JP3854557B2 - ノズル異常検出システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空吸着により超小型部品を搬送および搭載する部品装着装置における吸着ノズルの異常を検出するノズル異常検出システムに関する。さらに詳細には、吸着ノズルの異常検出を高精度に行うことができるノズル異常検出システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、半導体チップのマウンティング等の小型部品の装着には真空吸着が用いられているが、近年、半導体チップ等の電子部品の小型化が進むにつれて吸着ノズルの孔径も小さくなってきている。例えば、0.5mm角のチップに対しては、孔径が0.5mmあるいは0.3mmの吸着ノズルが用いられている。そして、吸着ノズルの孔径が小さくなると、吸着ノズルの詰まりや潰れ、損傷などのノズルの異常が発生しやすくなる。
【0003】
このため、上記のようなノズルの異常を検出するための装置が種々提案されている。そのうちの1つとして、例えば、特許第3269041号公報に開示されている流量計測手段を用いたノズル詰まり検出装置がある。このノズル詰まり検出装置は、ノズル孔を介してエアーを吸引する真空吸引手段とノズル孔とを連通する真空通路に介設され、ノズル孔を通過する吸引エアーの流量を計測する流量計測手段と、流量計測手段で計測した実流量と、予め記憶されているノズル孔の設計流量とを比較することで、ノズル孔の詰まりを検出するノズル詰まり検出手段とを備えている。
【0004】
そして、このノズル詰まり検出装置では、真空吸引手段の吸引圧力をほぼ一定とした場合、ある断面積の通路を通過する吸引エアーの流量は、通路の断面積に正比例するということを利用して、流量計測手段によりノズル孔を通過する吸引エアーの流量を計測し、この計測値と、予め計測しておいた新品の同一吸着ノズルの設計流量とを比較することで、吸引エアーの流量を実際に計測した吸着ノズルに、どの程度詰まりが生じているかを検出するようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特許第3269041号公報(第1〜2頁、第4図、第8図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した特許第3269041号公報に開示されたノズル詰まり検出装置では、高精度にノズルの異常を検出することができないという問題があった。すなわち、このノズル詰まり検出装置では、ノズル詰まりを引き起こす物質(クリームハンダやキャリアテープ小片や空気中のダスト等)が流量計測手段の劣化原因にもなるため、流量計測手段の計測精度が悪化して誤検出や検出遅れを起こすおそれがあるからである。また、真空流路に流量計測手段が配置されているが、図37に示すように、ノズル500に詰まる物質(クリームハンダ502、ダスト501)の付着の仕方によっては、真空吸引方向のみではノズル詰まりを精度良く検出することができない場合があるからである。すなわち、真空吸引時には、図37(a)に示すように、流量計測手段で計測される流量はほとんど変化しないため、ノズル詰まりは検出されないと考えられる。しかし、実際には図37(b)示すように、ノズル詰まりが発生している。このように、ノズル詰まりを誤検出するおそれがあるのである。
【0007】
また、特許第3269041号公報に開示されたノズル詰まり検出装置では、真空吸引手段の能力の変化によって流量計測手段を通過するエアーの流量が変化した場合などでも、そのときの計測値と、予め計測しておいた新品の同一吸着ノズルの設計流量とを比較するため、誤検出するおそれがある。なぜなら、常に計測値と、予め計測しておいた新品の同一吸着ノズルの設計流量とを比較して、ノズル詰まりを検出しているからである。つまり、ノズル詰まりを判別すための基準値である設計流量が常に一定値であり、これは簡単に修正することができないため、真空吸引手段の能力の変化などに対応することができないのである。このため、真空吸引手段の使用環境に伴う能力の変化などによって、ノズル詰まりが発生していない場合にも、ノズル詰まりであると誤検出されてしまうおそれがある。
【0008】
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、吸着ノズルの異常を精度良く検出することができ、また、吸着ノズルの異常を検出するための異常検出点の変更(修正)を簡単に行うことができるノズル異常検出システムを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するためになされた本発明に係るノズル異常検出システムは、小型部品を吸引吸着およびリリースする吸着ノズルの異常を検出するノズル異常検出システムにおいて、吸着ノズルを通過するエアーの流量を計測する流量計測手段と、吸着ノズルと流量計測手段との間に設けられたフィルタと、吸着ノズルの異常を判別するための異常検出値を記憶する異常検出値記憶手段と、流量計測手段からの出力値と異常検出値記憶手段に記憶されている異常検出値とを比較することにより吸着ノズルの異常を検出する異常検出手段と、を有することを特徴とするものである。
【0010】
このノズル異常検出システムでは、流量計測手段により、吸着ノズルを通過するエアーの流量が計測される。ここで、ある断面積の通路を通過するエアーの流量は、通路の断面積に正比例する。すなわち、通路の断面積が減少すると、その通路を通過するエアーの流量は減少する。したがって、吸着ノズルが詰まったりしてノズルの断面積が減少すると、流量計測手段で計測されるエアーの流量が減少する。つまり、吸着ノズルを通過するエアーの流量に基づき、吸着ノズルの異常を検出することができるのである。
【0011】
そこで、このノズル異常検出システムでは、異常検出値記憶手段に、吸着ノズルの異常を判別するための異常検出値を記憶させているので、異常検出手段により、流量計測手段からの出力値と異常検出値記憶手段に記憶されている異常検出値とを比較することにより吸着ノズルの異常を検出することができる。ここで、このノズル異常検出システムでは、吸着ノズルと流量計測手段との間にフィルタが設けられている。これにより、吸着ノズルが吸引したクリームハンダやキャリアテープ小片や空気中のダスト等が、流量計測手段に入り込むことが確実に防止される。したがって、流量計測手段が劣化しにくいため、検出精度の長期信頼性が向上する。このため、長期間にわたって精度良くノズル異常の検出を行うことができる。
【0012】
また、上記問題点を解決するためになされた本発明に係る別の形態のノズル異常検出システムは、小型部品を吸引吸着およびリリースするための吸着ノズルの異常を検出するノズル異常検出システムにおいて、吸着ノズルを通過するエアーの流量を計測する流量計測手段と、吸着ノズルと流量計測手段との間に設けられたフィルタと、吸着ノズルの異常を検出するための異常検出値を記憶する異常検出値記憶手段と、吸着ノズルの異常を検出する異常検出手段と、を有し、流量計測手段は、吸引時とリリース時との両方で吸着ノズルを通過するエアーの流量を計測可能な双方向検出型の流量計であり、異常検出値記憶手段は、吸引時とリリース時のそれぞれについての異常検出値を記憶しており、異常検出手段は、吸引時とリリース時とのそれぞれの状態ごとに、流量計測手段からのそれぞれの出力値と異常検出値記憶手段に記憶されているそれぞれの異常検出値とを比較することにより吸着ノズルの異常を検出することを特徴とするものである。
【0013】
このノズル異常検出システムでも、吸着ノズルが詰まったりしてノズルの断面積が減少すると、流量計測手段で計測されるエアーの流量が減少することを利用して、吸着ノズルの異常を検出している。具体的には、このノズル異常検出システムでは、流量計測手段に、吸引時とリリース時との両方で吸着ノズルを通過するエアーの流量を計測可能な双方向検出型の流量計を使用している。そして、異常検出値記憶手段に、吸引時とリリース時のそれぞれについて吸着ノズルの異常を判別するための異常検出値を記憶させ、異常検出手段により、吸引時とリリース時とのそれぞれの状態ごとに、流量計測手段からのそれぞれの出力値と異常検出値記憶手段に記憶されているそれぞれの異常検出値とを比較させて吸着ノズルの異常を検出している。このように、吸引時のみならずリリース時にも吸着ノズルの異常を検出するので、ノズル異常の検出精度が向上する。
【0014】
つまり、図37に示すように、吸着ノズルに詰まる物質(クリームハンダ502、ダスト501)の付着の仕方によっては、真空吸引方向のみではノズル詰まりを精度良く検出することができない場合がある。すなわち、真空吸引時には、図37(a)に示すように、流量計測手段で計測される流量はほとんど変化しないため、ノズル詰まりは検出されないと考えられるからである。しかし、このノズル異常検出システムでは、図37(c)示すようなリリース(加圧)時においても吸着ノズルの異常を検出している。このため、図37(b)に示すような付着物の付着具合であっても、吸着ノズルの異常を確実に検出することができるのである。特に、リリース時には、吸着ノズルのクリーニング効果もあることから、リリース時にも吸着ノズルの異常を検出することにより検出精度が大幅に向上する。
【0015】
また、このノズル異常検出システムでも、吸着ノズルと流量計測手段との間にフィルタが設けられているので、上記したように、吸着ノズルが吸引したクリームハンダやキャリアテープ小片や空気中のダスト等が、流量計測手段に入り込むことが確実に防止される。したがって、流量計測手段が劣化しにくいため、検出精度の長期信頼性が向上する。このため、長期間にわたって精度良くノズル異常の検出を行うことができる。
【0016】
ここで、異常検出手段は、吸着ノズルのブローを行った後に流量計測手段から出力される出力値を用いて吸着ノズルの異常を検出することが望ましい。こうすることにより、吸着ノズルがクリーニングされた後に、異常検出手段による吸着ノズルの異常検出が行われるので、より精度良く吸着ノズルの異常を検出することができるからである。
【0017】
本発明に係るノズル異常検出システムにおいては、フィルタは、両端にワンタッチ継ぎ手が備わるインライン形のフィルタであることが望ましい。こうすることにより、フィルタの交換を迅速かつ簡単に行うことができるからである。
【0018】
