JP2003502045A - Hirudinariamanillensis由来のヒアルロニダーゼ、その単離、精製および組換え製造方法 - Google Patents

Hirudinariamanillensis由来のヒアルロニダーゼ、その単離、精製および組換え製造方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、熱帯ヒル Hirudinaria manillensisに由来する、ヒアルロニダーゼの単離、精製および特定に関する。したがって、本発明により、この酵素は「マニラーゼ」と称される。本発明は、さらに、DNAおよびアミノ酸配列の解明、並びに発現ベクターおよび宿主系を含む、マニラーゼの組換え製造方法にも関する。最後に、本発明は、治療目的、例えば、心筋疾患、血栓発作ならびに腫瘍の治療のための、マニラーゼの使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、熱帯のヒル、Hirudinaria manillensisに
由来する、新規なヒアルロニダーゼの単離、精製、ならびに特性の特定に関する
。従って、本発明にかかる、この新規な酵素は、「マニラーゼ」と称される。本
発明は、さらに、DNAおよびアミノ酸配列、ならびに、発現ベクターと宿主系
の開示を含む、マニラーゼの組換え生産方法に関する。最後に、本発明は、例え
ば、心筋の疾病、血栓の発生や腫瘍の治療用など、治療目的でのマニラーゼの使
用に関する。
【0002】 ヒアルロン酸あるいはヒアルロナン(HA)は、GlcNAc(β1−4)G
lcUAの二糖繰り返し構造で構成される、直鎖で、分岐していない高分子(2
〜6×106)のグルコサミノグリカンである。そのカルボキシル基は、正常か
、病に冒されているかに関わらず、細胞外液における普通に見られるpHにおい
て、完全にイオン化している。HAは、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸およ
びヘパリンと共に、一群のグルコサミノグリカンに属している(Jeanloz R..W
.,Arthr Rheum., 1960, 3, 233〜237)。他の非修飾グルコサミノグリカ
ン(GAG)と対比すると、硫酸置換、あるいは共有結合したペプチドを持たず
、また、通常、その鎖長および分子量は、はるかにより大きい。HAは、結合組
織内に遍在的に分布しており、また、改良された固定方法(Hellstrom S. et al
., 1990, Histochem. J. ,22, 677〜682)およびヒアルロナン結合ペプチド
(HABP)を利用する特異的組織化学的方法の採用がなされて以降、実際に、
体中全ての部位で見出されている。これは、また、神経外胚葉起源の組織におい
て、発育および成熟の際にも関わっている。
【0003】 ヒアルロニダーゼという用語は、一般にも、また本発明でも、他の基質に対す
る活性には関係なく、ヒアルロン酸に作用する酵素を指す。
【0004】 ヒアルロニダーゼは、最初に微生物から、その後、ほ乳類の精巣から単離され
、今では、後者が主な供給源である(Meyer K. in The Enzyme, 1971, 307
)。
【0005】 その反応機構によって、ヒアルロニダーゼは、大きく三種のグループに分類さ
れた。
【0006】 第1のグループ中の、微生物酵素は、△−4,5−不飽和二糖を生成するβ除
去を伴って、その基質に作用している。従って、該酵素は、ヒアルロン酸リアー
ゼ、EC 4.2.99.1と命名すべきである。
【0007】 第2のグループの、ヒアルロノグルコサミニダーゼ、または精巣型ヒアルロニ
ダーゼ(EC 3.2.1.35)は、HAを小さな断片へと分解するエンド−
N−アセチル−β−D−ヘキソサミニダーゼとして作用し、まず第1に、遊離の
還元末端に、ヘキソサミン部分を有する四糖類をもたらす。精巣型ヒアルロニダ
ーゼと同様の性質を有する酵素が、オタマジャクシ、蛇毒、蜂毒、多くの動物組
織、ヒト血清ならびにその他の供給源から取得されている。精巣由来のヒアルロ
ニダーゼは、また、グリコシル基転移酵素活性をも有することがよく知られてい
る(Weissman B. et al., J. Biol. Chem., 1954, 208, 417〜429)。この
グループのヒアルロニダーゼに属する酵素は、ヒアルロン酸に対してのみでなく
、コンドロイチン−4−硫酸、コンドロイチン−6−硫酸、コンドロイチンなら
びにデルマタン硫酸に対する酵素活性をも示す。
【0008】 第3のグループは、エンド−β−グルクロニダーゼとして作用するヒアルロノ
グルクロニダーゼ(EC 3.2.1.36)から成っている。この酵素は、ヒ
ル Hirudo medicinalisから単離され(Yuki H. &Fishman W
.H.; J. Biol. Chem. 1963, 238, 1877〜79)、HAに全く特異的である。コン
ドロイチン硫酸、デルマタンおよびヘパリンは、このヒアルロニダーゼに対する
基質ではない。それは、ヒアルロン酸だけを、遊離の還元末端に、グルクロン酸
を有する四糖類に分解する(Linker A.et al., J. Biol. Chem., 1960, 235
, 924〜27)。ほ乳類のエンド−β−グルコサミニダーゼとは逆に、ヘパリンは
、このヒルのヒアルロニダーゼの活性に影響を持っていない。従って、それは、
抗凝固剤として広く使用されているヘパリンおよびその誘導体と共に、患者へ共
投与することができる。buffaloヒルの亜科 Hirudinariin
ae ( Hirudinaria、Illebdella、Poecilod
bella、Sanguisogaの各属を含んでいる)の種(Poecilo
bdella granulosa)由来の、分子量約28.5kDaを有する
、ヒアルロン酸特異的エンド−ベータ−グルクロニダーゼ(「Orgelase」と称す
る)が、EP0193330に開示された。
【0009】 ヒアルロニダーゼは、in vivoおよびin vitroにおける、多く
の実用的な適用を有する。心筋梗塞の治療用として、ヒアルロニダーゼの静脈内
投与が提案されている(Kloner R. A. et al., Circulation, 1978, 58, 22
0〜226; Wolf R. A. et al., Am. J. Cardiol., 1984, 53, 941〜944; Ta
ira A. et al., Angiology, 1990, 41, 1029〜1036)。心筋梗塞は、その際
に、突発的な細胞性低酸素が要因となる、一般的な形態の非機械的な傷害、すな
わち、細胞の重篤な損傷や死の代表である。ラットにおいて実験的に心筋梗塞を
誘導した場合(Waldenstrom A. et. al., 1991, J. Clin. Invest., 88, 16
22〜1628)、損傷を受けた(侵された領域の)心筋のHA含量は、24時間以内
に増加し、3日後には正常値の3倍近くに達し、また、同時に間質性浮腫も伴っ
ていた。侵された領域の相対水分含量も、また徐々に増加して、3日目までに最
大値に達しており、HAの蓄積と密接に相関していた。実験的な心臓ならびに腎
臓移植の拒絶(Hallgren R. et al., J. Clin. Invest., 1990, 85, 668〜6
73; Hallgren R. et al., J. Exp. Med., 1990, 171, 2063〜2076)、ヒト
腎移植の拒絶(Wells A. et al., Transplantation, 1990, 50, 240〜243)
、肺疾患(Bjermer A. et al., Brit. Med. J., 1987, 295, 801〜806)お
よび肺特発性間質線維症症候群(Bjermer A. et al., Thorax, 1989, 44, 1
26〜131)においても、増加したHA含量と浮腫とに同様の関連が見出されてい
る。これらの研究全ては、急性炎症におけるHAの増加の証拠を提供するだけで
なく、さらに、組織の腫脹の主な要因となり、また、心臓の機械的および電気生
理学的機能の双方に影響を及ぼす、流体の局所的停留におけるその役割をも示唆
している。
【0010】 これらの結果によって、臨床試験で使用されている、ヒアルロニダーゼの作用
機序を説明することができる。ヒアルロニダーゼ処理は、ラット、イヌおよびヒ
トにおける心筋虚血における、細胞損傷を限ったものとすることが報告された(
Maclean D. et al., Science, 1976, 194, 199)。HAの低下は、その後、
組織における水蓄積の減少、組織な圧力の減少、また、最終的に快方に向かった
灌流を伴っている。
【0011】 ヒアルロニダーゼ、並びにヒアルロニダーゼを含むヒルの抽出物は、他の治療
目的に使用することができることが示されている。したがって、hyase治療
は、単独であるいはシクロスポリンと併用することによって、移植物の長期間の
存続をもたらす(Johnsson C. et al., Transplant Inter. 印刷中)。最も広
義のhyase(「拡散因子」)は、(たとえば、癌性腫瘍の治療における、細
胞増殖抑止剤と組み合わせて)他の薬物の拡散を促進するために、組織の浸透性
を増加させる目的に使用される。さらに、ヒアルロニダーゼは、腫瘍治療の際、
血管新生阻害剤や、腫瘍の治療における局所薬剤送達の補助剤として作用し、ま
た、緑内障ならびにその他の眼疾患の治療では、局所麻酔や抗生物質などその他
の治療薬の佐剤として、それぞれ有用である。治療的用途および適性の概観は、
Farr et al.(1997、Wiener Medizinische
Wochenschrift、15、p.347)の総説、ならびにそこに引
用されている文献に示されている。したがって、ヒアルロニダーゼなどの活性化
合物が必要とされている。しかし、公知の、入手可能なヒアルロニダーゼは、安
定でないか(hyaluronidase from Hirudo medicinalis, Linker et al., 1960
, J. Biol. Chem., 235, p.924; Yuki and Fishman, 1963, J. Biol. Che
m., 238, p.1877)、あるいは、寧ろ、特異性の低い活性を示すのみである(
EP 0193330, Budds et al., 1987, Comp. Biochem. Physiol.,
87B, 3, p.497)。さらには、公知のヒアルロニダーゼは何れも、集約的な商
業的な使用に不可欠な前提条件である、組換え体が入手できていない。
【0012】 本発明は、ここに、初めて、Hirudonaria mannilensi
sから単離・精製された新規のヒアルロニダーゼ、並びに生物工学技術によって
取得された前記酵素の組換え体を開示する。
【0013】 すなわち、その活性はヘパリンによって影響を受けない、ヒアルロニダーゼの
生物学的活性を有し、グリコシル化に応じて、53〜60kDaの分子量を有す
る、ヒル種Hirudinaria manillensisから単離された精
製蛋白質を提供することが、本発明の形態である。かかる「マニラーゼ」と呼ば
れる、新規蛋白質は、分子量約58kDa(±2kDa)を有する天然型ではグ
リコシル化されており、また、4個の糖形態を有する。しかし、非グリコシル化
蛋白質もまた本発明の目的であり、標準的手法に従って、糖残基の酵素的あるい
は化学的な切断により、取得が可能である。本発明の非グリコシル化酵素は、S
DS−PAGEによって測定した際、約54(±2)kDaの分子量を有してい
る。
【0014】 直接比較することによって、EP 0193330に開示されているヒアルロ
ニダーゼ(「orgelase」)は、同じ条件下では、約28kDaの分子量
を有し、また、ヘモグロビンなど多くの不純物を含んでいることが示される。本
発明にかかる、天然のマニラーゼは、至適pH 6.0〜7.0、等電点 7.
