そのアリール部分は、(C〜C14)である。特に好ましい実施形態では、このアリールアルキル基は、(C〜C13)であり、例えば、このアリールアルキル基のアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分は、(C〜C)であり、そのアリール部分は、(C〜C10)である。
「ヘテロアリール」とは、一価ヘテロ芳香族基であって、親ヘテロ芳香環系の単一原子から1個の水素原子を除去することにより誘導されたものを意味する。典型的なヘテロアリール基には、以下から誘導された基が挙げられるが、これらに限定されない:アクリジン、アルシンドール、カルバゾール、β−カルボリン、クロマン、クロメン、シンノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサジン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテンなど。好ましい実施形態では、このヘテロアリール基は、5員〜14員のヘテロアリールであり、5員〜10員のヘテロアリールが特に好ましい。最も好ましいヘテロアリール基には、チオフェン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ピリジン、キノリン、イミダゾール、オキサゾールおよびピラジンから誘導されたものがある。
「ヘテロアリールアルキル」とは、炭素原子(典型的には、末端またはsp炭素原子)に結合した水素原子の1個をヘテロアリール基で置き換えた非環式アルキル基を意味する。特定のアルキル部分が意図されている場合、ヘテロアリールアルカニル、ヘテロアリールアルケニルおよび/またはヘテロアリールアルキニル(heterorylalkynyl)との術語が使用される。好ましい実施形態では、このヘテロアリールアルキル基は、6員〜20員ヘテロアリールアルキルであり、例えば、このヘテロアリールアルキルのアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分は、1員〜6員であり、そのヘテロアリール部分は、5員〜14員ヘテロアリールである。特に好ましい実施形態では、このヘテロアリールアルキルは、6員〜13員ヘテロアリールアルキルであり、例えば、そのアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分は、1員〜3員であり、そのヘテロアリール部分は、5員〜10員ヘテロアリールである。
「置換された」とは、1個またはそれ以上の水素原子が、それぞれ別個に、同一または異なる置換基で置き換えられた基を意味する。典型的な置換基には、−X、−R13、−O−、=O、−OR、−SR13、−S−、=S、−NR1313、=NR13、−CX、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、=N、−N、−S(O)O−、−S(O)OH、−S(O)13、−OS(O)O−、−OS(O)OH、−OS(O)13、−P(O)(O、−P(O)(OH)(O)、−OP(O)(O)、−C(O)R13、−C(S)R13、−C(O)OR13、−C(O)O、−C(S)OR13および−C(NR13)NR1313が挙げられるが、これらに限定されず、この場合、各Xは、別個に、ハロゲンである;各R13は、別個に、水素、ハロゲン、アルキル、アリール、アリールアルキル、アリールアリール、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、NR1414、−C(O)R14または−S(O)14である;そして各R14は、別個に、水素、アルキル、アルカニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールヘテロアルキル、アリールアリール、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである。
「アンホマイシン型リポペプチド抗生物質」とは、第一級アミノ基(例えば、大環状Dab残基および親油性脂肪酸部分)を備えた側鎖を有する大環状アミノ酸を含む大環状ペプチドコアにより特徴付けられる抗生物質を意味する。この大環状ペプチドコアは、環外アミノ酸を含み、これは、典型的には、AsnまたはAspであり、これは、その大環および脂肪酸部分に介在する。好ましい実施形態では、アンホマイシン型リポペプチド抗生物質は、以下の構造式(I)により特徴付けられる:
Figure 0004402463
ここで:
は、分岐鎖または直鎖で飽和または単不飽和もしくは多重不飽和の脂肪族またはヒドロキシ脂肪族部分であり、該脂肪族またはヒドロキシ脂肪族部分は、6個〜22個の炭素原子長の鎖を有する;そして
は、OHまたはNHである。
他の実施形態では、このリポペプチド抗生物質は、構造(I)を有し、ここで、Rは、水素、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C25)アルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C25)ヘテロアルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C10)アリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C15)アリールアリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C15)ビアリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した5員〜10員ヘテロアリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C26)アリールアルキル、および1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した6員〜26員ヘテロアリールアルキルからなる群から選択される;
各R15は、別個に、−OR16、−SR16、NR1616、−CN、−NO、−N、−C(O)OR16、−C(O)NR1616、−C(S)NR1616、−C(NR16)NR1616、−CHO、−R16CO、−SO16、−SOR16、−PO(OR16、−PO(OR16)、−COH、−SOH、−POH、ハロゲンおよびトリハロメチルからなる群から選択される;
各R16は、別個に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C10)アリール、5員〜10員ヘテロアリール、(C〜C16)アリールアルキルおよび6員〜16員ヘテロアリールアルキルからなる群から選択される;そして
は、OHまたはNHである。
便宜上、アンホマイシン型リポペプチド抗生物質は、以下で図示する3つの異なる慣例を使用して、略され得る:
Figure 0004402463
構造(Ia)および(Ib)では、Rは、分岐鎖または直鎖で飽和または単不飽和または多重不飽和の脂肪酸またはヒドロキシ脂肪酸であり、該脂肪酸またはヒドロキシ脂肪酸は、6個〜22個の炭素原子長の鎖を有し、そしてRは、AspまたはAsn残基であり、ここで、そのC−末端カルボキシル基は、残基Dabのα−アミノ基に連結されており、そのN−末端アミノ基は、脂肪酸Rのカルボキシル基に連結されている。あるいは、構造(Ia)および(Ib)では、Rは、AspまたはAsn残基であり、ここで、そのカルボキシ末端カルボキシル基は、残基Dabのα−アミノ基に連結されており、そのアミノ末端アミノ基は、Rに直接連結されているか(すなわち、アミド連鎖は、存在しない)、または、脂肪酸Rのカルボキシル基に連結されているかのいずれかであり、ここで、Rは、水素、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C25)アルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C25)ヘテロアルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C10)アリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C15)アリールアリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C15)ビアリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した5員〜10員ヘテロアリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C26)アリールアルキル、および1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した6員〜26員ヘテロアリールアルキルからなる群から選択される;各R15は、別個に、−OR16、−SR16、NR1616、−CN、−NO、−N、−C(O)OR16、−C(O)NR1616、−C(S)NR1616、−C(NR16)NR1616、−CHO、−R16CO、−SO16、−SOR16、−PO(OR16、−PO(OR16)、−COH、−SOH、−POH、ハロゲンおよびトリハロメチルからなる群から選択される;そして各R16は、別個に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C10)アリール、5員〜10員ヘテロアリール、(C〜C16)アリールアルキルおよび6員〜16員ヘテロアリールアルキルからなる群から選択される。
さらに他の実施形態では、RのN−末端アミノ基は、リンカーXを介して、Rに結合され、当業者に公知の窒素で共有結合を形成できる任意の種類の化学官能基であり得る。代表的な実施形態では、Xは、−CO−、−SO、−CS−、−PO−、−OPO−、−OC(O)−、−NHCO−、−NRCO−からなる群から選択される。他の好ましい実施形態では、Xは、−CO−、−NHCOまたは−SOである。特に好ましい実施形態では、Xは、−CO−である。
構造(Ia)では、「
Figure 0004402463
」は、残基Dabのβ−アミノ基への残基Pro11のC−末端カルボキシル基の連鎖を表わす。構造(Ic)では、RおよびRは、構造(I)について本明細書中で記述したとおりであり、そしてRは、以下で図示するペプチド大環を意味する:
Figure 0004402463
上記大環状ペプチド部分では、残基Dabから発する点線は、構造(Ic)のアミド窒素との結合点を示し、また、残基Dabから発する点線は、構造(Ic)の第一級アミノ基との結合点を示す。
当業者は、培養物から単離したアンホマイシン型リポペプチド抗生物質が、典型的には、アンホマイシン型大環状コア(以下で定義する)および/またはそれらの脂肪酸部分の構造に関して異なる化合物の混合物を含有することを認識している。この混合物を構成する種々の異なる化合物は、互いから分離され得、副混合物として、または、構造的に純粋な化合物としてのいずれかとして単離され得る。本明細書中で使用する「アンホマイシン型リポペプチド抗生物質」は、その産生株により天然に産生される混合物だけでなく、任意の副混合物および/またはそこから単離される構造的に純粋な化合物を含むと解釈される。
通例のアンホマイシン型リポペプチド抗生物質には、以下が挙げられる:アンホマイシン(グルママイシン(glumamycin))(Heinemannら、1953,Antibiot.Chemother.3:1239−1242;Fujinoら、1965,Bull.Chem.Soc.Jap.38:515;Bodanszkyら、1973,J.Am.Chem.Soc.95:2352;Shibataら、米国特許第3,160,561号);アスパルトシン(aspartocin)(Shayら、米国特許第3,057,779号;Shayら、1960,Antibiotics Ann.194;Hausmanら、1964,Antimicrob.Ag.Chemother.352;Hausmanら、1969,J.Antibiotics 22:207;Martinら、1960,J.Am.Chem.Soc.2079);クリスタロマイシン(crystallomycin)(Gauzeら、1957,Antibiotiki 2:9−14);抗生物質A1437(Hammannら、EP 0 629 636 B1;Hammannら、米国特許第6,194,383号;Lattrellら、米国特許第5,629,288号);フリウリマイシン(friulimycin)(Vertesyら、2000,J.Antibiotics 53:816);ツシマイシン(tsushimycin)(Shojiら、1968,J.Antibiotics 21:439;Nishimuraら、米国特許第3,781,420号);およびザオマイシン(zaomycin)(Hinuma,1954,J.Antibiotics 7(4):134−136;Kuroya,1960,Antibiotics Ann.194;Kuroya,JP 8150)。
