JP4399698B2 - 空気極集電体およびその空気極集電体を組み込んだ固体電解質形燃料電池 - Google Patents

空気極集電体およびその空気極集電体を組み込んだ固体電解質形燃料電池 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、固体電解質形燃料電池における空気極集電体およびこの空気極集電体を組み込んだ発電性能の高い固体電解質形燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、固体電解質形燃料電池は、水素ガス、天然ガス、メタノール、石炭ガスなどを燃料とすることができるところから発電における石油代替エネルギー化を促進することができ、さらに廃熱を利用することができるところから省資源および環境問題の観点からも注目されている。この固体電解質形燃料電池は図3の断面概略図に示される積層構造を有する。図3において、1は空気極集電体、2は空気極、3は固体電解質、4はセパレータ、5は燃料極、6は燃料極集電体、7は水素が通る溝、8は空気が通る溝である。固体電解質3の片面に空気極2を積層させ、他方の片面に燃料極5を形成することによりセル9を構成する。
【0003】
前記固体電解質3は一般にイットリアで安定化したジルコニア(以下、YSZという)で構成されているが、近年、Ln1-xxGa1-y-z123(但し、Ln=La、Ce、Pr、Nd、Smの1種または2種以上、A=Sr、Ca、Baの1種または2種以上、B1=Mg、Al、Inの1種または2種以上、B2=Co、Fe、Ni、Cuの1種または2種以上、x=0.05〜0.3、y=0〜0.29、z=0.01〜0.3、y+z=0.025〜0.3)で示される酸化物なども使用されている。さらにセパレータ4はランタンクロマイト(LaCrO3)からなる緻密なセラミックスで構成されており、空気極2は(Sm、Sr)CoO3、(La、Sr)MnO3などのセラミックスで構成されており、燃料極5はNi/YSZサーメット、Ni/(Ce、Sm)O2サーメットなどで構成されている。そして空気極集電体1は高温耐食性のある金属または合金のフェルト層またはメッシュ層で構成されており、高温の空気に長期間曝されても耐え得る金属または合金として白金が主に用いられている。また燃料極集電体6はNiフェルト層またはNiメッシュ層が主として用いられている。
【0004】
かかる構造を有する固体電解質形燃料電池の空気極2の表面上では、酸素分子から酸素原子への解離反応が起こり、白金フェルト層または白金メッシュ層からなる空気極集電体1より酸素原子が電子を受け取り、電子を受け取った酸素原子はイオン化された混合伝導体である空気極の極中あるいは電極上を移動し、電解質中へ移動していく。その際に、酸素分子から酸素原子への解離反応は、酸素分子が空気極との衝突により空気極の電極上全面で比較的起こりやすいが、イオン化反応は電子が供給されないと起こらないため、空気極集電体と空気極が接触している付近において頻繁に起こりやすいと言われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、空気極集電体と空気極との接触面積の大きい固体電解質形燃料電池であるほど発電性能を高めることができるが、従来の白金繊維を圧縮して得られた白金フェルト層または白金細線を編んだ白金メッシュ層からなる空気極集電体は隙間が多いために、空気極集電体と空気極の接触面積が十分でなく、そのために従来の固体電解質形燃料電池では発電性能を十分に向上させることが出来なかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者等は、空気極集電体と空気極との電気的接触性(導電性)を一層高めることにより接触抵抗を低減して発電効率を一層向上させた固体電解質燃料電池を開発すべく試験研究を行った。その結果、
(a)白金フェルト層または白金メッシュ層からなる空気極集電体の空気極に接する側の表面に銀粉末焼結層を形成した複合層からなる空気極集電体は、従来の白金フェルト層または白金メッシュ層で構成されて空気極集電体よりも空気極に対する接触面積が向上し、この白金フェルト層または白金メッシュ層および銀粉末焼結層を形成した複合層からなる空気極集電体を組み込んだ固体電解質形燃料電池は、従来の固体電解質形燃料電池に比べて発電性能が一層向上する、