また、本発明に係るノズル異常検出システムにおいては、任意に設定可能な吸着ノズルの異常度合いと、予め定められた基準流量のエアーを吸着ノズルに流したときにおける流量計測手段からの出力値とに基づいて、吸着ノズルの異常を判断するための異常検出値を自動的に設定する異常検出値設定手段を有し、異常検出設定手段は、新たな異常検出値を設定した場合には、異常検出値記憶手段に記憶されている異常検出値を、新たに設定した異常検出値に変更することが望ましい。
【0019】
このノズル異常検出システムでは、異常検出値設定手段により、吸着ノズルの異常度合いと、予め定められた基準流量のエアーを吸着ノズルに流したときにおける流量計測手段からの出力値(基準時出力値)とに基づいて、吸着ノズルの異常を判断するための異常検出値が自動的に設定される。その後、異常検出設定手段により、新たな異常検出値が設定された場合には、異常検出値記憶手段に記憶されている異常検出値が新たに設定された異常検出値に変更される。
【0020】
なお、「吸着ノズルの異常度合い」とは、正常時における吸着ノズルを通過するエアーの流量に対し、どれぐらいの流量が減少したら異常であると判断するための指標である。例えば、吸着ノズルの詰まりで考えると、25%以上の詰まりを異常であると判別したい場合、吸着ノズルの異常度合いは「25%」となる。
【0021】
ここで、吸着ノズルの異常度合いは、任意に設定可能、つまりオペレータが任意に設定することができる。そして、任意に設定可能な吸着ノズルの異常度合いと流量計測手段の基準時出力値とに基づき異常検出値が自動的に設定される。すなわち、オペレータは、吸着ノズルの異常度合いを設定するだけで、簡単に異常検出値を変更することができる。したがって、システムの使用状況や使用環境などが変化した場合に、簡単に最適な異常検出値を自動的に設定することができる。このため、ノズル異常の検出精度が向上する。
【0022】
さらに、本発明に係るノズル異常検出システムにおいては、流量計測手段は、吸着ノズルを通過するエアーの流量を計測するための抵抗体が架設されたセンサ流路と、センサ流路に対するバイパス流路とを有し、バイパス流路は、抵抗体を用いた計測原理を行うための電気回路に接続する電気回路用電極が表面に設けられた基板を、側面開口部を備える流体流路が形成されたボディに対し、エッチング加工した薄板を複数枚積層した積層体を介して、側面開口部を塞ぐようにして密着させることにより形成され、センサ流路は、抵抗体とその抵抗体に接続する抵抗体用電極とが設けられた測定チップを、抵抗体用電極と電気回路用電極とを接着して基板に実装することにより、測定チップあるいは基板の少なくとも一方に設けられた溝によって形成されており、測定チップには、流れ方向上流側に設けられた上流温度検出抵抗体と、流れ方向下流側に設けられた下流温度検出抵抗体と、上流温度検出抵抗体と下流温度検出抵抗体との間に設けられ、上流温度検出抵抗体と下流温度検出抵抗体とを加熱する発熱抵抗体と、吸着ノズルを通過するエアーの温度を検出する流体温度検出抵抗体と、が備わり、電気回路により、発熱抵抗体と流体温度検出抵抗体とが一定の温度差になるように制御され、上流温度検出抵抗体と下流温度検出抵抗体との温度差に基づき、吸着ノズルを通過するエアーの流量を測定することが望ましい。なお、本明細書における「側面開口部」とは、ボディの側面(言い換えると、入出力ポートが開口していない面)であって基板が装着される面に開口した開口部を意味する。
【0023】
この異常検出システムにおける流量計測手段では、流量計測手段に流れ込んだエアーが、抵抗体が架設されたセンサ流路と、センサ流路に対するバイパス流路とに分流される。そして、抵抗体を用いた計測原理に基づき、センサ流路を流れるエアーの流量、ひいては流量計測手段の内部を流れるエアーの流量が測定される。
【0024】
具体的には、電気回路により、発熱抵抗体と流体温度検出抵抗体とが一定の温度差になるように制御され、上流温度検出抵抗体と下流温度検出抵抗体との温度差に基づきエアーの流量が測定される。このため、順方向(吸引時)の流れの場合には出力が増加し、逆方向(リリース時)の流れの場合には出力が減少する。したがって、エアーの流れ方向を検知することができる。これにより、吸引時とリリース時において、吸着ノズルを通過するエアーの流量を計測することができるので、吸引時とリリース時の両方でそれぞれ吸着ノズルの異常を検出することができる。
【0025】
また、バイパス流路は、抵抗体を用いた計測原理を行うための電気回路に接続する電気回路用電極が表面に設けられた基板を、側面開口部を備える流体流路が形成されたボディに対し、エッチング加工した薄板を複数枚積層した積層体を介して、側面開口部を塞ぐようにして密着させることにより形成されているため、積層体の構成(各薄板の組み合わせ)を変更してバイパス流路の断面積を変化させることができる。そして、バイパス流路の断面積が変化すると、センサ流路とバイパス流路とに分流する被測定流体の割合(バイパス比)が変化する。したがって、積層体の構成を変更することにより、最適な測定レンジを設定することができるので、別途演算回路を設けなくてもリニアな出力特性を得ることができる。
【0026】
これにより、基準流量のエアーの流量が変化した場合には、その変化に比例して基準時出力値も変化する。したがって、使用条件が異なる部品装着装置に本システムを適用した場合、それぞれの装置に対して最適な異常検出値を簡単に決定することができる。その結果、ノズル異常の検出精度が向上する。
【0027】
ここで、バイパス比を変更する場合には、積層体を、薄板の両端に開口部が形成されるとともに、中央に溝が形成された溝付両端開口板を介してメッシュ板を積層したものにすればよい。さらに、積層体に、薄板の両端に開口部が形成された両端開口板を含めてもよい。これらにより、バイパス流路の断面積を減少させることができ、バイパス比を変更することができる。
【0028】
その結果、流量計測手段のフルスケールを変更することができるので、吸着ノズルのノズル径に応じて最適な流量計測手段を使用して流量計測を行うことができる。したがって、どのような吸着ノズルを使用しても、精度良く吸着ノズルを通過するエアーの流量を計測することができるので、吸着ノズルの異常を非常に精度良く行うことができる。
【0029】
そして、本発明に係るノズル異常検出システムにおいては、積層体に、薄板の両端にメッシュが形成されたメッシュ板が含まれていることが好ましい。また、本発明に係る熱式流量計においては、積層体は、薄板の縁部を残してその他の部分を開口させたスペーサを介してメッシュ板を積層したものであることが望ましい。
【0030】
メッシュが形成されたメッシュ板を含めて積層体を形成することにより、非常に流れが整えられたエアーを、センサ流路に流し込むことができるからである。なぜなら、エアーは、メッシュを通過することにより、流れの乱れが減少するからである。したがって、積層体には複数枚のメッシュ板を含めるのがよい。そして、この場合には、各メッシュ板を直接重ねるよりも、所定の間隔をとって重ねる方がよい。より大きな整流効果を得ることができるからである。このため、メッシュ板は、スペーサを介して積層するのが望ましいのである。
【0031】
このようにして、本発明に係るノズル異常検出システムで使用する流量計測手段では、センサ流路を流れるエアーの流れを整えることができるので、非常に安定した出力を得ることができる。また、電気的なフィルタを用いないので、応答性が損なわれることもない。その結果、ノズルの異常検出を精度良く行うことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るノズル異常検出システムを具体化した最も好適な実施の形態について図面に基づき詳細に説明する。そこで、本実施の形態に係るノズル異常検出システムの概略構成を図1に示す。図1は、ノズル異常検出システムのシステム図である。図1に示すように、本実施の形態に係るノズル異常検出システム100には、吸着ノズル101と、インラインフィルタ102,106と、流量センサ1と、切替弁103と、真空ポンプ104と、圧縮空気供給部(例えば、コンプレッサ等)105と、ノズル異常検出システム回路107とが備わっている。なお、図2に示すように、切替弁103、真空ポンプ104、圧縮空気供給部105を設ける代わりに、エジェクタ108を利用してシステムを構成することもできる。
【0033】
吸着ノズル101は、半導体チップなどの小型部品を吸着した状態で搬送した後にリリースして基板などに搭載するといった一連のハンドリング動作を行うためのものである。吸着ノズル101の孔径は、取り扱う部品の大きさによって定まる。本実施の形態における吸着ノズル101の孔径は、0.8mmとなっている。
【0034】
インラインフィルタ102,106は、流量センサ1に空気中のダスト等が入り込まないようにするためのものである。ダスト等が流量センサ1に入り込むと、流量センサ1の応答性や計測精度が悪化して、吸着ノズル101の異常検出の精度が低下するからである。このため、インラインフィルタ102が吸着ノズル101と流量センサ1との間に設けられ、インラインフィルタ106が圧縮空気供給部105と切替弁103との間に設けられている。このインラインフィルタ102,106は、同じ構成のフィルタであり、図3に示すように、内部に流路が形成されたフィルタボディ110の両端にワンタッチ継ぎ手111a,111bが設けられている。これにより、インラインフィルタ102,106の取付あるいは取り外しが、迅速かつ簡単に行えるようになっている。なお、図3は、インラインフィルタ102,106の概略構成を示す断面図である。
【0035】
そして、フィルタボディ110の両端部には、中心付近に形成された中心部流路113a,113bが形成されている。なお、中心部流路113aがワンタッチ継ぎ手111a側に形成され、中心部流路113bがワンタッチ継ぎ手111b側に形成されている。一方、フィルタボディ110の中央部には、外周付近に環状流路114が形成されている。この環状流路114は、内側環状流路114aと外側環状流路114bとによって構成されている。そして、内側環状流路114aと外側環状流路114bとの境目に筒状のフィルタエレメント112が装着されている。このフィルタエレメント112には、圧力損失を考慮して30μm程度のメッシュが形成されたものを使用している。
【0036】