2〜8.0を有し、かつ、図7に記載のアミノ酸配列を有している。
【0015】 驚くべきことに、orgelaseの比活性は、たった約1.2kU/mgで
あるのに、調製用精製手順(以下参照)によって取得されたマニラーゼは、10
0〜150、好ましくは110〜140(WHO)kU/mg 蛋白質の非常に
高い比活性を有している。さらには、マニラーゼと比較すると、orgelas
eは至適pHが低い(5.2〜6.0)。マニラーゼは、orgelaseのよ
うに、ヘパリンによって影響を受けない。
【0016】 さらに、 以下の工程: (i)Hirudinaria manillensis種のヒルの頭部を酸
緩衝液でホモゲナイズし、遠心する工程、 (ii)工程(i)の上清を硫酸アンモニウムで沈澱する工程、 (iii)陽イオン交換クロマトグラフィの工程、 (iv)コンカナバリンAアフィニティ・クロマトグラフィの工程、 (v)疎水性相互作用クロマトグラフィの工程、 (vi)ヒアルロン酸フラグメントをコーティングしたマトリックスによるア
フィニティ・クロマトグラフィの工程、 (vii)ゲル濾過クロマトグラフィの工程、ならびに、 場合によって (viii)精製蛋白質の酵素的または化学的脱グリコシル化の工程をも含ん
でなる、マニラーゼの単離、精製する方法を提供することが、本発明の形態であ
る。
【0017】 上に開示する製法工程は、本発明にかかる蛋白質を、このような高い生物学的
酵素活性を保持したまま取得できることを保証する。したがって、ヘパリンによ
って活性に影響を受けないヒアルロニダーゼの生物学的活性を有し、かつ、グリ
コシル化に応じて、53〜60kDaの分子量を有し、請求の範囲ならびに、上
に記述する製法工程により取得が可能であり、また、好ましくは、>100kU
/mg蛋白質の高い酵素比活性を有する蛋白質を提供することが、本発明のさら
に他の形態である。「単位(U)」という用語は、上でも、以降でも、「国際単
位」(IU)を指す。
【0018】 本発明は、それぞれ、DNA分子、ベクターおよび形質転換された宿主細胞を
含んでいる、組換えマニラーゼの作製方法を開示する。したがって、天然のマニ
ラーゼの特性を有する蛋白質をコードするDNA配列を提供することも、本発明
の形態である。
【0019】 わずかに異なったアミノ酸配列を有する、マニラーゼ(ヒアルロニダーゼ)の
特性を具えた蛋白質をコードする、わずかに異なるDNA配列を持つ、少なくと
も三種の別のクローンを選別することが可能であることを、示すこともできた。
【0020】 かかる特定のクローンは、図8、9ならびに10(上側の配列)に示されるD
NA配列を有し、また、前記配列を含む発現ベクター、前記ベクターで形質転換
された宿主細胞とともに、それらは本発明の形態である、 加えて、ヒアルロニダーゼの生物学的活性と、グリコシル化に応じて分子量5
5〜59kDaとを持ち、図8、9ならびに10(下側の配列)に記載されるア
ミノ酸配列のいずれか、あるいは、前記配列と少なくとも80%の相同性を有す
る配列を有する組換え蛋白質を提供することも、本発明の形態である。「マニラ
ーゼ」という用語は、上述の特異的な性質を有するこれらの蛋白質の全てを含ん
でいる。
【0021】 天然、ならびに組換え蛋白質は、患者に直接に、あるいは、医薬組成物内に含
有させて、適用できる薬物として使用することが可能である。したがって、本発
明の他の態様は、薬物として適用することが可能な、上ならびに以後に定義され
る組換えまたは天然の蛋白質、また、前記蛋白質とその製薬的に許容される希釈
剤、担体または医薬添加物を含んでなる、それぞれの医薬組成物を提供すること
である。
【0022】 本発明の医薬組成物は、付加的に、非常に多様な、さらなる医薬活性化合物を
含むことも可能である。好ましい薬剤は、本発明にかかる蛋白質の生物学的およ
び薬理学的活性を阻害せず、また影響を及ぼさない、抗凝固剤である。このよう
な抗凝固剤は、たとえば、ヘパリン、ヒルジンあるいはジクマリン、好ましくは
ヘパリンとすることができる。したがって、付加的に薬理活性化合物、好ましく
は、ヘパリンを含む医薬組成物を提供することが、本発明の形態である。
【0023】 ヒトまたは家畜の治療における用途に関連して、本発明による蛋白質は、分散
剤(「拡散因子」)として作用するか、あるいは、組織や皮膚を通した浸透を助
けることが好ましい。すなわち、マニラーゼは、例えば、腫瘍の化学療法分野に
おいて、急性心筋虚血または梗塞に関する傷害および疾患の治療に対して、たと
えば、眼における生理学的液体の循環を改善する目的で、緑内障およびその他の
眼の傷害の治療に対して、鬱血の除去や循環の改善を目的として、皮膚および組
織移植の治療に対して、皮膚、膜、その他の組織を介した薬剤の送達系として、
ある種の病原微生物またはある種の腫瘍および癌性組織を取り囲むヒアルロン酸
被膜を除去する薬剤として、ならびに、抗血栓薬および抗腫瘍薬として使用する
ことができる血管新生阻害剤として、他の物質(局所麻酔剤など)の佐剤として
、使用することができる。
【0024】 したがって、上ならびに以降に記載する、マニラーゼの、特に、心筋、心臓血
管および血栓性の障害、ならびに腫瘍の治療用の薬剤の製造における使用は、本
発明の形態の一つである。
【0025】 本明細書では、「製薬的に許容される担体」とは、該活性化合物または患者と
有害な反応を起こすことのない、不活性な、非毒性の固形または液体の充填剤、
希釈剤、またはカプセル化材料を意味する。無菌水、食塩水、水性デキストロー
ス、糖溶液、エタノール、グリコール、ならびに、例えば、ピーナッツ・オイル
、ダイズ油および鉱物油など、石油、動物、植物または合成のものを含む油脂類
のような、適合し、好ましくは液体の担体は、当該分野では周知である。
【0026】 本発明による製剤は、非経口投与に一般的な、通常の非毒性の製薬的に許容さ
れる担体、希釈剤、添加物および賦形剤を含む、単回用量として投与することも
可能である。
【0027】 本明細書では、「非経口」という用語は、皮下、静脈内、関節内および気管内
注射および注入法をも含んでいる。経口投与や局所塗布といった、その他の投与
もまた適している。非経口用の組成物および配合物は、公知の手法に従ったボー
ラスの形態、あるいは、均一な融合物として、静脈内に投与することが最も好ま
しい。経口投与用の錠剤およびカプセル剤は、結合剤、充填剤、希釈剤、錠剤化
剤、潤沢剤、崩壊剤、および湿潤剤などの、常用の添加物を含んでいる。錠剤は
、当該分野で周知の方法に従って、コーティングしてもよい。
【0028】 経口用の液体製剤は、水性または油性の懸濁剤、液剤、エマルジョン、シロッ
プ剤またはエリキシル剤の形態としてもよく、あるいは、使用前に水またはその
他の適切な溶剤により再構成するための乾燥製品として提供してもよい。このよ
うな液体製剤には、懸濁剤、乳化剤、非水性賦形剤および保存剤等の、常用の添
加物を含んでもよい。局所塗布剤は、水性または油性の懸濁剤、液剤、エマルジ
ョン、ジェル、あるいは好ましくはエマルジョン軟膏の形態とすることが可能で
ある。
【0029】 本発明による単回用量には、1日に必要とする量の本発明の蛋白質、あるいは
、かかる所望の用量を構成する、細分量を含むことが可能である。所与の対象(
ヒトを含むほ乳類)に対する、最適な治療上許容される用量ならびに投薬速度は
、使用する特異的活性物質の活性、年齢、体重、総体的な健康状態、性別、食生
活、投与の時間および経路、クリアランス速度、酵素活性(単位/mg 蛋白質
)、処置の目的、すなわち、治療または予防、ならびに、治療する疾患の特性な
ど、種々の要素に依存する。
【0030】 したがって、治療する患者(in vivo)において、ヘパリンのような抗
凝固剤などと、組成物および配合物とする際には、本発明の蛋白質(マニラーゼ
)の製薬的な有効な1日当たりの用量は、(100kU/mgの比活性をベース
にして)約0.01〜100mg/kg体重、好ましくは0.1〜10mg/k
