JP2003340280A - Co選択酸化触媒及びその製造方法並びにco選択酸化触媒を用いた熱交換型反応器及びその使用方法 - Google Patents

Co選択酸化触媒及びその製造方法並びにco選択酸化触媒を用いた熱交換型反応器及びその使用方法

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JP2003340280A
JP2003340280A JP2002155076A JP2002155076A JP2003340280A JP 2003340280 A JP2003340280 A JP 2003340280A JP 2002155076 A JP2002155076 A JP 2002155076A JP 2002155076 A JP2002155076 A JP 2002155076A JP 2003340280 A JP2003340280 A JP 2003340280A
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oxidation catalyst
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Shinji Shiizaki
伸二 椎崎
Ikuo Nagashima
郁男 永島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 改質ガス中のCOを除去する。 【解決手段】 アルミニウムを陽極酸化した皮膜上にR
u、Pt、Rhの少なくともいずれかを担持すること
で、CO選択酸化触媒、COのメタン化触媒を調製す
る。この触媒にアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土
類、Mn、Zrを添加してCO選択酸化性能を向上させ
る。また、Cu、Zn、Inを添加してメタンの副生成
を抑制する。これらの触媒は伝熱性が高く、プレートフ
ィン熱交換型反応器に組み込むことで、反応器内で温度
分布が生じるのを抑制でき、H2消費が少なく選択性の
高いCO除去を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素、アルコ
ールの改質ガス中に含まれるCO(一酸化炭素)を選択
酸化反応あるいはメタネーション反応で除去するための
触媒及びその製造方法、並びにこのCO除去触媒を組み
込んだプレートフィン型反応器及びその使用方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】炭化水素、アルコールを水蒸気改質する
ことによって水素が得られ、燃料電池の水素源とするこ
とができる。一例として、メタン、メタノールの場合の
反応式を下記に示す。 CH4+4H2O→CO2+4H2 CH3OH+H2O→CO2+3H2 炭化水素、アルコールの改質ガス中にはCOが数%〜1
0数%含まれているが、固体高分子形燃料電池ではこの
COが触媒毒となり、電池の性能が低下するため、改質
ガス中のCOを除去する必要がある。改質ガスを下記の
COシフト反応によりH2Oと反応させCO2としてCO
を低減することができるが、なお1%程度のCOが残存
する。 CO+H2O→CO2+H2 さらにCOを低減させる方法として、改質ガスを触媒の
存在下で選択酸化反応、あるいはメタネーション反応さ
せる方法がある。 CO+1/2O2→CO2 CO+3H2→CH4+H2
【0003】改質ガスはH2リッチであるが、選択酸化
は少量のCOのみを選択的に酸化させるものである。既
存のCO選択酸化触媒は粒子状の触媒であり、充填層型
反応器に用いることを想定して開発されている。しか
し、COを酸化する際、下記のようにH2も同時に酸化
されてしまうため、COの酸化に必要なO2より余分に
2を供給する必要がある。 H2+1/2O2→H2O 一般的に、CO選択酸化触媒の活性、選択性に適当な温
度範囲は10〜20℃前後と狭く、このため、できるだ
けCOの選択率が高い温度範囲が広くなるよう、触媒金
属であるRuに各種添加物を加え、改良が行われてい
る。一方、メタネーションは温度が200℃以下では触
媒活性が低く、250℃以上になるとCO2のメタン化
が生じ、H2が消費されてしまうため、適用温度範囲が
狭い。しかし、CO選択酸化反応、COのメタン化反応
は、発熱量がそれぞれCO1molあたり、283kJ/mo
l、206kJ/molと大きい。通常の充填層型反応器では
伝熱性が低いため、反応熱により反応器内の温度が急激
に上昇し、COの選択率が低下して、H2が消費されて
しまう問題点がある。
【0004】一方、伝熱面を触媒化して触媒面で発生す
る熱を効率よく除熱する熱交換型反応器では、上記の問
題点を解決することが可能である。特に、金属のプレー
トフィンの表面を触媒化した、プレートフィン熱交換型
反応器では、発生した熱をすばやく除去できるため、反
応器内の温度分布を小さく保つことができるので、触媒
性能が最適な温度を保つことができ、H2の消費を抑
え、COを効率よく除去することができる。また、伝熱
面である金属表面の触媒化方法として、アルミニウムの
陽極酸化法がある。陽極酸化アルミナは調製法が容易で
あり、金属と触媒層の密着性が高く、剥がれにくい。ま
た、成型性にも優れており、プレートフィン熱交換型反
応器に使用する触媒として最適である。反応熱の除熱向