「アンホマイシン型大環状コア」とは、アンホマイシン型リポペプチド抗生物質を脱脂することにより得られる大環を意味し、これは、以下の構造式(II)で図示される:
Figure 0004402463
構造(II)では、Rは、構造(I)について本明細書中で記述したとおりである。
便宜上、アンホマイシン型大環状コアは、好都合には、3つの異なる慣例を使用して略され得、これらは、以下で図示している:
Figure 0004402463
構造(IIa)および(IIb)では、HN−Rは、AspまたはAsn残基であり、ここで、そのC−末端カルボキシルは、残基Dabのα−アミノに連結されている。略語(IIa)では、「
Figure 0004402463
」は、残基Dabのβ−アミノ基への残基Pro11のC−末端カルボキシル基の連鎖を表わす。構造(IIc)では、RおよびRは、構造(Ic)について本明細書中で記述したとおりである。
「構造的に純粋な」とは、その組成物を構成する個々の分子の相当な割合(例えば、95%〜100%程度、好ましくは、約95%、96%、97%、98%、99%またはそれより大きい範囲)が、それぞれ、同じ順序で、同じ結合によって、互いに結合した同じ数および型の原子を含有する化合物組成物を意味する。本明細書中で使用する「構造的に純粋な」とは、異なる幾何異性体または異なる光学異性体を互いから区別するとは解釈されない。例えば、本明細書中で使用するシス−およびトランス−ブト−2,3−エンの混合物は、ラセミ混合物と同様に、構造的に純粋であると見なされる。組成物が相当な割合の単一の幾何異性体および/または光学異性体を含有すると解釈されるとき、それぞれ、「幾何学的に純粋な」および「光学的または鏡像異性的に純粋な」との術語が使用される。
「構造的に純粋な」との語句はまた、分子の異なる互変異性形状またはイオン化状態、または結果として平衡現象または他の可逆的相互変換を生じる分子の他の形状を識別するとは解釈されない。それゆえ、例えば、有機酸の組成物は、たとえ、そのカルボキシル基の一部がプロトン化状態(−COOH)であり得、また、他のものが、脱プロトン化状態(−COO)であり得るとしても、構造的に純粋である。同様に、特に明記しない限り、ケトおよびエノール互変異性体の混合物を含有する組成物は、構造的に純粋であると見なされる。
(Dab誘導体)
本発明の化合物は、アンホマイシン型リポペプチド抗生物質の誘導体であり、これは、その大環状Dab残基のβ−アミノ基で、第一級または第二級アミンを含む置換基で置換されている。例証的な1実施形態では、本発明の化合物は、その塩を含めて、構造式(III)のアンホマイシン型リポペプチド抗生物質誘導体である:
Figure 0004402463
ここで:
およびRは、構造(I)について先に定義したとおりである;そしてRは、(i)少なくとも1種のアミノ酸であるか、(ii)第一級アミンまたは第二級アミンを含む置換基であるか、または(iii)以下からなる群から選択される:水素、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C25)アルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C25)ヘテロアルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C10)アリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C15)アリールアリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C15)ビアリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した5員〜10員ヘテロアリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C26)アリールアルキル、および1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した6員〜26員ヘテロアリールアルキル;
各R15は、別個に、−OR16、−SR16、NR1616、−CN、−NO、−N、−C(O)OR16、−C(O)NR1616、−C(S)NR1616、−C(NR16)NR1616、−CHO、−R16CO、−SO16、−SOR16、−PO(OR16、−PO(OR16)、−COH、−SOH、−POH、ハロゲンおよびトリハロメチルからなる群から選択される;そして
各R16は、別個に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C10)アリール、5員〜10員ヘテロアリール、(C〜C16)アリールアルキルおよび6員〜16員ヘテロアリールアルキルからなる群から選択される。
論述の便宜上、構造(III)の化合物は、以下の構造(IIIa〜c)で図示しているようにして、略され得る:
Figure 0004402463
構造(IIIa)および(IIIb)では、RおよびRは、構造(Ia)について本明細書中で記述したとおりであり、そしてRは、構造(III)について本明細書中で記述したとおりである。構造(IIIc)では、RおよびRは、構造(I)について本明細書中で記述したとおりであり、そしてRは、構造(III)について本明細書中で記述したとおりである。構造(IIIa)および(IIIb)では、R置換基は、図示したDab残基のβ−アミノ基に連結されている(例えば、構造IIIを参照)。
一部の実施形態では、本発明の化合物は、培養物から産生した親アンホマイシン型リポペプチド抗生物質のDab誘導体である。このような親アンホマイシン型リポペプチド抗生物質の例には、アンホマイシン(グルママイシン)、アスパルトシン、クリスタロマイシン、フリウリマイシン、ツシマイシンおよびザオマイシンが挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、これらの実施形態において、式(Ia)および(Ib)の残基Rおよび/または脂肪酸部分Rの構造が大部分は産生する株および培養物の状態により影響されることを認識している。当業者はまた、これらの実施形態において、この親アンホマイシン型リポペプチド抗生物質が残基Rおよび/または脂肪酸部分Rの構造に関して互いに異なる化合物の混合物を含有し得ることを認識している。本発明の化合物の合成に関連して以下でさらに詳細に述べるように、本発明の所望化合物は、出発物質として使用される親アンホマイシン型リポペプチド抗生物質を適切に選択することにより、得られ得る。例えば、培養物から単離したアスパルトシン、アンホマイシン、ザオマイシンおよびツシマイシンの調製物は、化合物の混合物を含有するものの、それらは、全て、同じアンホマイシン型大環状コア、すなわち、RがOHである構造式(II)のアンホマイシン型大環状コアを共有していると考えられている。同様に、フリウリマイシンの調製物では、その混合物の成分は、全て、同じアンホマイシン型大環状コア、すなわち、RがNHである構造式(II)のアンホマイシン型大環状コアを共有していると考えられている。それゆえ、これらの各個の抗生物質混合物を含有する化合物は、それらの脂肪酸部分の構造に関してのみ、互いに異なると考えられる。あるいは、抗生物質A1437は、それらのアンホマイシン型大環状コアおよび脂肪酸部分の構造に関して互いに異なると考えられている化合物の混合物を含有する(例えば、米国特許第6,194,383号を参照)。
これらの種々の親アンホマイシン型リポペプチド抗生物質の全ては、本発明の所望のDab誘導体を生成する出発物質として、使用され得る。本発明の構造的に純粋なDab誘導体は、以下でさらに詳細に記述するように、その大環状Dab残基を誘導体化する前に、その親アンホマイシン型リポペプチド抗生物質の成分化合物を分離し単離することにより、あるいは、得られる混合物の成分化合物を分離するのに続いて、誘導体化することにより、得られる。
さらに、多くの場合、このような親アンホマイシン型リポペプチド抗生物質の脂肪酸部分の正確な構造は、未知である。特定の構造の脂肪酸部分を有する本発明の化合物は、その親アンホマイシン型リポペプチド抗生物質出発物質を脱脂することにより、そして脱脂した中間体を特定の構造の脂肪酸または他の置換基(例えば、親油性フラグメント)と反応させることにより、得られ得る。得られた生成物は、次いで、そのDab残基にて誘導体化され得、本発明のDab誘導体が得られる。あるいは、親アンホマイシン型リポペプチド抗生物質を誘導体化することにより調製した本発明のDab誘導体は、脱脂され得、そのDab誘導体化脱脂中間体は、特定の構造の脂肪酸または他の置換基と反応される。
適切な脂肪酸部分Rを生成する際に使用するのに適切な脂肪酸は、当業者に周知である(例えば、Roempp Chemie Lexicon,Prof.Falbe and Prof.Regitz,9版、Georg Thieme Verlag Stuttgart,New York;およびHawley,3版、Van Nostrand Reinhold Company,New Yorkを参照−各々の内容は、本明細書中で参考として援用されている)。
1実施形態では、公知のアンホマイシン型リポペプチド抗生物質の脂肪酸部分と同じ脂肪酸部分Rを有する本発明の化合物を生じる脂肪酸が選択される。このような脂肪酸は、当業者に周知である。非限定的で例証的な例は、米国特許第6,194,383号(特に、5〜8欄を参照)で提供されており、その内容は、本明細書中で参考として援用されている。
しかしながら、この脂肪酸は、公知のアンホマイシン型リポペプチド抗生物質の脂肪酸に対応する必要はない。適切な脂肪酸には、一例として、以下のような種々の脂肪酸が挙げられるが、これらに限定されない:分枝していない飽和脂肪酸(例えば、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ペンタコセン酸など)、分枝した飽和脂肪酸(例えば、イソ酪酸、イソ吉草酸、イソパルミチン酸など、およびアンテ−イソ立体配置の対応する酸であって、これらは、メトキシ置換基またはヒドロキシ置換基を含み得る);モノエノ酸(例えば、オブツシン酸、カプロレイン酸、ラウロレイン酸、リンデリン酸、ミリストレイン酸、フィセテリン酸、ツヅク酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、バセン酸、ガドレイン酸、ゴンドイン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸など);ポリエノ酸(例えば、リノール酸、γ−リノール酸、アラキドン酸、ステアリドン酸など、およびメチレン介在ポリエン、ポリメチレン介在ポリエン、結合体化脂肪酸およびハロゲン化脂肪酸)。また、米国特許第6,194,383号(その内容は、本明細書中で参考として援用されている)を参照のこと。
典型的には、この脂肪酸は、6個〜22個の炭素原子、通常、10個〜20個の炭素原子を備えた脂肪酸またはヒドロキシ脂肪酸である。この脂肪酸またはヒドロキシ脂肪酸は、分枝または直鎖、飽和または単一不飽和または複数不飽和、またはそれらの組合せであり得る。1実施形態では、この脂肪酸は、飽和または単一不飽和脂肪酸であり、これは、11個、12個、13個、14個または15個の炭素原子を含有し、好ましくは、イソまたはアンテ−イソ立体配置で、直鎖または単一分枝のいずれかである。他の実施形態では、この脂肪酸は、飽和または単一不飽和のヒドロキシ脂肪酸であり、これは、11個、12個、13個、14個または15個の炭素原子を含有し、好ましくは、イソまたはアンテ−イソ立体配置で、直鎖または単一分枝のいずれかである。特定の実施形態では、このヒドロキシ脂肪酸は、その鎖の2位、3位および/または末端位で、ヒドロキシル化されている。