このインラインフィルタ102,106では、図3に矢印で示すように、インラインフィルタ102,106内に流入したエアーは、中心部流路113bから外側環状流路114bへと流れ、フィルタエレメント112を通過して、内側環状流路114aから中心部流路113aへと流れて、インラインフィルタ102,106の外部へ流出するようになっている。そして、インラインフィルタ102,106内に流入したエアーがフィルタエレメント112を通過することにより、空気中のダスト等が除去されるようになっている。これにより、流量センサ1に、空気中のダスト等が入り込まないようにされている。
【0037】
そして、インラインフィルタ102,106では、フィルタエレメント112の交換時期になると、フィルタエレメント112を交換するのではなくフィルタ102,106ごと交換するようになっている。このとき、インラインフィルタ102,106には、ワンタッチ継ぎ手111a,111bが装着されているので、迅速かつ簡単にフィルタ交換を行うことができるようになっている。なお、インラインフィルタ102,106は定期的に交換すれば良いが、所定の基準流量のエアーを吸着ノズルに流したときにおける流量センサ1のセンサ出力が所定値から大きくずれている場合にも交換する必要がある。この場合は、インラインフィルタ102,106で目詰まりを起こしている、つまりフィルタの交換時期であると考えられるからである。
【0038】
図1に戻って、真空ポンプ104は、吸着ノズル101を介してエアーを吸引するためのものである。圧縮空気供給部105は、吸着ノズル101を介してエアーを吐出するためのものである。切替弁103は、吸着ノズル101と真空ポンプ104とを接続するか、あるいは吸着ノズル101と圧縮空気供給部105とを接続するかを切り替えるためのものである。つまり、吸着ノズル101を介してエアーを吸引するのか、あるいは吐出するのかを切り替えるものである。
【0039】
流量センサ1は、吸着ノズル101を流れるエアーの流量を計測するための熱式流量計である。この流量センサ1の概略構成を図4に示す。図4は、流量センサ1を示す断面図である。図4に示すように、流量センサ1は、ボディ41とセンサ基板21と積層体50とを有するものである。そして、積層体50がボディ41の流路空間44に装着された状態で、センサ基板21がシールパッキン48を介しボディ41にネジにより固定され密着されている。これにより、センサ流路S、およびセンサ流路Sに対するバイパス流路である主流路Mが形成されている。
【0040】
ボディ41は、図5および図6に示すように、直方体形状のものであり、左右対称に構成されている。なお、図5は、ボディ41を示す平面図である。図6は、図5におけるA−A断面図である。このボディ41には、両端面に入口ポート42と出口ポート46とが形成されている。そして、入口ポート42からボディ中央に向かって入口流路43が形成され、同様に出口ポート46からボディ中央に向かって出口流路45が形成されている。なお、入口流路43および出口流路45は、主流路Mの下方に形成されている。つまり、入口流路43および出口流路45は主流路Mに対して、同一直線上には配置されていない。
【0041】
また、ボディ41の上部には、主流路Mおよびセンサ流路Sを形成するための流路空間44が形成されている。この流路空間44の横断面は、長方形の両短辺を円弧状(半円)にした形状になっており、その中央部に円弧状の凸部44Cが形成されている。凸部44Cは、積層体50(各薄板)の位置決めを行うためのものである。そして、流路空間44の下面の一部が入口流路43および出口流路45に連通している。すなわち、入口流路43と出口流路45とがそれぞれ90度に屈曲したエルボ部43Aと45Aを介して流路空間44に連通されている。さらに、流路空間44の外周に沿うようにボディ41の上面には、シールパッキン48を装着するための溝49が形成されている。
【0042】
積層体50は、図7に示すように、2種類の薄板を合計11枚積層したものである。なお、図7は、積層体50の構造を示す分解斜視図である。この積層体50は、下から順に、メッシュ板51、スペーサ52,52,52、メッシュ板51、スペーサ52,52、メッシュ板51、スペーサ52,52、およびメッシュ板51が積層されて接着されたものである。これらメッシュ板51およびスペーサ52は、ともに厚さが0.5mm以下であり、エッチングにより各形状の加工(マイクロマシニング加工)がなされたものである。そして、その投影形状は流路空間44の横断面形状と同じになっている。これにより、積層体50が流路空間44に隙間なく装着されるようになっている。
【0043】
そして、このような組み合わせの積層体50を流路空間44に装着することにより、流量センサ1のフルスケール流量が5L/minとなっている。つまり、積層体50を構成する薄板の形状(組み合わせ)を変更することにより、主流路Mの断面積が変化しバイパス比が変わるので、任意の流量レンジを設定することができるのである。
【0044】
ここで、個々の薄板について説明する。まず、メッシュ板51について、図8、図9を用いて説明する。なお、図8(a)はメッシュ板51を示す平面図であり、図8(b)は図8(a)におけるA−A断面図である。図9は、メッシュ板51のメッシュ部51Mの拡大図である。メッシュ板51は、図8に示すように、その両端にメッシュ部51Mが形成された厚さが0.3mmの薄板である。メッシュ部51Mは、直径4mmの円形状であり、図9に示すように、メッシュを構成する孔(直径0.2mm)の中心間距離がすべて0.27mmとなるように形成されている。すなわち、各孔の中心が正三角形の各頂点となるように孔が形成されている。なお、メッシュ部51Mの厚さは、図8(b)に示すように他の部分よりも薄くなっており、その厚さは、0.05〜0.1mmとなっている。
【0045】
次に、スペーサ52について、図10を用いて説明する。なお、図10(a)は、スペーサ52を示す平面図であり、図10(b)は、図10(a)におけるA−A断面図である。スペーサ52は、図10に示すように、外周部52Bを残すようにエッチング加工されたものである。これにより、スペーサ52には、開口部61が形成されている。なお、スペーサ52の厚さは、0.5mmである。
【0046】
ここで、図4に戻って、上記したメッシュ板51およびスペーサ52を組み合わせて、図7に示すように積層して接着した積層体50を流路空間44に装着することにより、主流路Mが形成されている。より詳細に言うと、スペーサ52の開口部61により主流路Mが形成されている。また、メッシュ板51に設けられたメッシュ部51と、スペーサ52に設けられた開口部61とによって、連絡流路5,6が形成されている。連絡流路5は、入口流路43と主流路Mおよびセンサ流路Sとを連通させるものであり、連絡流路6は、出口流路45と主流路Mおよびセンサ流路Sとを連通させるものである。
【0047】
そして、主流路Mとセンサ流路Sとの間に、メッシュ部51Mが3層配置されている。各メッシュ部51Mの間隔は、2枚のスペーサ52の厚さ分(1.0mm)になっている。これにより、流れが整えられたエアーを、センサ流路Sに流し込むことができるようになっている。流量センサ1に流入したエアーは、各メッシュ部51Mを通過するたびに、流れの乱れを減少させられるからである。さらに、エルボ部43A,45Aと流路空間44(主流路M)との連通部にもメッシュ部51が配置されている。
【0048】
一方、センサ基板21は、測定流量を電気信号として出力するものである。このためセンサ基板21には、図11に示すように、ベースとなるプリント基板22の表面側(ボディ41への装着面側)において、その中央部に溝23が加工されている。そして、この溝23の両側に、電気回路用電極24,25,26,27,28,29が設けられている。一方、プリント基板22の裏面側には、電気素子31、32、33、34などで構成される電気回路が設けられている(図4参照)。そして、プリント基板22の中で、電気回路用電極24〜29が電気素子31〜34などで構成される電気回路と接続されている。さらに、プリント基板22の表面側には、後述するようにして、測定チップ11が実装されている。
【0049】
ここで、測定チップ11について、図12を用いて説明する。なお、図12は、測定チップ11を示す平面図である。測定チップ11は、図12に示すように、シリコンチップ12に対して、半導体マイクロマシニングの加工技術を実施したものであり、このとき、チップ中央に溝13が加工されるとともに、抵抗体(熱線)用電極14,15,16,17、18,19がチップ両端に設けられる。
【0050】
また、このとき、上流温度検出抵抗体R1が、抵抗体用電極15,17から延設されるとともに溝13の上に架設される。さらに、下流温度検出抵抗体R2が、抵抗体用電極17,19から延設されるとともに溝13の上に架設される。さらにまた、発熱抵抗体Rhが、上流温度検出抵抗体R1と下流温度検出抵抗体R2との間に、抵抗体用電極16,18から延設されるとともに溝13の上に架設される。また、測定チップ11においては、センサ流路Sの順方向上流側に流体温度検出抵抗体Rtが、抵抗体用電極14,16から延設される。
【0051】
そして、測定チップ11の熱線用電極14,15,16,17,18,19を、センサ基板21の電気回路用電極24,25,26,27,28,29(図11参照)のそれぞれと、半田リフロー又は導電性接着剤などで接合することによって、測定チップ11をセンサ基板21に実装している。したがって、測定チップ11がセンサ基板21に実装されると、測定チップ11に設けられた流体温度検出抵抗体Rt、上流温度検出抵抗体R1、下流温度検出抵抗体R2、および発熱抵抗体Rhは、測定チップ11の抵抗体用電極14〜19と、センサ基板21の電気回路用電極24〜29(図11参照)とを介して、センサ基板21の裏面側に設けられた電気回路に接続されることになる。これにより、図13に示す定温度差回路と、図14に示す出力回路とが構成される。
【0052】
ここで、図13に示す定温度差回路は、発熱抵抗体Rhを、流体温度検出抵抗体Rtで検出される流体温度と一定の温度差をもつように制御するための回路である。また、図13に示す出力回路は、上流温度検出抵抗体R1と下流温度検出抵抗体R2との温度差に相当する電圧値を出力するための回路である。この出力回路では、上流温度検出抵抗体R1と下流温度検出抵抗体R2とが直列に接続され、定電圧Vcが印可されるようになっている。そして、上流温度検出抵抗体R1と下流温度検出抵抗体R2との中点電位Voutが測定信号として出力されるようになっている。
