JP2003346686A - 偏向ヨーク及び表示装置 - Google Patents

偏向ヨーク及び表示装置

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JP2003346686A
JP2003346686A JP2002155054A JP2002155054A JP2003346686A JP 2003346686 A JP2003346686 A JP 2003346686A JP 2002155054 A JP2002155054 A JP 2002155054A JP 2002155054 A JP2002155054 A JP 2002155054A JP 2003346686 A JP2003346686 A JP 2003346686A
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vertical deflection
correction
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magnetic field
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Kazuhide Endo
和栄 遠藤
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一対の磁性体に巻装された複数の補正コイル
を用いてVCRを補正する場合に、コストアップを招く
ことなく、中間VCRの補正を実現する。 【解決手段】 インライン配列で進行する3本の電子ビ
ームB,G,Rを垂直方向に偏向する垂直偏向磁界を形
成する垂直偏向コイルと、陰極線管のネック部13を介
して対向する状態に配置される一対の磁性体21,21
と、この一対の磁性体に巻装されるとともに、垂直偏向
コイルに対して直列に接続され、かつ、センタービーム
GとサイドビームB,Rとの相対位置を垂直方向で変化
させる補正磁界φM1を垂直偏向磁界と同じ向きで形成
する一対の補正コイル20,20とを備え、一対の補正
コイル20,20に垂直偏向電流を供給したときに、垂
直偏向電流の最大値のほぼ半分の電流値以上で磁性体2
1が磁気飽和するようにその磁気飽和特性を調整した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陰極線管を用いた
テレビジョン受像機やコンピュータ用ディスプレイ等の
表示装置に係り、特に、電子ビームを偏向する偏向ヨー
ク(Deflection Yoke;DY)に関する。
【0002】
【従来の技術】陰極線管においては、電子銃から出射さ
れた電子ビームの進行方向を上下、左右に偏向すること
により、画面上に画像を組み立てている。電子ビームの
偏向には偏向ヨークが用いられる。偏向ヨークは、偏向
コイル(水平偏向コイル、垂直偏向コイル)とコアを有
するもので、陰極線管のネック部からファンネル部に至
るコーン部に装着される。この偏向ヨークでは、電子銃
から出射された電子ビームを、偏向コイルに流れる偏向
電流(水平偏向電流、垂直偏向電流)の電磁作用によっ
て上下、左右に偏向する。その際、電子銃から出射され
た3本の電子ビームをアパーチャグリルやシャドウマス
ク等の色選別マスクを通して蛍光面の一点にコンバージ
ェンスさせ、これによって得られる電子ビームのスポッ
トを画面上で水平方向及び垂直方向に走査することによ
り、所望のカラー画像を再現している。このとき、3本
の電子ビームが蛍光面の一点に集中しない、いわゆるミ
スコンバージェンスが発生すると、これが画面上での色
ずれとなって現れる。
【0003】ミスコンバージェンスの一つとして、VC
R(Vertical Center Raster)が知られている。このVC
Rを補正するために、緑色発光用の電子ビームGをセン
タービームとし、青色発光用及び赤色発光用の電子ビー
ムB,Rをそれぞれサイドビームとするインライン形の
電子銃を備えた陰極線管では、上下一対のC型磁性体に
巻装した第1のコマ収差補正コイルによって4極の補正
磁界を形成するとともに、左右一対のI型磁性体に巻装
した第2のコマ収差補正コイルによって2極の補正磁界
を形成することにより、センタービームとサイドビーム
との相対位置を垂直方向で変化させかつその変化量のバ
ランスを適宜調整して、3本の電子ビームの位置合わせ
(VCR補正)を行っている。
【0004】このようなVCR補正に際して、画面の上
端部と下端部(以下、上下端部と総称)で3本の電子ビ
