JP2003346843A - 円筒形固体酸化物燃料電池およびその運転方法 - Google Patents

円筒形固体酸化物燃料電池およびその運転方法

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JP2003346843A JP2002156076A JP2002156076A JP2003346843A JP 2003346843 A JP2003346843 A JP 2003346843A JP 2002156076 A JP2002156076 A JP 2002156076A JP 2002156076 A JP2002156076 A JP 2002156076A JP 2003346843 A JP2003346843 A JP 2003346843A
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JP2002156076A
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Shunsuke Taniguchi
俊輔 谷口
Takashi Okamoto
崇 岡本
Yoshito Konno
義人 近野
Daizo Takaoka
大造 高岡
Yasuo Miyake
泰夫 三宅
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Sanyo Electric Co Ltd
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多孔質基体管材料として安価なステンレス鋼
を用いることができるため、材料コストの大幅な低減が
図れ、多孔質基体管が高強度、高熱伝導性であるのでセ
ル内の温度分布均一化、耐熱衝撃性の大幅な向上が見込
め、急激な負荷変動や、電池温度の上昇・下降に対して
も、耐久性に優れる固体酸化物燃料電池およびその運転
方法の提供。 【解決手段】 多孔質基体管上の一部分の縦方向に電子
伝導性でかつガス不透過性のインタコネクタ層が形成さ
れており、このインタコネクタ層が形成された部分以外
の前記多孔質基体管上に空気極、固体酸化物電解質層、
燃料極がこの順に形成された円筒形固体酸化物燃料電池
であって、前記多孔質基体管が耐熱性金属からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円筒形固体酸化物
燃料電池およびその運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、平板形固体酸化物燃料電池が知ら
れている[例えば、S.Taniguchi et a
l.,Journal of Power Sourc
es,90,No.2(2000)pp.163−16
9]。しかし、平板形固体酸化物燃料電池は高い出力密
度が得られる可能性はあるものの、運転中に電池内で発
生する温度分布や電池の起動・停止に伴う温度変化によ
り発生する熱応力により固体酸化物電解質層が破壊しや
すい構造であり、耐久性の点で問題がある。
【0003】一方、図9、図10に構造を示すような、
円筒形固体酸化物燃料電池(単セル)の開発も行われて
いる。図9に示す円筒形固体酸化物燃料電池61は、空
気極(62)を兼ねる多孔質の円筒よりなるカソードチ
ューブ62の外表面に、固体酸化物電解質層63および
燃料極64を順次円弧状に形成し、その円弧の切れた部
分に、空気極62の外表面に接し円筒の長手方向に延伸
するインタコネクタ層65が形成されており、円筒の内
部に空気を、また円筒の外周部に燃料ガスを通流させ、
電気化学反応によって、空気極62と燃料極64との
間、したがってインタコネクタ層65と燃料極64との
間に発生電圧を得るよう構成している。
【0004】図10に断面構造を示す円筒形固体酸化物
燃料電池67はカルシア添加ジルコニアなどのセラミッ
クス材料からなる多孔質基体管66を用い、その上に空
気極62を形成した以外は、61と同様の構造である。
67のタイプは、基体管に電子伝導性がないため、空気
極側の集電抵抗が高く、セル特性が低い欠点がある。こ
のため最近は専ら61のタイプの開発が行われている。
【0005】これら円筒形固体酸化物燃料電池61、6
7は構造がシンプルであり、電解質層63への熱応力が
小さくなる構造であるため、耐久性が高く、例えばシー
メンスウェスティングハウス社(米国)のランタンマン
ガナイト多孔質基体管(LSM多孔質基体管)を用いた
円筒(縦縞)形固体酸化物燃料電池は単セルで数万時間
の安定性が実証されている。
【0006】しかし、この円筒(縦縞)形固体酸化物燃
料電池67は商品化の観点で次のような課題がある。 1.多孔質基体管66の材料に用いるランタンマンガナ
イトの原料コストが高い。 2.一般にセラミックは熱伝導性が低いため、セル内で
の温度分布が大きくなりやすく、このため運転方法に慎
重な制御が必要になる。 3.セラミック多孔質基体管66は、熱応力に弱く、破
損しやすい。
【0007】上記課題は、多孔質基体管66を金属材料
に置き換えることにより解決可能と考えられるため、金
属材料を多孔質基体管に用いることが提案されている
(特開平6−29024号公報、特開平6−36782
号公報、特開平6−243879号公報、特開平8−1
38690号公報、特開平10−125346号公報、
特開平10−172590号公報など)。
【0008】このように、金属材料からなる多孔質基体
管を用いた円筒形は存在した。これらの円筒形固体酸化
物燃料電池の一例を図11(a)、(b)に示す。図1
1に示す円筒形固体酸化物燃料電池(単セル)68は、
一端が封じられた耐熱金属材料(例えばNi−Cr)よ
りなる導電性多孔質基体管22の外周面にNi-ZrO2サー
メットよりなる燃料極64が円筒状に形成されており、
その上および封じられた底部と底部近傍の外周面の全面
に ZrO2 よりなり固体酸化物電解質層63が形成されて
おり、そして固体酸化物電解質層63の上に所定部に L
aMnO 3 よりなる空気極62が円筒状に積層して構成され
ている。これらの円筒形固体酸化物燃料電池は、内側
(基体管側)を燃料極側とするタイプか、内側(基体管
側)を空気極側とするタイプの場合は横縞形やテーパ形
に限られていた。内側を燃料極側とするタイプは、外側
が高温酸化雰囲気であるため1つ1つのセルを電気的に
直列、並列に接続する良好な材料がなく、仮に耐熱合金
などで集電を行ったとしても接触抵抗が大きくなる、時
間的に抵抗が増加するなどの問題点がある。また、横縞
形やテーパ形の構造は、小さなサイズの円筒形固体酸化
物燃料電池(単セル)を直列に接続していく方式であ
り、1つ1つの単セルを絶縁材料を介して接合していく