上を目的として金属のコルゲートフィン、ハニカム触媒
化を用いたCO除去反応器に関しては、後述する下記の
先行技術がある。陽極酸化法によるCO除去触媒につい
ての先行技術は、特開2001−180910号公報及
び本出願人が既に特許出願している特願2001−53
9590以外、見当たらない。また、これまで特許出願
された陽極酸化触媒についての先行技術にも、用途とし
てCO除去に用いるという内容は見当たらない。
【0005】CO選択酸化反応の触媒成分に関する先行
技術としては、下記のようなものが知られている。いず
れの内容にも陽極酸化アルミナに関する記述はない。特
開2001−252564号公報には、アルミナ、チタ
ニア、シリカ、ジルコニア担体にRu及びPtを担持
し、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類のいずれ
かを添加した触媒が記載されている。特開2001−2
39170号公報には、Ru硝酸塩及びアルカリ金属又
はアルカリ土類金属を耐火性無機化合物(アルミナ、チ
タニア、シリカ、ジルコニア)に担持後、焼成なしに還
元した触媒が記載されている。特開2001−2391
69号公報には、γアルミナ又はアルミナ−チタニアに
Ru又はRuとアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属
を担持させた触媒が記載されている。特開2001−2
12458号公報には、αアルミナに、Ru/Pt=
0.1〜9.5となるようにRu及びPtを担持させた
触媒が記載されている。特開2001−199707号
公報には、CO除去触媒としてPt−Cu触媒が記載さ
れている。特開2001−179097号公報には、チ
タニア、アルミナ、シリカ、ジルコニアにRuとともに
アルカリ金属又はアルカリ土類金属を担持させた触媒が
記載されている。
【0006】特開2001−89101号公報には、C
eを添加した担体にRuを担持させた触媒が記載されて
いる。特開2001−17861号公報には、Ru/P
t重量比0.1〜9.5の範囲で、αアルミナにRu及
びPtを担持させた触媒が記載されている。特開200
0−169107号公報には、チタニア/アルミナ重量
比0.1/99.9〜90/10の担体にRu及びアル
カリ金属、アルカリ土類金属を担持させた触媒が記載さ
れている。特開平11−165070号公報には、Ru
あるいはPdと希土類(Ce、Nd)をγアルミナに分
散させた触媒が記載されている。特開平11−1144
23号公報には、Ru及びCuと希土類(Ce、Nd)
を複合酸化物としてアルミナと混合しスラリーとしてハ
ニカムにコーティングして製造した触媒が記載されてい
る。特開平9−199156号公報には、塩化ルテニウ
ムをアルミナに吸着させ、還元してRu粒子径を制御し
た触媒が記載されている。特開平9−131531号公
報には、耐火性無機担体(チタニア、アルミナ、シリ
カ、ジルコニア)にRu及びアルカリ金属又はアルカリ
土類金属を担持させた触媒が記載されている。特開平9
−30802号公報には、Pt−Ru合金触媒を使用し
たCO選択酸化反応器が記載されている。
【0007】伝熱面を触媒化した熱交換型CO除去反応
器に関する先行技術としては、下記のようなものが知ら
れている。特開2001−180910号公報には、A
lフィンの表面を酸化させて触媒を塗布した熱交換型C
O選択酸化反応器が記載されている。本技術では、酸化
方法の一つとして陽極酸化法が挙げられている。特開2
001−23671号公報には、アルミニウムを含んだ
ステンレス等からなる金属ハニカムを熱交換層で挟み込
んだ構造のCO選択酸化反応器が記載されている。この
反応器は、陽極酸化アルミナ触媒を使用するものではな
い。特開2000−95502号公報には、プレート熱
交換型反応器を用いたCO選択酸化反応器が記載されて
いる。この反応器は、陽極酸化アルミナ触媒を使用する
ものではない。特開2000−203801号公報に
は、熱交換部のフィン部分に触媒を担持した熱交換可能
なCO選択酸化反応器が記載されている。この反応器
も、陽極酸化アルミナ触媒を使用するものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、CO選
択酸化触媒については、従来から多数の触媒成分に関す
る技術が知られているが、これらの技術は陽極酸化アル
ミナを触媒の担体として使用したCO除去触媒ではな
い。また、伝熱面である金属表面の触媒化方法として、
調製法が容易で、金属と触媒層の密着性が高くて剥がれ
にくく、また、成型性にも優れており、プレートフィン
熱交換型反応器に使用する伝熱性の高い触媒として最適
なものが得られる技術が望まれている。
【0009】本発明は上記の諸点に鑑みなされたもの
で、本発明の目的は、伝熱性の高い陽極酸化アルミナに
CO除去触媒として、Ru、Pt、Rhなどを担持させ
ることにより、調製が容易であり、金属と触媒層の密着
性が高く、剥がれにくく、しかも、成型性に優れた、プ
レートフィン熱交換型CO除去反応器に最適な触媒が調
製できる技術を提供することにある。また、本発明の目
的は、陽極酸化アルミナにRuなどを担持させ、さらに
アルカリ金属(Na、K、Cs)、アルカリ土類金属
(Ca、Mg)、希土類(La、Ce、Pr、Nd)、
Mn、Zrのうちの少なくともいずれかを添加すること
により、CO選択酸化性能を向上させることができる技
