JP2003342019A - 定形多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子及びその製造方法 - Google Patents

定形多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価なアルカリ珪酸塩をシリカ源として用
い、安全性の高い非イオン性界面活性剤をテンプレート
として使用し、更に低温、常圧下、比較的短時間で合成
できる、ロッド状或はファイバー状多孔質シリカ粒子乃
至シリカ金属複合体粒子及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 ミクロンオーダーのロッド状或はファイ
バー状の形状を呈すると同時に、直径4〜7nmの細孔
が規則配列しており、2つの異なるスケールで秩序構造
を有する多孔質シリカ粒子乃至シリカ金属複合体粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、ロッド状あるいはファイバー状
多孔質シリカ粒子乃至シリカ金属複合体粒子及びその製
造方法に関するものである。より詳細には、アルカリ珪
酸塩をシリカ源として使用し、そこから生成するシリカ
溶存種、またシリカ溶存種と酸或はアルカリに溶解した
金属塩を原料とするTi、Zr、Al、Fe、Zn、C
r、Mn、Co、Cu、Ni、V、Sn、Ru、Ce、
Mo、W、Rh、Ag等種々の金属溶存種の1種類ある
いは複数を同時に含む混合溶液相において、非イオン性
界面活性剤の秩序形成能に基づいてミクロ構造の規則性
と、マクロ形態の規則性を同時に得ることを利用した、
ロッド状あるいはファイバー状の規則形態を持つ多孔質
シリカ粒子乃至シリカ金属複合体粒子及びその製造法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】1992年に多孔体MCM-41の合成
法がNature誌上に発表されて以来、メソポーラス材料へ
の関心が高まり、中でも4級アンモニウム塩等のイオン
系界面活性剤を使用した研究は数多く検討された。その
一方で、無毒性、生分解性、除去が容易等の特徴を有
し、4級アンモニウム塩に比較すると安価なオリゴマー
或はポリマー系の非イオン系界面活性剤をテンプレート
として用いたメソ孔を有する多孔性材料が、1995年
Science誌に取り上げられ、新たな注目を集めた。 (1) Bagshaw, S. A.; Prouzet, E.; Pinnavaia, T. J.
Science 1995, 269, 1242.(非特許文献1) 特に、規則配列したメソ孔を有する材料に関しては、金
属元素(イオン)等により細孔の表面修飾を行うこと
で、触媒担体、重金属イオンや蛋白質の吸着剤等への応
用も検討され、今後はレーザー、光機能、各種センサー
にまで応用分野が広がることが期待されている。更に最
近では、メソ細孔構造のみならず、ミクロンサイズのマ
クロ形態まで制御した、定形メソ多孔性材料の開発が行
われている。
【0003】しかしながら、これまでの研究において、
シリカ源としてアルコキシシラン等の有機シリカを用い
たものが多く、上記のような応用分野に利用するための
量産化には向かないという理由から、最近になってアル
カリ珪酸塩等の安価なシリカ源を出発原料とした研究が
わずかながら報告され始めた。アルカリ珪酸塩を出発原
料とした研究報告例としては; (2) Sierra, L.; Guth J.-L. Microporous Mesoporous
Mater. 1999, 27, 243.では、塩酸に溶解した非イオン
性ポリエチレンオキシドに、珪酸ナトリウム水溶液を添
加し、更に必要に応じて水酸化ナトリウム或は水酸化ア
ンモニウムを添加することで、マイクロ及びメソポーラ
スシリカを合成しているが、細孔構造は不規則なうえ、
細孔径分布もかなりブロードで、更に熱安定性に劣る
(非特許文献2)。 (3) Boissiere, C.; Larbot, A.; van der Lee, A.: Ko
oyman, P.J.; Prouzet,E. Chem. Mater. 2000, 12, 290
2.では、塩酸に溶解し、2℃に維持した直鎖非イオン性
ポリオキシエチレン酸性溶液に、珪酸ナトリウム水溶液
を添加し、安定なミセル集合体を調整した後、20〜7
0℃に加温し、更にシリカの縮重合を進行させる為にフ
ッ化ナトリウムを添加して3日間の反応を行うことで、
直径5μm程度の球状シリカメソ多孔体を合成している
が、手順が煩雑で合成に長時間を必要とし、更に球以外
の定形粒子は得られていない(非特許文献3)。 (4) Kim, J. M.; Stucky, G. D. Chem. Commun. 2000,
1159.では、珪酸ナトリウム水溶液と水に溶解した非イ
オン性ブロック共重合体の混合液に濃塩酸を添加し、室
温〜40℃で1日攪拌した後、更に100℃で1日反応
させることでシラノール基の重合を促進し、規則的な細
孔構造を有するメソポーラス材料を合成しているが、濃
塩酸を使用した過酷な反応条件を必要とし、更にマクロ
形態については言及していない(非特許文献4)。 (5) Kim, S. S.; Karkamkar, A.; Pinnavaia, T. J. J.
Phys. Chem. B 2001, 105, 7663.では、酢酸に溶解し
た非イオン性トリブロック共重合体に、珪酸ナトリウム
水溶液を添加し、pH6.5付近の中性に近い条件下、
室温で20時間、必要に応じ更に100℃で20時間反
応させ、規則的な細孔構造を有するメソポーラス材料を
合成しているが、マクロ形態については言及していない
(非特許文献5)。
【0004】従来、珪酸乃至珪酸塩系の繊維の合成法も
公知であり、例えば、特開昭51−112924号公報
には、特定の含水アルカリ珪酸塩を、200℃以下の押
出温度で、0.4規定以上の濃度の酸の水溶液中に紡出
し、次いで水洗、乾燥処理或いは更に焼成処理を施すこ
とを特徴とする珪酸系繊維の製造方法が記載されている
(特許文献1)。
【0005】また、特開2000−1309号公報に
は、原料のワラストナイトを水に分散して水分散スラリ
ーとし、該水分散スラリーに炭酸ガスを吹き込むことに
より繊維状シリカゲルを製造し、必要に応じてこれを熱
処理することにより、比表面積の小さな繊維状非晶質シ
リカ、繊維状石英または繊維状クリストバライトとする
ことが記載されている(特許文献2)。しかしながら、
これら公知の珪酸乃至珪酸塩系の繊維はマイクロ孔及び
メソ孔を有するものではない。
【0006】
【非特許文献1】Bagshaw, S. A.; Prouzet, E.; Pinna
vaia, T. J. Science 1995, 269, 1242.
【非特許文献2】Sierra, L.; Guth J.-L. Microporous
Mesoporous Mater. 1999, 27, 243.
【非特許文献3】Boissiere, C.; Larbot, A.; van der
Lee, A.: Kooyman, P.J.; Prouzet, E. Chem. Mater.
