JP2003502138A - 分離装置及びその使用方法 - Google Patents

分離装置及びその使用方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、液体から固体粒子を分離するための分離装置に関する。このタイプの分離装置、例えば、薄層状の分離装置は、ガス流又は液体流からの液体又は固体粒子の物理的な分離又は単離のために使用される。本発明による分離装置(1)は、第1の壁(2、6)と、分離装置(1)に固体粒子を含んでいる液体を供給するための液体入口(3)と、を有している。本発明による装置は、第2の可動の壁(7)が、第1の壁(2、6)の内側に沿って配置されていることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、堆積装置を備えた、液体から固体粒子を分離するための分離装置で
あって、同堆積装置は、第1の壁と、同堆積装置に液体を供給するための液体入
口と、同堆積装置の下方端部に設けられた、スラッジとして分離された固体粒子
のための出口と、を有している。このタイプの分離装置、例えば、薄層状の分離
装置は、気体又は液体の流れからの液体又は固体粒子の物理的な分離又は単離の
ために使用される。
【0002】 比重による方法及びその結果による沈殿は、機械的な分離方法の中で最も重要
である。液体から固体粒子を沈殿させるための装置は、伝統的な浄化プラントに
おいて使用されるような、例えば、サンドトラップ又は分離タンクを含んでいる
。相互に異なるタイプの分離タンク構造、すなわち、水平貫流とほとんど水平な
タンクベースとを備えた矩形のタンク、中心から端縁までの水平貫流とほとんど
水平なタンクベースとを備えた丸いタンク、及び垂直貫流と漏斗の先端に設けら
れたスラッジ除去装置とを備えた漏斗状タンク、が主として存在する。
【0003】 分離装置の一つの特別な形態は、薄層状の分離装置であって、この場合には、
堆積タンク又は堆積容器内の浄化領域は、対角状に配置された中間ベース(薄層
)を装備することによって増大せしめられる。企業又は工業排水の浄化において
、とりわけ、分離タンクのための床面積を小さくすることが意図されている場合
には、このタイプの薄層状の分離装置が使用される。従って、分離されるべき固
体粒子が、意図したように、タンクベース上又は薄層上又は例えば漏斗状タンク
の壁上に堆積し且つ付着することは問題である。従って、固体粒子と堆積装置の
壁又はベースとの間の付着及び連続的で且つ集中的に堆積される固体粒子間の付
着との両方が形成される。
【0004】 このために、堆積装置のこれらの面は、定期的に清浄にされなければならない
。 最新技術に従って、吸引浄化装置(suction clearer)、スラ
ッジスクレーパー(sludge scraper)又は平坦ストリップ浄化装
置(even strip clearer)が、浄化装置として使用される。
漏斗状タンクは、漏斗状壁を対角状に配置することにより、堆積装置自体が、底
部の中心に配置されているスラッジ出口内へと滑り落ちることが当然に予定され
ているので、一般的に浄化装置を備えていない。しかしながら、それにもかかわ
らず、実際には、漏斗状のタンクにおいても、固体粒子が対角的に配置された壁
上に堆積し且つそこにスラッジの層を形成するという問題が生じる。
【0005】 従って、本発明の目的は、簡単で且つ経済的な方法で、装置の壁上への堆積を
避けることができるか又は防止することができる、液体から固体粒子を分離する
ための装置を製造することである。
【0006】 この目的は、その特徴部分と結合された請求項1の前段に示された装置によっ
て達成される。更に、請求項19によってこのような装置の使用方法が提供され
ている。本発明による装置及び本発明の使用方法の有利な展開は従属項に記載さ
れている。
【0007】 本発明による分離装置は堆積装置を有し、この堆積装置は、第1の外壁と、当
該堆積装置に液体を供給するための液体入口と、同堆積装置の下方端部に配置さ
れた堆積物として分離された固体粒子のための出口と、を備えている。例えば、
漏斗状タンクのような最新技術において知られている堆積装置の場合には、固体
粒子は、堆積装置の壁の表面に堆積し且つ理想的には同壁から堆積装置の出口に
向かって滑り落ちる。本発明に従って、第1の壁内に第2の可動の壁が配置され
ている。この第2の壁は、堆積物の堆積に関する第1の壁の機能を引継ぎ、その
結果、堆積物は、本質的には第2の可動の壁上に堆積する。壁が可動であるとい
う事実の結果として、例えば、振動、揺動動作等により壁が動かされたときに、
堆積物内の個々の粒子間の結合又は堆積物内の固体粒子と壁との間の結合が、一
