JP2007090241A - 燃料電池システム用触媒構造体および燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム用触媒構造体および燃料電池システム Download PDF

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Abstract

【課題】逐次あるいは多段に進む化学反応を効率良く進行させることができる燃料電池システム用触媒構造体を提供することを目的とする。
【解決手段】無担持触媒層と、担体および前記担体に担持された触媒粒子を含み、かつ前記無担持触媒層に熱的に連続する担持触媒層と、を備え、前記担持触媒層の担体と前記無担持触媒層とが一体構造であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システム用触媒構造体および燃料電池システムに関する。
近年、内部に反応流路が設けられた流路構造体を用いた小型反応器の開発が活発化している。例えば、特許文献1には、微小基板に連続して形成された反応流路内で第1の流体物質を第2の流体物質に変換する化学反応を生じる化学反応装置について記載されている。この流路構造体は、シリコン等の微小基板とガラス基板等の閉止基板とからなる。微小基板には、一面側にフォトエッチング技術等を用いて任意の溝形状にエッチングされ溝が設けられている。この溝の内壁面にCVD等により銅−亜鉛系の触媒が付着形成されている。閉止基板は微小基板の溝が設けられた一面に対向して接合される。これにより内部に触媒が設けられた反応流路が形成される。このような小型反応器は燃料電池システムに組み込まれ、燃料電池システムの小型化に寄与している。
小型反応器の反応流路内部には、例えば特許文献2または特許文献3に記載されている触媒体のように、触媒が均一濃度で担持されているのが一般的である。
特許文献2には、COをCO2に酸化するが、H2は酸化しない、CO選択酸化触媒として、MnO2、Co34、2CuO・Cr23、Al23、および、Ag2Oを含む複合酸化物の表面に担持触媒(Pt−ブラック)を分散させたことを特徴とする燃料電池用水素ガス精製触媒が開示されている。
特許文献3には、表面にアルミナ層又はアルミナを主成分とする層を有する、線状、糸状、中空細管状、網状もしくは布状の金属材料の前記表面に触媒を担持せしめてなる触媒体が開示されている。触媒としては、超微粒子白金触媒を使用している。この触媒体は、触媒反応の反応量を増大させるために、金属担体表面に均一なγ−アルミナ層を形成せしめ、触媒の担持量を多くして触媒担持を均一にしたものである。
しかしながら、均一に触媒を担持する方法は製造が容易であるという長所がある一方で、燃料電池システム内で生じる化学反応が逐次あるいは多段である場合に、それぞれの化学反応を構成する触媒をそれぞれ用意する必要があり、反応効率が低くなるため、反応器の小型化にはマイナス面がある。
また、反応流路内部においては触媒の組成濃度プロファイルを均一にするのが一般的であるが、組成の濃度変化を持たせる方法もある。この具体例として、特許文献4、特許文献5には、流路方向に触媒の濃度差あるいは密度差を設ける方法が提案されている。しかしながら、この手段だけでは化学反応が逐次あるいは多段である場合のマイナス面は解消できない。
これに対し、触媒を複数種にする方法は反応器の小型化に向けて有効な手段であると考えられる。しかし、従来の方法は触媒をスラリーと混合し、これを基材への塗布を繰り返すことにより触媒層を形成しようとするものである。
例えば、特許文献6には耐火性のセラミックス担体の表面にPt−Al23系触媒層とZrO2系触媒層を順次に被着してなる、ディーゼルエンジン排気処理用の多層構造触媒が記載され、特許文献7には板状触媒の表面に異なる組成の被覆層を形成してなる多層構造触媒層について記載されているが、いずれの触媒層も基材にスラリーを塗布することにより形成されたものである。
また、特許文献8には、多孔質体の外表面に、前記多孔質体の平均細孔径よりも小さい平均細孔径を有する改質触媒層を設け、該改質触媒層の外表面に前記改質触媒層の平均細孔径よりも小さい平均細孔径を有するCO除去触媒層を設けた複合触媒膜が開示されている。この複合触媒膜もまた、多孔質体成形体に、改質触媒層の前駆体溶液を成膜、焼成し、この表面にCO除去触媒前駆体ゾルを成膜、乾燥、焼成することで製造されている。