2000, 12, 2902.
【非特許文献4】Kim, J. M.; Stucky, G. D. Chem. Co
mmun. 2000, 1159.
【非特許文献5】Kim, S. S.; Karkamkar, A.; Pinnava
ia, T. J. J. Phys. Chem. B 2001, 105, 7663.
【特許文献1】特開昭51−112924号公報
【特許文献2】特開2000−1309号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のとおり、安価な
アルカリ珪酸塩をシリカ源としたマイクロ孔及びメソ孔
を有する多孔質材料に関する研究は、多孔質材料の利用
分野を拡大するという着想において非常に優れたもので
あるが、その報告例は高価なアルコキシシラン等の有機
シリカを原料としたものに比べ極めて少なく、更に、マ
クロ形態制御に関してはほとんど報告されていない。上
記(3)で公表されたマクロ形態制御に関する報告にお
いても、珪酸ナトリウム原料から得られた定形粒子は球
状物のみであり、さらには合成に数日を要し、手法が複
雑であるという課題を有することから量産化は困難であ
る。
【0008】本発明者らは、安価なアルカリ珪酸塩をシ
リカ源とし、無毒性の非イオン性界面活性剤をテンプレ
ートとして使用することで、多孔性で、比較的大きい比
表面積と微細孔とを有する、全く新規なロッド状及びフ
ァイバー状の定形多孔質粒子の合成に成功した。本発明
の目的は、細孔構造、マクロ形態を制御するために、無
毒性で、生分解性の非イオン性界面活性剤を使用し、更
にシリカ源として安価なアルカリ珪酸塩を用いた反応系
において、反応物質の混合割合、酸性度、反応温度、攪
拌速度を変化させることにより、定形多孔質シリカ粒子
の前駆体となる界面活性剤を含んだ有機無機ナノ複合体
を比較的温和な条件下、短時間で作製し、最終的に有機
成分を取除くことによる、ロッド状及びファイバー状の
多孔質シリカ及びその製造方法を提供することにある。
さらに、酸或はアルカリに溶解した各種金属塩を上記反
応系に加えることによる、Siの一部を他の金属で置換
したり、また骨格外に金属酸化物等を含むロッド状及び
ファイバー状の多孔質シリカ金属複合体粒子及びその製
造方法を提供することにある。また、本製造法で得られ
る定形多孔質シリカ粒子乃至シリカ金属複合体粒子は、
ミクロンオーダーのロッド状或はファイバー状の形状を
呈すると同時に、直径4〜7nmの細孔が規則配列して
おり、2つの異なるスケールで秩序構造を有している。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、酸に溶
解した非イオン性界面活性剤の溶液と、アルカリ珪酸塩
と水の混合液、或は更に酸またはアルカリに溶解した金
属塩を攪拌下に混合し、静置或は攪拌反応を行うこと
で、生成する非イオン性界面活性剤を含んだ有機無機ナ
ノ複合体をロッド状或はファイバー状に成長させ、最終
的に有機成分を除去することを特徴とするロッド状或は
ファイバー状の多孔質シリカ粒子乃至シリカ金属複合体
粒子の製造方法が提供される。本発明によればまた、下
記式 SiO・nMOm/2 式中、Mは多価金属を表し、mは多価金属の価数であ
り、nはゼロを含む0.1以下の数である、で表される
化学的組成を有する定形多孔質シリカ乃至シリカ金属複
合体粒子であって、回折角0.5乃至5度(CuKα)
に細孔の規則配列構造を示すX線回折ピークを有し且つ
細孔径3乃至8nmに細孔容積の極大値を有することを
特徴とする定形多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子
が提供される。本発明の定形多孔質シリカ乃至シリカ金
属複合体粒子においては、 1.走査型顕微鏡観察による長軸の長さが0.5乃至5
μmの範囲にあり、アスペクト比が1.1乃至15であ
って、形状がロッド状であること、 2.前記ロッド状粒子が走査型電子顕微鏡観察によりみ
て実質上単分散粒子からなること、 3.前記ロッド粒子が、400m/g以上のBET比
表面積を有し、且つ細孔径4乃至7nmに0.4ml/
g以上の細孔容積を有すること、 4.前記ロッド粒子が、高分解能電子顕微鏡(TEM)
写真で観察して、粒子端面にハニカム状に規則的に配置
されたメソ孔断面と、粒子長手方向に貫通して延びる1
次元メソチャンネルとを示すものであること、 5.走査型顕微鏡観察による長軸の長さが5乃至100
0μmの範囲にあり、アスペクト比が3乃至150であ
って、形状がファイバー状であること、 6.前記ファイバーが、電解放射型走査電子顕微鏡(F
E―SEM)写真で観察して、ロッド状ユニットの連鎖
物もしくはその連鎖物の集合体からなること、 7.前記ファイバーが、500m/g以上のBET比
表面積を有し、且つ細孔径4乃至7nmに0.4ml/
g以上の細孔容積を有すること、が好ましい。 本発明の定形多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子の
製造方法においては、 1.酸性水溶液及び非イオン性界面活性剤の混合液と、
アルカリ珪酸塩水溶液を攪拌下で混合し、静置下で生成
するロッド状粒子中の非イオン性界面活性剤を除去する
こと、 2.酸性水溶液及び非イオン性界面活性剤の混合液と、
アルカリ珪酸塩水溶液、及び酸或はアルカリに溶解した
金属塩を攪拌下で混合し、静置下で生成するロッド状粒
子中の非イオン性界面活性剤を除去すること、 3.酸性水溶液及び非イオン性界面活性剤の混合液と、
アルカリ珪酸塩水溶液を攪拌下で混合し、攪拌下で生成
するファイバー状粒子中の非イオン性界面活性剤を除去
すること、 4.酸性水溶液及び非イオン性界面活性剤の混合液と、
アルカリ珪酸塩水溶液、及び酸或はアルカリに溶解した
金属塩を攪拌下で混合し、攪拌下で生成するファイバー
状粒子中の非イオン性界面活性剤を除去すること、 5.非イオン性界面活性剤をアルカリ珪酸塩中のSiO
1モル当たり0.002乃至0.25の量で用いるこ
と、 6.酸をアルカリ珪酸塩中のSiO1モル当たり0.