【0053】
また、測定チップ11がセンサ基板21に実装されると、測定チップ11の溝13は、センサ基板21の溝23と重なり合う。よって、図4に示すように、測定チップ11が実装されたセンサ基板21を、ボディ41に対して、積層体50およびシールパッキン48を介して密着すると、ボディ41の流路空間44において、センサ基板21と測定チップ11との間に、測定チップ11の溝13やセンサ基板21の溝23などからなる細長い形状のセンサ流路Sが形成される。そのため、センサ流路Sには、流体温度検出抵抗体Rt、上流温度検出抵抗体R1、下流温度検出抵抗体R2、および発熱抵抗体Rhが橋を渡すように設けられることになる。
【0054】
ここで、上記した流量センサにおいて、フルスケール流量を変更する場合について説明する。以下の説明では、フルスケール流量を1L/minとした場合について説明する。そこで、フルスケール流量が1L/minの流量センサの概略構成を図15に示す。図15は、流量センサ1Aを示す断面図である。図15に示すように、流量センサ1Aは、流量センサ1とほぼ同様の構成を有するものであるが、流路空間44に積層体50の代わりに積層体50Aが装着されている点が異なる。すなわち、流量センサ1Aには、主流路Mの断面積を小さくするための積層体50Aが流路空間44に装着されている。このため、流量センサ1と異なる点を中心に説明し、流量センサ1と同様の構成のものについては、同じ符号を付してその説明を省略する。なお、この流量センサ1Aは、後述するギャップ検出システムに使用する流量センサである。
【0055】
そこで、積層体50Aについて、図16を用いて説明する。なお、図16は、積層体50Aの構造を示す分解斜視図である。積層体50Aは、図16に示すように、3種類の薄板を合計11枚積層したものである。すなわち、下から順に、メッシュ板51、両端開口板53、溝付両端開口板56、メッシュ板51、溝付両端開口板56,56、メッシュ板51、溝付両端開口板56,56,56、およびメッシュ板51が積層されて接着されたものである。すなわち、積層体50Aは、積層体50におけるスペーサ52の代わりに、両端開口板53と溝付両端開口板56を用いたものである。
【0056】
ここで、両端開口板53について、図17を用いて説明する。なお、図17(a)は両端開口板53を示す平面図であり、図18(b)は図18(a)におけるA−A断面図である。両端開口板53は、図17に示すように、外周部53Bと中央部53Dとを残すようにエッチング加工されたものである。これにより、両端開口板53には、その両端に開口部63が形成されている。なお、両端開口板53の厚さは、0.5mmである。
【0057】
また、溝付両端開口板56について、図18を用いて説明する。なお、図18(a)は溝付両端開口板56を示す平面図であり、図18(b)は図18(a)におけるA−A断面図であり、図18(c)は図18(a)におけるB−B断面図である。溝付両端開口板56は、図18に示すように、外周部56Bと中央部56Dとを残し、中央部56Dに溝56Eが形成されるようにエッチング加工されたものである。すなわち、溝付両端開口板56は、両端開口板53の中央部53D(図17参照)に溝56Eを設けたものである。そして、中央部56Dには、片面に3本の溝56Eが形成されている。この溝56Eの深さは0.35mmであり、溝55Eの幅は1.1mmである。そして、隣り合う溝の間隔は0.2mmとなっている。なお、溝付両端開口板56の厚さは、0.5mmである。
【0058】
これらメッシュ板51、両端開口板53、および溝付両端開口板56を、図16に示すように積層して接着した積層体50Aをボディ41に形成された流路空間44に装着することにより、図15に示すように、両端開口板53の中央部53D、および溝付両端開口板56の中央部56Dによって、主流路Mの断面積が減少している。これにより、バイパス比が変化しフルスケール流量が1L/minとなるようにされている。このように、積層体の構成を変更することにより、任意の流量レンジを設定することができるようになっているのである。
【0059】
そして、上記した流量センサ1は、図1に示すように、ノズル異常検出システム回路107に接続されている。ノズル異常検出システム回路107は、流量センサ1からのセンサ出力に基づいて吸着ノズル101の詰まりや漏れなどの異常を検出するためのものである。ノズル異常検出システム回路107には、図19に示すように、異常検出値記憶部120と、異常検出部121と、自動設定部122と、検出ポイント入力部123とが備わっている。なお、図19は、ノズル異常検出システム回路107の構成を示すブロック図である。
【0060】
異常検出値記憶部120は、吸着ノズル101が異常であるか否かを判断するための判断値である異常検出値を記憶しているものである。異常検出部121は、流量センサ1からのセンサ出力と異常検出値記憶部120に記憶されている異常検出値とを比較することにより、吸着ノズル101が異常であるか否かを判断し、異常である判断した場合には異常信号を出力するものである。そして、通常使用時(使用モード)においては、異常検出部121により、流量センサ1からのセンサ出力と異常検出値記憶部120に記憶されている異常検出値とに基づいて吸着ノズルの異常検出が行われるようになっている。
【0061】
また、検出ポイント入力部123は、異常であると検出したいノズル詰まり等の程度(パーセント表示など)を入力するためのものである。自動設定部122は、検出ポイント入力部123に対する入力値に対応する異常検出値を算出し、その算出した異常検出値を異常検出値記憶部120に記憶させるものである。この自動設定部122では、検出ポイント入力部123に新たな検出ポイントが入力されると、基準流量のエアーを吸着ノズル101に流して、そのときにおける流量センサ1からのセンサ出力(以下、「基準時センサ出力」という。)を取得し、その取得したセンサ出力に基づき新たに入力された検出ポイントに対応する異常検出値を算出するようになっている。
【0062】
このように、ノズル異常検出システム回路107には、使用モードの他に、新たな異常検出値を自動的に設定することができる設定モードが設けられている。この設定モードは、検出ポイント入力部123に対する入力があった場合、あるいは所定期間内に検出ポイント入力部123に対する入力がまったくない場合に実行されるモードである。なお、所定期間内に検出ポイント入力部123に対する入力がまったくない場合には、以前に入力された検出ポイント(あるいは初期値)に基づき異常検出値の算出が実行される。
【0063】
このようなノズル異常検出システム100に設定モードが設けられているので、異常検出値を簡単に変更することができるようになっている。これにより、真空ポンプ104の性能変化が生じた場合などでも、適切な異常検出値が自動的に設定されるので、吸着ノズル101の異常を非常に精度良く行うことができるのである。
【0064】
次に、上記した構成を有するノズル異常検出システム100の作用について、使用モードと設定モードとに分けて説明する。なお、使用モードは、通常時におけるノズル異常検出を行うためのモードである。また、設定モードは、異常検出値を変更(修正)するためのモードである。
【0065】
まず、使用モードにおける作用について、図20を用いて説明する。図20は、流量センサ1によって計測されるエアーの流量変化を示すタイミングチャートである。使用モードにおいて、真空ポンプ104が駆動されると、吸着ノズル101を介してエアーが吸引される。このとき、流量センサ1により、吸着ノズルを流れるエアーの流量が計測される。そして、流量センサ1からのセンサ出力がノズル異常検出システム回路107に入力される。そうすると、異常検出部121において、流量センサ1からのセンサ出力値と異常検出値記憶部120に記憶されている異常検出値(吸引側)とが比較される。そのとき、流量センサ1からのセンサ出力値が異常検出値(吸引側)よりも小さい場合、吸着ノズル101に異常が発生していると判断されて異常信号が出力される。
【0066】
そして、吸着ノズル101に小型部品が吸着されると、流量センサ1にはエアーが流れなくなる。なお、このときに、流量センサ1においてエアーの流量が計測される場合は、吸着ノズル101において吸着ミスが発生していると考えれる。この吸着ミスの検出に関しては後述する。そして、小型部品は吸着ノズル101に吸着された状態で搬送される。
【0067】
その後、切替弁103により、吸着ノズル101と圧縮空気供給部105とが接続され、吸着ノズル101を介してエアーが吐出される。これにより、吸着ノズル101に真空吸着されていた小型部品がリリースされ、小型部品が基板などに搭載される。このリリース時においても、流量センサ1により吸着ノズル101を流れるエアーの流量が計測される。そして、流量センサ1からのセンサ出力がノズル異常検出システム回路107に入力される。そうすると、異常検出部121により、流量センサ1からのセンサ出力値と異常検出値記憶部120に記憶されている異常検出値(加圧側)とが比較される。そのとき、流量センサ1からの出力値が異常検出値(加圧側)よりも小さい場合、吸着ノズル101に異常が発生していると判断されて異常信号が出力される。特に、流量センサ1からの出力値が流量ゼロに相当する場合は、小型部品が吸着ノズル101からリリースされなかったことを示しており、リリース異常となる。
【0068】
以後、上記した動作が繰り返されることにより、小型部品の吸着、搬送、および搭載が規則的に行われる。そして、吸引時とリリース時との両時点において、吸着ノズル101の異常の検出を行う。したがって、吸着ノズル101において、詰まり物質が図37に示すように付着して吸着時に吸着ノズル101の異常を検出することができなかったとしても、リリース時に吸着ノズル101の異常を確実に検出することができる。このため、吸着ノズル101の異常を非常に精度良く検出することができる。
【0069】
