JP2003344135A - 熱式流量計 - Google Patents
熱式流量計Info
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Abstract
性をリニアにすることができ、かつ応答性を損なうこと
なく安定した出力を得ることができる熱式流量計を提供
すること。 【解決手段】 熱式流量計1において、ボディ41に形
成された流路空間44に対し、主流路Mとセンサ流路S
との間にメッシュ部51Mが配置されるようにメッシュ
板51を組み込んだ積層体50を装着して、主流路Mを
構成する。そして、測定チップ11に上流温度検出抵抗
体R1、下流温度検出抵抗体R2、発熱抵抗体Rt、お
よび流体温度検出抵抗体Rtを設け、電気回路により、
発熱抵抗体Rhと流体温度検出抵抗体Rtとが一定の温
度差になるように制御し、上流温度検出抵抗体R1と下
流温度検出抵抗体R2との温度差に基づき被測定流体の
流量を測定する。
Description
用いて流量を計測する熱式流量計に関する。さらに詳細
には、双方向において被測定流体の流量を精度良く計測
することができる熱式流量計に関するものである。
ハンドリングには真空吸着が用いられており、その吸着
の確認は、圧力センサにより行われていた。しかし近
年、半導体チップがどんどん小さくなってきている。こ
のため、例えば0.5mm角のチップでは、直径が0.
5mmあるいは0.3mmの吸着オリフィス(ノズル)
が用いられている。その結果、図20に示すように、吸
着時と非吸着時とでオリフィス内の圧力にほとんど差が
出ず、圧力センサでは吸着確認ができなくなってきた。
このようなことから、オリフィスを流れる空気の流量を
検出することにより、吸着確認を行うという提案がなさ
れている。なお、図20は、ノズル径が0.3mmで真
空圧力が−70kPaの場合の圧力センサの出力例を示
したものである。
に好適な熱式流量計を特願2000−368801にて
提案した。そして、上記した条件で吸着確認を行った結
果を図21に示す。図21から明らかなように、この熱
式流量計を使用すれば、圧力センサでは困難であった吸
着確認を行えることがわかる。
人が特願2000−368801にて提案した熱式流量
計では、図22に示すように、真空度が高くなるにつれ
て圧力特性が悪くなり、精度良く吸着確認を行うことが
できないおそれがあった。また、この熱式流量計の出力
特性は、図23に示すようになり、被測定流体の流れ方
向に関係なく同じ値が出力されるため、流れ方向を検出
することができないという問題もあった。このように双
方向の流量検知ができないと、吸着確認はできるが、リ
リースの確認を行うことができなかった。吸着時とリリ
ース時とでは、流体が逆方向に流れるからである。な
お、図22、図23は、ともにフルスケール流量を1L
/minとした場合の出力である。
ースの確認を行うためには、双方向の流量を検出するこ
とができる流量計が必要となる。そして、このような双
方向の流量検知が可能な流量計としては、例えば、特開
2002−5717号公報に記載されたものがある。と
ころが、特開2002−5717号公報に記載された流
量計では、図24に示すように、出力特性がリニアでな
いという問題があった。このように出力特性がリニアで
ないと、ノズルの目詰まり管理などを行うことができな
かった。なお、出力特性をリニアにするためには、例え
ば、特開2001−165734号公報に記載されてい
るように、演算回路を用いればよいが、別途そのための
演算回路を設ける必要がありコスト面で不利になる。
載された流量計では、図25に示すように、乱流の影響
により出力が不安定になるという問題もあった。出力が
不安定になると、吸着確認の閾値を低めに設定しなけれ
ばならない。ところが、吸着確認においては微少の流量
変化を検知しているため、閾値を低めに設定すると、正
常状態で吸着されずに正常吸着時の流量よりも小さくな
った場合であっても、正常に吸着されていると判断され
てしまう。つまり、吸着確認を精度良く行うことができ
なかった。また、常に一定の漏れ量を確保しながら半導
体チップを吸着するコレットタイプのノズルを用いた場
合には、吸着確認を行うことができなかった。なお、こ
のような出力のふらつきは、電気的なフィルタを入れる