必要があるため、量産性に劣り、製造コストが高くなる
上、接合面での材料的安定性に欠けるという問題があっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】金属材料からなる多孔
質基体管を用いた円筒(縦縞)形固体酸化物燃料電池は
これまでに存在しなかった。この理由は以下のように考
えられる。 1.円筒(縦縞)形固体酸化物燃料電池は一般的に、各
セルをニッケルフェルトのような材料で直列、並列に接
続する構造をとるため、(ニッケルが酸化しないよう)
外側を燃料極側、内側を空気極側とする必要があり、そ
して金属材料からなる多孔質基体管を用い、従来の一般
的な作動温度1000℃程度で運転した場合は、運転中
の金属材料からなる多孔質基体管の酸化が問題となる。 2.従来、多孔質基体管上への電極、固体酸化物電解質
層の形成は、空気中で1300℃以上の高温での熱処理
が必要であり、金属材料を用いた多孔質基体管の場合は
耐熱性の点で不十分である。 3.従来、インタコネクタ層はランタンクロマイト系材
料を1400℃以上の高温で焼結させ形成する必要があ
り、金属材料を用いた多孔質基体管を用いた場合は耐熱
性の点で不十分である。
【0010】本発明の第1の目的は、従来の問題を解決
した金属材料からなる多孔質基体管を用いた円筒(縦
縞)形固体酸化物燃料電池であって、量産性に優れ、安
価で耐酸化性に優れ、熱膨張率も低い耐熱性のあるステ
ンレス鋼などを多孔質基体管の材料として使用できるの
で材料コストを大幅に低減でき、多孔質基体管の強度が
高く熱伝導性が高いので、セル内の温度分布が均一にな
り、耐熱衝撃性の大幅な向上が図れ、これにより急激な
負荷変動や電池温度の上昇・下降に対しても、電解質層
や電極にクラックや剥離が生じる恐れもなく、安定して
運転できる耐久性に優れる経済性に優れた円筒(縦縞)
形固体酸化物燃料電池を提供することであり、本発明の
第2の目的は、この円筒(縦縞)形固体酸化物燃料電池
を安定して運転し、耐久性をさらに向上できるような運
転方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、基体管材料に耐
酸化性に優れ、熱膨張率も低い耐熱性のある例えばステ
ンレス鋼を用い、製法を工夫することにより、従来より
も低温で電極、固体酸化物電解質層を形成することによ
り単セルを作製し、低温作動(600〜800℃程度)
で使用することにより、さらにこのタイプの円筒(縦
縞)形固体酸化物燃料電池に適するインタコネクタを構
成することにより課題を解決できることを知見し、本発
明を完成するに至った。
【0012】すなわち、上記課題を解決するための本発
明の請求項1の円筒形固体酸化物燃料電池は、多孔質基
体管上の一部分の縦方向に電子伝導性でかつガス不透過
性のインタコネクタ層が形成されており、このインタコ
ネクタ層が形成された部分以外の前記多孔質基体管上に
空気極、固体酸化物電解質層、燃料極がこの順に形成さ
れた円筒形固体酸化物燃料電池であって、前記多孔質基
体管が耐熱性金属からなることを特徴とする。
【0013】安価で耐酸化性に優れ、熱膨張率も低い耐
熱性のあるステンレス鋼などの耐熱性金属からなる多孔
質基体管を用いることにより、量産性に優れ、材料コス
トを大幅に低減できる上、多孔質基体管の強度が高く熱
伝導性が高くなるので、セル内の温度分布が均一にな
り、耐熱衝撃性の大幅な向上が図れ、これにより急激な
負荷変動や電池温度の上昇・下降に対しても、電解質層
や電極にクラックや剥離が生じる恐れもなく、安定して
運転でき、耐久性に優れる。
【0014】本発明の請求項2の円筒形固体酸化物燃料
電池は、請求項1記載の円筒形固体酸化物燃料電池にお
いて、前記耐熱性金属が鉄を主成分とするフェライト系
ステンレス鋼であることを特徴とする。
【0015】フェライト系ステンレス鋼は、耐酸化性が
高く、熱膨張率が12×10-6-1程度と低く、電極や
電解質との熱膨張率が近い材料である。この材料は高温
酸化雰囲気において表面にCr23 やAl23 など
の酸化物層が形成されるので、フェライト系ステンレス
鋼内部への酸化進行を抑制する効果を示す。
【0016】本発明の請求項3の円筒形固体酸化物燃料
電池は、請求項1あるいは請求項2記載の円筒形固体酸
化物燃料電池において、前記インタコネクタ層は金属か
らなり、前記多孔質基体管と前記インタコネクタ層との
接合界面近傍において、気孔率が小さく、酸化されてい
ない金属状態の中間層が形成されていることを特徴とす
る。
【0017】金属からなるインタコネクタ層は電子伝導
性、ガス不透過性に優れ、多孔質基体管とインタコネク
タ層との接合界面近傍に気孔率が小さく酸化されていな
い金属状態の中間層が形成されると、相互の接着および
電気的接続が良好となる。
【0018】本発明の請求項4の円筒形固体酸化物燃料
電池は、請求項3記載の円筒形固体酸化物燃料電池にお
いて、前記インタコネクタ層は鉄またはニッケルを主成
分とする耐熱性金属からなり、外側の表面が電子伝導性
を有することを特徴とするものである。
【0019】Fe−Cr系ステンレス鋼、またはNi−
Cr系合金などの鉄またはニッケルを主成分とする耐熱
性金属からなるインタコネクタ層は空気極側の酸化雰囲
気、および燃料極側の還元雰囲気で安定性が高く、表面
に生成する酸化物層の導電性が高いのでインタコネクタ
層から電気を容易に取り出すことができる。
【0020】本発明の請求項5の円筒形固体酸化物燃料
電池は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の
円筒形固体酸化物燃料電池において、前記多孔質基体管
は少なくともアルミニウムを含有し燃料電池運転状態で
表面に少なくともAl23を含む酸化物層が形成され
る耐熱性金属からなり、前記多孔質基体管と前記電解質
層との間に少なくともランタンコバルタイト系ペロブス
カイト型酸化物を含む層が形成されており、かつ前記多
孔質基体管の外径が4mm以上15mm以下であること
を特徴とする。
【0021】Fe−Cr−Al系ステンレス鋼などのよ
うにアルミニウムを含有し燃料電池運転状態で表面に少
なくともAl23 を含む酸化物層が形成される耐熱性
金属からなる多孔質基体管を用いた場合、Al23
含む酸化物層は金属材料内部への酸化進行を抑制する効
果があるが、電気的絶縁層であり、基体管表面の抵抗が
大きくなるため、主に基体管上に形成された空気極によ
り集電を行う必要があるが、空気極の導電性が十分でな
くなるので、多孔質基体管と前記電解質層との間に少な
くともランタンコバルタイト系ペロブスカイト型酸化物
を含む層が形成されるようにし、かつ多孔質基体管の径
を最適化することにより解決できる。