あるいは、Rは、R AspまたはAsn残基のN−末端アミノ基に直接連結され得(例えば、構造IIIaおよびIIIbを参照)、ここで、Rは、水素、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C25)アルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C25)ヘテロアルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C10)アリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C15)アリールアリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C15)ビアリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した5員〜10員ヘテロアリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C26)アリールアルキル、および1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した6員〜26員ヘテロアリールアルキルからなる群から選択される;各R15は、別個に、−OR16、−SR16、NR1616、−CN、−NO、−N、−C(O)OR16、−C(O)NR1616、−C(S)NR1616、−C(NR16)NR1616、−CHO、−RR16CO、−SO16、−SOR16、−PO(OR16、−PO(OR16)、−COH、−SOH、−POH、ハロゲンおよびトリハロメチルからなる群から選択される;そして各R16は、別個に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C10)アリール、5員〜10員ヘテロアリール、(C〜C16)アリールアルキルおよび6員〜16員ヘテロアリールアルキルからなる群から選択される。
構造(IIIa)および(IIIb)の化合物では、Rは、Asp残基またはAsn残基を表わす。RがAspまたはAsnであるかどうかは、当業者に明らかなように、本発明のDabの合成の出発物質として使用される親アンホマイシン型リポペプチド抗生物質の選択に依存している。例えば、RがAspであるDab誘導体は、アンホマイシン、アスパルトシン、ツシマイシン、および/または抗生物質A1437のAspフラクションから調製され得る。RがAsnである本発明のDab誘導体は、フリウリマイシンおよび/または抗生物質A1437のAsnフラクションから調製され得る。抗生物質A1437のAspおよびAsn部分は、例えば、米国特許第6,194,383号(その内容は、本明細書中で参考として援用されている)で記述された方法に従って、培養した抗生物質A1437の調製物から単離され得る。化合物(その一部は、RがAspである構造式(IIIa)または(IIIb)の化合物であり、他は、RがAsnである構造式(IIIa)または(IIIb)の化合物である)の混合物を含有する本発明のDab誘導体は、抗生物質A1437から調製され得る。
構造式(III)、(IIIa)、(IIIb)および(IIIc)のDab誘導体では、Rは、第一級または第二級アミン基を含む置換基であり得る。好ましい1実施形態では、この第一級または第二級アミン基は、式−NHRを有し、ここで、Rは、水素または(C〜C)アルキルである。他の好ましい実施形態では、この第一級または第二級アミン基は、その大環から離れて間隔を置いて配置され得る。Dab残基は、本明細書中で記述しているように、任意の連結部分を介している。本発明は、一部には、以下の驚くべき発見に基づいている:すなわち、R置換基を備えた大環状Dab残基で誘導体化したアンホマイシン型リポペプチド抗生物質は、溶解特性が変わったこと以外は、それらが誘導された親アンホマイシン型リポペプチド抗生物質と実質的に同じ抗菌特性を保持しており、これは、それらが誘導された親アンホマイシン型リポペプチド抗生物質と比較して、治療特性または治療範囲が向上したDab誘導体を生じ得る。
上述のように、第一級または第二級アミン−NHRは、任意の連結部分を介して、Dab残基のβ−窒素(「Dabβ−窒素」)から離れて間隔を置いて配置されている。図1(これは、本発明の代表的なDab誘導体を図示しており、ここで、RおよびRは、構造式(III)について定義したとおりであり、そしてRは、上で定義したとおりである)を参照すると、連結部分1は、連鎖基2を含み、これは、Dabβ−窒素3および任意のスペーサ4に結合している。1実施形態では、連結基2およびスペーサ4は、一緒になって、Dabβ−窒素3と、アミン基−NHRの窒素原子(「アミン窒素」)5との間の距離が約1Å〜約10Åの範囲であるように、相当数の原子を含む。典型的には、連鎖基2は、それが結合するDabβ−窒素3と一緒になるとき、連鎖6(これは、本発明の化合物が使用される生理学的条件下にて、安定である)を生じる部分である。適切な連鎖6の非限定的な例には、アミド、イミド、スルホンアミド、スルホンイミド、アミジン、カーボネート、カーバメート、チオ尿素などが挙げられる。従って、適切な連結基2の非限定的な例には、−C(O)−、−S(O)−、−C(NH)−および−C(O)O−基が挙げられる。
スペーサ4(これは、存在しても、または存在しなくてもよい)は、必要なとき、この連結基とDabβ−窒素との間で形成された連鎖から離れて、第一級または第二級アミン基と間隔を開けるのに適切な炭素および/またはヘテロ原子の事実上任意の組合せを含有し得る。スペーサ4を構成し得る適切な基には、−CH−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−S−、−NH−、−NH−NH−、−N=N−、−C(O)−、−S(O)−、−S(O)−O−および−C(NH)−基が挙げられるが、これらに限定されない。これらの基および他の基は、当業者に明らかであるが、適切なスペーサ4を作り出す多数の組合せで、使用され得る。当業者は、特に望ましい間隔を達成するのに必要な原子の正確な数が、とりわけ、連結部分1を構成する原子の種類(例えば、N、O、Cなど)および結合の種類(例えば、単結合、二重結合、三重結合など)に依存しており、適切な間隔を生じる基の組合せを選択できることを認識している。
スペーサ4を構成する原子の1個またはそれ以上は、さらに、置換基で置換され得る。この置換基は、置換される種類の原子に結合できる事実上任意の基であり得る。1実施形態では、このような置換基は、同一または異なり得るが、−NR、−OR、−SR、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR、アミジン、グアニジン、アルキル(これは、必要に応じて、1個またはそれ以上の同一または異なるRで置換されている)、アリール(これは、必要に応じて、1個またはそれ以上の同一または異なるRで置換されている)、アリールアルキル(これは、必要に応じて、1個またはそれ以上の同一または異なるRで置換されている)、ヘテロアルキル(これは、必要に応じて、1個またはそれ以上の同一または異なるRで置換されている)、ヘテロアリールアルキル(これは、必要に応じて、1個またはそれ以上の同一または異なるRで置換されている)からなる群から選択され、ここで、各Rは、別個に、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、そして各Rは、別個に、−NR、−OR、−SR、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)NR、アミジン、グアニジン、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択される。
本発明の1実施形態では、スペーサ4は、(C〜C)分枝または非分枝アルキルジイルであり、これは、必要に応じて、1個またはそれ以上(典型的には、1個)の同一または異なる先に記述した置換基を含有する。好ましいアルキルジイルは、置換または非置換アルキレノである。特に好ましいアルキルジイルは、置換または非置換(C〜C)アルカノである。
それゆえ、構造式(III)、(IIIa)、(IIIb)および(IIIc)のDab誘導体の例証的な1実施形態では、アミン含有置換基Rは、構造式(IV):
(IV) −X−R10−NHR
を有し、ここで:
は、先に記述したとおりである;
10は、(C〜C)アルカノである;そして
Xは、−C(O)−、−C(NH)−または−S(O)−である。
構造式(III)、(IIIa)、(IIIb)および(IIIc)のDab誘導体の他の例証的な実施形態では、アミン含有置換基Rは、構造式(V)である:
(V) −X−(R1111−NHR
ここで:
nは、1〜6の整数である;
各R11は、別個に、水素、アミノ、アミド、アミジノ、カルボキシ、グアニジノ、ヒドロキシ、スルファニル、(C〜C)アルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR12で置換した(C〜C)アルキル、(C〜C10)アリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR12で置換した(C〜C10)アリール、(C〜C13)アリールアルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR12で置換した(C〜C13)アリールアルキル、5員〜10員ヘテロアリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR12で置換した5員〜10員ヘテロアリール、6員〜13員ヘテロアリールアルキルおよび1個またはそれ以上の同一または異なるR12で置換した6員〜13員ヘテロアリールアルキルからなる群から選択される;
各R12は、別個に、アミノ、アミド、アミジノ、カルボキシル、グアニジノ、ヒドロキシおよびスルファニルからなる群から選択される;そして
XおよびRは、構造(IV)について先に記述したとおりである。
構造式(V)の特定の実施形態では、nは、1、2または3であるか、および/またはR11の1個だけが、水素以外のものである。
構造式(IIIa)および(IIIb)のDab誘導体の他の実施形態では、置換基Rは、以下のような構造式(VI)を有する:
(VI) −X−R
ここで:
は、リンカーであり、これは、窒素と共有結合を形成できる任意の種類の化学官能基であり得、これは、当業者に公知である。代表的な実施形態では、Xは、−CO−、−SO、−CS−、−PO−、−OPO−、−OC(O)−、−NHCO−、−NRCO−からなる群から選択される。他の好ましい実施形態では、Xは、−CO−、−NHCO−または−SOである。特に好ましい実施形態では、Xは、−CO−である。
は、水素、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C25)アルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C25)ヘテロアルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C10)アリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C15)アリールアリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C15)ビアリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した5員〜10員ヘテロアリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した(C〜C26)アリールアルキル、および1個またはそれ以上の同一または異なるR15基で必要に応じて置換した6員〜26員ヘテロアリールアルキルからなる群から選択される;
各R15は、別個に、−OR16、−SR16、NR1616、−CN、−NO、−N、−C(O)OR16、−C(O)NR1616、−C(S)NR1616、−C(NR16)NR1616、−CHO、−R16CO、−SO16、−SOR16、−PO(OR16、−PO(OR16)、−COH、−SOH、−POH、ハロゲンおよびトリハロメチルからなる群から選択される;そして
各R16は、別個に、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C10)アリール、5員〜10員ヘテロアリール、(C〜C16)アリールアルキルおよび6員〜16員ヘテロアリールアルキルからなる群から選択される。