ームの位置を合わせたときに、画面の上側中間部と下側
中間部(以下、上下中間部と総称)で3本の電子ビーム
の位置がずれる場合がある。具体的には、図10に示す
ように、画面の上下端部で、3本の電子ビームB,G,
Rの位置を合わせたときに、画面の上下中間部でセンタ
ービームGが外側、サイドビームB,Rが内側にずれた
状態のVCR(以下、中間VCRと称す)が発生する場
合がある。
【0005】そこで、インライン形の電子銃を備えた陰
極線管では、中間VCRを補正するために、図11に示
すような回路構成が採用されている。図11において
は、互いに直接に接続された一対の垂直偏向コイルL
v,lvに対して、一対の固定抵抗R1,R2と一つの
可変抵抗VRからなる直列回路が並列に接続されてい
る。可変抵抗VRは、一対の固定抵抗R1,R2の間に
直列に接続されている。また、可変抵抗VRの摺動子S
は、一対の垂直偏向コイルLv,Lvの共通接続点T1
に接続されている。
【0006】さらに、一対の垂直偏向コイルLv,Lv
に対しては、中間VCR補正回路30が直列に接続され
ている。中間VCR補正回路30は、一対の補正コイル
31,31と、2つの固定抵抗R3,R4と、一つの位
相差補正コイル32と、2つのダイオードD1,D2と
を用いて構成されている。一対の補正コイル31,31
は、VCR補正に用いられるコイル(第2のコマ収差補
正コイルに相当するもの)であって、互いに直列に接続
されている。固定抵抗R3は、接続点T2を介して一対
の補正コイル31,31に直列に接続されている。この
一対の補正コイル31,31と固定抵抗R3による直列
回路の両端(接続点T3,T4)には、位相差補正コイ
ルL1と固定抵抗R4からなる直列回路が並列に接続さ
れている。さらに、固定抵抗R4の両端(接続点T5,
T6)には、一対のダイオードD1,D2が互いに極性
を逆向きにして並列に接続されている。
【0007】図12は陰極線管のパネル側(蛍光面側)
から見たときの補正コイルの配置状態を示す図である。
図示のように一対の補正コイル31,31は、それぞれ
に対応するI型の磁性体33,33に巻装されている。
これら一対の磁性体33,33は、陰極線管の中心軸
(管軸)に交差する水平軸上で、当該陰極線管のネック
部34を介して互いに対向する状態に配置されている。
そして、一対の補正コイル31,31に補正電流が流れ
たときに、互いに対向する磁性体33,33の端部に異
なる磁極を形成し、これによって一方の磁性体33から
他方の磁性体33に向かう2極の補正磁界φM1を発生
させる。
【0008】このように一対の補正コイル31,31が
発生する補正磁界φM1は、一対の垂直偏向コイルL
v,Lvが発生する垂直偏向磁界(不図示)と同じ向き
に形成される。また、補正磁界φM1は、ネック部34
内をインライン配列で進行する3本の電子ビームB,
G,Rのうち、センタービームGよりもサイドビーム
B,Rに強く作用する。したがって、補正磁界φM1が
図中矢印の向きで形成された場合は、この補正磁界φM
1の作用によってサイドビームB,Rが上向きの偏向力
Fを受けるため、センタビームGに対してサイドビーム
B,Rの位置が上側に変化し、補正磁界φM1が図中矢
印と反対の向きで形成された場合は、センタービームG
に対してサイドビームB,Rの位置が下側に変化する。
【0009】以上のような回路構成を採用した場合にお
いて、図示しない垂直偏向回路から垂直偏向周期の鋸歯
状波電流、即ち垂直偏向電流が一対の垂直偏向コイルL
v,Lvに供給されると、この垂直偏向電流が中間VC
R補正回路30にも与えられる。このとき、中間VCR
補正回路30の内部では、一対のダイオードD1,D2
の特性によって一対の補正コイル31,31に流れる電
流が変化する。即ち、垂直偏向電流が接続点T3から流
入して接続点T4から流出する場合は、ダイオードD1
がオンするまでの間は一対の補正コイル31,31に多
くの割合で電流が流れ、ダイオードD1がオンした後は
一対の補正コイル31,31に流れる電流の割合が少な
くなる。この現象は、一対のダイオードD1,D2が互
いに逆極性で並列に接続されていることから、垂直偏向
周期の前後半で垂直偏向電流の向きが反転した場合でも
同様に生じる。
【0010】これにより、一対の補正コイル31,31
が形成する補正磁界φM1によってセンタービームGと
サイドビームB,Rの相対位置を変化させる場合に、一
対の補正コイル31,31に垂直偏向電流をそのまま供
給する場合に比較して、画面の上下中間部における電子
