JPH08212947A - ビームインデックス形陰極線管 - Google Patents

ビームインデックス形陰極線管

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JPH08212947A
JPH08212947A JP28752795A JP28752795A JPH08212947A JP H08212947 A JPH08212947 A JP H08212947A JP 28752795 A JP28752795 A JP 28752795A JP 28752795 A JP28752795 A JP 28752795A JP H08212947 A JPH08212947 A JP H08212947A
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axis direction
quadrupole
ray tube
cathode ray
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JP28752795A
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Yukinobu Iguchi
如信 井口
Ichiro Uchiumi
一郎 内海
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2231/00Cathode ray tubes or electron beam tubes
    • H01J2231/12CRTs having luminescent screens
    • H01J2231/121Means for indicating the position of the beam, e.g. beam indexing

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  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、精細な画像を実現し得るビームイ
ンデックス形陰極線管を提供することを目的とする。 【解決手段】 陰極線管に使用される電子銃22が、少
なくともメインレンズMLとして作用するグリッドG
3,G4,G5と、メインレンズML上又はメインレン
ズMLに対してカソードK寄りの位置に配され、ビーム
スポットの形状を水平(H)軸方向では発散形に且つ垂
直(V)軸方向では集束形にする第1の四重極Qp1
と、メインレンズMLに対して蛍光面寄りの位置に配さ
れ、ビームスポットの形状を水平(H)軸方向では集束
形に且つ垂直(V)軸方向では発散形にする第2の四重
極Qp2とを備え、蛍光面におけるビームスポットの形
状の水平(H)軸方向寸法を相対的に縮小している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビームインデック
ス形の陰極線管(CRT)に関する。
【0002】
【従来の技術】現在広く実用化されているカラーブラウ
ン管(陰極線管)として、シャドウマスク形陰極線管が
知られている。図8はシャドウマスク管を説明する図で
あり、ここで図8Aはシャドウマスク管を上方より見た
水平方向切断面図、図8B及び図8Cはいずれも電子銃
81,シャドウマスク83及び蛍光体85の相対関係を
説明する斜視図、図8Dは電子ビームサイズと蛍光体の
寸法の関係を説明する図である。
【0003】シャドウマスク管を簡単に説明すると、図
8Aに示すように電子銃81から発射される3本の電子
ビーム82が、シャドウマスク83のパララックス(視
差)を利用して、蛍光面84上に形成された3色の各蛍
光体を選択的に刺激・発光するようになっている。
【0004】図8B及び8Cに夫々示すように、電子銃
81は3原色R,G,Bに対応して3本用意され、シャ
ドウマスク83には2つのタイプがある。一般的には開
口がスロット状のもの86(図8B参照)が用いられる
が、目的によりドット状のもの86(図8C参照)も用
いられ、蛍光面84の蛍光体85も夫々ストライプ状
(8B図)又はモザイク状(8C図)となっている。ま
た、電子銃81は夫々インライン配列又はデルタ配列が
一般的である。
【0005】これに対して、近時、シャドウマスクの無
いビームインデックス形陰極線管の開発が進められてい
る。図9はビームインデックッス管を説明する図であ
り、ここで図9Aはビームインデックッス管を上方より
見た水平方向切断面図、図9Bは電子ビーム92と蛍光
体91との関係を説明する図である。
【0006】図9Aに示すように、ビームインデックス
管は、蛍光面98上にR,G,Bの各蛍光体91をスト
ライプ状に形成し、更にその上に一定間隔を空けてイン
デックス蛍光体93をストライプ状に形成して構成され
る蛍光面98を有する。このストライプ状蛍光面98を
1本の電子ビーム92で走査し、このときインデックス
蛍光体93から発せられる信号(例えば紫外線又は二次
電子のパルス)94をセンサ95で検知してビームの位
置情報を得たうえ、これに同期して色信号切換回路96
によりビデオ信号(3色の色信号)を切り換えてビーム
を変調する。
【0007】このビームインデックス形陰極線管は、電
子ビームを捕捉するシャドウマスク(図8の符号83)
が不要であるため、電子ビームの利用率が高い(即ち、
高輝度につながる)、消費電力が少ない、単一ビームで
あるためビーム集中の問題がない、地磁気の影響が少な
い、陰極線管の構造が簡単である等の種々の長所を有し
ている。
【0008】従来のシャドウマスク形陰極線管では、図
8Dによって明らかなように、蛍光体85に対応したシ
ャドウマスク83のスロット86の開口寸法が蛍光面8
4に衝突するビームサイズを決定しているので、電子銃
81から発射される電子ビーム82は各蛍光体85の寸
法より多少大きい寸法のビームスポットを使用すること
ができる。
