JP2003344581A - 使用済燃料用キャスク及びその製造方法 - Google Patents

使用済燃料用キャスク及びその製造方法

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JP2003344581A
JP2003344581A JP2002158504A JP2002158504A JP2003344581A JP 2003344581 A JP2003344581 A JP 2003344581A JP 2002158504 A JP2002158504 A JP 2002158504A JP 2002158504 A JP2002158504 A JP 2002158504A JP 2003344581 A JP2003344581 A JP 2003344581A
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spent fuel
neutron
manufacturing
cask
resin
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JP2002158504A
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English (en)
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Kiminori Iga
公紀 伊賀
Hitoshi Shimizu
清水  仁
Mamoru Kamoshita
守 鴨志田
Ikutake Doushiyu
生剛 堂守
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21FPROTECTION AGAINST X-RADIATION, GAMMA RADIATION, CORPUSCULAR RADIATION OR PARTICLE BOMBARDMENT; TREATING RADIOACTIVELY CONTAMINATED MATERIAL; DECONTAMINATION ARRANGEMENTS THEREFOR
    • G21F1/00Shielding characterised by the composition of the materials
    • G21F1/02Selection of uniform shielding materials
    • G21F1/10Organic substances; Dispersions in organic carriers
    • G21F1/103Dispersions in organic carriers
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21FPROTECTION AGAINST X-RADIATION, GAMMA RADIATION, CORPUSCULAR RADIATION OR PARTICLE BOMBARDMENT; TREATING RADIOACTIVELY CONTAMINATED MATERIAL; DECONTAMINATION ARRANGEMENTS THEREFOR
    • G21F5/00Transportable or portable shielded containers
    • G21F5/005Containers for solid radioactive wastes, e.g. for ultimate disposal
    • G21F5/008Containers for fuel elements

Abstract

(57)【要約】 【課題】使用済燃料輸送貯蔵用キャスクの製造期間を短
縮し、使用済燃料用キャスクの軸方向における放射線遮
蔽能力をより均一化する。 【解決手段】エポキシ樹脂,粉末状の中性子吸収材及び
耐火材の混練物を、横置きした金型20内に注入する
(ステップ14)。次に、一次硬化の作業が行われる
(ステップ15)。一次硬化は、混練物を注入した金型
20を加熱炉により加熱することにより行う。一次硬化
の際に、金型20内の混練物22中の樹脂の粘度が一時
的に低下し、中性子吸収材及び耐火材が金型20の底板
22付近に一様に沈降する。一次硬化終了後、二次硬化
が行われる(ステップ16)。混練物が完全に硬化して
生成された硬化物である中性子遮蔽体5を金型20から
取り出す(ステップ17)。金型20から取り出された
中性子遮蔽体5を使用済燃料用キャスク1の内筒2の外
