JP2003347826A - 光制御型フェーズドアレーアンテナ - Google Patents

光制御型フェーズドアレーアンテナ

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JP2003347826A
JP2003347826A JP2002155751A JP2002155751A JP2003347826A JP 2003347826 A JP2003347826 A JP 2003347826A JP 2002155751 A JP2002155751 A JP 2002155751A JP 2002155751 A JP2002155751 A JP 2002155751A JP 2003347826 A JP2003347826 A JP 2003347826A
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antenna
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フーリエ変換レンズの前側焦点面上に任意の
形状の光強度分布を容易にかつ高速に生成し所望のパタ
ーンのアレーアンテナ放射ビームを容易に生成する光制
御型フェーズドアレーアンテナを提供する。 【解決手段】 光分岐部で分岐された第1、第2分岐光
の第1分岐光の周波数を変換する光周波数変換器3、周
波数変換された第1分岐光を所望の強度分布で反射する
多数の反射鏡を含む反射型空間光強度変調素子20、変
調素子で反射した第1分岐光を透過するフーリエ変換レ
ンズ30、レンズを透過した第1分岐光と前記第2分岐
光を合成する光合成器35、光合成器の合成光を空間的
にサンプリングする複数の光ファイバを含む光ファイバ
アレー40、アレーでサンプルされた光を光電変換する
複数の光電変換器50、変換器の出力に従い放射ビーム
を発生する複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナ
53を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光波によりアレ
イアンテナから放射するマイクロ波ビームを制御する光
制御型フェーズドアレーアンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図14は、例えば特開平03−0442
02号公報に開示された従来の光制御型フェーズドアレ
ーアンテナのブロック図である。図14において、光放
射器100の内部に設けられたレーザから放射されるビ
ーム光を2つの分岐光に分岐し、一方の分岐光の周波数
をマイクロ波発振器2から入力されるマイクロ波信号の
周波数だけ偏移させて第1のビーム光10として出力
し、他方の分岐光をそのまま第2のビーム光17として
出力する。
【0003】光放射器100から放射された第1のビー
ム光10は、ミラー101を介してイメージマスク10
2に入射され、イメージマスク102を透過する。イメ
ージマスク102は入射された第1のビーム光を、例え
ば扇形ビームパターンなどの所望のアンテナ放射パター
ンのビーム形状に対応したビーム光11に変換して、フ
ーリエ変換レンズ30に放射する。
【0004】一方、光放射器100から放射された第2
のビーム光17は分布調整器103に放射され、分布調
整器103は、第2のビーム光17を所定の強度分布に
調整し、調整後の第2のビーム光17をローカルビーム
光18としてビーム合成器35に放射する。
【0005】光合成器すなわちビーム合成器35は、フ
ーリエ変換レンズ30を透過した第1のビーム光11と
分布調整器103からのローカルビーム光18とを混合
して合成した後、合成光をサンプリング光ファイバアレ
ー40に放射する。
【0006】サンプリング光ファイバアレー40は、所
定の間隔をおいて光ファイバの長手方向が平行になるよ
うに、ある平面に並置された複数N本の光ファイバ41
−1乃至41−Nから成り、このサンプリング光ファイ
バアレーに入射される合成光は、空間的にサンプリング
され各光ファイバを伝搬する。サンプリング光ファイバ
アレー40に入射された合成光は、N本の光ファイバ4
1−1乃至41−Nを介して、各々光電変換器50−1
乃至50−Nに入射される。
【0007】光電変換器50−1乃至50−Nはそれぞ
れ、入射された上記第1のビーム光11と上記ローカル
ビーム光18である第2のビーム光17の差の周波数で
あって、入力されるビーム光11とローカルビーム光1
8との振幅の積に比例し、かつその位相に一致したマイ
クロ波信号に光電変換した後、電力増幅器51−1乃至
51−Nを介し、アレーアンテナ53を構成する直線上
あるいは平面上に並置されるアンテナ素子52−1乃至
52−Nに出力する。
【0008】イメージマスク102をフーリエ変換レン
ズ30の前側焦点面31に、サンプリング光ファイバア
レー40をフーリエ変換レンズ30の後側焦点面32に
設置すると、イメージマスク102のパターンと、サン
プリング光ファイバアレー40のサンプリング面上での
第1のビーム光10のファーフィールドパターンとは、
お互いにフーリエ変換の関係となる。
【0009】さらに、各アンテナ素子52−1乃至52
−Nから放射される各マイクロ波信号強度の分布と、こ
れらが合成されたアレーアンテナ53からの放射ビーム
54のパターンとはお互いにフーリエ変換の関係があ
る。
【0010】以上の様に、フーリエ変換レンズ30透過
時およびアレーアンテナ53放射時の合計2回のフーリ
エ変換が行われるので、アレーアンテナ53からの放射
ビーム54のパターンはイメージマスク102で設定さ
れるパターンに対応する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図14
に示された従来例の光制御型フェーズドアレーアンテナ
は、イメージマスク102を透過させることにより、ア
レーアンテナ53からの放射ビーム54のパターンを設
定しているため、放射ビーム54の放射パターンを変え
るにはイメージマスク102を取り替えなければならな
いため制御の柔軟性に欠け、パターン生成速度が制限さ
れるなどの問題点があった。
【0012】さらに、放射ビーム54を走査するには、
イメージマスク102を動かさなければならず、機械的
な可動部が必要となる等の問題点があった。
【0013】また、前述の公報にはイメージマスク10
2として液晶素子などの透過型空間光強度変調素子を用
いることも可能であると示されている。液晶素子を用い
ることにより制御の柔軟性は向上し、機械的な可動部を
なくすことが可能となるが、一般的な液晶素子の応答時
間は10から数10msecオーダであるため、ビーム
走査またはビーム生成速度も10から数10msecオ
ーダに制限される。また、一般的な液晶素子は温度依存
性があり低温での動作が困難であるため、使用できる環
境が制限される。また、一般的な透過型空間光変調素子
では、アレーを構成する各光変調素子に制御信号を送る
線路により透過光が遮断されるために開口率が制限され
信号強度が弱くなるなど、液晶素子などの透過型空間光
強度変調素子をイメージマスクに用いても様々な課題が
ある。
【0014】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、簡易な構成でフーリエ変換レン
ズの前側焦点面上に任意の形状の光強度分布を容易にか
つ高速に生成することにより、所望のパターンのアレー
アンテナ放射ビームを高速に生成できる光制御型フェー
ズドアレーアンテナを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的に鑑み、この
発明は、レーザから放射した光を第1、第2の分岐光に
分岐する光分岐部と、第1の分岐光の周波数を変換する
光周波数変換器と、周波数変換された第1の分岐光を所
望の空間強度分布で反射する、多数の反射鏡を含む反射
型空間光強度変調素子と、この反射型空間光強度変調素
子で反射した第1の分岐光を透過するフーリエ変換レン
ズと、このフーリエ変換レンズを透過した第1の分岐光
と前記第2の分岐光とを合成する光合成器と、この光合
成器による合成光を空間的にサンプリングする、複数N
本の光ファイバからなる光ファイバアレーと、この光フ
ァイバアレーでサンプリングされた光を光電変換する複
数N個の光電変換器と、この光電変換器の出力に従い放
射ビームを発生する複数N個のアンテナ素子からなるア
レーアンテナと、を備え、前記反射型空間光強度変調素
子の各反射鏡による反射光の空間強度分布を制御するこ
とで、前記アレーアンテナからの放射ビームを制御する
ことを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナに
ある。
【0016】また、上記光制御型フェーズドアレーアン
テナにおいて、前記反射型空間光強度変調素子で、同時
に複数の領域で反射鏡を制御して、前記アレーアンテナ
から同時に複数のビームを放射することを特徴とする。
【0017】また、レーザ光を3つ以上のM個に分岐す
る光分岐部と、第1から第M−1の分岐光に対し各々の
分岐光の周波数を変換するM−1個の光周波数変換器