【0009】これに対して、ビームインデックス形陰極
線管では、図9Bに示すように、シャドウマスクが無い
ので電子ビーム92の利用率が良い半面、ビームスポッ
ト寸法(ビーム径)を蛍光面98のRGB蛍光体の各ス
トライプ幅Wに適合するように小さくする必要がある。
ビームインデックス形陰極線管は、或る1つの時間を取
った場合(即ち、一瞬間では)電子ビームは1つの蛍光
体(色)にのみ衝突するように、1本のビーム92を
R,G,B各蛍光体91に順次切り換えて使うため、ビ
ームスポットの水平方向寸法がR,G,B各蛍光体91
のピッチを制約することになる。
【0010】このため、R,G,B各蛍光体91のピッ
チが小さい高精細(ファインピッチ)な画像を得るため
には、シャドウマスク形陰極線管に使用されているビー
ムスポットに比較して、必然的に電子ビーム92のビー
ムスポットの水平方向寸法を極めて小さくすることが必
要になる。このように、画像のファインピッチ化が進め
ば進むほど、小さい蛍光体寸法に対応してビームスポッ
ト寸法を一層小さくする必要がある。しかし、ビームス
ポットを小さくすると、色純度(ピュリティ)の確保
(色を付けること。)と明るさとを両立させることが困
難になってくる。
【0011】また、この蛍光面98上のR,G,B各蛍
光体91は、図10に示すように、これらを分離するカ
ーボンのガードバンド97間に延在している。従って、
ビームスポットの形状を各蛍光体寸法(カーボンのガー
ドバンド間寸法W)に対して相対的に小さくできれば、
符号98に示すような丸形スポットが好ましい。しかし
実際問題としては、そこまでビームの電子密度を高めて
しまうと、蛍光体91の飽和が生じて色がまともに発色
しなくなる。従って、現状においては符号99に示すよ
うな縦長形ビームスポットを採用せざる得ない。
【0012】従来、この縦長形ビームスポット99は、
陰極線管に内蔵された電子銃の所定のグリッドの開口寸
法を制御することにより実現していた。図11は、典型
的なビームインデックス形陰極線管の電子銃22を部分
的に示している。電子銃22は、熱電子を発射するカソ
ードKと、電子レンズ系の第1乃至第5のグリッドG1
〜G5と、偏光ヨークDYとを備えている。ここで、電
子銃22のカソードKの後段に配置された第1のグリッ
ドG1の開口部(又は第1及び第2のグリッドG1,G
2の開口部。以下、いずれの場合をも含めて、「第1の
グリッドG1の開口部」として説明する。)を小さい縦
長にして、水平方向サイズの比較的小さいビームスポッ
トを得ていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来の第
1のグリッドG1の開口部を小さい縦長にする構成で
は、インデックス形陰極線管が大画面化し高精細化(フ
ァインピッチ化)した場合、カソードローディングの問
題に起因する限界が生じ、これにより更にビームスポッ
トの水平方向サイズを小さくすることは出来なくなって
いる。
【0014】カソードローディング(陰極負荷)の問題
とは、カソードKはその一定の面積(ワーキングエリ
ア)から熱電子を発射する(即ち、電流を流す)ので、
第1のグリッドG1の開口部が小さくなればなるほどワ
ーキングエリアからの電流効率は悪化し、この結果、所
定の電流を得るためにはエミッション(電子放出)の劣
化が急速化しライフエンド(寿命)が早まる現象であ
る。このように、陰極線管の寿命を決定する最大の要因
は、熱電子源であるカソードKから電子ビームを取り出
すことが出来ない状態になることである。このカソード
ローディングの問題から検討すると、現状の縦長形ビー
ムスポット(図10の符号99)を実現している第1の
グリッドG1の開口部のスリットの縦横比は、これ以上
更にビームスポット形状を小さくできない所まできてお
り、カソードローディングの限界に近い。
【0015】なお、このカソードKは第1のグリッドG
1の内側に配置され、ヒータと、金属酸化物から成るオ
キサイドカソードあるいはインプレカソード等の種類が
あり、この内、インプレカソードがカソードローディン
グを比較的高めに取ることが出来る。しかし、インプレ
カソードを使用しても、現状の縦長形ビームスポットは
カソードローディングの限界に近づいている。具体的に
は、第1のグリッドG1の開口部の孔径は水平(H)方
向が0.25mmで、垂直(V)方向が0.65mmで
ある。
【0016】しかし、この孔径寸法を使用して得られる
ビームスポット99でも、ファインピッチ画像に対して
は、十分な色純度が確保できていない。更に最近では、
画像のより一層のファインピッチ化が望まれており、こ
の場合に現状の縦長形ビームスポットでは水平方向寸法
が大きすぎる。これに対し、垂直方向の寸法に関して
は、解像度の点から未だクリティカルな問題にはなって
いない。
【0017】また、仮にこの第1のグリッドG1でつく
る開口部孔径を更に小さくすることが技術的に可能であ
ったとしても、この孔径を或るレベルを越えて極端に小
さくした場合には、第1のグリッドG1のレンズ作用の
収差の問題が生じて、常にこの孔径に比例してビームス
ポット寸法が小さくなるわけではない。従って、第1の
グリッドG1の開口部によってビームスポットを小さく
することは、カソードローディングの問題、カソードレ
ンズの収差の問題等から限界がある。
【0018】更に、現状においても電子ビームの水平方
向と垂直方向の発散角が異なるため、水平方向でジャス
トフォーカスさせたとき、垂直方向のフォーカスが少し
だれるという問題も生じている。
【0019】そこで本発明は、上述した問題点に鑑み、
カソードローディングの問題等と両立しながら、水平方
向寸法を一層減少したビームスポットを形成し得る電子
銃を備えたビームインデックス形陰極線管を提供するも
のである。
【0020】更に本発明は、精細な(ファインピッチ)
画像を実現し得るビームインデックス形陰極線管を提供
するものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる第1のビ