【0022】本発明の請求項6の円筒形固体酸化物燃料
電池は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の
円筒形固体酸化物燃料電池において、前記多孔質基体管
は少なくともアルミニウムを含有し燃料電池運転状態で
表面に少なくともAl23を含む酸化物層が形成され
る耐熱性金属からなり、前記多孔質基体管と前記電解質
層との間に少なくとも銀を含む高導電性の層が厚み2μ
m以上40μm以下で形成されていることを特徴とす
る。
【0023】Fe−Cr−Al系ステンレス鋼などのよ
うにアルミニウムを含有し燃料電池運転状態で表面に少
なくともAl23 を含む酸化物層が形成される耐熱性
金属からなる多孔質基体管を用いた場合、Al23
含む酸化物層は電気的絶縁層であり、基体管表面の抵抗
が大きくなるため、主に基体管上に形成された空気極に
より集電を行う必要があるが、空気極の導電性が十分で
はなくなるので、高導電性のAgを空気極材料にして、
多孔質基体管と前記電解質層との間に少なくとも銀を含
む高導電性の層が厚み2μm以上40μm以下で形成さ
れようにすることにより解決できる。
【0024】本発明の請求項7は、少なくともクロムを
含有し燃料電池運転状態で表面に少なくともCr23
を含む酸化物層が形成される耐熱性金属からなる多孔質
基体管上の一部分の縦方向に電子伝導性でかつガス不透
過性のインタコネクタ層が形成されており、このインタ
コネクタ層が形成された部分以外の前記多孔質基体管上
に空気極、固体酸化物電解質層、燃料極がこの順に形成
された円筒形固体酸化物燃料電池の運転方法であって、
一回の運転時間を24時間以内とし、起動→運転→停止
を繰り返して行うことを特徴とする円筒形固体酸化物燃
料電池の運転方法である。
【0025】クロムを含有し燃料電池運転状態で表面に
少なくともCr23 を含む酸化物層が形成される耐熱
性金属からなる多孔質基体は、表面に形成されるCr2
3が内部への酸化進行を抑制する効果を示すため耐酸
化性が高く、Cr23 を含む酸化物層は導電性である
ので良好な集電効果を有するが、一方で、電極中へクロ
ム成分が拡散、混入し、クロム被毒による電極特性低下
を引き起こすこともある。一回の運転時間を24時間以
内とし、起動→運転→停止を繰り返して行う運転方法に
より電極中へ拡散、混入したクロム成分を拡散、分散し
て、クロム被毒を抑制し電極特性を維持でき、本発明の
円筒(縦縞)形固体酸化物燃料電池を安定して運転でき
耐久性を向上できる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の円筒(縦縞)形固体酸化物燃料電池の多孔質基
体管を形成する金属材料は耐熱性金属である。本発明の
円筒(縦縞)形固体酸化物燃料電池の単セルは、約80
0〜1100℃で作成され、500℃以上で運転される
ので、多孔質基体管を形成する金属材料は、空気中にお
いてこれらの温度領域において安定である耐熱性金属を
用いる必要がある。
【0027】具体的には、少なくともセル運転中、多孔
質基体管の酸化に伴う単位面積あたりの質量増加が1時
間当たり0.01mg/cm2 程度以下の耐酸化性を示
す耐熱性金属を用いる必要がある。また、単セル作成時
や、燃料電池の起動・停止に伴う温度変化時に電極や電
解質層が破損しないよう、熱膨張率はこれらと整合して
いることが望ましく、10×10-6〜14×10-5-1
の範囲にあることが望ましい。
【0028】このような耐熱性金属としては、具体的に
は、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼、マルテン
サイト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼、イ
ンコネルやハステロイなどのニッケル基の耐熱合金など
を挙げることができる。
【0029】オーステナイト系ステンレス鋼の熱膨張率
は、例えば16〜17×10-6-1でやや高く、マルテ
ンサイト系ステンレス鋼の熱膨張率はフェライト系ステ
ンレス鋼に近く例えば10〜14×10-6-1である
が、高温での耐酸化性はやや低く、インコネルやハステ
ロイなどのニッケル基の耐熱合金は熱膨張率が16〜1
7×10-6-1でやや高いのに対して、フェライト系ス
テンレス鋼は熱膨張率が12×10-6-1程度と低く、
かつ耐酸化性にもすぐれているので、これらの中でも本
発明において好ましく使用できる。
【0030】本発明において好ましく使用できるフェラ
イト系ステンレス鋼の例について次に述べる。フェライ
ト系ステンレス鋼は、熱膨張率が低く、耐酸化性にもす
ぐれており、かつ低コスト材料であるので好ましく使用
できる。フェライト系ステンレス鋼のクロムの含有率
は、11〜32質量%、C、Si、Mnを含み、場合に
よってはAl、Ti、Moなどおよびその他の元素をさ
らに含んでもよい。フェライト系ステンレス鋼の例とし
て、表面にCr23 を主成分とする保護皮膜が形成さ
れる材料(例えば、特開平9−157801号公報、特
開平10−280103号公報に記載のもの)と、表面
にAl23 からなる保護皮膜が形成される材料とを挙
げることができる。
【0031】前者の材料としては、鉄を主成分としクロ
ムを含有し高温酸化雰囲気(燃料電池作成時や燃料電池
運転時)に表面にCr23 を主成分とする酸化物層が
形成される材料で、Fe−Cr系ステンレス鋼を挙げる
ことができる。Fe−Cr系ステンレス鋼の例として
は、例えばFeをベースとし、Cr22質量%、La、
Zr微量含有し、その他、通常のステンレス鋼同様、
C、Si、Mn、などを微量含有するものを挙げること
ができる。La、Zrの微量添加により、通常のFe−
Cr系ステンレス鋼よりも耐酸化性を向上させることが
できる。この材料は高温酸化雰囲気において表面にCr
23 を主成分とする導電性の酸化物層が形成され、こ
の酸化物層が金属内部への酸化進行を抑制する効果を示
す。一方で、電極中へクロム成分が拡散、混入し、クロ
ム被毒による電極特性低下を引き起こす場合がある。
【0032】後者の材料としては、鉄を主成分としアル
ミニウムを含有し高温酸化雰囲気(燃料電池作成時や燃
料電池運転時)に表面にAl23 を主成分とする酸化
物層が形成される材料で、Fe−Cr−Al系ステンレ
ス鋼を挙げることができる。Fe−Cr−Al系ステン
レス鋼の例としては、例えばFeをベースとし、Cr2
4質量%、Al5質量%、その他、通常のステンレス鋼
同様、C、Si、Mnなどを微量含有する。この種の材
料は、Alを数質量%以上含有することにより高温酸化
雰囲気において表面にAl23 を主成分とする絶縁性
の酸化物層が形成される。この層は金属内部への酸化進
行を抑制する効果を示す一方で、絶縁性であるため空気
