JP2003502052A - リコペンを製造する方法 - Google Patents

リコペンを製造する方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、カロテノイドを、特にブラケスレアとして得るための新規な方法に関する。トリスポリック酸の添加に基づいて増加したリコペンの生成を可能にする発酵法が開示される。この方法は、野生株またはその突然変異株を単一クロップ(single crop)または混合クロップ(mixed crop)系中で用いて行われる。トリスポリック酸類は発酵の初めまたは発酵中に加えられる。トリスポリック酸類の供給源は一部精製された調製物または未精製源であることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
(発明の分野)
【0001】 本発明は、ブラケスレア(Blakeslea)タイプのケカビ菌の液内培養物から出
発して、カロテノイド類、特にリコペンを製造する新規な方法に関する。トリス
ポリック酸類が富化されている抽出物の添加に基づいて、リコペンの生成に増加
を達成することが可能な発酵法が記載される。この方法は、野生株またはそれら
の突然変異株から出発して、単一培養または混合培養で行われる。トリスポリッ
ク酸類は発酵の開始時または発酵中に加えることができる。
【0002】 (技術状態) カロテノイド類は果実および野菜の中に豊富に生じる化合物であって、酸化防
止剤としての、およびビタミンA前駆体としてのそれらの性質のために、非常に
多数の研究の主題となってきた。リコペンは、その酸化防止剤特性に加えて、心
臓血管疾患、並びに前立腺癌や胃腸癌のようなある種のタイプの癌を予防し、ま
た増殖の制御において活性である(スタール W.[Stahl W.]およびシース,
H.[Sies, H.]、1996年、Arch. Biochem. Biophys.、336:1−9;クリン
トン,SK.[Clinton, SK.]、1998年、Nutr. Rev.、56:35−51)。カロ
テノイド類は、また、それらの色が黄色乃至赤色であるために、マーガリン、バ
ター、サラダオイル、スープおよびソースの食品助剤および着色剤としても使用
される(ペップラー HJ.[Peppler HJ.]、パールマン D.[Perlman D.
](編集人)、Microbial Technology、第2版、第1巻、アカデミック・プレス
社[Academic Press]、NY、第529〜544頁においてニネット L.[Ni
net L.]およびレノート J.[Renaut J.]、1979年)。
【0003】 リコペンは、β−カロテンおよびキサントフィル類の生合成経路で中間体とし
て生成せしめられるカロテノイドである。
【0004】 リコペン調製物(preparations)はトマトから(PCT特許WO第97/482
87号、欧州特許第608027号)、またはフィコマイセス(Phycomyces)、
ブラケスレア(Blakeslea)およびコアネフォラ(Choanephora)のようなケカビ
菌類の発酵によって(英国特許第1008469号、米国特許第3097146
号、同第3369974号、)特開昭48−16189号、同48−16190
号およびロシア連邦特許第2102416号)得られる。
【0005】 英国特許第1008469号および米国特許第3097146号明細書は、p
Hが7.0より高くかつ9.5以下に保持されている培地より成る、ブラケスレ
ア・トリスポーラ菌(fungus Blakeslea trispora)の発酵法について記載して
いる。7日間のインキュベーション後に、培地100mL当たり9.97mgの
リコペンが得られる。
【0006】 特開昭48−16189号および同48−16190号公報は、β−カロテン
の形成を防ぎ、そしてリコペンの蓄積を促進するために第三アミンが加えられる
、フィコマイセス、ブラケスレアおよびコアネフォラのようなムコーラレス菌類
(Mucorales fungi)による発酵法について記載している。第三アミンの例とし
て次のものが挙げられている:ホルデニン;2−ジメチルアミノ−エタノール;
3−ジメチルアミノ−1−プロパノール;1−ジメチルアミノ−2−プロパノー
ル;2−ジエチルアミノ−エタノール;3−ジエチルアミノ−1−プロパノール
;1−ジエチルアミノ−2−プロパノール;トリエチルアミン;2−ジイソプロ
ピルアミノ−エタノール;3−ジイソプロピルアミノ−1−プロパノール;1−
ジイソプロピルアミノ−2−プロパノール;2−ジ−n−プロピルアミノ−エタ
ノール;3−ジ−n−プロピルアミノ−1−プロパノール;1−ジ−n−プロピ
ルアミノ−2−プロパノール;2−ジメチルアミノエチルベンゼン;2−ジエチ
ルアミノ−エチルベンゼン;p−(2−ジエチルアミノエチル)フェノール。ロ
シア連邦特許第2102416号明細書は、リコペンの蓄積を誘発するためにア
ミノメチルピリジン類およびタバコ残分を添加することを記載している。これら
特許明細書に記載される物質に加えて、リコペンレベルにおいてカロテノイド類
の合成を阻害することができる、ニコチン(特開平5−13167号)、イミダ
ゾール、ピリジン、モルホリン、キノリンおよびある種の置換誘導体(米国特許
第3369974号;ペップラー HJ.、パールマン D.(編集人)、Micr
obial Technology、第2版、第1巻、アカデミック・プレス社、NY、第529
〜544頁におけるニネット L.、レノート J.、1979年)のような他
の窒素化複素環式塩基の使用についての説明がある。
【0007】 第三アミンを加えることを必要としないでリコペンを蓄積するB.トリスポー
ラの突然変異株も記載されている(メータ B.[Mehta B.]およびセルダ−オ
ルメド E.[Cerda-Olmedo E.]、1995年、Appl. Microbiol. Biochenol.
