JP2003501460A - 癌治療 - Google Patents

癌治療

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Abstract

(57)【要約】 進行したまたは大きい腫瘍患部を有する、ヒトを含む哺乳動物を治療する方法を提供する。本方法は、存在する進行した腫瘍または大きい腫瘍を根絶するのに有効な量で、免疫療法剤を腫瘍成長制限剤と一緒に投与することを含む。好ましい実施形態では、免疫療法剤は、T細胞同時刺激性の細胞接着分子(CAM)か、またはB7.1等のT細胞同時刺激性のCAMをコードするDNAを含む哺乳類発現ベクターを含み、腫瘍成長制限剤は、酢酸フラボン、5,6−ジメチルキサンテノン−4−酢酸、または低酸素誘導因子−1(HIF−1)の発現または活性を乱す薬剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、癌と闘うために組合わせた治療薬の使用に関する。特に、本発明は
、進行癌および大きい腫瘍患部に対して有効な治療薬の組合わせに関する。
【0002】 発明の背景 進行癌および大きい腫瘍患部は、治療剤よる治療では治りにくい。これらの同
じ薬剤が、小さい腫瘍に対して有効な場合もあるが、それらの使用によって、大
きい腫瘍を完全に根絶することはない。大きい腫瘍は阻止されずに成長しつづけ
る恐れがあったり、あるいは、再成長が身体の免疫系に認識されない。
【0003】 さらに、腫瘍は、治療剤の効果および/または身体それ自身の免疫応答を制限
する、防御機能および生存機能を獲得する。理由は不明であるが、大きい腫瘍患
部は、抗腫瘍細胞障害性Tリンパ球応答の発生を減じるか遅らせるかのいずれか
であると考えられる。免疫療法においてT細胞同時刺激性の細胞接着分子の遺伝
子導入は、非常に小さい腫瘍のみに有効であり、且つ弱い抗腫瘍全身性免疫を生
じるにすぎない。
【0004】 本発明の目的は、大きい腫瘍患部の免疫療法に対する抵抗性を少なくとも部分
的に克服する、治療に役立つ組合わせを提供すること、または、少なくとも、癌
の治療における有用な選択を人々に提供することにある。
【0005】 発明の概要 従って、第1の態様において、本発明は、進行した腫瘍患部または大きい腫瘍
患部の進行を遅延または前記患部の根絶に単独では効果のない免疫療法剤と腫瘍
成長制限剤とを、進行したまたは大きい腫瘍患部を有するヒトを含む哺乳動物に
一緒に投与することを含む治療方法を提供する。
【0006】 さらなる態様では、本発明は、存在する進行したまたは大きい腫瘍を根絶する
のに両方合わせて有効な量で、免疫療法剤および腫瘍成長制限剤を、上記患者に
投与するステップを含む、癌患者を治療する方法を提供する。
【0007】 さらなる態様において、本発明は、上記免疫療法剤で治療するとき、免疫療法
剤と組み合わせて、存在する進行したまたは大きい腫瘍を根絶するのに有効な量
の腫瘍成長制限剤を、上記患者に投与するステップを含む、癌患者に存在する腫
瘍に対する、免疫療法剤の活性を強化する方法を提供する。
【0008】 さらなる態様において、本発明は、上記腫瘍成長制限剤をその後投与したとき
、上記腫瘍成長制限剤と共同して、存在する進行したまたは大きい腫瘍を根絶す
るのに役立つ量の免疫療法剤を、上記腫瘍成長制限剤で治療される患者に前投与
するステップを含む、癌患者に存在する腫瘍に対する、腫瘍成長制限剤の活性を
強化する方法を提供する。
【0009】 本明細書で使用する用語「免疫療法剤」は、患者に投与したとき、全身性抗腫
瘍免疫応答を生じる調製物を意味する。
【0010】 好ましくは、本調製物は、DNAを含み、且つ一般には、免疫療法剤は、全身
性抗腫瘍免疫応答を引き起こす特性を腫瘍組織に与えるために、1つまたは複数
の部位にて腫瘍に注入される製薬上許容できるDNAの調合物である。
【0011】 本明細書で使用する用語「腫瘍成長制限剤」は、血管形成を阻害または防止す
ることを含む、腫瘍への血流を減少させることにより、患者における腫瘍成長を
制限または防止する薬剤を意味する。このような薬剤は、血流減少に加えて、他
の抗腫瘍免疫調節活性も有してもよい。
【0012】 免疫療法剤は、好ましくは、T細胞同時刺激性の細胞接着分子(CAM)をコー
ドするDNAを、さらに好ましくは適当な発現ベクターに、含む。CAMは、B
7.1、B7.2または異種(ヒト)形状のインテグリンリガンド、またはそれ
らの組合わせであることが最も好都合である。
【0013】 腫瘍成長制限剤は、キサンテノン4酢酸(XAA)の類似体または酢酸フラボ
ン(FAA)であることが好都合である。XAA類似体である5,6−ジメチル
キサンテノン−4−酢酸(DMXAA)が特に好ましい。
【0014】 あるいは、腫瘍成長制限剤は、低酸素誘導因子−1(hypoxia-inducible fact
or-1; HIF−1)の発現または活性を乱す薬剤であってもよい。これは、アン
チセンス療法によって、特にHIF−1のアンチセンスバージョンをコードする
発現ベクターの投与によって便利に実現することができる。
【0015】 免疫療法剤は、腫瘍成長制限剤の前に投与されることが好ましい。さらに好ま
しくは、免疫療法剤は、腫瘍成長制限剤投与の12〜48時間前に投与される。
最も好ましくは、免疫療法剤の投与は、腫瘍成長制限剤投与のおよそ24時間前
に行われる。
【0016】 好ましい実施形態では、本発明の方法は、追加の腫瘍成長制限剤の投与をさら
に含んでもよい。この薬剤は、低酸素誘導因子−1(HIF−1)の発現または
活性を乱す薬剤であってもよい。これは、アンチセンス療法によって簡便に実現
することができる。
【0017】 さらなる態様において、本発明は、上記免疫療法剤と腫瘍成長制限剤の両者が
、別個の容器内に入った化学療法パックを提供する。
【0018】 さらなる態様において、本発明は、進行したまたは大きい腫瘍に対する免疫療
法剤の活性を強化するための医薬調合物における、腫瘍成長制限剤の使用を提供
する。
【0019】 さらなる態様において、本発明は、進行したまたは大きい腫瘍に対する腫瘍成
長制限剤の活性を強化するための医薬調合物における、免疫療法剤の使用を提供
する。
【0020】 本発明は大まかに上の通りに説明されるが、当業者は、それに限定されないこ
と、および上記説明で実施例が提供される実施形態も含むことを理解するであろ
う。さらに、本発明は、添付の図面を参照することにより、よりよく理解される
であろう。
【0021】 発明の詳細な説明 上記の通り、おおまかには、本発明は、進行したまたは大きい腫瘍患部を有す
る患者を治療するための組合わせ療法を提供する。
【0022】 進行した腫瘍成長は、腫瘍が、身体の全身性抗腫瘍免疫応答に抵抗できる不明
のメカニズムを獲得できる能力を伴うことに注目してきた。化学療法剤または癌
治療の他の手段を投与することにより、最初は腫瘍成長を退縮させることが可能
であるが、身体の免疫応答は、身体から根絶されていなかった腫瘍形成組織の再
成長を防止または制限することはできない。
【0023】 発明者は、進行したまたは大きい腫瘍患部の長期治療に無効であることが以前
に証明された免疫療法と化学療法とを併用することにより、腫瘍の退縮は、強い
全身性抗腫瘍免疫応答の刺激と組合わせられると判定した。