ことにより解消することはできるが、応答性が損なわれ
てしまい好ましくない。
るためになされたものであり、双方向の流量検知ができ
るとともに、出力特性をリニアにすることができ、かつ
応答性を損なうことなく安定した出力を得ることができ
る熱式流量計を提供することを課題とする。
めになされた本発明に係る熱式流量計は、流量を計測す
るための抵抗体が架設されたセンサ流路の他に、センサ
流路に対するバイパス流路を備える熱式流量計におい
て、バイパス流路は、抵抗体を用いた計測原理を行うた
めの電気回路に接続する電気回路用電極が表面に設けら
れた基板を、側面開口部を備える流体流路が形成された
ボディに対し、エッチング加工した薄板を複数枚積層し
た積層体を介して、側面開口部を塞ぐようにして密着さ
せることにより形成され、センサ流路は、抵抗体とその
抵抗体に接続する抵抗体用電極とが設けられた測定チッ
プを、抵抗体用電極と電気回路用電極とを接着して基板
に実装することにより、測定チップあるいは基板の少な
くとも一方に設けられた溝によって形成されており、測
定チップには、流れ方向上流側に設けられた上流温度検
出抵抗体と、流れ方向下流側に設けられた下流温度検出
抵抗体と、上流温度検出抵抗体と下流温度検出抵抗体と
の間に設けられ、上流温度検出抵抗体と下流温度検出抵
抗体とを加熱する発熱抵抗体と、被測定流体の温度を検
出する流体温度検出抵抗体と、が備わり、電気回路によ
り、発熱抵抗体と流体温度検出抵抗体とが一定の温度差
になるように制御され、上流温度検出抵抗体と下流温度
検出抵抗体との温度差に基づき被測定流体の流量が測定
されることを特徴とするものである。なお、本明細書に
おける「側面開口部」とは、ボディの側面(言い換える
と、入出力ポートが開口していない面)であって基板が
装着される面に開口した開口部を意味する。
被測定流体は、抵抗体が架設されたセンサ流路と、セン
サ流路に対するバイパス流路とに分流される。そして、
抵抗体を用いた計測原理に基づき、センサ流路を流れる
被測定流体の流量、ひいては熱式流量計の内部を流れる
被測定流体の流量が測定される。具体的には、電気回路
により、発熱抵抗体と流体温度検出抵抗体とが一定の温
度差になるように制御され、上流温度検出抵抗体と下流
温度検出抵抗体との温度差に基づき被測定流体の流量が
測定される。このため、順方向の流れの場合には出力が
増加し、逆方向の流れの場合には出力が減少する。した
がって、被測定流体の流れ方向を検知することができ
る。
測原理を行うための電気回路に接続する電気回路用電極
が表面に設けられた基板を、側面開口部を備える流体流
路が形成されたボディに対し、エッチング加工した薄板
を複数枚積層した積層体を介して、側面開口部を塞ぐよ
うにして密着させることにより形成されているため、積
層体の構成(各薄板の組み合わせ)を変更してバイパス
流路の断面積を変化させることができる。そして、バイ
パス流路の断面積が変化すると、センサ流路とバイパス
流路とに分流する被測定流体の割合(バイパス比)が変
化する。したがって、積層体の構成を変更することによ
り、最適な測定レンジを設定することができるので、別
途演算回路を設けなくてもリニアな出力特性を得ること
ができる。
を、薄板の両端に開口部が形成されるとともに、中央に
溝が形成された溝付両端開口板を介してメッシュ板を積
層したものにすればよい。さらに、積層体に、薄板の両
端に開口部が形成された両端開口板を含めてもよい。こ
れらにより、バイパス流路の断面積を減少させることが
でき、バイパス比を変更することができる。
は、積層体に、薄板の両端にメッシュが形成されたメッ
シュ板が含まれていることが好ましい。また、本発明に
係る熱式流量計においては、積層体は、薄板の縁部を残
してその他の部分を開口させたスペーサを介してメッシ
ュ板を積層したものであることが望ましい。
積層体を形成することにより、非常に流れが整えられた
被測定流体を、センサ流路に流し込むことができるから
である。なぜなら、被測定流体は、メッシュを通過する
ことにより、流れの乱れが減少するからである。したが
って、積層体には複数枚のメッシュ板を含めるのがよ
い。そして、この場合には、各メッシュ板を直接重ねる
よりも、所定の間隔をとって重ねる方がよい。より大き
な整流効果を得ることができるからである。このため、