術を提供することにある。また、本発明の目的は、陽極
酸化アルミナにRuなどを担持させ、さらにCu、Z
n、Inの少なくともいずれかを添加することにより、
メタンの副生成を抑制することができる技術を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のCO選択酸化触媒は、アルミニウムを陽
極酸化して表面にアルミナの皮膜を形成させた基材に、
Ru、Pt及びRhの少なくともいずれかを担持させて
なる構成である。また、本発明のCO選択酸化触媒は、
アルミニウムを陽極酸化して表面にアルミナの皮膜を形
成させた基材に、Ru/Pt担持量の重量比が0.1〜
5となるようにRu及びPtを担持させてなることを特
徴としている。また、本発明のCO選択酸化触媒は、ア
ルミニウムを陽極酸化して表面にアルミナの皮膜を形成
させた基材に、Ru/Rh担持量の重量比が0.1〜5
となるようにRu及びRhを担持させてなることを特徴
としている。
【0011】上記の触媒に、アルカリ金属化合物、アル
カリ土類金属化合物、希土類金属化合物、Mn化合物及
びZr化合物の少なくともいずれかを担持させて、CO
除去性能を向上させることができる。アルカリ金属化合
物としては、例えば、Na、K、Csの化合物が使用で
きる。アルカリ土類金属化合物としては、例えば、C
a、Mgの化合物が使用できる。希土類金属化合物とし
ては、例えば、La、Ce、Pr、Ndの化合物が使用
できる。また、上記の触媒に、Cu、Zn及びInの少
なくともいずれかの化合物を担持させて、CH4生成を
抑制することができる。また、アルミニウムを陽極酸化
して表面にアルミナの皮膜を形成させた基材に、Ru又
は/及びPtを担持させて、COのメタン化触媒とする
ことができる。
【0012】本発明のCO選択酸化触媒の製造方法は、
アルミニウム基材を陽極酸化することにより、基材表面
にアルミナの皮膜を形成させ、この基材に触媒金属であ
るRu、Pt及びRhの少なくともいずれかの化合物を
担持させて焼成した後、350℃以上、望ましくは40
0℃以上で触媒を還元し、陽極酸化アルミナにRu、P
t及びRhの少なくともいずれかを担持させた触媒を得
ることを特徴としている。本発明のCO選択酸化触媒の
製造方法は、アルミニウム基材を陽極酸化することによ
り、基材表面にアルミナの皮膜を形成させ、この基材に
触媒金属であるRu、Pt及びRhの少なくともいずれ
かの化合物を担持させ、ついで、空気中で330℃以
下、触媒の組成によっては200℃以下で焼成すること
を特徴としている。この場合、空気焼成後に、350℃
以上、望ましくは400℃以上で触媒を還元してもよ
い。担持させるRuの化合物としては、Ru(NO)
(NO33(硝酸ニトロシルルテニウム塩)が好適であ
り、Ptの化合物としては、H2PtCl6(塩化白金
酸)が好適であり、Rhの化合物としては、RhCl2
(塩化ロジウム)が好適である。
【0013】本発明のCO選択酸化触媒を用いた熱交換
型反応器は、上記の触媒を触媒化したアルミニウム製コ
ルゲートフィンとして用い、この触媒化したアルミニウ
ム製コルゲートフィンを改質ガスと空気の混合ガスの流
路である改質ガス通路の伝熱面に設け、改質ガス通路の
上段及び/又は下段に隔壁を介して冷媒の流路である伝
熱フィンを有する冷媒通路を備えたことを特徴としてい
る。上記の反応器においては、反応器出口温度(触媒層
の出口端温度)を150℃以下として使用することが好
ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定さ
れるものではなく、適宜変更して実施することが可能な
ものである。CO選択酸化触媒として、アルミニウムを
陽極酸化して表面にアルミナの皮膜を形成させた基板
に、Ru、Pt及びRhの少なくともいずれかを担持さ
せる。伝熱性の高い陽極酸化アルミナにCO除去触媒と
して、Ru、Pt、Rhの少なくともいずれかを担持さ
せることで、調製が容易であり、金属と触媒層の密着性
が高く、剥がれにくく、しかも、成型性に優れた、プレ
ートフィン熱交換型CO除去反応器に最適な触媒が調製
できるが、例えば、Ruのみを陽極酸化アルミナに担持
した触媒では、CO選択酸化反応をさせるとCOの反応
率が低く、温度が170℃以上になると副生成物として
CH4の生成量が増加する。一方、Ptのみを陽極酸化
アルミナに担持した場合は、CH4の副生は生じないも
のの、COの反応率が不十分である。そこで、陽極酸化
アルミナにRuなどを担持させ、さらにアルカリ金属
(Na、K、Cs)、アルカリ土類金属(Ca、M
g)、希土類(La、Ce、Pr、Nd)、Mn、Zr
のうちの少なくともいずれかを添加することにより、陽
極酸化アルミナにRuのみを担持した場合に比べ、特に
2リッチガス中の微量のCO選択酸化活性が向上す
る。
【0015】また、陽極酸化アルミナにRuなどを担持
させ、さらにCu、Zn、Inの少なくともいずれかを
添加することにより、H2リッチガス中の微量のCO選
択酸化活性において、メタンの副生がほとんどなくな
る。また、Ru及びPtを担持する場合、Ru/Pt重
量比0.1〜5の範囲において、COの選択酸化活性が
さらに向上し、かつ、メタンの副生成もほとんどなくな
る。Ru及びRhを担持する場合は、Ru/Rh重量比
0.1〜5の範囲において、COの選択酸化活性がさら
に向上し、かつ、メタンの副生成も減少する。
