JP2003346556A - 異方導電材料 - Google Patents
異方導電材料Info
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Abstract
材料であって、低圧力での接続が可能で、かつ、100
μm以下の狭ピッチ接続が可能な異方導電材料を提供す
ること。ゴム弾性を有し、加圧すると加圧部が圧縮され
て導通し、圧力を除去すると元の形状に復元して絶縁状
態となることができる異方導電材料を提供すること。 【解決手段】 ゴム材料中に、微細な金属粒が鎖状に連
結した形状を有する金属粉末が分散している異方導電材
料。ゴム材料中に、微細な金属粒が鎖状に連結した形状
を有する金属粉末が分散している異方導電材料からなる
感圧素子。
Description
し、さらに詳しくは、ゴム材料中に、微細な金属粒が鎖
状に連結した形状を有する金属粉末(鎖状金属粉末)が
分散している異方導電材料に関する。本発明の異方導電
材料は、基板間の接続に使用することができるだけでは
なく、感圧センサー、メンブレンスイッチ等の感圧素子
として有用である。
部品の接着・接合や基板間の接続に、異方導電材料を用
いた接合方式が注目を集めている。また、液晶ドライバ
ー、薄型ICチップ、コンタクトプローブなどの低強度
の電子部品の接合分野では、接合部において、機械的な
衝撃、ひずみ、振動を吸収することが求められる。
導電エラストマーが考えられる。例えば、特開昭51−
93393号公報には、磁気的影響を受ける導電粒子と
可撓性絶縁物とが均一に混じり合い、導電粒子を一方向
に整列させてなるエラスティック・コンタクトシートが
提案されている。
は、シリコン樹脂のようなポリマーバインダ中に、Fe
−Ni合金に代表される残留磁気の小さな導電粒子を混
合した異方導電材料である。このエラスティック・コン
タクトシートは、両面に圧力を加えることにより、バイ
ンダー中の導電粒子同士が接触し、加圧方向には導電性
を得るが、横方向には絶縁を維持する異方導電エラスト
マーである。
を含め、異方導電材料で使用されている導電性フィラー
は、金属粒子や表面に導電膜を設けた樹脂粒子などの球
形または鱗片状のものである。そのため、異方導電エラ
ストマーにおいて、加圧時に安定した導電性を得るに
は、導電性フィラーを多量に加えなければならない。と
ころが、導電性フィラーを大量に加えると、エラストマ
ーに固有の弾性が損なわれ、導電性を得るには高圧力が
必要となる。ゴム材料が加熱硬化型のゴムである場合に
は、導電性フィラーを多量に添加すると、硬化反応が阻
害される。したがって、従来の異方導電エラストマー
は、実際には、電子部品の接着・接合や基板間の接続、
あるいは低強度の電子部品の接合分野には使用すること
が困難なものであった。
装化が進むにつれて、回路の狭ピッチ化への対応と接続
の高信頼性の確保が強く求められるようになってきてい
る。ところが、従来の異方導電エラストマーでは、導電
性フィラーの添加量を多くする必要があるため、隣接電
極間の絶縁性を確保することができず、これらの要求に
応えることができない。そのため、高導電性と高絶縁性
とを兼ね備え、回路の狭ピッチ化にも対応できる高性能
の異方導電材料の開発が求められている。
材料中に導電性材料が分散した異方導電材料であって、
低圧力での接続が可能で、かつ、100μm以下の狭ピ
ッチ接続が可能な異方導電材料を提供することにある。
鋭意研究した結果、導電性フィラーとして、微細な金属
粒が鎖状に連結した形状を有する金属粉末を用いた異方
導電材料に想到した。異方導電材料は、通常、異方導電
膜の形態で使用されるが、金属粉末をその長さ方向で異
方導電膜の厚み方向に配向(垂直配向)させると、その
添加量を大幅に低減しても、加圧方向での導電性が確保
され、横方向では高絶縁性が確保されるため、狭ピッチ
回路においても、ショートすることなく接続することが
できる。また、本発明の異方導電材料は、ゴム弾性によ
る復元性を有しているため、その復元性を利用して、感