メッシュ板は、スペーサを介して積層するのが望ましい
のである。
は、センサ流路を流れる被測定流体の流れを整えること
ができるので、非常に安定した出力を得ることができ
る。また、電気的なフィルタを用いないので、応答性が
損なわれることもない。
化した最も好適な実施の形態について図面に基づき詳細
に説明する。本実施の形態に係る熱式流量計は、高速応
答性、高感度、リニアな出力特性、および双方向検知が
要求される流量計測、例えば半導体チップマウンティン
グ時のハンドリングにおける吸着およびリリースの確認
などに使用するのに好適なものである。
を図1に示す。図1は、熱式流量計1を示す断面図であ
る。図1に示すように、本実施の形態に係る熱式流量計
1は、ボディ41とセンサ基板21と積層体50とを有
するものである。そして、積層体50がボディ41の流
路空間44に装着された状態で、センサ基板21がシー
ルパッキン48を介しボディ41にネジ固定で密着され
ている。これにより、センサ流路S、およびセンサ流路
Sに対するバイパス流路である主流路Mが形成されてい
る。
に、直方体形状のものであり、左右対称に構成されてい
る。なお、図2は、ボディ41を示す平面図である。図
3は、図2におけるA−A断面図である。このボディ4
1には、両端面に入口ポート42と出口ポート46とが
形成されている。そして、入口ポート42からボディ中
央に向かって入口流路43が形成され、同様に出口ポー
ト46からボディ中央に向かって出口流路45が形成さ
れている。なお、入口流路43および出口流路45は、
主流路Mの下方に形成されている。つまり、入口流路4
3および出口流路45は主流路Mに対して、同一直線上
には配置されていない。
よびセンサ流路Sを形成するための流路空間44が形成
されている。この流路空間44の横断面は、長方形の両
短辺を円弧状(半円)にした形状になっており、その中
央部に円弧状の凸部44Cが形成されている。凸部44
Cは、積層体50(各薄板)の位置決めを行うためのも
のである。そして、流路空間44の下面の一部が入口流
路43および出口流路45に連通している。すなわち、
入口流路43と出口流路45とがそれぞれ90度に屈曲
したエルボ部43Aと45Aを介して流路空間44に連
通されている。さらに、流路空間44の外周に沿うよう
にボディ41の上面には、シールパッキン48を装着す
るための溝49が形成されている。
の薄板を合計11枚積層したものである。なお、図4
は、積層体50の構造を示す分解斜視図である。この積
層体50は、下から順に、メッシュ板51、スペーサ5
2,52,52、メッシュ板51、スペーサ52,5
2、メッシュ板51、スペーサ52,52、およびメッ
シュ板51が積層されて接着されたものである。これら
メッシュ板51およびスペーサ52は、ともに厚さが
0.5mm以下であり、エッチングにより各形状の加工
(マイクロマシニング加工)がなされたものである。そ
して、その投影形状は流路空間44の横断面形状と同じ
になっている。これにより、積層体50が流路空間44
に隙間なく装着されるようになっている。
0を流路空間44に装着することにより、熱式流量計1
のフルスケール流量が5L/minとなっている。つま
り、積層体50を構成する薄板の形状(組み合わせ)を
変更することにより、主流路Mの断面積が変化し被測定
流体のバイパス比が変わるので、任意の流量レンジを設
定することができるのである。なお、フルスケール流量
を変更した例(フルスケール流量1L/min)につい
ては後述する。
ず、メッシュ板51について、図5、図6を用いて説明
する。なお、図5(a)はメッシュ板51を示す平面図
であり、図5(b)は図5(a)におけるA−A断面図
である。図6は、メッシュ板51のメッシュ部51Mの
拡大図である。メッシュ板51は、図5に示すように、
その両端にメッシュ部51Mが形成された厚さが0.3
mmの薄板である。メッシュ部51Mは、直径4mmの
円形状であり、図6に示すように、メッシュを構成する
孔(直径0.2mm)の中心間距離がすべて0.27m
mとなるように形成されている。すなわち、各孔の中心
が正三角形の各頂点となるように孔が形成されている。
なお、メッシュ部51Mの厚さは、図5(b)に示すよ
うに他の部分よりも薄くなっており、その厚さは、0.