【0024】 従って、使用する2つの治療薬は、相乗的に作用して、それぞれの既知の特性
から予測される作用を凌ぐ併用効果を提供する。このことは、当然好ましいこと
であり、免疫療法剤がT細胞同時刺激性の細胞接着分子(CAM)かまたはイン
テグリンリガンドをコードするDNAの調製物であり、腫瘍成長制限剤がDMX
AA等のキサンテノン4酢酸(XAA)の類似体または酢酸フラボン(FAA)
であるか、低酸素誘導因子−1(HIF−1)の活性の発現を乱す薬剤である場
合、特に当てはまる。
【0025】 B7.1、B7.2を含むT細胞同時刺激性の細胞接着分子(CAM)、およ
び異種(ヒト)形状のインテグリンリガンドであるVCAM−1、MAdCAM
−1、およびICAM−1の最適化された遺伝子導入は、確立された小さい腫瘍
の迅速且つ完全な拒絶を引き起こすことが証明されている。長期全身性抗腫瘍免
疫が、ヒトEカドヘリン等の他の細胞接着分子は、腫瘍成長を遅らせる弱い能力
を有するにすぎない。しかし、CAM仲介免疫療法は、小さい腫瘍のみに有効で
あり、且つ弱い抗腫瘍全身性免疫を引き起こすに過ぎないため、問題が多い。大
きい腫瘍患部は、抗腫瘍細胞障害性Tリンパ球(CTL)の発生を減じるか遅ら
せて、腫瘍を免疫療法に対して抵抗性にすることができる。
【0026】 抗癌薬酢酸フラボン(FAA)および5,6−ジメチルキサンテノン−4−酢
酸(5,6-dimethylxanthenone-4-acetic acid; DMXAA)は、投与したとき、
腫瘍サイズの初期縮小を引き起こすが、その後、腫瘍は抑制されずに成長し、両
試薬は、弱く且つ効果のない抗腫瘍CTL応答を生じさせる。DMXAAおよび
FAAは、出血性壊死につながる腫瘍血流の減少、ならびにサイトカイン類、一
酸化窒素、および活性化ナチュラルキラー細胞を含む多数の免疫調節因子の誘導
を含む幾つかの経路を経て、抗腫瘍活性を発揮すると考えられる。しかし、どち
らの薬剤も所望の抗腫瘍全身性免疫を生じさせることができず、大きい腫瘍患部
に対して無効である。
【0027】 従って、これらの薬剤の併用投与は、進行したまたは大きい腫瘍を根絶するの
にも抗腫瘍全身性免疫を生じさせるのにも有効であるという、発明者の発見は意
外であり、癌治療における顕著な進歩を表すものである。
【0028】 免疫療法剤は、ヒト(Genbank U82483)またはマウス(Gen
bank L21203)MAdCAM−1、ヒトVCAM−1(Genban
k M60335)、ICAM−1(Genbank J03132)、マウス
(Genbank X06115)またはヒト(Genbank L08599
)E−カドヘリン、B7.1(Genbank AF065896)またはB7
.2(Genbank L25606)をコードするDNA(通常はcDNA)
であってもよく、を含んでもよい。このようなcDNAは合成することができ、
または商業的にまたは他のソースから入手してもよい。たとえば、ヒトVCAM
−1は、R & D Systems,Abingdon,UKから入手でき、
ヒトICAM−1は、Human Genome Sciences,Inc.
(HGS)から入手できるが、7.1は、Dr P Linsley,Bris
tol−Myers− Squibb,Seattle,Washington
,USAから提供してもらうことができる。
【0029】 その他のcDNAのソースは以下の通りである。 ヒトMAdCAM−1:HGSから。 マウスMAdCAM−1:Dr Eugene Butcher,Stanf
ord University,Stanford,USAから。 ヒトE−カドヘリン:Drs Rimm and Morrow,Yale
University School of Medicine,New Ha
ven,CT,USAから。 マウスE−カドヘリン:DrMTakeichi,KyotoUnivers
ity,Kyoto,Japanから。 ヒトB7.2:Dr Gordon Freeman,Dana Farbe
r Cancer Institute,Boston,MD,USAから。
【0030】 本発明の好ましい実施形態では、免疫療法剤は、哺乳類発現ベクターの形態で
投与される。熟練者に入手可能なこのようなベクターのいずれを選択してもよい
が、代表的なベクターとしては、pCDNA3およびpCDM8等の発現プラス
ミド、ならびにアデノウイルス系ベクターおよびレトロウイルス系ベクター(た
とえば、pLXSNおよびpLNCX)などがある。
【0031】 あるいは、哺乳類発現ベクター以外の他の形態で、免疫療法剤を直接投与して
もよい、すなわち、免疫療法剤が遺伝子療法を使用して投与されることは必須で
はない。たとえば、細胞表面に付着させることができるT細胞同時刺激性のCA
Mタンパク質を全身投与することが可能である。
【0032】 腫瘍成長制限剤は、少なくともある程度、腫瘍血流を制限することによって抗
腫瘍作用を発揮する、入手可能な薬剤のいずれであってもよい。薬剤は、他の、
同様に強力な、免疫調節特性を含む抗腫瘍特性も有してもよい。
【0033】 本発明の幾つかの好ましい実施形態では、腫瘍成長制限剤は、FAAか、また
はXAAの機能的類似体である。DMXAAが特に好ましい。XAAの好ましい
類似体は、式(I):
【化1】 で表されるものか、または製薬上許容できる塩またはそのエステルであり、式中
、R1、R2およびR3は、H、Cl〜C6アルキル、ハロゲン、CF3、CN、NO 2 、NH2、OH、OR、NHCOR、NHSO2R、SR、SO2RまたはNHR
からなる群からそれぞれ独立に選択され(式中、各Rは独立に、ヒドロキシ、ア
ミノおよびメトキシから選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換
されたCl〜C6アルキルである)、またR1、R2およびR3は、それぞれ可能な
位置1〜8のいずれに存在してもよく、 また、式(I)の各炭素環式芳香族環において、最高2つのメチン(−CH=)
基はアザ(−N=)基で置き換えられていてもよく、 また、R1、R2およびR3のうちいずれか2個は、さらに、基−CH=CH−C
H=CH−を一緒に表すことができ、この基が結合する炭素原子または窒素原子
と一緒に、縮合した芳香族6員環を形成する。
【0034】 代わりの好ましい実施形態において、腫瘍成長制限剤は、低酸素誘導因子−1
(HIF−1)に抗して向けられる薬剤、特にHIF−1の発現または活性を乱
す薬剤である。(HIF−1は、低酸素を感知して、腫瘍血管の生成を刺激する
低酸素誘導性遺伝子のスイッチを入れるのに関与する転写因子である。)これは
、アンチセンス療法によって、特に、HIF−1のアンチセンスバージョンをコ
ードする発現ベクターの投与によって、簡便に行うことができる。従って、1つ
の好ましい実施形態では、本発明の方法は、HIF−1のアンチセンスバージョ
ンをコードする発現ベクターの投与と組み合わせた、免疫療法剤B7.1または
これをコードする発現ベクターの投与を含む。
【0035】 使用することが可能な他の腫瘍成長制限剤としては、αvβ3インテグリンお
よび関連タンパク質を標的とする試薬、エンドスタチンタンパク質およびcDN
A、アンギオスタチンcDNA、IL−12cDNA、VEGFおよびそれらの
受容体Klk−lおよびFlt−1を標的とするアンチセンス構築物、アンギオ
