JP2003505257A - ドリルハンマまたは打撃ハンマ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ドリルハンマまたは打撃ハンマであって、ケーシング（１１）が設けられており、ケーシング（１１）の内側に打撃機構（１２）が設けられており、打撃機構（１２）が軸方向移動可能に支承されたガイド管（１３）内に、往復運動するピストン（１６）とピストン（１６）によってエアクッションを介して駆動可能な打撃部材（１７）とを備えており、打撃機構（１２）がガイド管（１３）の軸方向移動によって無負荷運転位置から打撃位置に移動可能であり、ガイド管（１３）が戻しばね（２７）によって無負荷運転位置に向かって戻し力で負荷されており、この場合、ガイド管（１３）とケーシング（１１）との間に少なくとも１つの緩衝部材および/またはばね部材（３０，３６，３７）が設けられており、緩衝部材および/またはばね部材（３０，３６，３７）がガイド管（１３）の打撃位置で、ガイド管（１３）と前記ケーシング（１１）との間において、無負荷運転位置の領域における戻しばね(２７)とは別の緩衝特性もしくはばね特性を有しているものが提案されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 背景技術 本発明は、請求項１の上位概念に記載の形式のドリルハンマまたは打撃ハンマ
から出発する。欧州特許公開第４２９４７５明細書から、ケーシング内に軸方向
移動可能に支承されたガイド管を備えたドリルハンマまたは打撃ハンマが公知で
ある。ガイド管の内側には、軸方向往復運動可能なピストンが取り付けられてお
り、このピストンはエアクッションを介して打撃部材と結合されている。戻しば
ねが戻し力で、エアクッションがガイド管における開口を介して通風されている
前方の出発位置に向かって、ガイド管を負荷するので、ドリルハンマまたは打撃
ハンマの打撃機構が無負荷運転され、もはや工具に軸方向の打撃が及ぼされない
。ガイド管がこの無負荷運転位置から、ドリルハンマまたは打撃ハンマが戻しば
ねの予荷重に抗して作業位置に当接されることによって、軸方向後方に押圧され
るので、通風開口が閉鎖され、打撃機構は打撃位置に達する。打撃運転時に、ガ
イド管はスナップを介して戻し打撃され、この戻し打撃が戻しばねを介してケー
シングに伝達される。ドリルハンマまたは打撃ハンマの使用者はこの戻し打撃を
不都合なものと感じるので、戻し打撃を回避するかもしくは低減するための構成
が求められる。

【０００２】 発明の利点 請求項１の特徴部に記載の構成を有する本発明のドリルハンマまたは打撃ハン
マの利点は、打撃機構によって生ぜしめられる振動が比較的簡単な形式で減少可
能であるという点である。

【０００３】 従属請求項に記載の構成によって、本発明のドリルハンマまたは打撃ハンマの
有利な実施形態および改良形が実現可能である。

【０００４】 実施例の説明 本発明を図示し、以下に詳しく説明する。

【０００５】 図１には、ドリルハンマが符号１０で示されている。ドリルハンマ１０はケー
シング１１を備えており、ケーシング１１の内側に打撃機構１２が設けられてい
る。ケーシング１１の内側で、ガイド管１３が支承位置１４，１５で回動可能、
かつ制限して軸方向移動可能に支承されている。ガイド管は公知の形式でピスト
ン１６と打撃部材１７と打撃子もしくはスナップ（Doepper）１８とを受容して
いる。ピストン１６は連接棒１９を介して往復駆動可能である。連接棒１９とは
反対側の端部でガイド管１３は、図示されていない工具を受容するための工具保
持体２０を形成している。

【０００６】 スナップ１８は周方向に延びるカラー２１を備えており、このカラー２１を介
してスナップ１８は後方で、つまりピストン１６に向かって、緩衝リング２２と
ストッパリング２３と止め輪２４とを介してガイド管１３に支持されることがで
きる。ピストン１６と打撃部材１７との間にエアクッションスペース２５が形成
されており、このエアクッションスペース２５はガイド管１３に設けられた半径
方向の貫通孔２６を介して通風可能である。戻しばね２７がケーシング側でケー
シングに固定された支承リング２８に支持され、かつガイド管側でディスク２９
に支持されており、この戻しばね２７はガイド管１３を前向きの、つまり工具保
持体２０に向けられた戻し力で負荷する。