圧センサーなどの感圧素子として有用である。本発明
は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものであ
る。
ば、ゴム材料(A)中に、微細な金属粒が鎖状に連結した
形状を有する金属粉末(B)が分散している異方導電材料
が提供される。また、本発明によれば、ゴム材料(A)中
に、微細な金属粒が鎖状に連結した形状を有する金属粉
末(B)が分散している異方導電材料からなる感圧素子が
提供される。
に連結した形状を有する金属粉末(鎖状金属粉末)であ
り、その中でも、金属粒が実質的に直鎖状に連結した形
状を有する直鎖状金属粉末が好ましい。金属粉末を形成
する金属粒を一次粒子ということがある。
粒(一次粒子)としては、例えば、常磁性を有する金属
単体粒子、常磁性を有する2種以上の金属の合金粒子、
常磁性を有する金属と他の金属との合金粒子、常磁性を
有する金属を含む複合体粒子などが挙げられる。
しては、下記のものが好ましい。 (a)常磁性を有する金属単体、常磁性を有する2種以
上の金属の合金、または常磁性を有する金属と他の金属
との合金から形成したミクロンオーダー若しくはサブミ
クロンオーダーの金属粒(一次粒子)を、自身の磁性に
よって、その多数個を鎖状に連結させた金属粉末(B1)。
に、さらに、常磁性を有する金属単体、常磁性を有する
2種以上の金属の合金、または常磁性を有する金属と他
の金属との合金からなる金属層を析出させて、連結した
金属一次粒子間を強固に結合させた金属粉末(B2)。
に、さらに、磁性をもたない他の金属や合金からなる金
属層を析出させて、連結した金属一次粒子間を強固に結
合させた金属粉末(B3)。
有する2種以上の金属の合金、または常磁性を有する金
属と他の金属との合金から形成した金属粒を芯材とし
て、その表面を磁性をもたない他の金属や合金で被覆し
て複合粒子とし、この複合粒子を金属粒(一次粒子)と
して、芯材の磁性によって、その多数個を鎖状に連結さ
せた金属粉末(B4)。
もたない他の金属や合金からなる金属層を析出させて、
複合体金属粒子間を強固に結合させた金属粉末(B5)。
で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。
の各種方法により製造することができるが、それらの中
でも、特願2002−057598号に開示されている
ような液相による還元析出法が直鎖状(針状)に連結し
た鎖状金属粉末が得られやすいので好ましい。
三塩化チタンなどの3価のチタン化合物)と錯化剤(例
えば、クエン酸三ナトリウム)とを溶解させた溶液(以
下、「還元剤溶液」という)に、アンモニア水などのア
ルカリを加えて、pHを9〜10に調整する。これによ
り、3価のチタンイオンがクエン酸と結合して配位化合
物を形成し、Ti(III)からTi(IV)に酸化する際の活
性化エネルギーが低くなり、還元電位が高くなる。具体
的には、Ti(III)とTi(IV)との電位差が1Vを超え
る。この電位差の値は、Ni(II)からNi(0)ヘの還元
電位、あるいはFe(II)からFe(0)ヘの還元電位など
に比べて、著しく高い値である。よって、この還元剤溶
液は、各種金属イオンを効率よく還元して、金属粒や金
属膜などを析出または形成することができる。
の常磁性を有する金属単体のイオンを含む溶液、または
常磁性を有する金属を含む合金を形成するための2種以
上のイオンを含む溶液を加える。そうすると、Ti(II
I)が還元剤として機能して、自身がTi(IV)に酸化する
際に、金属イオンを還元して、金属を液中に粒子として
析出させる。すなわち、液中に上記金属単体または合金
からなる微細な金属粒が析出する。この析出の際に、こ
れらの金属粒は、それ自身の磁性によって、多数が鎖状
に連結して鎖状(針状)物を形成する。この鎖状物が、
鎖状金属粉末(B)である。さらに析出を続けると、この
鎖状金属粉末の表面に金属層が析出して、金属粒(一次
粒子)同士間を強固に結合する。