ビームの相対位置変化量を殆ど変えずに、画面の上下端
部における電子ビームの相対位置変化量を下げることが
できる。そのため、画面の上下端部と上下中間部で比較
した場合は、画面の上下端部における電子ビームの相対
位置変化量(最大変化量)に対して、画面の上下中間部
における電子ビームの相対位置変化量の割合を高めるこ
とができる。
【0011】その結果、一対の補正コイル31,31を
用いたVCR補正に際しては、その補正磁界φM1によ
ってサイドビームB,Rの位置を外側にずらすことによ
り、上記図10に示した中間VCRを補正することがで
きる。そのため、画面の上下端部と上下中間部の両方で
3本の電子ビームB,G,Rの位置を同時に合わせ込む
ことが可能となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術では、一対の補正コイル31,31を用いたVC
R補正に際して、中間VCRの補正を実現するために、
2つの固定抵抗R3,R4、一つの位相差補正コイルL
1、2つのダイオードD1,D2などの部品が別途必要
になる。したがって、部品点数の増加により、コストア
ップが避けられないという難点があった。
【0013】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、その目的とするところは、コストアップを
招くことなく、中間VCRの補正を実現可能な偏向ヨー
クとこれを用いた表示装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る偏向ヨーク
は、インライン配列で進行する3本の電子ビームを垂直
方向に偏向する垂直偏向磁界を形成する垂直偏向コイル
と、陰極線管のネック部を介して対向する状態に配置さ
れる一対の磁性体と、この一対の磁性体に巻装されると
ともに、垂直偏向コイルに対して直列に接続され、か
つ、中央の電子ビームと両側2つの電子ビームとの相対
位置を垂直方向で変化させる補正磁界を垂直偏向磁界と
同じ向きで形成する複数の補正コイルとを備え、複数の
補正コイルに垂直偏向電流を供給したときに、この垂直
偏向電流の最大値のほぼ半分の電流値以上で磁性体が磁
気飽和するように、当該磁性体の磁気飽和特性を調整し
た構成となっている。また、本発明に係る表示装置は、
上記構成の偏向ヨークを用いたものとなっている。
【0015】上記構成の偏向ヨークとこれを用いた表示
装置においては、複数の補正コイルに垂直偏向電流を供
給して補正磁界を形成する場合に、各々の補正コイルに
流れる垂直偏向電流が最大値のほぼ半分の電流値以上の
ところで磁性体が磁気飽和し、これによって補正磁界の
磁束密度の変化が抑制される。そのため、中央の電子ビ
ームと両側2つの電子ビームとの相対位置を補正磁界の
作用により変化させる場合に、画面の上下端部における
電子ビームの相対位置変化量(最大変化量)に対し、画
面の上下中間部における電子ビームの相対位置変化量の
割合を高めて、中間VCRを補正することが可能とな
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0017】図1は本発明に係る陰極線管の全体像を示
す概略斜視図である。図1において、陰極線管10の本
体部(ガラスバルブ)は、パネル部11、ファンネル部
12及びネック部13により構成されている。パネル部
11の内面には、赤,緑,青の各色蛍光体を所定のパタ
ーンで配列した蛍光面(不図示)が形成されている。一
方、ネック部13には、電子ビームの出射源となる電子
銃(ガン)14が内装されている。この電子銃14は、
赤,緑,青の各色に対応する3本の電子ビームをインラ
イン状の配列で出射するものである。また、ネック部1
3からファンネル部12に至るコーン部には、電子ビー
ムを偏向する偏向ヨーク15が装着されている。この偏
向ヨーク15は、該ヨーク中心軸が陰極線管10の中心
軸(管軸)に一致するように取り付け調整されている。
【0018】上記構成の陰極線管10は、パネル部11
内面の蛍光面にカラー画像(又は白黒画像)を再現する
のに必要な各種の付属部品とともに図示しない筐体に組
み込まれ、これによってテレビジョン受像機やコンピュ
ータ用ディスプレイ等の表示装置が構成される。
【0019】図2は本発明に係る偏向ヨークの一部破断
面を含む側面図である。図2において、偏向ヨーク15
には、水平偏向コイル16、垂直偏向コイル17、コア
18及びリングマグネット19等の部品が装備されてい
る。水平偏向コイル16は、サドル型に巻線されて偏向