ームインデックス形陰極線管は、例えば図1乃至図7に
示すように、陰極線管に使用される電子銃22が、少な
くともメインレンズMLとして作用するグリッドG3,
G4,G5と、メインレンズML上又はメインレンズM
Lに対してカソードK寄りの位置に配され、ビームスポ
ットの形状を水平(H)軸方向では発散形に且つ垂直
(V)軸方向では集束形にする第1の四重極Qp1と、
メインレンズMLに対して蛍光面(図示せず。)寄りの
位置に配され、ビームスポットの形状を水平(H)軸方
向では集束形に且つ垂直(V)軸方向では発散形にする
第2の四重極Qp2とを備え、蛍光面におけるビームス
ポットの形状の水平(H)軸方向寸法を相対的に縮小し
ている。
【0022】更に、本発明にかかる第2のビームインデ
ックス形陰極線管は、例えば図1乃至図2に示すよう
に、上述の第1のビームインデックス形陰極線管を構成
する諸手段において、第1の四重極Qp1は、メインレ
ンズMLに対してカソードK寄りの位置に配され、ビー
ムスポットの形状を水平(H)軸方向では発散形に且つ
垂直(V)軸方向では集束形にする磁界を形成する電磁
四重極24,24′(図1)であり、第2の四重極Qp
2は、ビームスポットの形状を水平(H)軸方向では集
束形に且つ垂直(V)軸方向では発散形にする磁界を形
成する電磁四重極25,25′である。
【0023】更に、本発明にかかる第3のビームインデ
ックス形陰極線管は、例えば図4乃至図7に示すよう
に、上述の第1のビームインデックス形陰極線管を構成
する諸手段において、第1の四重極Qp1は、メインレ
ンズML上に配され、ビームスポットの形状を水平
(H)軸方向では発散形に且つ垂直(V)軸方向では集
束形にする電界を形成する静電四重極であり、第2の四
重極Qp2は、ビームスポットの形状を水平(H)軸方
向では集束形に且つ垂直(V)軸方向では発散形にする
磁界を形成する電磁四重極25,25′である。
【0024】更に、本発明にかかる第4のビームインデ
ックス形陰極線管は、例えば図4乃至図7に示すよう
に、上述の第3ビームインデックス形陰極線管を構成す
る諸手段に加えて、熱電子を放出するカソードKと、電
子レンズ系として作用する少なくとも第1,第2,第
3,第4及び第5のグリッドG1,G2,G3,G4,
G5とを備え、メインレンズMLは、第3,第4及び第
5のグリッドG3,G4,G5によって第4のグリッド
G4の近傍に形成され、静電四重極Qp1は、第4のグ
リッドG4によって形成され、電磁四重極Qp2は、ビ
ーム通路周囲に設けられた磁界発生手段25,25′に
より形成されている。
【0025】更に、本発明にかかる第5のビームインデ
ックス形陰極線管は、例えば図4乃至図7に示すよう
に、上述の第3又は第4のビームインデックス形陰極線
管を構成する諸手段に加えて、更に、静電四重極Qp1
を構成する第4のグリッドG4は、電子銃22の軸Zに
対して同軸関係に並置された3つの電極G4a,G4
b,G4cから形成され、両端の電極G4a,G4cは
各々、縦横比V/Hが1より大きい寸法の開口72,7
4を有し、真ん中の電極G4bは、縦横比V/Hが1よ
り小さい寸法の開口を有している。
【0026】
【作用】本発明にかかる第1のビームインデックス形陰
極線管においては、電子銃22の第1の四重極Qp1に
よって、ビームスポットの形状が水平(H)軸方向では
発散形に且つ垂直(V)軸方向では集束形にされ、また
第2の四重極Qp2によって、ビームスポットの形状が
水平(H)軸方向では集束形に且つ垂直(V)軸方向で
は発散形にされる。これは、図3に示すように、水平軸
(V)方向では従来のメインレンズMLの位置(図2の
ML)を、結像点fに近い位置(図2の点cを通る垂直
線の位置)に移動する作用に相当し、また垂直(V)軸
方向では従来のメインレンズMLの位置(図2のML)
を物点aに近い位置(図2の点dを通る垂直線の位置)
に移動する作用に相当する。この結果、蛍光面における
ビームスポットの水平(H)軸方向像倍率MH はbH /
aH からbH ′/aH ′に減少し、反対に垂直(V)軸
方向像倍率MV はbV /aV からbV ′/aV ′に増大
する。こうして、水平(H)軸方向寸法の一層減少した
ビームスポットが形成され、このビームスポットを利用
することにより、精細な画像を実現し得るビームインデ
ックス陰極線管が実現できる。
【0027】更に、本発明にかかる第2のビームインデ
ックス形陰極線管においては、上述の第1のビームイン
デックス形陰極線管の奏する作用を、第1の四重極Qp
1として用いられた電磁四重極24,24′(図1)の
形成する磁界により、ビームスポットの形状が水平
(H)軸方向では発散形に且つ垂直(V)軸方向では集
束形にされ、第2の四重極Qp2として用いられた電磁
四重極25,25′の形成する磁界により、ビームスポ
ットの形状が水平(H)軸方向では集束形に且つ垂直
(V)軸方向では発散形にされる。
【0028】更に、本発明にかかる第3のビームインデ
ックス形陰極線管においては、上述の第1のビームイン
デックス形陰極線管の奏する作用を、第1の四重極Qp
1として用いられた静電四重極(図4)の形成する電界
により、ビームスポットの形状が水平(H)軸方向では
発散形に且つ垂直(V)軸方向では集束形にされ、第2
の四重極Qp2として用いられた電磁四重極25,2
5′の形成する磁界により、ビームスポットの形状が水
平(H)軸方向では集束形に且つ垂直(V)軸方向では
発散形にされる。
【0029】更に、本発明にかかる第4のビームインデ
ックス形陰極線管は、上述の第3のビームインデックス
形陰極線管の奏する作用を、カソードKと、少なくと
も、第1,第2,第3,第4及び第5のグリッドG1,
G2,G3,G4,G5とを備え、メインレンズML
を、第3,第4及び第5のグリッドG3,G4,G5に
よって第4のグリッドG4の近傍に形成し、静電四重極
Qp1として用いられた第4のグリッドG4の形成する