どの金属粉末(B1)や(B2)やその元になる微細な金属粒、
あるいは前記の(d)の金属粉末(B4)の元になる複合粒
子の芯材などを製造することができる。
り、粒度分布がシャープな微細な金属粒(一次粒子)や
芯材を得ることができる。その理由は、還元反応が反応
系中で均一に進行するためである。したがって、このよ
うな金属粒や芯材から製造される鎖状金属粉末は、特に
異方導電膜の厚み方向の導電抵抗を、当該異方導電膜の
全面にわたって均一な状態とする特性に優れている。
元剤溶液は、電解再生を行うことにより何度でも繰り返
して、還元析出法による鎖状金属粉末の製造に利用する
ことができる。すなわち、金属粒や芯材等を析出させた
後の還元剤溶液を電解槽に入れるなどして、電圧を印加
することにより、Ti(IV)をTi(III)に還元すれば、
再び電解析出用の還元剤溶液として使用することができ
る。これは、電解析出時に、チタンイオンが殆ど消費さ
れないため、換言すれば、チタンイオンが析出させる金
属とともに析出されないためである。
を有する金属または合金としては、例えば、ニッケル
(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、及びこれら
の2種以上の合金等を挙げることができる。これらの中
でも、Ni単体やNi−鉄合金(パーマロイ)が好まし
い。これらの金属や合金から形成した微細な金属粒は、
鎖状に繁がる際の磁気的な相互作用が強いため、金属粒
間の接触抵抗を低減する特性に優れている。
に、前記(c)、(d)、(e)の複合粒子を形成する
他の金属としては、例えば、Cu、Rb、Rh、Pd、
Ag、Re、Pt、及びAuからなる群より選ばれる少
なくとも1種の金属、またはそれらの合金などを挙げる
ことができる。鎖状金属粉末の導電性を向上させる観点
からは、これらの他の金属で形成される部分は、鎖状金
属粉末の外表面に露出している部分であることが好まし
い。つまり、鎖状金属粉末の表面をこれらの他の金属で
被覆した前記(c)及び(e)の構造を有する複合体が
好ましい。金属による被覆は、例えば、無電解めっき
法、電解めっき法、還元析出法、真空状着法などの各種
成膜法によって形成することができる。
(鎖の径)は、好ましくは2μm以下、より好ましくは
1.5μm以下、特に好ましくは1μm以下である。鎖
状金属粉末の径は、10nm以上であることが好まし
く、50nm以上であることがより好ましく、100n
m以上であることが特に好ましい。鎖状金属粉末の径
(鎖の径)が大きすぎると、100μm以下という電極
間の微細ピッチ化に十分に対応することが困難になり、
小さすぎると、鎖状金属粉末の製造過程や異方性電材料
の製造過程などでの応力により、鎖状金属粉末が折れや
すくなる。
次粒子)の粒径は、好ましくは5〜500nm、より好
ましくは10〜400nmである。金属粒の粒径が過度
に小さすぎると、鎖状に連結された鎖状金属粉末自体の
サイズが小さくなりすぎて、導電性フィラーとしての機
能が十分に得られないおそれがある。
金属粉末の径(鎖の径)は、異方導電材料の用途によっ
ては、前記以外の範囲であってもよい。例えば、用途に
よっては、鎖状金属粉末の径は、1μm超過20μm以
下でもよく、それを形成する微細な金属粒(一次粒子)
の粒径も0.5〜2μmの範囲から選択することができ
る。
が束状に凝集した形状を有する鎖状金属粉末を使用する
こともできる。このような束状の鎖状金属粉末の径は、
1μm超過20μm以下であってもよい。
が好ましいが、若干の分枝を有するものであってもよ
い。ただし、分枝が大きすぎると、異方導電膜の横方向
の短絡を生じやすくなるので、実質的に直鎖状であるこ
とが好ましい。
は5〜100μm、より好ましくは8〜80μm、特に
好ましくは10〜50μm程度である。鎖長は、できる
だけ揃っていることが好ましいが、ある程度の範囲内で
分布していてもよい。鎖状金属粉末の径(鎖の径)と長
さとの比は、通常10〜100倍程度である。