側に取り付ける(ステップ18)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用済燃料用キャ
スクの製造方法に係り、特に、使用済燃料集合体を輸
送,貯蔵するのに好適な使用済燃料貯蔵用キャスクの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉の炉心内で所定期間使用された使
用済燃料集合体は、炉心より取り出されて使用済燃料プ
ール内で冷却のため、所定の冷却期間の間、一次保管さ
れる。所定の冷却期間が終了した使用済燃料集合体は、
使用済燃料用キャスク(例えば、金属キャスク)に収納
されて燃料再処理施設もしくは中間貯蔵施設などへ搬送
される。使用済燃料用キャスクは、収納された使用済燃
料集合体から放出される中性子等の放射線を遮蔽する放
射線遮蔽体が設けられる。
【0003】使用済燃料用キャスクは、容器を構成する
内筒の外部に外筒を設け、内筒の外面に炭素鋼等の金属
板で構成される伝熱フィンが周方向に間隔を置いて取り
付けられ、内筒の内側に金属製バスケットが設けられ
る。外筒と内筒との間には、中性子遮蔽体である硬化さ
れたレジンが存在する。内筒は、上方が開口した炭素鋼
製の筒であり、ガンマ線遮蔽体である。金属性バスケッ
トは、複数のセルを備え、それぞれのセル内に使用済燃
料集合体が収納される。金属製バスケットは、合計約3
0体ないし70体の使用済燃料集合体を収納する。内筒
の開口部には放射性物質の漏洩を防止する一次蓋が取り
付けられ、さらにその外側に二次蓋が取り付けられる。
上記キャスクは、高さ約4.5m ,直径約2.5m であ
り、使用済燃料集合体を収納した状態での全重量は10
0〜150トン程度となる。中性子遮蔽体としては、通
常室温で硬化させる常温硬化型のエポキシ樹脂又はシリ
コンゴムに粉末状の中性子吸収材及び耐火材といった添
加物を加えた樹脂が使用されている。
【0004】上記の中性子遮蔽体は、必要な中性子遮蔽
能力を保証する必要があり、主に次のように製造され
る。基材となるエポキシ樹脂もしくはシリコンゴムに粉
末状の炭化ほう素などの中性子吸収材及び粉末状の水酸
化アルミナなどの耐火材といった添加材をまぜ、それら
が均一になるように十分にミキサーで混練する。この混
錬は空気の混入による遮蔽能力の低下を防ぐために減圧
タンク内で行われる。
【0005】十分に混練された中性子遮蔽体は、特開2
001−21684号公報及び特開2001−8328
1号公報に記載されたように、使用済燃料用キャスクを
立てた状態で内筒と外筒との間の空間内に上部から注入
され、硬化される。樹脂が硬化するまでの間に粉末状の
中性子吸収材及び耐火材等の添加材が沈降して上部にお
ける添加材の濃度が低下した場合には中性子遮蔽能力を
保証できなくなるため、添加材が沈降しないように、樹
脂の粘度,添加材の粒子,硬化温度,硬化時間などを管
理する必要がある。また、特開平11−295483号
公報は、立てた角管内に上方より樹脂を注入して硬化す
ることを記載している。
【0006】粘度を高めた樹脂の注入作業の可能な時間
が2〜3時間程度であるため、樹脂の混練及びキャスク
内への注入をこの時間内に行う必要がある。内筒と外筒
との間の空間への中性子遮蔽体の注入は、その空間容積
が大きいため、数回に分けて行われる。中性子遮蔽体の
注入は、空気の混入を防ぐため注入部位を減圧しながら
行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】粘度の高い樹脂を使用
することによって、添加材の沈降を防ぐことができる。
しかしながら、粘度の高い樹脂の使用は、注入時におけ
る作業効率が悪く、また管理工程も多くなるため、一基
の使用済燃料用キャスク内に樹脂を注入し、硬化させて
中性子遮蔽体が完成するまでに1ヶ月程度かかる。
【0008】本発明の目的は、製造期間を短縮でき、使
用済燃料用キャスクの軸方向における放射線遮蔽能力を
より均一化できる使用済燃料用キャスクの製造方法を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
本発明の特徴は、横向きにおいた型内に樹脂及び中性子
吸収材を注入し前記樹脂を硬化させて中性子遮蔽体を製
造し、前記型から取り出した前記中性子遮蔽体を、複数
のフィンが取り付けられた内筒の外側で隣接する前記フ
ィン間に配置し、前記中性子遮蔽体を覆って外筒部材
を、前記フィンに取り付けることにある。
【0010】中性子遮蔽体を、型内に樹脂及び中性子吸
収材を注入して製作して内筒の外側に配置するため、中