、42:836−838)。
【0008】 B.トリスポーラ菌によるβ−カロテンの製造法のいずれにおいても、この菌
の混合培養物が用いられ、その結果β−カロテンはその菌の(+)株および(−
)株で別個に遭遇する収量よりもはるかに高い収量で得られる(シーグラー,A
.[Ciegler, A.]、1965年、Advances in Applied Microbiology、7:1−3
4;プレンペル,M.[Plempel, M.]、1965年、Planta、65:225−231;サ
ッター,RP.[Sutter, RP.]およびラフェルソン,ME.[Rafelson, ME.]
、1968年、J. Bacteriology、95:426−432)。混合培養物中でのβ−カロ
テンの成増加は、β因子またはトリスポリック酸類と呼ばれる一系統の酸性化合
物の生成と相関している(カグリオッティ L.[Caglioti L.]、カイネリ
G.[Cainelli G]、カメリノ B.[Camerino B.]、モンデリ R.[Monde
lli R]、プリエト A.[Prieto A.]、クィリコ A.[Quilico A.]、サル
バトーリ T.[Salvatori T.]、セルバ A.[Selva A.]、1966年、Te
trahedron Supplement、7:175−187)。トリスポリック酸類は、B.トリスポ
ーラ、フィコマイセス・ブラケスレアヌス(Phycomyces blakesleanus)および
ムコール・ムセド(Mucor mucedo)のようなムコーラレス菌類中の性ホルモンで
あると提案されている。それらが、β−カロテンの生成を刺激することに加えて
ザイゴフォア類(zygophores)の形成も刺激するからである(バン・デン・エン
デ,H.[van den Ende, H.]、1968年、J. Bacteriology、96:1298−130
3;オースチン DJ.[Austin DJ.]、ブ′ロック JD.[Bu'Lock JD.]、
グッデイ G.W.[Gooday G. W.]、1969年、Nature、223:1178−1179
;レシュケ,T.[Reschke, T.]、1969年、Tetrahedron letters、29:34
35−3439;バン・デン・エンデ,H.、ウィーチマン AHCA.[Wiechmann AHCA.
]、レインゴード DJ.[Reyngoud DJ.]、ヘンドリックス T.[Hendrick
s T.]、1970年、J. Bacteriology、101:423−428)。
【0009】 化学的には、1,1,1−トリメチル−2−(3−メチルオクチル)シクロヘ
キサンの不飽和誘導体であるトリスポリック酸類は酸化される。これらの化合物
は、ジテルペン類またはカロテノイド類の分解で作り出されまたは生成せしめら
れるセスキテルペン類として分類することができる。トリスポリック酸類は3種
の物質、即ちトリスポリック酸A、BおよびCの混合物として特徴付けられてき
たもので、それら酸類は(それらがβ−カロテンの合成を刺激するという事実の
ために)β1因子、β2因子およびβ3因子とも呼ばれる。トリスポリック酸Cが
最も豊富であって、B.トリスポーラの混合培養物中に80%で存在することが
見いだされる(カグリオッティ L.、カイネリ G.、カメリノ B.、モン
デリ R.、プリエト A.、クィリコ A.、サルバトーリ T.、セルバ
A.、1966年、Tetrahedron Supplement、7:175−187)。
【0010】 トリスポリック酸類は前記の(+)株および(−)株の両者によって生成せし
められるβ−カロテンから合成される。β−カロテンはレチナールを経由して4
−ヒドロトリスポロールまで代謝される。この化合物は上記(+)株により4−
ジヒドロトリスポリック酸およびそのメチルエステルまで代謝され、また上記(
−)株は上記4−ヒドロトリスポロールをトリスポロールに転化させる。これら
2種の中間体は、培地中で反対の性の株に拡散した後にのみトリスポリック酸に
転化される(グッデイ GW.およびカーライル MJ.(Carlile MJ.)によ
る総説、1997年、Mycologist、11:26−30)。即ち、上記(−)株は、上記
の図式により、上記(+)株によってトリスポリック酸に、またその逆に転化さ
れる中間体を生成させる。
【0011】 B.トリスポーラの混合培養物から得られるトリスポリック酸類は、別の株を
持つ培養物中でのβ−カロテンの生成を増加させるのに使用することができる。
例えば、21.8単位のβ因子の添加は、(−)株からはβ−カロテンの収量を
422%増加させ、(+)株からはその収量を71%増加させる。しかし、(−
)株の培養物中においてβ因子1単位当たりのカロテン形成(carotenogenesis
