JP2003344127A - 電磁流量計 - Google Patents

電磁流量計

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JP2003344127A JP2002147419A JP2002147419A JP2003344127A JP 2003344127 A JP2003344127 A JP 2003344127A JP 2002147419 A JP2002147419 A JP 2002147419A JP 2002147419 A JP2002147419 A JP 2002147419A JP 2003344127 A JP2003344127 A JP 2003344127A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 商用電源周波数に起因するふらつきやスラリ
ノイズの影響が問題とならない程度に高精度の流量計測
を実現できるとともに、比較的安価で50Hz/60H
zの両商用電源で兼用できるようにする。 【解決手段】 サンプルホールド部3より後段に帯域減
衰フィルタ4を設けて、流体流速に応じて直流電位が変
化する直流流量信号13に含まれるふらつきの周波数成
分、すなわち励磁周波数fexの整数倍m1の周波数と商
用電源周波数fac1(50Hz)の整数倍n1の周波数と
の差の周波数成分|m1fex±n1fac1 |であり、かつ
励磁周波数fexの整数倍m2の周波数と商用電源周波数
fac2(60Hz)の整数倍n2の周波数との差の周波数
成分|m2fex±n2fac2 |である周波数成分fを減衰
させる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電磁流量計に関
し、特に商用電源周波数50/60Hzより低い周波数
の交流励磁電流により管内の流体に磁界を印加し、電極
から得られた流体の信号起電力を信号処理することによ
り計測流量を得る電磁流量計に関するものである。 【0002】 【従来の技術】交流励磁電流を用いて管内を流れる流体
の流量を計測する電磁流量計では、図7に示すように、
商用電源周波数に起因するノイズの影響を低減するもの
が提案されている(例えば、特開2000−25821
1号公報など参照)。この電磁流量計では、励磁部8か
ら励磁コイル(磁気回路)10Dへ交流励磁電流iexを
出力することにより、管10C内の流体に磁界を印加
し、電極10A,10Bで流体から検出した信号起電力
を、HPF1を介してAC増幅部2で増幅した後、サン
プルホールド部3でサンプリングし、得られた直流流量
信号13を帯域減衰フィルタ4で所定の周波数成分を減
衰させた後、A−D変換部5でディジタル情報に変換し
て演算処理部6で計測流量を算出し、出力部7から流量
信号として出力している。 【0003】図8は、電磁流量計のサンプリング動作を
示すタイミングチャートであり、9Cはスイッチング部
9からの励磁信号、12はサンプルホールド部3へ入力
される交流流量信号である。また、9A,9Bはスイッ
チング部9からサンプルホールド部3へ入力されるサン
プリング信号であり、交流流量信号12のサンプリング
期間(斜線部)を規定している。 【0004】この場合、サンプリング期間は、その波形
安定性から励磁信号9C(交流流量信号12)の各パル
スの後縁付近に設けられており、サンプルホールド部3
では、このサンプリング期間だけスイッチ3A,3Bを
それぞれ短絡して交流流量信号12を積分し、直流流量
信号13として出力する。なお、交流流量信号12が正
側の場合には、スイッチング信号9Aに基づいてスイッ
チ3Aのみが短絡され、交流流量信号12が負側の場合
には、スイッチング信号9Bに基づいてスイッチ3Bの
みが短絡される。 【0005】ここで、交流流量信号12に所定周波数の
連続したノイズ、例えば商用電源周波数50/60Hz
と等しい周波数のノイズなどが混入した場合には、サン
プルホールド部3の動作特性に起因して、ここから出力
される直流流量信号13にふらつき61が発生する。例
えば、図8では、流量を一定に保持した場合の交流流量
信号12に、この種のノイズが混入している状態を示し