性子遮蔽体の製造期間が著しく短縮される。このため、
その中性子遮蔽体を設置した使用済燃料用キャスクの製
造期間も著しく短縮される。また、横置きされた型内に
樹脂及び中性子吸収材を注入するため、中性子吸収材
は、型の底部付近により多くかつその型の長手方向によ
り一様に分布する。このため、その中性子遮蔽体を設置
した使用済燃料用キャスクにおいて、中性子吸収材は半
径方向において内筒側に多く存在しかつキャスクの軸方
向における分布もより均一化されている。このため、使
用済燃料用キャスクの軸方向における放射線遮蔽能力が
より均一化される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の好適な一実施例である使
用済燃料用キャスクの製造方法を以下に説明する。ま
ず、本実施例により製造された使用済燃料用キャスクの
概略の構造を図2を用いて説明する。使用済燃料用キャ
スク1は、容器を構成する外筒3内に内筒2を設け、内
筒(内側容器)2の外面に炭素鋼で構成される伝熱フィ
ン4を周方向に間隔を置いて取り付けており、内筒2の
内側に格子状に形成された金属製バスケット6が設けら
れる。中性子遮蔽体5が、外筒3と内筒2との間で伝熱
フィン4によって形成された各空間内に配置される。内
筒2は、上方が開口した炭素鋼製の筒であり、ガンマ線
遮蔽体である。金属性バスケット6は、複数のセルを備
え、それぞれのセル内に使用済燃料集合体が収納され
る。内筒2の開口部には放射性物質の漏洩を防止する一
次蓋7が取り付けられ、さらにその外側に二次蓋8が取
り付けられる。中性子遮蔽体5が一次蓋7内にも配置さ
れる。外筒の側面には、使用済燃料用キャスク1を吊り
下げるために使用する複数のトラニオン9が設置され
る。
【0012】図1に示すように、ステップ10〜18の
作業を行う使用済燃料用キャスクの製造方法を説明す
る。まず、中性子遮蔽体5の素材である樹脂を注入する
金型20(図3)を作成する(ステップ10)。金型2
0は、底板22に2枚の長尺の側板23及び2枚の短尺
の側板24を取り付けて構成され、底板22に対向する
部分が開放されている。側板23及び側板24も互いに
接合されている。樹脂注入部21が金型20の内側に形
成される。金型20は、内側に樹脂注入空間21を有す
る。側板24の形状は、内筒2,外筒3及び対向する2
つの伝熱フィン4にて囲まれて形成される空間(中性子
遮蔽体5が設置される前の空間)の、使用済燃料用キャ
スク1の軸に垂直な方向における断面形状と同じであ
る。このため、樹脂注入空間21内に樹脂を含む混練物
を注入して製造された中性子遮蔽体5の縦断面形状は、
その空間の使用済燃料用キャスク1の軸に垂直な方向に
おける断面形状と同じになる。対向する側板24間の長
さは、中性子遮蔽体5の製造時及びハンドリング時の作
業性を考慮して、中性子遮蔽体5が設置される上記空間
の、使用済燃料用キャスク1の軸方向における複数に分
割した長さとする。底板22は中性子遮蔽体5の内筒2
側の形状を確定する。金型20の開放部側における中性
子遮蔽体5の面は、外筒3に対向することになる。この
ため、金型20は底板22から上方に向かって広がる形
状を有するため、金型20内で硬化されて形成された中
性子遮蔽体5が金型20から取り出しやすくなる。
【0013】樹脂(エポキシ樹脂),粉末状の中性子吸
収材及び粉末状の耐火材を混合する(ステップ11)。
本実施例において、中性子遮蔽体5の製造に用いられる
エポキシ樹脂は、耐熱性の点から外部から熱を加えるこ
とにより室温より高い温度で硬化する熱硬化型のエポキ
シ樹脂である。具体的な熱硬化型のエポキシ樹脂として
は、主剤としてビスフェノールA型,ノボラック型、あ
るいは脂環式等のグリシジルエーテル型エポキシ化合
物,各種のグリシジルエステル型エポキシ化合物,グリ
シジルアミン型エポキシ化合物、及びビフェニル型エポ
キシ化合物の少なくとも一種を使用し、また、主剤のエ
ポキシ基を開環重合させる作用を有する硬化剤として芳
香族アミン,脂環式アミン及びポリアミドアミン等のア
ミン系硬化剤,酸無水物系硬化剤、及びイミダゾール系
硬化促進剤の少なくとも一種を使用する。上記したいず
れかの主剤と硬化剤を混合して用いる。
【0014】粉末状の中性子吸収材としては、具体的に
は、炭化ほう素,窒化ほう素などのほう素化合物,酸化
カドミニウム等のカドミニウム化合物,酸化ガドリニウ
ム等のガドリニウム化合物,酸化サマリウムなどのサマ
リウム化合物のいずれかが用いられる。また、粉末状の
耐火材としては、具体的には水酸化マグネシウム,水酸
化アルミニウム,水酸化カルシウム等の金属水酸化物,