極側の集電機能を持つことが困難になる。図8は、多孔
質基体管2上に空気極62、固体酸化物電解質層63、
燃料極64がこの順に形成された多孔質基体管であっ
て、高温酸化雰囲気(燃料電池作成時や燃料電池運転
時)で使用された多孔質基体管の断面を説明する断面模
式図である。5は気孔であり、気孔5の周りや、多孔質
基体管2と空気極62との界面近傍に酸化物層が形成さ
れる。
【0033】多孔質基体管は上記耐熱性金属材料からな
る粒径数10μm〜数100μm程度の粉末をバインダ
ーと混合→混練→押出し成形→乾燥→脱脂→真空中焼結
という公知の方法により作製される。
【0034】ここで焼結度の制御は重要である。焼結度
が高いとガス透過性が低くなり、電池特性が低くなる。
焼結度が低いと、運転中に多孔質基体管の強度低下(破
損しやすくなる)、熱伝導性低下の問題が生じる。これ
は、多孔質基体管が高温の空気雰囲気にさらされた状態
において、材料の表面に厚み数μmから数10μmの酸
化物層が形成されるが、粒子の焼結度が低いと、この酸
化物層が基体管の全体に広がり、ミクロな金属粒子同士
のつながりが切断されるため、強度低下や熱伝導性低下
が生じる。
【0035】このため、多孔質基体管の気孔率は20%
〜50%程度、望ましくは30%〜40%程、平均気孔
径は数μm〜数100μm程度が望ましい。後述する実
施例において作製した単セルでは、多孔質基体管の外径
は20mmとした。
【0036】次に、インタコネクタ層の作製の例を示
す。図1(a)、(b)に示すように2種類のインタコ
ネクタ層の例について述べる。図1に示すタイプ1は、
金属板1を溶接により多孔質基体管2上に貼り付け、イ
ンタコネクタ層3としたものである。溶接時に多孔質基
体管2の表面も一部、溶融する状態となるため、多孔質
基体管2とインタコネクタ層3との接合界面近傍におい
て、気孔率の低い(或いは緻密な)金属状態である(酸
化されていない)層4が形成される。この層4は、両者
の接着および電気的接続を良好にする効果を持つ。
【0037】図1に示すタイプ2は、多孔質基体管2の
材料組成を調整するなどにより多孔質基体管2の一部が
緻密になるように作製し、その部分をインタコネクタ層
3として機能させる。この場合もタイプ1と同様に、多
孔質基体管2とインタコネクタ層として機能する多孔質
部分との接合界面近傍において、気孔率の低い、酸化の
度合いの低い層が形成される。作製法は、例えば焼結時
にその部分のみ緻密になるように、押出し成形時に粉末
の粒子径やバインダーや分散剤の添加量を調整すること
により行う例を挙げることができる。また他の例として
は、多孔質基体管2の多孔質部分を、後からレーザーに
より溶融させる等の方法を挙げることができる。
【0038】後述する実施例においては、インタコネク
タ層3の幅は8mmとした。インタコネクタ層3の幅
は、製造上の容易さや、集電抵抗の観点(幅を小さくす
ぎると電流が集中するので、抵抗が大きくなる)から、
5mm程度以上が望ましい。逆にあまり大きくし過ぎる
と、電極面積が小さくなるので10mm程度以下が望ま
しい。
【0039】インタコネクタ層3の作成用材料には空気
極側の酸化雰囲気、及び燃料極側の還元雰囲気で安定性
が要求され、また、外側表面(燃料極側)から電気を取
り出すため高い導電性が要求される。このため、鉄また
はニッケルを主成分とし、Crを5〜30質量%程度含
む耐熱性の合金が望ましい。空気極側と燃料極側で異な
る材料を用い、貼り合わせたような構造をとる場合は、
燃料極側は純ニッケルであってもよい。なお、鉄を主成
分とする材料をインタコネクタ層に用いる場合、燃料中
の水蒸気による酸化や、炭化水素系ガスを含む燃料を用
いたときの浸炭による劣化の問題が起こる可能性もある
ので、この観点からはNiを主成分とする合金の方が有
利である。
【0040】
【実施例】次に実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の主旨を逸脱しない限りこれらの実施例に限
定されるものではない。下記の作成条件で単セル(セル
A〜J)を作成し、作成した単セルを運転して評価し
た。 (スラリー溶媒の作製)エタノール、テルピネオール、
エチルセルロース、消泡剤、分散剤を質量比で56:3
7:6.8:0.1:0.1で混合したものをスラリー
溶媒とした。
【0041】(燃料極用スラリーの作製)平均粒径3μ
mの酸化ニッケル粉末と平均粒径0.5μmの8mol
%イットリア添加安定化ジルコニア(YSZ)を質量比
9:1で混合した粉末と上記スラリー溶媒とを質量比
1:1で混合したものを燃料極用スラリーとした。 (空気極用スラリーの作製) ランタンマンガナイト粉末を用いる場合(セルA,
B,E,F,G,H,I,J) 平均粒径2μmのLa0.85Sr0.15MnO3 粉末と上記
スラリー溶媒とを質量比3:7で混合したものを空気極
用スラリーとした。 ランタンコバルタイト粉末を用いる場合(セルC) 平均粒径2μmのLa0.85Sr0.15CoO3 粉末と上記
スラリー溶媒とを質量比3:7で混合したものを空気極
用スラリーとした。 Ag粉末を用いる場合(セルD) 平均粒径2μmのAg粉末と上記スラリー溶媒とを質量
比3:7で混合したものを空気極用スラリーとした。
【0042】(電解質スラリーの作製) セルD以外では、平均粒径0.5μmの8mol%イ
ットリア添加安定化ジルコニア(YSZ)と上記スラリ
ー溶液とエタノールを質量比で20:50:30の割合
で混合しスラリー化したものを用いた。さらに、110
0℃程度の熱処理では焼結が不十分であるため、その
後、封孔処理を施すため、市販のジルコニアゾル(ニュ
ーテックス(株)製ZSL−20N)に硝酸イットリウ
ムを所定量混合したものを用いた。 カソード材料にAgを用いたセルDでは、Agの融点
が低いため900℃程度以下で電解質の焼結を行う必要
がある。この場合は、上記ジルコニアゾルに粘度調整の
ため、PVAを5質量%混合したものを、電解質スラリ
ーとして用いた。
【0043】(電極、電解質層の作製法)多孔質基体管
上へ空気極、電解質層、燃料極を形成する方法は以下の
とおりである。まず、多孔質基体管を空気極用スラリー
中へ浸漬し引き上げる方法(ディップ法)により表面に
空気極用スラリーを塗布した後、60℃程度で乾燥さ
せ、その後、所定温度で熱処理を行う。熱処理温度は、
空気極材料にLa0.85Sr0.15MnO3 粉末を用いた場
合とLa0.85Sr0.15CoO3 粉末を用いた場合は11
00℃、カソード材料にAgを用いた場合はAgの融点
が低いため、900℃以下で熱処理を行う必要がある。
塗布厚みはスラリーの粘度や、塗布回数により調整する
ことが可能であるが、厚みが大きいと、クラックや剥離