)の刺激は、混合培養物中で、同様の量のβ因子によりもたらされるカロテン形
成の20〜30%に過ぎなかった(サッター RP.およびラフェルソン ME
.、1968年、J. Bacteriology 、95:426−432)。
【0012】 トリスポリック酸類は、サッター R.がScience、168:1590−1592、1970で
、またはサッター RP.、キャページ DA.、ハリソン TL.、キーン
WA.がJ. Bacteriology 、114:1074−1082、1973で記載する方法のようない
ろいろな方法で精製することができる。
【0013】 トリスポリック酸類の添加によるリコペン収量の明確な増加効果が記述されて
いたかどうかは分からない。リコペンの生成は、リコペンをβ−カロテンに転化
させるリコペンシクラーゼ活性を抑えることに基づくもので、このことが発酵の
際に低レベルのβ−カロテンをもたらす。カロテン形成を誘発する性ホルモンで
あるトリスポリック酸類は、β−カロテンから合成される。従って、(実施例5
および6における、ASA2(+)を持つ突然変異株・SB34(−)の場合におけるよ
うに)β−カロテンを生成させる混合培養物中ではトリスポリック酸類の添加に
は効果がないから、何がそれらホルモンの形成を抑えて、トリスポリック酸類に
よるリコペンの生成を増加させるかは、前駆体(β−カロテン)が存在しないこ
とである。
【0014】 (発明の詳細な説明) 本発明の目的は、ムコーラレス菌類(ブラケスレア、コアネフォラまたはフィ
コマイセス)による、さらに具体的にはB.トリスポーラでの発酵法におけるカ
ロテノイド類、特にリコペンの生成を増加させることを請求することである。本
発明は、B.トリスポーラ菌を発酵培地中で培養し、そして一部精製されたトリ
スポリック酸類(またはβ因子)(PTA)を、またはある種の他の供給源、例え
ばβ−カロテンの生成用培地からの未精製のトリスポリック酸類(またはβ因子
)(NPTA)でさえも添加することより成る。
【0015】 リコペンの発酵に及ぼすトリスポリック酸類の効果は、前記ホルモンはリコペ
ンの発酵においては形成され得ない化合物であるβ−カロテンから合成されると
いう事実に基づく。これらの条件下では、前記の菌は上記ホルモンの合成前駆体
を持っておらず、従ってカロテン形成はその最大限度までは誘発されない。
【0016】 発酵に用いられる生物であるムコーラレス菌類、さらに具体的にはB.トリス
ポーラの株、またはその(+)株と(−)株との混合物、或いは、それに代わっ
て、リコペンを蓄積することができるB.トリスポーラの突然変異株は、これら
を単離することができる。上記菌の(+)株と(−)株とのいろいろな混合物が
本発明の発酵法で用いることができる。β−カロテンの生成菌であるB.トリス
ポーラの株を用いるときは、リコペンのレベルにおいてカロテン形成を阻害する
ことができる化合物(例えば、前記の第三アミン、その他の化合物)が加えられ
る。リコペンからのカロテノイド類の生合成において阻害される突然変異株を使
用するときは、第三アミンや関連化合物を加えることは必要ない。上記の2つの
ケースのいずれにおいても、一部精製トリスポリック酸類(PTA)または未精製
トリスポリック酸類(NPTA)が、それらのある種の供給源から、例えばβ−カロ
テンの発酵から誘導される培地から、両ケースとも0.35mg/mLのおおよ
その濃度で加えられる。用語・NPTAはβ−カロテン培地に相当する。トリスポリ
ック酸類のこれら培地中における濃度は、図1からインキュベーション日数の関
数として計算することができる(4日目には350〜400μg/mLとなろう
)。
【0017】 ムコーラレス菌類からのカロテノイド類の、さらに具体的にはB.トリスポー
ラの選択された株または突然変異株によるリコペンの製造法は、1種またはそれ
以上の炭素源、1種またはそれ以上の窒素源、無機塩類およびチアミンを含んで
いるいかなる培地中でも行うことができる。炭素源は単純なまたは複雑な栄養源
として加えることができ、それにはデキストリン、澱粉、グルコース、サッカロ
ース、フルクトース、動物油または植物油のような炭水化物または脂肪がある。
培地は、また、大豆粉、トウモロコシ粉、可溶性留出物、酵母抽出物、綿実粉、
ペプトン、カゼイン、硫酸アンモニウム等々のような同化可能な窒素源、同有機
源または同無機源も有していなければならない。培地に加えることができる無機
塩類としては、リン酸塩、硫酸塩、塩化物、ナトリウム、カリウム、アンモニウ
ム、カルシウムおよびマグネシウムが挙げられる。栄養源の割合は、微生物の増
殖要件に基づいて、そして生成レベルに基づいて決められる。発酵は好気性条件
において液内培養で行われるのが好ましい。発酵温度は20〜32℃の間で変え
ることができるが、25〜28℃の範囲が好ましい。
【0018】 トリスポリック酸類の添加は、一部精製調製物またはそれらの任意の供給源か