と、周波数変換されたM−1個の分岐光について各々の
光の反射強度分布を制御するM−1個の反射型空間光強
度変調素子と、これらの反射型空間光強度変調素子から
のM−1個の反射光を合成する第1の光合成器と、この
第1の光合成器からの合成光を透過するフーリエ変換レ
ンズと、このフーリエ変換レンズの透過光と第Mの分岐
光を合成する第2の光合成器と、この第2の光合成器に
よる合成光をサンプリングする、複数N本の光ファイバ
からなる光ファイバアレーと、この光ファイバアレーで
サンプリングされた光を光電変換する複数N個の光電変
換器と、この光電変換器の出力に従い放射ビームを発生
する複数N個のアンテナ素子からなるアレーアンテナ
と、を備え、アレーアンテナから放射する複数のビーム
を独立に制御することを特徴とする光制御型フェーズド
アレーアンテナにある。
【0018】また、レーザ光を3つ以上のM個に分岐す
る光分岐部と、第1から第M−1の分岐光に対し各々の
分岐光の周波数を変換するM−1個の光周波数変換器
と、周波数変換されたM−1個の分岐光について各々の
光の反射強度分布を制御するM−1個の反射型空間光強
度変調素子と、これらのM−1個の反射型空間光強度変
調素子からのM−1個の反射光の各々を透過するM−1
個のフーリエ変換レンズと、これらのフーリエ変換レン
ズを透過したM−1個の透過光を合成する第1の光合成
器と、M−1個の透過光が合成された合成光と、第Mの
分岐光を合成する第2の光合成器と、この第2の光合成
器による合成光をサンプリングする、複数N本の光ファ
イバからなる光ファイバアレーと、この光ファイバアレ
ーでサンプリングされた光を光電変換する複数N個の光
電変換器と、この光電変換器の出力に従い放射ビームを
発生する複数N個のアンテナ素子からなるアレーアンテ
ナと、を備え、アレーアンテナから放射する複数のビー
ムを独立に制御することを特徴とする光制御型フェーズ
ドアレーアンテナにある。
【0019】また、それぞれ前記レーザ、光分岐部、光
周波数変換器、反射型空間光強度変調素子、フーリエ変
換レンズおよび光合成器からなる複数の構成部と、前記
各構成部から放射された光を合成する第2の光合成器
と、この第2の光合成器による合成光をサンプリングす
る、複数N本の光ファイバからなる光ファイバアレー
と、この光ファイバアレーでサンプリングされた光を光
電変換する複数N個の光電変換器と、この光電変換器の
出力に従い放射ビームを発生する複数N個のアンテナ素
子からなるアレーアンテナと、を備え、アレーアンテナ
から放射する複数のビームを独立に制御することを特徴
とする光制御型フェーズドアレーアンテナにある。
【0020】また、レーザから放射した光を第1、第2
の分岐光に分岐する光分岐部と、第1の分岐光の周波数
を変換する光周波数変換器と、周波数変換された第1の
分岐光を所望の強度分布で反射する、多数の反射鏡を含
む反射型空間光強度変調素子と、この反射型空間光強度
変調素子で反射した第1の分岐光と第2の分岐光を透過
するフーリエ変換レンズと、このフーリエ変換レンズを
透過した第1、第2の分岐光をサンプリングする、複数
N本の光ファイバからなる光ファイバアレーと、この光
ファイバアレーでサンプリングされた光を光電変換する
複数N個の光電変換器と、この光電変換器の出力に従い
放射ビームを発生する複数N個のアンテナ素子からなる
アレーアンテナと、を備え、前記反射型空間光強度変調
素子の各反射鏡による反射光の空間強度分布を制御する
ことで、前記アレーアンテナからの放射ビームを制御す
ることを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナ
にある。
【0021】また、レーザから放射した光を第1、第2
の分岐光に分岐する光分岐部と、第1の分岐光の周波数
を変換する光周波数変換器と、前記第2の分岐光および
周波数変換された第1の分岐光を所望の強度分布で反射
する、多数の反射鏡を含む反射型空間光強度変調素子
と、この反射型空間光強度変調素子で反射した第1、第
2の分岐光を透過するフーリエ変換レンズと、このフー
リエ変換レンズの透過光をサンプリングする、複数N本
の光ファイバからなる光ファイバアレーと、この光ファ
イバアレーでサンプリングされた光を光電変換する複数
N個の光電変換器と、この光電変換器の出力に従い放射
ビームを発生する複数N個のアンテナ素子からなるアレ
ーアンテナと、を備え、前記反射型空間光強度変調素子
の各反射鏡による反射光の空間強度分布を制御すること
で、前記アレーアンテナからの放射ビームを制御するこ
とを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナにあ
る。
【0022】また、光ファイバアレーを構成する複数N
本の光ファイバの長さを、光ファイバアレーでの位置に
より変えたことを特徴とする。
【0023】また、各光ファイバに接続された各々の光
電変換器とアンテナ素子間にマイクロ波移相器または遅
延線路を挿入し、各移相量または遅延量が各光ファイバ
で異なることを特徴とする。
【0024】また、光ファイバアレーを構成する各光フ
ァイバ中に可変光遅延線路を設けたことを特徴とする。
【0025】また、各光電変換器と各アンテナ素子間に
可変マイクロ波移相器または可変遅延線路を設けたこと
を特徴とする。
【0026】また、光周波数変換器で周波数変換されな
い分岐光を合成する光合成器の代わりに、光導波路型の
光合成器を光ファイバアレーの各光ファイバに設け、光
ファイバアレーで合成することを特徴とする。
【0027】また、反射型空間光強度変調素子の反射鏡
を制御する領域の面積を変えることで、アレーアンテナ
から放射するビームの幅を制御することを特徴とする。
【0028】また、反射型空間光強度変調素子の反射鏡
で、隣接する複数の反射鏡を同時に制御し、これをずら
しながらアレーアンテナから放射するビームを制御する
ことを特徴とする。
【0029】また、反射型空間光強度変調素子の反射鏡
を複数の領域を同時に制御し、各領域内の制御する反射
鏡の数を変えることで、アレーアンテナから放射するビ
ームの形状を制御することを特徴とする。
【0030】また、光ファイバアレーの光サンプリング
側にレンズアレーを設けたことを特徴とする。
【0031】また、円筒形状で屈折率が外周に近づくに
従い低くなるレンズを設けたことを特徴とする。
【0032】また、光ファイバアレーを構成する各光フ
ァイバのサンプリング側に、分布屈折率型光ファイバを
接続したことを特徴とする。
【0033】また、前記光ファイバアレーの代わりに前
記複数の光電変換器を前記光合成器による合成光をサン
プリングするサンプリング面にアレー状に配したことを
特徴とする。
【0034】また、前記光分岐部および周波数変換器の
代わりに、レーザから放射した光を変調する変調手段
と、変調により発生した複数の周波数成分のレーザ光の
中から複数の光を抽出する光帯域フィルタと、を備えた
ことを特徴とする。
【0035】また、前記光分岐部および周波数変換器の
代わりに、複数の波長を同時に放射するレーザと、レー
ザ放射光の中から周波数の異なる複数のレーザ光を抽出
する光帯域フィルタと、をさらに備えたことを特徴とす
る。
【0036】また、前記光分岐部および周波数変換器の
代わりに、複数のレーザと、これらの各レーザからの光
の波長の互いの同期をとる位相同期回路と、を備え、各
レーザから放射した光を分岐光としたことを特徴とす
る。
【0037】
【発明の実施の形態】以下この発明を各実施の形態に従
って説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による光
制御型フェーズドアレーアンテナの構成を示す図であ
る。図1において、レーザ1から放射される光を2つの
分岐光に分岐し(例えばレーザ1の出力端あるいはレー
ザ1と別体にその出力側に光分岐部(特に図示せず)を有
する)、一方の分岐光をその周波数を、光周波数変換器
3によりマイクロ波発振器2から入力されるマイクロ波
信号の周波数に応じて偏移させて第1のビーム光10と
して出力し、他方の分岐光はそのまま第2のビーム光1
7として出力する。光の周波数を偏移させる光周波数変
換器としては、例えば音響光学効果(A/O)を用いた光
周波数シフタが商品化されている。
【0038】第1のビーム光10は、必要に応じて光フ
ァイバ9、レンズ8を介して、所定のビーム幅に変換し
て反射型空間光強度変調素子20に照射する。反射型空
間光強度変調素子20は、多数の微小な反射鏡21がア
レー状に配置されており、一つ一つの反射鏡の反射特性
を変えることで、反射光の空間強度分布を制御できる。
反射光の空間強度分布の制御特性として、例えば10μ
secのオーダーで高速に制御できるものや、反射鏡の
開口率が80%以上の高いものも報告されている。
【0039】反射型空間光強度変調素子20に入射した
第1のビーム光10は、アレー状に配置された各々の微
小な反射鏡21により、反射光の空間強度分布を制御で
きる。反射型空間光強度変調素子20の各反射鏡の制御
に対応した強度分布で、反射型空間光強度変調素子20
に入射した第1のビーム光10の一部はフーリエ変換レ
ンズ30の方向に反射し、フーリエ変換レンズ30を透