電界により、ビームスポットの形状が水平(H)軸方向
では発散形に且つ垂直(V)軸方向では集束形にされ、
電磁四重極Qp2として用いられた磁界発生手段25,
25′の形成する磁界により、ビームスポットの形状が
水平(H)軸方向では集束形に且つ垂直(V)軸方向で
は発散形にされる。
【0030】更に、本発明にかかる第5のビームインデ
ックス形陰極線管は、上述の第3又は第4のビームイン
デックス形陰極線管の奏する作用を、静電四重極Qp1
を構成する第4のグリッドG4として用いられた3つの
電極G4a,G4b,G4cの形成する電界により、ビ
ームスポットの形状が水平(H)軸方向では発散形に且
つ垂直(V)軸方向では集束形にされる。
【0031】更に、第1の四重極Qp1及び第2の四重
極Qp2の双方又はいずれか一方の強さを、偏向周期に
同期した電流又は電圧信号によりダイナミックに変調し
て、画面各位置のスポット形状を補正し、画面全域での
ビームスポットを最適化することも出来る。
【0032】
【発明の実施の形態】ビームインデックス形陰極線管
は、図9Bを用いて説明したように、蛍光面98上に
R,G,Bの各蛍光体91をストライプ状に形成し、更
にその上に一定間隔を空けて紫外線又は二次電子を発生
するインデックス蛍光体93をストライプ状に形成して
構成される蛍光面98を有する。そして、電子ビーム9
2を水平に走査したときに瞬時的にインデックス蛍光体
93から発生する紫外線又は二次電子94を捕らえて電
子ビーム92の位置を検出し、それに合わせて電子ビー
ム92を制御して色選択を行うものである。
【0033】しかし前述した通り、ビームインデックス
管では、ビームスポットの水平方向サイズをシャドウマ
スク管に比較して非常に小さくしなければならない。
【0034】以下、本発明にかかるビームインデックス
形陰極線管の実施例について、図面を参照しながら詳細
に説明する。
【0035】〔第1の実施例〕図1は、第1の実施例に
かかるインデックス形陰極線管の要部を上方から見た水
平方向切断面図である。図1において、ビームインデッ
クス形陰極線管は、内部を高真空にされたファンネルガ
ラス21のネック部23内部に電子銃22が組み込まれ
ており、この電子銃22は、電子ビーム発生源であるカ
ソードKと、電子レンズ系を構成する第1グリッドG
1、第2グリッドG2、第3グリッドG3、第4グリッ
ドG4及び第5グリッドG5とから構成されている。
【0036】これら構成部材の配置関係は、ネック部2
3後端のステム部27にカソードKがその端子29を外
部に突出させて取り付けられ、カソードKから蛍光面
(図示せず)に向かって順次第1グリッドG1、第2グ
リッドG2、第3グリッドG3、第4グリッドG4及び
第5グリッドG5が配置されている。
【0037】なお、符号DYは偏向磁界を発生する偏向
ヨークDY(Deflection Yoke )であるが、偏向ヨーク
DYは、本発明及び従来技術のいずれにも採用されてお
り、そのレンズ作用及び効果は同一である。従って、図
面及び説明を簡略化して分かり易いものとするため、以
下の記載において特に断らない限りこの偏向ヨークDY
に関する事項は省略する。
【0038】前述したように、第1グリッドG1の開口
を小さくすることによって、カソードKから発射される
電子ビームが縦長形(図10の符号99)にされる。光
学レンズ系で表現すると、第3〜第5グリッドG3〜G
5によってメインレンズMLが第4グリッドG4の箇所
に形成され、電子ビームを蛍光面(図示せず。)に投射
する。以下、その位置を、メインレンズ部26として破
線で示す。
【0039】このようなビームインデックス形陰極線管
に対して、本実施例では、ファンネルガラス21のネッ
ク部23の周囲で且つカソードKとメインレンズ部26
の間に、第1の電磁四重極Qp1(Quadrupole1)(符
号24,24′)を配置する。同様に、ファンネルガラ
ス21のネック部23の周囲で且つメインレンズ部26
と蛍光面(図示せず。)の間に、第2の電磁四重極Qp
2(符号25,25′)を配置する。
【0040】図2は、電磁四重極Qp1の詳細を説明す
る図であって、図1のQp1の箇所I−II′方向切断面
図である。図2において、符号23はファンネルガラス
のネック部、Eは直流電源を表し、この直流電圧がそれ
ぞれU字形のコアを持つ2つの電磁石24,24′に順
次巻回されたコイルに印加される。このように、第1の
電磁四重極Qp1は2つの電磁石24,24′から構成
され、図2で示すように四極の磁極N,S,N′,S′
を形成する。
【0041】ファンネルガラスのネック部23の中心付
近を図面に対し垂直方向で紙面表から裏向きに(即ち、
カソードKから蛍光面に向かって、)電子ビームが発射
される(電子ビームスポット形状を破線円で示す)。即
ち、図示するように、電流が紙面裏から表向きに流れ
る。
【0042】このため、水平軸方向ではN′−S間及び
N−S′間の磁界により、電子ビームは拡散されビーム
スポット形状は大きくなる。垂直軸方向ではN−S間及
びN′−S′間の磁界により、電子ビームは集束されス
ポット形状は小さくなる。こうして、電子レンズ系の第
1の電磁四重極Qp1は、ビームスポットの形状を水平
軸方向では発散形に且つ垂直軸方向では集束形にする。
【0043】この電磁石24,24′は磁界発生手段で
あればよく、例えば永久磁石によっても構成し得る。具
体的には、例えば、可撓性を有する適当な帯状永久磁石
をネック部23の周囲に貼り付けてもよい。光学レンズ
系で表現すると、第1の電磁四重極Qp1はビームスポ
ットの形状を水平軸方向では発散形に且つ垂直軸方向で
は集束形にする「軸非対称レンズ」と表現できる。
【0044】第2の電磁四重極Qp2は、同様に2つの
電磁石25,25′により構成し、メインレンズ部26
と蛍光面(図示せず。)との間に配置する。第2の電磁
四重極Qp2は第1の四重極Qp1とは逆に、ビームス
ポットの形状を水平軸方向では集束形に且つ垂直軸方向
では発散形にしている。