ヨーク15の上下に対をなして配置されている。垂直偏
向コイル17は、サドル型に巻線されて偏向ヨーク15
の左右に対をなして配置されている。そして、電子銃1
4から出射される電子ビームの軌道上において、一対の
水平偏向コイル16は電子ビームを水平方向に偏向する
水平偏向磁界を形成し、一対の垂直偏向コイル17は電
子ビームを垂直方向に偏向する垂直偏向磁界を形成す
る。
【0020】コア18はフェライト等の磁性材料(軟質
磁性材料)からなるもので、ヨーク中心軸方向の一方を
他方よりも大きな径で開口した筒形構造をなしている。
このコア18は、水平偏向コイル16及び垂直偏向コイ
ル17が発生する磁界の効力を高めるために、それらの
偏向コイル16,17を覆うように装着されている。リ
ングマグネット19は、電子銃14の組み立て誤差等に
よる電子ビームの軌道ずれを補正するために、偏向ヨー
ク15の後端側に取り付けられている。
【0021】さらに、偏向ヨーク15の後端側には、リ
ングマグネット19の近傍に補正コイル20が取り付け
られている。この補正コイル20は、VCR補正に用い
られるもの(第2のコマ収差補正コイルに相当するも
の)で、偏向ヨーク15の水平軸上に対(左右一対)を
なして配置されている。一対の補正コイル20,20
は、図3に示すように、互いに直列に接続された状態
で、一対の垂直偏向コイルLv,Lvに直列に接続され
ている。これにより、一対の垂直偏向コイルLv,Lv
に垂直偏向電流を供給した際には、この垂直偏向電流
(垂直偏向周期の鋸歯状波電流)が一対の補正コイル2
0にも供給されるものとなる。ちなみに、図3に示す垂
直偏向コイルLvは、図2に示す垂直偏向コイル17と
同一のものである。また、固定抵抗R1,R2と可変抵
抗VRは、従来(図11参照)と同様のものである。
【0022】陰極線管10に偏向ヨーク15を装着した
状態では、図4に示すように、一対の補正コイル20,
20がネック部13を介して互いに対向する状態に配置
される。各々の補正コイル20,20は、ネック部13
内に補正磁界φM1を形成するもので、ネック部13を
介して対向する略I型の磁性体21,21に巻装されて
いる。各々の磁性体21は、例えば薄板状のケイ素鋼板
を複数枚重ねて一体化されたもので、図5(A)に示す
ように、当該磁性体21の長手方向の略中間部にくびれ
部22を有している。これに対して、補正コイル20
は、磁性体21を巻芯として、図5(B)に示すよう
に、くびれ部22の周囲に巻線されている。
【0023】また、各々の磁性体21の構成として、く
びれ部22の幅W1は、磁性体21の全幅W2のほぼ半分
(W1≒W2/2)に設定されている。このように磁性体2
1の一部を細く形成することにより、その細くなった部
分(くびれ部22)で磁路が狭められるため、そこに磁
束が集中して磁気飽和が起こりやすくなる。そして、実
際に磁性体21が磁気飽和した場合は、補正コイル20
が形成する補正磁界φM1の磁束密度(磁界強度)の変
化が抑制される。
【0024】ここで、一対の垂直偏向コイルLv,Lv
に対して、図6に示すように、垂直偏向周期(1V)の
鋸歯状波電流である垂直偏向電流Ivを供給した場合、
垂直偏向電流Ivが正(+)となる期間(垂直偏向周期
の前半部分)で電子ビームが上側に偏向され、垂直偏向
電流Ivが負(−)となる期間(垂直偏向周期の後半部
分)で電子ビームが下側に偏向されるものとする。
【0025】そうした場合、上記垂直偏向電流Ivは一
対の補正コイル20,20にも供給されるため、この垂
直偏向電流Ivの供給によって一対の補正コイル20,
20が垂直偏向磁界と同じ向き(順方向)の補正磁界を
形成する。即ち、陰極線管10のパネル側から見て垂直
偏向磁界が左向きに形成されると、これと同じ向きで一
対の補正コイル20,20が補正磁界φM1を形成し、
垂直偏向磁界が右向きに形成されると、これと同じ向き
で一対の補正コイル20,20が補正磁界φM1を形成
する。これにより、補正磁界φM1は、VCR補正だけ
でなく、電子ビームB,G,Rの垂直偏向にも寄与する
ものとなる。
【0026】このように一対の補正コイル20,20が
形成する補正磁界φM1は、図4に示すように、各々の
磁性体20の一端部をそれぞれN極とS極とした2極の
磁界で、全体的にバレル型に形成される。よって、補正
磁界φM1による偏向力Fは、センタービームGよりも
サイドビームB,Rに強く作用するものとなる。その結
果、電子ビームを上側に偏向する場合(垂直偏向周期の
前半部分)はセンタービームGに対してサイドビーム