g体重の間である。適用形態に従って、単回用量は、0.5〜10mgの間のマ
ニラーゼを含むことが可能である。
【0031】 マニラーゼと一緒に投与する際、たとえば、ヘパリンの濃度は、代表的には、
1日延べで、500〜4000U(IU)であるが、必要であれば、増減するこ
ともできる。
【0032】 本発明のマニラーゼの精製は、実施例に詳しく述べるように、達成できた。表
1は、マニラーゼの調製的精製スキームを示す。表2は、本発明にかかる蛋白質
の濃縮工程を示し、また、表3は、公知のヒルのヒアルロニダーゼとマニラーゼ
の比較を示している。
【0033】 マニラーゼと称する、ヒアルロン酸を分解する酵素は、ヒル Hirudin
aria manillensisの頭部から単離され、そして、均一となるま
で精製した。このヒアルロニダーゼは、酸抽出、硫酸アンモニウム沈澱を用いて
、続いて、陽イオン交換、コンカナバリン A−セファロース、プロピル−フラ
クトゲル、ヒアルロナン フラグメント−セファロース、ならびにDiol−L
i Chrospherカラムによる、一連のクロマトグラフィにより、精製し
た。ヒアルロナン フラグメントは、牛精巣のヒアルロニダーゼによって、天然
のヒアルロナンを切断して、調製した。フラグメントの精製および同定の後、ア
フィニティ・マトリックスを、以下に示したように調製した。このようなアフィ
ニティ・マトリックスは、ヒアルロニダーゼの精製のために、初めて適用された
。この高効率なクロマトグラフィは、ヒアルロナン結合蛋白質の迅速かつ効率的
な精製法である。精製の各工程後、その酵素活性の回収率は、穏当な程度に高か
った。三回の独立した調製用精製における結果は匹敵していた。それらは、精製
の程度に依存して、20〜160kU/mgの間に制御された、高活性の試料と
なっていた。対比実験では、公知のヒアルロニダーゼを、従来技術の示唆に従っ
て精製し、それらの特性を本発明にかかる蛋白質と比較した(表3)。
【0034】 表1のスキームに従って精製されたヒアルロニダーゼは、他の著者等が記載し
ている他のヒルのヒアルロニダーゼとは異なっている。非解離条件下(βメルカ
プトエタノール)においては、同様の分子量が得られ、マニラーゼは、ほ乳類起
源の広範なヒアルロニダーゼ調製物と共通性を有する、単一サブユニット酵素で
あることが示唆される。この最終調製物は、MALDIにより測定される見かけ
の分子量は58±2kDa(図1)、等電点は7.2〜8.0の単一サブユニッ
ト酵素である。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】 表中のアスタリスク(*〜*****)は、活性測定および生化学的同定に関する情
報を意味する。
【0039】 活性測定および生化学的同定に使用される方法は、分析される試料の濃度に依
存する。したがって、それらは、精製の一連の工程に適切な手法によりそれぞれ
進められた。 * −活性測定−濁度低減試験 ** −活性測定−濁度低減試験 −蛋白質含量測定(E280、Pierce BCA法) −SDS−PAGE(SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動) −ヘモグロビン測定 *** −活性測定−濁度低減試験 −蛋白質含量測定(E280、Pierce BCA法) −SDS−PAGE−ウェスタンブロット(抗ヒトヘモグロビン抗体) **** −活性測定−濁度低減試験 −蛋白質含量測定(E280、Pierce BCA法) −SDS−PAGE−ウェスタンブロット 抗ヒトヘモグロビン抗体 −SDS−PAGE−ウェスタンブロット 抗ConA抗体 −SDS−PAGE−ウェスタンブロット 抗ペプチド抗体 ***** −MALDI −蛋白質含量測定(Pierce BCA法) −SDS−PAGE−ウェスタンブロット 抗ペプチド抗体 マニラーゼのコンカナバリンAに対する結合は、このヒアルロニダーゼは糖タ
ンパク質であり、その糖成分は、α−D−マンノピラノシルまたはα−D−グル
コピラノシル、あるいは立体構造的に関連する残基で終端されていることを示し
ている。マニラーゼ活性の試料は、SDS−PAGEにおいて、ほとんど同一の
RF値を有する2本のバンドを示した。より長いSDS−PAGEならびに異な
る泳動条件が、このバンドの更なる分離のために使用された。これらの実験では
、さらに2本の弱いバンドを検出することができた(図2)。それら全てについ
て、そのN末端部分(30アミノ酸)を独立して配列決定し、かかるN末端には
、差異の無いことが再度示された。エンド−F−グリコシダーゼ(PNGase
)により脱グリコシル化に伴い、4本のバンドは、全て、MWが約3kDa減少
した、1本のバンドとなることが実測された。
【0040】 したがって、ほぼ間違いなく、電機泳動の移動度において観察された差異は、
マニラーゼ分子のグリコシル化のパターンにおける差異に因る。ノイラミニダー
ゼ、O−エンド−グリコシダーゼ、ならびにノイラミニダーゼおよびO−グリコ
シダーゼの処理は、精製された酵素の分子量になんらの影響を及ばしていない(
図3)。これらの結果は、マニラーゼは、少なくとも1種のN−結合オリゴ糖鎖
を含んでいることを示している。O−結合炭化水素鎖は、使用した方法では、検
出することができなかった。
【0041】 最終の精製工程として、RP−クロマトグラフィを実施した。さらなる酵素活
性の検出はできないものの、塩ならびにペプチドプロテアーゼ阻害剤を除去する
ことができた(図4)。蛋白質を含む画分を、さらにMALDIを利用して、特
定した。MALDIにより測定されるマニラーゼの分子量は、58.3kDaで
あった。
【0042】 ヘパリンは、このヒアルロニダーゼの活性に対して、なんらの影響をも持たな
い(図5)。マニラーゼは、Hirudo medicinalisのヒアルロ
ニダーゼよりも、何倍も安定である(図6)。さらには、部分精製されたマニラ
ーゼ試料も、イヌならびにラットの血漿中において、変動幅は−20〜+37の
範囲内と、極めて高い安定性を示した。
【0043】 HA−アフィニティ・マトリックスの調製は、文献(Tengblad A., Biochim
. Biophys. Acta, 1979, 578, 281〜289)に記載されている。このHA−マ
トリックスは、同じ原料から、蛋白質あるいはプロテオグリカン蛋白質−硫酸ケ
ラタン核に結合している軟骨ヒアルロニダーゼの精製に使用された(Christner
J.E., Anal. Biochem., 1978, 90, 22〜32)。このアフィニティ・マトリッ
クスにより精製されたHA結合蛋白質(HABP)は、組織中のヒアルロン酸受
容体(Green S.J. et al., J. Cell Science, 1988, 89, 145〜156; Chan
F.L. et al., J. Cell. Biol., 1997, 107, 289〜301)あるいはヒアルロナ
ン(Waldenstrom A. et al., 1991, J. Clin. Invest., 88, 1622〜1628;
Waldenstrom A. et al., Eur. J. Clin. Invest., 1993, 23, 277〜282)の
分布に関した組織化学的研究にさらに使用された。
【0044】 しかし、当研究室で開発された、このゲルの調製法は、正確に決定された濃度
のHAフラグメント(1〜15mg/ml)のゲルの作製を可能とする。代わり
に、これは、かかるゲルを、ヒアルロナン結合蛋白質の精製だけでなく、ヒアル
ロナンに対する、それらの異なる親和性を利用して、それらの分離に使用するこ
とも可能とする。この選択的分離は、異なる長さのHAフラグメントを使用する
ことによって、調節することができる。かかる分離は、(たとえば、腫瘍学にお
いて)生物学的に関連する、多くの受容体の更なる特定をも可能とするであろう
