JP4684506B2 - 分離装置及びその使用方法 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、堆積装置を備えた、液体から固体粒子を分離するための分離装置であって、同堆積装置は、第1の壁と、同堆積装置に液体を供給するための液体入口と、同堆積装置の下方端部に設けられた、スラッジとして分離された固体粒子のための出口と、を有している。このタイプの分離装置、例えば、薄層状の分離装置は、気体又は液体の流れからの液体又は固体粒子の物理的な分離又は単離のために使用される。
【0002】
比重による方法及びその結果による沈殿は、機械的な分離方法の中で最も重要である。液体から固体粒子を沈殿させるための装置は、伝統的な浄化プラントにおいて使用されるような、例えば、サンドトラップ又は分離タンクを含んでいる。相互に異なるタイプの分離タンク構造、すなわち、水平貫流とほとんど水平なタンクベースとを備えた矩形のタンク、中心から端縁までの水平貫流とほとんど水平なタンクベースとを備えた丸いタンク、及び垂直貫流と漏斗の先端に設けられたスラッジ除去装置とを備えた漏斗状タンク、が主として存在する。
【0003】
分離装置の一つの特別な形態は、薄層状の分離装置であって、この場合には、堆積タンク又は堆積容器内の浄化領域は、対角状に配置された中間ベース(薄層)を装備することによって増大せしめられる。企業又は工業排水の浄化において、とりわけ、分離タンクのための床面積を小さくすることが意図されている場合には、このタイプの薄層状の分離装置が使用される。従って、分離されるべき固体粒子が、意図したように、タンクベース上又は薄層上又は例えば漏斗状タンクの壁上に堆積し且つ付着することは問題である。従って、固体粒子と堆積装置の壁又はベースとの間の付着及び連続的で且つ集中的に堆積される固体粒子間の付着との両方が形成される。
【0004】
このために、堆積装置のこれらの面は、定期的に清浄にされなければならない。
最新技術に従って、吸引浄化装置(suction clearer)、スラッジスクレーパー(sludge scraper)又は平坦ストリップ浄化装置(even strip clearer)が、浄化装置として使用される。漏斗状タンクは、漏斗状壁を対角状に配置することにより、堆積装置自体が、底部の中心に配置されているスラッジ出口内へと滑り落ちることが当然に予定されているので、一般的に浄化装置を備えていない。しかしながら、それにもかかわらず、実際には、漏斗状のタンクにおいても、固体粒子が対角的に配置された壁上に堆積し且つそこにスラッジの層を形成するという問題が生じる。
【0005】
従って、本発明の目的は、簡単で且つ経済的な方法で、装置の壁上への堆積を避けることができるか又は防止することができる、液体から固体粒子を分離するための装置を製造することである。
【0006】
この目的は、その特徴部分と結合された請求項1の前段に示された装置によって達成される。更に、請求項19によってこのような装置の使用方法が提供されている。本発明による装置及び本発明の使用方法の有利な展開は従属項に記載されている。
【0007】
本発明による分離装置は堆積装置を有し、この堆積装置は、第1の外壁と、当該堆積装置に液体を供給するための液体入口と、同堆積装置の下方端部に配置された堆積物として分離された固体粒子のための出口と、を備えている。例えば、漏斗状タンクのような最新技術において知られている堆積装置の場合には、固体粒子は、堆積装置の壁の表面に堆積し且つ理想的には同壁から堆積装置の出口に向かって滑り落ちる。本発明に従って、第1の壁内に第2の可動の壁が配置されている。この第2の壁は、堆積物の堆積に関する第1の壁の機能を引継ぎ、その結果、堆積物は、本質的には第2の可動の壁上に堆積する。壁が可動であるという事実の結果として、例えば、振動、揺動動作等により壁が動かされたときに、堆積物内の個々の粒子間の結合又は堆積物内の固体粒子と壁との間の結合が、一時的に取り除かれることが可能となる。結局、壁に付着している堆積物スラッジは、重力によって堆積物用の出口に向かって滑り落ちる。第2の可動の壁の唯一の小さな動きにより、堆積物はかき回されず、すなわち、堆積物と液体との間の接触面が実質的に乱されることがなく、その結果、堆積装置の堆積作用は減じられない。
【0008】
堆積装置は、出口に向かって延びている台形状の断面を有する漏斗状のタンクであるのが有利であり、この漏斗状タンクは、また、矩形として長手方向に(すなわち、台形状の断面に対して直角に)延びることもできる。しかしながら、堆積装置は、円錐形であるのが好ましく、第1の壁の開角と第2の壁の開角とが相互に対応していて、両方の壁が互いに直に当接するように意図されているのが好ましい。これによって、両方の壁は、互いに対して緩く配置させることができ、第2の壁はまた、その上方の外周端縁に固定の外周取り付け部材、すなわち円錐形断面の場合には固定のリングをも有している。第2の壁は、例えば、この外周取り付け部材に懸架することができ、この外周取り付け部材を介して壁を動かすための装置に結合することもできる。特に簡単な方法においては、外周の取り付け部材が、互いに正反対に配置された点において且つそれらの部品が偏心軸によって逆の動作をするように設定された2つの押し/引きロッドに摩擦結合されている場合には、この第2の壁は、振動し又は揺動せしめられるように作ることができる。第2の壁に堆積したスラッジが堆積物出口に向かって滑り落ちることは、この簡単な機械的構造によって達成することができる。第2の壁の揺動又は振動は、規則正しいか又は不規則な時間間隔で連続的に又は周期的になすことができる。
