JP4007493B2 - 光制御型フェーズドアレーアンテナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、光波によりアレイアンテナから放射するマイクロ波ビームを制御する光制御型フェーズドアレーアンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図14は、例えば特開平03−044202号公報に開示された従来の光制御型フェーズドアレーアンテナのブロック図である。図14において、光放射器100の内部に設けられたレーザから放射されるビーム光を2つの分岐光に分岐し、一方の分岐光の周波数をマイクロ波発振器2から入力されるマイクロ波信号の周波数だけ偏移させて第1のビーム光10として出力し、他方の分岐光をそのまま第2のビーム光17として出力する。
【0003】
光放射器100から放射された第1のビーム光10は、ミラー101を介してイメージマスク102に入射され、イメージマスク102を透過する。イメージマスク102は入射された第1のビーム光を、例えば扇形ビームパターンなどの所望のアンテナ放射パターンのビーム形状に対応したビーム光11に変換して、フーリエ変換レンズ30に放射する。
【0004】
一方、光放射器100から放射された第2のビーム光17は分布調整器103に放射され、分布調整器103は、第2のビーム光17を所定の強度分布に調整し、調整後の第2のビーム光17をローカルビーム光18としてビーム合成器35に放射する。
【0005】
光合成器すなわちビーム合成器35は、フーリエ変換レンズ30を透過した第1のビーム光11と分布調整器103からのローカルビーム光18とを混合して合成した後、合成光をサンプリング光ファイバアレー40に放射する。
【0006】
サンプリング光ファイバアレー40は、所定の間隔をおいて光ファイバの長手方向が平行になるように、ある平面に並置された複数N本の光ファイバ41−1乃至41−Nから成り、このサンプリング光ファイバアレーに入射される合成光は、空間的にサンプリングされ各光ファイバを伝搬する。サンプリング光ファイバアレー40に入射された合成光は、N本の光ファイバ41−1乃至41−Nを介して、各々光電変換器50−1乃至50−Nに入射される。
【0007】
光電変換器50−1乃至50−Nはそれぞれ、入射された上記第1のビーム光11と上記ローカルビーム光18である第2のビーム光17の差の周波数であって、入力されるビーム光11とローカルビーム光18との振幅の積に比例し、かつその位相に一致したマイクロ波信号に光電変換した後、電力増幅器51−1乃至51−Nを介し、アレーアンテナ53を構成する直線上あるいは平面上に並置されるアンテナ素子52−1乃至52−Nに出力する。
【0008】
イメージマスク102をフーリエ変換レンズ30の前側焦点面31に、サンプリング光ファイバアレー40をフーリエ変換レンズ30の後側焦点面32に設置すると、イメージマスク102のパターンと、サンプリング光ファイバアレー40のサンプリング面上での第1のビーム光10のファーフィールドパターンとは、お互いにフーリエ変換の関係となる。
【0009】
さらに、各アンテナ素子52−1乃至52−Nから放射される各マイクロ波信号強度の分布と、これらが合成されたアレーアンテナ53からの放射ビーム54のパターンとはお互いにフーリエ変換の関係がある。
【0010】
以上の様に、フーリエ変換レンズ30透過時およびアレーアンテナ53放射時の合計2回のフーリエ変換が行われるので、アレーアンテナ53からの放射ビーム54のパターンはイメージマスク102で設定されるパターンに対応する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図14に示された従来例の光制御型フェーズドアレーアンテナは、イメージマスク102を透過させることにより、アレーアンテナ53からの放射ビーム54のパターンを設定しているため、放射ビーム54の放射パターンを変えるにはイメージマスク102を取り替えなければならないため制御の柔軟性に欠け、パターン生成速度が制限されるなどの問題点があった。
【0012】
さらに、放射ビーム54を走査するには、イメージマスク102を動かさなければならず、機械的な可動部が必要となる等の問題点があった。
【0013】
また、前述の公報にはイメージマスク102として液晶素子などの透過型空間光強度変調素子を用いることも可能であると示されている。液晶素子を用いることにより制御の柔軟性は向上し、機械的な可動部をなくすことが可能となるが、一般的な液晶素子の応答時間は10から数10msecオーダであるため、ビーム走査またはビーム生成速度も10から数10msecオーダに制限される。また、一般的な液晶素子は温度依存性があり低温での動作が困難であるため、使用できる環境が制限される。また、一般的な透過型空間光変調素子では、アレーを構成する各光変調素子に制御信号を送る線路により透過光が遮断されるために開口率が制限され信号強度が弱くなるなど、液晶素子などの透過型空間光強度変調素子をイメージマスクに用いても様々な課題がある。
【0014】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、簡易な構成でフーリエ変換レンズの前側焦点面上に任意の形状の光強度分布を容易にかつ高速に生成することにより、所望のパターンのアレーアンテナ放射ビームを高速に生成できる光制御型フェーズドアレーアンテナを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的に鑑み、この発明は、レーザから放射した光を第1、第2の分岐光に分岐する光分岐部と、第1の分岐光の周波数を変換する光周波数変換器と、周波数変換された第1の分岐光を所望の空間強度分布で反射する、多数の反射鏡を含む反射型空間光強度変調素子と、この反射型空間光強度変調素子で反射した第1の分岐光を透過するフーリエ変換レンズと、このフーリエ変換レンズを透過した第1の分岐光と前記第2の分岐光とを合成する光合成器と、この光合成器による合成光を空間的にサンプリングする、複数N本の光ファイバからなる光ファイバアレーと、この光ファイバアレーでサンプリングされた光を光電変換する複数N個の光電変換器と、この光電変換器の出力に従い放射ビームを発生する複数N個のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、を備え、前記反射型空間光強度変調素子の各反射鏡による反射光の空間強度分布を制御することで、前記アレーアンテナからの放射ビームを制御することを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナにある。
【0016】
また、上記光制御型フェーズドアレーアンテナにおいて、前記反射型空間光強度変調素子で、同時に複数の領域で反射鏡を制御して、前記アレーアンテナから同時に複数のビームを放射することを特徴とする。
【0017】
また、レーザ光を3つ以上のM個に分岐する光分岐部と、第1から第M−1の分岐光に対し各々の分岐光の周波数を変換するM−1個の光周波数変換器と、周波数変換されたM−1個の分岐光について各々の光の反射強度分布を制御するそれぞれ多数の反射鏡を含むM−1個の反射型空間光強度変調素子と、これらの反射型空間光強度変調素子からのM−1個の反射光を合成する第1の光合成器と、この第1の光合成器からの合成光を透過するフーリエ変換レンズと、このフーリエ変換レンズの透過光と第Mの分岐光を合成する第2の光合成器と、この第2の光合成器による合成光をサンプリングする、複数N本の光ファイバからなる光ファイバアレーと、この光ファイバアレーでサンプリングされた光を光電変換する複数N個の光電変換器と、この光電変換器の出力に従い放射ビームを発生する複数N個のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、を備え、アレーアンテナから放射する複数のビームを独立に制御することを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナにある。
【0018】