リンカーXは、さらに、スペーサ部分を含み得、これは、親水性または疎水性で、長いか短く、剛性、半剛性または可撓性である。間隔を開けるのに適切な安定な結合を構成する広範囲のスペーサ(例えば、Dabβ−アミノ基に由来のアミンR置換基)は、当該技術分野で公知であり、これには、一例として、アルキル、ヘテロアルキル、非環式ヘテロ原子架橋、アリール、アリールアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−ヘテロアリール、置換ヘテロアリール−ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリール−ヘテロアルキルなどが挙げられるが、これらに限定されない。それゆえ、スペーサは、単結合、二重結合、三重結合または芳香族結合の炭素−炭素結合、窒素−窒素結合、炭素−窒素結合、炭素−酸素結合および/または炭素−イオウ結合を含み得、そのために、カルボニル、エーテル、チオエーテル、カルボキサミド、スルホンアミド、尿素、ウレタン、ヒドラジンなどのような官能基を含み得る。
適切なリンカーおよび/またはスペーサの選択は、当業者の能力の範囲内である。例えば、剛性リンカーまたはスペーサが望ましい場合、それは、剛性の多価不飽和アルキルまたはアリール、ビアリール、ヘテロアリールなどであり得る。可撓性のリンカーまたはスペーサが望ましい場合、それは、可撓性ペプチド(例えば、Gly−Gly−Gly)のたは可撓性飽和アルカニルまたはヘテロアルカニルであり得る。親水性リンカーまたはスペーサは、例えば、ポリアルコールまたはポリエーテル(例えば、ポリアルキレングリコール)であり得る。疎水性リンカーまたはスペーサは、例えば、アルキルまたはアリールであり得る。
構造式(III)、(IIIa)、(IIIb)および(IIIc)のDab誘導体の好ましい実施形態では、置換基Rは、その末端カルボキシル基を介して大環状Dab残基のβ−アミノ基に連結されてアミド連鎖を形成するアミノ酸である。このようなアミノ酸には、一例として、α−アミノ酸、β−アミノ酸およびγ−アミノ酸が挙げられ得るが、これらに限定されない。これらのアミノ酸は、必要に応じて、側鎖部分(例えば、20個の遺伝的にコードされたアミノ酸のうちの1個の側鎖部分またはそれらの通例の類似物)を含有し得る。このアミノ酸の任意のキラル中心は、R−立体配置またはS−立体配置のいずれかであり得る。適切なアミノ酸の非限定的な例には、20個の遺伝的にコードされたアミノ酸;Fasman,CRC Practical Handbook at Biochemistry and Molecular Biology,1989,CRC Press,Inc.,Boca Raton,FL、pp.4−60(その開示は、本明細書中で参考として援用されている)で記載された種々のアミノ酸、Fasman,1989(上記)、pp.69(その開示は、本明細書中で参考として援用されている)で記載されたα−不飽和アミ酸,β−不飽和アミ酸が挙げられる。他の適切なアミノ酸は、当業者に明らかである。
(合成方法)
本発明の化合物は、市販の出発物質を使用して、および/または通常の合成方法および/または生合成方法により調製した出発物質を使用して、いくつかの異なる合成経路を経由して、合成され得る。2つの一般的な合成アプローチは、以下の図式(I)で図示されている:
Figure 0004402463
図式(I)では、RおよびRは、構造式(IIIc)で先に定義したとおりである。図式(I)によれば、親アンホマイシン型リポペプチド抗生物質10は、適切な保護反応物12(これは、図示した特定の例では、Fmoc保護グリシンである)でアシル化されて、保護中間体14が得られる。第一級アミン(例えば、抗生物質10)をカルボン酸(例えば、反応物12)とカップリングしてアミド連鎖を得る反応条件は、当業者に公知であり、そして標準的な合成方法の任意の概要ならびに/またはペプチドおよびタンパク質の合成に関連した文献で見出され得る。例えば、March,J.,Advanced Organic Chemistry;Reactions,Mechanisms and Structure,4版、1992;Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH,New York,1999;Bodanzsky,Principles of Peptide Synthesis,Springer Verlag,1984;Bodanzsky,Practice of Peptide Synthesis,Springer Verlag,1984;Lloyd−Williamsら、Chemical Approaches to the Synthesis of Peptides and Proteins,CRC Press,1997(特に、pp.105−114を参照);およびAtherton & Sheppard,Solid Phase Peptide Synthesis:A Practical Approach,IRL Press,1989(それらの各々の内容は、本明細書中で参考として援用されている)を参照。特定の条件は、下記の実施例の節で提供されている。
保護中間体14は、次いで、脱保護されて、Dab誘導体16が得られる。この方法をFmoc保護基を使用して説明するとき、当業者は、他の保護基が使用され得ることを認識している。さらに、ある場合には、反応物12は、保護を必要とし得る他の官能基および/または追加官能基を含有し得る。広範囲の異なる官能基を保護するのに適切な基だけでなく、それらを除去する条件は、当業者に周知であり、明らかである。広範囲の官能基を選択的に保護する特定の指針は、例えば、Greene & Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,第3版,1999(「Greene & Wuts」)で見られ得、その内容は、本明細書中で参考として援用されている。好ましい保護基には、容易に除去され得るものがある。第一級アミンを保護するのに好ましい基には、tert−ブチルオキシカルボニル(「t−Boc」)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(「Fmoc」)およびベンジルオキシカルボニル(「Z」)がある。
親アンホマイシン型リポペプチド抗生物質10は、抗生物質を産生することが公知の微生物の培養物から単離することにより、得られ得る。アンホマイシン型リポペプチド抗生物質を産生するための微生物は、その結果生じる抗生物質を単離して必要に応じてさらに精製する条件と同様に、周知である。例えば、アンホマイシン(グルママイシン)を産生するための株には、Streptomyces canus(ATCC #12237;また、Heinemannら、1953,Antibiot.Chemother.3:1239−1242を参照)およびStreptomyces zaomyceticus(ATCC #13876;また、Shibataらの米国特許第3,160,561号を参照)が挙げられる。アスパルトシンを産生するための株には、Streptomyces griseus亜種sprialis(ATCC #13733;また、Shayらの米国特許第3,057,779号を参照)およびStreptomyces violaceus(Rossi−Doria)Waksman(ATCC #13734;また、米国特許第3,057,779号を参照)が挙げられる。クリスタロマイシンを産生する株には、Streptomyces violaceoniger var.crystallomycini(Gauzeら、1957,Antibiotiki 2(6):9−14)が挙げられる。抗生物質A1437を産生するための株には、Actinoplanes sp.(DSM #7358;また、Hammannらの米国特許第6,194,383号を参照)が挙げられる。フリウリマイシンを産生するための株には、Actinoplanes friuliensis(HAG #010964)が挙げられる。ツシマイシンを産生するための株には、Streptomyces pseudogriseolus Okami and Umezawa(ATCC pseudogriseolus #21139および#21140;また、Nishimuraらの米国特許第3,781,420号を参照)およびStreptomyces pseudogriseolus亜種glucofermentans Nishimura and Otsuka(ATCC #21141;また、Nishimuraらの米国特許第3,781,420号を参照)が挙げられる。ザオマイシンを産生する株には、Streptomyces zaomyceticus Hinuma(NRRL #B−2038)が挙げられる。種々のリポペプチド抗生物質を培養し単離する条件は、上で引用した特許および参考文献だけでなく、これらの種々の抗生物質に関連して先に言及した種々の参考文献で見られ、その開示内容は、本明細書中で参考として援用されている。
先に述べたように、大ていの場合には、培養物から単離したアンホマイシン型リポペプチド抗生物質10は、Rおよび/またはRの構造に関して異なる化合物の混合物である。例えば、アンホマイシンは、RがOHである化合物10の混合物であり、そして脂肪酸部分R−C(O)−は、イソおよびアンテ−イソC12およびC13脂肪酸の混合物である。アスパルトシンは、RがOHである化合物10の混合物であり、そして脂肪酸部分R−C(O)−は、イソおよびアンテ−イソC13およびC14脂肪酸の混合物である。ツシマイシンは、RがOHである化合物10の混合物であり、そして脂肪酸部分R−C(O)−は、イソおよびアンテ−イソC14およびC15脂肪酸の混合物である。フリウリマイシンは、RがNHである化合物10の混合物であり、そして脂肪酸部分R−C(O)−は、イソおよびアンテ−イソC13およびC15脂肪酸の混合物である。抗生物質A1437は、一部のRがOHであり他のRがNHである化合物11の複合体であり、そして脂肪酸部分は、イソおよびアンテ−イソC13、C14およびC15脂肪酸の混合物である。多くの場合、これらの混合物中の化合物の1種またはそれ以上を高い収率または低い収率で産生するために有用な培養条件は、公知である(例えば、J.Biotechnology 7:283−292,1988を参照)。このような方法は、本発明と併用され得、規定のモル比の脂肪酸部分を有するDab誘導体の混合物が得られる。
培養物から単離したアンホマイシン型リポペプチド抗生物質10は、その混合物の種々の成分をさらに分離し単離することなく、図式(I)で直接使用され得るか、脂肪酸に関して、および/または抗生物質A1437の場合、Rに関してかのいずれかで、まず、構造的に純粋な化合物または副画分または副混合物に分離され得る。抗生物質製剤の個々の成分または副混合物を分離する方法は、周知であり、そして当業者に明らかとなる。特定の適切な方法は、例えば、米国特許第6,194,383号(特に、10〜12欄を参照−その内容は、本明細書中で参考として援用されている)および下記の実施例の節で提供されている。
多くの場合、アンホマイシン型リポペプチド抗生物質10の脂肪酸部分の構造は、未知であり得る。特定の脂肪酸部分を有する本発明のDab誘導体が望ましい場合、または培養した抗生物質製剤の成分を単離するよりもむしろ、Dab誘導体を、その脂肪酸部分に関して、構造的に純粋にするか、幾何学的に純粋にするか、または光学的に純粋にするのが望ましい場合、培養した抗生物質10の天然脂肪酸部分を特定構造の合成脂肪酸部分で置き換えることが、さらに好都合であるか望まれ得る。図式(I)で図示したように、これは、いくつかの合成戦略により、達成され得る。
第一の戦略によれば、アンホマイシン型リポペプチド抗生物質10は、まず、大環状Dab残基のβ−アミノ基で保護されて、保護中間体18が得られる。この場合もやはり、図示した保護基がFmocであるのに対して、当業者は、他の通例公知のアミン保護基が使用され得ることを理解する。保護中間体18は、次いで、脱脂されて、保護アンホマイシン型大環状コア20が得られる。保護コア20は、次いで、標準的な化学反応を再度使用して、脂肪酸22でアシル化されて、保護アンホマイシン型リポペプチド抗生物質24が得られる。脂肪酸22では、R11は、その脂肪酸の脂肪族鎖を表わし、そして構造(III)のRについて先に記述した脂肪族鎖またはヒドロキシ脂肪族鎖のいずれかであり得る。