ら、例えば任意のケカビ菌のβ−カロテンの発酵に由来する培地から行うことが
できる。
【0019】 リコペンは細胞破裂について記述されている任意の方法により抽出されるが、
その細胞破裂は、任意の溶媒に溶解され、かつ内容物が可溶性であるそれら細胞
内容物を放出するのを可能にするものである。リコペンの濃度は吸光度測定法に
よる測定で求めることができるが、液体クロマトグラフィー(HPLC)が好ましい
。これら方法のいずれに関しても参考文献に記載されている。
【0020】 使用される株は次のとおりである:β−カロテンの生成株である突然変異株:
ASA2(+)およびASA25(−)。リコペンの生成株である突然変異株:SB34(−
)。この最後に挙げた突然変異株も25%のβ−カロテンを生成させる(表1を
参照されたい)。突然変異株の選択は、トリスポリック酸類自体に因るカロテン
生成の増加効果の観点とは無関係である。即ち、それら化合物に因る効果はいか
なる他の類似突然変異株においても再現性がある。但し、そのリコペンの基礎生
成率は、例えば、親株により生ずるように、より低いだろう。親株は寄託所に寄
託されていて、生育可能でかつ公に入手できる。
【0021】 実施例1 β−カロテンおよびリコペンの発酵中におけるトリスポリック酸類の濃度の測
【0022】 1リットル当たり大豆粉23g;トウモロコシ粉47g;リン酸一カリウム0
.5g;チアミン塩酸塩0.002gを含んでいる接種用培地を調製する。その
初期pHは6.3である。この培地を500mLの三角フラスコ中に67mLま
たは100mLの速度で分配する。滅菌後に、胞子懸濁物からのB.トリスポー
ラASA2(+)株およびB.トリスポーラASA25(−)株を別々のフラスコに植え
、そして25℃で48時間インキュベートする。
【0023】 突然変異株のB.トリスポーラ ASA2(+)およびB.トリスポーラ ASA25(
−)は、ロシア(Russia)のモスクワ(Moscow)に所在するコレクション・オブ
・インダストリアル・マイクロオルガニズムズ(Collection of Industrial Mic
roorganisms:VKM)に寄託されている野生株のB.トリスポーラ F208(−)お
よびF117(+)からのNTGによる突然変異により得られる。この両株は公に入手
できる。
【0024】 1リットル当たり大豆粉44g;トウモロコシ粉19g;二塩基性ホスフェー
ト0.55g;チアミン塩酸塩0.002g;植物油10%を含んでいる塩基性
発酵培地を調製する。その初期pHは水酸化カリウムで7.5に調整されている
。この培地を250mLの三角フラスコ中に20mLの速度で分配する。
【0025】 β−カロテンの発酵のために、塩基性培地が入っているフラスコにB.トリス
ポーラASA2(+)株とB.トリスポーラASA25(−)株との混合培養物を10%
接種する。リコペンの発酵のために、上記塩基性培地に、生合成経路をリコペン
のレベルにおいて遮断する目的で、化学試剤、例えば2mL/Lのピリジンを加
える。この培地にB.トリスポーラASA2(+)株とB.トリスポーラASA25(−
)株との混合培養物を10%接種する。全てのフラスコを25℃において軌道攪
拌器(orbital stirrer)中で250rpmにおいてインキュベートする。試料
を発酵2日目から初めて24時間毎に採取し、そしてトリスポリック酸類の濃度
を、β−カロテンを生成させるフラスコ中およびリコペンを生成させるフラスコ
中で測定する。
【0026】 トリスポリック酸類の濃度は、試料をpH2まで酸性化した後に1容量のクロ
ロホルムで抽出することによって測定される。その有機部分を1容量の4%重炭
酸ナトリウム溶液で抽出し、その水性相を集め、そして酸性化し、次いで再びク
ロロホルムで抽出する。次に、そのクロロホルムを蒸発させて乾固状態に至らし
め、そしてトリスポリック酸類より成る残分をエタノール、またはトリス(Tris
)−硫酸塩緩衝液中に溶解させる。そのトリスポリック酸類を、吸光係数を70
mL×mg-1×cm-1と仮定して(サッター RP.、キャページ DA.、ハリソン
TL.、キーン WA.、1973年、J. Bacteriology 、114:1074−1082
)、吸光度測定法で325nmにおいて定量的に測定する。
【0027】 トリスポリック酸類の濃度はβ−カロテンおよびリコペンの発酵の過程で変わ
り、後者では前者よりも有意に低いことが見いだされた。最大の相違は4日目に
見いだされ、この場合β−カロテンの発酵での濃度は378μg/mL、リコペ
ンの発酵での濃度は46μg/mLであった(おおよそ8倍の違い)(図1)。
【0028】 実施例2 リコペンを蓄積する形のβ−カロテンの生合成における一部阻害突然変異株の
発酵に及ぼすトリスポリック酸類の添加効果