これら従来の多層構造触媒は確かに複数種の触媒を担持することが可能となるが、触媒層間に界面が形成されるため触媒層間の相互作用が十分に働かず、逐次あるいは多段で進行する化学反応に対して十分な反応効率を示さなかった。また、スラリーに埋没してしまう成分も発生するため、反応効率の面だけでなく、貴金属触媒を担持する場合、経済面ならびに資源保全の観点から不利な点もある。更には特許文献8のような膜など透過型の構成を用いた場合、膜にピンホールが形成されると高濃度のCOが下流側に透過してしまうという問題点も有する。
特開2003−88754号公報 特開2002−210367号公報 特開平4−354544号公報 特開平7−85874号公報 特開平7−126002号公報 特開平10−244154号公報 特開平11−57495号公報 特開2004−290805号公報
本発明は、逐次あるいは多段に進む化学反応を効率良く進行させることができる燃料電池システム用触媒構造体および燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明の燃料電池システム用触媒構造体は、無担持触媒層と、
担体および前記担体に担持された触媒粒子を含み、かつ前記無担持触媒層に熱的に連続する担持触媒層と、を備え、
前記担持触媒層の担体と前記無担持触媒層とが一体構造であることを特徴とする。
本発明の燃料電池システムは、燃料を収容する燃料タンクと、
前記燃料から水素ガスを含むガスを生成するための改質ユニットと、
前記水素ガスを含むガスと酸素を用いて発電するための燃料電池と、を有し、
前記改質ユニットは、無担持触媒層と、
担体および前記担体に担持された触媒粒子を含み、かつ前記無担持触媒層に熱的に連続する担持触媒層と、を備え、
前記担持触媒層の担体と前記無担持触媒層とが一体構造であることを特徴とする。
本発明によれば、逐次あるいは多段に進む化学反応を効率良く進行させることができる燃料電池システム用触媒構造体および燃料電池システムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態による触媒構造体の概念図である。
この触媒構造体1は、担体基材2の上に無担持触媒層3と、無担持触媒層3の上に担体4およびこの担体4に担持された触媒粒子5を含む担持触媒層6とを備えている。図1に示すように、無担持触媒層3と担持触媒層6の担体4とは一体構造をなした多孔質体であり、無担持触媒層3と担持触媒層6との間には界面が無く、熱的に連続した状態にある。
ここで無担持触媒層3は、触媒が担持されていない層でなく、触媒粒子5を担持しない場合であっても、触媒として機能する層を意味する。具体的には、後述する実施例1の場合、無担持触媒層3と担体4の一体構造(アルミナ)に対して、触媒粒子5(白金)の担持量が、EPMA等の分析手段によって有意差があるかどうか判別可能な検出量以下程度しか担持されていない場合であっても、触媒として機能する層(アルミナ)を言う。
また、触媒粒子とは、担持したい触媒種(例えば白金)をイオンの状態で溶解したものや、エマルジョンの状態で分散させたもの等を用い、無担持触媒層へ担持させた触媒種のことを言う。
無担持触媒層3は、例えば、固体酸触媒からなるものであり、固体酸触媒としては、例えば、アルミナ触媒を挙げることができる。無担持触媒層3に熱的に連続する担持触媒層6は、例えば、無担持触媒層3を形成する固体酸触媒に白金(Pt)などの貴金属系触媒粒子5を担持させたものである。
このような触媒構造体の有する具体的な効果を以下の燃料改質反応を例示して説明する。
例えば、燃料電池の燃料としてジメチルエーテル(DME)と水を用い、これから水素ガスを含む改質ガスを得る反応を考える。この場合、式(1)に示すようにジメチルエーテル(CH3OCH3)は水(H2O)と反応してメタノール(CH3OH)となり、更に、式(2)に示すようにメタノールが水と反応して水素(H2)と二酸化炭素(CO2)などに変化する。
CH3OCH3+H2O → 2CH3OH ・・・(1)
CH3OH+H2O → CO2+3H2 ・・・(2)
式(1)の反応は主にアルミナ触媒(無担持触媒層)の上で生じ、ジメチルエーテルの加水分解が進行してメタノールが生成される。このメタノールから式(2)の反応により、主に担持触媒層に含まれる白金などの貴金属系触媒粒子で水素生成反応が進行する。すなわち、式(1)の反応のみではメタノールがある程度、量的に生成してしまうと化学平衡によりそれ以上反応が進展しなくなってしまうところ、式(2)の反応が逐次的に進行することにより式(1)の反応が促進されるため、水素ガスを効率的に生成できることとなる。特に、燃料改質反応は吸熱反応であるために、高温状態(例えば350〜500℃程度)で進行させることが望ましく、温度低下により反応効率が低くなる。本実施形態の触媒構造体では、触媒構造体の外部から伝わる熱を無担持触媒層から担持触媒層に効率良く伝達させることができるため、反応効率が低下するのを抑制することができるのである。担体基材2と無担持触媒層3とが熱的に連続していることがさらに望ましい。