(e)のように、鎖状金属粉末の表面をCu、Rb、R
h、Pd、Ag、Re、Pt、及びAuからなる群より
選ばれる少なくとも1種の金属で被覆した複合構造を有
するものが、導電性を向上させる上で好ましい。
る。ゴム材料としては、ゴム弾性を発現できるものであ
ればよく、その種類は、特に制限されない。ゴム材料の
具体例としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム、天然ゴ
ム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタ
ジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブ
タジエンゴム、カルボキシル化ニトリルゴム、ブチルゴ
ム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジ
エンゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、ポ
リエーテルウレタンゴム、ポリエステルウレタンゴム、
フッ化シリコーンゴム、ポリスチレン系熱可塑性エラス
トマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエ
ステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性
エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、液
状ポリイソプレンゴム、液状ポリブタジエンゴム、液状
スチレン−ブタジエンゴム、液状アクリロニトリル−ブ
タジエンゴム、液状ポリクロロプレンゴム、液状シリコ
ーンゴム、液状ポリスルフィドゴム、液状フッ素ゴム、
及びこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。
熱性、基板への接着性などの観点から、シリコーンゴ
ム、液状シリコーンゴムなどが好ましい。ゴム材料に
は、それぞれの特性に応じて、架橋剤、架橋助剤などを
含有させることができる。
末(B)とを含有するものであり、所望の形状に賦形する
ことができるが、多くの場合、膜状(シート状)である
ことが望ましい。
金属粉末との混合物を有機溶剤中に分散または溶解させ
て、塗布液を調製し、この塗布液を支持体上に塗布し、
乾燥させる方法を採用することができる。乾燥時に架橋
させれば、ゴム弾性を有する異方導電材料とすることが
できる。ゴム材料の種類によっては、乾燥時に架橋させ
ることなく、ゴム弾性を有する異方導電材料とすること
ができる。また、架橋する場合であっても、乾燥時には
架橋させずに、電子部品の接着・接合や基板間の接続な
どの際に、加熱加圧して架橋させ、同時に基板等に接着
させてもよい。
と金属粉末(B)との合計量基準で、通常0.05〜20体
積%、好ましくは0.1〜15体積%、より好ましくは
0.5〜10体積%である。多くの場合、1〜5体積%
程度であっても、良好な結果を得ることができる。
好ましい。異方導電膜の厚みは、用途に応じて適宜定め
ることができるが、通常10〜500μm、好ましくは
30〜400μm、より好ましくは50〜300μm程
度である。この膜厚が厚すぎると、異方導電性を発現さ
せたり、電極間のピッチの微細化に対応することが困難
になる。この膜厚が薄すぎると、絶縁性と異方導電性を
両立させることが困難になる。
末は、その長さ方向で異方性導電膜の厚み方向に配向
(垂直配向)していることが好ましい。このような配向
状態を得るには、ゴム材料と鎖状金属粉末とを含有する
塗布液を平坦な面をもつ磁石上に塗布し、塗布面に対し
て垂直方向に磁場を印加しながら乾燥し、固化させて塗
膜とする方法を採用することが好ましい。
磁性の支持体上に塗布液を塗布し、その上下に磁石を配
置して、塗布面に対して垂直方向に磁場を印加しながら
乾燥し、固化させてもよい。また、鎖状磁性粉を磁石の