【0045】従って、例えば、図2の直流電圧源Eの極
性を反対にすることにより構成し得る。同様に、光学レ
ンズ系で表現すると、第2の電磁四重極Qp2はビーム
スポットの形状を水平軸方向では集束形に且つ垂直軸方
向では発散形にする「軸非対称レンズ」と表現できる。
【0046】このように、第1及び第2の四重極Qp
1,Qp2は、いずれも電磁コイル又は永久磁石によっ
て形成する電磁四重極である。各四重極の位置として
は、第1の電磁四重極Qp1はメインレンズ部26より
カソードK寄りに位置し、第2の電磁四重極Qp2はメ
インレンズ部26より蛍光面(図示せず。)寄りに位置
していればよい。
【0047】これら電磁四重極Qp1,Qp2の磁界強
度(光学レンズ系のレンズパワー)を適当に調節するこ
とにより所望の縦長形状のビームスポットを達成できる
ため、第1グリッドG1の開口部形状は丸形形状でも縦
長形状でも任意に選択できる。
【0048】また、第1の四重極Qp1は、2つの電磁
石24,24′に印加する直流電源Eを別個にしたり、
又は電磁石24,24′のコイル巻回数を変えることに
より、磁界強度を別々に制御し得る。従って、水平方向
と垂直方向の発散角が異なっていても、水平方向軸と垂
直軸方向とを独立してジャストフォーカス状態に調整し
得る。
【0049】更に、第1の四重極Qp1及び第2の四重
極Qp2の双方又はいずれか一方の強さを、偏向周期に
同期した電流又は電圧信号によりダイナミックに変調し
て、画面各位置のスポット形状を補正し、画面全域での
ビームスポットを最適化することも出来る。
【0050】〔実施例の原理〕図3は、本実施例に係る
ビームインデックス管の電子レンズ系を光学レンズ系に
置き換えて表現したときの模式図であり、本実施例の原
理を示したものである。一般に、陰極線管に適用される
電子光学(Electron Optics )における電子レンズ系の
領域においても、光学レンズ系の収差論がほぼそのまま
成立する。ここで、符号aはカソードK上の物点を示
し、Qp1は第1の軸非対称レンズ、MLはメインレン
ズ、Qp2は第2の軸非対称レンズ、fは蛍光面上の結
像点を夫々示す。また、光軸中心をZ軸とし、このZ軸
を境としてその上部は水平軸方向(H)のレンズ作用を
示し、下部は垂直軸方向(V)のレンズ作用を示す。前
述したように、これら軸非対称レンズQp1及びQp2
はいずれも電磁四重極又は永久磁石によって実現され
る。
【0051】これに対して、従来技術のビームインデッ
クス管の光学レンズ系の模式図は、図3の第1及び第2
の軸非対称レンズQp1,Qp2が無い場合、即ちメイ
ンレンズMLのみの場合となる。
【0052】なお、第2の軸非対称レンズQp2と結像
点fの間には偏向ヨークDYが配置されているが(図1
参照)、前述した通りこの偏向ヨークDYに関する事項
は省略する。
【0053】先ず、従来技術に相当するメインレンズM
Lのみ存在し2つの軸非対称レンズQp1,Qp2が無
い場合を想定すると、図3に破線で描かれた電子ビーム
の軌跡のように、水平軸方向及び垂直軸方向とも、物点
aからの電子ビームはメインレンズMLの凸レンズ作用
により集束され、結像点fで結像する。このときジャス
トフォーカス状態であり、また実際は第1のグリッドG
1の開口により電子ビームスポットは水平軸方向が小さ
いスポット形状であるが説明を簡単にするため、物点は
小さな真円であり、結像点の像も真円の像とする。
【0054】これに対して本実施例では、メインレンズ
MLに加えて、物点aとメインレンズMLの間に第1の
軸非対称レンズQp1が配置され、またメインレンズM
Lと結像点fの間に第2の軸非対称レンズQp2が配置
される。2つの軸非対称レンズQp1,Qp2はいずれ
も、水平軸方向の作用と垂直軸方向の作用が相異なる軸
非対称のレンズ作用をなしている。具体的には第1の軸
非対称レンズQp1は、水平軸方向では凹レンズ作用を
なし、垂直軸方向では凸レンズ作用をなし、一方第2の
軸非対称レンズQp2はこれとは反対に、水平軸方向で
は凸レンズ作用をなし、垂直軸方向では凹レンズ作用を
なしている。
【0055】従って、図3に実線で描かれた電子ビーム
の軌跡のように、水平軸方向では、物点aからの電子ビ
ームは第1の軸非対称レンズQp1の凹レンズ作用によ
り発散され、メインレンズMLの凸レンズ作用により集
束され、第2の軸非対称レンズQp2の凸レンズ作用に
より集束され結像点fで結像する。一方、垂直軸方向で
は、物点aからの電子ビームは第1の軸非対称レンズQ
p1の凸レンズ作用により集束され、メインレンズML
の凸レンズ作用により集束され、第2の軸非対称レンズ
Qp2の凹レンズ作用により発散され結像点fで結像す
る。
【0056】この実施例の原理を効果の面から説明す
る。先ず、従来技術に相当するメインレンズMLのみの
場合を想定すると、水平軸方向の像倍率MH ′及び垂直
軸方向の像倍率MV ′は、夫々次の通りになる。 MH ′=bH ′/aH ′……(1) MV ′=bV ′/aV ′……(2) ここで、 aH ′,aV ′:物点aとメインレンズMLのZ軸方向
の長さ bH ′,bV ′:メインレンズMLと結像点fのZ軸方
向の長さ
【0057】これに対して、本実施例の原理では、物点
aとメインレンズMLの間に第1の軸非対称レンズQp
1が配置され、またメインレンズMLと結像点fの間に
第2の軸非対称レンズQp2が配置される。この結果、
水平軸方向の像倍率MH ′及び垂直軸方向の像倍率MV
′は、次の通りになる。 MH =bH /aH ……(3) MV =bV /aV ……(4) ここで、 aH :物点aと点cのZ軸方向の長さで、aH 〉aH ′
の関係にある。 bH :点cと結像点fのZ軸方向の長さで、bH 〈bH
′の関係にある。 aV :物点aと点dのZ軸方向の長さで、aV 〈aV ′
の関係にある。 bV :点dと結像点fのZ軸方向の長さで、bV 〉bV
′の関係にある。
【0058】尚、点c及び点dは、物点a及び結像点f