特に、図21に示すように、リリース後に吸着ノズル101から吐出するエアーの流量を増やして、吸着ノズル101をクリーニングするためのブロー行程を行うようにしてもよい。これにより、吸着ノズル101の詰まりを未然に防止することができるからである。そして、このブロー行程を実施する場合には、ブロー行程を実施した後に流量センサ1から出力されるセンサ出力値を用いて、異常検出部120における吸着ノズル101の異常検出を行うようにするのがよい。こうすることにより、吸着ノズル101がクリーニングされた後に、吸着ノズル101の異常検出が行われるので、より精度良く吸着ノズル101の異常を検出することができるからである。
【0070】
また、本実施の形態に係るノズル異常検出システム100においては、吸着ノズル101と流量センサ1との間に、インラインフィルタ102が設けれている。このため、吸引時に流量センサ1に空気中のダスト等が入り込まない。さらに、圧縮空気供給部105と流量センサ1との間に、インラインフィルタ106が設けられている。このため、リリース時にも流量センサ1に空気中のダスト等が入り込まない。
【0071】
したがって、図22に示すように、流量センサ1の劣化が防止される。すなわち、インラインフィルタ102.106を設けていない場合には、1ヶ月程度使用すると、流量センサ1の劣化により計測精度が低下し、吸着ノズル101の異常を誤検出してしまうのに対し、インラインフィルタ102,106を設けた場合には、流量センサ1の劣化が防止されるので、1ヶ月程度の使用では吸着ノズル101の異常を誤検出することがない。このように、本実施の形態に係るノズル異常検出システム100では、流量センサ1が劣化しにくいため、流量センサ1の計測精度の長期信頼性が向上する。これにより、長期間にわたって吸着ノズル101の異常を精度良く検出することができる。
【0072】
また、流量センサ1に空気中のダスト等が入り込むと、図23に示すように、流量センサ1の熱容量が増加するため応答速度が低下してしまう。流量センサ1の応答速度が低下すると、吸着ノズル101を流れるエアーの流量変化に追従することができなくなり、吸着ノズル101の異常を誤検出してしまうおそれがある。しかしながら、本実施の形態に係るノズル異常検出システム100では、インラインフィルタ102,106を設けているので、流量センサ1に空気中のダスト等が入り込まない。これにより、流量センサ1の熱容量の増加が防止される。したがって、流量センサ1の応答速度の低下を防止することができる。その結果として、吸着ノズル101の異常を精度良く検出することができる。
【0073】
ここで、吸着ノズル101の異常をより精度良く検出するためには、流量センサ1が高精度の流量計測を行えることが必要となる。また、上記した小型部品の吸着、搬送、および搭載というハンドリング動作は短時間で行われるため、流量センサ1には高い応答性も必要となる。なぜなら、吸着ノズル101の異常を流量センサ1からのセンサ出力に基づき検出するからである。そこで、流量センサ1,1Aの作用を説明して、流量センサ1,1Aが高精度な流量計測が可能であり、また応答性に優れていることを述べる。
【0074】
まず、流量センサ1,1Aにおいては、順方向の流れ(吸引側)の場合には、入口ポート42を介して入口流路43へ流れ込んだエアーは、流路空間44にて、主流路Mへ流れ込むものと、センサ流路Sへ流れ込むものとに分流される。そして、主流路Mおよびセンサ流路Sから流れ出したエアーは、合流して、出口流路45を介して出口ポート46からボディ41の外部に流れ出す。
【0075】
一方、逆方向の流れ(リリース側)の場合には、出口ポート46を介して出口流路45へ流れ込んだエアーは、流路空間44にて、主流路Mへ流れ込むものと、センサ流路Sへ流れ込むものとに分流される。そして、主流路Mおよびセンサ流路Sから流れ出したエアーは、合流して、入口流路43を介して入口ポート42からボディ41の外部に流れ出す。
【0076】
ここで、エアーが順方向(吸引側)あるいは逆方向(リリース側)のいずれの方向に流れても、センサ流路Sへ流れ込むエアーは、積層体50あるいは50A内における3層のメッシュ部51Mを通過した後に、センサ流路Sに流れ込む。したがって、非常に流れが整えられた状態のエアーが、センサ流路Sを流れる。
【0077】
そして、センサ流路Sを流れるエアーは、センサ流路Sに橋設された発熱抵抗体Rhから熱を奪う。そうすると、センサ基板21の裏面側に設けられた電気回路(図13に示す定温度差回路)により、流体温度検出抵抗体Rtと発熱抵抗体Rhとが一定の温度差になるように制御される。
【0078】
また、センサ基板21の裏面側に設けられた電気回路(図14に示す出力回路)により、直列に接続され定電圧Vcが印可された上流温度検出抵抗体R1と下流温度検出抵抗体R2との中点電位Voutが測定信号として出力される。このとき、エアーが順方向の流れの場合には、上流温度検出抵抗体R1の温度(抵抗値)が低下し、下流温度検出抵抗体R2の温度(抵抗値)が増加するため、中点電位Voutが増加する。一方、エアーが逆方向の流れの場合には、上流温度検出抵抗体R1の温度(抵抗値)が増加し、下流温度検出抵抗体R2の温度(抵抗値)が低下するため、中点電位Voutは低下する。このため、エアーの流れ方向を検知することができる。すなわち、吸引時とリリース時の両方において、吸着ノズル101を流れるエアーの流量を計測することができる。
【0079】
このときの出力の一例を、図24、図25に示す。図24、図25は、流量と出力電圧との関係を示したものである。そして、図24のグラフは、流量センサ1からの出力を示したものである。図25のグラフは、流量センサ1Aからの出力を示したものである。
【0080】
図24、図25から明らかなように、エアーが順方向(吸引側)に流れた場合には、流量が大きくなるにつれて出力が大きくなる。逆に、エアーが逆方向(リリース側)に流れた場合には、流量が大きくなるにつれて出力が小さくなる。これにより、流量センサ1,1Aによれば、エアーの流れ方向を検出することができる。
【0081】
また、流量センサ1,1Aの出力特性はともに、従来の流量センサ(特開2002−5717号公報記載のものなど)の出力特性(図28に示す従来技術の波形を参照)に比べ、直線性が大幅に改善されていることがわかる。すなわち、流量センサ1,1Aによれば、リニアな出力特性を得ることができる。これは、主流路Mを積層体50,50Aにより構成して、各測定レンジに最適なバイパス比を設定したからである。このように、流量センサ1,1Aによれば、エアーの流量を双方向において正確に計測することができる。つまり、流量センサ1を使用してシステムを構成しているノズル異常検出システム100では、吸引時とリリース時の両方において、吸着ノズル101を流れるエアーの流量を正確に計測することができる。これにより、吸着ノズル101の異常検出を非常に精度良く行うことができるのである。
【0082】
また、流量センサ1の別の出力例を図26に示す。図26は、時間と出力電圧との関係を示したものである。図26から明らかなように、ふらつきが少なく安定していることがわかる。すなわち、流量センサ1によれば、出力の振幅幅が小さく非常に安定した出力を得ることができるのである。そして、電気的フィルタを用いていないので、応答性を損なうこともない。
【0083】
ここで、この振動幅の出力値に対する比率をノイズと定義すると、発明者の計測によると、従来の流量センサにおけるノイズが「±39.5(%FS)」であったのに対し、流量センサ1におけるノイズは「±0.7(%FS)」であった。すなわち、流量センサ1によれば、ノイズを約1/50にすることができるのである。これは、上記したようにセンサ流路Sを流れるエアーの流れが非常に整ったものになっているからである。
【0084】
このように、流量センサ1によれば、安定した出力を得ることができるので、今まではセンサ出力のノイズが大きかったために、検出することができなかった微少な詰まり等であっても正確に検出することができる。つまり、非常に高精度な異常検出を行うことができるのである。
【0085】
なお、ここでは流量センサ1について述べたが、流量センサ1よりもフルスケール流量が小さい流量センサ1Aでも同様の結果が得られたことは言うまでもない。なぜなら、測定流量が小さくなれば、出力のふらつきは小さくなるからである。
【0086】
このように流量センサ1,1Aは、吸引時およびリリース時において流量計測が可能であり、また応答性(約20msec)を損なうことなく測定出力が非常に安定している。このため、流量センサ1,1Aを小型部品の真空吸着およびリリース時において行う吸着ノズル101の異常検出を高精度に行うことができる。なぜなら、吸着時と非吸着時におけるオリフィス内の流量を瞬時に正確かつ安定して測定することができるからである。
【0087】
したがって、吸着ノズル101の異常を検出するために、流量センサ1,1Aを利用することにより、吸引時とリリース時の両方において、吸着ノズル101を流れるエアーの流量を、非常に短時間で精度良く計測することができるので、吸着ノズル101の異常検出を非常に精度良く行うことができる。
【0088】
続いて、設定モードにおける作用について、図27を用いて説明する。図27は、設定モードにおける処理内容を示すフローチャートである。まず、オペレータにより、設定モードボタンが押されると設定モードが開始される(S1)。そして、設定モードが開始されると、検出ポイントの変更があるか否かが確認される(S2)。検出ポイントを変更する場合には(S2:YES)、新たな検出ポイントを検出ポイント入力部123から入力する(S9)。このとき入力された検出ポイントは、自動設定部122に取得される。
【0089】
新たな検出ポイントが入力されると、真空ポンプ104が駆動され真空吸引が開始される(S3)。このときの真空吸引は、予め定められた基準流量が吸着ノズル101を流れるように行われる。なお、S2において、検出ポイントの変更がないと判断された場合には(S2:NO)、S9の処理が行われることなく、真空ポンプ104が駆動され、吸着ノズル101を介してエアーの吸引が開始される(S3)。そして、その基準流量が流量センサ1により計測される(S4)。そうすると、計測結果である基準時センサ出力(吸引側)が自動設定部122に入力される。
【0090】
かくして、自動設定部122は、検出ポイントと基準時センサ出力(吸引側)を取得すると、これらの値に基づいて異常検出値(吸引側)を自動的に設定する(S5)。なお、自動設定部122は、S9の処理が行われずに新たな検出ポイントを取得してない場合には、以前に取得した検出ポイントを使用して異常検出値(吸引側)を設定する。ただし、過去に一度もS9の処理が行われていない場合には、自動設定部122は、予め設定されている検出ポイント(初期値)を使用して異常検出値(吸引側)を設定する。