また、レーザ光を3つ以上のM個に分岐する光分岐部と、第1から第M−1の分岐光に対し各々の分岐光の周波数を変換するM−1個の光周波数変換器と、周波数変換されたM−1個の分岐光について各々の光の反射強度分布を制御するそれぞれ多数の反射鏡を含むM−1個の反射型空間光強度変調素子と、これらのM−1個の反射型空間光強度変調素子からのM−1個の反射光の各々を透過するM−1個のフーリエ変換レンズと、これらのフーリエ変換レンズを透過したM−1個の透過光を合成する第1の光合成器と、M−1個の透過光が合成された合成光と、第Mの分岐光を合成する第2の光合成器と、この第2の光合成器による合成光をサンプリングする、複数N本の光ファイバからなる光ファイバアレーと、この光ファイバアレーでサンプリングされた光を光電変換する複数N個の光電変換器と、この光電変換器の出力に従い放射ビームを発生する複数N個のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、を備え、アレーアンテナから放射する複数のビームを独立に制御することを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナにある。
【0019】
また、それぞれ前記レーザ、光分岐部、光周波数変換器、反射型空間光強度変調素子、フーリエ変換レンズおよび光合成器からなる複数の構成部と、前記各構成部から放射された光を合成する第2の光合成器と、この第2の光合成器による合成光をサンプリングする、複数N本の光ファイバからなる光ファイバアレーと、この光ファイバアレーでサンプリングされた光を光電変換する複数N個の光電変換器と、この光電変換器の出力に従い放射ビームを発生する複数N個のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、を備え、アレーアンテナから放射する複数のビームを独立に制御することを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナにある。
【0021】
また、レーザから放射した光を第1、第2の分岐光に分岐する光分岐部と、第1の分岐光の周波数を変換する光周波数変換器と、前記第2の分岐光および周波数変換された第1の分岐光を所望の強度分布で反射する、多数の反射鏡を含む反射型空間光強度変調素子と、この反射型空間光強度変調素子で反射した第1、第2の分岐光を透過するフーリエ変換レンズと、このフーリエ変換レンズの透過光をサンプリングする、複数N本の光ファイバからなる光ファイバアレーと、この光ファイバアレーでサンプリングされた光を光電変換する複数N個の光電変換器と、この光電変換器の出力に従い放射ビームを発生する複数N個のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、を備え、前記反射型空間光強度変調素子の各反射鏡による反射光の空間強度分布を制御することで、前記アレーアンテナからの放射ビームを制御することを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナにある。
【0022】
また、光ファイバアレーを構成する複数N本の光ファイバの長さを、光ファイバアレーでの位置により変えたことを特徴とする。
【0023】
また、各光ファイバに接続された各々の光電変換器とアンテナ素子間にマイクロ波移相器または遅延線路を挿入し、各移相量または遅延量が各光ファイバで異なることを特徴とする。
【0024】
また、光ファイバアレーを構成する各光ファイバ中に可変光遅延線路を設けたことを特徴とする。
【0025】
また、各光電変換器と各アンテナ素子間に可変マイクロ波移相器または可変遅延線路を設けたことを特徴とする。
【0026】
また、光周波数変換器で周波数変換されない分岐光を合成する光合成器の代わりに、光導波路型の光合成器を光ファイバアレーの各光ファイバに設け、光ファイバアレーで合成することを特徴とする。
【0027】
また、反射型空間光強度変調素子の反射鏡を制御する領域の面積を変えることで、アレーアンテナから放射するビームの幅を制御することを特徴とする。
【0028】
また、反射型空間光強度変調素子の反射鏡で、多数の反射鏡の隣接する複数の反射鏡を同時に制御し、これをずらしながらアレーアンテナから放射するビームを制御することを特徴とする。
【0029】
また、反射型空間光強度変調素子の多数の反射鏡を複数の領域を同時に制御し、各領域内の制御する反射鏡の数を変えることで、アレーアンテナから放射するビームの形状を制御することを特徴とする。
【0030】
また、光ファイバアレーの光サンプリング側にレンズアレーを設けたことを特徴とする。
【0031】
また、円筒形状で屈折率が外周に近づくに従い低くなるレンズを設けたことを特徴とする。
【0032】
また、光ファイバアレーを構成する各光ファイバのサンプリング側に、分布屈折率型光ファイバを接続したことを特徴とする。
【0033】
また、前記光ファイバアレーの代わりに前記複数の光電変換器を前記光合成器による合成光をサンプリングするサンプリング面にアレー状に配したことを特徴とする。
【0034】
また、前記光分岐部および周波数変換器の代わりに、レーザから放射した光を変調する変調手段と、変調により発生した複数の周波数成分のレーザ光の中から複数の光を抽出する光帯域フィルタと、を備えたことを特徴とする。
【0035】
また、前記光分岐部および周波数変換器の代わりに、複数の波長を同時に放射するレーザと、レーザ放射光の中から周波数の異なる複数のレーザ光を抽出する光帯域フィルタと、をさらに備えたことを特徴とする。
【0036】
また、前記光分岐部および周波数変換器の代わりに、複数のレーザと、これらの各レーザからの光の波長の互いの同期をとる位相同期回路と、を備え、各レーザから放射した光を分岐光としたことを特徴とする。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下この発明を各実施の形態に従って説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による光制御型フェーズドアレーアンテナの構成を示す図である。図1において、レーザ1から放射される光を2つの分岐光に分岐し(例えばレーザ1の出力端あるいはレーザ1と別体にその出力側に光分岐部(特に図示せず)を有する)、一方の分岐光をその周波数を、光周波数変換器3によりマイクロ波発振器2から入力されるマイクロ波信号の周波数に応じて偏移させて第1のビーム光10として出力し、他方の分岐光はそのまま第2のビーム光17として出力する。光の周波数を偏移させる光周波数変換器としては、例えば音響光学効果(A/O)を用いた光周波数シフタが商品化されている。
【0038】
第1のビーム光10は、必要に応じて光ファイバ9、レンズ8を介して、所定のビーム幅に変換して反射型空間光強度変調素子20に照射する。反射型空間光強度変調素子20は、多数の微小な反射鏡21がアレー状に配置されており、一つ一つの反射鏡の反射特性を変えることで、反射光の空間強度分布を制御できる。反射光の空間強度分布の制御特性として、例えば10μsecのオーダーで高速に制御できるものや、反射鏡の開口率が80%以上の高いものも報告されている。
【0039】
反射型空間光強度変調素子20に入射した第1のビーム光10は、アレー状に配置された各々の微小な反射鏡21により、反射光の空間強度分布を制御できる。反射型空間光強度変調素子20の各反射鏡の制御に対応した強度分布で、反射型空間光強度変調素子20に入射した第1のビーム光10の一部はフーリエ変換レンズ30の方向に反射し、フーリエ変換レンズ30を透過する。
【0040】
以下、反射型空間光強度変調素子20を構成する各反射鏡21の状態を、各反射鏡21に入射したビーム光10がフーリエ変換レンズ30を透過する反射光11となる場合をオンと定義し、その他の場合をオフと定義する。オン状態の反射鏡21のパターンで、第1のビーム光10が反射して、フーリエ変換レンズ30へ入射する。
【0041】
一方、レーザ1から放射した第2のビーム光17はレンズ8を介して所定のビーム幅に変換し、変換後の第2のビーム光をローカルビーム光18としてビーム(光)合成器35に放射する。
【0042】
ビーム合成器35は、フーリエ変換レンズ30を透過した第1のビーム光11と、ローカルビーム光18とを混合して合成した後、合成光をサンプリング光ファイバアレー40に放射する。
【0043】
サンプリング光ファイバアレー40は、所定の間隔をおいて光ファイバの長手方向が平行になるように、ある平面に並置された複数N本の光ファイバ41−1乃至41−Nから成り、このサンプリング光ファイバアレーに入射される合成光は、空間的にサンプリングされ各光ファイバを伝搬する。サンプリング光ファイバアレー40に入射された合成光は、N本の光ファイバ41−1乃至41−Nを介して、各光電変換器50−1乃至50−Nに入射される。