【0029】 接種用培地を実施例1に記載されたように調製する。滅菌後に、B.トリスポ
ーラSB34(−)株を胞子懸濁物から植え、そして25℃で48時間インキュベー
トする。
【0030】 突然変異株・B.トリスポーラSB34(−)は、ロシア、モスクワのコレクショ
ン・オブ・カルチャース VKM(Collection of Cultures VKM)に寄託されて
いる野生株・B.トリスポーラF921(−)から出発してNTGによる突然変異によ
り得られ、公に入手できた。
【0031】 実施例1に記載されたものと同じタイプの発酵培地を調製する。滅菌後に、一
連のフラスコに、リコペンを蓄積する形のβ−カロテンの生合成において一部阻
害された突然変異株であることが特徴であるB.トリスポーラSB34(−)株を1
0%接種する。全てのフラスコを25℃において軌道攪拌器中で250rpmに
おいてインキュベートする。
【0032】 対照フラスコはトリスポリック酸類の添加のないものである。トリスポリック
酸類の添加を受けているフラスコ群は、実施例1で説明されたように精製された
トリスポリック酸類が富化されている調製物が350μg/mLの最終濃度まで
加えられているときは、4日目まで対照と同じ条件にしておかれる。
【0033】 一部精製トリスポリック酸類(PTA)の添加により、乾燥重量1グラム当たり
0.11〜0.24mgのリコペンの増加が得られる(発酵6日目には対照に比
較して2.18倍の増加、図2)。
【0034】 実施例3 生合成が化学試剤によりリコペンレベルにおいて阻害されているβ−カロテン
生成性突然変異株によるリコペンの発酵に及ぼすトリスポリック酸類の添加効果
【0035】 接種用培地を実施例1に記載された方法で調製する。滅菌後に、B.トリスポ
ーラASA25(−)株を胞子懸濁物から植え、そして25℃で48時間インキュベ
ートする。
【0036】 実施例1に記載されたものと同じタイプの発酵培地を調製する。滅菌後に、リ
コペンレベルにおいてカロテノイドの生合成を阻害する化学試剤、例えばイミダ
ゾールを0.75mg/mLの最終濃度まで加える。この培地にもpH7.5の
ホスフェート緩衝剤を25mMの最終濃度まで追加し、そしてB.トリスポーラ
ASA25(−)株を10%接種する。これらのフラスコを25℃において軌道攪拌
器中で250rpmにおいてインキュベートする。
【0037】 対照フラスコはトリスポリック酸類の添加を受けていないものである。トリス
ポリック酸類の添加を受けているフラスコ群は、トリスポリック酸類が富化され
ている調製物が350μg/mLの最終濃度まで加えられているときは、4日目
まで対照と同じ条件にしておかれる。トリスポリック酸類は実施例1に記載され
た方法と同じ方法で精製されている。
【0038】 一部精製トリスポリック酸類(PTA)の添加により、乾燥重量1グラム当たり
0.16〜1.09mgのリコペンの増加が得られる(発酵6日目には対照に比
較して6.8倍の増加、図3)。
【0039】 実施例4 B.トリスポーラASA2(+)による混合培養での突然変異株・B.トリスポー
ラASA25(−)の発酵に及ぼす一部精製トリスポリック酸類(PTA)または未精製
トリスポリック酸類(NPTA)の添加効果
【0040】 接種用培地を実施例1に記載されたように調製する。滅菌後に、B.トリスポ
ーラASA25(−)株およびB.トリスポーラASA2(+)株を胞子懸濁物から別々
のフラスコに植え、そして25℃で48時間インキュベートする。
【0041】 実施例1に記載されたものと同じタイプの発酵培地を調製する。滅菌後に、イ
ミダゾールを0.75mg/mLの最終濃度まで、またpH7.5のホスフェー
ト緩衝剤を25mMの最終濃度まで加える。この培地にB.トリスポーラASA25
(−)株とB.トリスポーラASA2(+)株との混合物を10%接種する。これら
のフラスコを25℃において軌道攪拌器中で250rpmにおいてインキュベー
トする。
【0042】 未精製トリスポリック酸類(NPTA)源を得るために、実施例1に記載されたも
のと同じタイプの発酵培地を調製する。滅菌後に、混合培養物に、それぞれβ−
カロテンを生成させる株であるB.トリスポーラASA2(+)株およびB.トリス
ポーラASA25(−)株を10%植える。これらのフラスコを25℃において軌道
攪拌器中で250rpmにおいてインキュベートする。
【0043】 対照フラスコはトリスポリック酸類の添加を受けていないものである。一部精
製トリスポリック酸類(PTA)の添加を受けているフラスコ群は、トリスポリッ
ク酸類が350μg/mLの最終濃度まで加えられているときは、4日目まで対
照と同じ条件にしておかれる。トリスポリック酸類は実施例1に記載された方法
と同じ方法で精製されている。未精製トリスポリック酸類(NPTA)の添加を受け