ゲニン、ウロキナーゼプラスミノーゲンアクティベーター(uPA)およびカル
レチクリンなどがある。本発明の方法で使用することができる他の抗血管形成性
試薬としては、VHLキャリアーペプチド、または低酸素誘導性経路を阻害する
抗HIF scFvキャリアーペプチド等の細胞透過性タンパク質;または血管
形成に必要なインテグリンαvβ3を減ずるインテグリンβ−3細胞質ドメイン
キャリアーペプチドなどがある。
【0036】 免疫療法剤および腫瘍成長制限剤は、当技術分野で既に知られている各薬剤に
適した調製物を使用して、適当な剤形で投与することが可能である。投与可能な
剤形および必要な投与量は、本発明で使用するために選択された個々の免疫療法
剤および腫瘍成長制限剤によって異なる。
【0037】 たとえば、腫瘍成長制限剤がDMXAAであるとき、DMXAAは、最小有効
量で投与されることが好ましい。特に好ましい実施形態では、DMXAAは、腫
瘍組織に直接注射される。本発明者は、この点に関して、DMXAAを腫瘍に直
接注射することにより、必要な有効量を減少できることも分かった。
【0038】 本出願者は、免疫療法剤および第1の腫瘍成長制限剤に加えて、追加の腫瘍成
長制限剤(特に抗血管形成薬)を都合よく投与することにより、付加的な治療効
果を提供できることも分かった。たとえば、本発明の1つの好ましい実施形態で
は、免疫療法剤B7.1をコードする発現ベクターおよび腫瘍成長制限剤DMX
AAの投与をHIF−1に抗するアンチセンス療法と併用する。
【0039】 また、腫瘍成長制限剤がDMXAAであり、且つ腫瘍に直接注射されるとき、
別の毒性の低い抗血管形成試薬を同時に全身的に投与することが好ましい。
【0040】 次に、説明するための例に過ぎない以下の実験のセクションに関連して、本発
明の態様を説明する。
【0041】 実験 材料および方法 マウスおよび細胞系 6〜9週齢のメスC5713L/6マウスは、Animal Resourc
e Unit,School of Medicine and Health
Science,University of Auckland,Auck
landから入手した。EL−4胸腺リンパ腫およびマウスLewis肺癌細胞
(LLC)(H−2b)は、American Type Culture C
ollection(Rockville,MD)から購入した。これらの細胞
系を、10%ウシ胎仔血清、50U/ml ペニシリン/ストレプトマイシン、
L−グルタミン2mM、1mMピルベートを加えたDMEM培地(Gibco
BRL)中、37℃で、in vitroで培養した。
【0042】 実験的腫瘍モデル。2×105個のEL−4細胞およびLLC細胞をマウスの
左側腹部に皮下注射することによって腫瘍を確立し、2つの直交する直径を測定
することにより、成長を決定した。腫瘍が直径1cmを超えたとき、動物倫理承
認(Animal Ethics Approval)(University
of Auckland)に従って動物を安楽死させた。EL−4腫瘍および
LLC腫瘍は、それぞれ、およそ21日および14日後に、直径0.6〜0.9
に達した。全ての実験に、治療群当たり5匹または匹の6マウスが含まれ、且つ
各実験を少なくとも一度繰返した。
【0043】 投与FAAおよびDMXAA類似物。 FAAは、Department of Health & Human S
ervices,Drug Synthesis & Chemistry l
aboratory,National Cancer Institute,
Bethesda,USAから寄贈された。DMXAAのナトリウム塩は、Au
ckland Cancer Society Research Centr
e,School of Medicine and Health Scie
nce,University of Aucklandで合成された。それぞ
れ、5%(w/v)重炭酸ナトリウムおよび水に溶解したFAAおよびDMXA
Aの溶液を、各実験用に新たに調製し、光から保護した。0.01ml/g体重
の容量で、それぞれ、300mg/Kg体重および25mg/Kg体重のFAA
およびDMXAAを腹腔内注射した。
【0044】 B7.1の遺伝子導入。全長ヒトVCAM−1をコードする相補的DNAは、
R&D Systems,Abingdon,UKから購入し;ヒトB7.2(
Freeman et al,1993)は、Dr G.Freeman,Da
na Farber Cancer Institute,Boston,MD
から提供され;ヒトICAM−1は、Dr J.Ni,Human Genom
e Sciences Inc.,Rockville,MDにより供与され;
マウスB7.1(Chen et al,1992)は、Dr P.Linsl
ey,Bristol−Myers−Squibb,Seattle,WAによ
り提供された。我々は、ヒトMAdCAM−1 cDNAのクローニングおよび
特性決定について、先に報告した(Leung et al,1996)。CA
M pCDM8発現ベクターを塩化セシウム勾配遠心分離で作製し、0.01%
TritonX−100に溶解した5%グルコース溶液で、600μg/mlに
希釈した。これらを、1:3(重量:重量)の比率で、DOTAP陽イオン性リ
ポソーム(Boehringer Mannheim,Germany)と混合
した。腫瘍は、特に記載がなければ、DNA(60μg)/リポソーム複合体1
00μlと共に注射した。
【0045】 B7.1仲介免疫療法とFAA/DMXAA仲介血管系攻撃との併用。直径0
.6〜0.9cmの腫瘍を、DNA(60μg)/リポソーム複合体100μl
と共に多数の部位に注射した。24時間後、上記の通り、DMXAAまたはFA
Aを腹腔内投与した。FAAまたはDMXAAおよびB7.1を投与した6週間
後、無腫瘍のままであった処理マウスに、反対側の側腹部(右側腹部)に皮下注
射することによって、EL−4細胞およびLLC細胞(0.1ml)を再投与し
た。
【0046】 抗腫瘍CTL生成の測定。初回遺伝子導入の21日後および42日後、および
親腫瘍投与の22日後に、脾細胞を収穫した。この脾細胞を、96ウェル丸底プ
レートで、EL−4標的細胞と共に、段階的E:T比で、37℃にてインキュベ
ートした。4−時間インキュベートした後、上澄50μlを回収し、Cyto
Tox 96 Assay キット(Promega,Madison,WI,
USA)を使用して、溶解を測定した。非特異的標的用のバックグラウンド対照
およびエフェクター細胞溶解を含めた。バックグラウンドを減じた後、式:10
0×(実験的−自発的エフェクター−標的自発的標的/最大標的−自発的標的)
を使用して、細胞溶解のパーセンテージを算出した。
【0047】 抗腫瘍CTLの養子免疫細胞移入。抗腫瘍脾細胞の養子免疫細胞移入は既述の
通りであった(Kanwar et al,1999)。簡単に説明すると、治
療の21日後にマウスから得た脾細胞を、1%FCSを含むHanks均衡塩溶
液に再懸濁し、5μg/mlPHAおよび100U/ml組換えマウスIL−2
で4〜5日間刺激した。直径0.6cmの腫瘍を担持する動物に、2×108
の培養脾細胞の腫瘍内注射と腹腔内注射の両者を行った。