【0045】 記載する方法に従って調製されるHAマトリックスは、 1)既知のHA結合蛋白質の精製、 2)未知のHA結合蛋白質の精製、 3)新規なHA結合蛋白質の同定、 4)ヒアルロニダーゼの精製 に適用することができる。
【0046】 本発明において、記載される方法によって得られるHAフラグメントは、最新
の分析手法(NMR、MALDI−MS)の利用によって特定でき、また、蛋白
質−蛋白質間相互反応に対する研究に応用することができる。さらには、これら
のフラグメントは、脈管形成ならびに血管新生過程に関する研究の際に、利用す
ることもできる。
【0047】 本発明を、下記の実施例によって詳しく述する。しかし、これらの実施例は、
本発明を、実験に使用された、また、実施例に記載されている、一般的な材料、
方法、物理学的変数、化合物、生物学的材料、発現ベクターおよび宿主等に限定
するものではない。特記していない限り、当該分野で周知の標準的な手法、なら
びに通常入手可能な材料を使用した。
【0048】 実施例1(概説): 精製方法を確立する目的で、Hirudinaria manillensi
sの粗抽出物を使用して、数多くの予備実験を実施した。以下の手法:硫酸アン
モニウム沈澱法、陽イオンおよび陰イオン交換クロマトグラフィ、ヘパリン−フ
ラクトゲル、ConA−セファロースを利用するアフィニティ・クロマトグラフ
ィ、オクチル−セファロース、プロピル−、フェニル−、ブチル−フラクトゲル
上における疎水性相互作用クロマトグラフィ(HIC)、調製用等電点集積、な
らびに調製用電気泳動を選択し、検証をした。
【0049】 その結果は、酸およびアンモニウム沈澱、陽イオン交換、ConA−セファロ
ース、プロピル−フラクトゲルHlC、ならびにDiol−Li Chrosp
herおよびヒアルロン酸フラグメント−セファロース(HA−セファロース)
クロマトグラフィが、マニラーゼの精製に適していることを示している。当研究
室において調製されたHA−セファロース・マトリックスは、このグリコシダー
ゼの精製に、有効に使用された。
【0050】 特記しない限り、調製は全て、冷所で実施した。上に示したスキーム(表1)
に従って、精製を実施した。
【0051】 実施例2:−精製用の出発原料の調製;ヒル頭部の調製物。
【0052】 バングラデシュで採取したヒルHirudinaria manillens
isは、すぐに急速凍結し、その後、−40°〜−80°で保存した。それらを
、凍結状態のまま断首したところ、頭部の重さは、全体重の約5%にあたる。
【0053】 実施例3:−ヒル頭部からのマニラーゼの抽出方法 代表的な精製では、凍結したヒル頭部1kgは、チメロサール 0.025%
およびトレハロース(Merck KGaA, Art.No. 1.08216)17mg/mlを含む、
冷却されたpH4.0の0.1M酢酸緩衝液 2500mlと共に、ワーリング
・ブレンダにおいてホモゲナイズした。かかるホモジェネートを、ゆっくり攪拌
しつつ、以下のプロテアーゼ阻害剤を直ちに添加した。
【0054】 1.PMSF 1.7mg/ml 10.0mM 2.ロイペプチン 10.0μg/ml 20.0μM 3.ペプスタチンA 0.7μg/ml 1μM 4.EGTA 380.35μg/ml 1.0mM 5.p−APMSF 40.0μg/ml 20.0μM 冷所で、攪拌を4時間継続し、ついで、4900rpmで20分間遠心した。
上清溶液(上清I)を分取し、その後組織ペレットの抽出によって得られる上清
IIとともにプールした。プールした上清は、工程Iの物質を表す。手順を以下
のスキームにまとめて示す。
【0055】
【表4】
【0056】 *試料の活性測定および生化学的特定は、活性測定法−濁度低減試験ならびに
蛋白質含量測定法(E280、Pierce BCA法、SDS−PAGE)を利
用して実施した。(ヘモグロビン測定キット, Merck kGaA, 13851にて測定し
た)ヘモグロビンおよび他の蛋白質の含量が非常に高いため、ヒルのホモジェネ
ートにおける酵素活性の測定は不可能であった。さらに、ヒアルロニダーゼ活性
は、酸沈澱に先立つ段階においては測定することができなかった。これらの抽出
物の最終的な比活性(蛋白質mg当たりの活性)は、約10〜30WHO単位で
あった。SDS−PAGEによると、この粗抽出物は、多量の異なる蛋白質を含
み、主要なものは、約120、55〜60、45、31、28、22、15なら
びに14〜10kDaの分子量を有していた。
【0057】 実施例4:−工程Iの物質の硫酸アンモニウム沈澱手順 次に、硫酸アンモニウム沈澱方法を、マニラーゼ精製の第1工程として選択し
、この酵素を約5倍に濃縮した。
【0058】 酵素的に不活性な物質を、+4℃で、固形の硫酸アンモニウム(Merck
KGaA)を36%w/vまでゆっくり添加することによって、工程Iの粗抽出
物から沈澱させた。この混合物を1時間攪拌し、遠心した。沈澱物は廃棄した。
上清は、脱イオン水の流水に対して一晩、ついで、20mMリン酸緩衝液pH6
.0に対して24時間透析した。これらの抽出物の最終的な比活性は、約40〜
150WHO単位であった。SDS−PAGEによると、かかる工程IIの抽出
物は、多量の異なる蛋白質を含んでいる。
【0059】 実施例5:−陽イオン交換クロマトグラフィ 陽イオン交換体を、バッチ吸収様式で使用した。酵素を濃縮した透析試料(工
程II)を、一晩、1lのフラクトゲル EMDSO3 - 650(S)陽イオン
交換体、Merck KGaA, Art.No. 16882とインキュベートした。インキュベーショ
ンを遠心により終了した後、緩衝液で陽イオン交換体を洗浄し、再遠心し、次い
で、HPLC−Superformaceカラムにかかるゲルを充填した。20
mMリン酸緩衝液pH4.9でカラムを洗浄した後、結合されている蛋白質を、
0〜1Mの直線勾配のNaClを含む、同リン酸緩衝液pH6.0により、カラ
ムから溶出した。画分を3分毎(9ml)に分取し、280nmにおいて、その
吸光度をモニターした。マニラーゼは、NaCl濃度 0.15〜0.18Mに
て溶出された。画分全体の活性および蛋白含量を測定し、また、該画分をプール
し、アジ化ナトリウムおよびトレハロース17mg/mlを含む20mMリン酸
緩衝液pH6.0に対して一晩透析した。
【0060】 「プール」の蛋白質濃度、比活性の測定、ならびに、SDS−PAGE分析を
実施した。非常に良好な収率(活性)ならびに高い比活性(蛋白質mg当たりの
WHO活性単位、IUに対応)にもかかわらず、試料のSDS−PAGE分析の
結果では、多くの蛋白質の混入がなお示された。フラクトゲル EMDSO3 -
650(S)(登録商標)(Merck KGaA,ドイツ)を利用した陽イオン交換クロ
マトグラフィは、約10〜50と非常に高い精製倍率を与えた。この工程は、ヘ
モグロビン不純物の低減には、非常に有効である。さらに、かかるバッチ法は、
多量となる工程IIの上清(5〜16l)を取り扱うための、非常に有用な初期
の工程となることを見出した。
【0061】 実施例6:−コンカナバリンA−セファロース アフィニティ・クロマトグラ
フィ 陽イオン交換の後、酵素の濃縮されたプールの更なる精製は、ConA レク
チン アフィニティ・クロマトグラフィを利用して行った。市販のPharmacia Bi
otech製、ConA−セファロース(登録商標) Art. 17−0440−01を、0.1
M酢酸緩衝液+NaCl 0.5M pH8.0; ホウ酸0.1M+0.1%
TritonX100 pH6.0 ならびに、最後に、0.1M酢酸緩衝液+
NaCl 0.5mM pH6.0により、洗浄した。試料は、20mM酢酸緩
衝液+NaCl 0.5mM+CaCl2 1mM+MgCL2 1mM pH6
.0+MnCl2 1mMに対して、一晩透析し、室温で1000mlのCon
Aカラムに載せ、ついで、510mlの100mM酢酸緩衝液+NaCl 0.