B,Rの位置が上側に変化し、電子ビームを下側に偏向
する場合(垂直偏向周期の後半部分)はセンタービーム
Gに対してサイドビームB,Rの位置が下側に変化す
る。
【0027】図7は補正コイル20,20に流れる電流
(垂直偏向電流)と補正磁界φM1の磁束密度との関係
を示すものである。図7において、くびれ部の無い磁性
体を用いた場合(従来の場合)は、電流の増加に比例し
て磁束密度がリニアに変化(増加)する。これに対し
て、くびれ部22を有する磁性体21を用いた場合(本
発明の場合)は、電流レベルが最大値(約1.0A)の
ほぼ半分(0.5A)に達するまでは、電流の増加に比
例して磁束密度がほぼリニアに変化(増加)するもの
の、電流レベルが最大値の半分以上になると、磁束密度
の変化率(増加率)が従来の場合よりも下がり、電流変
化に対するリニアな関係が崩れる。この理由は、本実施
形態の構成として、補正コイル20に供給される垂直偏
向電流が最大値のほぼ半分の電流値以上のところで磁性
体21が磁気飽和するよう、磁性体21にくびれ部22
を設けてその磁気飽和特性を調整したためである。
【0028】このように磁性体21の磁気飽和特性を調
整することにより、くびれ部の無い磁性体を用いた場合
に比較して、画面の上下中間部における電子ビームの相
対位置変化量を殆ど変えずに、画面の上下端部における
電子ビームの相対位置変化量を下げることができる。そ
のため、画面の上下端部と上下中間部で比較した場合
は、画面の上下端部における電子ビームの相対変化量
(最大変化量)に対して、画面の上下中間部における電
子ビームの相対位置変化量の割合を高めることができ
る。
【0029】その結果、一対の補正コイル20,20を
用いたVCR補正に際しては、その補正磁界φM1によ
ってサイドビームB,Rの位置を外側にずらすことによ
り、先の図10に示した中間VCRを補正することがで
きる。そのため、画面の上下端部と上下中間部の両方で
3本の電子ビームB,G,Rの位置を同時に合わせ込む
ことが可能となる。この場合、中間VCRの補正のため
に別途部品を設ける必要がないため、コストアップを招
くことなく、中間VCRの補正を実現することが可能と
なる。
【0030】なお、上記実施形態においては、中間VC
Rの発生形態として、図10に示すように、画面の上下
中間部でセンタービームGが外側、サイドビームB,R
が内側にずれた状態を示したが、偏向ヨークの特性によ
っては、図8に示すように、画面の上下中間部でセンタ
ービームGが内側、サイドビームB,Rが外側にずれた
状態の中間VCRが発生することも考えられる。
【0031】そうした場合は、図9(A)に示すよう
に、ネック部13を介して上下に配置される一対の磁性
体23,23と、各々の磁性体23,23に巻装された
計4つの補正コイル24,…を用いた構成において、図
9(B)に示すように、略C型をなす各々の磁性体23
の両脚部にくびれ部25を形成し、このくびれ部25に
補正コイル24を巻線する。この場合、4つの補正コイ
ル24,…は、互いに直列に接続された状態で、垂直偏
向コイルに対し直列に接続される。ちなみに、各々の補
正コイル24は、VCR補正のためのコイルであって、
先述した第1のコマ収差補正コイルに相当するものであ
る。
【0032】かかる構成において、4つの補正コイル2
4,…に垂直偏向電流が供給されると、この電流供給に
よって4つの補正コイル24,…が垂直偏向磁界と同じ
向きの補正磁界φM2を形成する。この補正磁界φM2
は、各々の磁性体23の両端部をそれぞれN極とS極と
した4極の磁界で、全体的にピンクッション型に形成さ
れる。よって、補正磁界φM2による偏向力Fは、サイ
ドビームB,RよりもセンタービームGに強く作用する
ものとなる。そのため、電子ビームを上側に偏向する場
合(垂直偏向周期の前半部分)はサイドビームB,Rに
対してセンタービームGの位置が相対的に上側に変化
し、電子ビームを下側に偏向する場合(垂直偏向周期の
後半部分)はサイドビームB,Rに対してセンタービー
ムGの位置が相対的に下側に変化する。
【0033】その際、補正コイル24に供給される垂直
偏向電流が最大値のほぼ半分の電流値以上のところで磁
性体23が磁気飽和するよう、磁性体23にくびれ部2
5を設けてその磁気飽和特性を調整することにより、く
びれ部の無い磁性体を用いた場合に比較して、画面の上
下中間部における電子ビームの相対位置変化量を殆ど変
えずに、画面の上下端部における電子ビームの相対位置
変化量を下げることができる。そのため、画面の上下端