【0048】 白血球部分集団の枯渇。遺伝子導入の4日前および、その後、隔日に、300
μg(0.1ml)の53−6.72(抗CD8)、Gk1.5(抗CD4)、
およびPK136(抗NK)mAbを腹腔内および静脈内注射することにより、
マウスからCD8+T細胞、CD4+T細胞およびNK細胞を枯渇させた。ラッ
トIgG(Sigma,USA)を対照抗体として使用した。抗体は、腹水の硫
酸アンモニウム分画であり、FACS(Becton Dickinson &
Co.,CA,USA)染色脾細胞で、少なくとも1:2,000であると滴
定された。個々の白血球部分集団の枯渇は、FACScan分析で決定したとき
、90%以上有効であった。マウスCD8(53−6.72mAb)、CD4(
Gkl.5mAb)、およびNK細胞(PK136mAb)に対するラットハイ
ブリドーマ分泌mAbは、American Type Culture Co
llection,Rockville,MD,USAから購入した。
【0049】 アポトーシス細胞のin situ枯渇。腫瘍を切除し、ドライアイスで即座
に凍結し、−70℃で保存し、厚さ6μmの連続切片を作製した。Boehri
nger Mannheim,Germanyからのin situアポトーシ
ス検出キットを使用して、TUNEL染色を実施した。簡単に説明すると、凍結
した切片をパラホルムアルデヒド溶液(PBS中4%、pH7.4)で固定し、
0.1% Triton X−100および0.1%クエン酸ナトリウムを含む
溶液で透過処理した。洗浄後、これらをTUNEL試薬20μlと共に37℃に
て60分間インキュベートし、蛍光顕微鏡で検査した。壊死細胞とアポトーシス
を受けている細胞とを区別するために、幾つかのスライドをヨウ化プロピジウム
(PI;Sigma,CA,USA)で対比染色した。隣接する切片をヘマトキ
シリン・エオシンで対比染色し、スライドに載せた。アポトーシス細胞または壊
死細胞の総数を計数した。アポトーシス指数(AI)または壊死指数(NI)は
、以下の通りに算出した。AIまたはNI=アポトーシス細胞または壊死細胞の
数×100/有核細胞総数。
【0050】 免疫組織学。治療薬および対照の投与後第7日に腫瘍を切除し、ドライアイス
で凍結し、イソペンタン中で−70℃にて保存し、厚さ10μmの切片を作製し
た。切片をポリL−リシン−被覆スライドに載せ、メタノール中0.3%H22 中で、スライドを30分間インキュベートすることにより、内因性ペルオキシダ
ーゼをブロックした。マウス−オン−マウス免疫検出ABC Eliteペルオ
キシダーゼキット(Vector Laboratories,Burling
ame,CA,USA)を使用して、切片をマウス抗Hsp70mAb(SPA
−810 抗体;StressGen Biotechnologies Co
rp.,Victoria,Canada)で染色した。切片を、SIGMAF
ASTDAB(3,3’−ジアミノベンジジン四塩酸塩)と金属エンハンサーC
oC12錠剤で現像し、ヘマトキシリン・エオシンで対比染色した。対照として
、一次抗体をラットIgG(Sigma,USA)と代えた。
【0051】 統計解析。in vivoで実施した全ての実験を少なくとも一度繰返し、類
似した結果が得られた。結果を、平均値+標準偏差(S.D.)として表し、統
計学的有意性の評価に、Student's t検定を使用した。p<0.05
の値は、統計学的有意性を示し、p<0.001は、極めて有意である結果を示
す。
【0052】 結果 CAM遺伝子単一療法は、大きい腫瘍の成長を抑制することができない。マウ
スに皮下移植されたEL−4細胞(2×105)は急速に成長し、4週以内に直
径1cmの充実性腫瘍を形成する。先に、我々は、B7.1、B7.2、VCA
M−1、およびICAM−1 cDNAでin situトランスフェクトされ
た小さいEL−4腫瘍(直径0.1〜0.3cm)は成長できず、マウスは、少
なくとも2ヶ月間無腫瘍のままであることを証明した(Kanwar et a
l,1999)。対照的に、図1aに示す通り、大きい腫瘍(>0.5cm)は
、B7.1および幾つかの他の同時刺激性CAMに応答した治療に反応しない。
腫瘍成長は遅れるが、腫瘍は結局抑制されずに成長する。
【0053】 DMXAAおよびFAAは、大きい腫瘍の成長を抑制できない。大きいEL−
4腫瘍(直径0.6〜0.8cm)を担持するマウスに、最適用量のDMXAA
およびFAAを全身性投与すると、著しい腫瘍壊死を伴って(以下参照)、腫瘍
サイズは直ちに縮小した(図Ib)。DMXAAは2つの試薬のうちでより強力
であり、3週間にわたって腫瘍を0.1〜0.2に縮小させ、FAA投与動物の
腫瘍は、直径0.2〜0.4cmに縮小した。しかし、28日までに、腫瘍は抑
制されずに成長しはじめ、第6週の間に、動物を屠殺しなければならなかった。
【0054】 B7.1およびDMXAA/FAAの定期配送による併用療法は、大きい腫瘍
を根絶する。死にかけている腫瘍細胞および壊死性腫瘍細胞は、B7.1を十分
に発現することができないため、B7.1pCDM8発現ベクターとDMXAA
/FAAとの同時投与は、CAM仲介抗腫瘍免疫を害する可能性があると、我々
は仮説を立てた。この考えは正しいことが判明したため、確立した腫瘍(直径0
.6〜0.8cm)に先ずB7.1を投与して抗腫瘍免疫を刺激し、1日後にD
MXAAおよびFAAを投与して腫瘍成長を遅らせた。明らかに、腫瘍はB7.
1とDMXAAとの組合わせに応答して、大量の壊死を伴って急速に縮小し、治
療の第3週までに腫瘍が完全に消失した(図1b)。DMXAA−B7.1投与
動物の大きい腫瘍は、完全に治癒した皮膚を残して最終的に剥がれ落ちる痂皮を
形成して、急速に治癒する創傷の様相を呈した。触知できる繊維性のコアである
と考えられるものを残すB7.1治療と違って、DMXAA−B7.1投与動物
の腫瘍部位は完全に治癒した(図1c)。FAAとB7.1との併用で類似した
結果が得られたが、腫瘍は6ヶ月まで完全に消失しなかった。
【0055】 併用療法は、強力で且つ長期の腫瘍特異的細胞障害性T細胞活性を生じさせる
。遺伝子導入の21日後に、処理マウスから得られた脾細胞の抗腫瘍CTL活性
は、B7.1単一療法を受けた動物に対して、B7.1とDMXAAとの組み合
わせで治療した動物で有意に(p<0.001)増大し、B7.1とFAAとの
組合わせで僅かに増大した(図2a)。対照的に、DMXAAおよびFAAのみ
では、空のベクターおよびリポソーム対照の場合にみられるものより高くCTL
酸性を増強したものの、非常に劣るエフェクターであった。
【0056】 先に組合わせ療法で治癒した動物は、モニタリングした40日間、1×107
個の親腫瘍細胞というかなりの投与を完全に拒絶した(図1b、表1)。DMX
AA−B7.1療法もFAA−B7.1療法も完全な防護を提供し、強力な全身
性抗腫瘍免疫が実現したことを示した。DMXAA−B7.1の初回投与の42
日後に、抗腫瘍CTL活性は依然として非常に強く、親腫瘍細胞の再投与後、さ
らに刺激された(図2a)。
【0057】 腫瘍をB7.1で治療したマウスからの脾細胞の養子免疫細胞移入により、レ
シピエントの腫瘍が根絶されることを、我々は以前に報告した(Kanwar
et al,1999)。これと一致して、確立されたEL−4腫瘍(直径0.