平坦面または透磁性の支持体上に散布し、その上にゴム
材料を含有する溶液を塗布し、塗布面に対して垂直方向
に磁場を印加しながら乾燥し、固化させてもよい。
の強さは、鎖状金属粉末中に含まれる常磁性を有する金
属の種類や割合等によって異なるものの、異方導電膜中
の鎖状金属粉末を該膜の厚み方向に十分に配向させるに
は、磁束密度で表して、好ましくは1,000μT以
上、より好ましくは10,000μT以上、特に好まし
くは40,000μT以上の磁場を印加することが望ま
しい。
などの支持体の上下に磁石を配置する方法、支持体とし
て磁石の表面を利用する方法などを挙げることができ
る。後者の方法は、磁石の表面から出る磁力線が、当該
表面から異方導電模の厚み程度までの領域では、磁石の
表面に対してほぼ重直であることを利用したもので、異
方導電膜の製造装置を簡略化することができるという利
点がある。
キシブルプリント配線板102,102′の間に配置し
た断面図(部分的な拡大図)を示す。図1の異方導電膜
101は、ゴム材料1からなる膜中に、鎖状金属粉末2
が該膜厚方向に配向された状態で分散している場合を示
している。鎖状金属粉末2は、それぞれ独立に分散され
ており、膜の横方向での絶縁性が保持されている。フレ
キシブルプリント配線板102,102′は、フレキシ
ブル基板3,3′上に、バンプ電極4,4′が微細なピッ
チで配置されている。
リント配線板102,102′を加圧すると、電極4,
4′に鎖状金属粉末が接触するため、その部分だけ上下
方向に導通する。異方導電膜の横方向には、鎖状金属粉
末が接触していないため、横方向の絶縁性が保持され
る。このとき、加熱加圧して架橋させれば、導通状態を
維持することができる。
性を発現させたり、架橋することなくゴム弾性を有する
ゴム材料を用いた場合には、異方導電膜は、ゴム弾性を
有するものとなる。そこで、図3に示すように、異方導
電膜(a)の一面から圧力を加えると、その部分がゴム
弾性によって圧縮され、鎖状金属粉末が電極に接触して
導通することになる(b)。ただし、図3には、電極
は、図示していない。圧力を除去すると、異方導電膜
は、元の状態に復元する(c)。
方向で導通するものの、導通抵抗値が比較的高くなる。
異方導電膜への圧力を大きくすると、導通抵抗を小さく
することができる。そのため、異方導電膜への圧力を制
御することによって、導通抵抗を制御することができ
る。本発明の異方導電材を用いると、鎖状金属粉末の充
填量を比較的低くすることによっても、膜厚方向での加
圧による導電性を発現させることができる。
面に導電膜を設けた樹脂粒子などの通常の導電性フィラ
ーを分散させた異方導電膜では、加圧により膜厚方向で
の導通を得ようとすると、導電性フィラーの充填量を高
濃度にする必要があるが、それによって、ゴム材料の架
橋反応が阻害されたり、膜の横方向での絶縁性を確保す
ることが困難になる。
ゴム弾性という特性を活かして、例えば、パワーウイン
ドーセンサー、着席センサー、戸閉センサーなどの感圧
センサー;家電等の操作スイッチ等のメンブレンスイッ
チ;ガラス基板実装LCDのゼブラコネクターなどの感
圧素子(感圧電子部品)として新たな用途展開が可能で
ある。
ついてより具体的に説明する。
液と、還元剤として三塩化チタンを含有する溶液とを混
合することにより、粒径100nmのニッケル一次粒子
が直鎖状に連結した形状を有し、鎖の径が400nm
で、鎖の長さが10〜50μmの範囲に分布している直
鎖状金属粉末を作製した。
(信越シリコーン社製KE−1950−50)とを、金
属充填量が5体積%の割合となるように混合し、次い
で、混合物にトルエンを加えてペースト状の塗布液を調
製した。この塗布液を平坦な面をもつ磁石上に塗布し、
塗布面に対して垂直方向に磁束密度40,000μTの
磁場を印加しながら乾燥し、固化させて塗膜を得た。こ
れにより、直鎖状金属粉末を、その長さ方向が塗膜の厚
み方向に配向した状態で固定した。塗膜を磁石から剥離
することにより、厚さ100μmの異方導電膜を得た。