【0044】
光電変換器50−1乃至50−Nはそれぞれ、入射された上記第1のビーム光11と上記ローカルビーム光18である第2のビーム光17の差の周波数であって、入力されるビーム光11とローカルビーム光18の振幅の積に比例し、かつその位相差に一致したマイクロ波信号に光電変換した後、電力増幅器51−1乃至51−Nを介し、アレーアンテナ53を構成する直線上あるいは平面上に並置されるアンテナ素子52−1乃至52−Nに出力する。
【0045】
反射型空間光強度変調素子20をフーリエ変換レンズ30の前側焦点面31に、サンプリング光ファイバアレー40をフーリエ変換レンズ30の後側焦点面32に設置すると、反射型空間光強度変調素子20中のオンにした反射鏡21のパターンと、サンプリング光ファイバアレー40のサンプリング面上での第1のビーム光11のパターンとは、お互いにフーリエ変換の関係となる。
【0046】
さらに、各アンテナ素子52−1乃至52−Nから放射される各マイクロ波信号の分布と、これらが合成されたアレーアンテナ53からの放射ビーム54のファーフィールドパターンとはお互いにフーリエ変換の関係がある。
【0047】
以上のように、フーリエ変換レンズ30透過時およびアレーアンテナ53放射時に合計2回のフーリエ変換が行われるので、アレーアンテナ53からの放射ビーム54のファーフィールドパターンは反射型空間光強度変調素子20のオンにした反射鏡21のパターンに対応する。
【0048】
例えば、反射型空間光強度変調素子20の中から1つの反射鏡21のみをオンにした場合の、アレーアンテナ53からの放射ビーム54の主ビームの方向について、1次元の場合で説明する。オンにする反射鏡21の位置をフーリエ変換レンズ30の光軸を原点にXとおく。フーリエ変換レンズ30の焦点距離をf、フーリエ変換レンズ30の後側焦点面であるサンプリング面32におけるサンプリング光ファイバアレー40を構成する光ファイバ41間の間隔をdo、アレーアンテナ53を構成する各アンテナ素子52の素子間隔をdm、レーザ光1の波長をλo、光電変換器50で発生するマイクロ波の波長をλmとおく。アレーアンテナ53からの放射ビーム54の主ビームの方向をアレーアンテナ53の正面方向からの角度θで表すと、角度θは
【0049】
sinθ={(do/λo)/(dm/λm)}×X/f
とおける。
【0050】
オンにする反射鏡21を順次切り替えることにより、アレーアンテナ53からの放射ビーム54を走査することができる。例えば、do=1mm、λo=1.55μm、dm=1.5cm、λm=3.0cm、f=200mmとおくと、X=50μmでは、アレーアンテナ53から放射するマイクロ波の放射ビーム(主ビーム)54の方向θは18.8度、X=100μmではθは40.2度となる。
【0051】
本計算例は、1次元のビーム走査について示したものであるが、反射型空間光強度変調素子20を構成する反射鏡21を2次元に配置し、サンプリング光ファイバアレー40及びアレーアンテナ53をそれぞれ2次元で構成すれば、放射ビーム54の2次元走査も可能である。
【0052】
以上のように、第1のビーム光11の空間強度分布を反射型空間光強度変調素子20による反射光で形成するので、フーリエ変換レンズ30方向に放射するビーム光11の空間分布を高速かつ柔軟に制御することができ、アレーアンテナ53からの放射ビーム54を任意のパターンで高速かつ柔軟に制御できる。また、オンにする反射鏡21を順次切り替えることにより、2次元の高速ビーム走査も可能となる。
【0053】
実施の形態2.
以上の実施の形態1では、反射型空間光強度変調素子20を構成する多数の反射鏡21の中から、オンにする一つの反射鏡21を順次切り替えて走査していたが、次に複数の反射鏡21を同時にオンにした場合、アレーアンテナ53からの放射ビーム54を同時に複数の方向へ発生させる実施の形態を示す。
【0054】
図2は、この発明の実施の形態2による光制御型フェーズドアレーアンテナの構成を示す図であり、このような場合の、反射型空間光強度変調素子20での反射光11の様子を示したものである。図2では反射型空間光強度変調素子20を構成する反射鏡21の中から、一番上の反射鏡21と、一番下の反射鏡21の2つの反射鏡21をオンにしている。反射型空間光強度変調素子20の2カ所で反射した2つの第1のビーム光11−1および11−2は、それぞれ異なる傾きでサンプリング光ファイバアレー40に入射し、それぞれの傾きに相当する位相情報を保持したまた光電変換器50−1乃至50−Nでマイクロ波信号に光電変換されアレーアンテナ53から放射される。
【0055】
たとえば、図2のように反射光11−1、11−2により放射ビーム54−1、54−2をそれぞれ生成できる。このように、オンにする反射鏡21の数、位置に応じて、放射ビーム54を同時に複数の方向に向けることができる。
【0056】
実施の形態3.
以上の実施の形態2では、一つの反射型空間光強度変調素子20を用いて複数の方向に同じ周波数、信号が重畳された放射ビーム54を発生させたものであるが、次に周波数、重畳信号が異なる複数の放射ビーム54を発生できる実施の形態を示す。
【0057】
図3はこの発明の実施の形態3による光制御型フェーズドアレーアンテナの構成を示す図であり、周波数、重畳信号が異なる複数の放射ビームの生成、制御が可能な光制御型フェーズドアレーアンテナの構成図である。図3において、レーザ光1から放射した光を3つに分岐し、図1と同様に一つの分岐光はアレーアンテナ53から放射させる第1の放射ビーム54−1の周波数と等しい周波数だけ第1の光周波数変換器3−1で偏移させ、第1の反射型空間光強度変調素子20−1に第1のビーム光10−1として照射させる。また、一つの分岐光はアレーアンテナ53から放射させる第2の放射ビーム54−2の周波数と等しい周波数だけ第2の光周波数変換器3−2で偏移させ、第2の反射型空間光強度変調素子20−2に第2のビーム光10−2として照射させる。さらに、一つの分岐光は周波数を変えずに、図1と同様に空間に放射し、ローカルビーム光18としてビーム合成器35−1に照射する。
【0058】
第1、第2のビーム光10−1、10−2はそれぞれ第1、第2の反射型空間光強度変調素子20−1、20−2のオンにした反射鏡21の空間分布で反射し、各反射光11−1、11−2は、第1、第2の反射型空間光強度変調素子20−1、20−2とフーリエ変換レンズ30との間に設置したビーム合成器35−2により合成され、フーリエ変換レンズ30へ放射する。
【0059】
この合成光はフーリエ変換レンズ30を透過し、ビーム合成器35−1によりローカルビーム光18と合成し、サンプリング光ファイバアレー40に放射する。サンプリング光ファイバアレー40を構成する各光ファイバ41−1乃至41−Nに入射した光は、各光ファイバ41−1乃至41−Nを伝搬し、各々光電変換器50−1乃至50−Nにより電気信号に変換される。
【0060】
光電変換器50−1乃至50−Nでは、第1のビーム光10−1とローカルビーム光18との周波数の差と等しい第1のマイクロ波信号と、第2のビーム光10−2とローカルビーム光18との周波数の差と等しい第2のマイクロ波信号が発生する。各光電変換器50−1乃至50−Nで発生するマイクロ波信号の強度、位相はそれぞれ第1、第2のビーム光11−1、11−2の振幅と基準光の振幅の積に比例し、位相に対応するものが独立に発生する。
【0061】
これらの第1、第2のマイクロ波信号をアレーアンテナ53を構成する各アンテナ素子52−1乃至52−Nに給電することにより、アレーアンテナ53から2つの放射ビーム54−1、54−2が放射される。
【0062】
本実施の形態の構成では、二つの反射型空間光強度変調素子20−1乃至20−2に別々の光を照射し、各反射型空間光強度変調素子20−1、20−2を独立に制御できるため、2つの放射ビーム54−1、54−2は各々独立して制御できる。
【0063】
また本実施の形態は、2つの反射型空間光強度変調素子20−1、20−2を用いて、アレーアンテナ53の2つの放射ビーム54−1、54−2を発生させるものであるが、レーザ1から放射した光をさらに分岐し、新たな反射型空間光強度変調素子20で反射光を制御し、新たなビーム合成器35で合成させることにより、アンテナから放射させるビーム54を追加させることができる。
【0064】
実施の形態4.