【0016】CO選択酸化触媒の製造方法としては、一
例として、陽極酸化アルミナにRu(NO)(NO33
(硝酸ニトロシルルテニウム塩)、H2PtCl6(塩化
白金酸)、RhCl2(塩化ロジウム)などを担持させ
て焼成した後、350℃以上、望ましくは400℃以上
で触媒を還元する。また、陽極酸化アルミナに上記のR
u、Pt、Rhの化合物を担持させ、ついで、空気中で
330℃以下、触媒の組成によっては200℃以下で焼
成してもよい。この場合、空気焼成後に、350℃以
上、望ましくは400℃以上で触媒を還元する場合もあ
る。上記の触媒の空気焼成温度を330℃以下、組成に
よっては200℃以下とすることで、CO選択酸化性能
の高い触媒を得ることができる。また、上記の触媒の還
元温度を350℃以上、望ましくは400℃以上とする
ことで、CO選択酸化性能の高い触媒を得ることができ
る。
【0017】上記の触媒をプレートフィン熱交換型反応
器に使用することで、反応器内で温度分布が生じるのを
抑制でき、反応器内をCO選択酸化反応、又はメタネー
ション反応(COのメタン化反応)に適した温度範囲に
保つことができ、H2の消費が少なく、効率よくCOを
低減することができる。この場合、反応器出口温度(触
媒層の出口端の温度)を150℃以下とすることで、逆
シフトによるCOの生成量を10ppm以下に抑制するこ
とができる。プレートフィン熱交換型反応器の一例を図
16〜図19に示す。プレートフィン熱交換型反応器は
複数の通路から構成されている。すなわち、触媒化され
たフィンが設置されている。改質ガスと空気の混合ガス
の通路(改質ガス通路10)と、冷媒通路12が交互に
重ねられている。改質ガス通路10と冷媒通路12との
間には隔壁14が設けられている。図16〜図19に示
す反応器は、一例として、3段の通路から構成され、中
段は改質ガスと空気の混合ガスの通路(改質ガス通路1
0)であり、触媒化フィン16が設置されている(図1
6)。上下段は冷媒通路12であり、触媒化していない
アルミニウムフィン18が設置されている(図17)。
反応器のまわりは溶接し、反応ガスと冷媒は混ざらない
ようになっている。
【0018】図16、図18に示すように、改質ガスと
空気の混合ガスは側面の改質ガス入口20から導入さ
れ、整流用フィン22を通って90度向きを変え、触媒
を通ってCOが酸化、除去され、出口部分の整流用フィ
ン22を通って90度向きを変え、側面の改質ガス出口
24から排出される。図17、図18に示すように、冷
媒(図では冷却ガス)は、反応器の前面の冷媒入口26
から供給される。フィン部分でCO選択酸化反応で発生
した熱を除熱し、反応器後部の冷媒出口28から排出さ
れる。冷媒としては、例えば、空気や水を使用すること
ができる。図19に示すように、触媒化フィン16と伝
熱フィン(アルミニウムフィン18)は隔壁14に密着
されているので伝熱性が高く、効率よく除熱できるの
で、触媒層に局所的に温度が高くなる部分ができない。
【0019】
【実施例】つぎに、本発明の実施例等について説明す
る。 実施例1 20℃のシュウ酸4wt%水溶液中で、厚さ0.3mmのア
ルミニウム板を、電流密度25A/m2の直流電流で16
時間陽極酸化を行った。ここでは、JIS 1050規
格アルミニウムを使用したが、JIS 3003などの
アルミニウム合金系を使用しても良い。陽極酸化後、室
温で一昼夜乾燥後、空気中で350℃にて焼成した。こ
の処理によりアルミニウムの表面約50μmが酸化され
る。この板を5×10cmに切断し基板として使用した。
次に、80℃の水中に1時間、陽極酸化基板を浸漬し表
面の酸化層を水和させた。一晩乾燥した後、空気中で4
00℃にて3時間焼成した。この処理により平均細孔径
4nmの細孔を持つγアルミナ層が生成し、これにより基
板の比表面積が増加し、触媒化に適した構造となる。
【0020】この基板をRu(NO)(NO330.6
mmol/L水溶液500ml中に24時間浸漬した。室温に
て一昼夜乾燥後、400℃にて3時間焼成した。次に、
NaNO3、KNO3又はCsNO340mg/Lのアセトン
溶液300mlに室温にて24時間、基板を浸漬して、そ
れぞれNa、K、Csを担持させた。室温にて一晩乾燥
後、400℃にて3時間焼成して、触媒とした。また、
比較として、上記の工程をRu担持まででとどめ、アル
カリ金属を担持しないRuのみ担持の触媒を調製した。
調製した触媒を5mm四方に切断し、内径20mmのガラス
製反応管に60枚充填した。窒素で希釈した10%水素
ガスを流通させ400℃にて2時間還元した。次に、H
2 61%、CO 0.081%、CO2 20%、H2
11%、O2 0.16%、N2 7.9%の組成のガスを
1L/min流通させ、温度を変化させ、反応管出口ガス濃
度を測定した。図1に触媒層温度と出口CO、CH4
度の関係を示す。出口濃度の値は水分を除いたドライガ
スの分析値を示した。Ruのみ担持の触媒に比べ、アル
カリ金属を添加することにより全温度域にわたって、C
O濃度が低下した。
【0021】実施例2 陽極酸化、水和処理までは実施例1と同様である。水和
処理した基板を、0.1mol/LのMg(CH3COO)2
又はCa(CH3COO)2水溶液に80℃にて1時間浸
漬した。これを取り出した後、一晩乾燥し、400℃に
て3時間焼成した。次に、この基板をRu(NO)(N
330.6mmol/L水溶液500ml中に24時間浸漬