05〜0.1mmとなっている。
て説明する。なお、図7(a)は、スペーサ52を示す
平面図であり、図7(b)は、図7(a)におけるA−
A断面図である。スペーサ52は、図7に示すように、
外周部52Bを残すようにエッチング加工されたもので
ある。これにより、スペーサ52には、開口部61が形
成されている。なお、スペーサ52の厚さは、0.5m
mである。
板51およびスペーサ52を組み合わせて、図4に示す
ように積層して接着した積層体50を流路空間44に装
着することにより、主流路Mが形成されている。より詳
細に言うと、スペーサ52の開口部61により主流路M
が形成されている。また、メッシュ板51に設けられた
メッシュ部51Mと、スペーサ52に設けられた開口部
61とによって、連絡流路5,6が形成されている。連
絡流路5は、入口流路43と主流路Mおよびセンサ流路
Sとを連通させるものであり、連絡流路6は、出口流路
45と主流路Mおよびセンサ流路Sとを連通させるもの
である。
に、メッシュ部51Mが3層配置されている。各メッシ
ュ部51Mの間隔は、2枚のスペーサ52の厚さ分
(1.0mm)になっている。これにより、流れが整え
られた被測定流体を、センサ流路Sに流し込むことがで
きるようになっている。被測定流体は、各メッシュ部5
1Mを通過するたびに、流れの乱れを減少させられるか
らである。さらに、エルボ部43A,45Aと流路空間
44(主流路M)との連通部にもメッシュ部51Mが配
置されている。
信号として出力するものである。このためセンサ基板2
1には、図8に示すように、ベースとなるプリント基板
22の表面側(ボディ41への装着面側)において、そ
の中央部に溝23が加工されている。そして、この溝2
3の両側に、電気回路用電極24,25,26,27,
28,29が設けられている。一方、プリント基板22
の裏面側には、電気素子31、32、33、34などで
構成される電気回路が設けられている(図1参照)。そ
して、プリント基板22の中で、電気回路用電極24〜
29が電気素子31〜34などで構成される電気回路と
接続されている。さらに、プリント基板22の表面側に
は、後述するようにして、測定チップ11が実装されて
いる。
用いて説明する。なお、図9は、測定チップ11を示す
平面図である。測定チップ11は、図9に示すように、
シリコンチップ12に対して、半導体マイクロマシニン
グの加工技術を実施したものであり、このとき、チップ
中央に溝13が加工されるとともに、抵抗体(熱線)用
電極14,15,16,17、18,19がチップ両端
に設けられる。
が、抵抗体用電極15,17から延設されるとともに溝
13の上に架設される。さらに、下流温度検出抵抗体R
2が、抵抗体用電極17,19から延設されるとともに
溝13の上に架設される。さらにまた、発熱抵抗体Rh
が、上流温度検出抵抗体R1と下流温度検出抵抗体R2
との間に、抵抗体用電極16,18から延設されるとと
もに溝13の上に架設される。また、測定チップ11に
おいては、センサ流路Sの順方向上流側に流体温度検出
抵抗体Rtが、抵抗体用電極14,16から延設され
る。
4,15,16,17,18,19を、センサ基板21
の電気回路用電極24,25,26,27,28,29
(図8参照)のそれぞれと、半田リフロー又は導電性接
着剤などで接合することによって、測定チップ11をセ
ンサ基板21に実装している。したがって、測定チップ
11がセンサ基板21に実装されると、測定チップ11
に設けられた流体温度検出抵抗体Rt、上流温度検出抵
抗体R1、下流温度検出抵抗体R2、および発熱抵抗体
Rhは、測定チップ11の抵抗体用電極14〜19と、
センサ基板21の電気回路用電極24〜29(図8参
照)とを介して、センサ基板21の裏面側に設けられた
電気回路に接続されることになる。これにより、図10
に示す定温度差回路と、図11に示す出力回路とが構成
される。
熱抵抗体Rhを、流体温度検出抵抗体Rtで検出される
流体温度と一定の温度差をもつように制御するための回
路である。また、図10に示す出力回路は、上流温度検
出抵抗体R1と下流温度検出抵抗体R2との温度差に相
当する電圧値を出力するための回路である。この出力回
路では、上流温度検出抵抗体R1と下流温度検出抵抗体
R2とが直列に接続され、定電圧Vcが印可されるよう