5M+CaCl2 1mM+MgCL2 1mM pH6.0+MnCl2 1m
M で、2時間溶出した。
【0062】 これに続き、メチル−α−D−マンノピラノシド 0.5Mを含む同じ緩衝液
を利用した離脱を行った。かかる溶出を継続的に280nmにおいてモニターし
た。分取される3ml画分は、ヒアルロニダーゼ活性を評価された。活性な画分
をプールし、アジ化ナトリウムおよびトレハロース17mg/mlを含む20m
Mリン酸緩衝液 pH6.0に対して、一晩透析した。「プール」の蛋白質濃度
、比活性の測定、ならびにSDS−PAGE分析を実施した。この工程は、残存
するヘモグロビンの除去に非常に有効である。かかるConAクロマトグラフィ
は、4〜10倍の精製倍率を与える。出発物質の品質に依存して、この倍率は異
なった。
【0063】 実施例7:−プロピルフラクトゲル 疎水性相互反応クロマトグラフィ ヒアルロニダーゼ活性なConAプールに、硫酸アンモニウムを最終濃度2M
になるまで添加した。次いで、この試料は、硫酸アンモニウム2Mを含む0.1
Mリン酸緩衝液 pH7.0で平衡化した、150mlのプロピル−フラクトゲ
ル EMDプロピル650(S)(登録商標)、Merck KgaA,ドイツ、 Art.No.
1.10085と共に、室温で1時間インキュベートした。インキュベーションの終了
後、かかるゲルは、同一の緩衝液で2回洗浄し、そして、HPLC−Super
formance(2.6cm×60cm)カラムを作製した。結合されている
蛋白質は、0.1Mリン酸緩衝液 pH7.0で溶出した。6mlの画分を、3
分毎に分取し、直接脱イオン水に対して(2〜3時間)、次いで20mMリン酸
緩衝液 pH6.0に対して、透析した。かかる画分は、ヒアルロニダーゼ活性
について評価した。活性な画分を分取し、アジ化ナトリウムおよびトレハロース
17mg/mlを含む20mMリン酸緩衝液 pH6.0に対して、一晩透析し
た。該プールの蛋白質および活性の決定を実施した。
【0064】 このクロマトグラフィ工程の精製倍率は、約3〜5であった。前工程の担体ゲ
ルから遊離した、少量のConAは、他の蛋白質不純物と共に除去された。
【0065】 実施例8:−ヒアルロン酸オリゴ糖 アフィニティカラムの調製 (a)牛精巣ヒアルロニダーゼによるヒアルロナン(HA)の加水分解 ヒアルロン酸、7gを、NaCl 0.15MおよびEDTA 0.5mMを
含む、1.25lの0.1M酢酸ナトリウム緩衝液、pH5.2に、トルエン存
在下、4℃で一晩混合して溶解した。その後、HAを含んだ溶液のpHを、5.
2に調整し、そして、37℃まで加熱した後、牛精巣ヒアルロニダーゼ(Merck
KGaA;700WHO単位/mg)を添加した。HA 7g当たり、使用直前に前
記緩衝液150mlに溶解した、酵素210mgを使用した。加水分解を、絶え
ず攪拌しつつ、37℃、30分間進行させ、そして、沸騰水浴中で100℃に5
分間加熱することによって停止させた。かかる反応混合液は、10000gで3
0分間の遠心により上清化し、残渣を含む変性蛋白質を廃棄し、また、上清を、
ガラスファイバ製プレフィルタを装着した、0.2μmフィルタで濾過した。H
Aオリゴ糖(HAOS)を含む透明な溶液は、以下のように、異なる分子量カッ
トオフ値を有する3種のDiaflo限外濾過膜(Amicon)による濾過で
、分画された。
【0066】 (b)限外濾過によるHAOSの分画 前工程からのHAOSを含む溶液は、30YM Diaflo 限外濾過膜で
濾過した。濾別物は、他の研究用に保存し、一方、濾液は、10YM Diaf
lo 限外濾過膜を通す、第2の限外濾過にかけた。また、濾別物は、他の研究
用に保存し、一方、10YMを通過した溶液は、3YM Diaflo膜での最
後の限外濾過にかけた。その後、HA−OSを含む濾別物、約10mlの溶液は
、さらなる精製に使用した。この画分:HAOS 3−10は、以下の通りに精
製して、そして、さらには、セファロースへの結合に使用した。
【0067】 (c)HAOS 3−10の精製 HAOS 3−10は、Biogel P2(登録商標)カラムで精製(脱塩
)した。このカラム(4cm×100cm)は、Biogel 2 mediu
m(登録商標)、200〜400メッシュ(BioRad)を充填し、5カラム
量の水(Milli Q、 Millipore)で洗浄した。前工程により得
られたHAOS 3−10画分(15ml;オリゴ糖 1.5g)を、このカラ
ムに載せた。該カラムは、水で溶出し;15ml画分を分取し、HAオリゴ糖の
存在について分析した。塩(これは、AgNO3で検出)の前に溶出される、オ
リゴ糖を含む画分は、集められ、そして、3YM Diaflo膜で再度濃縮し
た。
【0068】 (d)HAOS 3−10の分析 セファロースとの結合効率を決定するために、ゲル(同一バッチ)を洗浄し、
50%スラリーを調製するために、水に懸濁した。セファロース−HAOS 3
−10の複合体、ならびに対照として使用するセファロースの懸濁液から、10
0μlの小分けを3連で抜き取り、そして、テフロン(登録商標)製のねじ蓋つ き試験管中に入れた、2.2Nトリフルオロ酢酸(TFA、Merck KgaA)2.5 mlに添加した。加水分解のため、該混合物をアルゴンで置換し、100℃で1 6時間インキュベートした。加水分解の終了時に、試料を窒素下で乾燥し、水に 再懸濁して、グルコサミンならびにウロン酸の測定に使用した。各加水分解につ いて、ウロン酸ならびにグルコサミンの分解の程度を測定するために、既知量の UAあるいはGlcNAcを含む対照試料を含め、同一条件下でインキュベート した。
【0069】 上述の条件下で、2つの独立して実験において、抜き出したセファロースゲル
1ml当たり、5、8、9、11および15mgのHAOS 3−10が、結合
していた。この結果は、UAおよびグルコサミンの測定を基としている。
【0070】 (e)使用した評価法 分析した試料中のウロン酸含量は、Bitter T. and Muir H.M., Anal. Bioche
m., 1962, 4, 330〜334に従って、測定した。
【0071】 ヘキソサミン量は、Rondle C.J.M. and Morgan W.T.J., Biochem. J., 1955
, 61, 586〜593の方法で分析した。
【0072】 実施例9:−ヒアルロン酸フラグメント セファロース クロマトグラフィ(
HA−セファロース クロマトグラフィ) 8〜10mg/mlを含むクロマトグラフィ・マトリックスは、指示通りに調
製した。酵素を含む試料は、20mM酢酸緩衝液+NaCl 0.15M pH
4.0に対して透析し、そして、HA−セファロースカラム25mlに載せた。
同一の緩衝液で洗浄した後、0.15〜1MのNaClの勾配を有する20mM
酢酸緩衝液で、その溶出を行った。
【0073】 1ml画分は、ヒアルロニダーゼ活性測定試験で試験し、プールし、アジ化ナ
トリウムおよびトレハロース17mg/mlを含む20mMリン酸緩衝液 pH
6.0に対して、一晩透析した。プールの蛋白質および活性の測定を実施した。
このクロマトグラフィ工程の精製倍率は、約3であった。
【0074】 実施例10:−Diol−Li Chrospher クロマトグラフィ Milli−Q−H2Oに対して透析した、活性な試料20mlを、Diol
−Li Chrospherカラムに載せた。次いで、このカラムは、Mill
i−Q−H2O 15mlで平衡化し、水2mlで5分間洗浄した。20mM酢
酸緩衝液 pH5.9(勾配、NaCl 0〜5mM)で15分、ならびにNa
Cl 5mMを含み、20mM〜100mMの勾配の酢酸緩衝液 pH5.5で
35分、活性試料の溶出を行った。画分は、ヒアルロニダーゼ活性について評価
した。活性な画分をプールし、アジ化ナトリウムおよびトレハロース17mg/
mlを含む20mMリン酸緩衝液pH6.0に対して、一晩透析した。プールの
蛋白質および活性の測定を実施した。精製倍率:3。
【0075】 実施例11:−RP 18eクロマトグラフィ この精製工程は、最終工程としてのみ使用し、また、塩ならびにその他の蛋白
質不純物(例えば、ペプチド プロテアーゼ阻害剤)を含まない試料を得ること
を目的としている。マニラーゼは、この工程で使用される有機溶媒に対して耐性