した。室温にて一昼夜乾燥後、400℃にて3時間焼成
して触媒とした。実施例1と同様の反応条件でCO選択
酸化活性を評価した、図2に触媒層温度と出口CO、C
4濃度の関係を示す。アルカリ土類金属を添加するこ
とにより全温度域にわたって、CO濃度が低下した。
【0022】実施例3 陽極酸化、水和処理までは実施例1と同様である。C
u、Znは水和処理した基板を、0.1mol/LのCu
(CH3COO)2又はZn(CH3COO)2水溶液に8
0℃にて1時間浸漬して担持した。Inの場合は0.1
mol/LのIn(NO 33・3H2O水溶液中に水和処理
した基板を80℃にて10分間浸漬して担持した。これ
を取り出した後、一晩乾燥し、400℃にて3時間焼成
した。次に、この基板をRu(NO)(NO330.6
mmol/L水溶液500ml中に24時間浸漬した。室温に
て一昼夜乾燥後、400℃にて3時間焼成して触媒とし
た。実施例1と同様の反応条件でCO選択酸化活性を評
価した、図3に触媒層温度と出口CO、CH4濃度の関
係を示す。Ruのみ担持の触媒に比べ、Cuを添加する
ことにより、全温度領域にわたり、CO濃度が低減さ
れ、さらにCH4はほとんど生成しない。Znを加えた
場合は、200℃以上でCO濃度が低減されるととも
に、全温度領域にわたりCH4はほとんど生成しない。
Inを加えた場合は、全温度領域でCH4の生成は全く
見られなかった。なお、ガスクロマトグラフィーのCO
検出限界は1ppm程度である。
【0023】実施例4 陽極酸化、水和処理までは実施例1と同様である。水和
処理した基板を、0.1mol/LのMn(CH3COO)2
水溶液に80℃にて1時間浸漬した。これを取り出した
後、一晩乾燥し、400℃にて3時間焼成した。次に、
この基板をRu(NO)(NO330.6mmol/L水溶
液500ml中に24時間浸漬した。室温にて一昼夜乾燥
後、400℃にて3時間焼成して触媒とした。実施例1
と同様の反応条件でCO選択酸化活性を評価した、図4
に触媒層温度と出口CO、CH4濃度の関係を示す。R
uのみ担持の触媒に比べ、Mnを添加することにより、
全温度領域にわたり、CO濃度が低減された。また、M
nの添加によりCH4が若干減少した。
【0024】実施例5 20℃のシュウ酸4wt%水溶液中で、厚さ0.3mmのア
ルミニウム板を、電流密度25A/m2の直流電流で16
時間陽極酸化を行った。ここでは、JIS 1050規
格アルミニウムを使用したが、JIS 3003などの
アルミニウム合金系を使用しても良い。陽極酸化後、室
温で一昼夜乾燥後、空気中で350℃にて焼成した。こ
の処理によりアルミニウムの表面約50μmが酸化され
る。この板を5×10cmに切断し基板として使用した。
次に、80℃の水中に1時間、陽極酸化基板を浸漬し表
面の酸化層を水和させた。一晩乾燥した後、空気中で4
00℃にて3時間焼成した。この処理により平均細孔径
4nmの細孔を持つγアルミナ層が生成し、これにより基
板の比表面積が増加し、触媒化に適した構造となる。こ
の基板をRu(NO)(NO330.6mmol/L水溶液
500ml中に24時間浸漬した。室温にて一昼夜乾燥
後、400℃にて3時間焼成して触媒とした。この触媒
を5mm四方に切断し、内径20mmのガラス製反応管に6
0枚充填した。窒素で希釈した10%水素ガスを流通さ
せ温度をそれぞれ110℃、300℃、400℃、50
0℃にて2時間還元した。次に、H2 61%、CO
0.81%、CO2 20%、H2O 11%、O2 1.6
%、N2 6.0%の組成のガスを1L/min流通させ、温
度を変化させ、反応管出口ガス濃度を測定した。図5に
触媒層温度と出口CO濃度の関係を示す。出口濃度の値
は水分を除いたドライガスの分析値を示した。還元温度
が高いほどCO濃度が低減でき、400℃以上ではほと
んど同じ性能であった。
【0025】実施例6 実施例1と同様の条件で陽極酸化した基板をRu(N
O)(NO330.6mmol/L水溶液500ml中に24
時間浸漬した後、室温にて一昼夜乾燥し、Ruを担持し
た触媒を調製した。また、さらにこの触媒をアンモニア
水でpHを11.4に調整した0.1mmol/Lの塩化白金
酸(H2PtCl6)水溶液中に80℃にて1時間浸漬
し、RuとPtを担持した触媒も調製した。これらを室
温で乾燥した後、空気中でそれぞれ100℃、200
℃、300℃、400℃にて3時間焼成した。実施例1
と同様の条件でCO選択酸化活性を評価した。図6にR
uのみ担持触媒の触媒層温度と反応管出口CO濃度の関
係を示す。300℃焼成が最もCO濃度が低い。図7に
RuとPtを担持した触媒の触媒層温度と反応管出口C
O濃度の関係を示す。試験条件は実施例1と同じであ
る。焼成温度が低いほどCO濃度は低く、空気焼成をし
ない場合が最も性能が高い。図8にRuとPtを担持し
た触媒の触媒層温度と反応管出口CH4濃度の関係を示
す。焼成温度が低いほどCH4濃度は低く、空気焼成を
しない場合はほとんどCH4が生成しない。
【0026】実施例7 実施例1と同様の条件で陽極酸化、水和処理した基板を
Ru(NO)(NO330.6mmol/L水溶液500ml
中に24時間浸漬した後、室温にて一昼夜乾燥した。次
に、この基板をアンモニア水でpHを11.4に調整した
Pt濃度0.05、0.1、0.5、1mmol/Lの塩化
白金酸水溶液のいずれかに80℃にて1時間浸漬後、室
温で乾燥して触媒とした。Ru/Pt担持重量比は2.