【0091】
このようにして、吸引側の異常検出値が設定されると、切替弁103により、圧縮空気供給部105と流量センサ1とが接続される。次いで、圧縮空気供給部105が駆動され、吸着ノズル101を介してエアーの吐出が開始される(S6)。このときのエアーの吐出は、予め定められた基準流量が吸着ノズル101を流れるように行われる。そして、その基準流量が流量センサ1により計測される(S7)。そうすると、計測結果である基準時センサ出力(リリース側)が自動設定部122に入力される。
【0092】
かくして、自動設定部122は、検出ポイントと基準時センサ出力(リリース側)を取得すると、これらの値に基づいて異常検出値(リリース側)を自動的に設定する(S8)。なお、自動設定部122は、S9の処理が行われずに新たな検出ポイントを取得してない場合には、以前に取得した検出ポイントを使用して異常検出値(リリース側)を設定する。ただし、過去に一度もS9の処理が行われていない場合には、自動設定部122は、予め設定されている検出ポイント(初期値)を使用して異常検出値(リリース側)を設定する。
【0093】
以上のようにして設定モードが実行されると、自動的に異常検出値(吸引側とリリース側の2つ)が自動的に設定される。そして、自動設定部122によって設定された新たな異常検出値は、異常検出値記憶部120に入力されて記憶される。これにより、その後の吸着ノズル101の異常検出は、設定モードで新たに設定された異常検出値に基づいて行われることになる。
【0094】
そして、流量センサ1の出力特性が図28に示すようにリニアであるため、自動設定部122における異常検出値の算出を非常に簡単かつ正確に行うことができる。また、従来の流量センサ(従来技術)に比べ、検出ポイントとセンサ出力(異常検出値)とが比例関係にあるため、検出ポイントをシステムの使用状況に応じて様々に変更しても(図28では6ポイントのみ例示しているが、これ以外の検出ポイントを入力することもできる)、その変更に対応して常に正確な異常検出値が自動的に設定される。したがって、吸着ノズル101の異常を常に精度良く検出することができる。すなわち、本実施の形態に係るノズル異常検出システム100は、様々な使用ニーズに対応することができるのである。
【0095】
続いて、本発明の変形例について説明する。ここでは、本発明に係るノズル異常検出システムにて、吸着ミスの検出を行う場合と、小型部品と吸着ノズルとのギャップの検出を行う場合について説明する。
【0096】
まず、吸着ミスの検出を行う場合について説明する。この場合におけるシステム構成を図29を用いて説明する。図29は、吸着ミス検出システム200の構成を示すシステム図である。この吸着ミス検出システム200は、複数ノズルの吸着ミスを検出するためのものである。基本的な構成は、上記したノズル異常検出システム100と同じであるが、複数の吸着ノズル101aが備わっている点と、ノズル異常検出システム回路107の代わりに吸着ミス検出システム回路207が備わっている点が異なる。そこで、以下の説明では、これらの相違点を中心に説明し、同じ構成のものについては同符号を付して説明を省略する。
【0097】
吸着ミス検出システム200には、図29に示すように、4本の吸着ノズル101aと、インラインフィルタ102,106と、流量センサ1と、切替弁103と、真空ポンプ104と、圧縮空気供給部(例えば、コンプレッサ等)105と、吸着ミス検出システム回路207と、ターミナル209とが備わっている。
【0098】
吸着ノズル101aは、上記した吸着ノズル101と基本的には同じものであるがノズル径が異なり、0.2mmとなっている。そして、4本の吸着ノズル101aは、ターミナル209を介してインラインフィルタ102、さらには流量センサ1に接続されている。これにより、4本の吸着ノズル101aに流れるエアー流量の合計が流量センサ1で計測されるようになっている。
【0099】
吸着ミス検出システム回路207は、流量センサ1からのセンサ出力に基づいて吸着ノズル101aにおける吸着ミスを検出するためのものである。この吸着ミス検出システム回路207には、図30に示すように、吸着ミス検出値記憶部220と、吸着ミス検出部221と、自動設定部222と、検出ポイント入力部223とが備わっている。なお、図30は、吸着ミス検出システム回路207の回路構成を示すブロック図である。
【0100】
吸着ミス検出値記憶部220は、4本の吸着ノズル101aにおいて吸着ミスが発生したか否かを判断するための判断値である吸着ミス検出値を記憶しているものである。吸着ミス検出部221は、流量センサ1からのセンサ出力と吸着ミス検出値記憶部220に記憶されている吸着ミス検出値とを比較することにより、4本の吸着ノズル101aのうち何本のノズルで吸着ミスが発生しているかを判断し、吸着ミスが発生していると判断した場合に吸着ミス信号を出力するものである。そして、通常使用時(使用モード)においては、吸着ミス検出部221により、流量センサ1からのセンサ出力と吸着ミス検出値記憶部220に記憶されている吸着ミス検出値とに基づいて吸着ノズル101aにおける吸着ミスの検出が行われるようになっている。
【0101】
また、検出ポイント入力部223は、吸着ミスであると検出したいノズルの漏れ等の程度(パーセント表示など)を入力するためのものである。自動設定部222は、検出ポイント入力部223に対する入力値に対応する吸着ミス検出値を算出し、その算出した吸着ミス検出値を吸着ミス検出値記憶部220に記憶させるものである。この自動設定部222では、検出ポイント入力部223に新たな検出ポイントが入力されると、基準流量のエアーを吸着ノズル101aに流して、そのときにおける流量センサ1からのセンサ出力(基準時センサ出力)を取得し、その取得したセンサ出力に基づき新たに入力された検出ポイントに対応する吸着ミス検出値を算出するようになっている。
【0102】
このように、吸着ミス検出システム回路207には、使用モードの他に、新たな吸着ミス検出値を自動的に設定することができる設定モードが設けられている。この設定モードは、検出ポイント入力部223に対する入力があると実行されるモードである。吸着ミス検出システム200に設定モードが設けられているので、吸着ミス検出値を簡単に変更することができる。これにより、真空ポンプ104の性能変化が生じた場合などでも、適切な吸着ミス検出値が自動的に設定されるので、吸着ノズル101aにおける吸着ミスを非常に精度良く行うことができるのである。
【0103】
そして、吸着ミスの検出を行うために、流量センサ1を使用している。この流量センサ1の出力特性は図31に示すようにリニアであるため、複数箇所の吸着ミスをより正確に検出することができる。また、設定モードおいては、自動設定部222における吸着ミス検出値の算出を非常に簡単かつ正確に行うことができる。
【0104】
次に、小型部品と吸着ノズルとの間の距離、つまりギャップの検出を行う場合について説明する。小型部品を吸着する場合には、吸着ノズルを小型部品に対して一定の位置まで近づけ、その位置で一定のギャップを保った状態で、吸着ノズルにより小型部品を吸引吸着する。小型部品に吸着ノズルを衝突させると、小型部品が破損するからである。このため、従来は各種センサにより、小型部品と吸着ノズルとのギャップを検出していた。
【0105】
しかしながら、本発明のノズル異常検出システムを利用すれば、ギャップを計測するためのセンサを不要にすることができる。このギャップ検出システムにおけるシステム構成を図32を用いて説明する。図32は、ギャップ検出システム300の構成を示すシステム図である。このギャップ検出システム300は、小型部品と吸着ノズル101bとの間の距離、つまりギャップを検出するためのものである。基本的な構成は、上記したノズル異常検出システム100と同じであるが、吸着ノズル101bの孔径が0.29mmである点と、流量センサ1の代わりに流量センサ1A(フルスケール流量1L/min)を使用している点、およびノズル異常検出システム回路107の代わりにギャップ検出システム回路307が備わっている点が異なる。そこで、以下の説明では、これらの相違点を中心に説明し、同じ構成のものについては同符号を付して説明を省略する。
【0106】
ギャップ検出システム300には、図32に示すように、吸着ノズル101bと、インラインフィルタ102,106と、流量センサ1と、切替弁103と、真空ポンプ104と、圧縮空気供給部(例えば、コンプレッサ等)105と、ギャップ検出システム回路307とが備わっている。なお、図33に示すように、切替弁103、真空ポンプ104、圧縮空気供給部105を設ける代わりに、エジェクタ108を利用してシステムを構成することもできる。
【0107】
吸着ノズル101bは、上記した吸着ノズル101と基本的には同じものであるがノズル径が異なり、0.29mmとなっている。そして、吸着ノズル101bは、インラインフィルタ102を介して流量センサ1Aに接続されている。これにより、吸着ノズル101bに流れるエアー流量が流量センサ1Aで計測されるようになっている。
【0108】
そして、流量センサ1Aがギャップ検出システム回路307に接続され、流量センサ1Aからのセンサ出力がギャップ検出システム回路307に入力されるようになっている。ギャップ検出システム回路307は、流量センサ1Aからのセンサ出力に基づいて吸着ノズル101bと小型部品とのギャップを検出するためのものである。このギャップ検出システム307には、図34に示すように、ギャップ検出値記憶部320と、ギャップ検出部321と、自動設定部322と、検出ギャップ入力部323とが備わっている。なお、図34は、ギャップ検出システム307の回路構成を示すブロック図である。
【0109】
ギャップ検出値記憶部320は、吸着ノズル101bと小型部品との間におけるギャップを検出するためのギャップ検出値を記憶しているものである。ギャップ検出部321は、流量センサ1Aからのセンサ出力とギャップ検出値記憶部320に記憶されているギャップ検出値とを比較することにより、吸着ノズル101bと小型部品とのギャップが所定値に到達したか否かを判断し、所定値に達していると判断した場合にノズル停止信号を出力するものである。そして、通常使用時(使用モード)においては、ギャップ検出部321により、流量センサ1Aからのセンサ出力とギャップ検出値記憶部320に記憶されているギャップ検出値とに基づいて、吸着ノズル101bと小型部品とのギャップ検出が行われるようになっている。これにより、所定のギャップを保った状態で吸着ノズル101bを停止させることができるので、吸着ノズル101bの先端を小型部品に衝突させて小型部品を破壊してしまうような事態を防止することができる。