ではないため、ヒアルロニダーゼ活性は、完全に消失した。マニラーゼ試料は、
RP 18eカラムに載せた。0.25ml/minの画分を分取した。0.1
%TFAの存在下で溶出を実施し、水対アセトニトリル99%までの勾配を使用
した。RP精製試料は、直接アミノ酸分析、MALDI測定、炭水化物の構造分
析ならびに、その他のマニラーゼ バッチの精製用標準として使用することがで
きる。
【0076】 実施例12:−活性測定−濁度低減試験 ヒアルロニダーゼ活性測定は、濁度低減測定で実施した。(種々の動物組織お
よび体液、例えば、ヒト脊髄、雄鳥の鶏冠から単離された)ヒアルロナンならび
にヒアルロニダーゼ(ウシ精巣、ブタ精巣、蛇毒由来のエンド−β−グルコサミ
ニダーゼ;Streptomyces hyalurolyticus由来の溶
解酵素)の市販の調製物を、適正な活性測定条件の確立のために使用した。Hi
rudo medicinalis由来のエンド−β−グルクロニダーゼは、当
研究室で部分精製した。
【0077】 ヒアルロナン保存溶液(濃度 2mg/ml)は、HAを0.3Mリン酸緩衝
液 pH5.3に溶解することによって調製した。この溶液は、同緩衝液で試験
直前に希釈して、0.2mg/mlの濃度とした。酵素を含む試料は、0.01
%ウシアルブミンおよびNaCl 77mMを含む20mMリン酸緩衝液(酵素
希釈緩衝液)で適切な酵素量(0.5〜5WHO単位)に希釈した。これらの試
料0.1mlに、ヒアルロナン(0.2mg/ml)溶液0.1mlを添加、混
合して、37℃で45分間インキュベートした。試験は2連で行った。アルブミ
ン試薬(80mM酢酸/40mM酢酸ナトリウム緩衝液、pH3.75に溶解し
た0.1%アルブミン)1.0mlによる希釈によって、反応を停止した。室温
または37℃で10分間インキュベートした後、600nmにおける光学密度を
、読み取り、そして、活性は、標準との比較(SLT−プログラム)により、W
HO(IU)単位で表した。ウシ精巣ヒアルロニダーゼのWHO調製物(Humphr
ey J.H., Bull. World Health Org. 1957, 16, 291〜294)を標準として使用
した。
【0078】 実施例13:−蛋白質量の推定 カラム溶出物の蛋白質含量は、280nmにおける溶液の紫外線吸収を測定す
ることによって決定した。プールした画分の蛋白質濃度は、Pierceミクロ
法を利用して決定した。BSA溶液を、対照蛋白質として使用した。
【0079】 実施例14:−SDS−PAGE電気泳動 電気泳動は、Laemmli法(Nature, 1970, 227, 680〜685)に従って
行った。以下のゲル;4%のスタック用ゲルを具えた、4〜20%の勾配あるい
は12.5%の分離用ゲルを使用した。試料は、ドデシル硫酸ナトリウムおよび
β−メルカプトエタノールの存在下、電気泳動した。(Pharmaciaの指
示書に従い)クーマシー・ブリリアント・ブルーによる染色および/または銀染
色を施して、蛋白質を視覚化した。
【0080】 実施例15:−等電点分離 マニラーゼ調製物に対する等電点分離の研究を進めるため、供給者(Phar
macia)が提供するプロトコールを採用した。分離後、(Pharmaci
aのプロトコルに従って)ゲルを固定し、そして、銀染色した。
【0081】 実施例16:−ウサギの免疫血清からのイムノグロブリンの精製(抗ConA
、抗ヘモグロビンならびに抗ペプチド ウサギ抗体) ウサギ血清は、以下の免疫原、コンカナバリンA レクチン、ヘモグロビン混
合物およびペプチド−KLH複合体を使用して、創製した。かかるペプチド配列
は、マニラーゼのN末端部分の14アミノ酸(KEIAVTIDDKNVIA)
と一致させた。
【0082】 かかる血清は、Pharmaciaの標準指示書に従って、プロテインA セ
ファロースカラム(Pharmacia、17−0780−01)で精製した。
IgG試料の純度は、SDS−PAGEおよびELISA試験を利用して調べた
【0083】 実施例17:−ウェスタン−イムノブロット アッセイ 試料の適切な小分けおよび予備染色した既知の分子量の蛋白質マーカを、上述
の通りに、SDS−PAGEにかけた。予備染色したBioRad分子量マーカ
を使用した。蛋白質は、ポリアクリルアミドゲルから固定ポリビニルジフルオリ
ド(PVDF)膜へ、移動緩衝液の存在下100分間、電気泳動的(0.8mA
/cm2)に移動させた。PVDF膜は、ブロック溶液(PBS、pH7.5+
2%無脂肪ミルク)中において室温で1時間インキュベートした。次に、膜をブ
ロック溶液で適切に希釈した抗体と、室温で2時間インキュベートした。膜をT
BS+0.05%Tween20、pH7.5で洗浄し、室温で(第2抗体の)
ヤギ抗ウサギ抗体−アルカリ・ホスファターゼ複合体、BioRadと、室温で
2時間インキュベートした。膜をTBS+Tween20で2回洗浄し、BCI
Pアルカリ・ホスファターゼ基質溶液と、10分間インキュベートした。停止緩
衝液の添加で、反応を停止させた。
【0084】 実施例18:−アミノ酸配列決定 マニラーゼのN末端33アミノ酸残基の配列をエドマン分解によって得た。マ
ニラーゼ活性試料をSDS−PAGEした後、バンドをPDVF膜に移し、クー
マシー・ブルー染色し、切り出し、そして、配列決定した。RP−カラムクロマ
トグラフィを利用する最終精製工程後に得られる試料に対しても、同一のアミノ
酸配列が見出された。
【0085】 実施例19:−酵素活性のpH依存性 (Hirudinaria manillensisならびにHirudo
medicinalisのヒル頭部から単離されたヒアルロニダーゼについて) この実験で使用したヒアルロニダーゼの試料は、Hirudinaria m
anillensisあるいはHirudo medicinalisのヒル頭
部から抽出し、硫酸アンモニウム沈澱および陽イオン交換クロマトグラフィを利
用して部分精製した。500WHO単位/mlを含む各試料を、それぞれ20℃
、+4℃および37℃で、pH2.6〜9.0の範囲(pH2.6〜5までは2
0mM酢酸緩衝液、pH5〜9までは20mMリン酸緩衝液)でインキュベート
した。酵素活性を、1、2および7日のインキュベート期間後に測定した。pH
の酸性ならびにアルカリ性の両端において、両ヒアルロニダーゼについて、同程
度の活性阻害が観測された。しかし、長時間のインキュベーションの間、マニラ
ーゼは、Hirudo medicinalisのヒアルロニダーゼよりもより
安定であった。たとえば、pH7.0、+4℃ならびに37℃で、7日間インキ
ュベーションした後、マニラーゼは、それぞれ当初の活性の75%および60%
を保持していた。同条件でインキュベートした、Hirudo medicin
alisのヒアルロニダーゼは、1日後には既に不活性となっていた。
【0086】 実施例20:−イヌ血清存在下における、ヒアルロニダーゼの安定性測定(H
irudinaria manillensisならびにHirudo med
icinalisのヒル頭部から単離されたヒアルロニダーゼについて) マニラーゼ、Hirudo medicinalisならびにウシ精巣ヒアル
ロンダーゼの試料各5kU/mlを、最終濃度が250U/mlとなるまで、イ
ヌあるいはラットのクエン酸添加血漿で希釈した。次いで、これらの溶液を、−
20℃、+4℃および+37℃で、0〜7日間インキュベートした。緩衝液で希
釈した、同一のヒアルロニダーゼを含む対照を、この実験に含めた。最後に、ヒ
アルロニダーゼ活性を測定した。
【0087】 実施例21:−混入酵素の活性 ヒルのヒアルロニダーゼ精製手順の各段階において、その調製物について、Tw
inig S.S. (Anal. Biochem., 1984, 143, 30〜34)に従って、共通のプロテ
アーゼ基質(Boehringer Mannheim, cat.no. 1080 733)を利用して、蛋白質分
解能を有するその他の酵素に関する検証を行った。
【0088】 実施例22:−ヒアルロニダーゼ活性に対するヘパリンの影響 ヒアルロニダーゼによるヒアルロナンの分解は、還元糖の遊離が生じさせる。
遊離した糖の量は、Parkの変法(Park J. & Johnson M.; J. Biol. Chem.