の原因になるので、100μm程度以下、できれば50
μm以下が望ましい。ここで行った試験では50μm程
度とした。
【0044】次に、この上に電解質スラリーを同様のデ
ィップ法で塗布した後、60℃程度で乾燥させた後、所
定温度で熱処理を行う。従来(LSM多孔質基体管を用
いた場合)は1300℃程度以上で熱処理を行うのが一
般的な方法であったが、本発明では多孔質基体管用の材
料として前述したステンレス鋼などを用いるため、その
耐熱性の点で1100℃程度以下にする必要がある。こ
の熱処理温度では、従来の電解質スラリーを用いた場合
は、粒子同士の焼結が不足し緻密な電解質層が得られな
い。このため、低温で緻密に焼結可能なジルコニアゾル
を染み込ませ、乾燥、熱処理を数回繰り返すことにより
封孔処理を行う。空気極用材料にAgを用いた場合(セ
ルDのみ)は、熱処理温度を900℃程度以下にする必
要があるため、ジルコニアゾルを(粘度調整のためPV
Aを添加し)電解質スラリーとして用いる。この場合は
800℃程度でも緻密に焼結可能である。
【0045】電解質層の厚みは、強度的な観点から5μ
m程度以上必要と考えられるが、低温で作動するセルの
場合、電解質層の厚み増加によりセルの内部抵抗が大き
く上昇するため、YSZを電解質に用い800℃以下で
作動させる場合は、厚み30μm程度以下が望ましい。
本実施例で作製したセルの電解質厚みは20μm程度と
した。なお、本実施例では電解質材料として8mol%
イットリア添加安定化ジルコニアを使用したが、これに
限定されるものではない。イットリアの添加量としては
3mol%や10mol%のものでもよい。また、スカ
ンジア添加ジルコニア、サマリアドープセリア、ランタ
ンガレートなどを用いても良い。
【0046】イットリアの添加量3mol%のものは酸
素イオン伝導率がやや低いが強度が高いので、強度を問
題にする際に好ましく使用できる。スカンジア添加のも
のはコスト高であるが酸素イオン伝導率が高いので、酸
素イオン伝導率を問題にする際に好ましく使用できる。
【0047】上記のようにして電解質層を形成した後、
この上に燃料極用スラリーを同様のディップ法で塗布し
た後、60℃程度で乾燥させた後、1100℃で熱処理
を行った。燃料極の厚みは50μm程度であった。
【0048】表1に、作成した単セル(セルA〜J)の
多孔質基体管材料、インタコネクタ種類、材料との関係
を示す。
【0049】
【表1】
【0050】セルAは、多孔質基体管材料にFe−Cr
系ステンレス鋼(日立金属(株)製、ZMG232)を
用い、インタコネクタはFe−Cr系ステンレス鋼から
なる板を溶接により接合(タイプ1)したものである。
この多孔質基体管に対して、空気中1100℃で1時間
予め熱処理し表面を酸化させる処理(以下、予備酸化処
理と称す)を施した。この多孔質基体管上に、上記方法
により空気極、電解質層、燃料極を順次形成することに
より、セルAを作製した。
【0051】セルBは、多孔質基体管材料にFe−Cr
−Al系ステンレス鋼(日立金属(株)製、HRE−
5)を用い、インタコネクタはFe−Cr系ステンレス
鋼からなる板を溶接により接合(タイプ1)したもので
ある。この多孔質基体管に対して、空気中1100℃で
予め熱処理し表面を酸化させる処理(予備酸化処理)を
施した。この多孔質基体管上に、上記方法により空気
極、電解質層、燃料極を順次形成することにより、セル
Bを作製した。
【0052】セルCは、空気極材料にLa0.85Sr0.15
CoO3 粉末を用いた以外は、セルBと同様に作製し
た。
【0053】セルDは、空気極材料にAg粉末を用い、
電解質スラリーにジルコニアゾルを用いた以外は、セル
Bと同様に作製した。
【0054】セルEは、インタコネクタはNi−Cr系
超合金からなる板を用いた以外はセルAと同様に作製し
た。
【0055】セルFは、多孔質基体管材料にFe−Cr
系ステンレス鋼を用い、多孔質基体管の一部を予め緻密
に形成した部分をインタコネクタとする(タイプ2)も
のである。この多孔質基体管に対して、空気中1100
℃で予め熱処理し表面を酸化させる処理(予備酸化処
理)を施した。この多孔質基体管上に、上記方法により
空気極、電解質層、燃料極を順次形成することにより、
セルFを作製した。
【0056】セルGは、多孔質基体管の多孔質部分の材
料をFe−Cr−Al系ステンレス鋼、多孔質基体管の
緻密な部分の材料をFe−Cr系ステンレス鋼とし、こ
の緻密な部分をインタコネクタとする(タイプ2)もの
である。この多孔質基体管に対して、空気中1100℃
で予め熱処理し表面を酸化させる処理(予備酸化処理)
を施した。この多孔質基体管上に、上記方法により空気
極、電解質層、燃料極を順次形成することにより、セル
Gを作製した。
【0057】セルHは、多孔質基体管材料にFe−Cr
−Al系ステンレス鋼を用い、多孔質基体管の一部を予
め緻密に形成した部分をインタコネクタとする(タイプ
2)ものである。この多孔質基体管に対して、空気中1
100℃で予め熱処理し表面を酸化させる処理(予備酸
化処理)を施した。この多孔質基体管上に、上記方法に
より空気極、電解質層、燃料極を順次形成することによ
り、セルHを作製した。
【0058】セルIは、予備酸化処理を省いた以外はセ
ルAと同様に作製した。
【0059】セルJは、予備酸化処理を省いた以外はセ
ルBと同様に作製した。
【0060】(作成した単セル(セルA〜J)のセル試
験法)多孔質基体管の片側の端は、多孔質基体管と同一
材料からなる緻密な円板(20mmφ×厚み1mm)を
蓋材とし、これを金リングを介して熱圧着することによ
り閉じた。金リングは多孔質基体管と上記蓋材を接着す
ると同時に隙間からのガスリークを防止するシール材と
して機能する。熱圧着は、荷重をかけた状態でセルを運
転温度まで上昇させる過程において自然になされる。な
お、ここでは金リングを用いているが、蓋材と多孔質基
体管を溶接しても良い。単セルを電気炉中で運転温度ま
で昇温した後、燃料極側に水素、空気極側に空気を流
し、電圧−電流特性を測定し、図2に示した。なおセル
運転温度は800℃である。セル特性測定のための、イ
ンタコネクタ層からの集電及び燃料極側からの集電は、
白金網と白金線を用いて行った。
【0061】セル試験条件: 電極有効面積:1cm2 水素流量:0.1リットル/min 空気流量:0.5リットル/min
【0062】表2に、多孔質基体管の予備酸化処理によ
る電極、電解質層の剥離、クラック抑制の効果を示す。
【0063】
【表2】
【0064】表2に示すように、多孔質基体管に予備酸
化処理を施さず単セルを作製したセルI、セルJでは空
気極の熱処理後に剥離やクラックが発生し問題となっ
た。一方、予備酸化処理を施した後、電極、電解質を順