【0110】
また、検出ギャップ入力部323は、小型部品と吸着ノズル101bとの間にどの程度の距離(ギャップ)を保った状態で吸着ノズル101bを停止させたいかを入力するためのものである。自動設定部322は、検出ギャップ入力部323に対する入力値に対応するギャップ検出値を算出し、その算出したギャップ検出値をギャップ検出値記憶部320に記憶させるものである。この自動設定部322では、検出ギャップ入力部323に新たな値が入力されると、基準流量のエアーを吸着ノズル101bに流して、そのときにおける流量センサ1Aからのセンサ出力(基準時センサ出力)を取得し、その取得したセンサ出力に基づき新たに入力された値に対応するギャップ検出値を算出するようになっている。
【0111】
このように、ギャップ検出システム回路307には、使用モードの他に、新たなギャップ検出値を自動的に設定することができる設定モードが設けられている。この設定モードは、検出ギャップ入力部323に対する入力があると実行されるモードである。ギャップ検出システム300に設定モードが設けられているので、ギャップ検出値を簡単に変更することができる。これにより、圧縮空気供給部105の性能変化が生じた場合などでも、適切なギャップ検出値が自動的に設定されるので、非常に精度良くギャップ検出を行うことができ、小型部品に吸着ノズル101bを衝突させることなく、吸着ノズル101bを所定のギャップを保った状態で停止させることができる。
【0112】
そして、小型部品と吸着ノズル101bとのギャップを検出するために、高速応答かつ非常に安定したセンサ出力を得ることができる流量センサ1Aを使用している。この流量センサ1Aの出力特性は図35に示すように、所定のギャップを下回ると、流量が急速に低下するため、この流量変化により所定のギャップに到達したことを精度良く検出することができる。また、設定モードを備えていることにより、検出したいギャップを非常に簡単に変更することができる。なお、図35は、ギャップと流量との関係を示したグラフであり、図中に黒塗りの菱形で示すグラフが吸着ノズル101bを用いた場合を示し、図中に黒塗りの四角で示すグラフがノズル径0.41mmの吸着ノズルを用いた場合を示している。
【0113】
以上、詳細に説明したように本実施の形態に係るノズル異常検出システム100では、吸着ノズル101と流量センサ1との間にインラインフィルタ102が設けられ、圧縮空気供給部105と切替弁103との間にインラインフィルタ106が設けられているので、空気中のダスト等が流量センサ1に入り込むことが確実に防止される。したがって、流量センサ1が劣化しにくいため、検出精度の長期信頼性が向上する。このため、長期間にわたって精度良く吸着ノズル101の異常を検出することができる。
【0114】
また、本実施の形態に係るノズル異常検出システム100では、流量センサ1を使用することにより、吸引時とリリース時との両方で吸着ノズル101を通過するエアーの流量を計測することができる。そして、異常検出値記憶部120に、吸引時とリリース時のそれぞれについて吸着ノズル101の異常を判別するための異常検出値を記憶させ、異常検出部121により、吸引時とリリース時とのそれぞれの状態ごとに、流量センサ1からのそれぞれのセンサ出力値と異常検出値記憶部120に記憶されているそれぞれの異常検出値とを比較させて吸着ノズル101の異常を検出している。したがって、吸引時のみならずリリース時にも吸着ノズル101の異常を検出するので、吸着ノズル101の異常を精度良く検出することができる。さらに、流量センサ1は、高精度な流量計測を行うことができるとともに、応答性に優れているので、吸着ノズル101の異常を非常に精度良く検出することができる。
【0115】
また、本実施の形態に係るノズル異常検出システム100では、使用モードの他に、設定モードを設けているので、自動設定部122において、検出ポイント入力部123からの入力値に基づき自動的に異常検出値(吸引側とリリース側の2つ)が自動的に設定される。そして、自動設定部122によって設定された新たな異常検出値は、異常検出値記憶部120に入力されて記憶され、その後の吸着ノズル101の異常検出は、設定モードで新たに設定された異常検出値に基づいて行われる。このように、簡単に異常検出値を変更することができる。したがって、システムの使用状況や使用環境などが変化した場合に、簡単に最適な異常検出値を自動的に設定することができる。その結果として、吸着ノズル101の異常検出の精度が向上する。
【0116】
また、本実施の形態に係るノズル異常検出システム100は、吸着ノズル101の異常を検出するだけではなく、吸着ノズルの吸着ミスの検出(吸着ミス検出システム200として説明)、あるいは小型部品と吸着ノズルとのギャップ検出(ギャップ検出システム300として説明)を、精度良く行うことができる。
【0117】
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。
【0118】
例えば、上記した実施の形態におけるノズル異常検出システム100では、吸着ノズル101が1本の場合を例示したが、図35に示すように、吸着ノズル101が複数本(図35では4本)の場合であっても、各吸着ノズル101の異常を精度良く検出することができる。なお、この場合には、各切替弁103と真空ポンプ104および圧縮空気供給部105との間にターミナル109が設けられ、各流量センサ1からのセンサ出力がノズル異常検出システム回路107にそれぞれ入力されることになる。
【0119】
また、上記した実施の形態における吸着ミス検出システム200として、吸着ノズル101aが複数本備わる場合(上記の説明では4本の場合を例示)の吸着ミスを検出するシステムを例示したが、もちろん吸着ノズル101aが1本の場合であっても吸着ミスを検出することができる。
【0120】
また、上記の説明では、ノズル異常検出システム100、吸着ミス検出システム200、およびギャップ検出システム300を独立したシステムとして説明したが、これらのシステムを統合することもできる。その場合には、ノズル異常検出システム100に備わるノズル異常検出システム回路107内において、ノズル異常検出値記憶部120に吸着ミス検出値およびギャップ検出値をさらに記憶させ、ノズル異常検出部121に流量センサ1からのセンサ出力と吸着ミス検出値あるいはギャップ検出値とに基づいて吸着ミスの検出あるいはギャップの検出をさせるようにすればよい。また、検出ポイント入力部123から吸着ミス検出ポイントおよび検出ギャップ値を入力できるようすればよい。
【0121】
さらに、上記した実施の形態における流量センサに組み込む積層体として2種類のもの(流量センサ1と流量センサ1Aの場合における組み合わせ)を例示したが、これだけに限られず、各薄板51,52,53,56を任意に組み合わせて積層体を構成することができる。
【0122】
【発明の効果】
以上説明した通り本発明に係るノズル異常検出システムによれば、小型部品を吸引吸着およびリリースするための吸着ノズルの異常を検出するノズル異常検出システムにおいて、吸着ノズルを通過するエアーの流量を計測する流量計測手段と、吸着ノズルと流量計測手段との間に設けられたフィルタと、吸着ノズルの異常を検出するための異常検出値を記憶する異常検出値記憶手段と、吸着ノズルの異常を検出する異常検出手段と、を有し、流量計測手段は、吸引時とリリース時との両方で吸着ノズルを通過するエアーの流量を計測可能な双方向検出型の流量計であり、異常検出値記憶手段は、吸引時とリリース時のそれぞれについての異常検出値を記憶しており、異常検出手段は、吸引時とリリース時とのそれぞれの状態ごとに、流量計測手段からのそれぞれの出力値と異常検出値記憶手段に記憶されているそれぞれの異常検出値とを比較することにより吸着ノズルの異常を検出するので、吸引時のみならずリリース時にも吸着ノズルの異常を検出することができるため、吸着ノズルの異常を精度良く検出することができる。
【0123】
また、吸着ノズルと流量計測手段との間にフィルタを設けているので、吸着ノズルが吸引したクリームハンダやキャリアテープ小片や空気中のダスト等が、流量計測手段に入り込むことが確実に防止される。したがって、流量計測手段が劣化しにくいため、検出精度の長期信頼性が向上する。このため、長期間にわたって精度良くノズル異常の検出を行うことができる。
【0124】
また、本発明に係るノズル異常検出システムにおいては、任意に設定可能な吸着ノズルの異常度合いと、予め定められた基準流量のエアーを吸着ノズルに流したときにおける流量計測手段からの出力値とに基づいて、吸着ノズルの異常を判断するための異常検出値を自動的に設定する異常検出値設定手段を有し、異常検出設定手段は、新たな異常検出値を設定した場合には、異常検出値記憶手段に記憶されている異常検出値を、新たに設定した異常検出値に変更するので、オペレータは、吸着ノズルの異常度合いを設定するだけで、簡単に異常検出値を変更することができる。したがって、システムの使用状況や使用環境などが変化した場合に、簡単に最適な異常検出値を自動的に設定することができる。
【0125】
さらに、本発明に係るノズル異常検出システムにおいては、流量計測手段は、吸着ノズルを通過するエアーの流量を計測するための抵抗体が架設されたセンサ流路と、センサ流路に対するバイパス流路とを有し、バイパス流路は、抵抗体を用いた計測原理を行うための電気回路に接続する電気回路用電極が表面に設けられた基板を、側面開口部を備える流体流路が形成されたボディに対し、エッチング加工した薄板を複数枚積層した積層体を介して、側面開口部を塞ぐようにして密着させることにより形成され、センサ流路は、抵抗体とその抵抗体に接続する抵抗体用電極とが設けられた測定チップを、抵抗体用電極と電気回路用電極とを接着して基板に実装することにより、測定チップあるいは基板の少なくとも一方に設けられた溝によって形成されており、測定チップには、流れ方向上流側に設けられた上流温度検出抵抗体と、流れ方向下流側に設けられた下流温度検出抵抗体と、上流温度検出抵抗体と下流温度検出抵抗体との間に設けられ、上流温度検出抵抗体と下流温度検出抵抗体とを加熱する発熱抵抗体と、吸着ノズルを通過するエアーの温度を検出する流体温度検出抵抗体と、が備わり、電気回路により、発熱抵抗体と流体温度検出抵抗体とが一定の温度差になるように制御され、上流温度検出抵抗体と下流温度検出抵抗体との温度差に基づき、吸着ノズルを通過するエアーの流量を測定するので、吸引時とリリース時の両方において、吸着ノズルを通過するエアーの流量を非常に高精度に計測することができるため、吸着ノズルの異常検出の精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るノズル異常検出システムの構成を示すシステム図である。