3、1.3、0.47、0.35であった。比較例とし
て、上記の工程をRu担持まででとどめ、Ruのみ担持
の触媒を調製した。また、比較例として、陽極酸化した
基板をアンモニア水でpHを11.4に調整したPt濃度
0.1mmol/Lの塩化白金酸水溶液中に80℃にて1時
間浸漬し、室温で乾燥してPtのみ担持の触媒とした。
実施例1と同様の条件でCO選択酸化活性を評価した。
図9に触媒層温度と反応管出口CO濃度の関係を示す。
Ru/Pt担持量比が1.3の場合が最もCO濃度を低
減できる温度範囲が広い。図10に触媒層温度と反応管
出口CH4濃度の関係を示す。Ru単独ではかなりCH4
生成が多いが、Ptを添加すればほとんど生成しない。
【0027】次に、5mm角に切断したRu/Pt担持量
比1.3の触媒60枚を内径20mmのガラス製反応管に
充填し、窒素で希釈した10%水素ガスで400℃にて
還元した後、H2 67%、CO 22%、H2O 11%
の組成のガスを0.25〜0.5L/min流し、反応管出
口のCO濃度を測定した。図11に触媒面積/ガス流量
比と出口CO濃度の関係を示す。ガス濃度の値は水分を
除いたドライガスの分析値を示した。150℃以上では
ガス流量が少なく、相対的に触媒面積が大きい条件で、
逆シフト反応(CO2+H2→CO+H2O)によりCO
の生成量が増加し、10ppmを超える。したがって、C
O選択酸化反応器を設計流量よりも少ない流量で部分負
荷運転する場合は、反応器内でCOが10ppm以下に低
減できても、反応器温度が150℃以上であれば逆シフ
ト反応によりCOが再び生成するので、O2を余分に加
えてCOを酸化する必要があり、その分H2が消費され
てしまう。触媒層の出口端の温度が150℃以下であれ
ば逆シフト反応によりCOが10ppm以上になることは
ない。
【0028】実施例8 20℃のシュウ酸4wt%水溶液中で、厚さ0.3mmのア
ルミニウム板を、電流密度25A/m2の直流電流で16
時間陽極酸化を行った。ここでは、JIS 1050規
格アルミニウムを使用したが、JIS 3003などの
アルミニウム合金系を使用しても良い。陽極酸化後、室
温で一昼夜乾燥後、空気中で350℃にて焼成した。こ
の処理によりアルミニウムの表面約50μmが酸化され
る。この板を5×10cmに切断し基板として使用した。
次に、80℃の水中に1時間、陽極酸化基板を浸漬し表
面の酸化層を水和させた。一晩乾燥した後、空気中で4
00℃にて3時間焼成した。この処理により平均細孔径
4nmの細孔を持つγアルミナ層が生成し、これにより基
板の比表面積が増加し、触媒化に適した構造となる。こ
の基板をRu(NO)(NO330.6mmol/L水溶液
500ml中に24時間浸漬した。室温にて一昼夜乾燥
後、400℃にて3時間焼成して触媒とした。調製した
触媒を5mm四方に切断し、内径20mmのガラス製反応管
に60枚充填した。窒素で希釈した10%水素ガスを流
通させ400℃にて2時間還元した。次に、H2 65.
3%、CO2 21.9%、CO 0.087%、H2
12.7%の組成のガスを0.25L/min流通させ、温
度を変化させ、反応管出口ガス濃度を測定した。図12
に触媒層温度と出口CO、CH4濃度の関係を示す。出
口濃度の値は水分を除いたドライガスの分析値を示し
た。220℃でCOが100ppm以下になった。
【0029】実施例9 陽極酸化、水和処理までは実施例1と同様である。水和
処理した基板を、0.1mol/LのLa(NO33・6H
2O、Pr(NO33・nH2O、Nd(NO33・6H
2Oの水溶液に80℃にて10分間、あるいは0.1mol
/LのCe(CH3COO)2水溶液に80℃にて1時間
浸漬した。これを取り出した後、一晩乾燥し、400℃
にて3時間焼成した。次に、この基板をRu(NO)
(NO330.6mmol/L水溶液500ml中に24時間
浸漬した。室温にて一昼夜乾燥後、400℃にて3時間
焼成して触媒とした。実施例1と同様の反応条件でCO
選択酸化活性を評価した、図13に触媒層温度と出口C
O、CH4濃度の関係を示す。Ruのみ担持の触媒に比
べ、希土類を添加することにより全温度域にわたり、C
Oが低減された。
【0030】実施例10 陽極酸化、水和処理までは実施例1と同様である。水和
処理した基板を、0.1mol/LのZrO(NO32・2
2Oの水溶液に80℃にて10分間浸漬した。これを
取り出した後、一晩乾燥し、400℃にて3時間焼成し
た。次に、この基板をRu(NO)(NO330.6mm
ol/L水溶液500ml中に24時間浸漬した。室温にて
一昼夜乾燥後、400℃にて3時間焼成して触媒とし
た。実施例1と同様の反応条件でCO選択酸化活性を評
価した、図14に触媒層温度と出口CO、CH4濃度の
関係を示す。Ruのみ担持の触媒に比べ、全温度域にわ
たり、COが低減された。
【0031】実施例11 陽極酸化、水和処理までは実施例1と同様である。水和
処理した基板を、アンモニア水でpH11.4に調整した
0.01、0.1、1.0、5.0mmol/LのRhCl2
の水溶液にそれぞれ80℃にて1時間浸漬した。これを
取り出した後、一晩乾燥し、400℃にて3時間焼成し
た。次に、それぞれの基板をRu(NO)(NO3
30.6mmol/L水溶液500ml中に24時間浸漬した。
室温にて一昼夜乾燥後、400℃にて3時間焼成して触
媒とした。Ru/Rh担持重量比はそれぞれ4.2、
1.9、0.45、0.23であった。また、Ruを担
持せず、Rhのみ担持の触媒と、Rhを担持せず、Ru
のみ担持の触媒も調製した。実施例1と同様の反応条件
でCO選択酸化活性を評価した、図15に触媒層温度と
出口CO、CH4濃度の関係を示す。Ruのみあるいは
Rhのみ担持の触媒に比べ、全温度域にわたり、COが
低減された。
【0032】実施例12 これらの触媒を使って、プレートフィン熱交換型反応器
を製作した(図16〜図19参照)。幅20cm、長さ3
0cm、高さ6mm、ピッチ1.4mmのアルミニウム製コル
ゲートフィンを4wt%シュウ酸水溶液中で20℃にて電
流密度25A/m2の直流電流で16時間陽極酸化を行っ
た。陽極酸化後、室温で一昼夜乾燥し、ついで、空気中
で350℃にて焼成した。このフィンを45×50mmに