(b)900℃以下の低い温度で作動する固体電解質形燃料電池の場合、白金フェルト層または白金メッシュ層からなる空気極集電体よりも、銀フェルト層もしくは銀メッシュ層からなる空気極集電体を用いる方が発電効率は一層向上し、銀フェルト層もしくは銀メッシュ層の片面に銀粉末燒結層を形成した複合層からなる空気極集電体は空気極に対する接触面積が向上し、この複合層からなる空気極集電体を組み込んだ固体電解質形燃料電池の発電効率は一層向上する、
(c)前記銀フェルト層または銀メッシュ層で構成した固体電解質形燃料電池の空気極集電体は、高温に長時間さらされると、銀は高温強度が低いために前記銀フェルト層および銀メッシュ層は収縮し焼結して空隙率が減少し、そのため固体電解質形燃料電池の空気極集電体としての機能が低下することがあるが、銀よりも高温強度に優れた金属または合金などの金属繊維に下地メッキとしてNiメッキしたのち銀メッキした銀メッキ繊維からなる銀メッキフェルト層で構成した空気極集電体または銀よりも高温強度に優れた金属または合金などの金属細線からなる金属メッシュに銀メッキして得られた銀メッキメッシュ層で構成した空気極集電体は、高温になってもフェルトまたはメッシュの骨格を維持することができるために、銀フェルト層または銀メッシュ層で構成された空気極集電体に比べて、長時間使用しても空気極集電体の空隙率が減少することが少なく、銀メッキフェルト層または銀メッキメッシュ層の片面に銀粉末燒結層を形成した複合層からなる空気極集電体は空気極に対する接触面積が向上し、この複合層からなる空気極集電体を組み込んだ固体電解質形燃料電池の発電効率は一層向上する、という研究結果が得られたのである。
【0007】
この発明は、かかる研究結果に基づいてなされたものであって、
(1)金属フェルト層の空気極に接する側の片面表面に銀粉末燒結層を形成した複合層からなる固体電解質形燃料電池の空気極集電体、
(2)白金繊維を圧縮して形成した白金フェルト層の空気極に接する側の片面表面に銀粉末燒結層を形成した複合層からなる固体電解質形燃料電池の空気極集電体、
(3)銀繊維を圧縮して形成した銀フェルト層の空気極に接する側の片面表面に銀粉末燒結層を形成した複合層からなる固体電解質形燃料電池の空気極集電体、
(4)銀よりも高温強度に優れた金属または合金からなる金属繊維の表面に銀メッキした銀メッキ繊維を圧縮して形成した銀メッキフェルト空気極に接する側の片面表面に銀粉末燒結層を形成した複合層からなる固体電解質形燃料電池の空気極集電体、
(5)金属メッシュ層の空気極に接する側の片面表面に銀粉末燒結層を形成した複合層からなる固体電解質形燃料電池の空気極集電体、
(6)白金メッシュ層の空気極に接する側の片面表面に銀粉末燒結層を形成した複合層からなる固体電解質形燃料電池の空気極集電体、
(7)銀メッシュ層の空気極に接する側の片面表面に銀粉末燒結層を形成した複合層からなる固体電解質形燃料電池の空気極集電体、
(8)銀よりも高温強度に優れた金属または合金からなる金属細線の表面に銀メッキした銀メッキ細線からなる銀メッキメッシュ層の空気極に接する側の片面表面に銀粉末燒結層を形成した複合層からなる固体電解質形燃料電池の空気極集電体、
に特徴を有するものである。
【0008】
白金繊維を圧縮して形成した白金フェルト層の片面に銀粉末燒結層を形成した複合層からなる空気極集電体の構造を図1の断面説明図に基づいて説明する。図1において、11は白金フェルト層、10は銀粉末燒結層である。この発明の空気極集電体1の銀粉末燒結層は、図1の一部拡大図Aに示されるように、白金フェルト層11の白金繊維13の周囲に銀粉末14が溶着して白金繊維の隙間を銀粉末14が充填した構造となっており、かかる構造とすることにより空気極集電体の白金繊維と空気極との接触の他に銀粉末と空気極とが接触し、空気極集電体と空気極との全体の接触面積を増大させることができる。
【0009】