8cmまで)を担持するレシピエントに、B7.1−DMXAA投与マウスおよ
びB7.1−FAA投与マウスからの脾細胞2×108個を養子免疫細胞移入す
ることにより、腫瘍が急速且つ完全に退縮した(図2b)。直径0.8cmより
大きい腫瘍は、このような治療に反応しなかった。対照的に、DMXAAまたは
空のベクターを投与したマウスからの脾細胞は、検出可能な抗腫瘍活性を全く示
さなかった。
【0058】 白血球エフェクター群の組成。in vivo抗体ブロッキング試験で、DM
XAA−B7.1またはFAA−137.1のいずれかの併用療法に応答した腫
瘍の一次拒絶は、CD8+T細胞およびNK細胞の存在によって非常に左右され
るが、CD4+T細胞には部分的に左右されるにすぎないことが明らかにされた
。CD8+T細胞およびNK細胞;CD4+およびCD8+T細胞;またはCD
4+/CD8+T細胞およびNK細胞のいずれかの同時枯渇は、抗腫瘍免疫をひ
どく害し、急速な腫瘍成長につながる(図3)。
【0059】 抗腫瘍免疫は腫瘍特異的である。弱い免疫原性LLCで、上記と類似した結果
が得られた。このように、B7.1−DMXAA併用療法は、皮下LLCのマウ
スを完全に治癒し、また、1×105個の親腫瘍細胞投与から全てのマウスを護
り、1×107個の腫瘍細胞投与からマウスの80%を護る、抗腫瘍全身性免疫
を生じさせた(表1)。しかし、EL−4腫瘍が治癒したマウスは、1×104
個のLLC細胞投与に耐えることはできず、逆に、LLCが治癒したマウスは、
1×104個のEL−4細胞投与から護られず、抗腫瘍免疫は腫瘍特異的である
ことを示した。
【0060】 遺伝子投与量効果。FAAもDMXAAも、非常に狭い範囲の高用量(22.
5〜25mg/Kg体重)のみが有効であり、且つ毒性に関して許容できる独特
の「閾値」挙動を有する(Baguley et al,1993;Pedle
y et al,1996)。さらに、我々は、B7.1/pCDM8発現プラ
スミド60μgの遺伝子導入が最適であり、より少量または多量では、効果がは
るかに低いという、B7.1および他の同時刺激性CAMは、制限的な遺伝子投
与量効果を示すことを報告した(Kanwar et al,1999)。遺伝
子高投与量が組合わせ療法を害するかどうかを調査するために、腫瘍に様々な量
(90〜180μg)のB7.1/pCDM8プラスミドを注射した後、最適用
量のDMXAA(25mg/Kg)を投与した(図4a)。全てのマウスは、腫
瘍および2×105個の親EL−4細胞投与を急速に拒絶した。従って、広範囲
の高用量医療用遺伝子および最適用量のDMXAAで、同じ結果が得られた。対
照的に、DMXAA濃度が最適以下であった場合、大量(180μg)のB7.
I/pCDM8発現プラスミドのみが、効果的な抗腫瘍免疫を引き起こすことが
できるというように、遺伝子投与量効果は明らかに明白である(図4b)。
【0061】 B7.1およびDMXAA仲介腫瘍退縮のメカニズム。CAM仲介抗腫瘍免疫
は、パーフォリンリガンド経路とFasリガンド経路の両者を含むCTL活性増
強を伴い、EL−4細胞は、免疫が仲介するプログラムされた細胞死を受けるよ
うに方向付けされていることが示唆されると、我々は以前に報告した(Kanw
ar et al,1999)。この考えは、B7.1遺伝子導入の7、14、
および21日後に作製された腫瘍切片のTUNEL染色によって確認された。壊
死細胞のDNAのみを染色し、壊死細胞とアポトーシス細胞の区別を可能にする
、PIで切片を対比染色した。B7.1免疫療法は、7日に、著しい腫瘍細胞ア
ポトーシス(緑色蛍光)を伴い、遺伝子導入の14日後にピークとなり、21日
に著しい壊死(橙色の蛍光)に代わった(図5a、bおよびf)。対照的に、ア
ポトーシス細胞は非常に少数しか存在しない、DMXAA投与マウスからの腫瘍
切片では、壊死細胞が優勢であった(図5d)。意外なことに、併用療法は、B
7.1単一療法(図5c)と比べて、アポトーシス細胞の数を増加させたが、D
MXAA単一療法で観察されたものと同程度の壊死が存続していた。壊死および
アポトーシス細胞の兆候を全く示さなかった未治療の腫瘍は存在しなかった(図
5e)。
【0062】 我々は、DMXAAに応答してCTLの生成が少し増加することは、ストレス
を受けて死にかけている腫瘍細胞上でアップレギュレートされたヒートショック
タンパク質に応答したCTLの発生によって引き起こされた間接的な効果である
という仮説を立てた。事実、ヒートショックタンパク質70は、血管周囲または
血管付近のいずれの腫瘍細胞上でも、一貫してアップレギュレートされていた(
図6)。同様に、hsp70は、必ずしも血管付近ではないが、B7.1で処理
された腫瘍でアップレギュレートされていた。対照的に、空のベクターのみで処
理された腫瘍では、hsp70発現増大の兆候はなかった。
【0063】
【表1】
【0064】 アンチセンスHIF−1αをコードする発現プラスミドの遺伝子導入は、確立
された腫瘍の拒絶を誘導する。直径0.1cmのEL−4腫瘍をC57BL/6
マウスで確立し、100μgのアンチセンスHIF−1α pcDNA3Bプラ
スミドDNAを含むDNA/リポソームトランスフェクション媒体を注射した。
遺伝子導入の2日後に作製した腫瘍切片の免疫組織化学的分析で、アンチセンス
療法は、成長している腫瘍で内因的に発現されるHIF−1をほぼ完全に阻害す
ることが明らかにされた(図9A)。腫瘍成長を、遺伝子導入後4週間モニタリ
ングした(図10a)。成長パターンを、空のベクター対照100μgを投与し
たマウスと比較した。腫瘍は、対照群で急速に成長し、遺伝子導入の14〜17
日に1cmのサイズに達したが、アンチセンスHIF−1αプラスミドを投与し
た腫瘍は、遺伝子導入の1週間以内に、完全且つ急速に退縮した。マウスは、モ
ニタリングしていたさらなる21日間、無腫瘍のままであった。
【0065】 アンチセンスHIF−1α療法は大きい腫瘍を根絶しないが、その成長を遅ら
せる。 腫瘍は、いったん直径0.3cmに達すると、免疫療法に反応しなくなること
を、我々は以前に証明した。大きい腫瘍に対して、アンチセンスHIF−1α療
法が同様に無効であるかどうかを判定するために、直径0.4cmのEL−4腫
瘍を確立し、アンチセンスHIF−1α発現プラスミド100μgを投与した。
図10bに示す通り、腫瘍成長の有意な(P<0.01)阻害は認められたが、
腫瘍を拒絶したマウスはなかった。全ての腫瘍が2週以内に最終的に直径1cm
に達し、マウスを安楽死させなければならなかった。
【0066】 アンチセンスHIF−1αによる血管攻撃は、B7−1免疫療法と相乗的に作
用して、大きい腫瘍根絶する。ここで、我々は、抗HIF−1α試薬が、併用療
法におけるDMXAAに代わる適当な抗血管形成薬である可能性について考える
。既報1の通り、小さい腫瘍(直径0.1cm)にB7−1発現プラスミドを遺
伝子導入することにより(図10a)、遺伝子導入の1週以内に腫瘍が根絶され
た。B7−1およびアンチセンスHIF−1αを投与された腫瘍の成長パターン
の間に有意差はなかった(P>0.05)。対照的に、大きい腫瘍(直径0.4
cm)は、アンチセンスHIF−1α療法の場合と同様、治療に応答しなかった
(図10b)。先の研究で報告した通り、B7−1遺伝子導入により、腫瘍細胞
の90%でB7−1が発現したため、B7−1療法の失敗は、トランスフェクシ
ョン効率が不十分であった結果ではない。併用療法の場合、直径0.4cmの腫
瘍に、B7−1 100μgを含むDNA/リポソーム複合体を先ず注射し、4
8時間後、アンチセンスHIF−1αプラスミド100μgを注射した。組合わ
せ遺伝子療法により、腫瘍は10日以内に完全に退縮し、マウスは3週間、無腫
瘍のままであった(図11)。全身性抗腫瘍免疫が生じたかどうかを判定するた
めに、治癒したマウスに1×106個の親腫瘍細胞を再投与した。このようなマ
ウスは誘発に抵抗し、少なくとも2ヶ月間、無腫瘍のままであった。