1949, 181, 149)によって、比色定量した。マニラーゼおよびウシ精巣ヒアル
ロニダーゼの活性に対するヘパリンの影響を評価するため、2種の活性測定を;
1種はヘパリン存在下で、2種はヘパリン無しで、実施した。ヒアルロニダーゼ
試料25μl(3.2WHO単位)を、0〜24単位のヘパリンを含んだ、ヘパ
リン(Liquemin, Fa. Hoffmann LaRoche)溶液25μlとともに、37℃で3
0分間インキュベートした。次に、ヒアルロナン50μl(2.5mg/ml)
を添加して、インキュベートを37℃で30分間続けた。この反応を、100℃
で2分間加熱することによって停止させた。次いで、炭酸塩−シアン化物溶液1
00μlおよびフェリシアン化カリウム溶液100μlを、不活性化処理を行っ
た消化物に添加した。この試料を、沸騰水浴で15分間煮沸し、次いで、氷浴で
冷却した。その後、硫酸第二鉄アンモニウム溶液0.75μlを反応混合物に添
加した。室温で15分間インキュベーション後、発色を、島津分光光度計にて6
90nmで測定した。適切なブランク試料および酵素の入っていない対照が、各
測定に含まれる。分析される試料の種類において、予測される還元糖(グルクロ
ン酸またはN−アセチル−グルコサミン、1〜15μg)を、標準として使用し
た。
【0089】 実施例23:−マニラーゼの脱グリコシル化 マニラーゼの試料を、PNGase F酵素(BioLabs Art.No. 710L)を利用
して、提供者の指示書に従って脱グリコシル化した。脱グリコシル化は、変性な
らびに天然の条件下で行った。O−グリカナーゼ、ノイラミニダーゼ、ならびに
ノイラミニダーゼ+O−グリカナーゼ処理を、Boehringer Mann
heimの標準的処方に従って行った。試料は全て、SDS−PAGEおよび活
性測定試験で特定した。
【0090】 実施例24:−E.coli用発現ベクターの構築(図11) E.coliにおける発現のため、tet プロモータ領域を保持している、
改良型のプラスミドpASK75(Skerra, Gene 151, (1994), pp131〜135
)を使用した。改良は、Xba IとHind III部位の間に、新しいリンカーを
クローニングすることによってなされている。この新しいリンカーには、omp
Aリーダー配列、他のマルチクローニングサイトならびにstrep−tagの代わりに
6×His−tagが含まれている。pASK75にクローニングしたリンカー配列:
【0091】
【化1】
【0092】 マニラーゼの発現ベクターを構築するためには、PCR法によって5’ Cla I
および3’ Eco47 III 制限部位の導入が必要であった。したがって、2種のプ
ライマ: 5’ ATC GAT AAA GAG ATT GCC GTG AC および 3’ GTT GTT TCC GAT GCT AAA GCG CT を使用した。PCR産物は、最初にPCR II ベクター系(Invitrogen)にクロー
ニングし、配列決定した。
【0093】 第2工程では、マニラーゼ遺伝子を、制限部位5’ Cla I および3’ Eco47
III を使用して、改良型pASK75ベクター中にクローニングした。
【0094】 この組換えマニラーゼの発現と、その活性を確認した後、第2のPCR反応に
て、His−tagを除去し、マニラーゼ遺伝子の開始コドンを直接ompAリ
ーダー配列に連結した。このPCR反応用プライマは、 5’ ACC GTA GCG CAG GCC AAA GAG ATT GCC GTG および 3’ CAC GGC AAT CTC TTT GGC CTG CGC TAC GGT であった。
【0095】 実施例25:−Baculo Donorプラスミドの構築(図12) Baculoウイルス発現系においてマニラーゼを発現させるため、Gibco Li
fe Technologies 製 Bac-To-Bac (商標)バキュロウイルス発現系を使用した。
切断系を取得するため、ミツバチのメリチンリーダー配列をマニラーゼ遺伝子に
連結して、また、制限部位5’ BamH I および3’ Kpn I を導入するために、
一回のPCR反応を実施した。
【0096】 5’プライマ: CGG ATC CAT GAA ATT CTT AGT CAA CGT TGC CCT TGT TTT TAT GGT CGT ATA CTA TTC TTA CAT CTA TGC GAA AGA GAT TGC CGT GAC 3’プライマ: AAT GTT GAA GCA TAA GGT ACC PCR産物は、PCR II ベクター(Invitrogen)にクローニングして、配列
決定した。次いで、メリチン−マニラーゼ融合物を、制限部位5’ BamH I およ
び3’ Kpn I を使用して、pFastBacベクターにクローニングした(図
12)。
【0097】 実施例26:−酵母用発現ベクターの構築(図13) 酵母で発現させるため、ピキア・マルチコピー発現系(Invitrogen)を使用し
た。マニラーゼの発現ベクターを構築するために、適切なベクター(pPIC9
K)内へのライゲーション用に、適合する制限末端(5’ EcoR I、3’
Not I)を形成するように、マニラーゼ遺伝子のPCR増幅法を使用した
。したがって、下記のプライマー: 5’ GTA GAA TTC AAA GAG ATT GCC GTG ACA 5’ GAT GCT AAT GTT GAA GCA TAA TGA GCG GCC GC を使用した。
【0098】 ピキア・スフェロプラストに形質転換する前に、発現ベクターは、Sal I で直
線状とする必要がある。
【0099】 実施例26:−E.coliにおける発現 ompAリーダー配列に連結されたSarastatinの構造遺伝子を含む
、pRG72発現ベクター中に入れ、W3110コンピテント細胞を形質転換し
た。細胞を対数増殖中期まで増殖させ、そして、200μg aTC/lを添加
することによってプロモータを誘導した。その1時間後、組換えマニラーゼが明
らかに検出された。
【0100】 実施例27:−組換えバキュロウイルスの創製およびBac−To−Bac発
現系によるマニラーゼの発現 ドナー・プラスミドpTD13によって、mini−attTn7標的部位を
有するbacmidならびにヘルパー・プラスミドを含んでいる、DH10Ba
cコンピテント細胞を形質転換した。ドナー・プラスミドのmini−Tn7部
分は、ヘルパー・プラスミドにより供給される転位蛋白質の存在下、bacmi
d上のmini−attTn7標的部位に転位することができる。組換えbac
midを含んでいるコロニーは、lacZ遺伝子の分断によって同定した。高分
子量のmini−prepDNAを、組換えbacmidを含んでいる選択され
たE.coliクローンから調製し、そして、このDNAを、昆虫細胞へのトラ
ンスフェクトに使用した。
【0101】 詳細な手順書は、発現キットの指示マニュアルに見いだすことができる。
【0102】 実施例28:−酵母での発現 マニラーゼ遺伝子の融合を確認するためには、コロニーをHis+Mut+−変
異体についてスクリーニングする必要がある。
【0103】 単一のコロニーを使用して、1l容フラスコに入れた培地100mlに接種し
た。増殖条件は、28〜30℃、250rpm、OD2〜6までとする。発現を
誘導するために、まず培養液を遠心して、上清を傾瀉し、細胞ペレットを、元の
培養量の1/5を使用して、新しい培地に再懸濁する。24時間毎に、100%
メタノールを最終濃度0.5%となるまで添加して、誘導を維持する。最大6日
間の後、上清を、SDS−Pageおよび活性測定によって分析する。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 標準蛋白質、(Diol−Li Chrospherクロマトグラフィ後の)
マニラーゼ試料のSDS−ポリアクリルアミド・ゲル電気泳動(SDS−PAG
E−CBB染色)を示す図である。 1−広範な標準蛋白質 2−マニラーゼ、4μg 3−Orgelase、6μg 4−ヘモグロビン、40μg
【図2】 HA−アフィニティ・クロマトグラフィ後の−マニラーゼ活性試料、4種(レ
ーン3〜6)についての、 a)SDS−PAGE(CBB染色)および b)SDS−PAGEウェスタンブロットを示す図である。この実験では、ウ
サギP3−2Aポリクローナル抗ペプチド抗体を使用した。
【図3】 以下の試料のSDS−PAGE(CBB)を示す図である。 1−LW−MM−低量分子量マーカ(BioRad) 2−マニラーゼ 3−N−グリコシダーゼF(PNGase F) 4−PNase F処理済みマニラーゼ 5−O−グリコシダーゼ処理済みマニラーゼ 6−O−グリコシダーゼおよびノイラミニダーゼ処理済みマニラーゼ 7−O−グリコシダーゼおよびノイラミニダーゼ 8−分子量マーカ(MWM−予備染色 BioRad)
【図4】 a)標準リボヌクレアーゼ b)マニラーゼ試料(比活性140kU/mg) の逆相クロマトグラフィを示す図である。
【図5】 マニラーゼ(−○−)および牛精巣ヒアルロニダーゼ(−●−)のヒアルロニ