次形成したセルA、セルBでは上記問題は起こらなかっ
た。剥離、クラックが発生する原因は、空気中での熱処
理時に多孔質基体管が酸化し体積膨張することが原因と
考えられる。予備酸化処理を施さない多孔質基体管でこ
の問題が起こり、予備酸化処理を施した多孔質基体管で
はこの問題が起こらなかったのは、酸化初期においてこ
の体積変化が大きいためと考えられる。なお、Fe−C
r−Al系では、剥離、クラックの度合いが小さかった
が、同様の原因によると考えられる。このため、セル
I、セルJ以外では多孔質基体管に予備酸化処理を施し
た後、セル作製を行っている。
【0065】セル作成過程や運転中において、多孔質基
体管の酸化進行に起因する体積膨張による上記問題を回
避するため、予めこれらよりも高温で熱処理し、表面に
安定な酸化皮膜を生成させる予備酸化処理を施しておく
ことが好ましい。予備酸化処理条件は、セル作成温度以
上、多孔質基体管材料の耐熱温度以下の温度で、数分か
ら数時間行うことが好ましい。
【0066】図2に、電圧−電流特性を示す。セルA、
セルE、セルFは良好な特性を示した。セルB、セルG
では、開回路電圧は十分な値を示しているものの、セル
の内部抵抗が高く、低電流しか流れない。この原因は、
基体管材料にFe−Cr−Al系を用いているため、表
面に形成される絶縁性のAl23 層の影響で、多孔質
基体管表面の抵抗が大きくなるため、主に空気極材料に
より集電が行われる結果、抵抗損失が大きくなったため
である。なお、セルHではインタコネクタ層がFe−C
r−Al系であり、この部分が絶縁性であるためセル特
性の測定が不能であった。
【0067】図3に、セルAを用いた場合における、運
転方法の違いによるセル電圧経時変化への影響を示す。
運転方法は、0.3A/cm2 一定で連続放電した場
合、0.3A/cm 2 で約8時間放電を行った後、運
転を停止し、一旦室温まで温度を下げた後、再び運転温
度まで昇温し、0.3A/cm2 で約8時間放電した場
合、および0.3A/cm2 で約24時間放電を行っ
た後、運転を停止し、一旦室温まで温度を下げた後、再
び運転温度まで昇温し、0.3A/cm2 で約24時間
放電した場合の3種類で行った。図3の横軸は運転時間
を示す。
【0068】連続放電によりセル電圧が低下する原因
は、多孔質基体管からクロムがCrO 3 (g)やCrO
2 (OH)2 (g)の蒸気の形で、空気極側へ拡散、混
入し空気極の電極性能を低下させる、いわゆるクロム被
毒が原因と考えられる。クロム被毒によるセル特性の低
下は、セルの放電中に空気極/電解質界面における空気
極の電極反応によって、上記のクロム蒸気がCr23
(s)などの形で還元析出することが原因であり、セル
放電の時間経過とともにこの析出が進行するため、放電
時間が長くなるほどセル特性の低下が大きくなると考え
られる。一方、図3に示すように、短い時間で断続的に
放電を行う場合は、このセル特性低下が抑制される。図
3の結果から、一回の放電時間を24時間程度以下、望
ましくは8時間程度以下とすれば、長期的な寿命向上に
効果があることがわかる。
【0069】上記のようなクロム被毒の問題は、多孔質
基体管材料にFe−Cr−Al系ステンレス鋼を用いれ
ば無くなる。しかし、多孔質基体管の表面に形成される
絶縁性のAl23 層の影響で、多孔質基体管表面の抵
抗が大きくなるため、主に空気極材料により集電を行う
必要がある。セルB、セルGのように空気極材料に通常
の材料すなわちランタンマンガナイト系酸化物を用いる
と、導電性があまり高くないため、抵抗損失が大きくな
る。そこで、空気極材料に、ランタンマンガナイト系酸
化物よりも導電性の高い、ランタンコバルタイト系酸化
物、銀を用い、セル特性を検討した。
【0070】図4に、セルB、セルC、セルDの電圧−
電流特性を示す。セルCは空気極材料にランタンコバル
タイト系のLa0.85Sr0.15CoO3 粉末を用いたセル
であり、セルDは空気極材料にAg粉末を用いたセルで
ある。導電率は粉末の粒径、焼結度合、置換元素の種類
や置換率にも依存するが、ランタンマンガナイト系酸化
物の粉末を用いた場合の導電率は10S/cm程度、ラ
ンタンコバルタイト系酸化物を用いた場合の導電率は1
00S/cm程度である。またAg粉末を用いた場合の
導電率は20000S/cm程度である。
【0071】多孔質基体管にFe−Cr−Al系ステン
レス鋼を用いた場合(多孔質基体管が絶縁体となる場合
の)空気極側集電損失を考慮したセル特性を、図5に示
すモデルにより計算した。詳細は文献(谷口他Elec
trochemistry68,No.5(2000)
pp337−340)に記載されている。パラメータを
次のとおり設定すると、平均電流密度I(Acm-2)に
おけるセル電圧V(V)は下記(1)式で表される。 L(cm):図5に示す長さ[(多孔質基体管の外周−
インタコネクタの幅)×0.5] σ(Scm-1):空気極の導電率 t(cm): 空気極の厚み ρ(Ωcm-1):1/[σ(Scm-1)t(cm)1
(cm)] Re(Ωcm2 ):(電解質抵抗+燃料極反応抵抗+空
気極反応抵抗) Vocv(V):開回路電圧
【0072】
【数1】
【0073】上記(1)式を用いて計算した結果、図4
の空気極材料によるセル特性の差を説明できることが確
認できた。
【0074】多孔質基体管にFe−Cr−Al系ステン
レス鋼を用い、空気極材料にAgを用いた場合、Agの
高い導電性ゆえにセル特性は高くなるが、Agは材料コ
ストが高いため、なるべくその使用量を少なくしたい。
このため、Ag層の厚みの影響を上記(1)式より計算
した。この結果、図6に示すとおり、Ag層の厚みが2
μm未満になると、セル特性が急激に低下することがわ
かった。また、この厚みでは、電極反応に必要な三相界
面の形成が不十分になり、電極特性低下の影響でさらに
セル特性が低くなることが容易に予想される。逆に、2
μm以上では良好な特性が期待できる。ただし厚みが増
加すると(Agは焼結性が高いため)ガス拡散性低下に
よる電極特性低下や、材料コスト上昇の問題が生じるた
め、コストアップとなることも考慮して40μm以下、
できれば20μm以下が望ましい。
【0075】多孔質基体管材料にFe−Cr−Al系ス
テンレス鋼を用い、空気極材料にランタンコバルタイト
系酸化物を用いた場合、空気極の導電性が必ずしも十分
ではないため、この影響によりセル特性が低くなる。し
かし、多孔質基体管の外径を小さくすると、カソード側
の集電損失が小さくなることが、上述の計算により明ら
かになった。上記(1)式を用いて、多孔質基体管の外
径がセルの出力へ及ぼす影響を計算した結果を図7に示
す。縦軸には多孔質基体管の単位重量当たりの出力(W
/g)をとった。ここで、多孔質基体管の重量は、管の