切断した。次に、このフィンを80℃の水中に1時間浸
漬し表面の酸化層を水和させた。一晩乾燥した後、空気
中で400℃にて3時間焼成した。このフィンをRu
(NO)(NO330.6mmol/L水溶液500ml中に
24時間浸漬した。次に、このフィンをアンモニア水で
pHを11.4に調整したPt濃度0.1mmol/Lの塩化
白金酸水溶液に80℃にて1時間浸漬後、室温で乾燥し
て触媒とした。
【0033】プレートフィン熱交換型反応器は複数の通
路から構成されている。すなわち、触媒化されたフィン
が設置されている、改質ガスと空気の混合ガスの通路
と、冷媒の通路が交互に重ねられている。それぞれの通
路は隔壁で介されている。ここで製作した反応器は3段
の通路から構成され、中段は改質ガスと空気の混合ガス
の通路であり、触媒化したフィンが設置されている。上
下段は冷媒の通路であり、触媒化していないアルミニウ
ム製のフィンが設置されている。反応器のまわりは溶接
し、反応ガスと冷媒は混ざらないようになっている。改
質ガスと空気の混合ガスは側面から導入され、整流用フ
ィンを通って90度向きを変え、触媒を通ってCOが酸
化、除去され、出口部分の整流用フィンを通って90度
向きを変え、側面から排出される。冷媒は、反応器の前
面から供給される。フィン部分でCO選択酸化反応で発
生した熱を除熱し、反応器後部から排出される。冷媒と
しては、例えば、空気や水を使用することができる。触
媒化フィンと伝熱フィンは隔壁に密着されているので伝
熱性が高く、効率よく除熱できるので、触媒層に局所的
に温度が高くなる部分ができない。
【0034】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 伝熱性の高い陽極酸化アルミナにCO除去触媒
として、Ru、Pt、Rhの少なくともいずれかを担持
させることで、調製が容易であり、金属と触媒層の密着
性が高く、剥がれにくく、しかも、成型性に優れた、プ
レートフィン熱交換型CO除去反応器に最適な触媒が調
製できる。 (2) 陽極酸化アルミナにRuなどを担持させ、さら
にアルカリ金属(Na、K、Cs)、アルカリ土類金属
(Ca、Mg)、希土類(La、Ce、Pr、Nd)、
Mn、Zrのうちの少なくともいずれかを添加すること
により、COの選択酸化活性が向上する。 (3) 陽極酸化アルミナにRuなどを担持させ、さら
にCu、Zn、Inの少なくともいずれかを添加するこ
とにより、H2リッチガス中の微量のCO選択酸化活性
において、メタンの副生がほとんどなくなる。 (4) Ru及びPtを担持した場合、Ru/Pt重量
比0.1〜5の範囲において、COの選択酸化活性がさ
らに向上し、かつ、メタンの副生成もほとんどなくな
る。 (5) Ru及びRhを担持した場合、Ru/Rh重量
比0.1〜5の範囲において、COの選択酸化活性がさ
らに向上し、かつ、メタンの副生成も減少する。 (6) 触媒の空気焼成温度を330℃以下、組成によ
っては200℃以下とすることで、CO選択酸化性能の
高い触媒を得ることができる。 (7) 触媒の還元温度を350℃以上、望ましくは4
00℃以上とすることで、CO選択酸化性能の高い触媒
を得ることができる。 (8) 本発明の触媒をプレートフィン熱交換型反応器
に使用することで、反応器内で温度分布が生じるのを抑
制でき、反応器内をCO選択酸化反応、又はメタネーシ
ョン反応に適した温度範囲に保つことができ、H2の消
費が少なく、効率よくCOを低減することができる。こ
の場合、反応器出口温度を150℃以下とすることで、
逆シフトによるCOの生成量を10ppm以下に抑制する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における触媒層温度と出口CO、CH
4濃度との関係を示すグラフである。
【図2】実施例2における触媒層温度と出口CO、CH
4濃度との関係を示すグラフである。
【図3】実施例3における触媒層温度と出口CO、CH
4濃度との関係を示すグラフである。
【図4】実施例4における触媒層温度と出口CO、CH
4濃度との関係を示すグラフである。
【図5】実施例5における触媒層温度と出口CO濃度と
の関係を示すグラフである。
【図6】実施例6(Ruのみ担持触媒)における触媒層
温度と出口CO濃度との関係を示すグラフである。
【図7】実施例6(Ru+Pt担持触媒)における触媒
層温度と出口CO濃度との関係を示すグラフである。
【図8】実施例6(Ru+Pt担持触媒)における触媒
層温度と出口CH4濃度との関係を示すグラフである。
【図9】実施例7における触媒層温度と出口CO濃度と
の関係を示すグラフである。
【図10】実施例7における触媒層温度と出口CH4
度との関係を示すグラフである。
【図11】実施例7における触媒面積/ガス流量比と出
口CO濃度との関係を示すグラフである。
【図12】実施例8における触媒層温度と出口CO、C
4濃度との関係を示すグラフである。
【図13】実施例9における触媒層温度と出口CO、C
4濃度との関係を示すグラフである。
【図14】実施例10における触媒層温度と出口CO、
CH4濃度との関係を示すグラフである。
【図15】実施例11における触媒層温度と出口CO、
CH4濃度との関係を示すグラフである。
【図16】本発明の実施の形態及び実施例における反応
器の触媒化フィンを備えた改質ガス通路(中段内部)を
示す概略平面図である。
【図17】本発明の実施の形態及び実施例における反応
器の冷媒通路(上下段内部)を示す概略平面図である。
【図18】本発明の実施の形態及び実施例における反応
器を示す概略側面図である。
【図19】図16〜図18のA−A線断面の構成として
反応器の概略構成を示す説明図である。
【符号の説明】