6乃至15モルの量で用いること、 7.水をアルカリ珪酸塩中のSiO1モル当たり10
0乃至400モルの量で用いること、 8.反応を5℃乃至45℃の温度で行うこと、が好まし
い。 本発明による定形多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒
子は、樹脂添加剤、インク吸着用フィラー、石綿代替材
料、増粘剤等の用途に利用される。
【0010】
【発明の実施形態】本発明では、ミクロンオーダーのロ
ッド状及びファイバー状多孔質シリカ粒子乃至シリカ金
属複合体粒子の製造法において、シリカ源としてアルカ
リ珪酸塩を用い、金属アルコキシド等の高価な有機シリ
カを使用する必要がないこと、テンプレートとして高価
な4級アンモニウム塩等を使用せずに無毒性、生分解
性、安価な非イオン性界面活性剤を使用できること、更
に温和な温度条件下、短時間で定形粒子を高収率で得ら
れること、攪拌の有無により二種類のマクロ形態を選択
的に合成できること、温度により細孔径をコントロール
できること、酸濃度、反応濃度、攪拌速度によりアスペ
クト比を調整できること等、用いる製造手段及びその組
合せに格段の進歩性を有する。
【0011】本発明による定形多孔質シリカ粒子乃至シ
リカ金属複合体粒子は、既に指摘したとおり、ミクロン
オーダーのロッド状或はファイバー状の形状を呈すると
同時に、直径4〜7nmの細孔が規則配列しており、2
つの異なるスケールで秩序構造を有しているが、このよ
うな2つの秩序構造の生成機構は以下のように推定され
る。アルカリ珪酸塩は強酸性水溶液下でシリカ溶存種が
プラスに帯電し[I]、一方、強酸に溶解した非イオン
性界面活性剤[N]においても、界面活性剤表面の親水
基部分がプロトン[H]に覆われることでプラスの電荷
を帯び、プラスに帯電したシリカ、界面活性剤の両表面
間に陰イオン[X]が介在することで、電気的に安定な
メソ構造体[N][X]を形成すると推定され
る。更に、溶液中にはアルカリ珪酸塩と酸との反応によ
り発生したアルカリイオン(P)が存在し、このイオ
ンにより表面が帯電したシリカ間同士の電荷は相殺され
るため、徐々にゲル化が進行しシリカ骨格中に非イオン
性界面活性剤を包含した有機無機メソ構造体が生成す
る。この有機無機メソ構造体を核として界面活性剤との
協調的な秩序形成能に基づいて、ミクロンオーダーの規
則的なマクロ形態を有する定形粒子に成長すると推定さ
れる。有機成分を焼成或は溶媒抽出等の処理により除去
することで得られる最終生成物は、ミクロンオーダーの
規則的形状を呈すると同時に、1次元チャンネルが六方
晶系に規則配列したメソ孔を併せ持ち、2つの異なるス
ケールで秩序構造を有していることになる。更に、非イ
オン性界面活性剤の親水性部がシリカ骨格中に進入する
ことによりメソ孔以外にマイクロ孔も形成される。添付
図面の図1は、本発明に用いる反応系のゲル化前の溶液
状態を模式的に示すものである。即ち、強酸性条件下で
は界面活性剤の親水基部分がH+に覆われ、ミセル表面
はプラスに帯電している。一方で、Si溶存種の表面も
プラス帯電を帯びており、両プラス表面間に陰イオン
(X)が介在することで電荷が相殺されメソ構造体前
駆体が生成する。また、プラスに帯電したシリカ間は、
アルカリイオン(P)の存在により電荷反発が消失し
ゲル化が進行する。添付図面の図2は、本発明における
メソ前駆体生成と界面活性剤の除去により生成するメソ
ポア及びマイクロポア含有多孔体を示すものである。即
ち、図2の左方部分に示すとおり、界面活性剤ミセルを
骨格内に取り込んだ形でメソ構造前駆体が生成するが、
界面活性剤を除去することにより、メソポアとマイクロ
ポアとを含有する多孔体が得られる。本反応系において
定形粒子を製造するためにはゲル化速度を厳密に制御し
なければならない。例えば、出発原料組成、反応温度ば
かりでなく、反応系への食塩等の塩の添加によりゲル化
までの時間が短縮され、マクロ形態に著しい影響を及ぼ
す。尚、本製造法において、界面活性剤が存在しない場
合、大過剰の陰イオン(X)が系内に存在し、シリカ
のゲル化が妨げられるが、界面活性剤の量と陰イオンの
量のバランスによりゲル化に要する時間をコントロール
できる為、最終的にマクロ形態を制御できると推察され
る。
【0012】本製造法において、規則的に配列したメソ
孔を有し、ミクロンオーダーの定形多孔質シリカ粒子及
び定形多孔質シリカ金属複合体粒子の前駆体を、室温付
近常圧下において比較的短時間で製造できる。また、界
面活性剤量、反応温度、酸濃度、シリカ濃度、攪拌速度
をコントロールすることで、マクロ形態及び、細孔構
造、更に細孔構造を形成するシリカ骨格のシリカ壁厚の
制御が可能である。
【0013】本製造法では、ゲル化過程における攪拌の
有無により、全く異なったマクロ形態を有する定形粒子
の選択的な合成に成功した。攪拌を行うことで、一次粒
子の衝突が促進されファイバー状に粒子成長させること
ができ、一方、攪拌を行わない場合には粒子間衝突を抑
制し、単分散性のロッド状定形粒子を合成できる。攪拌
速度は問わないが、遅すぎると反応液の粘性のため衝突
回数が減少すると推定され、長く伸びたファイバーが得
難くなる傾向がある。
【0014】本発明のロッド状及びファイバー状定形多
孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子は、回折角2θ=
0.5乃至5.0度にメソ孔の規則配列を示すXRD回折
(CuKα)ピークを有する。添付図面の図3は、本発
明のロッド状定形多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒
子の一例のX線回折パターンであり、図4は、ファイバ
ー状定形多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子の一例
のX線回折パターンである。図3及び4において、上側
の回折パターンはピークの存在を明確にするため拡大し
たもので、矢印はピーク位置を示す。
【0015】図5は、本発明のロッド状定形多孔質シリ
カ乃至シリカ金属複合体粒子の一例の粒子構造を示す走
査型電子顕微鏡写真であり、図6は、本発明のファイバ
ー状定形多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子の一例
の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真である。更に、
図11は、本発明のファイバー状定形多孔質シリカ乃至
シリカ金属複合体粒子の一例の粒子構造を示す電解放射
型走査電子顕微鏡(FE―SEM)写真である。図6の
一本のファイバーは、より細かい繊維状シリカ粒子の集
合体からなっていることが分かり、更に図11から当該