厚み1.5mm、気孔率40%、ステンレス鋼粉末の密
度を8g/cm3 、インタコネクタ層の幅は8mm、空
気極材料の導電率は100S/cm、厚みは50μmで
計算した。
【0076】この結果から多孔質基体管の外径が4mm
以上15mm以下において、単位重量当たりの出力が大
きくなることがわかる。望ましくは多孔質基体管の外径
は4mm以上10mm以下である。4mm未満あるいは
15mmを超えると単位重量当たりの出力が低下する。
なお、計算のパラメータが多少変動しても、この結果に
大きな影響はない。また、ここではLa0.85Sr0.15
oO3 を用いたが、Sr添加のみでなく、Ca、Mg添
加などでも同様の効果がある。また、Coの一部をFe
やその他の元素で置換したものでも良い。
【0077】
【発明の効果】本発明の請求項1の円筒形固体酸化物燃
料電池は、多孔質基体管上の一部分の縦方向に電子伝導
性でかつガス不透過性のインタコネクタ層が形成されて
おり、このインタコネクタ層が形成された部分以外の前
記多孔質基体管上に空気極、固体酸化物電解質層、燃料
極がこの順に形成された円筒形固体酸化物燃料電池であ
って、前記多孔質基体管が耐熱性金属からなるので、安
価で耐酸化性に優れ、熱膨張率も低い耐熱性のあるステ
ンレス鋼などを用いることができ、材料コストを大幅に
低減できる上、多孔質基体管の強度が高く熱伝導性が高
く、セル内の温度分布が均一になり、耐熱衝撃性の大幅
な向上が図れ、これにより急激な負荷変動や電池温度の
上昇・下降に対しても、電解質層や電極にクラックや剥
離が生じる恐れもなく、安定して運転でき、耐久性に優
れ、また量産性にも優れる、という顕著な効果を奏す
る。
【0078】本発明の請求項2の円筒形固体酸化物燃料
電池は、請求項1記載の円筒形固体酸化物燃料電池にお
いて、前記耐熱性金属が鉄を主成分とするフェライト系
ステンレス鋼であるので、請求項1記載の円筒形固体酸
化物燃料電池と同じ効果を奏する上、耐酸化性が高く、
熱膨張率が12×10-6-1程度と低く、電極や電解質
との熱膨張率が近い材料であり、この材料は高温酸化雰
囲気において表面にCr23 やAl23 などの酸化
物層が形成され、内部への酸化進行を抑制する効果を示
すというさらなる顕著な効果を奏する。
【0079】本発明の請求項3の円筒形固体酸化物燃料
電池は、請求項1あるいは請求項2記載の円筒形固体酸
化物燃料電池において、前記インタコネクタ層は金属か
らなり、前記多孔質基体管と前記インタコネクタ層との
接合界面近傍において、気孔率が小さく、酸化されてい
ない金属状態の中間層が形成されているので、請求項1
記載の円筒形固体酸化物燃料電池と同じ効果を奏する
上、金属からなるインタコネクタ層は電子伝導性、ガス
不透過性に優れ、また前記中間層が形成されたことによ
り多孔質基体管とインタコネクタ層相互の接着および電
気的接続が良好となるというさらなる顕著な効果を奏す
る。
【0080】本発明の請求項4の円筒形固体酸化物燃料
電池は、請求項3記載の円筒形固体酸化物燃料電池にお
いて、前記インタコネクタ層は鉄またはニッケルを主成
分とする耐熱性金属からなり、外側の表面が電子伝導性
を有するので、請求項3記載の円筒形固体酸化物燃料電
池と同じ効果を奏する上、Fe−Cr系ステンレス鋼、
またはNi−Cr系合金などの鉄またはニッケルを主成
分とする耐熱性金属からなるインタコネクタ層は空気極
側の酸化雰囲気、および燃料極側の還元雰囲気で安定性
が高く、しかも表面に生成する酸化物層の導電性が高い
のでインタコネクタ層から電気を容易に取り出すことが
できるというさらなる顕著な効果を奏する。
【0081】本発明の請求項5の円筒形固体酸化物燃料
電池は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の
円筒形固体酸化物燃料電池において、前記多孔質基体管
は少なくともアルミニウムを含有し燃料電池運転状態で
表面に少なくともAl23を含む酸化物層が形成され
る耐熱性金属からなり、前記多孔質基体管と前記電解質
層との間に少なくともランタンコバルタイト系ペロブス
カイト型酸化物を含む層が形成されており、かつ前記多
孔質基体管の外径が4mm以上15mm以下であるの
で、請求項1記載の円筒形固体酸化物燃料電池と同じ効
果を奏する上、Fe−Cr−Al系ステンレス鋼などの
耐熱性金属からなる多孔質基体管を用いた場合、Al2
3 を含む酸化物層は金属材料内部への酸化進行を抑制
する効果があるが、電気的絶縁層であり、基体管表面の
抵抗が大きくなるため、主に基体管上に形成された空気
極により集電を行う必要があるが、空気極の導電性が十
分ではなくなるので、多孔質基体管と前記電解質層との
間に少なくともランタンコバルタイト系ペロブスカイト
型酸化物を含む層が形成されるようにし、かつ多孔質基
体管の径を最適化することにより導電性の問題を解決で
きるというさらなる顕著な効果を奏する。
【0082】本発明の請求項6の円筒形固体酸化物燃料
電池は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の
円筒形固体酸化物燃料電池において、前記多孔質基体管
は少なくともアルミニウムを含有し燃料電池運転状態で
表面に少なくともAl23を含む酸化物層が形成され
る耐熱性金属からなり、前記多孔質基体管と前記電解質
層との間に少なくとも銀を含む高導電性の層が厚み2μ
m以上40μm以下で形成されているので、請求項1記
載の円筒形固体酸化物燃料電池と同じ効果を奏する上、
Fe−Cr−Al系ステンレス鋼などの耐熱性金属から
なる多孔質基体管を用いた場合、Al23 を含む酸化
物層は電気的絶縁層であり、基体管表面の抵抗が大きく
なるため、主に基体管上に形成された空気極により集電
を行う必要があるが、空気極の導電性が十分ではなくな
るので、高導電性のAgを空気極材料にして、多孔質基
体管と前記電解質層との間に少なくとも銀を含む高導電
性の層が厚み2μm以上40μm以下で形成されるよう
にすることにより導電性の問題を解決できるというさら
なる顕著な効果を奏する。
【0083】本発明の請求項7は、少なくともクロムを
含有し燃料電池運転状態で表面に少なくともCr23
を含む酸化物層が形成される耐熱性金属からなる多孔質
基体管上の一部分の縦方向に電子伝導性でかつガス不透
過性のインタコネクタ層が形成されており、このインタ
コネクタ層が形成された部分以外の前記多孔質基体管上
に空気極、固体酸化物電解質層、燃料極がこの順に形成
された円筒形固体酸化物燃料電池の運転方法であって、
一回の運転時間を24時間以内とし、起動→運転→停止
を繰り返して行うことを特徴とする円筒形固体酸化物燃
料電池の運転方法であり、この多孔質基体は、表面に形