ているフラスコ群は4日目まで対照と同じ条件にしておかれ、次いで20μmの
ナイロンフィルターによる濾過プロセスに供される。このナイロンフィルターは
、B.トリスポーラASA25(−)株およびB.トリスポーラASA2(+)株の菌糸
を、それら株がイミダゾールの存在下で増殖した培地から分離するのを可能にす
る。菌糸と培地との分離は20μmナイロンフィルターにより並行して行われる
が、この2種の株・B.トリスポーラASA2(+)およびB.トリスポーラASA25
(−)をβ−カロテンの生成条件で含んでいるフラスコの場合、その培地はトリ
スポリック酸類の未精製源(NPTA)と見なされる。菌糸と培地との分離が終わっ
たら、イミダゾールにより増殖せしめられたB.トリスポーラASA25(−)株お
よびB.トリスポーラASA2(+)株の菌糸を、イミダゾールの非存在下で増殖せ
しめられた同じ株の培地と混合する。イミダゾールは、トリスポリック酸類の未
精製源(NPTA)と見なされる培地に、0.75mg/mLの最終濃度が得られる
ように加えられる。これらのフラスコを25℃および250rpmでインキュベ
ートする。
【0044】 一部精製トリスポリック酸類(PTA)の添加により、乾燥重量1グラム当たり
29.14〜43.58mgのリコペンの増加が得られ(発酵6日目には対照に
比較して50%の増加、図3)、またβ−カロテンの培地を添加することにより
乾燥重量1グラム当たり29.14〜41.07mgのリコペンの増加が得られ
る(発酵6日目には対照に比較して41%の増加、図4)。この実施例は、トリ
スポリック酸類の効果はそれらの精製の程度とは無関係であることを示している
【0045】 実施例5 B.トリスポーラASA2(+)による混合培養での突然変異株・B.トリスポー
ラSB34(−)の発酵に及ぼすトリスポリック酸類の添加効果
【0046】 接種用培地を実施例1に記載された方法で調製する。滅菌後に、B.トリスポ
ーラSB34(−)株およびB.トリスポーラASA2(+)株を胞子懸濁物から別々の
フラスコに植え、そして25℃で48時間インキュベートする。
【0047】 実施例1に記載されたものと同じタイプの発酵培地を調製する。滅菌後に、そ
の培地にB.トリスポーラSB34(−)株とB.トリスポーラASA2(+)株との混
合物を10%接種する。これらのフラスコを25℃において軌道攪拌器中で25
0rpmにおいてインキュベートする。
【0048】 対照フラスコはトリスポリック酸類の添加を受けていないものである。トリス
ポリック酸類の添加を受けているフラスコ群は、トリスポリック酸類が富化され
ている調製物が350μg/mLの最終濃度まで加えられているときは、4日目
まで対照と同じ条件にしておかれる。トリスポリック酸類は実施例1に記載され
た方法と同じ方法で精製されている。
【0049】 トリスポリック酸類が富化されている調製物の添加は、突然変異株・SB34(−
)の発酵が混合培養で行われるときは、リコペンの生成に有意の効果がない(図
5)。
【0050】 実施例6 B.トリスポーラSB34(−)株またはB.トリスポーラASA25(−)株とB.
トリスポーラASA2(+)株との混合発酵におけるカロテノイド類の割合の分析
【0051】 接種用培地を実施例1に記載されたように調製する。滅菌後に、B.トリスポ
ーラSB34(−)株、B.トリスポーラASA25(−)株およびB.トリスポーラASA
2(+)株を胞子懸濁物から別々のフラスコに植え、そして25℃で48時間イ
ンキュベートする。
【0052】 実施例1に記載されたものと同じタイプの発酵培地を調製する。滅菌後に、こ
の培地を2つの群に分ける。一方のフラスコ群にB.トリスポーラSB34(−)株
とB.トリスポーラASA2(+)株との混合物を10%接種する。他方のフラスコ
群には、滅菌後に、イミダゾールを0.75mg/mLの最終濃度まで、またp
H7.5のホスフェート緩衝剤を25mMの最終濃度まで加える。この培地にB
.トリスポーラASA25(−)株とB.トリスポーラASA2(+)株との混合物を1
0%接種する。全てのフラスコを25℃において軌道攪拌器中で250rpmに
おいてインキュベートする。
【0053】 対照フラスコはトリスポリック酸類の添加のないものである。トリスポリック
酸類の添加を受けているフラスコ群は、トリスポリック酸類が富化されている調
製物が350μg/mLの最終濃度まで加えられているときは、4日目まで対照
と同じ条件にしておかれる。トリスポリック酸類は実施例1に記載された方法と
同じ方法で精製されている。
【0054】 液体クロマトグラフィー(HPLC)でカロテノイド類の割合を分析するために、
それら培養物から発酵5日目および6日目に試料を採取する。得られた結果は表
1に示される。
【0055】
【0056】 B.トリスポーラSB34(−)株またはB.トリスポーラASA25(−)株とB.