金属酸化物水和物,ポリリン酸アンモニウムなどの無機
リン酸化合物,リン酸エステル等の有機リン化合物、及
びヘキサブロモベンゼン,テトラブロモビスフェノール
A等のハロゲン化合物のいずれかが用いられる。上記し
た耐火材の添加は、中性子遮蔽体5の厚みを増加させる
ことなく、上記の加熱硬化で得られるエポキシ樹脂の硬
化物の水素数密度の低下を防止できる。更に、耐火材の
添加は、中性子遮蔽体5を燃えにくくする。
【0015】混練(ステップ12)は、ミキサーを用い
てそれらが均一に混ざるように十分に行われ、かつ混練
物に空気が入らないように減圧状態で行われる。金型2
0をステップ12で得られた混練物を注入する場所に設
置する(ステップ13)。その際には、底板22を下側
にし、水平が保たれるようにする。金型20の内面に離
型剤が塗られる。その後、上記混練物25を金型20内
に注入する(ステップ14)。混練物25の金型20内
への注入は、ホース(または樋)30を用いて行われる
(図4参照)。金型20は底板22の上方が上記したよ
うに開放されているため、混練物の注入時に混入した気
泡が抜けやすい。混練物の注入が完了した後に、一次硬
化の作業が行われる(ステップ15)。この一次硬化
は、混練物を注入した金型20を水平な状態で加熱炉内
に入れて金型20内の混練物を加熱することにより行
う。加熱炉内に入れる代わりに金型20をヒーターで加
熱してもよい。一次硬化の際に、金型20内の混練物2
2中の樹脂の粘度が一時的に低下し、混練物に含まれた
添加物(中性子吸収材及び耐火材)26が金型20の底
板22付近に沈降する(図6参照)。沈降した添加物2
6は、金型20の底部にほぼ一様に沈降する。一次硬化
終了後、二次硬化が行われる(ステップ16)。二次硬
化は、樹脂の重合度を更に高めるために、一次硬化の加
熱温度よりも高い温度で金型20内の混練物を加熱す
る。混練物が完全に硬化して生成された硬化物である中
性子遮蔽体5を金型20から取り出す(ステップ1
7)。ステップ17の工程は脱型と称する。金型20の
内面に離型剤が塗布されているため、中性子遮蔽体5
は、金型20の内面に付着せず、容易に金型20から取
り出すことができる。金型20から取り出された中性子
遮蔽体5を使用済燃料用キャスク1の内筒2の外側に取
り付ける(ステップ18)。
【0016】中性子遮蔽体5の使用済燃料用キャスク1
への取り付け作業を、図6を用いて詳細に説明する。外
筒3が取り付けられていない使用済燃料用キャスク1
を、回転ローラを有する支持部材(図示せず)の回転ロ
ーラ上に横置きする。すなわち、内筒2の両端部が上記
回転ローラにより支持される。使用済燃料用キャスク1
は、内筒2の外面に一対の遮蔽体カバー27及び伝熱フ
ィン4を取り付けている。1つの遮蔽体カバー27は内
筒2の上端部に、他の遮蔽体カバー27は内筒2の下端
部にそれぞれ取り付けられる。複数の伝熱フィン4は、
一対の遮蔽体カバー27の間に配置され、かつ内筒2の
周方向に所定の間隔で配置されている。中性子遮蔽体5
は、隣接する2つの伝熱フィン4及び一対の遮蔽体カバ
ー27によって確定される各空間28内に順次並べられ
る。中性子遮蔽体5は、まず、上向きになっている幾つ
かの空間28内に並べられる。それらの空間28内に並
べられた中性子遮蔽体5を覆うように外筒3となる外筒
部材29を配置し、外筒部材29の周辺部を2つの伝熱
フィン4及び一対の遮蔽体カバー27に溶接する。使用
済燃料用キャスク1を回転させ、外筒部材29を下側の
方向へ移動させる。外筒部材29で覆われた空間28の
隣に位置して上向きになっている空間28から幾つかの
空間28内に、中性子遮蔽体5を並べる。この並べ作業
が終了した後、前述したように他の外筒部材29がそれ
らの中性子遮蔽体5を覆うように伝熱フィン4及び遮蔽
体カバー27に溶接される。このような作業を繰り返し
て、内筒2の周囲に形成された全空間28内に中性子遮
蔽体5が並べられて使用済燃料用キャスク1の全周にわ
たって複数の外筒部材29が取り付けられる。内筒2の
周囲への中性子遮蔽体5の取り付け作業が完了する(図
7参照)。外筒部材29の取り付けによって中性子遮蔽
体5が内筒2と外筒3との間に保持される。ステップ1
5の一次硬化の作業中に沈殿した添加物26の層は、中
性子遮蔽体5を設置した状態で内筒2側に存在する。添
加物26である中性子吸収材も、内筒2側で内筒2の軸
方向に一様に存在する。このため、中性子遮蔽性能を決
定する使用済燃料用キャスク1の半径方向における巨視
的中性子吸収断面積は、内筒2の軸方向においてほぼ一
様となる。
【0017】一次蓋7内に設置される中性子遮蔽体5も
図1に示す手順で製造される。しかし、一次蓋7内に設