時的に取り除かれることが可能となる。結局、壁に付着している堆積物スラッジ
は、重力によって堆積物用の出口に向かって滑り落ちる。第2の可動の壁の唯一
の小さな動きにより、堆積物はかき回されず、すなわち、堆積物と液体との間の
接触面が実質的に乱されることがなく、その結果、堆積装置の堆積作用は減じら
れない。
【0008】 堆積装置は、出口に向かって延びている台形状の断面を有する漏斗状のタンク
であるのが有利であり、この漏斗状タンクは、また、矩形として長手方向に(す
なわち、台形状の断面に対して直角に)延びることもできる。しかしながら、堆
積装置は、円錐形であるのが好ましく、第1の壁の開角と第2の壁の開角とが相
互に対応していて、両方の壁が互いに直に当接するように意図されているのが好
ましい。これによって、両方の壁は、互いに対して緩く配置させることができ、
第2の壁はまた、その上方の外周端縁に固定の外周取り付け部材、すなわち円錐
形断面の場合には固定のリングをも有している。第2の壁は、例えば、この外周
取り付け部材に懸架することができ、この外周取り付け部材を介して壁を動かす
ための装置に結合することもできる。特に簡単な方法においては、外周の取り付
け部材が、互いに正反対に配置された点において且つそれらの部品が偏心軸によ
って逆の動作をするように設定された2つの押し/引きロッドに摩擦結合されて
いる場合には、この第2の壁は、振動し又は揺動せしめられるように作ることが
できる。第2の壁に堆積したスラッジが堆積物出口に向かって滑り落ちることは
、この簡単な機械的構造によって達成することができる。第2の壁の揺動又は振
動は、規則正しいか又は不規則な時間間隔で連続的に又は周期的になすことがで
きる。
【0009】 容積吸引ポンプ、例えば、堆積スラッジの排出を加速する容積型吸引ポンプを
堆積物出口に配置することができる。 本発明による分離装置はまた薄層状分離装置の構造とすることができ、ここで
もまた、同様に固体粒子がその上に堆積する薄層構造は、対応する方法で可動形
態の第2の壁に対応する形態の構成とすることができる。
【0010】 第2の可動の壁と薄層状構造とは、両方とも、振動周波数又は振動振幅を制御
することによって、動き(揺動、振動等)を、堆積物内の固体粒子間又は堆積物
と壁又は薄層状構造との間の克服されるべき付着力に適合させるために、第2の
壁又は薄層状構造の振動のための制御可能な駆動装置と結合することができる。
【0011】 液体入口が、液体が第2の壁の外周線に対して接線方向に導入されるような方
法で配置される場合には、次いで、固体粒子を堆積させるのに必要とされるゆっ
くりとした回転運動を堆積装置のタンク内に生じさせることができる。
【0012】 本発明による分離装置は、特に、あらゆるタイプの排水を浄化するために使用
することができる。特に、水噴射冷却によって排ガスの急速な冷却が行われる場
合には、炭素粒子の懸濁液が生成され、これは、本発明による分離装置によって
特に効率良く浄化することができる。排ガスの急速冷却によるこのタイプの排水
は、特に、温度選択的(thermoselect)方法による家庭及び/又は
工業廃水生成物のガス化によって生じる。
【0013】 本発明による分離装置のいつくかの例を以下に説明する。 図1は、浄化されるべき排水を供給するための入口3を有している堆積装置(
sedimentor)1を示している。更に、この堆積装置は、壁2の下方領
域に漏斗状の断面(外側錘面6)を有しており、この断面は出口4に向かってテ
ーパーが付けられている。出口4は、堆積したスラッジを排出する役目を果たす
。本発明に従って、堆積装置内の外側錘面6の内側に沿って第2の壁7が配置さ
れており、この第2の壁は、外側錘面6と同じ開角を備えた同じ円錐形断面を有
している。内側錘面7の上端には、同内側錘面7が固定されている固定の取り付
けリング8が配置されている。従って、内側錘面7は、外側錘面6内に緩く置か
れ、その一部分が外側壁2は又は堆積装置1の外側錘面6に固定されていない。
【0014】 内側錘面7は、揺動することができるが、固定のリング8に係合している内側
錘面7を揺動させるための駆動装置は、図示されていない。このような駆動装置
は、例えば、互いに逆方向の振動/揺動動作をする偏心部材を介して配置されて
いる2つの押し/引きロッドとすることができる。内側錘面7を揺動させること
によって、内側錘面7上に堆積した固体スラッジは出口4に向かって摺動し、そ
の結果、堆積装置を清浄にすることができる。
【0015】 図1に見ることができるように、内側錘面7と外側錘面6との間の中間の空間
にもまた、浄化されるべき液体が充填される。ここでもまた、内側錘面7の揺動
動作によって、外側錘面6上に堆積した固体粒子と内側錘面7の壁との間の付着