トリスポーラASA2(+)株との混合培養物を用いるリコペンの発酵で得られたカ
ロテノイド類の割合の分析は、リコペンおよびβ−カロテンの割合に有意差があ
ることを示している。これらの差異はトリスポリック酸の添加とは無関係である
。B.トリスポーラSB34(−)による発酵で6日目に得られたカロテノイド類の
混合物は63%のリコペンを有するが、これに対してB.トリスポーラASA25(
−)を用いて得られた混合物は88%を有する(純度が25%高い生成物を与え
る)。同じ混合物において、β−カロテンの割合はB.トリスポーラSB34(−)
による発酵でトリスポーラASA25(−)による発酵におけるよりも10倍大きい
【0057】 β−カロテンはトリスポリック酸類の前駆体であるので、これらのデータは次
のように解釈することができるだろう:
【0058】 1.β−カロテンの発酵とリコペンの発酵との間でトリスポリック酸類の濃度
に相違がある(実施例1)。
【0059】 2.トリスポリック酸類(精製済みまたは未精製)の添加は、トリスポーラAS
A25(−)をカロテノイド類の混合物がβ−カロテンをちょうど2%含んでいる
(実施例4および6)マイナスの株として用いる場合、混合培養での発酵6日目
にリコペンの収量に40〜50%の増加を与えるということ。
【0060】 3.トリスポリック酸類の添加には、B.トリスポーラSB34(−)をカロテノ
イド類の混合物がβ−カロテンを20%より多く含んでいる(実施例5および6
)マイナスの株として用いる場合、混合培養に対して効果がないということ。
【0061】 これらの結果は、混合培養物中でのリコペンの発酵に及ぼすトリスポリック酸
類の効果がその生合成用前駆体の不存在に因ることを証明している。このことが
理由となって、高純度のリコペンの工業的製造におけるその使用が極めて有利な
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 β−カロテンの発酵およびリコペンの発酵の過程におけるトリスポリック酸類
の濃度。両発酵において、B.トリスポーラASA25(−)株とB.トリスポーラA
SA2(+)株との混合培養物が用いられている。リコペンの発酵(四角形)にお
いて、培地には、この場合はピリジンであるが、リコペンの蓄積を促進する化学
試剤が添加されている。β−カロテンの発酵(菱形)は同じ条件であるが、ピリ
ジンなしで行われている。横座標:日数での時間。縦座標:トリスポリック酸類
の濃度(μg/mL)。
【図2】 リコペンレベルにおいてはβ−カロテンの合成が阻害される突然変異株B.ト
リスポーラSB34(−)による、トリスポリック酸類の添加ありまたは添加なしで
のリコペンの生成。トリスポリック酸類の添加なしでの対照発酵において得られ
たリコペン収量の値は菱形で示される。リコペンの収量に及ぼす、発酵4日目で
の一部精製トリスポリック酸類(PTA)の添加効果は四角形で示される。値は2
つの独立試料の平均を示す。誤差バーは平均からの標準偏差を表す。横座標:日
数での時間。縦座標:リコペンmg/乾燥重量g。
【図3】 β−カロテンの過剰生成株である突然変異株・B.トリスポーラASA25(−)
による、トリスポリック酸類の添加ありおよび添加なしでのリコペンの生成。発
酵培地には、リコペンの蓄積を促進させるイミダゾールが追加されている。トリ
スポリック酸類の添加なしでの対照発酵において得られたリコペン収量の値は菱
形で表される。リコペンの収量に及ぼす、発酵4日目での一部精製トリスポリッ
ク酸類(PTA)の添加効果は四角形で示される。値は2つの独立試料の平均を表
す。誤差バーは平均からの標準偏差を表す。横座標:日数での時間。縦座標:リ
コペンmg/乾燥重量g。
【図4】 β−カロテンの過剰生成株である突然変異株・B.トリスポーラASA25(−)
およびB.トリスポーラASA2(+)の混合培養における、トリスポリック酸類の
添加ありおよび添加なしでのリコペンの生成。発酵培地には、リコペンの蓄積を
促進させるイミダゾールが追加されている。トリスポリック酸類の添加なしでの
対照発酵において得られたリコペン収量の値は菱形で表される。リコペンの収量
に及ぼす、発酵4日目での一部精製トリスポリック酸類(PTA)の添加効果は四
角形で示される。発酵4日目での未精製トリスポリック酸類の添加により得られ
たリコペンの収量は円形で表される。値は2つの独立試料の平均を表す。誤差バ
ーは平均からの標準偏差を表す。横座標:日数での時間。縦座標:リコペンmg
/乾燥重量g。
【図5】 B.トリスポーラSB34(−)株とB.トリスポーラASA2(+)株との混合培養
における、トリスポリック酸類の添加ありおよび添加なしでのリコペンの生成。
トリスポリック酸類の添加なしでの対照発酵において得られたリコペン収量の値
は菱形で表される。リコペンの収量に及ぼす、発酵4日目での一部精製トリスポ
リック酸類(PTA)の添加効果は四角形で示される。値は2つの独立試料の平均
を表す。誤差バーは平均からの標準偏差を表す。横座標:日数での時間。縦座標
:リコペンmg/乾燥重量g。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年7月25日(2001.7.25)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0003】 リコペンは、β−カロテン(英国特許第1034944号および同第1114