【0009】
容積吸引ポンプ、例えば、堆積スラッジの排出を加速する容積型吸引ポンプを堆積物出口に配置することができる。
本発明による分離装置はまた薄層状分離装置の構造とすることができ、ここでもまた、同様に固体粒子がその上に堆積する薄層構造は、対応する方法で可動形態の第2の壁に対応する形態の構成とすることができる。
【0010】
第2の可動の壁と薄層状構造とは、両方とも、振動周波数又は振動振幅を制御することによって、動き(揺動、振動等)を、堆積物内の固体粒子間又は堆積物と壁又は薄層状構造との間の克服されるべき付着力に適合させるために、第2の壁又は薄層状構造の振動のための制御可能な駆動装置と結合することができる。
【0011】
液体入口が、液体が第2の壁の外周線に対して接線方向に導入されるような方法で配置される場合には、次いで、固体粒子を堆積させるのに必要とされるゆっくりとした回転運動を堆積装置のタンク内に生じさせることができる。
【0012】
本発明による分離装置は、特に、あらゆるタイプの排水を浄化するために使用することができる。特に、水噴射冷却によって排ガスの急速な冷却が行われる場合には、炭素粒子の懸濁液が生成され、これは、本発明による分離装置によって特に効率良く浄化することができる。排ガスの急速冷却によるこのタイプの排水は、特に、温度選択的(thermoselect)方法による家庭及び/又は工業廃水生成物のガス化によって生じる。
【0013】
本発明による分離装置のいつくかの例を以下に説明する。
図1は、浄化されるべき排水を供給するための入口3を有している堆積装置(sedimentor)1を示している。更に、この堆積装置は、壁2の下方領域に漏斗状の断面(外側錘面6)を有しており、この断面は出口4に向かってテーパーが付けられている。出口4は、堆積したスラッジを排出する役目を果たす。本発明に従って、堆積装置内の外側錘面6の内側に沿って第2の壁7が配置されており、この第2の壁は、外側錘面6と同じ開角を備えた同じ円錐形断面を有している。内側錘面7の上端には、同内側錘面7が固定されている固定の取り付けリング8が配置されている。従って、内側錘面7は、外側錘面6内に緩く置かれ、その一部分が外側壁2は又は堆積装置1の外側錘面6に固定されていない。
【0014】
内側錘面7は、揺動することができるが、固定のリング8に係合している内側錘面7を揺動させるための駆動装置は、図示されていない。このような駆動装置は、例えば、互いに逆方向の振動/揺動動作をする偏心部材を介して配置されている2つの押し/引きロッドとすることができる。内側錘面7を揺動させることによって、内側錘面7上に堆積した固体スラッジは出口4に向かって摺動し、その結果、堆積装置を清浄にすることができる。
【0015】
図1に見ることができるように、内側錘面7と外側錘面6との間の中間の空間にもまた、浄化されるべき液体が充填される。ここでもまた、内側錘面7の揺動動作によって、外側錘面6上に堆積した固体粒子と内側錘面7の壁との間の付着力が一時的に除去されて、堆積物が出口4に向かって下方に滑り落ちることができるような構造とされている。しかしながら、揺動動作は、スラッジが再度掻き混ぜられて堆積装置の浄化作用が無駄になるほど強くならないように注意を払わなければならない。
【0016】
堆積装置1内の上方領域の入口3は、液体が堆積装置1の外壁2の外周の線に対して接線方向に堆積装置1内へ導かれるように配置されている。次いで、浄化作用が改良されるように、堆積装置1内の液体のゆっくりとした回転運動がなされる。
【0017】
浄化された液体の出口は、一般的な方法で堆積装置1内に配置することができ、従って、ここでは図示していない。
図2は、本発明の更に別の堆積装置1を示しており、同じ部材には、図1と同じ参照番号が付されており、従って、ここでは更に説明することはしない。図1と対照的に、図2における堆積装置1には、堆積装置の堆積面を著しく増大させる薄層構造5が設けられている。この薄層構造は、その表面を対応して清浄にするために、その一部が第2の壁7と同じように振動させることができる。
【0018】
図3は、本発明による更に別の堆積装置を示しており、ここでもまた、同じ部材には、図1と同じ参照番号が付されており、ここでは、それらの構造又は機能を更に説明することはしない。図1と対照的に、ここでは、内壁が、堆積装置の第1の外壁2に沿って内側錘面7を越えて上方に延びており、固定の取り付けリング8は、直角に立っている内壁7の一部分の上方端部に配置されている。更に、薄層構造5が、図2におけるように、堆積装置の上方の台形でない部分に配置されている。この薄層構造5は、同じく、堆積スラッジが付着している薄層構造5を清浄にするために、再度揺動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による分離装置を示している。