さらに白金細線を編んで形成した白金メッシュ層の片面に銀粉末燒結層を形成した複合層からなる固体電解質形燃料電池の空気極集電体の構造を図2の断面説明図に基づいて説明する。図2において、12は白金メッシュ層、10は銀粉末燒結層である。この発明の空気極集電体1の銀粉末燒結層は、図2の一部拡大図Bに示されるように、白金メッシュ層12を構成する白金細線15の周囲に銀粉末14が溶着して隙間を銀粉末14が充填した構造となっており、かかる構造により空気極集電体と空気極との接触面積を増大させることができる。
【0010】
この発明の固体電解質形燃料電池の空気極集電体を構成する銀粉末燒結層は、白金フェルト層および白金メッシュ層の片面表面に形成される隙間を埋める程度の薄い銀粉末燒結層であれば良く、白金フェルトを構成する白金繊維または白金メッシュを構成する白金細線の表面に溶着していれば良いから、前記(2)または(6)記載のこの発明の空気極集電体を製造するには、平面状に敷き詰めた銀粉末の上に、銀粉末の燒結温度以上に加熱された白金フェルト層および白金メッシュ層を載置するだけで製造することができる。
【0011】
次に、銀フェルトおよび銀メッシュからなる空気極集電体について説明する。銀は、約200℃以上930℃以下の温度領域においては酸化雰囲気中においても還元され、金属相が安定相である。したがって、銀フェルトおよび銀メッシュは約200℃以上930℃以下の温度領域において酸化皮膜が形成されず、良好な導電体である。しかし、銀フェルトおよび銀メッシュからなる空気極集電体を組み込んだ固体酸化物燃料電池を930℃で作動させると、銀フェルトおよび銀メッシュからなる空気極集電体の表面に酸化膜が発生することがないが、銀は高温で酸素を固溶するために、約930℃で溶けはじめる。したがって、実際に、銀フェルトおよび銀メッシュを空気極集電体として組み込んだ固体酸化物燃料電池の作動温度は900℃以下であることが好ましい。
【0012】
銀フェルトおよび銀メッシュを空気極集電体として組み込んだ固体酸化物燃料電池が低温で発電性能が向上する理由は、一般に、空気極において、空気中の酸素が空気極集電体により電子を受け取り、酸素イオン(O-2)が生成されるが、極微量の酸素が含まれている銀を固体酸化物燃料電池の空気極集電体とした場合、空気極集電体中に極微量含まれる酸素が集電体表面においての酸素イオンの生成を促進させる働きがあり、酸素イオンを集電体表面から早く移動させることができること、空気極集電体と電極との交換電流密度の上昇により、さらなる酸素イオンの移動が速やかになること、酸素の解離(O2→2O)、イオン化(O+2e→O-2)も銀フェルトおよび銀メッシュからなる空気極集電体中に固溶した酸素により促進すること、などによるものと考えられる。
【0013】
前記(4)に記載の銀よりも高温強度に優れた金属または合金からなる金属繊維は、白金繊維、Ni繊維、Ni基合金繊維、Fe繊維、Fe基合金繊維、Co繊維、Co基合金繊維等であり、前記(8)に記載の銀よりも高温強度に優れた金属または合金からなる金属細線は、白金細線、Ni細線、Ni基合金細線、Fe細線、Fe基合金細線、Co細線、Co基合金細線等である。具体的には、純Ni、インコネル600、インコネル718、ハステロイC−22、ヘインズアロイ214、ヘインズアロイ230、純Fe、炭素鋼、ステンレス鋼(SUS430)、エスイット鋼、ヘインズアロイ188、ULTETなどの繊維または細線である。
【0014】
前記(3)、(4)、(7)または(8)記載のこの発明の空気極集電体を製造するには、平面状に敷き詰めた銀粉末の上に、加熱された銀フェルト層、銀メッシュ層、銀メッキフェルト層または銀メッキメッシュ層を載置することにより製造することができるが、その際に使用する銀粉末は銀フェルト層を構成する銀繊維または銀メッシュ層を構成する銀細線の太さよりも極めて小さいサブミクロンの銀超微粉末を使用する。このサブミクロンの銀超微粉末は通常の銀粉末が燒結しない低温でも燒結するところから、銀フェルト層、銀メッシュ層、銀メッキフェルト層または銀メッキメッシュ層が燒結しない温度でも銀フェルト層、銀メッシュ層、銀メッキフェルト層または銀メッキメッシュ層の片面に銀粉末燒結層を形成することができるからである。
【0015】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の固体酸化物燃料電池の空気極集電体を実施例により具体的に説明する。
実施例1