【0067】 対照として、B7−1免疫療法を、センス配向でpcDNA3に挿入されたH
IF−1α cDNA断片をコードする発現プラスミドと併用した。 上記の結果と著しく対照的に、センスHIF−1αはB7−1の治療効果を増強
することができず(図11)、空のベクターを投与された対照マウスと統計学的
に(P>0.05)異ならない結果を示した。
【0068】 アンチセンスHIF−1α療法は、VEGF発現を阻害し、且つ腫瘍血管の密
度を低下させる。HIF−1αアンチセンスがEL−4腫瘍細胞におけるHIF
−1αの発現をダウンレギュレートするのであれば、我々は、VEGF等の下流
エフェクターの発現が廃止されるのかどうかを判定しようと考えた。VEGFの
発現は、アンチセンスHIF−1αに応答して特異的に減少し(図9A、図cお
よびdと比較されたい)、結果として、空のベクターによる偽治療と比較して、
統計学的に有意な(P<0.01)、30%の腫瘍血管密度低下を来たした(図
9BおよびC)。さらに、アンチセンスHIF−1α療法後に存在する腫瘍血管
は小さく且つ形成不良であった。
【0069】 材料および方法 マウスおよび細胞 6〜8週齢のオスC57BL/6マウスは、Animal Resource
Unit,Faculty of Medicine and Health
Science,University of Auckland,Auck
land,New Zealandから入手した。C57BL/6(H−2b)
起源のEL−4胸腺リンパ腫は、American Type Culture
Collection(Rockville,MD,USA)から購入した。
これを、10%ウシ胎仔血清、50U/mlペニシリン/ストレプトマイシン、
2mM L−グルタミン、1mMピルベートを加えたDMEM培地(Gibco
BRL,Grand Island,NY,USA)中、37℃にて培養した
【0070】 発現プラスミド HIF−1αの5’末端をコードする320bpのcDNA断片(ヌクレオチ
ド152〜454;Genbank AF003698)を、鋳型としてのIM
AGEクローン851237、および2つのプライマー(5’ GGG GAT
CCT CTG GAC TTG TCT CTT TC3’および5’GG
G CTC GAG TAA CTG ATG GTG AGC CTC 3’
)を使用して、PCRで作製した。この断片をpGEMT(Promega C
orporation)にクローニングし、次いでBamHI部位およびXho
I部位にてセンス配向で、pcDNA3(Invitrogen Compan
y)にサブクローニングし、XhoI部位およびBamHI部位にてアンチセン
ス配向でpcDNA3Bにクローニングした。ポリリンカーが逆であること以外
は、pcDNA3B発現ベクターはpcDNA3と同じである(Lehnert
et al.,未発表)。全長マウスB7−1をコードする1.2kbのcD
NA断片を含む発現プラスミドB7−1−pCDM8を、Dr P Linsl
ey,Bristol−Myers−Squibb,Seattle,WA,U
SAにより提供されたcDNAクローンから構築した。
【0071】 発現プラスミドの遺伝子導入および抗腫瘍活性の測定 精製プラスミドを、0.01%Triton X−100中5%グルコースの
溶液で希釈し、1:3(重量:重量)の比率で、DOTAP陽イオン性リポソー
ム(効率のよいトランスフェクション媒体である:Boehringer Ma
nnheim,Mannheim,Germany)と混合した。最終プラスミ
ド濃度は、1mg/mlであった。2×105個のEL−4腫瘍細胞をマウスの
右側腹部に注射することによって腫瘍を確立し、2つの直交する直径を測定する
ことにより、成長を決定した。腫瘍が直径1cmを超えたとき、動物倫理承認(
Animal EthicsApproval)(University of
Auckland)に従って動物を屠殺した。腫瘍は、およそ14〜18日後
に、直径0.1cmおよび0.4cmに達し、発現プラスミド100μl(10
0μg)を注射した。併用治療の場合、B7−1/DMXAA併用療法について
上述した通り、試薬は、定期様式で送達した。従って、B7−1 cDNAを先
ず注射し、続いて48時間後にHIFアンチセンス cDNAを注射した。空の
ベクターは、対照試薬の役割を果たした。腫瘍が消失した3週後、1×106
のEL−4細胞を反対の側腹部(左側腹部)に皮下注射することにより、治癒し
たマウスを再攻撃した。全ての実験は、群あたりマウス6匹を含み、各実験は、
少なくとも一度繰返した。結果を、平均値±標準偏差(S.D.)表し、統計学
的有意性の評価にはStudent's t検定を使用した。0.05未満の値
(P<0.05)は統計学的有意性を示す。
【0072】 免疫組織化学 遺伝子導入の2日後に腫瘍凍結切片(10μm)を作製し、アセトンで処理し
、PBSですすぎ、2%BSAで2時間ブロックした。切片を、ハムスター抗B
7−1mAb(1G10,Pharmingen,San Diego,CA,
USA)、マウス抗マウスHIF−1αmAb(H1α67,Novus Bi
ologicals,Inc.,Litleton,CO,USA)、またはV
EGFに対するウサギポリクローナル抗体(Ab−1,Lab Vision
Corporation;CA,USA)のいずれかと共に一晩インキュベート
した。続いて、VECTASTAIN Universal Quick キッ
ト(Vector Laboratories,Burlingame,CA
,USA)を使用して、適切な二次抗体と共に30分間インキュベートし、Si
gma FAST DAB(3,3−ジアミノベンジジン四塩酸塩)およびCo
Cl2エンハンサー錠剤(Sigma)で現像した。Mayerのヘマトキシリ
ンで切片を対比染色し、スライドに載せ、顕微鏡で検査した。
【0073】 血管分布の評価 血管分布の評価方法は、記載33の通りであった。簡単に説明すると、遺伝子導
入の4日後に、新たに凍結した腫瘍から10μmの切片を切り取った。上述の通
り、抗CD31抗体、MEC13.3(Pharmingen,CA,USA)
でスライドを免疫染色した。盲目的に選択されたランダムの視野で、抗CD31
mAbで染色された血管を計数した。
【0074】 産業上の応用性 このように、本発明により、出願者は、進行したまたは大きい腫瘍の根絶に関
して、以前のアプローチより顕著な進歩を示す癌治療法を提供した。本発明によ
り表される進歩は、腫瘍成長制限剤の投与前に、免疫療法剤が適切な期間投与さ
れる場合、特に、目覚しい。この結果、大きい腫瘍患部が完全に根絶され、強力
な抗腫瘍全身性免疫が生じる。
【0075】 当業者は、上記説明が単に例として提供されること、また本発明はそれに限定
されないことを理解するであろう。
【0076】 参考文献
【表2】
【0077】
【表2(つづき)】
【0078】
【表2(つづき)】
【0079】
【表2(つづき)】
【0080】
【表2(つづき)】
【図面の簡単な説明】
【図1】 薬剤DMXAAまたはFAAとB7.1免疫遺伝子とを併用すると、強力な抗
腫瘍全身性免疫を生じさせるが、単一療法は無効である。(A)CAM遺伝子導
入は、大きい腫瘍の拒絶を引き起こすことはできない。直径0.5cmの確立さ
れた腫瘍に、60μgのB7.1、B7.2、ICAM−1、MAdCAM−1
、およびVCAM−1 cDNAを含むDOTAPリポソームを注射した。対照
の動物には、60μgof空のpCDM8ベクター、またはリポソームを投与し
た。各CAMの遺伝子導入は腫瘍成長を遅らせたが、最終的に腫瘍は抑制されず
に成長し、動物を安楽死させなければならなかった。(B)薬剤DMXAAまた
はFAAとB7.1免疫遺伝子とを併用すると大きい腫瘍を根絶する。0.6〜
0.8cmの腫瘍を担持する動物に、0.01ml/g体重の容量で、それぞれ
、300mg/Kg体重および25mg/Kg体重のDMXAAまたはFAAを