【図2】 本発明による更に別の分離装置を示している。
【図3】 本発明による更に別の分離装置を示している。

Claims (17)

  1. 堆積装置(1)によって液体から固体を分離するための装置であって、
    同堆積装置(1)は、第1の壁(2、6)と、第1の壁(2、6)の内面に沿って配置されている第2の壁(7)と、固体粒子を含んでいる液体を堆積装置(1)に供給するための液体入口(3)と、同堆積装置(1)の下方端部に配置された堆積物として分離された固体粒子のための出口(4)と、を有し、
    前記第1の壁と第2の壁とが、各々、出口(4)に向かって延びている台形形状の断面の漏斗形状を有しており、
    前記第2の壁(7)が、該第2の壁を懸架することができ且つ該第2の壁を動かすための装置に結合されるリング状の固定の周縁取り付け部材(8)が前記第2の壁の上方周縁に沿って設けられていて、振動及び揺動可能であるようになされている、ことを特徴とする装置。
  2. 請求項1に記載の装置であって、
    前記第1の壁及び第2の壁が、出口(4)に向かって延びている円錐形の面を有していることを特徴とする装置。
  3. 請求項2に記載の装置であって、
    第1の壁(6)の円錐形の面の開角が、第2の壁(7)の円錐形の面の開角に対応していることを特徴とする装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一の項に記載の装置であって、
    前記第2の壁(7)が前記のように振動及び揺動することにより同第2の壁(7)と同第2の壁(7)に堆積した堆積物との間の接合が破壊されるように前記第2の壁が振動及び揺動されることを特徴とする装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一の項に記載の装置であって、
    前記第2の壁(7)が前記のように振動及び揺動することにより同第2の壁(7)に堆積した堆積物の粒子間の接合が破壊されるように前記第2の壁が振動及び揺動されることを特徴とする装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一の項に記載の装置であって、
    前記第2の壁が前記のように振動及び揺動する際に、堆積物と液体との間の境界が実質的に乱されないように第2の壁が振動及び揺動される、ことを特徴とする装置。
  7. 請求項に記載の装置であって、
    前記周縁取り付け部材(8)上に、同周縁取り付け部材を動かすための装置が配置されている、ことを特徴とする装置。
  8. 請求項に記載の装置であって、
    前記外周取り付け部材を動かすための装置が、2つの互いに正反対の位置において前記周縁取り付け部材(8)上に摩擦によって設けられている2つの押し/引きロッドと、偏心軸であって、前記押し/引きロッド同士が同偏心軸によって互いに反対方向へ動かされるように前記2つの押し/引きロッドに摩擦結合されている偏心軸と、を有していることを特徴とする装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか一の項に記載の装置であって、
    前記堆積物のための出口(4)に吸引ポンプが配置されていることを特徴とする装置。
  10. 請求項に記載の装置であって、
    前記吸引ポンプが容積型の吸引ポンプであることを特徴とする装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれか一の項に記載の装置であって、
    表面を増大させるための薄層構造(5)が堆積装置(1)内に設けられている、ことを特徴とする装置。
  12. 請求項11に記載の装置であって、
    前記薄層構造(5)が前記第2の壁(7)に取り付けられていて該第2の壁(7)と一緒に振動及び揺動することができる、ことを特徴とする装置。
  13. 請求項12に記載の装置であって、
    前記第2の壁及び/又は前記薄層構造が、制御可能な振動装置に結合されている、ことを特徴とする装置。
  14. 請求項1ないし13のいずれか一の項に記載の装置であって、
    液体入口(3)が、第1の壁(2、6)及び/又は第2の壁(7)の外周線に対して接線方向に液体を導入することができるような形態で配置されている、ことを特徴とする装置。
  15. 排水の浄化のために使用するようになされた、請求項1ないし14のいずれか一の項に記載の装置。
  16. 排ガスを水噴射冷却によって急に冷却することによって得られる炭素粒子懸濁液を浄化するために使用される請求項15に記載の装置。
  17. 家庭及び/又は工業廃水のガス化によって生じた排ガスを急激に冷却することによって得られる排水を浄化するために使用される請求項15又は16に記載の装置。
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