白金からなる平均太さ:50μm、平均長さ:5mmを有する白金繊維と、平均粒径:2μmの純銀粉末を用意し、白金繊維を金型に充填し、軽くプレス成形したのち、1200℃で10分間加熱焼成することにより空隙率:92%、厚さ:0.7mmの白金フェルト層を作製し、この白金フェルト層を950℃に加熱したのち純銀粉末層の上に載置したところ、白金フェルト層の片面に純銀粉末燒結層が形成され、図1の断面図に示される白金フェルト層11の片面に純銀粉末燒結層10を形成した複合層からなる空気極集電体1が得られた。
【0016】
さらに、原料粉末として、La23、SrCO3、Ga23、MgO、CoOの各粉末を用意し、これら原料粉末をLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.15Co0.053となるように秤量し、良く混合した後、1100℃で予備焼成し、得られた仮焼体を粉砕し、通常のバインダー、溶剤などを加えてボールミルで粉砕することによりスラリーを作製し、このスラリーをドクターブレード法によりグリーンシートに成形した。成形したグリーンシートを空気中で十分に乾燥させ、所定の寸法に切り出してこれを1450℃で燒結した。得られた燒結体の厚さは110μmであった。
【0017】
このようにして得られた燒結体を電解質とし、この電解質の片面にNiと(Ce0.8Sm0.2)O2の体積比が6:4になるように混合したNiOと(Ce0.8Sm0.2)O2の混合粉末を1100℃で焼付けることにより燃料極を形成し、さらに前記電解質の反対側の片面に(Sm0.5Sr0.5)CoO3を1000℃で焼付けることにより空気極を形成することによりセルを作製した。
【0018】
さらに、ランタンクロマイト粉を静水圧プレスして板状とした後、機械加工して溝を形成し、ついで1450℃で燒結することにより片面に溝を有するセパレータを作製した。また、燃料極集電体としてNiフェルトを用意した。
【0019】
このようにして作製したセルの燃料極側に燃料極集電体であるNiフェルトを積層し、セルの空気極側に前記純銀フェルトおよび純銀粉末燒結層からなる空気極集電体を純銀粉末燒結層が空気極に接するように積層させ、さらにこれら燃料極集電体および空気極集電体の上に前記セパレータを積層させて本発明固体電解質燃料電池1を作製した。
【0020】
このようにして得られた本発明固体電解質燃料電池1を700℃に保持しながら燃料ガスとして乾燥水素ガスを流し、酸化剤ガスとして空気を流し、本発明固体電解質燃料電池1について0.7Vにおける電流密度を測定し、その結果を表1に示した。
【0021】
従来例1
さらに、比較のために、実施例1で用意した白金フェルト層を用いて空気極集電体を作製し、この白金フェルトからなる空気極集電体を組み込む以外は実施例1と全く同様にして従来固体電解質燃料電池1を作製し、この従来固体電解質燃料電池1について、0.7Vにおける電流密度を測定し、その結果を表1に示した。
【0022】
【表1】
Figure 0004399698
【0023】
表1に示される結果から、白金フェルト層および純銀粉末燒結層からなる空気極集電体を純銀粉末燒結層が空気極に接するように組み込んだ本発明固体電解質燃料電池1は、白金フェルト層からなる空気極集電体を組み込んだ従来固体電解質燃料電池1に比べて、0.7Vにおける電流密度は大幅に向上していることが分かる。
【0024】
実施例2
白金からなる平均太さ:20μmを有する白金細線を用意した。この白金細線を編んで白金メッシュ層を作製し、この白金メッシュ層を940℃に加熱したのち純銀粉末層の上に載置したところ、白金メッシュ層の片面に純銀粉末燒結層が形成され、白金メッシュ層の片面に純銀粉末燒結層を形成した複合層からなる空気極集電体が得られた。この空気極集電体を実施例1と同様にしてセルの空気極側に前記白金メッシュおよび純銀粉末燒結層からなる空気極集電体を純銀粉末燒結層が空気極に接するように積層し、実施例1と同様にして本発明固体電解質燃料電池2を作製した。
【0025】
このようにして得られた本発明固体電解質燃料電池2を700℃に保持しながら燃料ガスとして乾燥水素ガスを流し、酸化剤ガスとして空気を流し、本発明固体電解質燃料電池2について0.7Vにおける電流密度を測定し、その結果を表2に示した。
【0026】