力が一時的に除去されて、堆積物が出口4に向かって下方に滑り落ちることがで
きるような構造とされている。しかしながら、揺動動作は、スラッジが再度掻き
混ぜられて堆積装置の浄化作用が無駄になるほど強くならないように注意を払わ
なければならない。
【0016】 堆積装置1内の上方領域の入口3は、液体が堆積装置1の外壁2の外周の線に
対して接線方向に堆積装置1内へ導かれるように配置されている。次いで、浄化
作用が改良されるように、堆積装置1内の液体のゆっくりとした回転運動がなさ
れる。
【0017】 浄化された液体の出口は、一般的な方法で堆積装置1内に配置することができ
、従って、ここでは図示していない。 図2は、本発明の更に別の堆積装置1を示しており、同じ部材には、図1と同
じ参照番号が付されており、従って、ここでは更に説明することはしない。図1
と対照的に、図2における堆積装置1には、堆積装置の堆積面を著しく増大させ
る薄層構造5が設けられている。この薄層構造は、その表面を対応して清浄にす
るために、その一部が第2の壁7と同じように振動させることができる。
【0018】 図3は、本発明による更に別の堆積装置を示しており、ここでもまた、同じ部
材には、図1と同じ参照番号が付されており、ここでは、それらの構造又は機能
を更に説明することはしない。図1と対照的に、ここでは、内壁が、堆積装置の
第1の外壁2に沿って内側錘面7を越えて上方に延びており、固定の取り付けリ
ング8は、直角に立っている内壁7の一部分の上方端部に配置されている。更に
、薄層構造5が、図2におけるように、堆積装置の上方の台形でない部分に配置
されている。この薄層構造5は、同じく、堆積スラッジが付着している薄層構造
5を清浄にするために、再度揺動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による分離装置を示している。
【図2】 本発明による更に別の分離装置を示している。
【図3】 本発明による更に別の分離装置を示している。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年6月26日(2001.6.26)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AU,BA, BB,BG,BR,CA,CN,CR,CU,CZ,D M,DZ,EE,GD,GE,HR,HU,ID,IL ,IN,IS,JP,KP,KR,LC,LK,LR, LT,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MX,M Z,NO,NZ,PL,RO,SG,SI,SK,SL ,TR,TT,TZ,UA,US,UZ,VN,YU, ZA (72)発明者 キッス,ギュンター・ハー スイス国ツェーハー−6648 ミヌシオ,ヴ ィア・リヴァピアーナ 18

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 堆積装置(1)によって液体から固体を分離するための装置
    であって、同堆積装置(1)は、第1の壁(2、6)と、固体粒子を含んでいる
    液体を堆積装置(1)に供給するための液体入口(3)と、同堆積装置(1)の
    下方端部に配置された堆積物として分離された固体粒子のための出口(4)と、
    を有し、 第2の可動の壁(7)が、第1の壁(2、6)の内側に沿って配置されている
    、ことを特徴とする装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の装置であって、 前記第2の壁(7)及び/又は第1の壁(6)が、円錐形であるのが好ましい
    出口(4)に向かって延びている台形状の断面を有していることを特徴とする装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の装置であって、 第1の壁(6)の断面が、第2の壁(7)の開角に対応する開角を有している
    ことを特徴とする装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか一の項に記載の装置であって、 前記第2の壁(7)が第1の壁(6)上に緩く配置されていることを特徴とす
    る装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか一の項に記載の装置であって、 前記第2の壁(7)が、同第2の壁(7)と同第2の壁(7)に堆積した堆積
    物との間の接合が破壊されるような形態で動くことができることを特徴とする装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか一の項に記載の装置であって、 前記第2の壁(7)が、同第2の壁(7)に堆積した堆積物の粒子間の接合が