以上の実施の形態では、フーリエ変換レンズ30に対して、サンプリング光ファイバアレー40と反対側の空間で第1、第2のビーム光を光合成器35で合成させた後、第1、第2のビーム光11−1、11−2を同一のフーリエ変換レンズ30に入射させていたが、次に、第1、第2のビーム光を別々のフーリエ変換レンズ30に入射させる実施の形態を示す。
【0065】
図4はこの発明の実施の形態4による光制御型フェーズドアレーアンテナの構成を示す図であり、このような場合の構成を説明したものである。第1、第2のビーム光10−1、10−2を各々別々の反射型空間光強度変調素子20−1、20−2に照射し、各々の反射光11−1、11−2を別々のフーリエ変換レンズ30−1、30−2に入射させ、各々のフーリエ変換レンズ透過光を第1のビーム合成器35−1で合成し、合成光を第2のビーム合成器35−2により基準光18と合成し、サンプリングアレー40に照射する。
【0066】
アレーアンテナ53から複数の放射ビーム54毎に反射型空間光強度変調素子20、フーリエ変換レンズ30を使用できるため、複数の放射ビーム54を生成させるときの柔軟性が向上する。
【0067】
実施の形態5.
以上の実施の形態では、第1、第2の反射型空間光強度変調素子20−1、20−2での反射ビーム光11−1、11−2を合成させた後、一つのローカルビーム光18と合成させていたが、次に、各アレーアンテナ53からの放射ビーム54毎に異なるローカルビーム光18を使用する実施の形態を示す。
【0068】
図5はこの発明の実施の形態5による光制御型フェーズドアレーアンテナの構成を示す図であり、このような場合の構成を説明するものである。第1のレーザ1−1から放射した光を2つに分岐し、一つの分岐光を第1の光周波数変換器3−1により、アレーアンテナ53から放射させる第1のマイクロ波の放射ビーム54−1の周波数分、周波数を偏移させ、第1のビーム光10−1として第1の反射型空間光強度変調素子20−1に照射させる。別の分岐光はそのままレンズ8−1でビーム幅を調整して第1のビーム合成器35−1に放射させる。
【0069】
同様に、第2のレーザ1−2から放射した光を2つに分岐し、一つの分岐光を第2の光周波数変換器3−2により、第2のマイクロ波の放射ビーム54−2の周波数分、周波数を偏移させ、第2のビーム光10−2として第2の反射型空間光強度変調素子20−2に照射させる。別の分岐光はそのままレンズ8−2でビーム幅を調整して第2のビーム合成器35−2に放射させる。
【0070】
第1のビーム光は第1の反射型空間光強度変調素子20−1で所定の強度分布で反射し、第1のフーリエ変換レンズ30−1を透過し、この第1の透過光11−1は前述の第1の基準光と第1のビーム合成器35−1で合成される。
【0071】
同様に、第2のビーム光は第2の反射型空間光強度変調素子20−2で所定の強度分布で反射し、第2のフーリエ変換レンズ30−2を透過し、この第2の透過光11−2は前述の第2の基準光と第2のビーム合成器35−2で合成される。
【0072】
以上の2つの合成光を第3のビーム合成器35−3で合成し、サンプリング光ファイバアレー40に照射、サンプリングさせ、サンプリングされた合成光は各光ファイバ41−1乃至41−Nを介して光電変換器50−1乃至50−Nで光電変換され、マイクロ波信号が発生する。このマイクロ波信号はマイクロ波のアレーアンテナ53から放射する。
【0073】
アレーアンテナから放射させるビーム54毎に異なるレーザを用いるので、例えば、マイクロ波ビーム毎にレーザ光の波長帯を変えた光ファイバ41−1乃至41−Nへの波長多重し、光波長フィルタを挿入することにより、光の波長帯により異なる光検出器(光電変換器)およびアレーアンテナに分岐することも可能である。
【0074】
実施の形態6.
前述の実施の形態では、ローカルビーム光18とフーリエ変換レンズ透過光11とを光合波器35で合成し、サンプリング光ファイバアレー40に入射させていたが、図6に示すようにローカルビーム光18を反射型空間光強度変調素子20側から放射させ、フーリエ変換レンズ30側を透過させてもよい。これにより光合成器を省略できる。
【0075】
実施の形態7.
前述の実施の形態では、ローカルビーム光18を直接フーリエ変換レンズ30に入射させていたが、図7に示すようにローカルビーム光18をレンズ8−2を介して、反射型空間光強度変調素子20に照射し反射させて、フーリエ変換レンズ30を透過させてもよい。
【0076】
これにより、ローカルビーム光18と第1のビーム光11がフーリエ変換レンズに入射する角度差は小さくなるため、フーリエ変換レンズ30の収差の影響を軽減できる。また、ローカルビーム光18の強度分布を反射型空間光強度変調素子20により制御できるため、ビーム走査、ビーム成型の制御の柔軟性が向上する。
【0077】
実施の形態8.
前述の2つの実施の形態では、フーリエ変換レンズ30に入射する反射型空間光強度変調素子20で反射したビーム光11と、ローカルビーム光18の向きを一致させることができないため、各光電変換器50−1乃至50−Nに入射する合成光の位相を一致させることができず、アレーアンテナ53の正面方向など、放射ビーム54を向けることができない方向が存在する。
【0078】
そこで本実施の形態では、光ファイバ41−1乃至41−Nの長さをビーム光11とローカルビーム光18の傾きに応じて変える。例えば、反射型空間光強度変調素子20の中心の素子にビーム光10を照射したときに、各光電変換器50−1乃至50−Nで光電変換された電気信号の位相が全て一致するように各光ファイバ41−1乃至41−Nの長さを校正することにより、アレーアンテナ53の正面方向にも放射ビーム54を向けることができる。
【0079】
実施の形態9.
前述の実施の形態では、各光ファイバ41−1乃至41−Nの長さを変えることにより校正するものであるが、これは光電変換器50−1乃至50−Nとアンテナ素子52−1乃至52−N間にマイクロ波の移相器、あるいは遅延線路を挿入して各光ファイバで移相量や遅延量が異なるようにしてもよい。
【0080】
実施の形態10.
また、既に述べたいずれの実施の形態において、全ての光ファイバ50−1乃至50−Nの長さ、及び光電変換器50−1乃至50−Nの出力端からアレーアンテナ54の各アンテナ素子53−1乃至53−Nまでの線路長の長さに誤差があるとアレーアンテナ53から放射するビーム54の形状が所望の形状と異なってしまう。
【0081】
これは光電変換器50−1乃至50−Nとアンテナ素子53−1乃至53−N間に可変マイクロ波移相器あるいは可変マイクロ波遅延線(線路)を挿入することにより、光ファイバ、あるいはマイクロ波線路長に製造誤差があったり、環境による変動が生じても補正できる。
【0082】
また、この補正は、各サンプリング光ファイバ50−1乃至50−N線路中に可変光遅延線を挿入してもよい。マイクロ波の移相器はマイクロ波の周波数依存性があるが、光遅延線(線路)はマイクロ波の周波数に依存しないため、広帯域マイクロ波信号にも対応できる。
【0083】
実施の形態11.