保護抗生物質24は、脱保護されて、化合物26が得られ、試薬12と反応されて、保護Dab誘導体28が得られ、これは、脱保護に続いて、Dab誘導体30を生じる。親アンホマイシン型リポペプチド抗生物質10が、同じアンホマイシン型大環状コアを全てが共有する化合物の混合物(例えば、アンホマイシン、アスパルトシン、フリウリマイシン、ツシマイシンまたはザオマイシン)であるとき、この方法は、親アンホマイシン型リポペプチド抗生物質10の種々の脂肪酸部分を互いから単離する必要なしに、構造的に純粋である本発明のDab誘導体を合成するのに使用され得る。脱脂により、種々の脂肪酸および保護アンホマイシン型大環状コアを含有する混合物が得られる。この保護大環状コアは、当該技術分野で公知の任意の技術(例えば、高速液体クロマトグラフィー、向流抽出、遠心分離、濾過、沈殿、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、アフィニティークロマトグラフィーなど)を使用して、この混合物から高純度で容易に単離され得る。特定の保護大環状コアを単離するのに直接使用され得るか慣用的に改造され得る特定の手順は、Debonoら、1988,J.Antibiotics 41:1093および米国特許第5,039,789号(例えば、30〜34欄を参照)で記述されており、その各々の内容は、本明細書中で参考として援用されている。親アンホマイシン型リポペプチド抗生物質10を脱脂し再脂質化するのに直接使用され得る追加化学反応および手順は、Lattrellらの米国特許第5,629,288号で見られ、その開示内容は、本明細書中で参考として援用されている。
代替経路では、保護Dab誘導体14は、脱脂され、そして脂肪酸22でアシル化されて、保護Dab誘導体28が得られ、これは、脱保護に続いて、Dab誘導体30を生じる。この代替経路は、その大環状Dabβ−アミノ基を別々に保護する必要がないという点で、有利である。
一般に、保護アンホマイシン型リポペプチド抗生物質18および/または保護Dab誘導体14の脂肪酸部分は、酵素で開裂され得る。この酵素は、例えば、分解性酵素(例えば、ペプチダーゼ、エステラーゼまたはチオラーゼ)であり得、当該技術分野では、それらの非常に多くの例がある。好ましくは、この酵素は、デアシラーゼである。
代表的な実施形態では、この開裂工程は、適切な培地にて、デアシラーゼを産生する微生物を培養する工程、および保護Dab誘導体14または保護抗生物質18を、このデアシラーゼを含有する培地と接触させる工程を包含する。デアシラーゼを産生する微生物は、当業者に周知である。好ましい実施形態では、微生物Actinoplanes utahensis(NRRL #12052)は、適切なデアシラーゼを産生する。
このような酵素を培養する増殖接種材料、接種媒体、培地および条件もまた、当業者に周知であり、Actinoplanes utahensis(NRRL #12052)に代表的な方法は、Boeckら、1988,J.Antibiot.41:1085;Debonoら、1988,J.Antibiotics 41:1093;米国特許第4,524,135号(例えば、22〜23欄を参照)および米国特許第5,039,789号(例えば、29欄、9〜63行目を参照)で記述されており、それらの各々の内容は、本明細書中で参考として援用されている。
1実施形態では、化合物14または18は、約29℃の温度で、約4〜16時間にわたって、それらを、Actinoplanes utahensis(NRRL #12052)を含有する培地と接触させることにより、脱脂される。その反応は、クロマトグラフィーまたは他の通常の技術によりモニターされ得、それにより、必要に応じて、それより短いまたは長いインキュベーションが可能となる。化合物14および/または18を脱脂するのに使用され得る追加方法は、Debonoら、1988,J.Antibiotics 41:1093;米国特許第5,039,789号(例えば、29〜34欄を参照)および米国特許第5,629,288号で見られ、これらの各々は、本明細書中に参考として援用される。
図式(I)は、本発明の特定のDab誘導体(ここで、置換基Rは、アミド連鎖を介して、大環状Dab残基に結合している)を図示しているのに対して、当業者は、他の連鎖を含むDab誘導体が図示した図式を簡単に改良することにより合成され得ることを認識している。さらに、ある場合には、置換基Rは、保護を必要とする追加官能基を含有し得る。その保護基の同定は、とりわけ、保護する官能基およびその分子上に存在している他の保護基に依存しており、当業者に明らかとなる。指針は、Greene & Wuts(上記)で見られ得る。
本発明のDab誘導体は、標準的な技術(例えば、高速液体クロマトグラフィー、向流抽出、遠心分離、濾過、沈殿、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、アフィニティークロマトグラフィーなど)を使用して、単離され精製され得る。特定の単離方法は、実施例(下記)で提供されている。本発明の種々の親抗生物質、反応、中間体および/またはDab誘導体のいずれかはまた、2001年4月21日に出願された出願番号第60/286,254号(その内容は、本明細書中で参考として援用されている)で記述された抽出精製方法を使用して、単離され精製され得る。
当業者は、本発明のDab誘導体の多くが、本明細書中で具体的に記述した種々の化合物種と同様に、互変異性、配座異性、幾何異性および/または光学異性の現象を示し得ることを理解する。本明細書および請求の範囲内の図式は、可能な互変異性、配座異性、幾何異性または光学異性の形状の1つだけを表わし得るので、本発明は、本明細書中で記述した有用性の1つまたはそれ以上を有する化合物の任意の互変異性、配座異性、光学異性および/または幾何異性形状だけでなく、これらの種々の異なる形状の混合物を包含することが理解できるはずである。
さらに、図示した種々のアンホマイシン型大環状コアのキラル中心の正確な光学的立体配置は、特定されていないものの、その構造の図示は、これらのコアを記述する簡単な方法であると解釈され、限定とは見なされないことが理解できるはずである。特定の光学的立体配置は、未知であろうと既知であろうと、このアンホマイシン型リポペプチド抗生物質の大環状コアが有するものであることが分かる。
また、本発明のDab誘導体が誘導される種々の親アンホマイシン型リポペプチド抗生物質を構成するペプチド大環の構造は、正しいと考えられるものの、ある場合には、後に、誤りが明らかとなる場合がある。この場合もやはり、それらの構造の図示は、これらの種々の化合物を記述する簡単な方法であると解釈され、限定とは見なされない。本発明のDab誘導体では、これらのペプチド大環の構造は、その特定の誘導体が誘導される親アンホマイシン型リポペプチド抗生物質が有するものであることが分かる。
(抗菌活性)
本発明のDab誘導体は、一般に、インビトロアッセイで測定されるように、グラム陽性菌に対して抗菌活性を示し、これは、従来のアンホマイシン型リポペプチド抗生物質が示すものと類似している。さらに、本発明のDab誘導体の多くは、従来のアンホマイシン型リポペプチド抗生物質と比較して、改良された治療可能性(例えば、低い毒性)を示し得、それにより、本発明のDab誘導体は、グラム陽性菌により引き起こされる感染と戦うために、全身投与するのに特に適している。
一般に、本発明の活性Dab誘導体は、通常のインビトロスクリーニングアッセイ(例えば、標準的なNCCLS細菌阻害アッセイまたMIC試験)を使用して、同定される。例えば、National Committee on Clinical Laboratory Standards 「Performance Standards for Antimicrobial Susceptibility Testing」、NCCLS Document M100−S5 Vol.14,No.16,December 1994;「Methods for dilution antimicrobial susceptibility test for bacteria that grow aerobically−Third Edition」、Approved Standard M7−A3,National Committee for Clinical Standards,Villanova,PA(「Approved Standard M−7−A3」)を参照。活性と見なされる化合物は、典型的には、これらの標準的なアッセイにおいて、グラム陽性菌(例えば、Strepto−、Staphylo−およびEnterococci)に対して、約64μg/mL未満、通常、約32μg/mL未満、好ましくは、約16μg/mL未満、最も好ましくは、約4μg/mL未満のMICを示す。もちろん、これらの範囲の下端またはそれより低いMICを有する化合物が好ましい。著しい抗菌活性(すなわち、4μg/mL未満)および低い毒性を示すDab誘導体は、全身感染を治療または予防する際に使用するのに最も好ましい。全身毒性は、局所投与には、それ程問題にはならない。抗菌活性を証明するのに適切な特定のアッセイは、実施例の節で提供されている。
(用途および組成物)
本発明の抗菌Dab誘導体は、微生物を殺すかその増殖を阻止するために、広範囲の用途で使用できる。例えば、これらの抗菌Dab誘導体は、食品、化粧品、医薬および他の栄養分含有物質のような物質の消毒剤または防腐剤として、使用できる。これらの抗菌Dab誘導体はまた、被験体(例えば、植物および動物(ヒトを含めて))における微生物感染に関連した疾患またはそれにより引き起こされる疾患を治療または予防するのに使用できる。
消毒剤または防腐剤として使用するために、これらの抗菌Dab誘導体は、単独で、または数種の抗菌Dab誘導体の混合物として、または他の抗真菌剤および/または抗菌剤と組み合わせて、所望の物質に加えることができる。これらの抗菌Dab誘導体は、この化合物それ自体として供給され得るか、または当該技術分野で周知の種々の薬学的に受容可能な担体、希釈剤または賦形剤と混合され得る。
微生物感染またはそれに関連した疾患を治療または予防するのに使用するとき、本発明の抗菌Dab誘導体は、単独で、2種またはそれ以上の抗菌Dab誘導体の混合物として、他の抗真菌剤、抗生物質または抗菌剤と組み合わせて、または他の薬学的に活性な試薬と組合せて、投与または塗布できる。これらの抗菌Dab誘導体は、それ自体または医薬組成物として投与または塗布できる。その特定の製薬処方は、所望の投与様式に依存しており、また、当業者に明らかとなる。抗生物質の局所投与または全身投与のための非常に多くの組成物が文献で記述されている。これらの組成物のいずれかは、本発明の抗菌Dab誘導体と共に処方され得る。
本発明の抗菌Dab誘導体を含有する医薬組成物は、通常の混合、溶解、顆粒化、糖衣錠作製、すりつぶし、乳化、カプセル化、取り込みまたは凍結乾燥プロセスによって製造され得る。医薬組成物は、1種またはそれ以上の生理学的に受容可能な担体、希釈剤、賦形剤または補助剤(これらは、この活性抗菌Dab誘導体を、薬学的に使用できる製剤に処理するのを促進する)を使用する通常の様式で、処方され得る。適切な処方は、選択される投与経路に依存している。
局所投与には、本発明の抗菌Dab誘導体は、当該技術分野で周知のように、溶液、ゲル、軟膏、クリーム、懸濁液、ペーストなどとして処方され得る。
全身処方には、注射(例えば、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、くも膜下腔内注射または腹腔内注射)により投与するように設計されたものだけでなく、経皮投与、経粘膜投与、経口投与または肺投与用に設計されたものが挙げられる。好ましい実施形態では、この全身投与処方は、無菌である。
注射には、本発明の抗菌Dab誘導体は、水溶液、好ましくは、生理学的に適合性の緩衝液(例えば、ハンクス液、リンゲル液または生理食塩水)中で処方され得る。この溶液は、処方化剤(例えば、懸濁剤、安定化剤および/または分散剤)を含有し得る。
あるいは、これらの抗菌Dab誘導体は、使用前、適切な媒体(例えば、無菌の発熱物質がない水)を使って構成するために、粉末形状であり得る。
経粘膜投与には、その処方において、浸透する障壁に適切な浸透剤が使用される。このような浸透剤は、一般に、当該技術分野で公知である。
経口投与には、これらの抗菌Dab誘導体は、それらを当該技術分野で周知の薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせることにより、容易に処方できる。このようなキャリアにより、本発明の化合物は、処置する患者が経口摂取するために、錠剤、丸薬、糖剤、カプセル剤、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などとして処方できるようになる。経口固形処方(例えば、散剤、カプセル剤および錠剤)に適切な賦形剤には、充填剤、例えば、糖(例えば、ラクトース、スクロース、マンニトールおよびソルビトール);セルロース調製物(例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、イモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/またはポリビニルピロリドン(PVP));顆粒化剤;および結合剤が挙げられる。もし望ましいなら、崩壊剤(例えば、架橋したポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸またはその塩(例えば、アルギン酸ナトリウム))が添加され得る。もし望ましいなら、固形投薬形状は、標準的な技術を使用して、糖被覆または腸溶被覆され得る。