従来例2
さらに、比較のために、実施例2で用意した白金メッシュ層を用いて空気極集電体を作製し、この白金メッシュからなる空気極集電体を組み込む以外は実施例1と全く同様にして従来固体電解質燃料電池2を作製し、この従来固体電解質燃料電池2について、0.7Vにおける電流密度を測定し、その結果を表2に示した。
【0027】
【表2】
Figure 0004399698
【0028】
表2に示される結果から、白金メッシュ層および純銀粉末燒結層からなる空気極集電体を純銀粉末燒結層が空気極に接するように組み込んだ本発明固体電解質燃料電池2は、白金メッシュ層からなる空気極集電体を組み込んだ従来固体電解質燃料電池2に比べて、0.7Vにおける電流密度は大幅に向上していることが分かる。
【0029】
実施例3
純銀からなる平均太さ:30μm、平均長さ:2mmを有する純銀繊維と、平均粒径:0.2μmの純銀超微粉末を用意し、純銀繊維を金型に充填し、軽くプレス成形したのち、910℃で10分間加熱焼成することにより空隙率:80%、厚さ:0.7mmの純銀フェルト層を作製し、この純銀フェルト層を910℃に加熱したのち純銀超微粉末層の上に載置したところ純銀フェルト層の片面に純銀超微粉末燒結層が形成され、純銀フェルト層および純銀超微粉末燒結層からなる空気極集電体が得られた。この空気極集電体を実施例1と同様にしてセルの空気極側に純銀超微粉末燒結層が空気極に接するように積層させ、実施例1と同様にして本発明固体電解質燃料電池3を作製した。
このようにして得られた本発明固体電解質燃料電池3を700℃に保持しながら燃料ガスとして乾燥水素ガスを流し、酸化剤ガスとして空気を流し、本発明固体電解質燃料電池2について0.7Vにおける電流密度を測定し、その結果を表3に示した。
【0030】
実施例4
純銀からなる平均太さ:20μmを有する純銀細線を用意した。この純銀細線を編んで純銀メッシュ層を作製し、この純銀メッシュ層を910℃に加熱したのち純銀超微粉末層の上に載置したところ、純銀メッシュ層の片面に純銀粉末燒結層が形成され、純銀メッシュ層および純銀超微粉末燒結層からなる空気極集電体が得られた。この空気極集電体を実施例1と同様にしてセルの空気極側に純銀超微粉末燒結層が空気極に接するように積層させ、実施例1と同様にして本発明固体電解質燃料電池4を作製した。
このようにして得られた本発明固体電解質燃料電池4を700℃に保持しながら燃料ガスとして乾燥水素ガスを流し、酸化剤ガスとして空気を流し、本発明固体電解質燃料電池4について0.7Vにおける電流密度を測定し、その結果を表3に示した。
【0031】
実施例5
平均太さ:20μm、平均長さ:3mmを有するNi繊維を用意した。このNi繊維の表面に純銀をメッキすることにより純銀メッキ繊維を作製し、この純銀メッキ繊維を金型に充填し、軽くプレス成形したのち、900℃で10分間焼成することにより空隙率:82%、厚さ:0.7mmの純銀メッキフェルトを作製した。この純銀メッキフェルトを910℃に加熱したのち純銀超微粉末層の上に載置したところ、純銀メッキフェルト層の片面に純銀超微粉末燒結層が形成され、純銀メッキフェルト層および純銀超微粉末燒結層からなる空気極集電体が得られた。この空気極集電体を実施例1と同様にしてセルの空気極側に純銀超微粉末燒結層が空気極に接するように積層し、実施例1と同様にして本発明固体電解質燃料電池5を作製した。
このようにして得られた本発明固体電解質燃料電池5を700℃に保持しながら燃料ガスとして乾燥水素ガスを流し、酸化剤ガスとして空気を流し、本発明固体電解質燃料電池2について0.7Vにおける電流密度を測定し、その結果を表3に示した。
【0032】
実施例6
純Niからなる平均太さ:30μmを有する純Ni細線を用意した。このNi細線を編んで作製したNiメッシュの表面に純銀をメッキすることにより純銀メッキメッシュ層を作製し、この純銀メッキメッシュ層を910℃に加熱したのち純銀超微粉末層の上に載置したところ、純銀メッキメッシュ層の片面に純銀超微粉末燒結層が形成され、純銀メッキメッシュ層および純銀超微粉末燒結層からなる空気極集電体が得られた。この空気極集電体を実施例1と同様にしてセルの空気極側に純銀超微粉末燒結層が空気極に接するように積層し、実施例1と同様にして本発明固体電解質燃料電池6を作製した。