になっている。そして、上流温度検出抵抗体R1と下流
温度検出抵抗体R2との中点電位Voutが測定信号と
して出力されるようになっている。
実装されると、測定チップ11の溝13は、センサ基板
21の溝23と重なり合う。よって、図1に示すよう
に、測定チップ11が実装されたセンサ基板21を、ボ
ディ41に対して、積層体50およびシールパッキン4
8を介して密着すると、ボディ41の流路空間44にお
いて、センサ基板21と測定チップ11との間に、測定
チップ11の溝13やセンサ基板21の溝23などから
なる細長い形状のセンサ流路Sが形成される。そのた
め、センサ流路Sには、流体温度検出抵抗体Rt、上流
温度検出抵抗体R1、下流温度検出抵抗体R2、および
発熱抵抗体Rhが橋を渡すように設けられることにな
る。
とした場合について説明する。そこで、フルスケール流
量が1L/minの熱式流量計の概略構成を図12に示
す。図12は、熱式流量計1Aを示す断面図である。図
12に示すように、熱式流量計1Aは、熱式流量計1と
ほぼ同様の構成を有するものであるが、流路空間44に
積層体50の代わりに積層体50Aが装着されている点
が異なる。すなわち、熱式流量計1Aには、主流路Mの
断面積を小さくするための積層体50Aが流路空間44
に装着されている。このため、熱式流量計1と異なる点
を中心に説明し、熱式流量計1と同様の構成のものにつ
いては、同じ符号を付してその説明を省略する。
用いて説明する。なお、図13は、積層体50Aの構造
を示す分解斜視図である。積層体50Aは、図13に示
すように、3種類の薄板を合計11枚積層したものであ
る。すなわち、下から順に、メッシュ板51、両端開口
板53、溝付両端開口板56、メッシュ板51、溝付両
端開口板56,56、メッシュ板51、溝付両端開口板
56,56,56、およびメッシュ板51が積層されて
接着されたものである。すなわち、積層体50Aは、積
層体50におけるスペーサ52の代わりに、両端開口板
53と溝付両端開口板56を用いたものである。
を用いて説明する。なお、図14(a)は両端開口板5
3を示す平面図であり、図14(b)は図14(a)に
おけるA−A断面図である。両端開口板53は、図14
に示すように、外周部53Bと中央部53Dとを残すよ
うにエッチング加工されたものである。これにより、両
端開口板53には、その両端に開口部63が形成されて
いる。なお、両端開口板53の厚さは、0.5mmであ
る。
5を用いて説明する。なお、図15(a)は溝付両端開
口板56を示す平面図であり、図15(b)は図15
(a)におけるA−A断面図であり、図15(c)は図
15(a)におけるB−B断面図である。溝付両端開口
板56は、図15に示すように、外周部56Bと中央部
56Dとを残し、中央部56Dに溝56Eが形成される
ようにエッチング加工されたものである。すなわち、溝
付両端開口板56は、両端開口板53の中央部53D
(図14参照)に溝56Eを設けたものである。そし
て、中央部56Dには、片面に3本の溝56Eが形成さ
れている。この溝56Eの深さは0.35mmであり、
溝55Eの幅は1.1mmである。そして、隣り合う溝
の間隔は0.2mmとなっている。なお、溝付両端開口
板56の厚さは、0.5mmである。
および溝付両端開口板56を、図13に示すように積層
して接着した積層体50Aをボディ41に形成された流
路空間44に装着することにより、図12に示すよう
に、両端開口板53の中央部53D、および溝付両端開
口板56の中央部56Dによって、主流路Mの断面積が
減少している。これにより、被測定流体のバイパス比が
変化しフルスケール流量が1L/minとなるようにさ
れている。このように、積層体の構成を変更することに
より、任意の流量レンジを設定することができるように
なっているのである。
1,1Aの作用について説明する。熱式流量計1,1A
においては、順方向の流れの場合には、入口ポート42
を介して入口流路43へ流れ込んだ被測定流体は、流路
空間44にて、主流路Mへ流れ込むものと、センサ流路
Sへ流れ込むものとに分流される。そして、主流路Mお
よびセンサ流路Sから流れ出した被測定流体は、合流し
て、出口流路45を介して出口ポート46からボディ4
1の外部に流れ出す。
ト46を介して出口流路45へ流れ込んだ被測定流体