置される中性子遮蔽体5は丸板状をしているため、使用
される金型は丸い底板に環状の側板を取り付けた構成で
ある。その金型を用いてステップ11〜17の工程によ
り、一次蓋7内に設置される中性子遮蔽体5が製造され
る。完成した中性子遮蔽体5は一次蓋7内に形成された
空間内に収納される。その後、その中性子遮蔽体5を覆
うように丸板が、一次蓋7に取り付けられる。使用済燃
料用キャスク1の底部に設置される中性子遮蔽体5(図
7の(A)参照)も、一次蓋7内に設置される中性子遮
蔽体5と同様に製造される。
【0018】以上に述べた作業工程により、使用済燃料
用キャスクが完成する。中性子遮蔽体5を製造するごと
金型20を製作するのではなく、予め必要な個数の金型
を製作して保管しておけば、中性子遮蔽体5を製造する
ごと金型20を製作する必要はない。この場合には、図
1に示す使用済燃料用キャスクの製造工程は、ステップ
11以降の各作業を行えばよい。
【0019】本実施例は、型内に樹脂を注入して所定の
形状の中性子遮蔽体5を製造しているため、従来のよう
に、内筒2と外筒3との間に樹脂を含む混練物を注入す
る場合に比べて中性子遮蔽体5の製造及び中性子遮蔽体
5の内筒2への設置に要する期間を著しく短縮すること
ができる。これは、使用済燃料用キャスク1の製造期間
の著しい短縮につながる。また、上記したように中性子
吸収材が使用済燃料用キャスク1の軸方向に一様に分布
するため、使用済燃料用キャスク1は、半径方向に対す
る中性子遮蔽能力を、そのキャスク1の軸方向において
一様に発揮できる。内筒2は使用済燃料集合体から放出
されるガンマ線を遮蔽する放射線遮蔽体である。内筒2
は、半径方向に対するガンマ線の遮蔽能力を、そのキャ
スク1の軸方向において均一化している。本実施例の使
用済燃料用キャスク1は、放射線(中性子及びガンマ
線)の遮蔽能力を使用済燃料用キャスク1の軸方向にお
いてより均一化できる。また、本実施例は、中性子遮蔽
体5内における耐火材の、中性子遮蔽体5の長手方向に
おける分布も、均一化できる。このため、使用済燃料用
キャスクの軸方向における耐火材による水素数密度分布
もより均一化できる。これにより、使用済燃料用キャス
ク1の軸方向における中性子遮蔽能力がより均一化され
る。使用済燃料用キャスク1の半径方向において中性子
吸収材及び耐火材の濃度分布は、内筒2側で大きくな
る。
【0020】また、本実施例では、伝熱フィン4間に形
成される空間28内への中性子遮蔽体5の配置が内筒2
を横置きした状態で行われるので、空間28内への中性
子遮蔽体5の挿入を容易に行うことができる。本実施例
は、全ての伝熱フィン4相互間に形成される全空間28
内に中性子遮蔽体5を挿入した後に、それらの中性子遮
蔽体を覆うように外筒部材29を伝熱フィン4に取り付
けている。このため、本実施例では、既に空間28内に
配置された中性子遮蔽体5が外筒部材29で保持される
ため、中性子遮蔽体5を残りの空間28内に配置するた
めに、横置きした内筒2を回転した場合において、上記
した先行配置の中性子遮蔽体5が空間28内から落下す
ることを防止できる。このため、空間28内への中性子
遮蔽体5の配置作業を効率よく行うことができる。これ
によっても、使用済燃料用キャスク1の製造期間を更に
短縮することができる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、使用済燃料用キャスク
の製造期間を短縮することができ、しかも使用済燃料キ
ャスクの半径方向に対する放射線遮蔽能力を出来上がっ
た使用済燃料用キャスクの軸方向においてより均一化す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例である使用済燃料用キ
ャスクの製造方法の製造工程の説明図である。
【図2】図1の製造方法で製造された使用済燃料用キャ
スクの局部断面を含む斜視図である。
【図3】図1の製造工程で用いられる金型の斜視図であ
る。
【図4】図1のステップ14における混練物の注入状態
を示す説明図である。
【図5】図1のステップ15における金型内での添加物
の沈降状態を示す説明図である。
【図6】図1の工程で製造された中性子遮蔽体の内筒へ
の取り付け状態を示す説明図である。
【図7】図1の製造方法で得られた中性子遮蔽体の使用
済燃料用キャスクへの配置状態を示しており、(A)は
その中性子遮蔽体を取り付けた使用済燃料用キャスクの
縦断面図であり、(B)は(A)のY−Y断面図であ
る。
【符号の説明】
1…使用済燃料用キャスク、2…内筒、3…外筒、4…
伝熱フィン、5…中性子遮蔽体、6…バスケット、7…