ている。 【0006】この場合、交流流量信号12には、隣接す
る各パルス波形のサンプリング期間で、混入したノイズ
の振幅により、それぞれ誤差d0〜d7が生じる。この
誤差d0〜d7が、サンプルホールド部3によりサンプ
リングされ、ふらつき61を有する直流流量信号13と
して出力されるものとなる。図9は、サンプルホールド
部におけるノイズ周波数とふらつきの関係を示す説明図
であり、横軸は励磁周波数の倍数でノイズ周波数を示
し、縦軸はふらつきの大きさを示している。 【0007】ここでは、励磁周波数fexと等しいノイズ
周波数のノイズが混入した場合に最もふらつきが大き
く、励磁周波数fexを中心としてここから離れるにつれ
てふらつきが減少し、周波数ゼロおよび励磁周波数fex
の2倍のノイズ周波数でふらつきが理論上ゼロとなる山
型の特性が見られる。同様にして、励磁周波数の奇数
倍、例えば3倍,5倍‥の各ノイズ周波数を中心とし、
隣接する偶数倍、例えば2倍,4倍‥のノイズ周波数で
ふらつきが理論上ゼロとなる山型の特性が繰り返し見ら
れる。 【0008】したがって、従来の電磁流量計では、サン
プルホールド部3の後段に帯域減衰フィルタ4を設け、
直流流量信号に含まれる周波数成分のうち、fexを励磁
周波数、facを商用電源周波数とした場合、 f=|mfex±nfac|(但し、m,nは正整数) で示す周波数fの成分を減衰させている。この構成によ
り、商用電源周波数ノイズの歪みにより発生する高調波
成分の影響を抑制でき、スラリ流体が発生するスラリノ
イズを低減できるとともに、商用電源周波数ノイズに起
因してサンプリング後の直流流量信号に発生するふらつ
きを減衰できるという効果が得られる。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の電磁流量計では、商用電源周波数より高い所
定の励磁周波数を用いることを前提としているため、電
磁流量計の励磁回路(変換器)と磁気回路(検出器)が
比較的高価となるという問題点があった。商用電源周波
数より高い励磁周波数、例えば85Hzを採用すると、
磁束の立ち上がり時間を極めて速くしなければならない
ので、励磁回路においては励磁電流の立ち上がりを速く
するため励磁電圧を高くする必要がある。このとき、高
電圧のままでは励磁電流が立ち上がって安定した後は高
電圧がすべて熱となり、変換器が発熱の影響を受けてし
まう。 【0010】これを防止するためには、励磁電流の立ち
上がりのときのみ高電圧を印加して、安定した後に低電
圧へ切り替える回路構成が必要となる。また、高電圧を
取り扱うために電子部品も、大型で高価な高耐圧部品を
選定しなくてはならない。一方、磁気回路も磁束の立ち
上がりを速くするためには、磁気応答の速い磁性材料を
コアとして選定しなければならず、そのような磁性材料
は比透磁率の高いもの、比抵抗の大きいものとなり高価
となる。また、金属測定管での渦電流損失の低減も実施
する必要があり、それを考慮した測定管の加工が必要と
なるため高価となる。 【0011】また、励磁周波数を商用電源周波数に同期
させる方式も考えられる。しかし、商用電源周波数には
50Hzと60Hzの2種類があるため、50Hz用と
60Hz用でそれぞれ除去する周波数の異なる帯域減衰
フィルタが必要となるとともに、商用電源周波数に応じ
た励磁周波数の励磁電流を出力する励磁回路が必要があ
る。したがって、商用電源周波数に応じた帯域減衰フィ
ルタと励磁回路とを持つ電磁流量計を、各商用電源周波
数ごとに2機種別個に製造してもよいが、両商用電源周
波数で兼用できない。あるいは2種類の帯域減衰フィル
タを設け、商用電源周波数に応じた帯域減衰フィルタと
励磁周波数とを切り替えて用いる構成とした場合には、
回路規模が大きくなり高価となる。 【0012】なお、励磁周期の前半期間のサンプリング
開始時刻と後半期間のサンプリング開始時刻との時間間
隔が50Hz/60Hzの商用電源の各周期の整数倍と
なる励磁周波数を選択することで、両商用電源の交流ノ
イズを除去する方式も考えられる(例えば、特開平10
−111157号公報など参照)。しかしながら、この
方式では励磁周波数を200msの整数倍にせざるを得
ないことから、励磁周波数は5Hz,2.5Hz,1.