腹腔内注射した。併用療法を受けた動物の場合、60μgのB7.1 cDNA
を含むDOTAPリポソームを腫瘍に注射し、DMXAAまたはFAAを24時
間後に投与した。対照の動物には、指示通りに、60μgの空のpCDM8ベク
ター、またはリポソームのみを投与した。遺伝子導入後42日間、腫瘍のサイズ
(cm)をモニタリングした。腫瘍が直径1cmを超えた場合、マウスを安楽死
させた(小さい垂直の矢印で示す)。実験は2回繰返した。42日後、腫瘍が治
癒したマウスに106個の親腫瘍細胞を再投与し(大きい垂直の矢印)、腫瘍再
成長についてマウスをさらに22日間モニタリングした。(C)確立され、治療
された腫瘍を有するマウスの写真。大きい(0.8cm)確立されたEL−4腫
瘍を担持するマウス、およびB7.1およびDMXAAの併用治療後8日および
29日に類似したサイズの腫瘍を担持するマウスを示す。
【図2】 B7.1免疫療法とDMXAA療法を併用するとCTL活性が増強し、これを
養子移入して腫瘍を根絶することができる。(A)異なる治療計画で生じた抗腫
瘍CTL活性の比較。異なる治療計画の21日後に、動物から脾細胞を切除し、
EL−4腫瘍細胞に対する細胞障害性活性について試験した。細胞障害性(%)
を、様々なエフェクターと標的(E:T)との比率に対してプロットした。対照
の動物には、空のpCDM8ベクターまたはリポソームのみを投与した。挿入図
は、親EL−4腫瘍細胞を再投与後、B7.1−DMXAAで治療した42日後
、およびさらに22日後(64日)に、動物から収穫した脾細胞の細胞障害性活
性を示す。(B)確立された腫瘍の根絶;治療マウスからの抗腫瘍CTLの養子
免疫細胞移入。腫瘍内注射および腹腔内注射によって、治療マウスおよび対照マ
ウスから確立された腫瘍(直径〜0.6cm)を担持するレシピエントマウスに
、脾細胞(2×108)を養子移入した。各棒は、マウス5匹または6匹の結果
の平均値+SDを表す。
【図3】 抗腫瘍免疫は、大部分は、CD8+T細胞およびNK細胞により仲介される。
腫瘍(直径〜0.6cm)をマウスに確立し、白血球部分集団の併用療法への寄
与を抗体遮断で試験した。治療の4日前および実験期間中隔日に、(a)CD4
(GK1.5mAb);(b)NK細胞(PK136mAb);(c)CD8(
53−6.72mAb);(d)CD8およびNK細胞;(e)CD4、CD8
、およびNK細胞;および(f)CD4およびCD8に対するmAbを投与した
。各パネル(a〜f)は、抗白血球遮断mAbをラットIgGと代えた対照実験
を含んでいた。腫瘍が直径1cmを超えた場合、マウスを屠殺した(垂直の矢印
で示す)。各棒は、マウス5匹または6匹の結果の平均値+SDを表す。
【図4】 併用療法は、効果的な療法に必要な狭い範囲の治療用試薬投与量を不要にする
。17日後、腫瘍(直径〜0.5cm)を確立し、異なる量のB7.1 cDN
A(90〜180μg)を注射した。24時間後、25mg/Kg体重(上のパ
ネル)および18mg/Kg体重(下のパネル)のDMXAAを腹腔内投与した
。各棒は、マウス5匹または6匹の結果の平均値+SDを表す。
【図5】 B7.1とDMXAA療法に応答した腫瘍細胞死のメカニズムは異なる。治療
の7日後および21日後に、確立された腫瘍からの切片を作製し、アポトーシス
細胞用のTUNEL分析で染色し(緑色蛍光性の細胞は、濃縮され、断片化され
た核を示す)、また、壊死細胞を明らかにするためにヨウ化プロピジウムで対比
染色した(橙色)、×100。代表的な切片(a)B7.1治療の7日後;(b
)B7.1治療の21日後;(c)B7.1−DACCAA併用療法の7日後;
(d)DMXAA投与の7日後;および(e)空の対照ベクター注射の7日後を
示す。B7.1単一療法に応答した腫瘍細胞アポトーシスは、アポトーシス指数
(AI)および壊死指数(NI)で明らかなように(f)、その後壊死したが、
DMXAA単一療法では、試験したとき、腫瘍細胞アポトーシスによる先行は認
められなかった。
【図6】 血管攻撃およびB7.1療法は、腫瘍ヒートショックタンパク質のアップレギ
ュレーションを誘導する。(a)DMXAA、×40;(b)B7.1−DMX
AA併用、×40;(c)B7.1単一療法、×40、(d)B7.1−DMX
AA併用、×60;(e)空のベクター、×60を投与した7日後の、腫瘍にお
けるhsp70発現の免疫組織化学的検出;および(f)(b)と同様の切片を
一次抗体としての対照ラットIgGでも染色した。
【図7】 腫瘍結節1個の治療が、多数の離れた腫瘍結節の根絶につながる。一方の側腹
部に大きい腫瘍(直径〜0.5cm)1個を確立し、直径〜0.2cmの小さい
腫瘍4個を他方の側腹部に確立した。大きい腫瘍にB7−1cDNA発現プラス
ミドを遺伝子導入した後の全身性DMXAA療法は、腫瘍5個全部の拒絶につな
がった。マウスは、35日間、無腫瘍のままであった。いかなる理由であれ、注
射した腫瘍が、注射しなかった腫瘍結節より大きくないければ、腫瘍成長は遅れ
ただけであった。
【図8】 B7−1腫瘍内(IT)注射後の、DMXAA腫瘍内注射。通常の投与量のD
MXAA(25mg/kg)を注射した。対照として、DMXAAの腹腔内(I
P)投与を含めた。白抜きの矢印は、根絶された腫瘍を示し、閉じた矢印は安楽
死させた動物を示す。
【図9】 アンチセンスHIF−1α療法は、HIF−1およびVEGFの発現をダウン
レギュレートし、腫瘍血管の形成を阻害する。(A)アンチセンスHIF−1α
療法によるHIF−1およびVEGFのダウンレギュレーション。直径0.1c
mの腫瘍に、空のベクター(a、c)、またはアンチセンスHIF−1α cD
NA(b、d)のいずれかを含むDOTAPリポソームを注射した。遺伝子導入
の4日後、HIF−1α(a、b)、およびVEGF(c、d)に対するmAb
で褐色に染色した、代表的な腫瘍切片を示す。(B)アンチセンスHIF−1α
療法は、新しい腫瘍血管の形成を阻止する。(a)4日前に、空のベクター(p
cDNA3)またはアンチセンスHIF−1αのいずれかを注射した4cmの腫
瘍から作製した切片を示す。切片内の内皮細胞を抗CD31mAbで染色し、腫
瘍血管を明らかにした(例を矢印で示す)。(C)血管密度の測定。盲目的に選
択したランダムな視野で、抗CD31mAbで染色した血管を計数し、腫瘍にお
ける平均血管密度を記録した。
【図10】 アンチセンスHIF−1α抗血管形成療法を使用する単一療法、およびB7−
1仲介免疫療法は、小さい腫瘍に有効であるにすぎない。0日に、直径およそ0
.1cm(a)および0.4cm(b)の確立された腫瘍に、B7−1 cDN
A、アンチセンスHIF−1α cDNAのいずれかを含むDOTAPリポソー
ム(または対照の動物の場合には、空のベクターを)注射した。遺伝子導入後の
腫瘍のサイズ(cm)を記録した。完全な腫瘍退縮を垂直の矢印で示す。腫瘍が
直径1cmを超えた場合、マウスを安楽死させた(星印で示す)。
【図11】 アンチセンスHIF−1α療法とB7.1免疫療法との併用は、大きい腫瘍の
急速な拒絶を引き起こす。直径0.4cmの腫瘍に、B7−1 DNAを含むD
OTAPリポソームを注射し、続いて48時間後、アンチセンス(aHF)また
はセンス(sHF)HIF−1α cDNAのいずれかを注射した。対照の動物
には、空のベクターを注射した。遺伝子導入後の、腫瘍のサイズ(cm)を記録
した。腫瘍が直径1cmを超えた場合、マウスを安楽死させた(星印で示す)。
完全な腫瘍退縮を垂直の矢印で示す。治癒したマウスに1×106個の親腫瘍細
胞を再投与したが、モニタリングした2ヶ月間に、腫瘍は発生しなかった(デー
タ示さず)。
【図12】 三重治療(DMXAA+B7.1+アンチセンスHIF−1療法)と、表示の
他の治療方法を使用して得られた結果を示す。三重治療は、腫瘍の最も迅速な根
絶を生じさせた。単独で、または互いに一緒に投与した抗血管形成性試薬は有効
ではなかった。I.T.=腫瘍内;I.P.=腹腔内.