ダーゼ活性に対する、ヘパリンの影響を示す図である。 X軸:IU ヘパリン、Y軸:残存活性 %
【図6a】 緩衝液ならびに血漿中における、ヒアルロニダーゼの安定性の評価を示す図で
ある。図6(a)は、マニラーゼ(4℃)の結果をしめす。 X軸:インキュベーションの日数; Y軸:WHO(IU)単位
【図6b】 緩衝液ならびに血漿中における、ヒアルロニダーゼの安定性の評価を示す図で
ある。図6(b)は、マニラーゼ(−20℃)の結果をしめす。 X軸:インキュベーションの日数; Y軸:WHO(IU)単位
【図6c】 緩衝液ならびに血漿中における、ヒアルロニダーゼの安定性の評価を示す図で
ある。図6(c)は、マニラーゼ(37℃)の結果をしめす。 X軸:インキュベーションの日数; Y軸:WHO(IU)単位
【図6d】 緩衝液ならびに血漿中における、ヒアルロニダーゼの安定性の評価を示す図で
ある。図6(d)は、牛精巣ヒアルロニダーゼ(Y)およびHirudo me
dicinalisのヒアルロニダーゼ(A)の結果の対比をしめす。 X軸:インキュベーションの日数; Y軸:WHO(IU)単位
【図7】 本発明にかかる、Hirudinaria manillensis由来の単
離、精製された蛋白質の配列決定によって得られた、天然マニラーゼのアミノ酸
配列(配列番号:1に対応)を示す図である。
【図8】 組換えマニラーゼ・クローン(クローン21)の塩基(上列)ならびにアミノ
酸配列(配列番号:2、3に対応)を示す図である。
【図9】 組換えマニラーゼ・クローン(クローン31)の塩基(上列)ならびにアミノ
酸配列(配列番号:4、5に対応)を示す図である。
【図10】 組換えマニラーゼ・クローン(クローン31)の塩基(上列)ならびにアミノ
酸配列(配列番号:6、7に対応)を示す図である。
【図11】 E.coli用のマニラーゼ発現ベクターを示す図である。
【図12】 マニラーゼのBaculo用ドナー・プラスミドを示す図である。
【図13】 酵母用のマニラーゼ発現ベクターを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 9/00 C12N 1/15 35/00 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 9/26 Z 1/21 15/00 ZNAA 5/10 5/00 A 9/26 A61K 37/54 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES ,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU, ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,K R,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV ,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO, NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,S I,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA ,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (71)出願人 Frankfurter Str. 250, D−64293 Darmstadt,Fed eral Republic of Ge rmany (72)発明者 コルドウィッツ、 マリア ドイツ連邦共和国 デー−64347 グリー スハイム ハインリッヒシュトラーセ 20 (72)発明者 グェッソウ、 デトレフ ドイツ連邦共和国 デー−63283 ダルム シュタット グラーフェンシュトラーセ 27 (72)発明者 ホフマン、 ウヴェ ドイツ連邦共和国 デー−64342 シーハ イム ホッホシュテッター シュトラーセ 5アー (72)発明者 パキュースカ、 タデウス ポーランド共和国 ピーエル−02−230 ワルシャワ ジュトルツェンキ 87/89 (72)発明者 ガーダス、 アーンジェーイ ポーランド共和国 ピーエル−01−813 ワルシャワ シンフォニー 2/12 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA12 CA04 DA06 DA12 EA02 EA04 GA11 HA01 4B050 CC01 CC03 DD11 FF01C FF03C FF11C FF12C FF14C LL01 4B065 AA26X AA77X AA90Y AB01 AC14 BA02 CA31 CA44 4C084 AA02 AA07 DC01 DC50 MA02 NA14 ZA362 ZB262 4C086 AA01 AA02 AA03 EA27 MA01 MA04 NA14 ZA36 ZA54 ZB26

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その活性はヘパリンによって影響を受けない、ヒアルロニダ
    ーゼの生物学的活性を有し、グリコシル化に応じて、53〜60kDaの分子量
    を有することを特徴とするヒル種 Hirudinaria manillen
    sisから単離された精製蛋白質。
  2. 【請求項2】 分子量58(±2)kDaを有する請求項1に記載のグリコ
    シル化蛋白質。
  3. 【請求項3】 分子量54(±2)kDaを有する請求項1に記載の非グリ
    コシル化蛋白質。
  4. 【請求項4】 等電点7.2〜8.0を有する請求項1〜3のいずれかに記
    載の蛋白質。
  5. 【請求項5】 図7に示す配列番号1のアミノ酸配列を有する請求項1〜4
    のいずれかに記載の蛋白質。
  6. 【請求項6】 比活性>100kU/mg蛋白質の酵素比活性を有する請求
    項1〜5に記載の蛋白質。
  7. 【請求項7】 以下の工程: (i)Hirudinaria manillensis種のヒルの頭部を酸
    緩衝液でホモゲナイズし、遠心する工程、 (ii)工程(i)の上清を硫酸アンモニウムで沈澱する工程、 (iii)陽イオン交換クロマトグラフィの工程、 (iv)コンカナバリンAアフィニティ・クロマトグラフィの工程、 (v)疎水性相互作用クロマトグラフィの工程、 (vi)ヒアルロン酸フラグメントをコーティングしたマトリックスによるア
    フィニティ・クロマトグラフィの工程、 (vii)ゲル濾過クロマトグラフィの工程、ならびに、 場合によって (viii)精製蛋白質の酵素的または化学的脱グリコシル化の工程をも含ん
    でなる、請求項1〜6に規定する蛋白質を単離、精製する方法。
  8. 【請求項8】 その活性はヘパリンによって影響を受けない、ヒアルロニダ
    ーゼの生物学的活性を有し、かつ、グリコシル化に応じて、53〜60kDaの
    分子量を有し、請求項7の製造工程によって取得可能な蛋白質。
  9. 【請求項9】 比活性>100kU/mg蛋白質の酵素比活性を有する請求
    項8に記載の蛋白質。
  10. 【請求項10】 請求項1ならびに9の蛋白質をコードするDNA配列。
  11. 【請求項11】 図8(配列番号2)、図9(配列番号4)ならびに図10
    (配列番号6)に記載される、いずれかの塩基配列を含んでなる、請求項8の蛋
    白質をコードするDNA配列。
  12. 【請求項12】 請求項11のDNA配列のいずれかによってコード化され
    ている、ヒアルロニダーゼの生物学的活性を有する組換え蛋白質。
  13. 【請求項13】 ヒアルロニダーゼの生物学的活性を有し、グリコシル化に
    応じて分子量55〜59kDaを有し、図8、9ならびに10に記載されるアミ
    ノ酸配列(配列番号3、5、7)のいずれか、あるいは、前記配列と少なくとも
    80%の相同性を有するアミノ酸配列を有する組換え蛋白質。
  14. 【請求項14】 請求項10または11のDNA配列を含んでなる発現ベク
    ター。
  15. 【請求項15】 請求項14のベクターで形質転換され、請求項12または
    13の蛋白質の発現に適合する宿主細胞。
  16. 【請求項16】 医薬としての、請求項1〜6、8、9、12および13の
    いずれかに記載の蛋白質。
  17. 【請求項17】 請求項16の蛋白質と、その製薬学的に許容される希釈剤
    、担体または添加物とを含んでなる医薬組成物。
  18. 【請求項18】 付加的に、薬理学的活性化合物をさらに含んでなる医薬組
    成物。
  19. 【請求項19】 該薬理学的活性化合物はヘパリンであることを特徴とする
    請求項18に記載の医薬組成物。
  20. 【請求項20】 心筋の、心血管の、ならびに血栓性の疾患および腫瘍の治
    療用の医薬製造における、請求項1〜6、8、9、12および13のいずれかに
    記載の蛋白質の使用。
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