からの電子ビーム軌跡を延長させたときの交点であり、
本実施例の作用をメインレンズMLのみの作用と仮定し
たときの仮想メインレンズの位置を意味する。換言すれ
ば、本実施例では、メインレンズMLの位置を仮想的
に、水平軸方向では点cを通る垂直線の位置に、垂直軸
方向では点dを通る垂直線の位置に、夫々移動する作用
を奏している。
【0059】従って、従来技術と本実施例の原理におけ
る像倍率を比較すると、水平(H )軸方向では、式
(1)と式(3)の関係により、 MH ′=bH ′/aH ′〉bH /aH =MH ……(5) と相対的に小さくなり、従来技術より本実施例の原理の
水平方向像倍率は減少する。
【0060】一方、垂直軸方向では、式(2)と式
(4)の関係により、 MV ′=bV ′/aV ′〈bV /aV =MV ……(6) と相対的に大きくなり、従来技術より本実施例の原理の
垂直方向像倍率は拡大する。
【0061】この結果、物点fの小さい真円は、結像点
fで水平方向寸法が減少し、垂直方向寸法が拡大した像
となる。
【0062】次に、フォーカスの面から検討すると、メ
インレンズMLのみの場合の従来技術でジャストフォー
カスの状態に対して、第1の軸非対称レンズQp1を単
独で組合わせた場合は、水平軸方向では像を発散する凹
レンズ作用によりアンダーフォーカス状態となり、垂直
軸方向では像を集束する凸レンズ作用によりオーバフォ
ーカス状態となり、いずれも非点作用となる。同様に、
第2の軸非対称レンズQp2を単独で組合わせた場合、
水平軸方向では像を集束する凸レンズ作用によりオーバ
フォーカス状態となり、垂直軸方向では像を発散する凹
レンズ作用によりアンダーフォーカス状態となり、いず
れも非点作用となる。
【0063】しかし、本実施例の原理のように、2つの
軸非対称レンズQp1,Qp2を設けると、水平軸方向
及び垂直軸方向のいずれにおいても、一方の軸非対称レ
ンズの非点作用に対して、他方の軸非対称レンズはこれ
とは逆方向の非点作用を行っているため、ジャストフォ
ーカス状態が維持される。このように、本実施例の原理
では、軸非対称レンズは少なくとも2つは必要となる。
ここで、少なくとも2つとしたのは、以下の理由によ
る。
【0064】本実施例の変形として、第1の軸非対称レ
ンズQp1と第2の軸非対称レンズQp2の双方又はい
ずれか一方を、複数個の軸非対称レンズで構成すること
もできるからである。即ち、第1の軸非対称レンズQp
1を2つ以上の軸非対称レンズ(即ち、2つ以上の電磁
四重極)Qp11,Qp12,…,Qp1nで構成して
もよく、これらの軸非対称レンズ全体が第1の軸非対称
レンズQp1と実質的に同様の作用、即ち水平軸方向で
は凹レンズ作用、垂直軸方向では凸レンズ作用を奏して
いる限り本実施例の原理に該当する。
【0065】第2の軸非対称レンズに関しても、2つ以
上の軸非対称レンズ(即ち、2つ以上の電磁四重極)Q
p21,Qp22,…,Qp2nで構成してもよく、こ
れらの軸非対称レンズ全体が第2の軸非対称レンズQp
2と実質的に同様の作用、即ち水平軸方向では凸レンズ
作用、垂直軸方向では凹レンズ作用を奏している限り本
実施例の原理に該当する。
【0066】以上述べたように、ビームスポットは軸非
対称レンズを入れない場合に比較して、水平方向は圧縮
され且つ垂直方向は伸長されて、一層縦長のスポットに
される。
【0067】また、理論的に、水平方向の像倍率MH と
垂直方向の像倍率MV との和は、軸非対称レンズを入れ
ない場合の像倍率M′(=MH ′=MV ′)の2倍に等
しいこと、即ち、 MH ′+MV ′=2M′……(7) が成立することが知られている。このため、例えば、水
平方向を1/2に縮めた場合、垂直方向は1.5倍しか
ならず、垂直方向の解像度をそれほど犠牲にしないで、
ファインピッチ画像に適当なスポットを得ることができ
る。
【0068】このように第1の実施例にかかるビームイ
ンデックス形陰極線管(図1)においては、従来技術に
比較して、カソードK並びに第1のグリッドG1(又
は、第1及び第2のグリッドG1,G2)を現状のまま
で、ビームスポット形状の水平方向寸法をはるかに小さ
くすることができる。このために、上述した本実施例の
原理を採択することにより、一層高精細度のインデック
ス形陰極線管が実現できる。また、従来技術と比較して
もカソードローディング等を犠牲にしていないことよ
り、カソードのエミションライフは従来通りの期間が確
保できる。
【0069】〔第2の実施例〕図4は第2の実施例にか
かるインデックス形陰極線管の要部を上方から見た断面
を示し、この第2の実施例は実施例の原理(図3)にお
ける2つの軸非対称レンズQp1,Qp2を静電四重
極,電磁四重極で夫々構成している。第1の実施例(図
1)と比較すると、第1の電磁四重極Qp1を静電四重
極としているため、第4のグリッドG4の構成が異なっ
ている。なお、第1の実施例と同じ部材に対しては同一
の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0070】電子銃22は、カソードKと、電子レンズ
系を構成する第1グリッドG1、第2グリッドG2、第
3グリッドG3、第4グリッドG4及び第5グリッドG
5とから構成され、第4のグリッドG4は、3つの電極
G4a,G4b,G4cからなる。なお、偏向ヨークD
Yも配置されている。
【0071】これら構成部材の配置関係は、第1の実施
例(図1)と同様に、カソードKから蛍光面(図示せ
ず)に向かって順次第1グリッドG1、第2グリッドG
2、第3グリッドG3、第4グリッドG4(4a,G4
b,G4c)及び第5グリッドG5が配置され、更に偏
向ヨークDYが取り付けられる。光学レンズ系で表現す
ると、第3〜第5グリッドG3〜G5によってメインレ
ンズMLが第4グリッドG4の箇所に形成される。以
下、その位置を、メインレンズ部26として破線で示
す。
【0072】ここで、第4のグリッドG4は静電四重極
Qp1として機能するよう構成されている。静電四重極