集合体が竹の木のようにロッド状ユニットが連なった連
鎖状物或いはその連鎖状物の絡み合ったものであること
が分かる。これらの走査型電子顕微鏡写真から、本発明
の定形多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子は、アス
ペクト比の揃った定形マクロ形態を有することがわか
る。
【0016】本発明のロッド状或はファイバー状多孔質
シリカ乃至シリカ金属複合体粒子は、一次粒子内にメソ
孔を有し、BJH法でみてシャープな細孔径分布を有し
ている。また、反応温度を上げることで、粒子中の細孔
径を大きくすることが可能である。図7は、本発明のロ
ッド状定形多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子の数
例について、細孔径と細孔径分布との関係を示すグラフ
であり、図8は、本発明のファイバー状定形多孔質シリ
カ乃至シリカ金属複合体粒子の数例について、細孔径と
細孔径分布との関係を示すグラフである。図7は、反応
時間が細孔径分布に殆ど影響を与えないことを示してい
る。既に指摘したとおり、本発明のロッド状或はファイ
バー状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子は、ミク
ロンオーダーのロッド状或はファイバー状の形状を呈す
ると同時に、直径4〜7nmの細孔が規則配列してお
り、2つの異なるスケールで秩序構造を有していること
が顕著な特徴である。図9は、本発明のロッド状多孔質
シリカ乃至シリカ金属複合体粒子の一例について、ロッ
ド状粒子端面の構造を示す高分解能電子顕微鏡(TE
M)写真であり、図10は、ロッド状粒子の長手方向の
構造を示す高分解能電子顕微鏡(TEM)写真である。
図9及び図10を参照すると、本発明のロッド状多孔質
シリカ乃至シリカ金属複合体粒子は、粒子端面にハニカ
ム状に規則的に配置されたメソ孔断面と、粒子長手方向
に貫通して延びる1次元メソチャンネルとが明確に認め
られ、メソ構造の規則性に顕著に優れていることが明ら
かである。尚、本発明の定形多孔質シリカ乃至シリカ金
属複合体粒子の内、ファイバー状のものでは、図9及び
図10のような電子顕微鏡写真が得られていないが、こ
れは繊維の絡み合いのためメソ構造が明確に確認できな
いというだけのことであり、メソ構造が形成されている
ことは疑いの余地がない。
【0017】本製造法において、反応時間により生成物
のアスペクト比やマクロ形態にも影響が現れる。反応時
間が1時間よりも短いと、シリカ骨格が完全に出来上が
らず、更に未反応のアルカリ珪酸塩が残存するため、反
応は1時間以上行うことが好ましい。反応を長時間行っ
てもマクロ形態、細孔構造に大きな変化は見られず、生
成物に与える影響は小さいが、生産効率の問題から経済
的に不利になる。
【0018】本製造法における反応温度は、5℃乃至4
5℃の範囲が望ましい。反応温度は、シリカのゲル化速
度を左右するが、上記温度範囲よりも高い温度で反応を
行うと、マクロ形態の規則性が悪化する傾向があり、こ
れは、温度の上昇により非イオン性系面活性剤中の親水
基部分の脱水和が起こりやすくなる為、結果的に非イオ
ン性界面活性剤の形成するミセルが大きくなり、マクロ
形態に影響を与えると推定される。一方、反応温度が低
くなるとロッド状シリカにおいて、アスペクト比が小さ
くなる傾向が確認された。
【0019】本製造法において、界面活性剤量の減少、
酸濃度の増加、シリカ濃度の増加によってもシリカのゲ
ル化に要する時間が短縮され、マクロ形態に影響が現れ
る。これは、界面活性剤の形成するミセルの配向性に影
響が現れ、ゲル化速度が上がるとミセルの成長が抑制さ
れるためであると推定される。ファイバー状シリカ合成
においては、シリカ濃度が低下するとファイバーが長く
伸びアスペクト比が大きくなる傾向がある。一方、酸濃
度が増加するとロッド状及びファイバー状共にアスペク
ト比が小さくなる傾向がある。
【0020】本発明のロッド状多孔質シリカ乃至シリカ
金属複合体粒子において、有機成分除去後、超音波によ
る水分散を行い、走査型電子顕微鏡により観察を行った
時に、二次元的に規則配向した状態が確認され、非常に
良好な単分散性を示すことが分かった。
【0021】本発明のロッド状及びファイバー状の多孔
質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子は、所定の濃度の酸
に溶解した非イオン性界面活性剤溶液と、水で希釈した
アルカリ珪酸塩水溶液を攪拌下に混合した後、攪拌を止
め静置反応を行うか、又は攪拌を継続することにより、
非イオン性界面活性剤とシリカ溶存種との協調的秩序形
成能に基づいて生成する非イオン性界面活性剤を包含し
たシリカ複合前駆体から、最終的に非イオン性界面活性
剤を焼成或は溶媒抽出等の手段により除去することで得
られる。
【0022】本発明において、上記原料の添加順序には
制限がなく、例えば水で希釈したアルカリ珪酸塩水溶液
に酸に溶解した非イオン性界面活性剤溶液を添加しても
よく、また逆に、酸に溶解した非イオン性界面活性剤溶
液に水で希釈したアルカリ珪酸塩水溶液を添加しても良
い。
【0023】[原料]本発明で使用される、シリカ原
料、非イオン性界面活性剤、酸或はアルカリに可溶な金
属塩、酸について更に説明する。
【0024】本発明で使用されるシリカ原料としては、
アルカリ珪酸塩を使用することが可能で、比較的廉価で
あるナトリウム珪酸塩が好ましい。ナトリウム珪酸塩と
してはNaO・mSiO式中、mは1乃至4の数、
特に2.5乃至3.5の数である組成を有するナトリウ
ム珪酸塩水溶液を使用することが好ましい。
【0025】非イオン性界面活性剤としては、ポリエチ
レンオキシドーポリプロピレンオキシド-ポリエチレン
オキシド(PEO−PPO−PEO)或はポリプロピレンオキシ
ドーポリエチレンオキシドーポリプロピレンオキシド
(PPO−PEO−PPO)からなる分子量約2000から約1
3000程度の様々な重合比のトリブロック共重合体の
他、アルキル基のカーボン数が12から18のポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオク
チルフェニルエーテル、ポチオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタ
ンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソル
ビタンジステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソ
ルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエー
ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポ
リオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオ
キシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシ
エチレンソルビタンモノオレエート、ポリエチレングリ
コールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノス
テアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、
ポリエチレングリコールモノオレエート、オレイン酸モ
ノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド、ポリ
オキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンス
テアリルアミン等を使用することができる。特に、本反
応系ではトリブロック共重合体或はポリオキシエチレン
アルキルエーテルの使用が好ましい。
【0026】本発明で使用される、非イオン性界面活性
剤において、ブロック共重合体の重合比や各種ポリマー
の平均分子量に特に制限は持たないが、反応温度以下で
酸に溶解するものが好ましい。特に、トリブロック共重
合体(PEO−PPO−PEO)において、その重量平
均分子量は約2000乃至約12600であることが望
ましい。またポリオキシエチレンアルキルエーテルにお
いては、C2m+1(PEO)(OH)の式中、
mは12乃至18で、nは2乃至23であることが望ま
しく、好ましくはC2m-1(PEO)(OH)
の式中、mは18で、nは2乃至23であることが望ま
しい。
【0027】本発明で使用された非イオン性界面活性剤
は、SiOに対してモル比0.002乃至0.25の
量を用いるのがよく、上記範囲外ではマクロ形態が定形
ではなくなり、特に上記範囲より多い添加量では、生成
物の濾過性が極端に悪化し生産効率が低下する。
【0028】金属種としては、Siの他に、Ti、Z
r、Al、Fe、Zn、Cr、Mn、Co、Cu、N
i、V、Sn、Ru、Ce、Mo、W、Rh、Ag等の
一種類あるいは複数を同時に用いることができる。酸に
可溶な金属塩としては、上記金属の塩化物、硫酸塩、硝
酸塩やその水和物等、酸に可溶な全ての金属塩を使用す
ることができる。またAl等の両性酸化物の場合には、
アルカリに可溶な金属塩、金属酸化物及び金属水酸化物
等を使用することができる。
【0029】酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、炭
酸、酢酸等の無機酸や有機酸が使用されるが、経済的な
見地から塩酸、硫酸、硝酸、燐酸等の鉱酸を用いるのが
よく、中でも、マクロ形態の一様さの点で塩酸、硝酸が
好ましい。
【0030】本発明のロッド状及びファイバー状多孔質
シリカ粒子の合成において、出発原料の混合モル比は、
SiO:非イオン性界面活性剤:NaO:酸:水
=1:0.002〜0.25:0.25〜1:0.6〜
15:100〜400であるのが好ましい。更に、出発
原料の混合方式を詳細に記述すると、ロッド状定形粒子
合成においては、所定の濃度の酸に溶解した非イオン性
界面活性剤溶液(A)、水に希釈したアルカリ珪酸塩水
溶液(B)を攪拌下に混合し、白濁ゲル化する前の数秒
乃至数分間攪拌後、攪拌を停止し、所定温度の下で1時
間以上好ましくは3時間以上24時間程度、静置反応を
行う。また、ファイバー状定形粒子合成においては、ロ
ッド状定形粒子合成と同様の原料混合を行った後、攪拌
を継続して所定温度の下で1時間以上好ましくは3時間
以上24時間程度、攪拌反応を行う。ここで、原料溶液
A及びBは予め同じ所定温度に調整して混合する。本発
明のロッド状及びファイバー状多孔質シリカ金属複合体
粒子の合成において、出発原料の混合モル比は、SiO
:非イオン性界面活性剤:NaO:酸:水:金属元
素=1:0.002〜0.25:0.25〜1:0.6
〜15:100〜400:0.001〜0.1である。
更に、出発原料の混合方式を詳細に記述すると、ロッド
状定形粒子合成においては、所定の濃度の酸に溶解した
非イオン性界面活性剤(A)と、水に希釈したアルカリ
珪酸塩水溶液(B)と、酸或はアルカリに溶解した金属
塩(C)を攪拌下に混合し、白濁ゲル化する前の数秒乃
至数分間攪拌後攪拌を止め、所定温度の下で1時間以上
好ましくは3時間以上24時程度、静置反応を行う。ま
た、ファイバー状定形粒子合成においては、ロッド状定
形粒子合成と同様の原料混合を行った後、所定温度の下
で1時間以上好ましくは3時間以上24時程度、攪拌反
応を行う。ここで、原料溶液A、B及びCは予め同じ所
定温度に調整して混合する。
【0031】上記いずれの場合も、反応後懸濁液から固
体生成物を分離し、室温〜100℃で充分乾燥させる。
最後に有機成分を除去してロッド状及びファイバー状多
孔質シリカ粒子乃至シリカ金属複合体粒子を作製するた
めに、200℃以上で2時間以上、好ましくは400℃
以上で1時間加熱処理する。
【0032】[用途]本発明のロッド状多孔質シリカ乃
至シリカ金属複合体粒子は、非常に良好な単分散性を示
し、更にサイズが比較的揃ったロッド状形態を有するた
め、球とは異なり、粒子が二次元的にマクロ配向しやす
いと推定されることから、樹脂に添加した場合に良好な
分散性を示し、樹脂添加剤やガス分離膜に適している。
更に、金属種による多機能性を付与することで、機能性
樹脂添加剤として利用できる。また、多孔性を利用し
た、インク吸収剤や、イオン・分子の吸着・分離・貯蔵
剤への利用、金属種添加による触媒或は触媒担体として
の材料に適している。また、各種塗料、インク用体質顔
料、インクジェット紙用添加剤、調湿剤、接着剤等に配
合して種々の用途に利用することができる。
【0033】本発明のファイバー状多孔質シリカ粒子乃
至シリカ金属複合体粒子は、多孔性であることから、上
記と同様な用途に使用できるほか、非晶質ながら柔軟な
ファイバー状であるため、発ガン性が問題視されている
石綿代用品として種々の用途に利用できる。更に、大き
なアスペクト比を有するため増粘剤や、樹脂の強度を高
める補強剤としても利用することができる。
【0034】
【実施例】次に、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はこの実施例によって限定されな
い。尚、実施例で行った各試験方法は次の方法により行
った。
【0035】(測定法) (1)走査型電子顕微鏡:日本電子株式会社製JSM5
300を使用し、加速電圧10kV、WD10mmで観
察した。 (2)比表面積・細孔径分布:日本ベル製BELSOR