過する。
【0040】以下、反射型空間光強度変調素子20を構
成する各反射鏡21の状態を、各反射鏡21に入射した
ビーム光10がフーリエ変換レンズ30を透過する反射
光11となる場合をオンと定義し、その他の場合をオフ
と定義する。オン状態の反射鏡21のパターンで、第1
のビーム光10が反射して、フーリエ変換レンズ30へ
入射する。
【0041】一方、レーザ1から放射した第2のビーム
光17はレンズ8を介して所定のビーム幅に変換し、変
換後の第2のビーム光をローカルビーム光18としてビ
ーム(光)合成器35に放射する。
【0042】ビーム合成器35は、フーリエ変換レンズ
30を透過した第1のビーム光11と、ローカルビーム
光18とを混合して合成した後、合成光をサンプリング
光ファイバアレー40に放射する。
【0043】サンプリング光ファイバアレー40は、所
定の間隔をおいて光ファイバの長手方向が平行になるよ
うに、ある平面に並置された複数N本の光ファイバ41
−1乃至41−Nから成り、このサンプリング光ファイ
バアレーに入射される合成光は、空間的にサンプリング
され各光ファイバを伝搬する。サンプリング光ファイバ
アレー40に入射された合成光は、N本の光ファイバ4
1−1乃至41−Nを介して、各光電変換器50−1乃
至50−Nに入射される。
【0044】光電変換器50−1乃至50−Nはそれぞ
れ、入射された上記第1のビーム光11と上記ローカル
ビーム光18である第2のビーム光17の差の周波数で
あって、入力されるビーム光11とローカルビーム光1
8の振幅の積に比例し、かつその位相差に一致したマイ
クロ波信号に光電変換した後、電力増幅器51−1乃至
51−Nを介し、アレーアンテナ53を構成する直線上
あるいは平面上に並置されるアンテナ素子52−1乃至
52−Nに出力する。
【0045】反射型空間光強度変調素子20をフーリエ
変換レンズ30の前側焦点面31に、サンプリング光フ
ァイバアレー40をフーリエ変換レンズ30の後側焦点
面32に設置すると、反射型空間光強度変調素子20中
のオンにした反射鏡21のパターンと、サンプリング光
ファイバアレー40のサンプリング面上での第1のビー
ム光11のパターンとは、お互いにフーリエ変換の関係
となる。
【0046】さらに、各アンテナ素子52−1乃至52
−Nから放射される各マイクロ波信号の分布と、これら
が合成されたアレーアンテナ53からの放射ビーム54
のファーフィールドパターンとはお互いにフーリエ変換
の関係がある。
【0047】以上のように、フーリエ変換レンズ30透
過時およびアレーアンテナ53放射時に合計2回のフー
リエ変換が行われるので、アレーアンテナ53からの放
射ビーム54のファーフィールドパターンは反射型空間
光強度変調素子20のオンにした反射鏡21のパターン
に対応する。
【0048】例えば、反射型空間光強度変調素子20の
中から1つの反射鏡21のみをオンにした場合の、アレ
ーアンテナ53からの放射ビーム54の主ビームの方向
について、1次元の場合で説明する。オンにする反射鏡
21の位置をフーリエ変換レンズ30の光軸を原点にX
とおく。フーリエ変換レンズ30の焦点距離をf、フー
リエ変換レンズ30の後側焦点面であるサンプリング面
32におけるサンプリング光ファイバアレー40を構成
する光ファイバ41間の間隔をdo、アレーアンテナ5
3を構成する各アンテナ素子52の素子間隔をdm、レ
ーザ光1の波長をλo、光電変換器50で発生するマイ
クロ波の波長をλmとおく。アレーアンテナ53からの
放射ビーム54の主ビームの方向をアレーアンテナ53
の正面方向からの角度θで表すと、角度θは
【0049】 sinθ={(do/λo)/(dm/λm)}×X/f とおける。
【0050】オンにする反射鏡21を順次切り替えるこ
とにより、アレーアンテナ53からの放射ビーム54を
走査することができる。例えば、do=1mm、λo=
1.55μm、dm=1.5cm、λm=3.0cm、f
=200mmとおくと、X=50μmでは、アレーアン
テナ53から放射するマイクロ波の放射ビーム(主ビー
ム)54の方向θは18.8度、X=100μmではθは
40.2度となる。
【0051】本計算例は、1次元のビーム走査について
示したものであるが、反射型空間光強度変調素子20を
構成する反射鏡21を2次元に配置し、サンプリング光
ファイバアレー40及びアレーアンテナ53をそれぞれ
2次元で構成すれば、放射ビーム54の2次元走査も可
能である。
【0052】以上のように、第1のビーム光11の空間
強度分布を反射型空間光強度変調素子20による反射光
で形成するので、フーリエ変換レンズ30方向に放射す
るビーム光11の空間分布を高速かつ柔軟に制御するこ
とができ、アレーアンテナ53からの放射ビーム54を
任意のパターンで高速かつ柔軟に制御できる。また、オ
ンにする反射鏡21を順次切り替えることにより、2次
元の高速ビーム走査も可能となる。
【0053】実施の形態2.以上の実施の形態1では、
反射型空間光強度変調素子20を構成する多数の反射鏡
21の中から、オンにする一つの反射鏡21を順次切り
替えて走査していたが、次に複数の反射鏡21を同時に
オンにした場合、アレーアンテナ53からの放射ビーム
54を同時に複数の方向へ発生させる実施の形態を示
す。
【0054】図2は、この発明の実施の形態2による光
制御型フェーズドアレーアンテナの構成を示す図であ
り、このような場合の、反射型空間光強度変調素子20
での反射光11の様子を示したものである。図2では反
射型空間光強度変調素子20を構成する反射鏡21の中
から、一番上の反射鏡21と、一番下の反射鏡21の2
つの反射鏡21をオンにしている。反射型空間光強度変
調素子20の2カ所で反射した2つの第1のビーム光1
1−1および11−2は、それぞれ異なる傾きでサンプ
リング光ファイバアレー40に入射し、それぞれの傾き
に相当する位相情報を保持したまた光電変換器50−1
乃至50−Nでマイクロ波信号に光電変換されアレーア
ンテナ53から放射される。
【0055】たとえば、図2のように反射光11−1、
11−2により放射ビーム54−1、54−2をそれぞ
れ生成できる。このように、オンにする反射鏡21の
数、位置に応じて、放射ビーム54を同時に複数の方向
に向けることができる。
【0056】実施の形態3.以上の実施の形態2では、
一つの反射型空間光強度変調素子20を用いて複数の方
向に同じ周波数、信号が重畳された放射ビーム54を発
生させたものであるが、次に周波数、重畳信号が異なる
複数の放射ビーム54を発生できる実施の形態を示す。
【0057】図3はこの発明の実施の形態3による光制
御型フェーズドアレーアンテナの構成を示す図であり、
周波数、重畳信号が異なる複数の放射ビームの生成、制
御が可能な光制御型フェーズドアレーアンテナの構成図
である。図3において、レーザ光1から放射した光を3
つに分岐し、図1と同様に一つの分岐光はアレーアンテ
ナ53から放射させる第1の放射ビーム54−1の周波
数と等しい周波数だけ第1の光周波数変換器3−1で偏
移させ、第1の反射型空間光強度変調素子20−1に第
1のビーム光10−1として照射させる。また、一つの
分岐光はアレーアンテナ53から放射させる第2の放射
ビーム54−2の周波数と等しい周波数だけ第2の光周
波数変換器3−2で偏移させ、第2の反射型空間光強度
変調素子20−2に第2のビーム光10−2として照射
させる。さらに、一つの分岐光は周波数を変えずに、図
1と同様に空間に放射し、ローカルビーム光18として
ビーム合成器35−1に照射する。
【0058】第1、第2のビーム光10−1、10−2
はそれぞれ第1、第2の反射型空間光強度変調素子20
−1、20−2のオンにした反射鏡21の空間分布で反
射し、各反射光11−1、11−2は、第1、第2の反
射型空間光強度変調素子20−1、20−2とフーリエ
変換レンズ30との間に設置したビーム合成器35−2
により合成され、フーリエ変換レンズ30へ放射する。
【0059】この合成光はフーリエ変換レンズ30を透
過し、ビーム合成器35−1によりローカルビーム光1
8と合成し、サンプリング光ファイバアレー40に放射
する。サンプリング光ファイバアレー40を構成する各
光ファイバ41−1乃至41−Nに入射した光は、各光
ファイバ41−1乃至41−Nを伝搬し、各々光電変換
器50−1乃至50−Nにより電気信号に変換される。
【0060】光電変換器50−1乃至50−Nでは、第
1のビーム光10−1とローカルビーム光18との周波
数の差と等しい第1のマイクロ波信号と、第2のビーム
光10−2とローカルビーム光18との周波数の差と等
しい第2のマイクロ波信号が発生する。各光電変換器5
0−1乃至50−Nで発生するマイクロ波信号の強度、
位相はそれぞれ第1、第2のビーム光11−1、11−
2の振幅と基準光の振幅の積に比例し、位相に対応する
ものが独立に発生する。
【0061】これらの第1、第2のマイクロ波信号をア
レーアンテナ53を構成する各アンテナ素子52−1乃
至52−Nに給電することにより、アレーアンテナ53
から2つの放射ビーム54−1、54−2が放射され
る。
【0062】本実施の形態の構成では、二つの反射型空
間光強度変調素子20−1乃至20−2に別々の光を照