経口液状製剤(例えば、懸濁液、エリキシル剤および溶液)に適切なキャリア、賦形剤または希釈剤には、水、グリコール、オイル、アルコールなどが挙げられる。さらに、香料、防腐剤、着色剤などが添加され得る。
舌下投与には、これらの組成物は、通常の様式で処方された錠剤、薬用ドロップなどの形態をとり得る。
吸入による投与のためには、本発明で使用する化合物は、好都合には、適切な推進薬(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適切なガス)を使用して、加圧パックまたは噴霧器からエアロゾルスプレーの形状で、送達される。好ましい実施形態では、このエアロゾル組成物は、無菌である。加圧エアロゾルの場合、その投薬単位は、計量した量を送達するバルブを設けることにより、決定され得る。例えば、吸入器または注入器で使用するゼラチンのカプセルおよびカートリッジは、この化合物の粉末混合物および適切な粉末ベース(例えば、ラクトースまたはデンプン)を含有させて処方され得る。
これらの抗菌Dab誘導体はまた、直腸組成物または膣組成物(例えば、坐剤または保持浣腸剤(これは、例えば、通常の坐剤基剤(例えば、ココアバターまたは他のグリセリドを含有する)))で処方され得る。
先に記述した処方に加えて、これらの抗菌Dab誘導体はまた、デポー調製物として処方され得る。このような長期にわたって作用する処方は、移植(例えば、皮下または筋肉内)または筋肉内注射により、投与され得る。それゆえ、例えば、これらの化合物は、適切な高分子材料または疎水性材料(例えば、受容可能なオイル中の乳濁液として)またはイオン交換樹脂、または難溶性誘導体(例えば、難溶性塩)と共に処方され得る。
あるいは、他の薬学的送達システムが使用され得る。リポソームおよび乳濁液は、本発明の抗菌Dab誘導体を送達するのに使用され得る送達媒体の周知の例である。ある種の有機溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド)もまた、通常、毒性が高いという代償を払って、使用され得る。さらに、これらの抗菌Dab誘導体は、持続放出システム(例えば、この治療剤を含有する固形高分子の半浸透性マトリックス)を使用して、送達され得る。種々の持続放出材料が確立されており、当業者に周知である。持続放出カプセルは、それらの化学的性質に依存して、数週間から100日までにわたって、これらの化合物を放出し得る。
本発明の抗菌Dab誘導体のある種のカルボキシル基は、酸性であるか、および/または置換基Rは、酸性または塩基性置換基を含有し得、これらの抗菌Dab誘導体は、その遊離酸、遊離塩基または薬学的に受容可能な塩として、上記処方のいずれかに含有され得る。薬学的に受容可能な塩には、これらの遊離の酸または塩基の抗菌活性を実質的に保持する塩およびそれぞれ塩基または酸との反応により調製される塩がある。適切な酸および塩基は、当業者に周知である。薬学的な塩は、対応する遊離の塩基または酸形状よりも水性溶媒および他のプロトン性溶媒中での溶解性が高い傾向にある。
本発明の抗菌Dab誘導体またはそれらの組成物は、一般に、使用目的を達成するのに有効な量で、使用される。もちろん、使用する量は、特定の用途に依存していることが理解できるはずである。
例えば、消毒剤または防腐剤として使用するために、消毒または防腐する物質には、抗菌有効量の抗菌Dab誘導体またはその組成物が塗布または添加される。「抗菌有効量」とは、標的微生物の増殖を阻害するかそれに致死性である抗菌Dab誘導体または組成物の量を意味する。その実際の量は、特定の標的微生物および用途に依存しているものの、これらの抗菌Dab誘導体またはそれらの誘導体を消毒剤または防腐剤として使用するためには、通常、比較的に低い量で、消毒または防腐する物質に添加または塗布される。典型的には、この抗菌Dab誘導体は、消毒溶液または防腐する物質の約5重量%未満、好ましくは、約1重量%未満、さらに好ましくは、約0.1重量%未満を占める。当業者は、例えば、実施例で提供したインビトロアッセイを使用して、過度の実験なしで、特定用途のための特定の抗菌Dab誘導体の抗菌有効量を決定できる。
微生物感染を処置または予防するのに使用するために、本発明の抗菌Dab誘導体またはそれらの組成物は、治療有効量で、投与または塗布される。「治療有効量」とは、微生物感染またはその症状を改善するかそれを処置または予防するのに有効な量を意味する。治療有効量の決定は、特に、本明細書中で提示した詳細な開示に照らして、当業者の能力の範囲内に十分に入る。
消毒剤および防腐剤の場合と同様に、例えば、上述のインビトロアッセイを使用して、微生物感染を処置または予防するための局所投与の治療有効用量が決定できる。この治療は、この感染が見えている間または見えないときでも、適用され得る。当業者は、過度の実験なしで、局所感染を処置する治療有効量を決定できる。
全身投与のためには、治療有効用量は、最初は、インビトロアッセイから推定できる。例えば、用量は、細胞培養で決定されるMICを含む循環抗菌Dab誘導体濃度範囲を達成するために、動物モデルで、処方できる。
初期投薬量もまた、当該技術分野で周知の技術を使用して、インビボデータ(例えば、動物モデル)から推定できる。当業者は、動物データに基づいて、ヒトへの投与を容易に最適化できる。
あるいは、初期投薬量は、特定の抗菌Dab誘導体のMICと公知の抗菌剤のそれとを比較することにより、そして、それに従って、その初期投薬量を調節することにより、公知アンホマイシン型リポペプチド抗生物質(例えば、アンホマイシン、アスパルトシン、クリスタロマイシン、抗生物質A1437、フリウリマイシン、グルママイシン、ツシマイシンおよびザオマイシン)の投与する投薬量から決定できる。その最適投薬量は、通常の最適化により、これらの初期値から得られ得る。
投薬量および間隔は、治療効果を維持するのに十分な血漿レベルの活性抗菌Dab誘導体を提供するために、個々に調節され得る。注射による通常の患者投薬量は、約0.1〜200mg/kg/日、さらに代表的には、約1.5〜15mg/kg/日の範囲である。治療有効血清レベルは、日々、単一毎日用量または複数用量を投与することにより、達成され得る。
局所投与または選択的摂取の場合、抗菌Dab誘導体の有効局所濃度は、血漿濃度と無関係であり得る。当業者は、過度の実験なしで、治療有効局所投薬量を最適化できる。
投与する抗菌Dab誘導体の量は、もちろん、とりわけ、処置される被験体、被験体の体重、病気の重篤度、投与様式および処方する医師の判断に依存している。
この抗菌療法は、感染が検出できる間、または感染が検出できないときでも、断続的に繰り返され得る。この療法は、他の薬剤(例えば、他の抗生物質または抗菌剤)または本発明の他の抗菌Dab誘導体と組み合わせて、提供され得る。
好ましくは、本明細書中で記述した抗菌Dab誘導体の治療有効量は、実質的な毒性を生じることなく、治療上の利点を与える。これらの抗菌Dab誘導体の毒性は、例えば、LD50(その集団の50%を致死させる用量)またはLD100(その集団の100%を致死させる用量)を決定することにより、細胞培養物または実験動物での標準的な薬学手順を使用して、決定できる。毒性と治療効果との間の用量比は、治療指数である。高い治療指数を示す抗菌Dab誘導体が好ましい。これらの細胞培養アッセイおよび動物研究から得られるデータは、ヒト被験体で使用するのに毒性がない投薬量範囲を処方する際に使用できる。本明細書中で記述した抗菌Dab誘導体の投薬量は、好ましくは、循環濃度範囲内にあり、これらの濃度は、毒性が殆どまたは全くなしで、有効用量を含む。この投薬量は、使用する投薬形態および利用する投与経路に依存して、この範囲内で変わり得る。正確な処方、投与経路および投薬量は、患者の状態を考慮して、個々の医師により選択できる(例えば、Finglら、1975年、In:Tize Pharnaacological Basis of Therapeutics,Chapter.1,p.1を参照)。
本発明を記述したが、以下の実施例は、本発明を限定するのではなく、例示するために提示されている。
(実施例1)
(化合物の合成)
種々の脂肪酸部分をあらかじめ分離し単離して、またはそれをせずに、培養したアスパルトシンから、図式(I)に従って、多数のアスパルトシンのDab誘導体を調製した。本明細書中で使用する術語では、「natC14」は、指定した化合物の単離したC14脂肪酸部分を表わし、そして「natC15」は、指定した化合物の単離したC15脂肪酸部分を表わす。大環状Dab残基のβ−アミノ基に結合した置換基Rは、その親アンホマイシン型リポペプチド抗生物質の名称(括弧内)に従う。
(バイオリアクターにおけるアスパルトシンの発酵)
700リットルのステンレス鋼バイオリアクター内で発酵させることにより、アスパルトシン複合体を生成した。水道水100mL中の1.0%デキストロース、0.5%糖蜜、1.0%Bacto Peptoneおよび0.1%CaCOから構成された培地に、Streptomyces griseus ssp.spiralis(NRRL B−3290;BSP−M707)のスラントに由来の胞子および菌糸スクレーピングを接種することにより、アスパルトシンの生化学合成を実行する。接種した培地を、実質的に均一な栄養生長を与えつつ、約28℃の温度で、回転振盪機で、約180回転/分(RPM)で、約48時間インキュベートする。この増殖したシード10mlを、2リットルフラスコ中の同じ培地(これは、同じ条件下にてインキュベートした)400mlに移し、次いで、16リットル発酵槽の同じ培地9.6リットルに加えて、48時間、200rpm、5Lpmの気流後、第三段階の種子を得た。この最終種子段階を使用して、滅菌前に、500リットルの培地(これは、1g/LのCaCO、10g/LのGrandma’s Molasses(アンサルファード)、10g/LのDifco Bacto Peptoneおよび20g/LのBaker Dextrose(これは、pH7.1に調節した)を接種するのに使用した。かき混ぜ速度200rpm、気流125Lpmおよび28℃で、必要なら、消泡剤Mazu DF204を加えつつ、発酵を行った。発酵は、114時間後に収穫した。
(粗製剤を得るプロセス)
この発酵ブロスの細胞および他の固形物を遠心分離で除去し、その上澄み液470Lを、HClでpH3.3に調節し、そして14℃で、2時間放置した。遠心分離により沈殿物を除去して、捨てた。そのデカントをpH7.0に調節し、そこに、硫酸アンモニウムを加えて、その粗抗生物質複合体を沈殿させた。この沈殿物を遠心分離で分離し、水に溶解し、pH7.0に調節し、次いで、凍結乾燥して、2058gの固形物(これは、5〜7%のアスパルトシン複合体を含有する)を得た。下記のキレート化手順により、さらに精製した。
(アスパルトシンの抽出精製)
黒色の粗製剤68.3グラム(これは、5〜7%のアスパルトシン錯体を含有する)を蒸留水500mlに溶解し、そしてpH7.0に調節しつつ攪拌して、最良の水溶性を得た。一部の不溶物質を、遠心分離で分離し、そのデカントをpH3.5に調節した。このアスパルトシン錯体を2回の1−ブタノール連続抽出(500mL、300mL)で抽出し、そして合わせたブタノール相に、水600mlを加えた。得られた2相系を攪拌し、そして1N NaOHでpH8.0に調節して、水相中にて、そのナトリウム塩として、このアスパルトシン錯体を得た。分離した水相に塩化カルシウム(2.642g)を加え、そして2回の連続抽出(500mL、250mL)により、アスパルトシンを、キレートとして、1−ブタノールに抽出した。カルシウムを除去するために、これらの1−ブタノール相を合わせ、水900mlと混合し、pH3.0に調節し、その水相から分離し、そして水150mlで洗浄した。このアスパルトシン錯体を含有する1−ブタノール相を水500mlと合わせ、そしてpH7.0に調節した。一部の残留顔料を除去するために、この抗生物質錯体を含有する水相をpH3.0に調節し、そして1−ブタノール500mlと混合した。その1−ブタノール相を分離し、水150ml(pH2〜3)で洗浄し、そして水500mlと合わせ、その混合物をpH7.0に調節した。このアスパルトシン錯体を部分ナトリウム塩として含有する水相を減圧下にて蒸発させて、残留1−ブタノールを除去し、そして凍結乾燥して、白色固形物3.6gを得た。精製した錯体をHPLC分析すると、このアスパルトシン錯体は、9.4分と10.6分の間での錯体のピークの215nm面積%により、約90%純粋であることが明らかとなった。そのHPLCシステムは、Prodigy(登録商標)5μODS(2)カラム(これは、pH7.2で、0.05Mリン酸緩衝液で、10%〜75%アセトニトリルの8分勾配を使用して溶出する)を利用した。