P28を使用し、液体窒素温度で測定した窒素吸着等温
線からBET比表面積を求め、細孔径分布はBJH法に
より解析した。 (3)形状:走査型電子顕微鏡写真から観察した。 (4)粒子サイズ:走査型電子顕微鏡写真で測定した。 (5)X線回折:リガク製ロータフレックスRU−30
0を使用し、Cu−Kα線源、加速電圧40kV、80
mAで測定した。 (6)27Al MAS NMRスペクトル測定:CMX
300MHz固体NMR装置を使用し、回転数12kH
z、90°パルス180秒の条件で測定した。 (7)高分解能電子顕微鏡:HITACHI製HF-2
000を使用し、加速電圧200kVで観察した。 (8)電解放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM):日
本電子株式会社製JSM−6700Fを使用し、前処理
Ptコーティング、加速電圧3kVで測定した。
【0036】(実施例1)市販のJIS3号珪酸ナトリ
ウム(SiO:23.6%、NaO:7.59%)
に水を加えて希釈した後、2Nの塩酸に溶解したトリブ
ロック共重合体Pluronic P123 (PEO20PPO70
PEO20) (平均分子量5800)(Aldrich)溶液を攪
拌しながら添加する。両原料溶液は予め30℃に調整し
て混合し、反応は30℃に保持して行った。混合溶液の
モル比はSiO:Pluronic P123:NaO:HC
l:HO=1:0.0169:0.312:5.9
0:202.88である。尚、HOには全ての原料由
来の水が含まれている。混合後30秒後に攪拌を停止
し、30℃で6時間静置反応を行う。反応後固体生成物
を濾別し、60℃の温水で洗浄後、50℃で十分乾燥さ
せる。最終的に600℃の電気炉中で1時間焼成を行う
ことで有機成分を除去し、ロッド状多孔質シリカ粒子
(実施例1−1)を得る。表1に出発原料組成、及び表
2にそれぞれの合成条件で作製したロッド状多孔質シリ
カ粒子の比表面積と、細孔径分布曲線から求めた細孔径
と細孔容積、XRD測定結果と細孔径から算出したシリ
カ壁厚を示す。図7の細孔分布曲線から、本実施例のロ
ッド状多孔質シリカ粒子は、反応時間によらず約5.5
nmの均一細孔径を有していることが分かる。また、本
実施例の多孔質シリカ粒子のSEM写真は図5に示す通
りであり、太さ及び長さの比較的揃った、実質的に単分
散のロッド状形態を持つことがわかる。本実施例のXR
D測定結果は、図3に示すように低角領域(1度乃至5
度)に3本の明瞭なピークと極めてブロードな2本のピ
ークが認められ、メソ孔が2次元六方晶に規則配列して
いることを示している。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】(実施例2)2Nの塩酸に溶解したトリブ
ロック共重合体Pluronic P123 (PEO20PPO70
PEO20) (平均分子量5800)(Aldrich)溶液に、
市販のJIS3号珪酸ナトリウム(SiO:23.6
%、NaO:7.59%)に水を加え希釈した珪酸ナ
トリウム水溶液を攪拌しながら添加する。両原料溶液は
予め30℃に調整して混合し、反応は30℃に保持して
行った。混合溶液のモル比はSiO:Pluronic P12
3:NaO:HCl:HO=1:0.0169:
0.312:5.97:203.97である。尚、H
Oには全ての原料由来の水が含まれている。混合後30
℃で6時間攪拌反応を行う。反応後固体生成物を濾別
し、60℃の温水で洗浄後、50℃で十分乾燥させる。
最終的に600℃の電気炉中で1時間焼成を行うことで
有機成分を除去し、ファイバー状定形多孔質シリカ粒子
を得る。表1に出発原料組成、及び表2にそれぞれの合
成条件で作製したファイバー状多孔質シリカ粒子の比表
面積と、細孔径分布曲線から求めた細孔径と細孔容積、
XRD測定結果と細孔径から算出したシリカ壁厚を示
す。図8の細孔径分布曲線から、本実施例2−1のファ
イバー状多孔質シリカ粒子は、5.6nmの均一細孔径
を有していることが分かる。また、本実施例の多孔質シ
リカ粒子のSEM写真は図6、FE−SEM写真は図1
1に示す通りであり、アスペクト比が大きく、太さ及び
長さの比較的揃ったファイバー状であることが分かる。
また一本のファイバーはより細い繊維状シリカ粒子の集
合体からなることがわかる。本実施例のXRD測定結果
は、図4に示すように低角領域(1度乃至5度)に3本
の明瞭なピークと極めてブロードな2本のピークが認め
られ、メソ孔が2次元六方晶に規則配列していることを
示している。
【0040】(実施例3)市販のJIS3号珪酸ナトリ
ウム(SiO:23.6%、NaO:7.59%)
に水を加えて希釈した後、2Nの塩酸に溶解したトリブ
ロック共重合体Pluronic P123 (PEO20PPO70
PEO20) (平均分子量5800)(Aldrich)溶液を攪
拌しながら添加する。両原料溶液は予め30℃に調整し
て混合し、反応は30℃に保持して行った。混合溶液の
モル比はSiO:Pluronic P123:NaO:HC
l:HO=1:0.0169:0.312:5.9
7:204.17である。尚、HOには全ての原料由
来の水が含まれている。混合後30℃で6時間攪拌反応
を行う。反応後固体生成物を濾別し、60℃の温水で洗
浄後、50℃で十分乾燥させる。最終的に600℃の電
気炉中で1時間焼成を行うことで有機成分を除去し、フ
ァイバー状多孔質シリカ粒子を得る。表1に出発原料組
成、及び表2にそれぞれの合成条件で作製したファイバ
ー状多孔質シリカ粒子の比表面積と、細孔径分布曲線か
ら求めた細孔径と細孔容積、XRD測定結果と細孔径か
ら算出したシリカ壁厚を示す。本実施例のXRD回折パ
ターンには低角領域(1度乃至5度)に3本の明瞭なピ
ークと極めてブロードな2本のピークが認められ、メソ
孔が2次元六方晶に規則配列していることを示してい
た。本実施例で得られた生成物はSEM、FE−SEM
による観察結果も実施例2と同様、アスペクト比の比較
的揃ったファイバー状であり、細孔特性もほぼ同等であ
る。このことは本反応系で得られるファイバー状多孔質
シリカ粒子の形態ならびに細孔特性等は原料溶液の添加
順序には依存しないことを示唆している。
【0041】(実施例4)市販のJIS3号珪酸ナトリ
ウム(SiO:23.6%、NaO:7.59%)
に水を加えて希釈した後、1.5Nの塩酸に溶解したト
リブロック共重合体Pluronic P123 (PEO20PPO
70PEO20) (平均分子量5800)(Aldrich)と塩
化アルミニウムとの混合溶液を攪拌しながら添加する。
両原料溶液は予め40℃に調整して混合し、反応は40
℃に保持して行った。混合溶液のモル比はSiO:Pl
uronic P123:NaO:HCl:HO:AlCl
=1:0.0168:0.312:4.48:207.