一次蓋、8…二次蓋、20…金型、26…添加物、27
…遮蔽体カバー、28…空間、29…外筒部材。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年4月21日(2003.4.2
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 使用済燃料用キャスク及びその製造方
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用済燃料用キャ
スク及びその製造方法に係り、特に、使用済燃料集合体
を輸送,貯蔵するのに好適な使用済燃料貯蔵用キャスク
及びその製造方法に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】本発明の目的は、製造期間を短縮でき、使
用済燃料用キャスクの軸方向における放射線遮蔽能力を
より均一化できる使用済燃料用キャスク及びその製造方
法を提供することにある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、使用済燃料用キャスク
の製造期間を短縮することができ、しかも使用済燃料キ
ャスクの半径方向に対する放射線遮蔽能力を出来上がっ
たキャスクの軸方向においてより均一化することを可能
にした使用済燃料キャスク及びその製造方法を提供する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G21F 9/36 501 G21F 5/00 P M (72)発明者 鴨志田 守 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 堂守 生剛 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】横向きにおいた型内に樹脂及び中性子吸収
    材を注入し前記樹脂を硬化させて中性子遮蔽体を製造
    し、 前記型から取り出した前記中性子遮蔽体を、複数のフィ
    ンが取り付けられた内筒の外側で隣接する前記フィン間
    に配置し、 前記中性子遮蔽体を覆って外筒部材を、前記フィンに取
    り付けることを特徴とする使用済燃料用キャスクの製造
    方法。
  2. 【請求項2】前記中性子遮蔽体の前記フィン間への配置
    は、前記内筒を横置きにした状態で行う請求項1記載の
    使用済燃料用キャスクの製造方法。
  3. 【請求項3】前記外筒部材の前記フィンへの取り付け
    は、前記内筒に取り付けられた一部の前記フィンの間
    に、前記中性子遮蔽体を配置した後、前記一部のフィン
    間に配置された前記中性子遮蔽体を覆うように行う請求
    項1または請求項2記載の使用済燃料用キャスクの製造
    方法。
  4. 【請求項4】前記樹脂が熱硬化型のエポキシ樹脂である
    請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の使用済燃料
    用キャスクの製造方法。
  5. 【請求項5】前記型内に前記樹脂及び前記中性子吸収材
    と共に耐火材を注入する請求項1ないし請求項4のいず
    れかに記載の使用済燃料用キャスクの製造方法。
  6. 【請求項6】前記エポキシ樹脂は、主剤であるビスフェ
    ノールA型エポキシ化合物,ノボラック型エポキシ化合
    物,グリシジルエーテル型エポキシ化合物,グリシジル
    エステル型エポキシ化合物,グリシジルアミン型エポキ
    シ化合物及びビフェニル型エポキシ化合物の中から選ば
    れた少なくとも一種、及び前記主剤のエポキシ基を開環
    重合させる硬化剤であるアミン系硬化剤,酸無水物系硬
    化剤及びイミダゾール系硬化促進剤の中から選ばれた少
    なくとも一種含んでいる請求項4記載の使用済燃料用キ
    ャスクの製造方法。
  7. 【請求項7】前記耐火材が、金属水酸化物,金属酸化物
    水和物,無機リン酸化合物,有機リン化合物、及びハロ
    ゲン化合物の中から選ばれた少なくとも一種である請求
    項5記載の使用済燃料用キャスクの製造方法。
  8. 【請求項8】前記中性子吸収材が、ほう素化合物,酸化
    カドミウム,酸化ガドリニウム,酸化サマリウムの中か
    ら選ばれた少なくとも一種である請求項1ないし請求項
    7のいずれかに記載の使用済燃料用キャスクの製造方
    法。
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