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/04 A61P 37/04 43/00 111 43/00 111 121 121 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM, HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT ,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW, MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR ,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 チン,ライ‐ミン ニュージーランド国、オークランド、ウェ スト・ハーバー、モネット・グローヴ 9 Fターム(参考) 4C084 AA13 AA20 MA02 NA05 ZB092 ZB261 ZB262 ZC752 4C086 AA01 AA02 BA08 EA16 MA02 MA04 MA07 NA05 NA14 ZB09 ZB26 ZC75

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 進行した腫瘍患部または大きい腫瘍患部の進行を遅延させる
    または前記患部を根絶するのに単独では効果のない、免疫療法剤と腫瘍成長制限
    剤とを一緒に投与することを含む、進行したまたは大きい腫瘍患部を有する、ヒ
    トを含む哺乳動物の治療方法。
  2. 【請求項2】 免疫療法剤および腫瘍成長制限剤を、進行したまたは大きい
    腫瘍の根絶に両方あわせて有効な量で、癌患者に投与するステップを含む、癌患
    者を治療する方法。
  3. 【請求項3】 免疫療法剤で治療するとき、前記免疫療法剤と組み合わせて
    、進行したまたは大きい腫瘍を根絶するのに有効な量の腫瘍成長制限剤を、癌患
    者に投与するステップを含む、癌患者に存在する腫瘍に対する免疫療法剤の活性
    を強化する方法。
  4. 【請求項4】 腫瘍成長制限剤をその後投与したとき、前記腫瘍成長制限剤
    と組み合わせたときに、進行したまたは大きい腫瘍を根絶するのに役立つ量の免
    疫療法剤を、前記腫瘍成長制限剤で治療すべき患者に予め投与するステップを含
    む、癌患者に存在する腫瘍に対する腫瘍成長制限剤の活性を強化する方法。
  5. 【請求項5】 前記免疫療法剤が、T細胞同時刺激性の細胞接着分子(CA
    M)、またはT細胞同時刺激性CAMをコードするDNAを含む哺乳類発現ベク
    ターを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記CAMが、B7.1、B7.2および異種(ヒト)形状
    のインテグリンリガンド、およびそれらの組合わせからなる群から選択される請
    求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記CAMがB7.1である請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記腫瘍成長制限剤が、キサンテノン4酢酸(XAA)の類
    似体または酢酸フラボン(FAA)である請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    方法。
  9. 【請求項9】 前記腫瘍成長制限剤が、5,6−ジメチルキサンテノン−4
    −酢酸(DMXAA)である請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記腫瘍成長制限剤が、低酸素誘導因子−1(HIF−1
    )の発現または活性を乱す薬剤である請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法
  11. 【請求項11】 前記腫瘍成長制限剤が、HIF−1のアンチセンスバージ
    ョンをコードする発現ベクターである請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 腫瘍成長制限剤の投与前に、前記免疫療法剤が投与される
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 【請求項13】 腫瘍成長制限剤投与の12〜48時間前に、前記免疫療法
    剤が投与される請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記方法が、追加の腫瘍成長制限剤の投与をさらに含む請
    求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記追加の腫瘍成長制限剤が、低酸素誘導因子−1(HI
    F−1)のアンチセンスバージョンをコードする発現ベクターを含む請求項14
    に記載の方法。
  16. 【請求項16】 進行したまたは大きい腫瘍に対する免疫療法剤の活性を強
    化するための医薬の調製における腫瘍成長制限剤の使用。
  17. 【請求項17】 進行したまたは大きい腫瘍に対する腫瘍成長制限剤の活性
    を強化するための医薬の調製における、免疫療法剤の使用。
  18. 【請求項18】 前記免疫療法剤が、T細胞同時刺激性のCAM、またはT
    細胞同時刺激性のCAMをコードするDNAを含む哺乳類発現ベクターを含む請
    求項16または17に記載の使用。
  19. 【請求項19】 前記CAMが、B7.1、B7.2および異種(ヒト)形
    状のインテグリンリガンド、およびそれらの組合わせからなる群から選択される
    請求項18に記載の使用。
  20. 【請求項20】 前記CAMがB7.1である、請求項19に記載の使用。
  21. 【請求項21】 前記腫瘍成長制限剤が、XAAの類似体または酢酸フラボ
    ン(FAA)である請求項16〜20のいずれか1項に記載の使用。
  22. 【請求項22】 前記腫瘍成長制限剤が、5,6−ジメチルキサンテノン−
    4−酢酸(DMXAA)である請求項21に記載の使用。
  23. 【請求項23】 前記腫瘍成長制限剤が、HIF−1の発現または活性を乱
    す薬剤である請求項16〜20のいずれか1項に記載の使用。
  24. 【請求項24】 前記腫瘍成長制限剤が、HIF−1のアンチセンスバージ
    ョンをコードする発現ベクターである請求項23に記載の使用。
  25. 【請求項25】 別個の容器内に、免疫療法剤および腫瘍成長制限剤を含ん
    でなる化学療法パック。
  26. 【請求項26】 前記免疫療法剤が、T細胞同時刺激性の細胞接着分子(C
    AM)か、またはT細胞同時刺激性のCAMをコードするDNAを含む哺乳類発
    現ベクターを含む請求項25に記載の化学療法パック。
  27. 【請求項27】 前記CAMがB7.1である請求項26に記載の化学療法
    パック。
  28. 【請求項28】 前記腫瘍成長制限剤が、XAAの類似体または酢酸フラボ
    ン(FAA)である請求項25〜27のいずれか1項に記載の化学療法パック。
  29. 【請求項29】 前記腫瘍成長制限剤が、5,6−ジメチルキサンテノン−
    4−酢酸(DMXAA)である請求項28に記載の化学療法パック。
  30. 【請求項30】 前記腫瘍成長制限剤が、HIF−1のアンチセンスバージ
    ョンをコードする発現ベクターである請求項25〜27のいずれか1項に記載の
    化学療法パック。
  31. 【請求項31】 別個の容器内に、追加の腫瘍成長制限剤をさらに含む請求
    項25〜30のいずれか1項に記載の化学療法パック。
  32. 【請求項32】 前記さらなる腫瘍成長制限剤が、HIF−1のアンチセン
    スバージョンをコードする発現ベクターを含む請求項31に記載の化学療法パッ
    ク。
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