59:0.0415である。尚、HOには全ての原料
由来の水が含まれている。混合後30秒後に攪拌を停止
し、40℃で24時間静置反応を行う。反応後固体生成
物を濾別し、60℃の温水で洗浄後、50℃で十分乾燥
させる。最終的に600℃の電気炉中で1時間焼成を行
うことで有機成分を除去すると、実施例1[図3
(a)]と同等なロッド状多孔質シリカ・アルミナ粒子
(Si/Alモル比0.0415)が得られる。その細孔特性は比
表面積542m/g、細孔容積0.48ml/g、細
孔径6nmである。しかし、原料溶液の混合比を一定と
して、反応温度を30℃、また塩酸濃度を2Nにした場
合にはロッド状ではなく不規則なマクロ形態を呈した。
本実施例はロッド状多孔質粒子の形態が反応条件例えば
反応温度や塩酸濃度、更に塩の添加に極めて敏感なこと
を示している。尚、塩化アルミニウムをアルミニウム源
とした場合にはロッド状多孔質粒子中のアルミニウムの
大部分はシリケート骨格外に存在することが27Al
MAS NMRスペクトルから明らかであった。
【0042】(比較例1)2Nの塩酸に溶解したトリブ
ロック共重合体Pluronic P123 (PEO20PPO70
PEO20) (平均分子量5800)(Aldrich)溶液に、
市販のJIS3号珪酸ナトリウム(SiO:23.6
%、NaO:7.59%)に水を加え希釈した珪酸ナ
トリウム水溶液を攪拌しながら添加する。両原料溶液は
予め50℃に調整して混合し、反応は50℃に保持して
行った。混合溶液のモル比はSiO:Pluronic P12
3:NaO:HCl:HO=1:0.0169:
0.312:5.93:203.69である。尚、H
Oには全ての原料由来の水が含まれている。混合後50
℃で6時間攪拌反応を行う。反応後固体生成物を濾別
し、60℃の温水で洗浄後、50℃で十分乾燥させる。
最終的に600℃の電気炉中で1時間焼成を行うことで
有機成分を除去し、多孔質シリカ粒子を得る。表1に出
発原料組成、及び表2に比表面積と、細孔径分布曲線か
ら求めた細孔径と細孔容積を示す。本比較例のシリカ粒
子は多孔体であり、大きな細孔径を有するが、SEM観
察から定形粒子ではないことが確認された。このことは
生成物の形態が反応温度に極めて敏感なことを示してい
る。
【0043】(比較例2)市販のJIS3号珪酸ナトリ
ウム(SiO:23.6%、NaO:7.59%)
に水を加え希釈した後、2N塩酸を攪拌しながら添加す
る。両原料溶液は予め43℃に調整して混合し、反応は
43℃に保持して行った。混合溶液のモル比はSi
:NaO:HCl:HO=1:0.312:
5.89:201.78である。尚、HOには全ての
原料由来の水が含まれている。混合後43℃で静置反応
を行う。20時間経つと若干のゾル化が進行するが、1
ヶ月経ってもゲル化は起こらず、定形シリカ粒子を得る
ことはできなかった。本試験結果から、本製造方法にお
ける強酸性条件下でシリカのゲル化を進行させるために
は、界面活性剤の添加が必要不可欠であることを示して
いる。
【0044】(比較例3)市販のJIS3号珪酸ナトリ
ウム(SiO:23.6%、NaO:7.59%)
に水を加えて希釈した後、0.3Nの塩酸に溶解したト
リブロック共重合体Pluronic P123 (PEO20PPO
70PEO20) (平均分子量5800)(Aldrich)溶液
を攪拌しながら添加する。両原料溶液は予め40℃に調
整して混合し、反応は40℃に保持して行った。混合溶
液のモル比はSiO:Pluronic P123:NaO:H
Cl:HO=1:0.0127:0.312:0.5
9:158.27である。尚、HOには全ての原料由
来の水が含まれている。混合後30秒後に攪拌を停止
し、40℃で24時間静置反応を行う。反応後固体生成
物を濾別し、60℃の温水で洗浄後、50℃で十分乾燥
させる。最終的に600℃の電気炉中で1時間焼成を行
うことで有機成分を除去した。得られシリカ粒子は非常
に微細な不定形粒子の凝集体であり、定形粒子を得るこ
とはできなかった。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、安価なアルカリ珪酸塩
をシリカ源として用い、安全性の高い非イオン性界面活
性剤をテンプレートとして使用し、更に低温、常圧下、
比較的短時間でロッド状或はファイバー状多孔質シリカ
粒子乃至シリカ金属複合体粒子の合成に成功した。本発
明は、細孔構造の制御剤として非イオン性界面活性剤を
使用し、アルカリ珪酸塩水溶液と酸性水溶液を混合する
極めて単純な反応系において、反応物質の混合割合、酸
性度、反応温度、特に攪拌速度を変化させることによ
り、常温付近、常圧下でロッド状或はファイバー状多孔
体の前駆体となる界面活性剤を含んだ有機無機ナノ複合
体を比較的短時間で選択的に作製し、最終的に有機物を
取除くことによる、ミクロンオーダーの定形多孔質シリ
カ粒子の製造方法を提供する。さらに、酸に溶解した非
イオン性界面活性剤反応系と、酸或はアルカリに溶解し
た金属塩、アルカリ珪酸塩水溶液を混合することで、S
iの一部を他の金属で置換したり、また骨格外に金属酸
化物等を含むミクロンオーダーのロッド状或はファイバ
ー状の多孔質シリカ金属複合体粒子の製造方法を提供す
る。しかも、本定形粒子は、マクロ形態の秩序性と、同
時に4〜7nmの細孔が規則性をもって配列しており、
2つの異なるスケールで規則性を有する高比表面積定形
多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子の製造法を提供
するものである。安価な原料を使用し、穏やかな反応条
件下、短時間での合成が可能であることから工業規模へ
の応用も可能であり、更に、高比表面積、細孔径の均一
性、単分散性等の特徴を併せ持つことから、形状選択能
を利用した分子篩、吸着剤や、高分散性定形粒子である
ことを利用した樹脂添加剤、ガス分離膜、加えて触媒担
体、触媒、クロマトグラフ用担体としての利用に適す
る。また、ファイバー状多孔質シリカ粒子は、大きく、
揃ったアスペクト比を有する非晶質シリカであることか
ら、人体への毒性が問題となっている石綿の代替品や樹
脂の強度を高める補強剤、さらには増粘剤として利用が
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる反応系のゲル化前の溶液状態を
模式的に示す説明図である。
【図2】本発明におけるメソ前駆体生成と界面活性剤の
除去により生成するメソポア及びマイクロポア含有多孔
体を示す説明図である。
【図3】本発明のロッド状多孔質シリカ乃至シリカ金属
複合体粒子の一例のX線回折パターンである。
【図4】ファイバー状多孔質シリカ乃至シリカ金属複合
体粒子の一例のX線回折パターンである。
【図5】本発明のロッド状定形多孔質シリカ乃至シリカ
金属複合体粒子の一例の粒子構造を示す走査型電子顕微
鏡写真である。
【図6】本発明のファイバー状多孔質シリカ乃至シリカ
金属複合体粒子の一例の粒子構造を示す走査型電子顕微
鏡写真である。
【図7】本発明のロッド状多孔質シリカ乃至シリカ金属
複合体粒子の数例について、細孔径と細孔径分布との関
係を示すグラフである。
【図8】本発明のファイバー状多孔質シリカ乃至シリカ
金属複合体粒子の数例について、細孔径と細孔径分布と