は、流路空間44にて、主流路Mへ流れ込むものと、セ
ンサ流路Sへ流れ込むものとに分流される。そして、主
流路Mおよびセンサ流路Sから流れ出した被測定流体
は、合流して、入口流路43を介して入口ポート42か
らボディ41の外部に流れ出す。
向のいずれの方向に流れても、センサ流路Sへ流れ込む
被測定流体は、積層体50あるいは50A内における3
層のメッシュ部51Mを通過した後に、センサ流路Sに
流れ込む。したがって、非常に流れが整えられた状態の
被測定流体が、センサ流路Sを流れる。
は、センサ流路Sに橋設された発熱抵抗体Rhから熱を
奪う。そうすると、センサ基板21の裏面側に設けられ
た電気回路(図10に示す定温度差回路)により、流体
温度検出抵抗体Rtと発熱抵抗体Rhとが一定の温度差
になるように制御される。
た電気回路(図11に示す出力回路)により、直列に接
続され定電圧Vcが印可された上流温度検出抵抗体R1
と下流温度検出抵抗体R2との中点電位Voutが測定
信号として出力される。このとき、被測定流体が順方向
の流れの場合には、上流温度検出抵抗体R1の温度(抵
抗値)が低下し、下流温度検出抵抗体R2の温度(抵抗
値)が増加するため、中点電位Voutが増加する。一
方、被測定流体が逆方向の流れの場合には、上流温度検
出抵抗体R1の温度(抵抗値)が増加し、下流温度検出
抵抗体R2の温度(抵抗値)が低下するため、中点電位
Voutは低下する。このため、被測定流体の流れ方向
を検知することができる。
に示す。図16、図17は、流量と出力電圧との関係を
示したものである。そして、図16のグラフは、熱式流
量計1からの出力を示したものである。図17のグラフ
は、熱式流量計1Aからの出力を示したものである。
定流体が順方向に流れた場合には、流量が大きくなるに
つれて出力が大きくなる。逆に、被測定流体が逆方向に
流れた場合には、流量が大きくなるにつれて出力が小さ
くなる。これにより、熱式流量計1,1Aによれば、被
測定流体の流れ方向を検出することができる。
もに、従来の熱式流量計(特開2002−5717号公
報記載のもの)の出力特性(図24)に比べ、直線性が
大幅に改善されていることがわかる。すなわち、熱式流
量計1,1Aによれば、リニアな出力特性を得ることが
できる。これは、主流路Mを積層体50,50Aにより
構成して、各測定レンジに最適なバイパス比を設定した
からである。このように、熱式流量計1,1Aによれ
ば、被測定流体の流量を双方向において正確に計測する
ことができる。これにより、ノズルの目詰まり管理を精
度良く行うことができる。
に示す。図18は、時間と出力電圧との関係を示したも
のである。図18から明らかなように、熱式流量計1の
出力は、従来の熱式流量計(特開2002−5717号
公報記載のもの)の出力(図25)に比べ、ふらつきが
少なく安定していることがわかる。すなわち、熱式流量
計1によれば、出力の振幅幅が小さく非常に安定した出
力を得ることができるのである。そして、電気的フィル
タを用いていないので、応答性を損なうこともない。
をノイズと定義すると、従来の熱式流量計におけるノイ
ズが「±39.5(%FS)」であるのに対し、第1の
実施の形態に係る熱式流量計1におけるノイズは「±
0.7(%FS)」である。すなわち、熱式流量計1A
によれば、ノイズを約1/50にすることができる。こ
れは、上記したようにセンサ流路Sを流れる被測定流体
の流れが非常に整ったものになっているからである。
した出力を得ることができるので、吸着確認の閾値を高
く設定することができる。これにより、精度良く吸着確
認を行うことができる。また、コレットタイプのノズル
を用いた場合であっても、吸着確認を行うことができ
る。
たが、熱式流量計1よりもフルスケール流量が小さい熱
式流量計1Aでも同様の結果が得られたことは言うまで
もない。なぜなら、測定流量が小さくなれば、出力のふ
らつきは小さくなるからである。
9に示す。図19は、圧力を変化させたときの出力を示
したものである。図19から明らかなように、熱式流量
計1Aは、従来の熱式流量計(特願2000−3688
01号記載のもの)に比べ、圧力特性がよいことがわか
る。すなわち、熱式流量計1Aによれば、圧力が変化し
ても、出力がドリフトせず常に正確な流量を計測するこ