67Hzといった超低周波励磁となり、スラリノイズの
影響が無視できなくなる。本発明はこのような課題を解
決するためのものであり、商用電源周波数に起因するふ
らつきやスラリノイズの影響が問題とならない程度に高
精度の流量計測を実現できるとともに、比較的安価で5
0Hz/60Hzの両商用電源で兼用できる電磁流量計
を提供することを目的としている。 【0013】 【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明による電磁流量計は、所定周波数の交
流励磁電流を励磁コイルへ供給することにより管内の流
体に磁界を印加し、その流体から検出した信号起電力を
増幅してサンプリングし、得られた直流流量信号をディ
ジタル情報に変換して計測流量を算出する電磁流量計で
あって、商用電源として用いられる第1および第2の商
用電源周波数のいずれよりも低い一定周波数の交流励磁
電流を前記励磁コイルへ供給する励磁回路と、前記サン
プリングにより得られた直流流量信号に含まれる周波数
成分のうち、fexを励磁周波数、fac1を前記第1の商
用電源周波数、fac2を前記第2の商用電源周波数とし
た場合に、次式、f=|m1fex±n1fac1 |=|m2
fex±n2fac2 |(但し、m1,m2,n1,n2は正整
数)を満たす周波数fの成分を減衰させる帯域減衰フィ
ルタ手段を備えるものである。 【0014】 【発明の実施の形態】次に、本発明について図面を参照
して説明する。図1は本発明の一実施の形態である電磁
流量計のブロック図であり、同図において、前述の説明
(図7参照)と同じまたは同等部分には、同一符号を付
してある。図1において、検出器10は、所定の交流励
磁電流に基づいて管内の流体に磁界を印加し、流体に発
生した信号起電力を検出信号として検出出力する回路
部、変換器11は、検出器10に対して所定の交流励磁
電流を出力するとともに、検出器10からの検出信号を
信号処理することにより管内の流量を算出出力する回路
部である。 【0015】検出器10において、電極10A,10B
は被測定流体が流れる管10Cの内壁に対向して配置さ
れ、流体に発生した信号起電力を検出する電極、励磁コ
イル10Dは変換器11からの交流励磁電流に基づいて
励磁され、管10C内の流体に磁界を印加するコイルで
ある。変換器11において、スイッチング部9は、所定
クロックに基づいて後述するサンプリング信号9A,9
Bおよび励磁信号9Cを生成出力する回路部、励磁部8
はスイッチング部9からの励磁信号9Cに基づいて矩形
波からなる所定周波数の交流励磁電流を出力する回路部
である。 【0016】ハイパスフィルタ(以下、HPFという)
1は、検出器10の電極10A,10Bから得られた検
出信号のうち、低周波数成分を減衰させることにより、
この検出信号に混入するパルス状ノイズや低周波ノイズ
を減衰させる回路部、AC増幅部2は、LPF2からの
検出信号を交流増幅し、流体流速に応じて振幅が変化す
る交流流量信号12として出力する回路部、サンプルホ
ールド部3は、スイッチング部9からのスイッチング信
号9A,9Bに基づいて、AC増幅部2からの交流流量
信号12をサンプリングし、流体流速に応じて直流電位
が変化する直流流量信号13として出力する回路部であ
る。 【0017】帯域減衰フィルタ(以下、BEFという)
4はサンプルホールド部3からの直流流量信号13に含
まれる、励磁周波数と商用電源周波数との差の周波数成
分を減衰させる回路部、A−D変換部5はBEF4から
の直流流量信号13を積分しディジタル情報に変換する
回路部、演算処理部6はA−D変換部5からのディジタ
ル情報に対して所定の演算処理を実行することにより所
望の流量を算出する回路部、出力部7は演算処理部6で
算出された流量を所定の信号に変換して出力する回路部
である。 【0018】次に、図1を参照して、本発明の動作につ
いて説明する。なお、本発明によるサンプリング動作の
タイミングについては、前述の説明(図8)と同様であ
る。スイッチング部9からの励磁信号9Cに基づいて、
商用電源周波数fac より低い所定周波数fexを有する
矩形波の交流励磁電流が変換器11の励磁部8から出力
され、検出器10の励磁コイル10Dが励磁される。 【0019】これにより、励磁コイル10Dが励磁され
て、管10C内を流れる流体に対して所定の磁界が印加
され、流体の流速に応じた振幅を有する信号起電力が発
生する。この信号起電力は、管10Cの内壁であって対
向する位置に設けられた電極10A,10Bにより検出
され、検出信号として変換器11に出力される。変換器
11のHPF1では、検出器10から得られた検出信号
のうち低周波数成分が減衰して、この検出信号に混入す