射し、各反射型空間光強度変調素子20−1、20−2
を独立に制御できるため、2つの放射ビーム54−1、
54−2は各々独立して制御できる。
【0063】また本実施の形態は、2つの反射型空間光
強度変調素子20−1、20−2を用いて、アレーアン
テナ53の2つの放射ビーム54−1、54−2を発生
させるものであるが、レーザ1から放射した光をさらに
分岐し、新たな反射型空間光強度変調素子20で反射光
を制御し、新たなビーム合成器35で合成させることに
より、アンテナから放射させるビーム54を追加させる
ことができる。
【0064】実施の形態4.以上の実施の形態では、フ
ーリエ変換レンズ30に対して、サンプリング光ファイ
バアレー40と反対側の空間で第1、第2のビーム光を
光合成器35で合成させた後、第1、第2のビーム光1
1−1、11−2を同一のフーリエ変換レンズ30に入
射させていたが、次に、第1、第2のビーム光を別々の
フーリエ変換レンズ30に入射させる実施の形態を示
す。
【0065】図4はこの発明の実施の形態4による光制
御型フェーズドアレーアンテナの構成を示す図であり、
このような場合の構成を説明したものである。第1、第
2のビーム光10−1、10−2を各々別々の反射型空
間光強度変調素子20−1、20−2に照射し、各々の
反射光11−1、11−2を別々のフーリエ変換レンズ
30−1、30−2に入射させ、各々のフーリエ変換レ
ンズ透過光を第1のビーム合成器35−1で合成し、合
成光を第2のビーム合成器35−2により基準光18と
合成し、サンプリングアレー40に照射する。
【0066】アレーアンテナ53から複数の放射ビーム
54毎に反射型空間光強度変調素子20、フーリエ変換
レンズ30を使用できるため、複数の放射ビーム54を
生成させるときの柔軟性が向上する。
【0067】実施の形態5.以上の実施の形態では、第
1、第2の反射型空間光強度変調素子20−1、20−
2での反射ビーム光11−1、11−2を合成させた
後、一つのローカルビーム光18と合成させていたが、
次に、各アレーアンテナ53からの放射ビーム54毎に
異なるローカルビーム光18を使用する実施の形態を示
す。
【0068】図5はこの発明の実施の形態5による光制
御型フェーズドアレーアンテナの構成を示す図であり、
このような場合の構成を説明するものである。第1のレ
ーザ1−1から放射した光を2つに分岐し、一つの分岐
光を第1の光周波数変換器3−1により、アレーアンテ
ナ53から放射させる第1のマイクロ波の放射ビーム5
4−1の周波数分、周波数を偏移させ、第1のビーム光
10−1として第1の反射型空間光強度変調素子20−
1に照射させる。別の分岐光はそのままレンズ8−1で
ビーム幅を調整して第1のビーム合成器35−1に放射
させる。
【0069】同様に、第2のレーザ1−2から放射した
光を2つに分岐し、一つの分岐光を第2の光周波数変換
器3−2により、第2のマイクロ波の放射ビーム54−
2の周波数分、周波数を偏移させ、第2のビーム光10
−2として第2の反射型空間光強度変調素子20−2に
照射させる。別の分岐光はそのままレンズ8−2でビー
ム幅を調整して第2のビーム合成器35−2に放射させ
る。
【0070】第1のビーム光は第1の反射型空間光強度
変調素子20−1で所定の強度分布で反射し、第1のフ
ーリエ変換レンズ30−1を透過し、この第1の透過光
11−1は前述の第1の基準光と第1のビーム合成器3
5−1で合成される。
【0071】同様に、第2のビーム光は第2の反射型空
間光強度変調素子20−2で所定の強度分布で反射し、
第2のフーリエ変換レンズ30−2を透過し、この第2
の透過光11−2は前述の第2の基準光と第2のビーム
合成器35−2で合成される。
【0072】以上の2つの合成光を第3のビーム合成器
35−3で合成し、サンプリング光ファイバアレー40
に照射、サンプリングさせ、サンプリングされた合成光
は各光ファイバ41−1乃至41−Nを介して光電変換
器50−1乃至50−Nで光電変換され、マイクロ波信
号が発生する。このマイクロ波信号はマイクロ波のアレ
ーアンテナ53から放射する。
【0073】アレーアンテナから放射させるビーム54
毎に異なるレーザを用いるので、例えば、マイクロ波ビ
ーム毎にレーザ光の波長帯を変えた光ファイバ41−1
乃至41−Nへの波長多重し、光波長フィルタを挿入す
ることにより、光の波長帯により異なる光検出器(光電
変換器)およびアレーアンテナに分岐することも可能で
ある。
【0074】実施の形態6.前述の実施の形態では、ロ
ーカルビーム光18とフーリエ変換レンズ透過光11と
を光合波器35で合成し、サンプリング光ファイバアレ
ー40に入射させていたが、図6に示すようにローカル
ビーム光18を反射型空間光強度変調素子20側から放
射させ、フーリエ変換レンズ30側を透過させてもよ
い。これにより光合成器を省略できる。
【0075】実施の形態7.前述の実施の形態では、ロ
ーカルビーム光18を直接フーリエ変換レンズ30に入
射させていたが、図7に示すようにローカルビーム光1
8をレンズ8−2を介して、反射型空間光強度変調素子
20に照射し反射させて、フーリエ変換レンズ30を透
過させてもよい。
【0076】これにより、ローカルビーム光18と第1
のビーム光11がフーリエ変換レンズに入射する角度差
は小さくなるため、フーリエ変換レンズ30の収差の影
響を軽減できる。また、ローカルビーム光18の強度分
布を反射型空間光強度変調素子20により制御できるた
め、ビーム走査、ビーム成型の制御の柔軟性が向上す
る。
【0077】実施の形態8.前述の2つの実施の形態で
は、フーリエ変換レンズ30に入射する反射型空間光強
度変調素子20で反射したビーム光11と、ローカルビ
ーム光18の向きを一致させることができないため、各
光電変換器50−1乃至50−Nに入射する合成光の位
相を一致させることができず、アレーアンテナ53の正
面方向など、放射ビーム54を向けることができない方
向が存在する。
【0078】そこで本実施の形態では、光ファイバ41
−1乃至41−Nの長さをビーム光11とローカルビー
ム光18の傾きに応じて変える。例えば、反射型空間光
強度変調素子20の中心の素子にビーム光10を照射し
たときに、各光電変換器50−1乃至50−Nで光電変
換された電気信号の位相が全て一致するように各光ファ
イバ41−1乃至41−Nの長さを校正することによ
り、アレーアンテナ53の正面方向にも放射ビーム54
を向けることができる。
【0079】実施の形態9.前述の実施の形態では、各
光ファイバ41−1乃至41−Nの長さを変えることに
より校正するものであるが、これは光電変換器50−1
乃至50−Nとアンテナ素子52−1乃至52−N間に
マイクロ波の移相器、あるいは遅延線路を挿入して各光
ファイバで移相量や遅延量が異なるようにしてもよい。
【0080】実施の形態10.また、既に述べたいずれ
の実施の形態において、全ての光ファイバ50−1乃至
50−Nの長さ、及び光電変換器50−1乃至50−N
の出力端からアレーアンテナ54の各アンテナ素子53
−1乃至53−Nまでの線路長の長さに誤差があるとア
レーアンテナ53から放射するビーム54の形状が所望
の形状と異なってしまう。
【0081】これは光電変換器50−1乃至50−Nと
アンテナ素子53−1乃至53−N間に可変マイクロ波
移相器あるいは可変マイクロ波遅延線(線路)を挿入する
ことにより、光ファイバ、あるいはマイクロ波線路長に
製造誤差があったり、環境による変動が生じても補正で
きる。
【0082】また、この補正は、各サンプリング光ファ
イバ50−1乃至50−N線路中に可変光遅延線を挿入
してもよい。マイクロ波の移相器はマイクロ波の周波数
依存性があるが、光遅延線(線路)はマイクロ波の周波数
に依存しないため、広帯域マイクロ波信号にも対応でき
る。
【0083】実施の形態11.以上の実施の形態では、
反射型空間光強度変調素子20で反射した第1のビーム
光11とローカルビーム光18とを光合成器35で空間
的に合成し、サンプリング光ファイバアレー40に照射
させていたが、図8に示すように、第1のビーム光11
のみをサンプリング光ファイバアレー40でサンプリン
グし、サンプリング光と、ローカルビーム光18を平板
光導波路や光ファイバなどによる光導波路型の光合成器
42−1乃至42−Nを用いて光ファイバ41−1乃至
41−N中で合成しても良い。これにより光学系のアラ
イメントを容易にすることができる。
【0084】実施の形態12.以上に述べた各実施の形
態では、反射型空間光強度変調素子20の中から一つの
反射鏡21をオンにして、オンにする反射鏡21を順次
切り替えることにより放射ビーム54を走査している
が、これは図9に示すように隣接する複数の反射鏡21
を同時にオンにしても良い。
【0085】図9の(b)は反射型空間光強度変調素子2
0を構成する複数の反射鏡21のオン、オフの状態を1
次元で示したものであり、(a)は反射鏡21の状態によ
るアレーアンテナ53からの放射ビーム54のビーム幅
を模式的に示したものである。図9の(b)中、黒はオン
状態の反射鏡を、白はオフ状態の反射鏡を示す。
【0086】反射型空間光強度変調素子20のオンにす
る反射鏡の分布を20−1のようにした場合の、放射ビ