(アスパルトシン(Dab−N−グリシル)の合成)
N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)グリシン(12.5mg、41.7μmol)およびO−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(「HBTU」;15.8mg、41.7μmol)のDMF(0.75mL)溶液を、室温で、1時間攪拌した。その反応混合物にアスパルトシン(50mg、37.9μmol)(上記のように調製した)を加え、そして30分間攪拌し、その後、イオンスプレー質量分析法により検出されるように、全てのアスパルトシンをアシル化した。ピペリジン(0.2mL)を一度に加え、その溶液を15分間攪拌した。この反応混合物を、塩化アンモニウム(1mL)だけでなくメタノール(2mL)の飽和水溶液を加えることにより、ワークアップした。その混合物を濾過し、そして逆相HPLC(70:30〜10:90のA:Bであって、ここで、A=90%HO、10%アセトニトリル(「ACN」)、0.1%トリフルオロ酢酸(「TFA」)であり、そしてB=90%ACN、10%HO、0.1%TFAである)で、32分間にわたって、6.0mL/分の流速で、C18 Hyperprep BDSカラム(National Scientific製(150×20mm))を使用して、精製した。このアスパルトシン(Dab−N−グリシル)生成物を、約30分間で溶出し、そのC14画分を約29分で溶出し、そのC15画分を約29.5〜30分で溶出した。分取HPLCから得た各画分の純度は、さらに、逆相HPLC(100%A〜100%Bであり、ここで、A=90%リン酸アンモニウム緩衝液(pH=7.1)、10%ACNであり、そしてB=85%ACN、15%HOである)で、λ=214nmで、ハイパージルカラム(National Scientific製(250×4.6mm))を使用して、40℃で分析し、95%より高い純度の画分だけを合わせた。C62991421の計算値[M+H] 1375.7;実測値1375.7。
(追加Dab誘導体の合成)
表1で特定した追加誘導体もまた、合成した。アスパルトシン錯体50mgおよび上記6.1.1節で記した同じ割合の試薬で、アスパルトシンをアミノ酸で全てアシル化した。このアミノ酸がt−ブチルベースの保護基(例えば、Fmoc−Ser(t−Bu)−OH)を備えている場合、Fmocを除去した後、トリフルオロ酢酸(2mL)を加え、その混合物を一晩攪拌した。次いで、この混合物を上記のように濾過し、そして分取HPLCで精製した。
(Dab誘導体の精製)
一般に、アスパルトシンの種々のDab誘導体は、分取HPLCだけでなく分析HPLCにおいて、非常に類似した保持時間を有する。分取では、殆どの誘導体は、約28〜30分で溶出し、また、分析では、約13〜14分で溶出した。各画分を分析HPLCで純度を試験しただけでなく、イオンスプレー質量分析法で特性付けを試験した。発酵により生成した天然生成物は、他の類似物に加えて、一群のアスパルトシン類似物を含有し、これは、最も大量の化合物として、C15脂肪酸を有し、第二の大量な化合物として、C14脂肪酸を有する。このC14およびC15脂肪酸画分を、6.1.2節(上記)で記述したようにして、分取HPLCで分離し、そして下記のようにして、MIC測定にかけた。合成し試験した種々の化合物だけでなく、それらの観察された質量(M+H)(これは、質量分析法で決定した)は、表1で提供する。
(実施例2)
(インビトロ抗菌活性)
本実施例は、先の実施例に従って合成した種々のDabアスパルトシン誘導体がインビトロアッセイにおいてグラム陽性菌に対して著しい抗菌活性を示すことを証明する。
(MICの決定)
Approved Standard M7−A3前述で記述されたプロトコルに従って、カルシウムの存在下または非存在下にて、最小阻止濃度(MICs)を決定した。カルシウムの存在下で測定を実行するために、このアッセイの開始時にて、その培地に、4mM CaClを加えた。
(結果)
種々のアッセイの結果は、以下の表1で要約する。表1から分かるように、そのDabβ−アミンから約3個〜6個の炭素で間隔を開けて配置した第一級および第二級アミンの存在により、それらの抗菌化合物の活性が向上する。アミノ酸側鎖は、よく耐性があり、これらの化合物の抗菌活性を低下させるようには見えない。
Figure 0004402463
(実施例3)
(インビボ有効性)
マウス保護モデルにおいて、化合物1272を使って、本発明の化合物のインビボ有効性を証明した。
(プロトコル)
(接種材料の調製)
脳心臓注入ブロス(BHI)で固定相に増殖したメチシリン感受性Staphylococcus aureus(「MSSA」;Smith strain)の一晩培養物を1000倍希釈し、そして37℃で、振盪インキュベータ中にて、維持した。約2時間後、この培養物を遠心分離し、そのペレットを無菌リン酸緩衝生理食塩水(「PBS」)で洗浄した。次いで、洗浄したペレットをMueller−Hinton Broth(「MHB」)で再構成して、所望密度の細菌を得た。その接種材料の一部を血液寒天プレートに置いて、1ミリリットルあたりのコロニー形成ユニット(CFU)を決定した。
(処方)
5%デキストロースを含有する水性ビヒクルで投薬する直前に、化合物IB−1272を処方した。化合物IB−756(アスパルトシン)をPBSまたは5%デキストロースで処方し、そして正対照として使用した。
(レジメン)
免疫適格性のSwiss Websterマウス(Simonsen Laboratories、Gilroy、CA製)に、腹腔内注射によって、単一接種材料(0.5ml)(これは、推定で4.0×10のCFUのMSSA Smith株を含有する)を与えた。接種日は、指定研究日0であった。注射直後、マウスを、単一用量のビヒクルだけ、IB−1272(2、4または8mg/kg)、IB−756(2.5または5mg/kg、PBS中)、またはIB−756(2.5または5mg/kg、5%デキストロース中)で皮下処理した。その群の割り当ての詳細は、表2で提示する。
Figure 0004402463
(結果)
生存データを表3で要約する。ビヒクル(対照)マウスの死亡率は、100%であった。2.5mg/kgまたは5mg/kgの用量でIB−756(PBSで処方した)で皮下処理したマウスの死亡率は、それぞれ、60%および0%であった。2.5mg/kgまたは5mg/kgの用量でIB−756(5%デキストロースで処方した)で皮下処理したマウスの死亡率は、それぞれ、50%および0%であった。2mg/kg、4mg/kgまたは8mg/kgの用量でIB−1272で皮下処理したマウスの死亡率は、それぞれ、50%、0%および0%であった。
皮下投与したIB−1272のED50は、MSSA Smith株で腹腔内攻撃した免疫適格性マウスでは、2.0mg/kg未満であった。IB−756(アスパルトシン)の有効性は、5%デキストロースまたはPBSで処方したとき、同じであった。
Figure 0004402463
前述の発明は、理解し易くするために、ある程度詳細に記述されているものの、添付の請求の範囲内で、ある種の変更および改良が実行され得ることが明らかである。従って、記述した実施形態は、限定ではなく例示と見なすべきであり、本発明は、本明細書中で示した詳細には限定されず、添付の請求の範囲およびその等価物の範囲内で変更され得る。
本明細書全体にわたって引用した文献および特許文献の内容は、全ての目的のために本明細書中で参考として援用されている。
図1は、本発明のDab誘導体を図示している。

Claims (40)

  1. その薬学的に受容可能な塩を含めた、構造式(III)の抗菌化合物:
    Figure 0004402463
    ここで:
    は、直鎖または分枝で飽和または単一不飽和もしくは複数不飽和のアルキルまたはヒドロキシアルキルであり、該アルキルまたはヒドロキシアルキルは、6個〜22個の炭素原子を含有する鎖を有する;
    は、OHまたはNHである;そして
    は、第一級または第二級アミンを含む置換基である、
    化合物。
  2. が、OHである、請求項1に記載の化合物。
  3. が、NHである、請求項1に記載の化合物。
  4. が、直鎖または分枝で飽和または単一不飽和のアルキルであり、該アルキルが、11個、12個、13個、14個または15個の炭素原子を含有する、請求項1に記載の化合物。
  5. 前記アルキルが、イソまたはアンテ−イソ立体配置である、請求項4に記載の化合物。
  6. が、アミノ酸であり、該アミノ酸が、そのカルボキシル基を介して、大環状Dab残基のβ−アミノ基に連結されており、ここで、該アミノ酸が、必要に応じて、側鎖部分を含む、請求項1に記載の化合物。
  7. が、−X−R10−NHRまたは−X−(CR1111−NHRを有し、ここで:
    nが、1〜6の整数であり、
    Xが、−C(O)−、−C(NH)−または−S(O)−であり、
    が、水素または(C〜C)アルキルであり、
    10が、(C〜C)アルキルジイル、(C〜C)アルキレノまたは(C〜C)アルカノであり、
    各R11が、別個に、水素、アミノ、アミド、アミジノ、カルボキシ、グアニジノ、ヒドロキシ、スルファニル、(C〜C)アルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR12で置換した(C〜C)アルキル、(C〜C10)アリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR12で置換した(C〜C10)アリール、(C〜C13)アリールアルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR12で置換した(C〜C13)アリールアルキル、5員〜10員ヘテロアリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR12で置換した5員〜10員ヘテロアリール、6員〜13員ヘテロアリールアルキルおよび1個またはそれ以上の同一または異なるR12で置換した6員〜13員ヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、そして
    各R12が、別個に、アミノ、アミド、アミジノ、カルボキシル、グアニジノ、ヒドロキシおよびスルファニルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  8. nが、1であり、そしてR11が、遺伝的にコードされたアミノ酸の側鎖部分である、請求項7に記載の化合物。
  9. nが、2または3であり、1個のR11だけが、水素以外のものである、請求項7に記載の化合物。
  10. 請求項1に記載の化合物および薬学的に受容可能な担体、賦形剤または希釈剤を含有する、医薬組成物。
  11. グラム陽性菌の増殖をインビトロで阻止する方法であって、該菌を、その増殖を阻止するのに有効な量の請求項1に記載の化合物と接触させる工程を包含する、方法。
  12. 前記化合物の量が、前記菌を殺すのに有効である、請求項11に記載の方法。
  13. グラム陽性菌によって引き起こされるか、またはグラム陽性菌に関連する感染を治療するための薬学的組成物であって、該感染を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を含有する、薬学的組成物。
  14. 前記化合物が、局所的な投与のために処方される、請求項13に記載の薬学的組成物。
  15. 前記化合物が、全身的な投与のために処方される、請求項13に記載の薬学的組成物。
  16. 前記化合物が、治療適用のために処方される、請求項13に記載の薬学的組成物。
  17. 前記化合物が、予防適用のために処方される、請求項13に記載の薬学的組成物。
  18. グラム陽性菌の増殖を阻止するかまたはグラム陽性菌によって引き起こされるか、もしくはグラム陽性菌に関連する感染を治療する方法で使用する、請求項1に記載の化合物。
  19. が、OHである、請求項18に記載の化合物。
