JP2003501106A - 魚及び無脊椎動物のためのエネルギー豊富な飼料フレークならびにその製造方法 - Google Patents

魚及び無脊椎動物のためのエネルギー豊富な飼料フレークならびにその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、食品フレークの形態で提供される均質な高脂肪食品、同食品の製造方法ならびに淡水魚及び海水魚ならびに無脊椎動物の成長、摂食及び状態を促進するためのその使用に関する。本発明の食品フレークは、ストレスに対する抵抗力を改善し、好ましくない飼育条件、たとえば池の魚を飼育する場合の夏の高温及び冬の低温による損失を防ぎ、藻の成長を促進する窒素及びリン排泄を減らすために使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 通常、現在では、特に観賞魚用の魚飼料は、比較的小さなエネルギー含量（脂
肪約０．５〜８％）の場合でも同時に比較的高いタンパク質含量（約４０〜５０
％）及びデンプン量（約１６〜３０％）を特徴とする。このような飼料は、魚の
飼育に普通である適用形状（飼料フレーク、浮揚性押出し物、錠剤）で、工業的
に問題なく製造することができ、動物の良好な成長及び十分な栄養摂取をもたら
すことができる。
【０００２】 他方、有用な魚の飼育及び給餌のためには、成長に重要な高いタンパク質含量
の他に、２５％までの脂肪含量を有する押出し物又はペレットの形状のエネルギ
ー豊富な飼料がますます使用されている（BioMar社、会社カタログ「Futterung/
Umwelt - Ecoline」）。動物の所要エネルギーは主として無窒素脂肪（窒素無
含有脂肪）によってまかなわれるため、養魚業におけるそのような飼料の使用は
、より脂肪に乏しい製品と比較して、水を汚染する窒素含有排泄物（アンモニア
、亜硝酸塩、硝酸塩）の減少につながる。したがって、窒素含有タンパク質は、
できるだけ広く成長に役立ち、窒素含有分解産物の形成でエネルギーを得るため
に代謝される必要はない。さらには、脂肪は、魚の栄養摂取におけるエネルギー
担体として炭水化物よりも優れている。理由は、魚は、進化的により高等な動物
とは違い、その代謝特性のせいで、炭水化物を限られた程度しか利用することが
できないからである。したがって、有用な魚の飼育における脂肪豊富な魚用飼料
の使用は、タンパク質の節約及び水汚染物質の排泄の少なさのおかげで、経済的
な利点だけでなく、エコロジー的な利点をも有する。
【０００３】 そのような飼料は、深刻な技術的欠点が前記利点と相対するため、水槽又は池
の中の観賞魚にはこれまで使用されてこなかった。観賞魚栄養摂取における動物
のサイズのために普通である、高い脂肪割合のゆっくりと沈む飼料フレークの製
造は、通常の加工によってフレークを製造するための脂肪豊富な飼料混合物が、
通常に使用されるローラドライヤに粘着し、剥離させて粉砕可能な箔片すること
はできないため、技術的規模ではこれまで不可能であった。
【０００４】 驚くことに今、新規な製造方法により、油脂の形態で高いエネルギー含量を有
するフレーク飼料を製造することができ、ひいては魚の状態を顕著に改善するこ
とができることがわかった。
【０００５】 新規な方法は、たとえば押出し又はペレット成形によって製造することができ
る成形体を圧延して、ゆっくり水に沈む薄い飼料フレークを得ることに基づく。
【０００６】 したがって、エネルギー豊富な飼料フレークを新たな方法で製造し、水槽用の
典型的な観賞魚に対し、低い脂肪含量の従来の標準的飼料との比較において、適
性に関して試験した。異なる２種の観賞魚（Labidochromis caeruleus、Barbus
conchonius）に対する給餌実験で、高エネルギー含量（脂肪３３％）のフレー
ク実験飼料を、対照飼料（脂肪７％）との比較で、水温２５℃の場合で１２週間
、有効性に関して試験した。
【０００７】 結果は、エネルギー豊富なフレーク飼料を適用した場合、対照との比較で、飼
料摂取が明らかに増大し、魚の成長が有意によくなることを実証する。脂肪８％