ームの分布が54−1、反射鏡の分布を20−2のよう
にした場合の放射のビームの分布が54−2、のように
対応する。
【0087】図のように、隣接する複数の反射鏡21を
同時にオンにし、反射領域を広げることにより放射ビー
ム54の幅を太くすることができる。また、同時にオン
にする反射鏡の数が増えるので、反射型空間光強度変調
素子20で反射する光量が増大し、ダイナミックレンジ
を向上させることができる。図9は1次元で説明してい
るが、2次元に拡張しても同様である。
【0088】実施の形態13.オンにする一つの、ある
いは複数の反射鏡21を切り替えてビームを走査する場
合、放射ビーム54の幅が細い場合、放射ビーム54を
向けられる方向に隙間ができることがある。
【0089】図10は複数の反射鏡を同時にオンにし、
オンにする反射鏡の範囲を順次、ずらしたビーム走査の
この発明による実施の形態を示したものである。反射型
空間光強度変調素子20のオンにする反射鏡の分布を図
10の(b)の20−1のようにした場合の、放射ビーム
の分布が図10の(a)の54−1、反射鏡の分布を20
−2のようにした場合の放射のビームの分布が54−
2、のように対応する。これにより放射ビーム54の幅
を太くし、隣接方向の放射ビーム54とオーバラップさ
せるので、放射ビーム54が覆う領域に抜けが生じなく
なる。
【0090】実施の形態14.以上の実施の形態の形態
では、隣接する領域内で複数の反射鏡21を同時にオン
にしていたが、オンにする反射鏡21の領域内で、例え
ば、図11のように、中心付近は全ての反射鏡21をオ
ンにし、周辺部ではオンにする反射鏡21の数を減らす
ことにより、擬似的に反射光の強度を周辺部で小さくな
るように、強度分布を制御することができる。
【0091】図11では、反射型空間光強度変調素子2
0−1の状態に対して、20−2、20−3で周辺部の
反射鏡の数を減らしている。一般に、アレーアンテナ5
3の各アンテナ素子52−1乃至52−Nへの給電電力
を中心付近のアンテナ素子で高く、周辺部分で低くなる
ようにテーパ分布をつけることによりアレーアンテナ5
3からの放射ビーム54のパターンのサイドローブを低
減できることが知られている。
【0092】前述のように、オンにする反射鏡21の分
布を制御することにより、擬似的に反射光11の強度分
布を制御し、サイドローブなどの放射ビーム54のパタ
ーン制御が実現できる。
【0093】以上の説明は、周辺部でオンにする反射鏡
21の数を減らしたものであるが、中心付近の反射鏡2
1のオン、オフを制御するなど、周辺部の反射鏡21に
限ったものではない。
【0094】実施の形態15.以上の実施の形態では光
ファイバ41−1乃至41−Nを並べてサンプリング光
ファイバアレー40を構成していた。図12はサンプリ
ング光ファイバアレー40の先端付近のこの発明による
実施の形態を示したものである。図12のように、サン
プリング光ファイバアレー40を構成する各光ファイバ
41−1乃至41−Nの前(光サンプリング側)に小型レ
ンズ45−1乃至45−Nを装着しても良い。
【0095】一般的なシングルモード用の光ファイバ4
1はクラッド46の径125μmに対して、コア43径
は約10μmと開口率は1%以下と非常に小さいために
受光効率が低いが、レンズ45を装着することにより開
口率が向上し、サンプリング光ファイバアレー40への
入射光は各光ファイバ41−1乃至41−Nの各コア4
3−1乃至43−N付近に集光され、コア43に結合す
る光量が増え、ダイナミックレンジを向上させることが
できる。
【0096】レンズ45は球面レンズに限らず、円筒型
で中心の屈折率が高く、外周部に行くに従い屈折率が連
続的に低くなる分布屈折率型レンズを用いても良い。図
134はこの発明による実施の形態を示したものであ
る。円筒形の分布屈折率型レンズは長さにより結像特性
を制御でき、レンズ端面あるいは近傍を焦点面にするこ
ともできる。焦点面をレンズ端面あるいは近傍にするこ
とにより、レンズ付きサンプリング光ファイバアレー4
0を組み立てる時のレンズと光ファイバ間の位置の調整
を容易にすることができる。
【0097】実施の形態16.前記、円筒型分布屈折率
型レンズに変えて、分布屈折率型光ファイバ47−1乃
至47−N(一般にGIファイバと呼ぶ)をサンプリング
光ファイバアレー40を構成する各光ファイバ41−1
乃至41−Nのサンプリング側に融着しても良い。一般
的なGIファイバのスポットサイズの直径は60μm程
度あり、一般的なシングルモードファイバのコアの直径
10μmに対し、大きいので受光効率を向上させること
ができる。
【0098】また、GIファイバはシングルモードファ
イバに比べてモード分散が大きいため、伝送帯域が制限
されるという課題があるが、サンプリング面に近い場所
でシングルモードファイバに接続しても良い。これによ
り、モード分散の影響を低減できる。更に、GIファイ
バの長さを短くすることにより、実施の形態15の分布
屈折率型レンズと同様の形態をとることができる。
【0099】実施の形態17.前述の実施の形態では、
サンプリング光ファイバアレー40を介して各光電変換
器50−1乃至50−Nに光を導いていたが、例えば図
1に示すフーリエ変換レンズ30の後側焦点面32であ
るサンプリング面に光電変換器50−1乃至50−Nを
アレー状に配置しても良い。
【0100】実施の形態18.以上の実施の形態では、
レーザ1から放射された分岐光の中から、周波数を偏移
させないものをローカルビーム光18としていたが、基
準ビームの周波数を偏移させ、反射型空間光強度変調素
子20に照射させるビーム光10の周波数はそのままに
しても良い。または、両方を偏移させても良い。
【0101】実施の形態19.以上の実施の形態では、
一つのレーザ1から放射した光を2分岐して、周波数変
換器3により片方の周波数を偏移させていたが、レーザ
1を直接変調する、あるいはレーザ1から放射した光を
外部変調器を用いて外部変調にするなどにより、変調に
より発生した周波数の異なる複数の光から、それらの差
がアレーアンテナから放射させるマイクロ波の周波数と
なる2つを、それぞれ光帯域フィルタである光波長フィ
ルタで取り出し、一方を反射型空間光強度変調素子20
への照射光と、他方をローカルビーム光18としても良
い。
【0102】実施の形態20.レーザに所定の周波数間
隔で多数の周波数成分の光を同時に放射するレーザを使
用し、その放射光の中から、それらの差がアンテナから
放射させるマイクロ波の周波数となる2つを、それぞれ
光帯域フィルタである光波長フィルタで取り出し、一方
を反射型空間光強度変調素子20への照射光と、他方を
ローカルビーム光18としても良い。このようなレーザ
としては例えば、モードロックレーザが知られている。
【0103】実施の形態21.以上の実施の形態では、
一つのレーザから放射した光を制御して周波数の異なる
2つの光を取り出していたが、単一周波数の光を放射す
るレーザを2つ用い、それらから放射する光の周波数差
を、アンテナから放射させるマイクロ波の周波数と等し
くなるようにレーザを制御しても良い。また例えば、複
数のレーザからの光の波長の互いの同期をとる位相同期
回路を設け、制御を行うようにしてもよい。
【0104】実施の形態22.以上の実施の形態では、
フーリエ変換レンズ30として透過屈折型の単レンズを
用いて説明したが、複数の透過屈折型レンズを組み合わ
せて構成してもよい。単レンズを用いた場合の焦点距離
と、複数のレンズを組み合わせた合成焦点距離とを等し
くすれば同等のビーム走査性能は得られ、かつ、光学系
の長さを短くすることができる。
【0105】実施の形態23.以上の実施の形態では、
1枚あるいは複数枚の透過屈折型レンズを用いて構成し
ていたが、反射型レンズで構成、あるいは透過屈折率型
レンズと反射型レンズを組み合わせて構成しても良い。
反射型を用いることにより光学系の全長を短くすること
ができ、また、レンズの色収差を低減することも可能で
ある。
【0106】なお、上記各実施の形態におけるレーザか
ら分岐する分岐光の数は必要に応じて選択可能で、分岐
光の数分だけ必要の構成を設ければよい。
【0107】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、レーザ
から放射した光を第1、第2の分岐光に分岐する光分岐
部と、第1の分岐光の周波数を変換する光周波数変換器
と、周波数変換された第1の分岐光を所望の強度分布で
反射させる、多数の反射鏡を含む反射型空間光強度変調
素子と、この反射型空間光強度変調素子で反射した第1
の分岐光を透過するフーリエ変換レンズと、このフーリ
エ変換レンズを透過した第1の分岐光と前記第2の分岐
光とを合成する光合成器と、この光合成器による合成光
をサンプリングする、複数N本の光ファイバからなる光
ファイバアレーと、この光ファイバアレーでサンプリン
グされた光を光電変換する複数N個の光電変換器と、こ
の光電変換器の出力に従い放射ビームを発生する複数N
個のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、を備え、
前記反射型空間光強度変調素子の各反射鏡の反射特性を
制御することで、前記アレーアンテナからの放射ビーム
を制御することを特徴とする光制御型フェーズドアレー
アンテナとしたので、第1の分岐光の振幅分布を反射型
空間光強度変調素子による反射光で形成するので、フー
リエ変換レンズ方向に放射するビーム光の空間分布を高
速かつ柔軟に制御することができ、アレーアンテナから
の放射ビームを任意のパターンで高速かつ柔軟に制御で
きる。また、オンにする反射鏡を順次切り替えることに
より、2次元の高速ビーム走査も可能となる。
【0108】また、前記反射型空間光強度変調素子で、
同時に複数の領域で反射鏡を制御して、前記アレーアン
テナから複数のビームを放射するようにしたので、オン
する反射鏡の数、位置に応じて、放射ビームを同時に複
数の方向に向けることができる。
【0109】また、レーザ光を3つ以上のM個に分岐す
る光分岐部と、第1から第M−1の分岐光に対し各々の
分岐光の周波数を変換するM−1個の光周波数変換器
と、周波数変換されたM−1個の分岐光について各々の
光の反射強度分布を制御するM−1個の反射型空間光強
度変調素子と、これらの反射型空間光強度変調素子から
のM−1個の反射光を合成する第1の光合成器と、この
第1の光合成器からの合成光を透過するフーリエ変換レ
ンズと、このフーリエ変換レンズの透過光と第Mの分岐
光を合成する第2の光合成器と、この第2の光合成器に
よる合成光をサンプリングする、複数N本の光ファイバ
からなる光ファイバアレーと、この光ファイバアレーで
サンプリングされた光を光電変換する複数N個の光電変
換器と、この光電変換器の出力に従い放射ビームを発生
する複数N個のアンテナ素子からなるアレーアンテナ
と、を備え、アレーアンテナから放射する複数のビーム
を独立に制御することを特徴とする光制御型フェーズド
アレーアンテナとしたので、複数の反射型空間光強度変
調素子に別々の光を照射し、各反射型空間光強度変調素
子を独立に制御できるため、複数の放射ビームは各々独
立して制御できる。
【0110】また、レーザ光を3つ以上のM個に分岐す
る光分岐部と、第1から第M−1の分岐光に対し各々の
分岐光の周波数を変換するM−1個の光周波数変換器
と、周波数変換されたM−1個の分岐光について各々の
光の反射強度分布を制御するM−1個の反射型空間光強
度変調素子と、これらのM−1個の反射型空間光強度変
調素子からのM−1個の反射光の各々を透過するM−1
個のフーリエ変換レンズと、これらのフーリエ変換レン
ズを透過したM−1個の透過光を合成する第1の光合成
器と、M−1個の透過光が合成された合成光と、第Mの
分岐光を合成する第2の光合成器と、この第2の光合成
器による合成光をサンプリングする、複数N本の光ファ
イバからなる光ファイバアレーと、この光ファイバアレ
ーでサンプリングされた光を光電変換する複数N個の光
電変換器と、この光電変換器の出力に従い放射ビームを
発生する複数N個のアンテナ素子からなるアレーアンテ
ナと、を備え、アレーアンテナから放射する複数のビー
ムを独立に制御することを特徴とする光制御型フェーズ
ドアレーアンテナとしたので、アレーアンテナから複数
の放射ビーム毎に反射型空間光強度変調素子、フーリエ
変換レンズを使用できるため、複数の放射ビームを生成
させるときの柔軟性が向上する。
【0111】また、それぞれ請求項1記載の前記光分岐
部、光周波数変換器、反射型空間光強度変調素子および
光合成器からなる複数の構成部と、前記各構成部から放
射された光を合成する第2の光合成器と、この第2の光
合成器による合成光をサンプリングする、複数N本の光
ファイバからなる光ファイバアレーと、この光ファイバ
アレーでサンプリングされた光を光電変換する複数N個
の光電変換器と、この光電変換器の出力に従い放射ビー
ムを発生する複数N個のアンテナ素子からなるアレーア
ンテナと、を備え、アレーアンテナから放射する複数の
ビームを独立に制御することを特徴とする光制御型フェ
ーズドアレーアンテナとしたので、アレーアンテナから
放射させるビーム毎に異なるレーザを用いるので、例え
ば、マイクロ波ビーム毎にレーザ光の波長帯を変えた光
ファイバへの波長多重し、光波長フィルタを挿入するこ
とにより、光の波長帯により異なる光電変換器およびア
レーアンテナに分岐することも可能となる。
【0112】また、レーザから放射した光を第1、第2
の分岐光に分岐する光分岐部と、第1の分岐光の周波数
を変換する光周波数変換器と、周波数変換された第1の
分岐光を所望の強度分布で反射する、多数の反射鏡を含
む反射型空間光強度変調素子と、この反射型空間光強度
変調素子で反射した第1の分岐光と第2の分岐光を透過
するフーリエ変換レンズと、このフーリエ変換レンズを
透過した第1、第2の分岐光をサンプリングする、複数
N本の光ファイバからなる光ファイバアレーと、この光
ファイバアレーでサンプリングされた光を光電変換する
複数N個の光電変換器と、この光電変換器の出力に従い
放射ビームを発生する複数N個のアンテナ素子からなる
アレーアンテナと、を備え、前記反射型空間光強度変調
素子の各反射鏡による反射光の空間強度分布を制御する
ことで、前記アレーアンテナからの放射ビームを制御す
ることを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナ
としたので、光合成器を省略できる。
【0113】また、レーザから放射した光を第1、第2
の分岐光に分岐する光分岐部と、第1の分岐光の周波数
を変換する光周波数変換器と、前記第2の分岐光および
周波数変換された第1の分岐光を所望の強度分布で反射
する、多数の反射鏡を含む反射型空間光強度変調素子
と、この反射型空間光強度変調素子で反射した第1、第
2の分岐光を透過するフーリエ変換レンズと、このフー
リエ変換レンズの透過光をサンプリングする、複数N本
の光ファイバからなる光ファイバアレーと、この光ファ
イバアレーでサンプリングされた光を光電変換する複数
N個の光電変換器と、この光電変換器の出力に従い放射
ビームを発生する複数N個のアンテナ素子からなるアレ
ーアンテナと、を備え、前記反射型空間光強度変調素子
の各反射鏡による反射光の空間強度分布を制御すること
で、前記アレーアンテナからの放射ビームを制御するこ
とを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナとし
たので、第2の分岐光である基準ビーム光と第1の分岐
光がフーリエ変換レンズに入射する角度差は小さくなる
ため、フーリエ変換レンズの収差の影響を軽減できる。
また、サンプリング光ファイバアレーに入射する基準ビ
ーム光の強度分布を反射型空間光強度変調素子により制
御できるため、ビーム走査、ビーム成型の制御の柔軟性
が向上する。
【0114】また、光ファイバアレーを構成する複数N
本の光ファイバの長さを、各光ファイバ毎に設定できる
ようにしたので、各光電変換器で光電変換された電気信
号の位相が全て一致するように各光ファイバの長さを校
正することにより、放射ビームの校正を行うことがで
き、例えばアレーアンテナの正面方向にも放射ビームを
向けることができる。
【0115】また、各光ファイバに接続された各々の光
電変換器とアンテナ素子間にマイクロ波移相器または遅
延線路を挿入し、各素子毎に位相量または遅延量を設定
できるようにしたので、上記と同様に放射ビームの校正
を行うことができる。
【0116】また、光ファイバアレーを構成する各光フ
ァイバ中に可変光遅延線路を設けるようにしたので、光
遅延線路はマイクロ波の周波数に依存しないため、広帯
域マイクロ波信号にも対応できる。
【0117】また、各光電変換器と各アンテナ素子間に
可変マイクロ波移相器または可変遅延線路を設けるよう
にしたので、光ファイバ、あるいはマイクロ波線路長に
製造誤差があったり、環境による変動が生じても補正で
きる。
【0118】また、光周波数変換器で周波数変換されな
い分岐光を合成する光合成器の代わりに、光導波路型の
光合成器を光ファイバアレーの各光ファイバ中に設け、
光ファイバアレーで合成するようにしたので、光学系の
アライメントを容易にすることができる。
【0119】また、反射型空間光強度変調素子の反射鏡
を制御する領域の面積を変えることで、アレーアンテナ
から放射するビームの幅を制御するようにしたので、隣
接する複数の反射鏡を同時にオンにし、反射領域を広げ
ることにより放射ビームの幅を太くすることができる。
また、同時にオンにする反射鏡の数が増えるので、反射
型空間光強度変調素子で反射する光量が増大し、S/N
を向上させることができる。
【0120】また、反射型空間光強度変調素子の反射鏡
で、隣接する複数の反射鏡を同時に制御し、これをずら
しながらアレーアンテナから放射するビームを制御する
ようにしたので、これにより放射ビームの幅を太くし、
隣接方向の放射ビームとオーバラップさせるので、放射
ビームが覆う領域に抜けが生じなくなる。
【0121】また、反射型空間光強度変調素子の反射鏡
を複数の領域で同時に制御し、各領域内の制御する反射
鏡の数を変えることで、アレーアンテナから放射するビ
ームの形状を制御するようにしたので、オンにする反射
鏡の分布を制御することにより、擬似的に反射光の強度
分布を制御し、サイドローブなどの放射ビームのパター
ン制御が実現できる。