10 改質ガス通路 12 冷媒通路 14 隔壁 16 触媒化フィン 18 触媒化していないアルミニウムフィン 20 改質ガス入口 22 整流用フィン 24 改質ガス出口 26 冷媒入口 28 冷媒出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 23/63 B01J 23/89 M 23/656 37/02 301K 23/89 37/18 37/02 301 C01B 3/40 37/18 B01J 23/64 104M C01B 3/40 23/56 301M Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 BA01A BA01B BB08C BB20C BC01A BC02A BC02B BC03A BC03B BC06A BC06B BC08A BC09A BC09B BC10A BC10B BC16C BC18A BC18B BC31A BC31B BC35A BC35B BC38A BC42A BC42B BC43A BC43B BC44A BC44B BC51A BC51B BC62A BC62B BC70A BC70B BC70C BC71A BC71B BC71C BC75A BC75B BC75C BD12C CC22 CC40 DA06 EA11 EC22Y FA01 FA03 FB14 FB19 FB30 FB42 FB44 FC02 FC07 FC08 4G140 EB35 EB36 EB43 EB46

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムを陽極酸化して表面にアル
    ミナの皮膜を形成させた基材に、ルテニウム(Ru)、
    白金(Pt)及びロジウム(Rh)の少なくともいずれ
    かを担持させてなることを特徴とするCO選択酸化触
    媒。
  2. 【請求項2】 アルミニウムを陽極酸化して表面にアル
    ミナの皮膜を形成させた基材に、Ru/Pt担持量の重
    量比が0.1〜5となるようにRu及びPtを担持させ
    てなることを特徴とするCO選択酸化触媒。
  3. 【請求項3】 アルミニウムを陽極酸化して表面にアル
    ミナの皮膜を形成させた基材に、Ru/Rh担持量の重
    量比が0.1〜5となるようにRu及びRhを担持させ
    てなることを特徴とするCO選択酸化触媒。
  4. 【請求項4】 アルミニウムを陽極酸化して表面にアル
    ミナの皮膜を形成させた基材に、少なくともRuを担持
    させるとともに、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金
    属化合物、希土類金属化合物、Mn化合物及びZr化合
    物の少なくともいずれかを担持させてなる請求項1、2
    又は3記載のCO選択酸化触媒。
  5. 【請求項5】 アルカリ金属化合物が、Na、K及びC
    sの化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種であ
    る請求項4記載のCO選択酸化触媒。
  6. 【請求項6】 アルカリ土類金属化合物が、Ca及びM
    gの化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種であ
    る請求項4記載のCO選択酸化触媒。
  7. 【請求項7】 希土類金属化合物が、La、Ce、Pr
    及びNdの化合物からなる群より選ばれた少なくとも1
    種である請求項4記載のCO選択酸化触媒。
  8. 【請求項8】 アルミニウムを陽極酸化して表面にアル
    ミナの皮膜を形成させた基材に、少なくともRuを担持
    させるとともに、Cu、Zn及びInの少なくともいず
    れかの化合物を担持させてなる請求項1〜7のいずれか
    に記載のCO選択酸化触媒。
  9. 【請求項9】 アルミニウムを陽極酸化して表面にアル
    ミナの皮膜を形成させた基材に、Ru又は/及びPtを
    担持させてなる触媒であって、COのメタン化反応の触
    媒としても使用可能であることを特徴とするCO選択酸
    化触媒。
  10. 【請求項10】 アルミニウム基材を陽極酸化すること
    により、基材表面にアルミナの皮膜を形成させ、この基
    材に触媒金属であるRu、Pt及びRhの少なくともい
    ずれかの化合物を担持させて焼成した後、350℃以上
    で触媒を還元し、陽極酸化アルミナにRu、Pt及びR
    hの少なくともいずれかを担持させた触媒を得ることを
    特徴とするCO選択酸化触媒の製造方法。
  11. 【請求項11】 アルミニウム基材を陽極酸化すること
    により、基材表面にアルミナの皮膜を形成させ、この基
    材に触媒金属であるRu、Pt及びRhの少なくともい
    ずれかの化合物を担持させ、ついで、空気中で330℃
    以下で焼成することを特徴とするCO選択酸化触媒の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 空気焼成後に、350℃以上で触媒を
    還元する請求項11記載のCO選択酸化触媒の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 担持させるRuの化合物としてRu
    (NO)(NO33(硝酸ニトロシルルテニウム塩)を
    用い、Ptの化合物としてH2PtCl6(塩化白金酸)
    を用い、Rhの化合物としてRhCl2(塩化ロジウ
    ム)を用いる請求項10、11又は12記載のCO選択
    酸化触媒の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜9のいずれかに記載の触媒
    を、触媒化したアルミニウム製コルゲートフィンとして
    用い、この触媒化したアルミニウム製コルゲートフィン
    を改質ガスと空気の混合ガスの流路である改質ガス通路
    の伝熱面に設け、改質ガス通路の上段及び/又は下段に
    隔壁を介して冷媒の流路である伝熱フィンを有する冷媒
    通路を備えたことを特徴とするCO選択酸化触媒を用い
    た熱交換型反応器。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の反応器において、反
    応器出口温度を150℃以下とすることを特徴とするC
    O選択酸化触媒を用いた熱交換型反応器の使用方法。
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