043号)およびキサントフィル類の生合成経路で中間体として生成せしめられ
るカロテノイドである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】 0.001〜1000mg/mLの範囲の濃度でのトリスポリック酸類の添加
は、一部精製調製物またはそれらの任意の供給源から、例えば任意のケカビ菌の
β−カロテンの発酵に由来する培地から行うことができる。添加は発酵開始から
72〜144時間行われるのが好ましい。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年9月10日(2001.9.10)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM, HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT ,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW, MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR ,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 ディエス ガルシア、ブルーノ スペイン国、レオン、アベニダ デ アン ティバイオティコス、59/61 (72)発明者 コスタ ペレス、ハビエル スペイン国、レオン、アベニダ デ アン ティバイオティコス、59/61 (72)発明者 ロドリゲス オテロ、カルメリタ スペイン国、レオン、アベニダ デ アン ティバイオティコス、59/61 (72)発明者 ペイロ セソン、エンリケ スペイン国、レオン、アベニダ デ アン ティバイオティコス、59/61 (72)発明者 セルダ オルメド、エンリケ スペイン国、レオン、アベニダ デ アン ティバイオティコス、59/61 (72)発明者 コラドス デラ ヴィエヤ、アルフォンソ ジェイ スペイン国、レオン、アベニダ デ アン ティバイオティコス、59/61 (72)発明者 サルト マルドナド、フランシスコ スペイン国、レオン、アベニダ デ アン ティバイオティコス、59/61 (72)発明者 エステバン モラレス、マヌエル スペイン国、レオン、アベニダ デ アン ティバイオティコス、59/61 (72)発明者 ベルナスコニ、エルマンノ スペイン国、レオン、アベニダ デ アン ティバイオティコス、59/61 Fターム(参考) 4B064 AH01 CA05 CD07 DA01 DA20

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ムコーラレス菌類混合培養物の発酵によりリコペンを製造す
    る方法において、トリスポリック酸類を発酵中の任意の時点に加え、そして生成
    したリコペンを回収することを特徴とする上記の方法。
  2. 【請求項2】 発酵の際に用いられるムコール菌がブラケスレア・トリスポ
    ーラであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 B.トリスポーラの(+)株および(−)株を含んでいる混
    合培養物を使用することを特徴とする、請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 使用される培養物がB.トリスポーラの(−)株を含んでい
    ることを特徴とする、請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】 使用される培養物がB.トリスポーラの(+)株を含んでい
    ることを特徴とする、請求項2記載の方法。
  6. 【請求項6】 突然変異のためにβ−カロテンの生合成能が一部または完全
    に阻害されている、リコペンを蓄積するB.トリスポーラの突然変異株を含んで
    いる培養物を使用することを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 リコペンの蓄積を誘発するために、培養物にβ−カロテンの
    生合成阻害剤を発酵の任意の時点に加えることを特徴とする、請求項2〜5のい
    ずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 トリスポリック酸類の添加が、それらの達成される濃度が0
    .001mg/mLと1000mg/mLとの間で変わるそのような方法で行わ
    れることを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 培養物に対するトリスポリック酸類の添加が、好ましくは発
    酵の開始から72〜144時間行われることを特徴とする、前記請求項のいずれ
    かに記載の方法。
  10. 【請求項10】 添加されるトリスポリック酸類が部分的に精製されている
    ことを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】 トリスポリック酸類が、好ましくはβ−カロテンの発酵か
    ら回収された培地から精製することなく加えられることを特徴とする、請求項1
    〜9のいずれかに記載の方法。
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