【0122】また、光ファイバアレーを構成する各光フ
ァイブのサンプリング側にレンズアレーを設けるように
したので、受光効率を向上させることができる。
【0123】また、円筒形状で屈折率が外周に近づくに
従い低くなるレンズを設けるようにしたので、レンズの
長さにより結像特性を制御でき、レンズ端面あるいは近
傍を焦点面にすることもでき、焦点面をレンズ端面ある
いは近傍にすることにより、レンズ付きサンプリング光
ファイバアレーを組み立てる時のレンズと光ファイバ間
の位置の調整を容易にすることができる。
【0124】また、光ファイバアレーのサンプリング側
に、分布屈折率型光ファイバを接続するようにしたの
で、これはシングルモードファイバに比べてコアが大き
いので受光効率を向上させることができる。
【0125】また、前記光ファイバアレーの代わりに前
記複数の光電変換器をフーリエ変換レンズ透過光または
光合成器による合成光をサンプリングするサンプリング
面にアレー状に配したことを特徴とする光制御型フェー
ズドアレーアンテナとしたので光ファイバアレーが不要
となる。
【0126】また、前記光周波数変換器の代わりに、レ
ーザから放射した光を変調する変調手段と、変調により
発生した複数の周波数成分のレーザ光の中から複数の光
を抽出する光帯域フィルタと、を備えたことを特徴とす
る光制御型フェーズドアレーアンテナとしたので光周波
数変換器が不要となる。
【0127】また、前記光周波数変換器の代わりに、複
数の波長を同時に放射するレーザと、レーザ放射光の中
から周波数の異なる複数のレーザを抽出する光帯域フィ
ルタと、をさらに備えたので光周波数変換器が不要とな
る。
【0128】また、前記光周波数変換器の代わりに、複
数のレーザと、これらの各レーザからの光の波長の互い
の同期をとる位相同期回路と、を備え、各レーザから放
射した光を分岐光としたことを特徴とする光制御型フェ
ーズドアレーアンテナとしたので光周波数変換器が不要
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による光制御型フェ
ーズドアレーアンテナの構成を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態2による光制御型フェ
ーズドアレーアンテナの構成を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態3による光制御型フェ
ーズドアレーアンテナの構成を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態4による光制御型フェ
ーズドアレーアンテナの構成を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態5による光制御型フェ
ーズドアレーアンテナの構成を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態6による光制御型フェ
ーズドアレーアンテナの構成を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態7による光制御型フェ
ーズドアレーアンテナの構成を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態11による光制御型フ
ェーズドアレーアンテナの構成を示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態12による光制御型フ
ェーズドアレーアンテナを説明するための図である。
【図10】 この発明の実施の形態13による光制御型
フェーズドアレーアンテナを説明するための図である。
【図11】 この発明の実施の形態14による光制御型
フェーズドアレーアンテナを説明するための図である。
【図12】 この発明の実施の形態15による光制御型
フェーズドアレーアンテナを説明するための図である。
【図13】 この発明の実施の形態16による光制御型
フェーズドアレーアンテナを説明するための図である。
【図14】 従来の光制御型フェーズドアレーアンテナ
の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 レーザ、2 マイクロ波発振器、3 光周波数変換
器、8 レンズ、9光ファイバ、10 第1のビーム
光、11 反射光、17 第2のビーム光、18 ロー
カルビーム光、20 反射型空間光強度変調素子、21
反射鏡、30フーリエ変換レンズ、31 前側焦点
面、32 後側焦点面、35 ビーム合成器(光合成
器)、40 サンプリング光ファイバアレー、41、4
7 光ファイバ、42 光ファイバ合波器、43 コ
ア、45 小型レンズ、46 クラッド、50 光電変
換器、51 電力増幅器、52 アレーアンテナ素子、
53 アレーアンテナ、54 放射ビーム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J021 AA05 AA06 CA06 DB02 DB03 EA04 FA13 FA14 FA15 FA16 FA17 FA20 FA24 FA26 FA29 FA30 FA32 GA02 HA05

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザから放射した光を第1、第2の分
    岐光に分岐する光分岐部と、 第1の分岐光の周波数を変換する光周波数変換器と、 周波数変換された第1の分岐光を所望の空間強度分布で
    反射する、多数の反射鏡を含む反射型空間光強度変調素
    子と、 この反射型空間光強度変調素子で反射した第1の分岐光
    を透過するフーリエ変換レンズと、 このフーリエ変換レンズを透過した第1の分岐光と前記
    第2の分岐光とを合成する光合成器と、 この光合成器による合成光を空間的にサンプリングす
    る、複数N本の光ファイバからなる光ファイバアレー
    と、 この光ファイバアレーでサンプリングされた光を光電変
    換する複数N個の光電変換器と、 この光電変換器の出力に従い放射ビームを発生する複数
    N個のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、 を備え、 前記反射型空間光強度変調素子の各反射鏡による反射光
    の空間強度分布を制御することで、前記アレーアンテナ
    からの放射ビームを制御することを特徴とする光制御型
    フェーズドアレーアンテナ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光制御型フェーズドアレ
    ーアンテナにおいて、前記反射型空間光強度変調素子
    で、同時に複数の領域で反射鏡を制御して、前記アレー
    アンテナから同時に複数のビームを放射することを特徴
    とする光制御型フェーズドアレーアンテナ。
  3. 【請求項3】 レーザ光を3つ以上のM個に分岐する光
    分岐部と、 第1から第M−1の分岐光に対し各々の分岐光の周波数
    を変換するM−1個の光周波数変換器と、 周波数変換されたM−1個の分岐光について各々の光の
    反射強度分布を制御するM−1個の反射型空間光強度変
    調素子と、 これらの反射型空間光強度変調素子からのM−1個の反
    射光を合成する第1の光合成器と、 この第1の光合成器からの合成光を透過するフーリエ変
    換レンズと、 このフーリエ変換レンズの透過光と第Mの分岐光を合成
    する第2の光合成器と、 この第2の光合成器による合成光をサンプリングする、
    複数N本の光ファイバからなる光ファイバアレーと、 この光ファイバアレーでサンプリングされた光を光電変
    換する複数N個の光電変換器と、 この光電変換器の出力に従い放射ビームを発生する複数
    N個のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、 を備え、アレーアンテナから放射する複数のビームを独
    立に制御することを特徴とする光制御型フェーズドアレ
    ーアンテナ。
  4. 【請求項4】 レーザ光を3つ以上のM個に分岐する光
    分岐部と、 第1から第M−1の分岐光に対し各々の分岐光の周波数
    を変換するM−1個の光周波数変換器と、 周波数変換されたM−1個の分岐光について各々の光の
    反射強度分布を制御するM−1個の反射型空間光強度変
    調素子と、 これらのM−1個の反射型空間光強度変調素子からのM
    −1個の反射光の各々を透過するM−1個のフーリエ変
    換レンズと、 これらのフーリエ変換レンズを透過したM−1個の透過
    光を合成する第1の光合成器と、 M−1個の透過光が合成された合成光と、第Mの分岐光
    を合成する第2の光合成器と、 この第2の光合成器による合成光をサンプリングする、
    複数N本の光ファイバからなる光ファイバアレーと、 この光ファイバアレーでサンプリングされた光を光電変
    換する複数N個の光電変換器と、 この光電変換器の出力に従い放射ビームを発生する複数