の試験食との比較で脂肪１８％又は２３％の実験フレークを給餌する場合にも同
様な結果が示される。
【０００８】 したがって、これらの驚くべき新たな発見に関して、脂肪豊富なフレーク飼料
の製造及び使用は、観賞魚の飼育のためにも有利である。
【０００９】 したがって、本発明の主題は、魚及び無脊椎動物のためのエネルギー／脂肪豊
富なフレーク飼料ならびにそれらのフレークの製造及び使用である。
【００１０】 水分含量１〜３０％、好ましくは４〜２５％、特に好ましくは約８％の場合で
脂肪１２〜４０％、好ましくは１２〜２０％、特に好ましくは約１５〜１９％の
形態のエネルギーを均一に分布させて含有する観賞魚用フレーク飼料が好ましい
。加えて、この飼料は、通常の基本成分、たとえばタンパク質２５〜５０％、好
ましくは４３％、デンプン１０〜２５％、好ましくは１３％及び無窒素抽出物（
窒素を含有しない抽出物）１０〜６０％、好ましくは２０％を含む（量の記述は
すべて生成物の重量に関していう）。
【００１１】 エネルギー豊富な飼料フレークの製造のためには、以下に述べる方法にしたが
って、市販されているすべての動物又は植物起源の液体及び固体油脂（たとえば
大豆油、魚油、海獣脂、獣脂、ヒマワリ油、トウモロコシ油）を単独で又は組み
合わせて使用することができる。
【００１２】 魚及び無脊椎動物のためのフレーク飼料のための、高い用量の油脂の形態での
エネルギー添加は、粉末形成成分と液体飼料成分との混合の間に起こる。したが
って、後続の押出し又はペレット成形加工及びそれに続くフレークを得るための
圧延の前に、すでに原料混合物中で均質な分布が保証される。
【００１３】 押出し物の製造の場合、計量した配合成分をミキサの中で油脂の形態の必要量
のエネルギーと均質に混合し、押出しする。それにより、たとえば、エネルギー
豊富な原料混合物の最初の３３０kgを、６０〜９８％、好ましくは７５％のバレ
ル押出し機速度ならびに４０〜１６０℃、好ましくは７５℃のミール導入領域の
温度及び４０〜１９０℃、好ましくは７５℃のノズルヘッド温度で、毎時１〜１
００リットル、好ましくは３０リットルの水を添加しながら押出しして、長さ１
〜５０mm、好ましくは２〜４mm、スティック直径１〜１０mm、好ましくは２〜４
mmの押出し物を得る。
【００１４】 押出し機の出口ノズルの形状及び押出しビレットの所望の断片長によって、等
しい三次元形状の断片が得られる。
【００１５】 続いて、これらの押出し物を直接シリンダミルで圧延して、厚さ１０μm〜５m
m、直径１〜１００mmの、等しい三次元形状を有する均一に成形されたフレーク
を得る。
【００１６】 また、脂肪豊富な原料混合物のペレット成形により、圧延に適した実質的に等
しい三次元形状を有する成形体を得ることができ、これを後で圧延して均一に成
形されたフレークを得ることもできる。
【００１７】 押出しによる成形体の製造の場合、温度を＜８０℃に下げることができる。
【００１８】 この方法の場合、製造後、さらなる加工工程、たとえばエネルギー富化のため
の油脂の吹き付け又はコーティングは、従来のペレットの場合とは違い、不要で
ある。
【００１９】 本発明のさらなる主題は、淡水及び海水における観賞魚の成長、飼料吸収（飼
料摂取）及び状態を促進し、ストレスに対する抵抗力を改善し、好ましくない飼
育条件、たとえば池の魚の飼育の場合には夏の高温及び冬の低温の場合における
損失を防ぎ、藻の成長を促進する窒素及びリン排泄を減らすための、本発明の均
質な脂肪豊富な飼料の使用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ， ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＵ，ＢＡ， ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＣＡ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，Ｄ Ｍ，ＤＺ，ＥＥ，ＧＤ，ＧＥ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＰ，ＫＲ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ， ＬＴ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＸ，ＮＯ，Ｎ Ｚ，ＰＬ，ＲＯ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ Ｆターム(参考） 2B005 GA01 GA02 GA03 JA04 KA01 LA06 LB06 LB07 2B150 AA08 AA20 AB01 AB20 AE01 AE05 AE08 AE29 CE01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】魚及び無脊椎動物のための均質で脂肪豊富なフレーク飼料であ
    って、均一に成形されたフレークの形状で、残留水分１〜３０％の場合で１２〜
    ４０％の脂肪含量を特徴とする飼料。
  2. 【請求項２】 水分含量４〜２５％の場合で脂肪１２〜２０％を均質に分布
    させて含有する、請求項１記載の飼料。
  3. 【請求項３】 水分含量８％の場合で脂肪１８％を均質に分布させて含有す
    る、請求項２記載の飼料。
  4. 【請求項４】 さらなる成分として、タンパク質２５〜５０％、好ましくは
    ４３％、デンプン１０〜２５％、好ましくは１３％及び無窒素抽出物１０〜６０
    ％、好ましくは２０％を均質に分布させて含有する、請求項１〜３のいずれか１
    項に記載の飼料。
  5. 【請求項５】 液体及び／又は固体油脂成分として、大豆油、魚油、海獣脂
    、獣脂、ヒマワリ油、トウモロコシ油又はそれらの混合物を含有する、請求項１
    〜４のいずれか１項に記載の飼料。
  6. 【請求項６】 原料を混合し、原料混合物を押出しして等しい空間形状の成
    形体を得たのち、成形体を圧延して等しい形状のフレークを得ることによって製
    造される、請求項１〜５のいずれか１項に記載の飼料。
  7. 【請求項７】 原料を混合し、原料混合物をペレット成形して等しい空間形
    状の成形体を得たのち、成形体を圧延して等しい形状のフレークを得ることによ
    って製造される、請求項１〜５のいずれか１項に記載の飼料。
  8. 【請求項８】 配合成分を均質に混合したのち、６０〜９８％、好ましくは
    ７５％のバレル押出し機速度ならびに４０〜１６０℃、好ましくは７５℃のミー
    ル導入領域の温度及び４０〜１９０℃、好ましくは７５℃のノズルヘッドの温度
    で、毎時１〜１００リットル、好ましくは３０リットルの水を添加して押出しし
    て、長さ１〜５０mm、好ましくは２〜４mm、スティック直径１〜１０mm、好まし
    くは２〜４mmの押出し物を得たのち、圧延して厚さ１０μm〜５mm、直径１mm〜
    １００mmのフレークを得ることを特徴とする、請求項１〜６のいずれか１項に記
    載の飼料の製造方法。
  9. 【請求項９】 淡水及び海水における観賞魚の成長、飼料摂取及び状態を促
    進するための、請求項１〜７のいずれか１項に記載の飼料の使用。
  10. 【請求項１０】 ストレスに対する抵抗力を改善するための、観賞魚飼育の
    ための、請求項１〜７のいずれか１項に記載の飼料の使用。
  11. 【請求項１１】 好ましくない飼育条件、たとえば池の魚の飼育の場合には
    夏の高温及び冬の低温の場合における損失を防ぐための、観賞魚飼育のための、
    請求項１〜７のいずれか１項に記載の飼料の使用。
  12. 【請求項１２】 藻類の成長を促進する窒素及びリン排泄を減らすための、
    観賞魚飼育のための、請求項１〜７のいずれか１項に記載の飼料の使用。
JP2001502685A 1999-06-14 2000-05-27 魚及び無脊椎動物のためのエネルギー豊富な飼料フレークならびにその製造方法 Pending JP2003501106A (ja)

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