の構成は従来から知られているもので、その詳細は、例
えばShoji Shirai and Masakazu Fukusima, "Quadrupol
e Lens for Dynamic Forcusand Astigmatism Contorol
in an Elliptical Aperture Lens Gun", ProceedingSID
87 DIGEST Pages 162-165 等を参照されたい。
【0073】本第2の実施例において静電四重極Qp1
は、例えば図5にその斜視図を及び図6にその断面図を
示すように、第4のグリッドG4を3つの電極(G4
a,G4b,G4c)にて構成し、その内両側の2つの
電極(第1電極G4a及び第3電極G4c)を円筒状と
し、真ん中の第2電極G4bを比較的短い円筒状とす
る。そして図6及び図7に示すように、第1電極G4a
と第3電極G4cの円筒状内側の夫々対向する側に、ビ
ーム通過孔72,74が夫々形成された円形平板71,
73(図7A,C)を、第2電極4bの円筒状内側にビ
ーム通過孔76が形成された円形平板75(図7B)
を、夫々溶接等により取り付けられている。
【0074】このビーム通過孔72,74は、図7A,
Cに示すように真円に対し左右方向寸法が狭められた縦
横比(V/H)が1より大きい形状の開口となってい
る。第2電極G4bを形成する円形平板75は、図7B
に示すように真円に対し上下方向寸法が狭められた縦横
比(V/H)が1より小さい形状の開口76が形成され
ている。
【0075】このように構成された第4グリッドG4の
内、図4及び図6に示すように第2電極G4bにフォー
カス固定電圧FC(Forcusvoltage Constant)を供給
し、第1電極G4a及び第3電極G4cに偏向周期に同
期したフォーカス可変電圧FV(Forcusvoltage Variab
le)を供給することにより、メインレンズ部26に静電
四重極Qp1を形成し、ビームスポットの形状を水平軸
方向では発散形に且つ垂直軸方向では集束形にしてい
る。この可変電圧FVを適宜補正して、四重極の強さ及
びメインレンズMLの強さを調整することにより、蛍光
面(画像)センターでのフォーカスを劣化させることな
く、画像周辺部でのフォーカスを改善維持することもで
きる。
【0076】電磁四重極の代わりに静電四重極を用いた
メリットは、電磁四重極ではコイルを駆動する電流発生
手段を別途設けなければならず、このため四重極Qp1
を静電四重極とした方が電子銃22の構成が簡単にな
り、製造コストが廉価になる点にある。
【0077】第2の電磁四重極Qp2は電磁石25,2
5′(図4)から構成されるが、これは図1に示す第1
の実施例の第2の電磁四重極Qp2と同じものであり、
ビームスポットの形状を水平軸方向では集束形に且つ垂
直軸方向では発散形にしている。従って、例えば、図2
の直流電圧源Eの極性を反対にすることにより構成し得
る。勿論、上述したように第2の電磁四重極Qp2を永
久磁石で構成することもできる。なお、この第2の電磁
四重極Qp2を、第1の静電四重極と同じように適当な
グリッドを設けることにより、静電四重極とすることも
可能である。
【0078】このように第1の四重極Qp1は静電四重
極、第2の四重極Qp2は電磁コイル(又は永久磁石)
によって形成することが出来る。四重極レンズの位置と
しては、Qp1はメインレンズML26の近傍に、Qp
2はメインレンズ部26と蛍光面(図示せず。)の間に
位置していればよい。本第2の実施例は、図3を用いて
説明した実施例の原理において第1の軸非対象レンズQ
p1の位置が限りなくメインレンズMLの位置に接近し
た場合に相当し、この実施例の原理はそのまま適用され
る。従って、実施例の原理として記述したのと同様の作
用・効果を奏している。
【0079】また、第1の実施例と同様に、第1及び第
2の四重極Qp1,Qp2の強度(レンズパワー)との
相対的関係によって所定の縦長形状のビームスポットが
達成できるため、第1及び第2のグリッドG1,G2の
開口部形状は丸形形状でも縦長形状でも任意に選択する
こともできる。
【0080】更に、第1の四重極Qp1及び第2の四重
極Qp2の双方又はいずれか一方の強さを、偏向周期に
同期した電流又は電圧信号によりダイナミックに変調し
て、画面各位置のスポット形状を補正し、画面全域での
ビームスポットを最適化することも出来る。
【0081】以上、本発明に係る実施例に関して説明し
たが、本発明は上述の実施例に限定されることなく、当
業者ならば取り得る種々の改良・変更を成し得ることは
勿論である。
【0082】即ち、本発明にかかるビームインデックス
形陰極線管は、光学レンズ系として表現したとき、この
陰極線管に使用される電子銃が、メインレンズMLを有
し、更に、メインレンズML上又はメインレンズMLに
対して物点a寄りの位置に、ビームスポットの形状を水
平軸方向では発散形に且つ垂直軸方向では集束形にする
第1の軸非対称レンズQp1と、メインレンズMLに対
して結像点f寄りの位置に、ビームスポットの形状を水
平軸方向では集束形に且つ垂直軸方向では発散形にする
第2の軸非対称レンズQp1とを備え、結像点fにおけ
るビームスポットの形状の水平軸方向寸法を相対的に縮
小したことを特徴とするビームインデックス形陰極線管
である。
【0083】上述した第1の実施例では、第1及び第2
の軸非対称レンズQp1,Qp2を電磁四重極,電磁四
重極で夫々実現し、また第2の実施例では、第1及び第
2の軸非対称レンズQp1,Qp2を静電四重極,電磁
四重極で夫々実現している。従って、これら軸非対称レ
ンズとして、他の電子レンズ手段を採択しても、その作
用が実質的に同じである限りそのような発明は本発明と
均等なものである。
【0084】本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲に
基づいて定められる。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、カソードローディング