このようにして得られた本発明固体電解質燃料電池7を700℃に保持しながら燃料ガスとして乾燥水素ガスを流し、酸化剤ガスとして空気を流し、本発明固体電解質燃料電池6について0.7Vにおける電流密度を測定し、その結果を表3に示した。
【0033】
【表3】
Figure 0004399698
【0034】
表3に示される結果から、本発明固体電解質燃料電池3、本発明固体電解質燃料電池4、本発明固体電解質燃料電池5および本発明固体電解質燃料電池6は、いずれも表1および2に記載の従来固体電解質燃料電池1および2に比べて、0.7Vにおける電流密度は大幅に向上していることが分かる。
【0035】
【発明の効果】
この発明の空気極集電体を組み込んだ本発明固体電解質形燃料電池1〜6は、従来の白金フェルト層からなる空気極集電体を組み込んだ従来固体電解質形燃料電池1および白金メッシュ層からなる空気極集電体を組み込んだ従来固体電解質形燃料電池2と比べていずれも優れた発電特性を示し、特に銀フェルト層、銀メッシュ層、銀メッキフェルト層または銀メッキメッシュ層の片面に銀超微粉末燒結層を形成した空気極集電体を組み込んだ固体電解質形燃料電池は従来の固体電解質形燃料電池と比べて1.6倍以上の発電特性を示すところから、900℃以下に下げて作動させても優れた発電特性を有し、低温で作動できるから使用寿命を延ばすことができ、さらに低コストの材料を使用することができるので製造コストを下げることができて燃料電池産業の発展に大いに寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の空気極集電体の構造を説明するための断面概略図である。
【図2】この発明の空気極集電体の構造を説明するための断面概略図である。
【図3】一般的な固体電解質形燃料電池の構造を説明するための断面概略図である。
【符号の説明】
1 空気極集電体
2 空気極
3 電解質
4 セパレータ
5 燃料極
6 燃料極集電体
7 溝
8 溝
9 セル
10 銀粉末燒結層
11 白金フェルト層
12 白金メッシュ層
13 白金繊維
14 銀粉末
15 白金細線

Claims (10)

  1. 金属フェルト層の空気極に接する側の片面表面に銀粉末を燒結した銀粉末焼結層を形成した複合層からなることを特徴とする固体電解質形燃料電池の空気極集電体。
  2. 前記金属フェルト層は白金繊維を圧縮して形成した白金フェルト層であることを特徴とする請求項1記載の固体電解質形燃料電池の空気極集電体。
  3. 前記金属フェルト層は銀繊維を圧縮して形成した銀フェルト層であることを特徴とする請求項1記載の固体電解質形燃料電池の空気極集電体。
  4. 前記金属フェルト層は銀よりも高温強度に優れた金属または合金からなる金属繊維の表面に銀メッキした銀メッキ繊維を圧縮して形成した銀メッキフェルト層であることを特徴とする請求項1記載の固体電解質形燃料電池の空気極集電体。
  5. 金属メッシュ層の空気極に接する側の片面表面に銀粉末を燒結した銀粉末燒結層を形成した複合層からなることを特徴とする固体電解質形燃料電池の空気極集電体。
  6. 前記金属メッシュ層は白金細線からなる白金メッシュ層であることを特徴とする請求項5記載の固体電解質形燃料電池の空気極集電体。
  7. 前記金属メッシュ層は銀細線からなる銀メッシュ層であることを特徴とする請求項5記載の固体電解質形燃料電池の空気極集電体。
  8. 前記金属メッシュ層は銀よりも高温強度に優れた金属または合金からなる金属細線の表面に下地層としてNiメッキしたのち銀メッキした銀メッキ細線からなる銀メッキメッシュ層であることを特徴とする請求項5記載の固体電解質形燃料電池の空気極集電体。
  9. 前記銀よりも高温強度に優れた金属または合金は、NiまたはNi基合金、FeまたはFe基合金、CoまたはCo基合金であることを特徴とする請求項または記載の固体電解質形燃料電池の空気極集電体。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6、7,8または9記載の空気極集電体を組み込んだ固体電解質形燃料電池。
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