    破壊されるような形態で動くことができることを特徴とする装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか一の項に記載の装置であって、 前記第2の壁(7)が、堆積物と液体との間の境界が実質的に乱されないよう
    な形態で可動である、ことを特徴とする装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか一の項に記載の装置であって、 前記第2の壁(7)が振動させることができるものである、ことを特徴とする
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか一の項に記載の装置であって、 前記第2の壁(7)が揺動可能であることを特徴とする装置。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれか一の項に記載の装置であって
    、 前記第2の壁(7)が、その上方外周縁に沿って固定の外周取り付け部材(8
    )、好ましくは固定のリング(8)を有する、ことを特徴とする装置。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれか一の項に記載の装置であっ
    て、 前記外周取り付け部材(8)上に、同外周取り付け部材を動かすための装置が
    配置されている、ことを特徴とする装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の装置であって、 前記外周取り付け部材を動かすための装置が、2つの正反対に配置され点にお
    いて外周取り付け部材(8)に摩擦によって配設されている2つの押し/引きロ
    ッドと、偏心軸であって、前記押し/引きロッドが同偏心軸によって反対方向へ
    動くように設定されるような方法で前記2つの押し/引きロッドに摩擦結合され
    ている偏心軸と、を有していることを特徴とする装置。
  13. 【請求項13】 請求項11又は12に記載の装置であって、 前記外周取り付け部材(8)が、前記外周取り付け部材を動かすための装置に
    よって交互に持ち上げたり降ろしたり、揺動させ及び/又は振動させることがで
    きる、ことを特徴さする装置。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし13のいずれか一の項に記載の装置であっ
    て、 前記堆積物のための出口(4)に吸引ポンプが配置されていることを特徴とす
    る装置。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の装置であって、 前記吸引ポンプが容積型の吸引ポンプであることを特徴とする装置。
  16. 【請求項16】 請求項1ないし15のいずれか一の項に記載の装置であっ
    て、 表面を増大させるための薄層構造(5)が堆積装置(1)内に設けられている
    、ことを特徴とする装置。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の装置であって、 前記薄層構造(5)が第2の壁(7)に対応するように動くことができる、こ
    とを特徴とする装置。
  18. 【請求項18】 請求項1ないし17のいずれか一の項に記載の装置であっ
    て、 前記可動の壁及び/又は前記薄層構造が、制御可能な振動装置に結合されてい
    る、ことを特徴とする装置。
  19. 【請求項19】 請求項1ないし18のいずれか一の項に記載の装置であっ
    て、 液体入口(3)が、第1の壁(2、6)及び/又は第2の壁(7)の外周線に
    対して接線方向に液体を導入することができるような形態で配置されている、こ
    とを特徴とする装置。
  20. 【請求項20】 請求項1ないし19のいずれか一の項に記載の装置を排水
    の浄化のために使用する方法。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の使用方法であって、 排ガスの急速な冷却、好ましくは、水噴射冷却によって急激に冷却した排ガス
    からの炭素粒子懸濁液を浄化するための方法。
  22. 【請求項22】 請求項20又は21に記載の使用方法であって、 家庭及び/又は工業廃水のガス化によって生じた排ガスを急激に冷却すること
    によって得られる排水を浄化するための方法。
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