成されるCr23 が内部への酸化進行を抑制する効果
を示すため耐酸化性が高く、Cr23 を含む酸化物層
は導電性であるので良好な集電機能を有するが、一方で
電極中へクロム成分が拡散、混入し、クロム被毒による
電極特性低下を引き起こすこともあるが、一回の運転時
間を24時間以内とし、起動→運転→停止を繰り返して
行う運転方法により電極中へ拡散、混入したクロム成分
を拡散、分散して、クロム被毒を低減、抑制して電極特
性を維持できるようになり、そして燃料電池を安定して
運転でき耐久性を向上できるという顕著な効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、多孔質基体管の外観模式図であり、
(b)はインタコネクタと多孔質基体管の接合界面近傍
の断面模式図である。
【図2】各セルの電圧−電流特性を示すグラフである。
【図3】連続放電を行った場合と比較し、断続放電を行
うことによるセル特性(セルA)の向上を説明するグラ
フである。
【図4】多孔質基体管材料にFe−Cr−Al系ステン
レス鋼を用いた場合の空気極材料によるセル特性への影
響を示すグラフである。
【図5】Fe−Cr−Al系ステンレス鋼を多孔質基体
管に用いた場合のセル特性計算モデルである。
【図6】多孔質基体管材料にFe−Cr−Al系ステン
レス鋼、燃料極材料にAgを用いた場合のAg層の厚み
がセル特性へ及ぼす影響を示すグラフである。
【図7】多孔質基体管材料にFe−Cr−Al系ステン
レス鋼、空気極材料にランタンコバルタイト系ペロブス
カイト型酸化物を用いた場合の多孔質基体管の径がセル
特性へ及ぼす影響を示すグラフである。
【図8】高温酸化雰囲気(燃料電池作成時や燃料電池運
転時)で使用された多孔質基体管であって、多孔質基体
管上に空気極、固体酸化物電解質層、燃料極がこの順に
形成された多孔質基体管の断面を説明する断面模式図で
ある。
【図9】従来のセラミック材料からなる多孔質基体管を
用いた円筒(縦縞)形固体酸化物燃料電池のうち、多孔
質基体管が空気極を兼ねるタイプのセル構造を示す説明
図である。
【図10】従来のセラミック材料からなる多孔質基体管
を用いた円筒(縦縞)形固体酸化物燃料電池のうち、多
孔質基体管と空気極が別の材料からなるタイプの構造を
示す説明図である。
【図11】(a)は、従来の他の円筒形固体酸化物燃料
電池(単セル)の構造を示す説明図であり、(b)はそ
の断面を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 金属板 2 多孔質基体管 3 インタコネクタ層 4 気孔率の小さい層 5 気孔 6 酸化物層 61 従来のセラミック基体管を用いた円筒(縦縞)形
固体酸化物燃料電池 62 空気極 63 固体酸化物電解質層 64 燃料極 67 従来のセラミック基体管を用いた他の円筒(縦
縞)形固体酸化物燃料電池 68 従来の金属基体管を用いた円筒形固体酸化物燃料
電池
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近野 義人 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 高岡 大造 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 三宅 泰夫 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5H026 AA06 CV02 EE08 EE12 EE13 HH03 HH04 5H027 AA06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質基体管上の一部分の縦方向に電子
    伝導性でかつガス不透過性のインタコネクタ層が形成さ
    れており、このインタコネクタ層が形成された部分以外
    の前記多孔質基体管上に空気極、固体酸化物電解質層、
    燃料極がこの順に形成された円筒形固体酸化物燃料電池
    であって、前記多孔質基体管が耐熱性金属からなること
    を特徴とする円筒形固体酸化物燃料電池。
  2. 【請求項2】 前記耐熱性金属が鉄を主成分とするフェ
    ライト系ステンレス鋼であることを特徴とする請求項1
    記載の円筒形固体酸化物燃料電池。
  3. 【請求項3】 前記インタコネクタ層は金属からなり、
    前記多孔質基体管と前記インタコネクタ層との接合界面
    近傍において、気孔率が小さく、酸化されていない金属
    状態の中間層が形成されていることを特徴とする請求項
    1あるいは請求項2記載の円筒形固体酸化物燃料電池。
  4. 【請求項4】 前記インタコネクタ層は鉄またはニッケ
    ルを主成分とする耐熱性金属からなり、外側の表面が電
    子伝導性を有することを特徴とする請求項3記載の円筒
    形固体酸化物燃料電池。
  5. 【請求項5】 前記多孔質基体管は少なくともアルミニ
    ウムを含有し燃料電池運転状態で表面に少なくともAl
    23 を含む酸化物層が形成される耐熱性金属からな
    り、前記多孔質基体管と前記電解質層との間に少なくと
    もランタンコバルタイト系ペロブスカイト型酸化物を含
    む層が形成されており、かつ前記多孔質基体管の外径が
    4mm以上15mm以下であることを特徴とする請求項
    1から請求項4のいずれか1項に記載の円筒形固体酸化
    物燃料電池。
  6. 【請求項6】 前記多孔質基体管は少なくともアルミニ
    ウムを含有し燃料電池運転状態で表面に少なくともAl
    23 を含む酸化物層が形成される耐熱性金属からな
    り、前記多孔質基体管と前記電解質層との間に少なくと
    も銀を含む高導電性の層が厚み2μm以上40μm以下
    で形成されていることを特徴とする請求項1から請求項
    4のいずれか1項に記載の円筒形固体酸化物燃料電池。
  7. 【請求項7】 少なくともクロムを含有し燃料電池運転
    状態で表面に少なくともCr23 を含む酸化物層が形
    成される耐熱性金属からなる多孔質基体管上の一部分の
    縦方向に電子伝導性でかつガス不透過性のインタコネク
    タ層が形成されており、このインタコネクタ層が形成さ
    れた部分以外の前記多孔質基体管上に空気極、固体酸化
    物電解質層、燃料極がこの順に形成された円筒形固体酸
    化物燃料電池の運転方法であって、一回の運転時間を2
    4時間以内とし、起動→運転→停止を繰り返して行うこ
    とを特徴とする円筒形固体酸化物燃料電池の運転方法。
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