【図2】別の形態に係るノズル異常検出システムの構成を示すシステム図である。
【図3】インラインフィルタの構成を示す断面図である。
【図4】図1に示す流量センサ(フルスケール流量5L/min)の概略構成図である。
【図5】流量センサのボディの平面図である。
【図6】図5のA−A断面図である。
【図7】図4に示す積層体の分解斜視図である。
【図8】流量センサに備わるメッシュ板を示す図であり、(a)が平面図、(b)がA−A断面図である。
【図9】図8のメッシュ部の拡大図である。
【図10】流量センサに備わるスペーサを示す図であり、(a)が平面図、(b)がA−A断面図である。
【図11】流量センサに備わるセンサ基板の斜視図である。
【図12】流量センサに備わる測定チップの平面図である。
【図13】流量センサに備わる定温度差回路の回路図である。
【図14】流量センサに備わる出力回路の回路図である。
【図15】別の流量センサ(フルスケール流量1L/min)の概略構成図である。
【図16】図15に示す積層体の分解斜視図である。
【図17】流量センサに備わる両端開口板を示す図であり、(a)が平面図、(b)がA−A断面図である。
【図18】流量センサに備わる溝付両端開口板を示す図であり、(a)が平面図であり、(b)がA−A断面図であり、(c)がB−B断面図である。
【図19】ノズル異常検出システム回路の構成を示すブロック図である。
【図20】使用モードにおける流量センサによって計測されるエアーの流量変化を示すタイミングチャートである。
【図21】同じく、使用モードにおける流量センサによって計測されるエアーの流量変化を示すタイミングチャートである。
【図22】使用期間に対する流量センサのセンサ出力の変化を示すグラフである。
【図23】熱容量に対する流量センサの応答速度の変化を示すグラフである。
【図24】流量センサの出力特性を示す図である。
【図25】別の流量センサの出力特性を示す図である。
【図26】流量センサの時間に対する出力特性を示す図である。
【図27】設定モードにおける異常検出値の自動設定処理の内容を示すフローチャートである。
【図28】実施の形態に係るノズル異常検出システムにおける流量センサの出力特性を示す図である。
【図29】変形例の吸着ミス検出システムの構成を示すシステム図である。
【図30】吸着ミス検出システム回路の構成を示すブロック図である。
【図31】吸着ミス検出システムにおける流量センサの出力特性を示す図である。
【図32】変形例のギャップ検出システムの構成を示すシステム図である。
【図33】別の形態に係るギャップ検出システムの構成を示すシステム図である。
【図34】ギャップ検出システム回路の構成を示すブロック図である。
【図35】ギャップ検出システムにおける流量センサの出力特性を示す図である。
【図36】複数ノズルが備わる場合におけるノズル異常検出システムの構成を示すシステム図である。
【図37】従来のノズル詰まり検出装置では吸着ノズルに対する付着物の付着具合によって検出精度が低下することを説明するための図であり、(a)は吸引時における付着物の様子を示し、(b)は流量ゼロ時における付着物の様子を示し、(c)は加圧(リリース)時における付着物の様子を示している。
【符号の説明】
1,1A 流量センサ
11 測定チップ
13 測定チップの溝
14,15,16,17,18,19 抵抗体用電極
21 センサ基板
23 センサ基板の溝
24,25,26,27,28,29 電気回路用電極
31,32,33,34 電気素子
41 ボディ
44 流路空間
50,50A 積層体
51 メッシュ板
51M メッシュ部
52 スペーサ
53 両端開口板
56 溝付両端開口板
56E 溝
M 主流路(バイパス流路)
R1 上流温度検知抵抗体
R2 下流温度検知抵抗体
Rh 発熱抵抗体
Rt 流体温度検知抵抗体
S センサ流路
100 ノズル異常検出システム
101 吸着ノズル
102,106 インラインフィルタ
107 ノズル異常検出システム回路
120 異常検出値記憶部
121 異常検出部
122 自動設定部
123 検出ポイント入力部

Claims (8)

  1. 小型部品を吸引吸着およびリリースするための吸着ノズルの異常を検出するノズル異常検出システムにおいて、
    前記吸着ノズルを通過するエアーの流量を計測する流量計測手段と、
    前記吸着ノズルと前記流量計測手段との間に設けられたフィルタと、
    前記吸着ノズルの異常を検出するための異常検出値を記憶する異常検出値記憶手段と、
    前記吸着ノズルの異常を検出する異常検出手段と、
    を有し、
    前記流量計測手段は、吸引時とリリース時との両方で前記吸着ノズルを通過するエアーの流量を計測可能な双方向検出型の流量計であり、
    前記異常検出値記憶手段は、吸引時とリリース時のそれぞれについての異常検出値を記憶しており、
    前記異常検出手段は、リリース時よりも大きい流量で前記吸着ノズルのブローを行った後に、吸引時とリリース時とのそれぞれの状態ごとに、前記流量計測手段からのそれぞれの出力値と前記異常検出値記憶手段に記憶されているそれぞれの異常検出値とを比較することにより前記吸着ノズルの異常を検出することを特徴とするノズル異常検出システム。
  2. 小型部品を吸引吸着およびリリースするための吸着ノズルの異常を検出するノズル異常検出システムにおいて、
    前記吸着ノズルを通過するエアーの流量を計測する流量計測手段と、
    前記吸着ノズルと前記流量計測手段との間に設けられたフィルタと、
    前記吸着ノズルの異常を検出するための異常検出値を記憶する異常検出値記憶手段と、
    前記吸着ノズルの異常を検出する異常検出手段と、
    を有し、
    前記流量計測手段は、
    吸引時とリリース時との両方で前記吸着ノズルを通過するエアーの流量を計測可能な双方向検出型の流量計であり、
    前記吸着ノズルを通過するエアーの流量を計測するための抵抗体と、
    前記抵抗体とその抵抗体に接続する抵抗体用電極とが設けられた測定チップと、
    前記抵抗体を用いた計測原理を行うための電気回路に接続する電気回路用電極が表面に設けられた基板とを有し、
    前記測定チップには、
    流れ方向上流側に設けられた上流温度検出抵抗体と、
    流れ方向下流側に設けられた下流温度検出抵抗体と、
    前記上流温度検出抵抗体と前記下流温度検出抵抗体との間に設けられ、前記上流温度検出抵抗体と前記下流温度検出抵抗体とを加熱する発熱抵抗体と、
    前記吸着ノズルを通過するエアーの温度を検出する流体温度検出抵抗体とが備わり、
    前記電気回路により、前記発熱抵抗体と前記流体温度検出抵抗体とが一定の温度差になるように制御され、前記上流温度検出抵抗体と前記下流温度検出抵抗体との温度差に基づき、前記吸着ノズルを通過するエアーの流量を測定し、
    前記異常検出値記憶手段は、吸引時とリリース時のそれぞれについての異常検出値を記憶しており、
    前記異常検出手段は、吸引時とリリース時とのそれぞれの状態ごとに、前記流量計測手段からのそれぞれの出力値と前記異常検出値記憶手段に記憶されているそれぞれの異常検出値とを比較することにより前記吸着ノズルの異常を検出することを特徴とするノズル異常検出システム。
  3. 請求項2に記載する異常検出システムにおいて、
    前記流量計測手段は、前記抵抗体が架設されたセンサ流路と、前記センサ流路に対するバイパス流路とを有することを特徴とするノズル異常検出システム。
  4. 請求項3に記載する異常検出システムにおいて、
    前記流量計測手段は、開口を有する薄板を積層して、その内部で流体を前記センサ流路と前記バイパス流路とに分岐させる積層体を有することを特徴とするノズル異常検出システム。
  5. 請求項3に記載する異常検出システムにおいて、
    前記流量計測手段は、
    左右対称形状のボディと、
    前記ボディに装着することにより、流体を前記センサ流路と前記バイパス流路とに分流させるとともに整流する左右対称形状の積層体と、
    を有することを特徴とするノズル異常検出システム。
  6. 請求項3に記載する異常検出システムにおいて、
    前記流量計測手段は、
    入口流路および出口流路に連通するとともに側面開口部を備える流路空間が形成されたボディを有し、
    前記基板をシールパッキンを介して前記ボディに密着させた状態で固定して前記側面開口部を塞ぐことにより、前記流路空間内に前記センサ流路と前記バイパス流路を形成していることを特徴とするノズル異常検出システム。
  7. 請求項3に記載する異常検出システムにおいて、
    前記流量計測手段は、前記バイパス流路とセンサ流路との間に、厚さ0.5mm以下のメッシュ板が密着して積層された状態で設けられていることを特徴とするノズル異常検出システム。
  8. 請求項2から請求項7のいずれか1つに記載するノズル異常検出システムにおいて、
    任意に設定可能な前記吸着ノズルの異常度合いと、予め定められた基準流量のエアーを前記吸着ノズルに流したときにおける前記流量計測手段からの出力値とに基づいて、前記吸着ノズルの異常を判断するための異常検出値を自動的に設定する異常検出値設定手段を有し、
    前記異常検出設定手段は、新たな異常検出値を設定した場合には、前記異常検出値記憶手段に記憶されている異常検出値を、新たに設定した異常検出値に変更することを特徴とするノズル異常検出システム。
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