部と上下中間部で比較した場合は、画面の上下端部にお
ける電子ビームの相対位置変化量(最大変化量)に対し
て、画面の上下中間部における電子ビームの相対位置変
化量の割合を高めることができる。
【0034】その結果、4つの補正コイル24,…を用
いたVCR補正に際しては、その補正磁界φM2によっ
てセンタービームGの位置を外側にずらすことにより、
上記図8に示した中間VCRを補正することができる。
そのため、画面の上下端部と上下中間部の両方で3本の
電子ビームB,G,Rの位置を同時に合わせ込むことが
可能となる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、一
対の磁性体に巻装される複数の補正コイルを用いたVC
R補正に際して、それら複数の補正コイルに垂直偏向電
流を供給したときに、この垂直偏向電流の最大値のほぼ
半分の電流値以上で磁性体が磁気飽和するようにその磁
気飽和特性を調整することにより、コストアップを招く
ことなく、中間VCRの補正を実現することが可能とな
る。これにより、画像品質に優れた表示装置を低コスト
にて提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る陰極線管の全体像を示す概略斜視
図である。
【図2】本発明に係る偏向ヨークの一部破断面を含む側
面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るコイル接続状態を示す
回路図である。
【図4】本発明の実施形態における補正コイルの配置と
補正磁界の状態を説明する図である。
【図5】本発明の実施形態で採用した磁性体の構造を説
明する図である。
【図6】補正コイルに供給される電流の波形図である。
【図7】補正コイルに流れる電流と補正磁界の磁束密度
の相関図である。
【図8】中間VCRの発生状態の他の例を示す図であ
る。
【図9】本発明の他の実施形態を説明する図である。
【図10】中間VCRの発生状態の一例を示す図であ
る。
【図11】従来における中間VCR補正のための回路構
成を示す図である。
【図12】従来における補正コイルの配置と補正磁界の
状態を説明する図である。
【符号の説明】
10…陰極線管、13…ネック部、15…偏向ヨーク、
17,Lv…垂直偏向コイル、20,24…補正コイ
ル、21,23…磁性体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インライン配列で進行する3本の電子ビ
    ームを垂直方向に偏向する垂直偏向磁界を形成する垂直
    偏向コイルと、 陰極線管のネック部を介して対向する状態に配置される
    一対の磁性体と、 前記一対の磁性体に巻装されるとともに、前記垂直偏向
    コイルに対して直列に接続され、かつ、中央の電子ビー
    ムと両側2つの電子ビームとの相対位置を垂直方向で変
    化させる補正磁界を前記垂直偏向磁界と同じ向きで形成
    する複数の補正コイルとを備え、 前記複数の補正コイルに垂直偏向電流を供給したとき
    に、当該垂直偏向電流の最大値のほぼ半分の電流値以上
    で前記磁性体が磁気飽和するように、当該磁性体の磁気
    飽和特性を調整してなることを特徴とする偏向ヨーク。
  2. 【請求項2】 前記磁性体にくびれ部を設けて磁気飽和
    特性を調整してなることを特徴とする請求項1記載の偏
    向ヨーク。
  3. 【請求項3】 インライン配列で進行する3本の電子ビ
    ームを垂直方向に偏向する垂直偏向磁界を形成する垂直
    偏向コイルと、陰極線管のネック部を介して対向する状
    態に配置される一対の磁性体と、前記一対の磁性体に巻
    装されるとともに、前記垂直偏向コイルに対して直列に
    接続され、かつ、中央の電子ビームと両側2つの電子ビ
    ームとの相対位置を垂直方向で変化させる補正磁界を前
    記垂直偏向磁界と同じ向きで形成する複数の補正コイル
    とを備え、前記複数の補正コイルに垂直偏向電流を供給
    したときに、この垂直偏向電流の最大値のほぼ半分の電
    流値以上で前記磁性体が磁気飽和するように、当該磁性
    体の磁気飽和特性を調整してなる偏向ヨークを用いたこ
    とを特徴とする表示装置。
  4. 【請求項4】 前記磁性体にくびれ部を設けて磁気飽和
    特性を調整してなることを特徴とする請求項3記載の表
    示装置。
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