    N個のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、 を備え、アレーアンテナから放射する複数のビームを独
    立に制御することを特徴とする光制御型フェーズドアレ
    ーアンテナ。
  5. 【請求項5】 それぞれ請求項1記載の前記レーザ、光
    分岐部、光周波数変換器、反射型空間光強度変調素子、
    フーリエ変換レンズおよび光合成器からなる複数の構成
    部と、 前記各構成部から放射された光を合成する第2の光合成
    器と、 この第2の光合成器による合成光をサンプリングする、
    複数N本の光ファイバからなる光ファイバアレーと、 この光ファイバアレーでサンプリングされた光を光電変
    換する複数N個の光電変換器と、 この光電変換器の出力に従い放射ビームを発生する複数
    N個のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、 を備え、アレーアンテナから放射する複数のビームを独
    立に制御することを特徴とする光制御型フェーズドアレ
    ーアンテナ。
  6. 【請求項6】 レーザから放射した光を第1、第2の分
    岐光に分岐する光分岐部と、 第1の分岐光の周波数を変換する光周波数変換器と、 周波数変換された第1の分岐光を所望の強度分布で反射
    する、多数の反射鏡を含む反射型空間光強度変調素子
    と、 この反射型空間光強度変調素子で反射した第1の分岐光
    と第2の分岐光を透過するフーリエ変換レンズと、 このフーリエ変換レンズを透過した第1、第2の分岐光
    をサンプリングする、複数N本の光ファイバからなる光
    ファイバアレーと、 この光ファイバアレーでサンプリングされた光を光電変
    換する複数N個の光電変換器と、 この光電変換器の出力に従い放射ビームを発生する複数
    N個のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、 を備え、 前記反射型空間光強度変調素子の各反射鏡による反射光
    の空間強度分布を制御することで、前記アレーアンテナ
    からの放射ビームを制御することを特徴とする光制御型
    フェーズドアレーアンテナ。
  7. 【請求項7】 レーザから放射した光を第1、第2の分
    岐光に分岐する光分岐部と、 第1の分岐光の周波数を変換する光周波数変換器と、 前記第2の分岐光および周波数変換された第1の分岐光
    を所望の強度分布で反射する、多数の反射鏡を含む反射
    型空間光強度変調素子と、 この反射型空間光強度変調素子で反射した第1、第2の
    分岐光を透過するフーリエ変換レンズと、 このフーリエ変換レンズの透過光をサンプリングする、
    複数N本の光ファイバからなる光ファイバアレーと、 この光ファイバアレーでサンプリングされた光を光電変
    換する複数N個の光電変換器と、 この光電変換器の出力に従い放射ビームを発生する複数
    N個のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、 を備え、 前記反射型空間光強度変調素子の各反射鏡による反射光
    の空間強度分布を制御することで、前記アレーアンテナ
    からの放射ビームを制御することを特徴とする光制御型
    フェーズドアレーアンテナ。
  8. 【請求項8】 請求項6または7記載のアンテナにおい
    て、光ファイバアレーを構成する複数N本の光ファイバ
    の長さを、光ファイバアレーでの位置により変えたこと
    を特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナ。
  9. 【請求項9】 請求項6または7記載のアンテナにおい
    て、各光ファイバに接続された各々の光電変換器とアン
    テナ素子間にマイクロ波移相器または遅延線路を挿入
    し、各移相量または遅延量が各光ファイバで異なること
    を特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナ。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし8のいずれか記載のア
    ンテナにおいて、光ファイバアレーを構成する各光ファ
    イバ中に可変光遅延線路を設けたことを特徴とする光制
    御型フェーズドアレーアンテナ。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし7および9のいずれか
    記載のアンテナにおいて、各光電変換器と各アンテナ素
    子間に可変マイクロ波移相器または可変遅延線路を設け
    たことを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテ
    ナ。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし5のいずれか記載のア
    ンテナにおいて、光周波数変換器で周波数変換されない
    分岐光を合成する光合成器の代わりに、光導波路型の光
    合成器を光ファイバアレーの各光ファイバに設け、光フ
    ァイバアレーで合成することを特徴とする光制御型フェ
    ーズドアレーアンテナ。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし5のいずれか記載のア
    ンテナにおいて、反射型空間光強度変調素子の反射鏡を
    制御する領域の面積を変えることで、アレーアンテナか
    ら放射するビームの幅を制御することを特徴とする光制
    御型フェーズドアレーアンテナ。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし13のいずれか記載の
    アンテナにおいて、反射型空間光強度変調素子の反射鏡
    で、隣接する複数の反射鏡を同時に制御し、これをずら
    しながらアレーアンテナから放射するビームを制御する
    ことを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナ。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし14のいずれか記載の
    アンテナにおいて、反射型空間光強度変調素子の反射鏡
    を複数の領域を同時に制御し、各領域内の制御する反射
    鏡の数を変えることで、アレーアンテナから放射するビ
    ームの形状を制御することを特徴とする光制御型フェー
    ズドアレーアンテナ。
  16. 【請求項16】 請求項1ないし15のいずれか記載の
    アンテナにおいて、光ファイバアレーの光サンプリング
    側にレンズアレーを設けたことを特徴とする光制御型フ
    ェーズドアレーアンテナ。
  17. 【請求項17】 請求項16記載のアンテナにおいて、
    円筒形状で屈折率が外周に近づくに従い低くなるレンズ
    を設けたことを特徴とする光制御型フェーズドアレーア
    ンテナ。
  18. 【請求項18】 請求項1ないし15のいずれか記載の
    アンテナにおいて、光ファイバアレーを構成する各光フ
    ァイバのサンプリング側に、分布屈折率型光ファイバを
    接続したことを特徴とする光制御型フェーズドアレーア
    ンテナ。
  19. 【請求項19】 請求項1ないし7、11、13ないし
    15のいずれか記載のアンテナにおいて、前記光ファイ
    バアレーの代わりに前記複数の光電変換器を前記光合成
    器による合成光をサンプリングするサンプリング面にア
    レー状に配したことを特徴とする光制御型フェーズドア
    レーアンテナ。
  20. 【請求項20】 請求項1ないし19のいずれか記載の
    アンテナにおいて、前記光分岐部および周波数変換器の
    代わりに、 レーザから放射した光を変調する変調手段と、 変調により発生した複数の周波数成分のレーザ光の中か
    ら複数の光を抽出する光帯域フィルタと、 を備えたことを特徴とする光制御型フェーズドアレーア
    ンテナ。
  21. 【請求項21】 請求項1ないし19のいずれか記載の
    アンテナにおいて、前記光分岐部および周波数変換器の
    代わりに、 複数の波長を同時に放射するレーザと、 レーザ放射光の中から周波数の異なる複数のレーザ光を
    抽出する光帯域フィルタと、 をさらに備えたことを特徴とする光制御型フェーズドア
    レーアンテナ。
  22. 【請求項22】 請求項1ないし19のいずれか記載の
    アンテナにおいて、前記光分岐部および周波数変換器の
    代わりに、 複数のレーザと、 これらの各レーザからの光の波長の互いの同期をとる位
    相同期回路と、 を備え、各レーザから放射した光を分岐光としたことを
    特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナ。
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