るパルス状ノイズや低周波ノイズが減衰する。 【0020】続いて、AC増幅部2において、HPF1
からの出力が交流増幅され交流流量信号12として出力
される。サンプルホールド部3では、スイッチング部9
からのスイッチング信号9A,9Bが示すサンプリング
期間(図8参照)に基づいて、AC増幅部2からの交流
流量信号12がサンプリングされ直流流量信号13とし
て出力される。 【0021】なお、サンプリング期間は、その波形安定
性から交流流量信号12の各パルスの後縁付近に設けら
れており、サンプルホールド部3では、このサンプリン
グ期間だけスイッチ3A,3Bをそれぞれ短絡して交流
流量信号12を積分し、直流流量信号13として出力す
る。また、交流流量信号12が正側の場合には、スイッ
チング信号9Aに基づいてスイッチ3Aのみが短絡さ
れ、交流流量信号12が負側の場合には、スイッチング
信号9Bに基づいてスイッチ3Bのみが短絡される。 【0022】BEF4では、この直流流量信号13のう
ち、励磁周波数fexと商用電源周波数fac (50/6
0Hz)との差の周波数成分が減衰する。ここで、サン
プルホールド部3から出力される直流流量信号13のノ
イズ特性について説明する。前述(図8参照)のよう
に、交流流量信号12に商用電源周波数のノイズが混入
する場合、サンプルホールド部3の動作特性により、直
流流量信号13にふらつきが発生する。 【0023】図2は直流流量信号に含まれるふらつきの
周波数特性を示す説明図であり、直流流量信号13のふ
らつきは、励磁周波数fex(21)のm倍の周波数と商
用電源周波数fac (22)のn倍の周波数(m,nは
正整数,かつmまたはnのいずれかが1以外)との差の
周波数、すなわちmfex−nfac (23),mfex+
nfac (24)に発生する。したがって、図2に示す
ような周波数特性25,26を有するBEF4をサンプ
ルホールド部3の後段に設けて、直流流量信号13に含
まれる差の周波数成分23,24を減衰させることによ
り、商用電源周波数ノイズに起因して発生するふらつき
を減衰させることができる。 【0024】本実施の形態では、50Hz/60Hzの
両商用電源周波数ノイズに起因して発生するふらつきを
考慮した周波数成分をBEF4で減衰させている。すな
わち、fexを励磁周波数とし、fac1を第1の商用電源
周波数(例えば、50Hz)、fac2を第2の商用電源
周波数(例えば、60Hz)とした場合、下記の式 f=|m1fex±n1fac1|=|m2fex±n2fac2| を満たす周波数成分fをBEF4で減衰させている。但
し、m1,n1,m2,n2はともに正整数である。これに
より、両商用電源周波数ノイズに起因して発生する各ふ
らつきを減衰させることができる。 【0025】なお、差の周波数成分24は、差の周波数
成分23よりも信号周波数成分(直流とその付近)から
離れた高い周波数に位置していることから、一般的なL
PFで十分に減衰できる場合も多い。したがって、差の
周波数成分24については、その周波数が励磁周波数f
exより高く、後段の積分型A−D変換部5あるいは演算
処理部6の処理によりある程度減衰することから、BE
F4において差の周波数成分23のみを減衰させるよう
にしてもよい。このようにして、BEF4により、直流
流量信号13から商用電源周波数ノイズに起因して発生
するふらつきが減衰し、A−D変換部5に出力される。 【0026】A−D変換部5では、BEF4からの直流
流量信号13を、その直流電位に対応するディジタル情
報として出力する。演算処理部6では、A−D変換部5
を介してサンプルホールド部3からの直流流量信号13
がディジタル情報として取り込まれ、所定の演算処理を
実行することにより、流体流速から所望の計測流量値を
算出し、出力部7で所定の信号に変換して出力する。 【0027】なお、BEF4の構成については、能動フ
ィルタやディジタルフィルタなどの一般的な構成例が考
えられるが、移動平均処理の周波数特性を利用して、B
EF4をA−D変換部5により実現してすることによ
り、BEF4を別体として設ける必要がなくなる。図3
はA−D変換部の構成例を示す説明図であり、(a)は
移動平均処理部を用いた例、(b)は電圧−周波数変換
部を用いた例を示している。 【0028】図3(a)では、BEF4からの出力をA
−D変換器5Aでディジタル情報に変換し、移動平均処
理部5Bにおいて、これらディジタル情報のうち連続す
る複数個のデータの平均値を順次算出して演算処理部6
へ出力される。したがって、サンプルホールド部3から
の直流流量信号13がA−D変換器5Aにより順次ディ
ジタル情報に変換され、さらに、これらディジタル情報