200nmのニッケル一次粒子が直鎖状に連結した形状
を有し、鎖の径が1μmで、鎖の長さが10〜50μm
の範囲に分布している直鎖状金属粉末を使用し、かつ、
直鎖状金属粉末の充填量を1体積%の割合となるように
したこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ100μ
mの異方導電膜を作製した。
100nmのニッケル一次粒子が直鎖状に連結した形状
を有し、鎖の径が400nmで、鎖の長さが10〜50
μmの範囲に分布している直鎖状ニッケル粉の表面を、
厚み50nmの銀で被覆した複合構造を有する直鎖状金
属粉末を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、厚
さ100μmの異方導電膜を作製した。
5μmの球状ニッケル粉末を用いたこと以外は、実施例
1と同様にして、厚さ100μmの異方導電膜を作製し
た。
5μmの球状ニッケル粉末を、金属充填量が50体積%
となるように混合したこと以外は、実施例1と同様にし
て、厚さ100μmの異方導電膜を作製した。
5μmの球状銀粉末を、金属充填量が50体積%となる
ように混合したこと以外は、実施例1と同様にして、厚
さ100μmの異方導電膜を作製した。
0μm、長さ150μm、厚み20μmの金電極が40
μm間隔で配列された電極パターンを有するフレキシブ
ルプリント配線板(FPC)2枚を、各電極同士が接触
するよう位置合わせし、その間に異方導電膜を挟み込ん
だ。次に、室温下で10、50、100kgf/cm2
の各圧力を加え、各圧力下における上下電極間と隣接電
極間の抵抗値を測定し、これらの測定値を、それぞれ厚
み方向と面方向の導通抵抗とした。
価は、それぞれ下記の通りとした。 (1)導通抵抗(厚み方向) ◎:導通抵抗が0.1Ω以下(厚み方向の導電性が極め
て良好)、 ○:導通抵抗が0.1Ω超1Ω以下(厚み方向の導電性
良好)、 ×:導通抵抗が1Ω超(厚み方向の導電性不良)。
好)、 ○:導通抵抗が1MΩ超1GΩ以下(面方向の絶縁性良
好)、 ×:導通抵抗が1MΩ以下(面方向の絶縁性不良)。
すると加圧部が圧縮されて導通し、圧力を除去すると元
の形状に復元して絶縁状態となることができる異方導電
材料が提供される。また、本発明によれば、隣接する電
極間のピッチが小さくても、短絡を生じることなく接続
することが可能な異方導電材料が提供される。本発明の
異方導電材料は、感圧センサー、メンブレンスイッチ、
ゼブラコネクターなどの感圧素子として有用である。
間隙に本発明の異方導電膜を配置した断面図である。
異方導電膜中に分散した鎖状金属粉末が電極に接触し
て、その部分が導通することを示す断面図である。
(b)、その後、圧力を除去すると元の形状に復元する
(c)ことを示す断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 ゴム材料(A)中に、微細な金属粒が鎖状
に連結した形状を有する金属粉末(B)が分散している異
方導電材料。 - 【請求項2】 異方導電膜である請求項1記載の異方導
電材料。 - 【請求項3】 金属粉末(B)が、その長さ方向で異方導
電膜の厚み方向に配向している請求項2記載の異方導電
材料。 - 【請求項4】 金属粒または金属粉末(B)が、常磁性を
有する金属単体、常磁性を有する2種以上の金属の合
金、常磁性を有する金属と他の金属との合金、または常
磁性を有する金属を含む複合体から形性されたものであ
る請求項1乃至3のいずれか1項に記載の異方導電材
料。 - 【請求項5】 ゴム材料(A)中に、微細な金属粒が鎖状
に連結した形状を有する金属粉末(B)が分散している異
方導電材料からなる感圧素子。
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Cited By (7)
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