以上の実施の形態では、反射型空間光強度変調素子20で反射した第1のビーム光11とローカルビーム光18とを光合成器35で空間的に合成し、サンプリング光ファイバアレー40に照射させていたが、図8に示すように、第1のビーム光11のみをサンプリング光ファイバアレー40でサンプリングし、サンプリング光と、ローカルビーム光18を平板光導波路や光ファイバなどによる光導波路型の光合成器42−1乃至42−Nを用いて光ファイバ41−1乃至41−N中で合成しても良い。これにより光学系のアライメントを容易にすることができる。
【0084】
実施の形態12.
以上に述べた各実施の形態では、反射型空間光強度変調素子20の中から一つの反射鏡21をオンにして、オンにする反射鏡21を順次切り替えることにより放射ビーム54を走査しているが、これは図9に示すように隣接する複数の反射鏡21を同時にオンにしても良い。
【0085】
図9の(b)は反射型空間光強度変調素子20を構成する複数の反射鏡21のオン、オフの状態を1次元で示したものであり、(a)は反射鏡21の状態によるアレーアンテナ53からの放射ビーム54のビーム幅を模式的に示したものである。図9の(b)中、黒はオン状態の反射鏡を、白はオフ状態の反射鏡を示す。
【0086】
反射型空間光強度変調素子20のオンにする反射鏡の分布を20−1のようにした場合の、放射ビームの分布が54−1、反射鏡の分布を20−2のようにした場合の放射のビームの分布が54−2、のように対応する。
【0087】
図のように、隣接する複数の反射鏡21を同時にオンにし、反射領域を広げることにより放射ビーム54の幅を太くすることができる。また、同時にオンにする反射鏡の数が増えるので、反射型空間光強度変調素子20で反射する光量が増大し、ダイナミックレンジを向上させることができる。図9は1次元で説明しているが、2次元に拡張しても同様である。
【0088】
実施の形態13.
オンにする一つの、あるいは複数の反射鏡21を切り替えてビームを走査する場合、放射ビーム54の幅が細い場合、放射ビーム54を向けられる方向に隙間ができることがある。
【0089】
図10は複数の反射鏡を同時にオンにし、オンにする反射鏡の範囲を順次、ずらしたビーム走査のこの発明による実施の形態を示したものである。反射型空間光強度変調素子20のオンにする反射鏡の分布を図10の(b)の20−1のようにした場合の、放射ビームの分布が図10の(a)の54−1、反射鏡の分布を20−2のようにした場合の放射のビームの分布が54−2、のように対応する。これにより放射ビーム54の幅を太くし、隣接方向の放射ビーム54とオーバラップさせるので、放射ビーム54が覆う領域に抜けが生じなくなる。
【0090】
実施の形態14.
以上の実施の形態の形態では、隣接する領域内で複数の反射鏡21を同時にオンにしていたが、オンにする反射鏡21の領域内で、例えば、図11のように、中心付近は全ての反射鏡21をオンにし、周辺部ではオンにする反射鏡21の数を減らすことにより、擬似的に反射光の強度を周辺部で小さくなるように、強度分布を制御することができる。
【0091】
図11では、反射型空間光強度変調素子20−1の状態に対して、20−2、20−3で周辺部の反射鏡の数を減らしている。一般に、アレーアンテナ53の各アンテナ素子52−1乃至52−Nへの給電電力を中心付近のアンテナ素子で高く、周辺部分で低くなるようにテーパ分布をつけることによりアレーアンテナ53からの放射ビーム54のパターンのサイドローブを低減できることが知られている。
【0092】
前述のように、オンにする反射鏡21の分布を制御することにより、擬似的に反射光11の強度分布を制御し、サイドローブなどの放射ビーム54のパターン制御が実現できる。
【0093】
以上の説明は、周辺部でオンにする反射鏡21の数を減らしたものであるが、中心付近の反射鏡21のオン、オフを制御するなど、周辺部の反射鏡21に限ったものではない。
【0094】
実施の形態15.
以上の実施の形態では光ファイバ41−1乃至41−Nを並べてサンプリング光ファイバアレー40を構成していた。図12はサンプリング光ファイバアレー40の先端付近のこの発明による実施の形態を示したものである。図12のように、サンプリング光ファイバアレー40を構成する各光ファイバ41−1乃至41−Nの前(光サンプリング側)に小型レンズ45−1乃至45−Nを装着しても良い。
【0095】
一般的なシングルモード用の光ファイバ41はクラッド46の径125μmに対して、コア43径は約10μmと開口率は1%以下と非常に小さいために受光効率が低いが、レンズ45を装着することにより開口率が向上し、サンプリング光ファイバアレー40への入射光は各光ファイバ41−1乃至41−Nの各コア43−1乃至43−N付近に集光され、コア43に結合する光量が増え、ダイナミックレンジを向上させることができる。
【0096】
レンズ45は球面レンズに限らず、円筒型で中心の屈折率が高く、外周部に行くに従い屈折率が連続的に低くなる分布屈折率型レンズを用いても良い。図134はこの発明による実施の形態を示したものである。円筒形の分布屈折率型レンズは長さにより結像特性を制御でき、レンズ端面あるいは近傍を焦点面にすることもできる。焦点面をレンズ端面あるいは近傍にすることにより、レンズ付きサンプリング光ファイバアレー40を組み立てる時のレンズと光ファイバ間の位置の調整を容易にすることができる。
【0097】
実施の形態16.
前記、円筒型分布屈折率型レンズに変えて、分布屈折率型光ファイバ47−1乃至47−N(一般にGIファイバと呼ぶ)をサンプリング光ファイバアレー40を構成する各光ファイバ41−1乃至41−Nのサンプリング側に融着しても良い。一般的なGIファイバのスポットサイズの直径は60μm程度あり、一般的なシングルモードファイバのコアの直径10μmに対し、大きいので受光効率を向上させることができる。
【0098】
また、GIファイバはシングルモードファイバに比べてモード分散が大きいため、伝送帯域が制限されるという課題があるが、サンプリング面に近い場所でシングルモードファイバに接続しても良い。これにより、モード分散の影響を低減できる。更に、GIファイバの長さを短くすることにより、実施の形態15の分布屈折率型レンズと同様の形態をとることができる。
【0099】
実施の形態17.
前述の実施の形態では、サンプリング光ファイバアレー40を介して各光電変換器50−1乃至50−Nに光を導いていたが、例えば図1に示すフーリエ変換レンズ30の後側焦点面32であるサンプリング面に光電変換器50−1乃至50−Nをアレー状に配置しても良い。
【0100】
実施の形態18.
以上の実施の形態では、レーザ1から放射された分岐光の中から、周波数を偏移させないものをローカルビーム光18としていたが、基準ビームの周波数を偏移させ、反射型空間光強度変調素子20に照射させるビーム光10の周波数はそのままにしても良い。または、両方を偏移させても良い。
【0101】
実施の形態19.
以上の実施の形態では、一つのレーザ1から放射した光を2分岐して、周波数変換器3により片方の周波数を偏移させていたが、レーザ1を直接変調する、あるいはレーザ1から放射した光を外部変調器を用いて外部変調にするなどにより、変調により発生した周波数の異なる複数の光から、それらの差がアレーアンテナから放射させるマイクロ波の周波数となる2つを、それぞれ光帯域フィルタである光波長フィルタで取り出し、一方を反射型空間光強度変調素子20への照射光と、他方をローカルビーム光18としても良い。
【0102】
実施の形態20.