【０００７】 図１の上半分には、無負荷運転位置のドリルハンマ１０が示されており、この
位置では、ガイド管１３は戻しばね２７によって工具保持体２０に向かって前方
の出発位置に押圧される。この場合戻しばね２７の力は、ガイド管側の軸方向の
第１のストッパを形成するディスク２９を介して、まず緩衝エレメント３０に伝
達され、次いで保持ディスク３１と固定リング３４とを介してガイド管１３に伝
達される。保持ディスク３１はケーシング側の軸方向の第２のストッパを形成す
る。前方に向かうガイド管１３の軸方向移動はリングディスク３２によって制限
されており、このリングディスク３２はケーシング側の前方のストッパとして固
定リング３４に作用する。リングディスク３２自体はＯリング３３を介して軸方
向で支承部１４に支持されている。

【０００８】 無負荷運転位置では、エアクッションスペース２５は貫通孔２６を介して通風
されているので、ピストン１６と打撃部材１７との間に有効なエアクッションが
形成されず、これによって打撃機構１２は働かない。

【０００９】 図１の下半分には、ドリルハンマ１０が打撃位置で示されており、この打撃位
置では、貫通孔２６が支承部１５によって半径方向でカバーされているので、エ
アクッションスペース２５がシールされている。これによってピストン１６の往
復運動に基づいて、エアクッションスペース２５にエアクッションが形成され、
このエアクッションスペース２５を介して打撃部材１７はピストンと同様に往復
駆動される。打撃部材１７はスナップ１８を軸方向打撃で負荷し、この打撃をス
ナップ１８は工具保持体２０における図示されていない工具に伝える。この場合
スナップ１８は工具の反動力として打撃機構１２に向かう戻し打撃を受ける。こ
の戻し打撃は緩衝装置２２とストッパリング２３と止め輪２４とを介してガイド
管１３に伝達される。

【００１０】 ガイド管１３は後方に向かって、戻しばね２７を介してケーシング１１に対し
てばね弾性的に支承されている。もちろん打撃位置では、戻しばね２７は、戻し
ばね２７とは別個の緩衝エレメント３０がケーシング側で直接支承リング２８に
支持されるまで、圧縮されている。このような形式でスナップ１８の、ガイド管
１３に伝達される戻し打撃は、戻しばね２７を迂回してケーシング１１に受容さ
れ、緩衝エレメント３０によって効果的に緩衝される。

【００１１】 図２の第２実施例は、緩衝エレメント３０の代わりに皿ばねユニット３６が使
用される点のみが、図１の第１実施例とは異なっている。残りの全ての部分は（
あとで説明する図３の第３実施例でも）同一符号で示されている。皿ばねユニッ
ト３６に基づいて、スナップ１８による戻し打撃に基づくガイド管１３のばね行
程が、図１の緩衝エレメント３０に比べてより大きく得られ、これによって緩衝
エレメント３０とは異なる緩衝が得られる。

【００１２】 図３の実施例では、図１の緩衝エレメント３０および図２の皿ばねユニットの
代わりに、ガイド管１３とケーシング１１との間の緩衝部材もしくはばね部材と
してコイルばね３７が配置されている。コイルばね３７によって、皿ばねを用い
た実施例とは別のばね特性が得られる。この場合戻しばね２７とは無関係に打撃
位置での戻し打撃緩衝が保証されている。

【００１３】 図示の実施例とは選択的に、緩衝エレメント３０を皿ばねユニット３６もしく
はコイルばね３７または別の緩衝部材もしくはばね部材と組み合わせることも考
えられ、この場合平行に接続することも相前後して接続することもできる。ドリ
ルハンマ１０はガイド管１３の回転駆動のない純然たる打撃ハンマとして形成す
ることもできる。戻しばねが直線的でない緩衝特性もしくはばね特性を有してい
る限り、戻しばね２７に対して追加的な緩衝部材もしくはばね部材３０，３６，
３７を戻しばね自体によって実現することもできる。ここで重要なのは、緩衝部
材もしくはばね部材がガイド管１３の打撃位置において、ガイド管１３とケーシ
ング１１との間で、ガイド管の無負荷運転位置の領域における戻しばね２７とは
異なる緩衝特性もしくはばね特性を有しているという点である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 打撃ハンマの前方部分を示す断面図であり、上半分は無負荷運転位置の打撃ハ
ンマを示していて、下半分は打撃位置の打撃ハンマを示している。

【図２】 打撃ハンマの前方部分を示す断面図であり、上半分は無負荷運転位置の打撃ハ
ンマを示していて、下半分は打撃位置の打撃ハンマを示している。

【図３】 打撃ハンマの前方部分を示す断面図であり、上半分は無負荷運転位置の打撃ハ
ンマを示していて、下半分は打撃位置の打撃ハンマを示している。

【符号の説明】 １０ ドリルハンマ、 １１ ケーシング、 １２ 打撃機構、 １３ ガイ
ド管、 １４ 支承位置、 １５ 支承位置、 １６ ピストン、 １７ 打撃
部材、 １８ スナップ、 １９ 連接棒、 ２０ 工具保持体、 ２１ カラ
ー、 ２２ 緩衝リング、 ２３ ストッパリング、 ２４ 止め輪、 ２５
エアクッション、 ２６ 貫通孔、 ２７ 戻しばね、 ２８ 支承リング、
２９ ディスク、 ３０ 緩衝エレメント、 ３１ 保持ディスク、 ３２ リ
ングディスク、 ３３ Ｏリング、 ３４ 固定リング、 ３６ 皿ばねユニッ
ト、 ３７ コイルばね