が移動平均処理部5Bで、その前または後に連続する複
数のディジタル情報と平均化され、もとの直流流量信号
13に混入するパルス状ノイズが減衰する。 【0029】図4は移動平均処理の周波数特性を示す説
明図であり、横軸は入力信号周波数fと移動平均時間τ
とのfτ積を示し、縦軸は出力のレベルを示している。
移動平均時間τとは、順次入力されるディジタル情報に
おいて移動平均を行うデータ数分に対応する一定の時間
区間のことである。移動平均処理は、この移動平均時間
τと入力信号周波数fとの積fτの整数倍の周波数で、
出力レベルが大幅に減衰するという特性を有している。 【0030】この特性を利用して、移動平均処理を行う
時間区間τを選択し、移動平均処理後の出力レベルが大
幅に減衰する周波数を、前述したふらつきの周波数成分
である差の周波数成分23,24(図2参照)と一致さ
せることにより、直流流量信号13に含まれるふらつき
を減衰させることができる。たとえば、励磁周波数fex
=27.5Hz(m=1)で、商用電源周波数fac 1
50Hz(n=1)の周波数成分が発生する場合には、
低周波数側の差の周波数f(=|mfex−nfac |)
=22.5Hzでふらつきが発生する。したがって、移
動平均時間τ=0.0444sとすることにより、fτ
=1となり、差の周波数f=22.5Hzを大幅に減衰
させることができる。 【0031】なお、図3(b)は、積分型のA−D変換
部5を電圧−周波数変換部(以下、V−F変換部とい
う)により構成したものである。V−F変換部とは、入
力信号電圧を所定の時定数で積分し、その積分電圧値に
対応する周波数パルスを出力するものであり、前述した
移動平均処理と同様の特性を有することが知られてい
る。 【0032】ここでは、V−F変換部5Cからのパルス
を所定期間ごとにカウンタ5Dで計数し、その計数値を
ディジタル情報として演算処理部6へ出力している。こ
れにより、前述のA−D変換器5Aおよび移動平均処理
部5Bを用いる場合と比較して、V−F変換部5Cを用
いた方が回路構成部品が安価となり、変換器11のコス
トダウンが図れる。 【0033】また、BEF4をパッシブフィルタで構成
した例を図5に示す。図5はBEFの構成例を示す回路
図であり、ここでは、直列接続された容量素子41,4
2と、直列接続された抵抗素子43,44とが、並列的
に接続されており、容量素子41,42の接続点と接地
電位との間に抵抗素子45が接続され、抵抗素子43,
44の接続点と接地電位との間に容量素子46が接続さ
れて、BEFが構成されている。これら、容量素子4
1,42,46と抵抗素子43,44,45の値を選択
することにより、所望の周波数特性を有するBEF4を
構成できる。なお、これ以外にも、BEFの構成例は多
数あり、いずれを用いても同様の効果が得られる。 【0034】図6に、各商用電源周波数におけるふらつ
きの周波数成分を示す。前述したように(図9参照)、
直流流量信号13に含まれるふらつきとしては、励磁周
波数fexそのもの(m=1)に起因するふらつきのレベ
ルが最も大きく、続いてfexの奇数倍の高調波のうちf
exに近い周波数に起因するふらつきほどレベルが大き
い。また、励磁周波数fexより高い周波数成分について
は、一般的なLPFで容易に減衰でき、これに起因する
ふらつきも容易に減衰できる。したがって、BEF4で
は、励磁周波数fexより低い領域で発生しうるふらつき
の周波数成分fを減衰させればよい。 【0035】励磁周波数fex=27.5Hzとした場
合、商用電源周波数fac1=50Hzでは、図6(a)
に示すように、fexより低い領域で発生しうるふらつき
の周波数成分f=|m1fex±n1fac1|として、fex
の奇数倍の高調波とfac1の整数倍の高調波とから生じ
る、22.5Hz(m1=1,n1=1),17.5Hz
(m1=3,n1=2),12.5Hz(m1=5,n1
3),7.5Hz(m1=7,n1=4およびm1=1
3,n1=7),2.5Hz(m1=9,n1=5および
1=11,n1=6)などのふらつきが生じる。 【0036】また、商用電源周波数fac2=60Hzで
は、図6(b)に示すように、fexより低い領域で発生
しうるふらつきの周波数成分f=|m2fex±n2fac2
|として、fexの奇数倍の高調波とfac2の整数倍の高
調波から生じる、22.5Hz(m2=3,n2=1),
17.5Hz(m2=5,n2=2),12.5Hz(m
2=7,n2=3),7.5Hz(m2=9,n2=4およ
びm2=15,n2=7),2.5Hz(m2=11,n2
=5およびm2=13,n2=6)などのふらつきが生じ
る。 【0037】本実施の形態では、これら50Hz/60