レーザに所定の周波数間隔で多数の周波数成分の光を同時に放射するレーザを使用し、その放射光の中から、それらの差がアンテナから放射させるマイクロ波の周波数となる2つを、それぞれ光帯域フィルタである光波長フィルタで取り出し、一方を反射型空間光強度変調素子20への照射光と、他方をローカルビーム光18としても良い。このようなレーザとしては例えば、モードロックレーザが知られている。
【0103】
実施の形態21.
以上の実施の形態では、一つのレーザから放射した光を制御して周波数の異なる2つの光を取り出していたが、単一周波数の光を放射するレーザを2つ用い、それらから放射する光の周波数差を、アンテナから放射させるマイクロ波の周波数と等しくなるようにレーザを制御しても良い。また例えば、複数のレーザからの光の波長の互いの同期をとる位相同期回路を設け、制御を行うようにしてもよい。
【0104】
実施の形態22.
以上の実施の形態では、フーリエ変換レンズ30として透過屈折型の単レンズを用いて説明したが、複数の透過屈折型レンズを組み合わせて構成してもよい。単レンズを用いた場合の焦点距離と、複数のレンズを組み合わせた合成焦点距離とを等しくすれば同等のビーム走査性能は得られ、かつ、光学系の長さを短くすることができる。
【0105】
実施の形態23.
以上の実施の形態では、1枚あるいは複数枚の透過屈折型レンズを用いて構成していたが、反射型レンズで構成、あるいは透過屈折率型レンズと反射型レンズを組み合わせて構成しても良い。反射型を用いることにより光学系の全長を短くすることができ、また、レンズの色収差を低減することも可能である。
【0106】
なお、上記各実施の形態におけるレーザから分岐する分岐光の数は必要に応じて選択可能で、分岐光の数分だけ必要の構成を設ければよい。
【0107】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、レーザから放射した光を第1、第2の分岐光に分岐する光分岐部と、第1の分岐光の周波数を変換する光周波数変換器と、周波数変換された第1の分岐光を所望の強度分布で反射させる、多数の反射鏡を含む反射型空間光強度変調素子と、この反射型空間光強度変調素子で反射した第1の分岐光を透過するフーリエ変換レンズと、このフーリエ変換レンズを透過した第1の分岐光と前記第2の分岐光とを合成する光合成器と、この光合成器による合成光をサンプリングする、複数N本の光ファイバからなる光ファイバアレーと、この光ファイバアレーでサンプリングされた光を光電変換する複数N個の光電変換器と、この光電変換器の出力に従い放射ビームを発生する複数N個のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、を備え、前記反射型空間光強度変調素子の各反射鏡の反射特性を制御することで、前記アレーアンテナからの放射ビームを制御することを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナとしたので、第1の分岐光の振幅分布を反射型空間光強度変調素子による反射光で形成するので、フーリエ変換レンズ方向に放射するビーム光の空間分布を高速かつ柔軟に制御することができ、アレーアンテナからの放射ビームを任意のパターンで高速かつ柔軟に制御できる。また、オンにする反射鏡を順次切り替えることにより、2次元の高速ビーム走査も可能となる。
【0108】
また、前記反射型空間光強度変調素子で、同時に複数の領域で反射鏡を制御して、前記アレーアンテナから複数のビームを放射するようにしたので、オンする反射鏡の数、位置に応じて、放射ビームを同時に複数の方向に向けることができる。
【0109】
また、レーザ光を3つ以上のM個に分岐する光分岐部と、第1から第M−1の分岐光に対し各々の分岐光の周波数を変換するM−1個の光周波数変換器と、周波数変換されたM−1個の分岐光について各々の光の反射強度分布を制御するM−1個の反射型空間光強度変調素子と、これらの反射型空間光強度変調素子からのM−1個の反射光を合成する第1の光合成器と、この第1の光合成器からの合成光を透過するフーリエ変換レンズと、このフーリエ変換レンズの透過光と第Mの分岐光を合成する第2の光合成器と、この第2の光合成器による合成光をサンプリングする、複数N本の光ファイバからなる光ファイバアレーと、この光ファイバアレーでサンプリングされた光を光電変換する複数N個の光電変換器と、この光電変換器の出力に従い放射ビームを発生する複数N個のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、を備え、アレーアンテナから放射する複数のビームを独立に制御することを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナとしたので、複数の反射型空間光強度変調素子に別々の光を照射し、各反射型空間光強度変調素子を独立に制御できるため、複数の放射ビームは各々独立して制御できる。
【0110】
また、レーザ光を3つ以上のM個に分岐する光分岐部と、第1から第M−1の分岐光に対し各々の分岐光の周波数を変換するM−1個の光周波数変換器と、周波数変換されたM−1個の分岐光について各々の光の反射強度分布を制御するM−1個の反射型空間光強度変調素子と、これらのM−1個の反射型空間光強度変調素子からのM−1個の反射光の各々を透過するM−1個のフーリエ変換レンズと、これらのフーリエ変換レンズを透過したM−1個の透過光を合成する第1の光合成器と、M−1個の透過光が合成された合成光と、第Mの分岐光を合成する第2の光合成器と、この第2の光合成器による合成光をサンプリングする、複数N本の光ファイバからなる光ファイバアレーと、この光ファイバアレーでサンプリングされた光を光電変換する複数N個の光電変換器と、この光電変換器の出力に従い放射ビームを発生する複数N個のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、を備え、アレーアンテナから放射する複数のビームを独立に制御することを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナとしたので、アレーアンテナから複数の放射ビーム毎に反射型空間光強度変調素子、フーリエ変換レンズを使用できるため、複数の放射ビームを生成させるときの柔軟性が向上する。
【0111】
また、それぞれ請求項1記載の前記光分岐部、光周波数変換器、反射型空間光強度変調素子および光合成器からなる複数の構成部と、前記各構成部から放射された光を合成する第2の光合成器と、この第2の光合成器による合成光をサンプリングする、複数N本の光ファイバからなる光ファイバアレーと、この光ファイバアレーでサンプリングされた光を光電変換する複数N個の光電変換器と、この光電変換器の出力に従い放射ビームを発生する複数N個のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、を備え、アレーアンテナから放射する複数のビームを独立に制御することを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナとしたので、アレーアンテナから放射させるビーム毎に異なるレーザを用いるので、例えば、マイクロ波ビーム毎にレーザ光の波長帯を変えた光ファイバへの波長多重し、光波長フィルタを挿入することにより、光の波長帯により異なる光電変換器およびアレーアンテナに分岐することも可能となる。
【0112】
また、レーザから放射した光を第1、第2の分岐光に分岐する光分岐部と、第1の分岐光の周波数を変換する光周波数変換器と、周波数変換された第1の分岐光を所望の強度分布で反射する、多数の反射鏡を含む反射型空間光強度変調素子と、この反射型空間光強度変調素子で反射した第1の分岐光と第2の分岐光を透過するフーリエ変換レンズと、このフーリエ変換レンズを透過した第1、第2の分岐光をサンプリングする、複数N本の光ファイバからなる光ファイバアレーと、この光ファイバアレーでサンプリングされた光を光電変換する複数N個の光電変換器と、この光電変換器の出力に従い放射ビームを発生する複数N個のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、を備え、前記反射型空間光強度変調素子の各反射鏡による反射光の空間強度分布を制御することで、前記アレーアンテナからの放射ビームを制御することを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナとしたので、光合成器を省略できる。
【0113】
また、レーザから放射した光を第1、第2の分岐光に分岐する光分岐部と、第1の分岐光の周波数を変換する光周波数変換器と、前記第2の分岐光および周波数変換された第1の分岐光を所望の強度分布で反射する、多数の反射鏡を含む反射型空間光強度変調素子と、この反射型空間光強度変調素子で反射した第1、第2の分岐光を透過するフーリエ変換レンズと、このフーリエ変換レンズの透過光をサンプリングする、複数N本の光ファイバからなる光ファイバアレーと、この光ファイバアレーでサンプリングされた光を光電変換する複数N個の光電変換器と、この光電変換器の出力に従い放射ビームを発生する複数N個のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、を備え、前記反射型空間光強度変調素子の各反射鏡による反射光の空間強度分布を制御することで、前記アレーアンテナからの放射ビームを制御することを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナとしたので、第2の分岐光である基準ビーム光と第1の分岐光がフーリエ変換レンズに入射する角度差は小さくなるため、フーリエ変換レンズの収差の影響を軽減できる。また、サンプリング光ファイバアレーに入射する基準ビーム光の強度分布を反射型空間光強度変調素子により制御できるため、ビーム走査、ビーム成型の制御の柔軟性が向上する。