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ゲルハルト マイクスナー ドイツ連邦共和国 フィルダーシュタット アムゼルヴェーク 23 (72)発明者 ハインツ シュネアリング ドイツ連邦共和国 デッテンハウゼン リ ンデンシュトラーセ 20 Ｆターム(参考） 2D058 AA14 AA15 CB14 DA14

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドリルハンマまたは打撃ハンマであって、ケーシング（１１
   ）が設けられており、該ケーシング（１１）の内側に打撃機構（１２）が設けら
   れており、該打撃機構（１２）が軸方向移動可能に支承されたガイド管（１３）
   内に、往復運動するピストン（１６）と該ピストン（１６）によってエアクッシ
   ョンを介して駆動可能な打撃部材（１７）とを備えており、前記打撃機構（１２
   ）が前記ガイド管（１３）の軸方向移動によって無負荷運転位置から打撃位置に
   移動可能であり、前記ガイド管（１３）が戻しばね（２７）によって無負荷運転
   位置に向かって戻し力で負荷されている形式のものにおいて、 前記ガイド管（１３）と前記ケーシング（１１）との間に少なくとも１つの緩
   衝部材および/またはばね部材（３０，３６，３７）が設けられており、該緩衝
   部材および/またはばね部材（３０，３６，３７）が前記ガイド管（１３）の打
   撃位置で、該ガイド管（１３）と前記ケーシング（１１）との間において、無負
   荷運転位置の領域における戻しばね(２７)とは別の緩衝特性もしくはばね特性を
   有していることを特徴とする、ドリルハンマまたは打撃ハンマ。
2. 【請求項２】 少なくとも１つの前記緩衝部材もしくはばね部材（３０．３
   ６，３７）が、前記戻しばね（２７）とは別個に形成された構成部材によって形
   成されている、請求項１記載のドリルハンマまたは打撃ハンマ。
3. 【請求項３】 前記緩衝部材もしくはばね部材（３０，３６，３７）が、前
   記ガイド管（１３）の打撃位置において、ガイド管側の軸方向の第１のストッパ
   （３１）とケーシング側の軸方向の第２のストッパ（２９）とに接触している、
   請求項１記載のドリルハンマまたは打撃ハンマ。
4. 【請求項４】 前記戻しばね（２７）が前記緩衝部材もしくはばね部材（３
   ０，３６，３７）を介して両方の前記ストッパ（３１，２９）のうちの１つに支
   持されている、請求項３記載のドリルハンマまたは打撃ハンマ。
5. 【請求項５】 ガイド管側の第１の前記ストッパ（３１）が保持ディスクに
   よって形成されており、該保持ディスクが、固定リング（３４）によって、前記
   ガイド管（１３）に対して、工具保持体（２０）に向かう軸方向前方移動不能に
   確保されている、請求項４記載のドリルハンマまたは打撃ハンマ。
6. 【請求項６】 前記緩衝部材もしくはばね部材（３０，３６，３７）の、前
   記工具保持体（２０）とは反対側で、第２の前記ストッパ(２９)としてストッパ
   ディスクが設けられており、該ストッパディスクがストッパと同時に前記戻しば
   ね（２７）の、ガイド管側の対向受けとして用いられる、請求項５記載のドリル
   ハンマまたは打撃ハンマ。
7. 【請求項７】 前記ストッパディスク（２９）が前記ガイド管（１３）の打
   撃位置でケーシング側の支承リング（２８）を介して支持されている、請求項６
   記載のドリルハンマまたは打撃ハンマ。
8. 【請求項８】 緩衝部材もしくはばね部材として弾性エレメント（３０）が
   設けられている、請求項２から７までのいずれか１項記載のドリルハンマまたは
   打撃ハンマ。
9. 【請求項９】 緩衝部材もしくはばね部材として皿ばねユニット（３６）が
   設けられている、請求項２から７までのいずれか１項記載のドリルハンマまたは
   打撃ハンマ。
10. 【請求項１０】 緩衝部材もしくはばね部材としてコイルばね（３７）が設
    けられている、請求項２から７までのいずれか１項記載のドリルハンマまたは打
    撃ハンマ。