  20. が、NHである、請求項18に記載の化合物。
  21. が、直鎖または分枝で飽和または単一不飽和のアルキルであり、該アルキルが、11個、12個、13個、14個または15個の炭素原子を含有する、請求項18に記載の化合物。
  22. 前記アルキルが、イソまたはアンテ−イソ立体配置である、請求項21に記載の化合物。
  23. が、アミノ酸であり、該アミノ酸が、そのカルボキシル基を介して、大環状Dab残基のβ−アミノ基に連結されており、ここで、該アミノ酸が、必要に応じて、側鎖部分を含む、請求項18に記載の化合物。
  24. が、−X−R10−NHRまたは−X−(CR1111−NHRを有し、ここで:
    nが、1〜6の整数であり、
    Xが、−C(O)−、−C(NH)−または−S(O)−であり、
    が、水素または(C〜C)アルキルであり、
    10が、(C〜C)アルキルジイル、(C〜C)アルキレノまたは(C〜C)アルカノであり、
    各R11が、別個に、水素、アミノ、アミド、アミジノ、カルボキシ、グアニジノ、ヒドロキシ、スルファニル、(C〜C)アルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR12で置換した(C〜C)アルキル、(C〜C10)アリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR12で置換した(C〜C10)アリール、(C〜C13)アリールアルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR12で置換した(C〜C13)アリールアルキル、5員〜10員ヘテロアリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR12で置換した5員〜10員ヘテロアリール、6員〜13員ヘテロアリールアルキルおよび1個またはそれ以上の同一または異なるR12で置換した6員〜13員ヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、そして
    各R12が、別個に、アミノ、アミド、アミジノ、カルボキシル、グアニジノ、ヒドロキシおよびスルファニルからなる群から選択される、請求項18に記載の化合物。
  25. nが、1であり、そしてR11が、遺伝的にコードされたアミノ酸の側鎖部分である、請求項24に記載の化合物。
  26. nが、2または3であり、1個のR11だけが、水素以外のものである、請求項24に記載の化合物。
  27. グラム陽性菌の増殖を阻止するかまたはグラム陽性菌よって引き起こされるかもしくはグ
    ラム陽性菌に関連する感染を治療する医薬を調製するための、請求項1に記載の化合物の使用。
  28. が、OHである、請求項27に記載の化合物の使用。
  29. が、NHである、請求項27に記載の化合物の使用。
  30. が、直鎖または分枝で飽和または単一不飽和のアルキルであり、該アルキルが、11個、12個、13個、14個または15個の炭素原子を含有する、請求項27に記載の化合物の使用。
  31. 前記アルキルが、イソまたはアンテ−イソ立体配置である、請求項30に記載の化合物の使用。
  32. が、アミノ酸であり、該アミノ酸が、そのカルボキシル基を介して、大環状Dab残基のβ−アミノ基に連結されており、ここで、該アミノ酸が、必要に応じて、側鎖部分を含む、請求項27に記載の化合物の使用。
  33. が、−X−R10−NHRまたは−X−(CR1111−NHRを有し、ここで:
    nが、1〜6の整数であり、
    Xが、−C(O)−、−C(NH)−または−S(O)−であり、
    が、水素または(C〜C)アルキルであり、
    10が、(C〜C)アルキルジイル、(C〜C)アルキレノまたは(C〜C)アルカノであり、
    各R11が、別個に、水素、アミノ、アミド、アミジノ、カルボキシ、グアニジノ、ヒドロキシ、スルファニル、(C〜C)アルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR12で置換した(C〜C)アルキル、(C〜C10)アリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR12で置換した(C〜C10)アリール、(C〜C13)アリールアルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR12で置換した(C〜C13)アリールアルキル、5員〜10員ヘテロアリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR12で置換した5員〜10員ヘテロアリール、6員〜13員ヘテロアリールアルキルおよび1個またはそれ以上の同一または異なるR12で置換した6員〜13員ヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、そして
    各R12が、別個に、アミノ、アミド、アミジノ、カルボキシル、グアニジノ、ヒドロキシおよびスルファニルからなる群から選択される、請求項27に記載の化合物の使用。
  34. nが、1であり、そしてR11が、遺伝的にコードされたアミノ酸の側鎖部分である、請求項33に記載の化合物の使用。
  35. nが、2または3であり、1個のR11だけが、水素以外のものである、請求項33に記載の化合物の使用。
  36. グラム陽性菌の増殖を阻止するのに有効量の請求項1に記載の化合物を含有する、グラム陽性菌の増殖を阻止するための薬学的組成物。
  37. 前記化合物の量が、前記菌を殺傷するのに有効量である、請求項36に記載の薬学的組成物。
  38. がX −L −NHR であり、ここで、
    Xは、−C(O)−、−S(O) −、−C(NH)−、C(O)O−であり、
    Lは、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−S−、−NH−、−NH−NH−、−N=N−、−C(O)−、−S(O) −、−S(O) −(O)−、−C(NH)−、または分岐もしくは非分岐の(C 〜C )アルキルジイルであり、任意のHが、−NR 、−OR 、−SR 、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−C(O)R 、−C(O)OR 、アミジン、グアニジン、アルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR で置換したアルキル、アリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR で置換したアリール、アリールアルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR で置換したアリールアルキル、ヘテロアルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR で置換したヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、あるいは1個またはそれ以上の同一または異なるR で置換したヘテロアリールアルキルで置換され得、
    各R は、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルからなる群より独立して選択され、
    各R は、−NR 、−OR 、−SR 、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−C(O)R 、−C(O)OR 、−C(O)NR 、アミジン、グアニジン、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルから独立して選択され、
    は水素または(C 〜C )アルキルであり、そして
    nおよびmは整数であり、そしてnは1かつmは0または1である、請求項1に記載の化合物。
  39. がX −L −NHR であり、ここで、
    Xは、−C(O)−、−S(O) −、−C(NH)−、C(O)O−であり、
    Lは、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−S−、−NH−、−NH−NH−、−N=N−、−C(O)−、−S(O) −、−S(O) −(O)−、−C(NH)−、または分岐もしくは非分岐の(C 〜C )アルキルジイルであり、任意のHが、−NR 、−OR 、−SR 、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−C(O)R 、−C(O)OR 、アミジン、グアニジン、アルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR で置換したアルキル、アリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR で置換したアリール、アリールアルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR で置換したアリールアルキル、ヘテロアルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR で置換したヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、あるいは1個またはそれ以上の同一または異なるR で置換したヘテロアリールアルキルで置換され得、
    各R は、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルからなる群より独立して選択され、
    各R は、−NR 、−OR 、−SR 、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−C(O)R 、−C(O)OR 、−C(O)NR 、アミジン、グアニジン、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルから独立して選択され、
    は水素または(C 〜C )アルキルであり、そして
    nおよびmは整数であり、そしてnは1かつmは0または1である、請求項18に記載の化合物。
  40. がX −L −NHR であり、ここで、
    Xは、−C(O)−、−S(O) −、−C(NH)−、C(O)O−であり、
    Lは、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−S−、−NH−、−NH−NH−、−N=N−、−C(O)−、−S(O) −、−S(O) −(O)−、−C(NH)−、または分岐もしくは非分岐の(C 〜C )アルキルジイルであり、任意のHが、−NR 、−OR 、−SR 、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−C(O)R 、−C(O)OR 、アミジン、グアニジン、アルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR で置換したアルキル、アリール、1個またはそれ以上の同一または異なるR で置換したアリール、アリールアルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR で置換したアリールアルキル、ヘテロアルキル、1個またはそれ以上の同一または異なるR で置換したヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、あるいは1個またはそれ以上の同一または異なるR で置換したヘテロアリールアルキルで置換され得、
    各R は、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルからなる群より独立して選択され、
    各R は、−NR 、−OR 、−SR 、ハロゲン、トリハロメチル、−CN、−C(O)R 、−C(O)OR 、−C(O)NR 、アミジン、グアニジン、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルから独立して選択され、
    は水素または(C 〜C )アルキルであり、そして
    nおよびmは整数であり、そしてnは1かつmは0または1である、請求項27に記載の化合物。
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