【0114】
また、光ファイバアレーを構成する複数N本の光ファイバの長さを、各光ファイバ毎に設定できるようにしたので、各光電変換器で光電変換された電気信号の位相が全て一致するように各光ファイバの長さを校正することにより、放射ビームの校正を行うことができ、例えばアレーアンテナの正面方向にも放射ビームを向けることができる。
【0115】
また、各光ファイバに接続された各々の光電変換器とアンテナ素子間にマイクロ波移相器または遅延線路を挿入し、各素子毎に位相量または遅延量を設定できるようにしたので、上記と同様に放射ビームの校正を行うことができる。
【0116】
また、光ファイバアレーを構成する各光ファイバ中に可変光遅延線路を設けるようにしたので、光遅延線路はマイクロ波の周波数に依存しないため、広帯域マイクロ波信号にも対応できる。
【0117】
また、各光電変換器と各アンテナ素子間に可変マイクロ波移相器または可変遅延線路を設けるようにしたので、光ファイバ、あるいはマイクロ波線路長に製造誤差があったり、環境による変動が生じても補正できる。
【0118】
また、光周波数変換器で周波数変換されない分岐光を合成する光合成器の代わりに、光導波路型の光合成器を光ファイバアレーの各光ファイバ中に設け、光ファイバアレーで合成するようにしたので、光学系のアライメントを容易にすることができる。
【0119】
また、反射型空間光強度変調素子の反射鏡を制御する領域の面積を変えることで、アレーアンテナから放射するビームの幅を制御するようにしたので、隣接する複数の反射鏡を同時にオンにし、反射領域を広げることにより放射ビームの幅を太くすることができる。また、同時にオンにする反射鏡の数が増えるので、反射型空間光強度変調素子で反射する光量が増大し、S/Nを向上させることができる。
【0120】
また、反射型空間光強度変調素子の反射鏡で、隣接する複数の反射鏡を同時に制御し、これをずらしながらアレーアンテナから放射するビームを制御するようにしたので、これにより放射ビームの幅を太くし、隣接方向の放射ビームとオーバラップさせるので、放射ビームが覆う領域に抜けが生じなくなる。
【0121】
また、反射型空間光強度変調素子の反射鏡を複数の領域で同時に制御し、各領域内の制御する反射鏡の数を変えることで、アレーアンテナから放射するビームの形状を制御するようにしたので、オンにする反射鏡の分布を制御することにより、擬似的に反射光の強度分布を制御し、サイドローブなどの放射ビームのパターン制御が実現できる。
【0122】
また、光ファイバアレーを構成する各光ファイブのサンプリング側にレンズアレーを設けるようにしたので、受光効率を向上させることができる。
【0123】
また、円筒形状で屈折率が外周に近づくに従い低くなるレンズを設けるようにしたので、レンズの長さにより結像特性を制御でき、レンズ端面あるいは近傍を焦点面にすることもでき、焦点面をレンズ端面あるいは近傍にすることにより、レンズ付きサンプリング光ファイバアレーを組み立てる時のレンズと光ファイバ間の位置の調整を容易にすることができる。
【0124】
また、光ファイバアレーのサンプリング側に、分布屈折率型光ファイバを接続するようにしたので、これはシングルモードファイバに比べてコアが大きいので受光効率を向上させることができる。
【0125】
また、前記光ファイバアレーの代わりに前記複数の光電変換器をフーリエ変換レンズ透過光または光合成器による合成光をサンプリングするサンプリング面にアレー状に配したことを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナとしたので光ファイバアレーが不要となる。
【0126】
また、前記光周波数変換器の代わりに、レーザから放射した光を変調する変調手段と、変調により発生した複数の周波数成分のレーザ光の中から複数の光を抽出する光帯域フィルタと、を備えたことを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナとしたので光周波数変換器が不要となる。
【0127】
また、前記光周波数変換器の代わりに、複数の波長を同時に放射するレーザと、レーザ放射光の中から周波数の異なる複数のレーザを抽出する光帯域フィルタと、をさらに備えたので光周波数変換器が不要となる。
【0128】
また、前記光周波数変換器の代わりに、複数のレーザと、これらの各レーザからの光の波長の互いの同期をとる位相同期回路と、を備え、各レーザから放射した光を分岐光としたことを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナとしたので光周波数変換器が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による光制御型フェーズドアレーアンテナの構成を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態2による光制御型フェーズドアレーアンテナの構成を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態3による光制御型フェーズドアレーアンテナの構成を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態4による光制御型フェーズドアレーアンテナの構成を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態5による光制御型フェーズドアレーアンテナの構成を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態6による光制御型フェーズドアレーアンテナの構成を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態7による光制御型フェーズドアレーアンテナの構成を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態11による光制御型フェーズドアレーアンテナの構成を示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態12による光制御型フェーズドアレーアンテナを説明するための図である。
【図10】 この発明の実施の形態13による光制御型フェーズドアレーアンテナを説明するための図である。
【図11】 この発明の実施の形態14による光制御型フェーズドアレーアンテナを説明するための図である。
【図12】 この発明の実施の形態15による光制御型フェーズドアレーアンテナを説明するための図である。
【図13】 この発明の実施の形態16による光制御型フェーズドアレーアンテナを説明するための図である。
【図14】 従来の光制御型フェーズドアレーアンテナの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 レーザ、2 マイクロ波発振器、3 光周波数変換器、8 レンズ、9 光ファイバ、10 第1のビーム光、11 反射光、17 第2のビーム光、18 ローカルビーム光、20 反射型空間光強度変調素子、21 反射鏡、30フーリエ変換レンズ、31 前側焦点面、32 後側焦点面、35 ビーム合成器(光合成器)、40 サンプリング光ファイバアレー、41、47 光ファイバ、42 光ファイバ合波器、43 コア、45 小型レンズ、46 クラッド、50 光電変換器、51 電力増幅器、52 アレーアンテナ素子、53 アレーアンテナ、54 放射ビーム。
Claims (21)
- レーザから放射した光を第1、第2の分岐光に分岐する光分岐部と、
第1の分岐光の周波数を変換する光周波数変換器と、
周波数変換された第1の分岐光を所望の空間強度分布で反射する、多数の反射鏡を含む反射型空間光強度変調素子と、
この反射型空間光強度変調素子で反射した第1の分岐光を透過するフーリエ変換レンズと、
このフーリエ変換レンズを透過した第1の分岐光と前記第2の分岐光とを合成する光合成器と、
この光合成器による合成光を空間的にサンプリングする、複数N本の光ファイバからなる光ファイバアレーと、
この光ファイバアレーでサンプリングされた光を光電変換する複数N個の光電変換器と、
この光電変換器の出力に従い放射ビームを発生する複数N個のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、
を備え、
前記反射型空間光強度変調素子の各反射鏡による反射光の空間強度分布を制御することで、前記アレーアンテナからの放射ビームを制御することを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナ。 - 請求項1記載の光制御型フェーズドアレーアンテナにおいて、前記反射型空間光強度変調素子で、同時に複数の領域で反射鏡を制御して、前記アレーアンテナから同時に複数のビームを放射することを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナ。