等を少なくても従来のレベルに維持しながら、水平方向
寸法を一層減少したビームスポットを形成し得る電子銃
を備えたビームインデックス形陰極線管を提供すること
が可能となる。
【0086】更に本発明は、この電子銃を使用すること
により、一層精細な画像を実現し得るビームインデック
ス形陰極線管を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施例のビームインデック
ス形陰極線管の要部断面図である。
【図2】第1図に示す第1の実施例のビームインデック
ス形陰極線管に用いられる電磁四重極を説明する図であ
る。
【図3】本発明に係る実施例の原理を光学レンズ系で説
明した図である。
【図4】本発明に係る第2の実施例のビームインデック
ス形陰極線管の要部断面図である。
【図5】図4に示す第2の実施例のビームインデックス
形陰極線管の電子銃の一部分を示す斜視図である。
【図6】図5に示す電子銃の第4グリッドの断面図であ
る。
【図7】図5に示す電子銃の第4グリッドを構成する各
電極に設けられた開口部を説明する図でる。
【図8】従来のシャドウマスク管の特徴を説明する図で
ある。
【図9】本発明に係るビームインデックス管の特徴を説
明する図である。
【図10】ビームインデックス管のビームスポット形状
と螢光体寸法の関係を説明する図である。
【図11】ビームインデックス管の電子銃の一部の構成
を説明する図である。
【符号の説明】
21 ファンネルガラス 22 電子銃 23 ネック部 24,24′ 第1の電磁四重極 25,25′ 第2の電磁四重極 26 メインレンズ部 27 ステム部 28 ファンネル部 83 シャドウマスク a 物点 f 結像点 G1 第1のグリッド G2 第2のグリッド G3 第3のグリッド G4 第4のグリッド G4a 第1電極 G4b 第2電極 G4c 第3電極 G5 第5のグリッド Qp1 第1の四重極(第1の電磁四重極,第1の静電
四重極) Qp2 第2の四重極(第2の電磁四重極) ML メインレンズ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビームインデックス形陰極線管におい
    て、該陰極線管に使用される電子銃が、 少なくともメインレンズとして作用するグリッドと、 上記メインレンズ上又は該メインレンズに対してカソー
    ド寄りの位置に配され、ビームスポットの形状を水平軸
    方向では発散形に且つ垂直軸方向では集束形にする第1
    の四重極と、 上記メインレンズに対して蛍光面寄りの位置に配され、
    ビームスポットの形状を水平軸方向では集束形に且つ垂
    直軸方向では発散形にする第2の四重極とを備え、 上記蛍光面におけるビームスポットの形状の水平軸方向
    寸法を相対的に縮小することを特徴とするビームインデ
    ックス形陰極線管。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のビームインデックス形
    陰極線管において、 上記第1の四重極は、上記メインレンズに対してカソー
    ド寄りの位置に配され、ビームスポットの形状を水平軸
    方向では発散形に且つ垂直軸方向では集束形にする磁界
    を形成する電磁四重極であり、 上記第2の四重極は、ビームスポットの形状を水平軸方
    向では集束形に且つ垂直軸方向では発散形にする磁界を
    形成する電磁四重極であることを特徴とするビームイン
    デックス形陰極線管。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のビームインデックス形
    陰極線管において、 上記第1の四重極は、上記メインレンズ上の位置に配さ
    れ、ビームスポットの形状を水平軸方向では発散形に且
    つ垂直軸方向では集束形にする電界を形成する静電四重
    極であり、 上記第2の四重極は、ビームスポットの形状を水平軸方
    向では集束形に且つ垂直軸方向では発散形にする磁界を
    形成する電磁四重極であることを特徴とするビームイン
    デックス形陰極線管。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のビームインデックス形
    陰極線管において、 熱電子を放出するカソードと、 電子レンズ系として作用する少なくとも第1,第2,第
    3,第4及び第5のグリッドと備え、 上記メインレンズは、上記第3,第4及び第5のグリッ
    ドによって上記第4のグリッドの近傍に形成され、 上記静電四重極は、上記第4のグリッドによって形成さ
    れ、 上記電磁四重極は、ビーム通路周囲に設けられた磁界発
    生手段により形成されているビームインデックス形陰極
    線管。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載されたビームイン
    デックス形陰極線管において、 上記静電四重極を形成する上記第4のグリッドは、上記
    電子銃の軸に対して同軸関係に並置された3つの電極か
    ら形成され、 両端の該電極は各々、縦横比が1より小さい寸法の開口
    を有し、 真ん中の該電極は、縦横比が1より大きい寸法の開口を
    有しているビームインデックス形陰極線管。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか一項に記載さ
    れたビームインデックス形陰極線管において、 上記電磁四重極及び静電四重極の双方又はいずれか一方
    の強さを、偏向周期に同期した電流又は電圧信号により
    ダイナミックに変調して、画面各位置のスポット形状を
    補正しているビームインデックス形陰極線管。
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