とができるのである。なお、熱式流量計1でも同様の結
果が得られた。
の理由からである。すなわち、従来方式(特願2000
−368801)では、発熱抵抗体Rhと流体との熱の
授受そのものを出力としていたため、圧力変化すなわち
気体の密度が変化すると出力が変わってしまっていた。
ところが、熱式流量計1Aでは、圧力が変化した場合、
発熱抵抗体Rhと流体との熱の授受は変化するが、上流
温度検出抵抗体R1と下流温度検出抵抗体R2の抵抗値
が同じように変化するため、上流温度検出抵抗体R1と
下流温度検出抵抗体R2の中間電位Voutは変化しな
い。したがって、圧力が変化しても出力に影響が出ない
のである。
において流量計測が可能であり、また応答性(約20m
sec)を損なうことなく測定出力が非常に安定してい
る。このため、熱式流量計1,1Aを半導体チップマウ
ンティング時のハンドリングにおける真空吸着の吸着お
よびリリースの確認に用いた場合、吸着およびリリース
を正確に判断することができる。なぜなら、吸着時と非
吸着時におけるオリフィス内の流量を瞬時に正確かつ安
定して測定することができるからである。したがって、
吸着およびリリースの確認に熱式流量計1,1Aを利用
することにより、実際には吸着しているにも関わらず、
吸着していないと誤判断されることがなくなり吸着確認
を正確に行うことができるとともに、リリースの確認も
行うことができる。これにより、近年、小型化の進む半
導体チップ(例えば0.5mm角)のマウンティング時
におけるハンドリング作業を非常に効率よく行うことが
できる。
に係る熱式流量計1,1Aによれば、ボディ41に形成
された流路空間44に積層体50,50Aを装着して、
主流路Mを構成することにより、被測定流体の最適なバ
イパス比を設定することができるため、リニアな出力特
性を得ることができる。また、積層体50,50Aに
は、主流路Mとセンサ流路Sとの間に配置される3層の
メッシュ部51Mが備わっている。これにより、センサ
流路Sに流れ込む被測定流体の流れが整えられる。した
がって、非常に安定した出力を得ることができる。さら
に、測定チップ11に上流温度検出抵抗体R1、下流温
度検出抵抗体R2、発熱抵抗体Rt、および流体温度検
出抵抗体Rtを設け、電気回路により、発熱抵抗体Rh
と流体温度検出抵抗体Rtとが一定の温度差になるよう
に制御し、上流温度検出抵抗体R1と下流温度検出抵抗
体R2との温度差に基づき被測定流体の流量を測定す
る。これにより、双方向の流量検知ができる。
すぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨
を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であるこ
とはもちろんである。例えば、上記した実施の形態にお
いては、積層体として2種類のものを例示したが、これ
だけに限られず、各薄板51,52,53,56を任意
に組み合わせて積層体を構成することができる。
計によれば、流量を計測するための抵抗体が架設された
センサ流路の他に、前記センサ流路に対するバイパス流
路を備える熱式流量計において、バイパス流路を、抵抗
体を用いた計測原理を行うための電気回路に接続する電
気回路用電極が表面に設けられた基板を、側面開口部を
備える流体流路が形成されたボディに対し、エッチング
加工した薄板を複数枚積層した積層体を介して、側面開
口部を塞ぐようにして密着させることにより形成し、セ
ンサ流路を、抵抗体とその抵抗体に接続する抵抗体用電
極とが設けられた測定チップを、抵抗体用電極と電気回
路用電極とを接着して基板に実装することにより、測定
チップあるいは基板の少なくとも一方に設けられた溝に
よって形成して、測定チップに、流れ方向上流側に設け
られた上流温度検出抵抗体と、流れ方向下流側に設けら
れた下流温度検出抵抗体と、上流温度検出抵抗体と下流
温度検出抵抗体との間に設けられ、上流温度検出抵抗体
と下流温度検出抵抗体とを加熱する発熱抵抗体と、被測
定流体の温度を検出する流体温度検出抵抗体とを設け
て、電気回路により、発熱抵抗体と流体温度検出抵抗体
とが一定の温度差になるように制御し、上流温度検出抵
抗体と下流温度検出抵抗体との温度差に基づき流体流量
を測定することとしたので、双方向の流量検知ができる