- レーザ光を3つ以上のM個に分岐する光分岐部と、
第1から第M−1の分岐光に対し各々の分岐光の周波数を変換するM−1個の光周波数変換器と、
周波数変換されたM−1個の分岐光について各々の光の反射強度分布を制御するそれぞれ多数の反射鏡を含むM−1個の反射型空間光強度変調素子と、
これらの反射型空間光強度変調素子からのM−1個の反射光を合成する第1の光合成器と、
この第1の光合成器からの合成光を透過するフーリエ変換レンズと、
このフーリエ変換レンズの透過光と第Mの分岐光を合成する第2の光合成器と、
この第2の光合成器による合成光をサンプリングする、複数N本の光ファイバからなる光ファイバアレーと、
この光ファイバアレーでサンプリングされた光を光電変換する複数N個の光電変換器と、
この光電変換器の出力に従い放射ビームを発生する複数N個のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、
を備え、アレーアンテナから放射する複数のビームを独立に制御することを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナ。 - レーザ光を3つ以上のM個に分岐する光分岐部と、
第1から第M−1の分岐光に対し各々の分岐光の周波数を変換するM−1個の光周波数変換器と、
周波数変換されたM−1個の分岐光について各々の光の反射強度分布を制御するそれぞれ多数の反射鏡を含むM−1個の反射型空間光強度変調素子と、
これらのM−1個の反射型空間光強度変調素子からのM−1個の反射光の各々を透過するM−1個のフーリエ変換レンズと、
これらのフーリエ変換レンズを透過したM−1個の透過光を合成する第1の光合成器と、
M−1個の透過光が合成された合成光と、第Mの分岐光を合成する第2の光合成器と、
この第2の光合成器による合成光をサンプリングする、複数N本の光ファイバからなる光ファイバアレーと、
この光ファイバアレーでサンプリングされた光を光電変換する複数N個の光電変換器と、
この光電変換器の出力に従い放射ビームを発生する複数N個のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、
を備え、アレーアンテナから放射する複数のビームを独立に制御することを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナ。 - それぞれ請求項1記載の前記レーザ、光分岐部、光周波数変換器、反射型空間光強度変調素子、フーリエ変換レンズおよび光合成器からなる複数の構成部と、
前記各構成部から放射された光を合成する第2の光合成器と、
この第2の光合成器による合成光をサンプリングする、複数N本の光ファイバからなる光ファイバアレーと、
この光ファイバアレーでサンプリングされた光を光電変換する複数N個の光電変換器と、
この光電変換器の出力に従い放射ビームを発生する複数N個のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、
を備え、アレーアンテナから放射する複数のビームを独立に制御することを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナ。 - レーザから放射した光を第1、第2の分岐光に分岐する光分岐部と、
第1の分岐光の周波数を変換する光周波数変換器と、
前記第2の分岐光および周波数変換された第1の分岐光を所望の強度分布で反射する、多数の反射鏡を含む反射型空間光強度変調素子と、
この反射型空間光強度変調素子で反射した第1、第2の分岐光を透過するフーリエ変換レンズと、
このフーリエ変換レンズの透過光をサンプリングする、複数N本の光ファイバからなる光ファイバアレーと、
この光ファイバアレーでサンプリングされた光を光電変換する複数N個の光電変換器と、
この光電変換器の出力に従い放射ビームを発生する複数N個のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、
を備え、
前記反射型空間光強度変調素子の各反射鏡による反射光の空間強度分布を制御することで、前記アレーアンテナからの放射ビームを制御することを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナ。 - 請求項6記載のアンテナにおいて、光ファイバアレーを構成する複数N本の光ファイバの長さを、光ファイバアレーでの位置により変えたことを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナ。
- 請求項6記載のアンテナにおいて、各光ファイバに接続された各々の光電変換器とアンテナ素子間にマイクロ波移相器または遅延線路を挿入し、各移相量または遅延量が各光ファイバで異なることを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナ。
- 請求項1ないし7のいずれか記載のアンテナにおいて、光ファイバアレーを構成する各光ファイバ中に可変光遅延線路を設けたことを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナ。
- 請求項1ないし6および8のいずれか記載のアンテナにおいて、各光電変換器と各アンテナ素子間に可変マイクロ波移相器または可変遅延線路を設けたことを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナ。
- 請求項1ないし4のいずれか記載のアンテナにおいて、光周波数変換器で周波数変換されない分岐光を合成する光合成器の代わりに、光導波路型の光合成器を光ファイバアレーの各光ファイバに設け、光ファイバアレーで合成することを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナ。
- 請求項1ないし4のいずれか記載のアンテナにおいて、反射型空間光強度変調素子の反射鏡を制御する領域の面積を変えることで、アレーアンテナから放射するビームの幅を制御することを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナ。
- 請求項1および3ないし12のいずれか記載のアンテナにおいて、反射型空間光強度変調素子の反射鏡で、多数の反射鏡の隣接する複数の反射鏡を同時に制御し、これをずらしながらアレーアンテナから放射するビームを制御することを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナ。
- 請求項1および3ないし12のいずれか記載のアンテナにおいて、反射型空間光強度変調素子の多数の反射鏡を複数の領域を同時に制御し、各領域内の制御する反射鏡の数を変えることで、アレーアンテナから放射するビームの形状を制御することを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナ。
- 請求項1ないし14のいずれか記載のアンテナにおいて、光ファイバアレーの光サンプリング側にレンズアレーを設けたことを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナ。
- 請求項15記載のアンテナにおいて、円筒形状で屈折率が外周に近づくに従い低くなるレンズを設けたことを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナ。
- 請求項1ないし14のいずれか記載のアンテナにおいて、光ファイバアレーを構成する各光ファイバのサンプリング側に、分布屈折率型光ファイバを接続したことを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナ。
- 請求項1ないし6、10、12ないし14のいずれか記載のアンテナにおいて、前記光ファイバアレーの代わりに前記複数の光電変換器を前記光合成器による合成光をサンプリングするサンプリング面にアレー状に配したことを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナ。
- 請求項1ないし18のいずれか記載のアンテナにおいて、前記光分岐部および周波数変換器の代わりに、
レーザから放射した光を変調する変調手段と、
変調により発生した複数の周波数成分のレーザ光の中から複数の光を抽出する光帯域フィルタと、
を備えたことを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナ。 - 請求項1ないし18のいずれか記載のアンテナにおいて、前記光分岐部および周波数変換器の代わりに、
複数の波長を同時に放射するレーザと、
レーザ放射光の中から周波数の異なる複数のレーザ光を抽出する光帯域フィルタと、
をさらに備えたことを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナ。 - 請求項1ないし18のいずれか記載のアンテナにおいて、前記光分岐部および周波数変換器の代わりに、
複数のレーザと、
これらの各レーザからの光の波長の互いの同期をとる位相同期回路と、
を備え、各レーザから放射した光を分岐光としたことを特徴とする光制御型フェーズドアレーアンテナ。
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