の関係を示すグラフである。
【図9】本発明のロッド状シリカ乃至シリカ金属複合体
粒子の一例について、ロッド状粒子端面の構造を示す高
分解能電子顕微鏡(TEM)写真である。
【図10】図9のロッド粒子の長手方向の構造を示す高
分解能電子顕微鏡(TEM)写真である。
【図11】本発明のファイバー状定形多孔質シリカ乃至
シリカ金属複合体粒子の一例の粒子構造を示す電解放射
型走査電子顕微鏡(FE―SEM)写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 哲 東京都中央区日本橋室町1丁目13番6号 水澤化学工業株式会社内 Fターム(参考) 4G073 BD11 CE01 FA11 FB19 FC11 FC18 FC25 FD13 GA03 GA11 GA12 GA13 GA14 GB02 UA06 UA08 UB19 4J037 AA08 AA18 DD01 DD03 DD05 DD06 DD07 DD09 DD24 EE25 EE28 EE33 EE43 EE47

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式 SiO・nMOm/2 式中、Mは多価金属を表し、mは多価金属の価数であ
    り、 nはゼロを含む0.1以下の数である、で表される化学
    的組成を有する定形多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体
    粒子であって、回折角0.5乃至5度(CuKα)に細
    孔の規則配列構造を示すX線回折ピークを有し且つ細孔
    径3乃至8nmに細孔容積の極大値を有することを特徴
    とする定形多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子。
  2. 【請求項2】 走査型顕微鏡観察による長軸の長さが
    0.5乃至5μmの範囲にあり、アスペクト比が1.1
    乃至15であって、形状がロッド状であることを特徴と
    する請求項1に記載の定形多孔質シリカ乃至シリカ金属
    複合体粒子。
  3. 【請求項3】 前記ロッド状粒子が走査型電子顕微鏡観
    察によりみて実質上単分散粒子からなることを特徴とす
    る請求項2に記載の定形多孔質シリカ乃至シリカ金属複
    合体粒子。
  4. 【請求項4】 前記ロッド状粒子が、400m/g以
    上のBET比表面積を有し、且つ細孔径4乃至7nmに
    0.4ml/g以上の細孔容積を有することを特徴とす
    る請求項2または3に記載の定形多孔質シリカ乃至シリ
    カ金属複合体粒子。
  5. 【請求項5】 前記ロッド状粒子が、高分解能電子顕微
    鏡(TEM)写真で観察して、粒子端面にハニカム状に
    規則的に配置されたメソ孔断面と、粒子長手方向に貫通
    して延びる1次元メソチャンネルとを示すものであるこ
    とを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の定形多
    孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子。
  6. 【請求項6】 走査型顕微鏡観察による長軸の長さが5
    乃至1000μmの範囲にあり、アスペクト比が3乃至
    150であって、形状がファイバー状であることを特徴
    とする請求項1に記載の定形多孔質シリカ乃至シリカ金
    属複合体粒子。
  7. 【請求項7】 前記ファイバーが、電解放射型走査電子
    顕微鏡(FE―SEM)写真で観察して、ロッド状ユニ
    ットの連鎖物もしくはその連鎖物の集合体からなること
    を特徴とする請求項6に記載の定形多孔質シリカ乃至シ
    リカ金属複合体粒子。
  8. 【請求項8】 前記ファイバーが、500m/g以上
    のBET比表面積を有し、且つ細孔径4乃至7nmに
    0.4ml/g以上の細孔容積を有することを特徴とす
    る請求項6または7に記載の定形多孔質シリカ乃至シリ
    カ金属複合体粒子。
  9. 【請求項9】 酸性水溶液及び非イオン性界面活性剤の
    混合液と、アルカリ珪酸塩水溶液を攪拌下で混合し、静
    置下で生成するロッド状粒子中の非イオン性界面活性剤
    を除去することを特徴とするロッド状多孔質シリカ粒子
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 酸性水溶液及び非イオン性界面活性剤
    の混合液と、アルカリ珪酸塩水溶液、及び酸或はアルカ
    リに溶解した金属塩を攪拌下で混合し、静置下で生成す
    るロッド状粒子中の非イオン性界面活性剤を除去するこ
    とを特徴とするロッド状多孔質シリカ金属複合体粒子の
    製造方法。
  11. 【請求項11】 酸性水溶液及び非イオン性界面活性剤
    の混合液と、アルカリ珪酸塩水溶液を攪拌下で混合し、
    攪拌下で生成するファイバー状粒子中の非イオン性界面
    活性剤を除去することを特徴とするファイバー状多孔質
    シリカ粒子の製造方法。
  12. 【請求項12】 酸性水溶液及び非イオン性界面活性剤
    の混合液と、アルカリ珪酸塩水溶液、及び酸或はアルカ
    リに溶解した金属塩を攪拌下で混合し、攪拌下で生成す
    るファイバー状粒子中の非イオン性界面活性剤を除去す
    ることを特徴とするファイバー状多孔質シリカ金属複合
    体粒子の製造方法。
  13. 【請求項13】 非イオン性界面活性剤をアルカリ珪酸
    塩中のSiO1モル当たり0.002乃至0.25の
    量で用いることを特徴とする請求項9乃至12の何れか
    に記載の製造方法。
  14. 【請求項14】 酸をアルカリ珪酸塩中のSiO1モ
    ル当たり0.6乃至15モルの量で用いることを特徴と
    する請求項9乃至13の何れかに記載の製造方法。
  15. 【請求項15】 水をアルカリ珪酸塩中のSiO1モ
    ル当たり100乃至400モルの量で用いることを特徴
    とする請求項9乃至14の何れかに記載の製造方法。
  16. 【請求項16】 反応を5℃乃至45℃の温度で行うこ
    とを特徴とする請求項9乃至15の何れかに記載の製造
    方法。
  17. 【請求項17】 請求項1乃至8の何れかに記載の定形
    多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子からなることを
    特徴とする樹脂添加剤。
  18. 【請求項18】 請求項1乃至8の何れかに記載の定形
    多孔質シリカ乃至シリカ金属複合体粒子からなることを
    特徴とするインク吸着用フィラー。
  19. 【請求項19】 請求項6乃至8に記載の定形多孔質シ
    リカ乃至シリカ金属複合体粒子からなることを特徴とす
    る石綿代替材料。
  20. 【請求項20】 請求項6乃至8に記載の定形多孔質シ
    リカ乃至シリカ金属複合体粒子からなることを特徴とす
    る増粘剤。
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