Hzの両商用電源で生ずる同一周波数成分fをBEF4
で減衰させている。励磁周波数fex=27.5Hzとし
た図6(a),図6(b)の例では、22.5Hz(m
1=1,n1=1,m2=3,n2=1)のレベルが50H
z/60Hzの商用電源のそれぞれにおいて最も大き
い。したがって、周波数成分f=22.5Hzを減衰さ
せるBEF4を設けることにより、商用電源周波数に起
因するふらつきやスラリノイズの影響が問題とならない
程度に高精度の流量計測を実現できるとともに、新たな
回路構成を追加することなく比較的安価で50Hz/6
0Hzの両商用電源で兼用できる電磁流量計を実現でき
る。 【0038】なお、以上の説明では、信号と電源が同じ
線路を共用して伝送される方式すなわち2線式の電磁流
量計を例にして説明したが、これに限定されるものでは
なく、信号と電源とが異なる線路で伝送される方式、例
えば4線式の電磁流量計であっても本発明を適用でき、
前述と同様の作用効果が得られる。 【0039】 【発明の効果】以上説明したように、本発明は、サンプ
ルホールド部3より後段に帯域減衰フィルタ4を設け
て、流体流速に応じて直流電位が変化する直流流量信号
13に含まれるふらつきの周波数成分、すなわち励磁周
波数fexの整数倍m1の周波数と商用電源周波数fac1
整数倍n1の周波数との差の周波数成分|m1fex±n1
fac1 |であり、かつ励磁周波数fexの整数倍m2の周
波数と商用電源周波数fac 2の整数倍n2の周波数との差
の周波数成分|m2fex±n2fac2 |である周波数成分
fを減衰させるようにしたので、商用電源周波数に起因
するふらつきやスラリノイズの影響が問題とならない程
度に高精度の流量計測を実現できるとともに、新たな回
路構成を追加することなく比較的安価で50Hz/60
Hzの両商用電源で兼用できる電磁流量計を実現でき
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の一実施の形態による電磁流量計のブ
ロック図である。 【図2】 ふらつきの周波数特性を示す説明図である。 【図3】 A−D変換部のブロック構成例を示す説明図
である。 【図4】 移動平均処理の周波数特性を示す説明図であ
る。 【図5】 BEFの構成例を示す回路図である。 【図6】 商用電源周波数と励磁周波数との関係を示す
説明図である。 【図7】 従来の電磁流量計を示すブロック図である。 【図8】 サンプリング動作を示すタイミングチャート
である。 【図9】 サンプルホールド部におけるノイズ周波数と
ふらつきの関係を示す説明図である。 【符号の説明】 1…ハイパスフィルタ、2…AC増幅部(交流増幅
部)、3…サンプルホールド部、4…BEF(帯域減衰
フィルタ手段)、5…A−D変換部、5A…A−D変換
器、5B…移動平均処理部、5C…V−F変換部(電圧
−周波数変換部)、5D…カウンタ、6…演算処理部、
7…出力部、8…励磁部、9…スイッチング部、9A,
9B…サンプリング信号、9C…励磁信号、10…検出
器、10A,10B…電極、10C…管、10D…励磁
コイル、11…変換器、12…交流流量信号、13…直
流流量信号。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 所定周波数の交流励磁電流を励磁コイル
    へ供給することにより管内の流体に磁界を印加し、その
    流体から検出した信号起電力を増幅してサンプリング
    し、得られた直流流量信号をディジタル情報に変換して
    計測流量を算出する電磁流量計であって、 商用電源として用いられる第1および第2の商用電源周
    波数のいずれよりも低い一定周波数の交流励磁電流を前
    記励磁コイルへ供給する励磁回路と、 前記サンプリングにより得られた直流流量信号に含まれ
    る周波数成分のうち、fexを励磁周波数、fac1を前記
    第1の商用電源周波数、fac2を前記第2の商用電源周
    波数とした場合に、下記の式 f=|m1fex±n1fac1 |=|m2fex±n2fac2 | (但し、m1,m2,n1,n2は正整数)を満たす周波数
    fの成分を減衰させる帯域減衰フィルタ手段を備えるこ
    とを特徴とする電磁流量計。
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GB2542433A (en) * 2015-09-21 2017-03-22 Abb Ltd Method and apparatus for interference reduction

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