とともに、出力特性をリニアにすることができ、かつ応
答性を損なうことなく安定した出力を得ることができ
る。
量5L/min)の概略構成図である。
(b)がA−A断面図である。
(b)がA−A断面図である。
量1L/min)の概略構成図である。
図、(b)がA−A断面図である。
面図であり、(b)がA−A断面図であり、(c)がB
−B断面図である。
す図である。
図である。
出力特性を示す図である。
するための図である。
と吸着時との圧力変化を示す図である。
と吸着時との流量変化を示す図である。
力特性を説明するための図である。
力特性を示す図である。
特性を示す図である。
に対する出力特性を示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 流量を計測するための抵抗体が架設され
たセンサ流路の他に、前記センサ流路に対するバイパス
流路を備える熱式流量計において、 前記バイパス流路は、抵抗体を用いた計測原理を行うた
めの電気回路に接続する電気回路用電極が表面に設けら
れた基板を、側面開口部を備える流体流路が形成された
ボディに対し、エッチング加工した薄板を複数枚積層し
た積層体を介して、前記側面開口部を塞ぐようにして密
着させることにより形成され、 前記センサ流路は、抵抗体とその抵抗体に接続する抵抗
体用電極とが設けられた測定チップを、前記抵抗体用電
極と前記電気回路用電極とを接着して前記基板に実装す
ることにより、前記測定チップあるいは前記基板の少な
くとも一方に設けられた溝によって形成されており、 前記測定チップには、 流れ方向上流側に設けられた上流温度検出抵抗体と、 流れ方向下流側に設けられた下流温度検出抵抗体と、 前記上流温度検出抵抗体と前記下流温度検出抵抗体との
間に設けられ、前記上流温度検出抵抗体と前記下流温度
検出抵抗体とを加熱する発熱抵抗体と、 被測定流体の温度を検出する流体温度検出抵抗体と、が
備わり、 前記電気回路により、前記発熱抵抗体と前記流体温度検
出抵抗体とが一定の温度差になるように制御され、前記
上流温度検出抵抗体と前記下流温度検出抵抗体との温度
差に基づき被測定流体の流量が測定されることを特徴と
する熱式流量計。 - 【請求項2】 請求項1に記載する熱式流量計におい
て、 前記積層体に、前記薄板の両端にメッシュが形成された
メッシュ板が含まれていることを特徴とする熱式流量
計。 - 【請求項3】 請求項2に記載する熱式流量計におい
て、 前記積層体は、前記薄板の縁部を残してその他の部分を
開口させたスペーサを介して前記メッシュ板を積層した
ものであることを特徴とする熱式流量計。 - 【請求項4】 請求項2に記載する熱式流量計におい
て、 前記積層体は、前記薄板の両端に開口部が形成されると
ともに、中央に溝が形成された溝付両端開口板を介して
前記メッシュ板を積層したものであることを特徴とする
熱式流量計。 - 【請求項5】 請求項4に記載する熱式流量計におい
て、 前記積層体は、前記薄板の両端に開口部が形成された両
端開口板を含んでいることを特徴とする熱式流量計。
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JP2003139708A JP3637051B2 (ja) | 2003-05-19 | 2003-05-19 | 熱式流量計 |
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JP2002155021 Division | 2002-05-29 | 2002-05-29 |
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JP2011257004A (ja) * | 2004-02-27 | 2011-12-22 | Horiba Stec Co Ltd | フローリストリクタ |
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2003
- 2003-05-19 JP JP2003139708A patent/JP3637051B2/ja not_active Expired - Fee Related
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