燃料改質反応に用いられる貴金属系触媒粒子としては、白金(Pt)の他にも、例えば
ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)等を用いることができる。これら改質触媒は単独で使用することもできるし、複数種類を組み合わせて用いることもできる。
担持触媒層は、無担持触媒層よりも大きい平均細孔径を有することが好ましい。これは以下に説明する理由によるものである。
本実施形態に係る触媒構造体は、小型反応器の反応流路の内壁に設けることができる。担持触媒層の平均細孔径が無担持触媒層の平均細孔径よりも小さいと、触媒構造体を設けた反応流路に燃料ガスを流通させても無担持触媒層まで燃料ガスが浸透しにくいため、無担持触媒層での反応が進行しにくくなり、結果的に改質反応全体の反応効率が低下する恐れがある。これに対して、前述した反応流路に設けられた触媒構造体に燃料ガスを流通させる流通タイプではなく、特許文献8の複合触媒膜のように膜の一方から他方へと燃料ガスを透過させる透過タイプの場合にはこの限りではないが、前述の通り、ピンホールなどの恐れがある。
触媒粒子は、担持触媒層の表層部から最深部に向かって逐次反応の進む方向に連続して担持されていることが好ましい。また、この場合、触媒粒子の担持量が担持触媒層の表層部から最深部に向かって減少していてもよい。すなわち、触媒構造体に、深さ方向にそれぞれの反応を特徴的に進行させる部位を有するような構造を提供することにより、触媒担体の熱的膨張等に係る耐久性、ならびに触媒担体内の物質の拡散を考慮しつつ、適切かつ経済的な触媒担持量を確保することができ、逐次反応をより効率的に進行させることができる。これは以下に説明する理由によるものと考えられる。
すなわち、発熱反応や吸熱反応により触媒粒子ならびにその担体は熱的な変化を受けることになる。ここで触媒構造体が熱的に連続していることにより、発熱反応と吸熱反応間の熱のやりとりがスムーズに進み、全体として熱的な損失を少なくすることができる。さらに担持されている触媒粒子を深さ方向に濃度プロファイルを持つように、すなわち触媒担体の深さ方向に担持量を漸増あるいは漸減させることにより、局所的にみれば担体の熱的な膨張あるいは収縮が不連続になることが抑制され、担体の構造維持に寄与することが可能となり、ひいては全体としての寿命が延びることとなる。これは特にシステムの始動時や停止時、あるいは緊急時に温度が不安定な時にその効果が認められる。
また、定常時においても単位時間当たり最深部まで到達する物質量は拡散の影響により表層部に比較すると相対的に少ないことから、単位時間当たりの反応効率は表層部近傍が最深部のそれに較べて格段に大きく、したがって、表層部近傍の触媒担持量を最深部に較べて多くしておくことは触媒製造の上でも適切かつ経済的なものとなる。
本実施形態に係る触媒構造体は、例えば、陽極酸化させた基材の多孔質体に触媒粒子を担持させることにより製造することができる。より具体的には以下に説明するように製造することができる。
まず、A1050材等のアルミニウム金属あるいはアルミニウム合金からなる基材に陽極酸化処理を行うことにより、多孔質触媒担体であるアルミナ触媒を得る。次に、この多孔質触媒担体に貴金属系触媒粒子を担持させることにより触媒構造体を得ることができる。
陽極酸化処理は公知の方法を用いて行うことが可能である。例えば、特開2004−154717号公報の段落[0005]から段落[0011]等に記載の方法である。本実施形態に係る触媒構造体は、小型反応器の反応流路に担持させることができる。反応流路の表面がアルミニウムやアルミニウム合金で形成されている場合、反応流路の表面を前述したように陽極酸化処理することにより多孔質触媒担体を形成することができる。
例えば、陽極酸化処理に用いる処理溶液、例えば、硫酸やリン酸、あるいはシュウ酸イオンを含む溶液のpH値や濃度、あるいは処理時間を調整することにより、担持触媒層と無担持触媒層の細孔径を制御することができる。
平均細孔径を変化させる方法には、陽極酸化の電流密度を処理途中で変化させる方法、陽極酸化の溶液を途中で変更する方法、細孔拡大処理の温度や濃度を変化させる方法、などが挙げられる。もちろん、これらの方法を一つあるいは二つ以上組み合わせて用いることにより、担持触媒層の平均細孔径を無担持触媒層の平均細孔径よりも大きくすることができる。
このような手法で陽極酸化処理したアルミナを形成し、ここに貴金属の触媒粒子を担持させる。担持方法は含浸等の方法を用いることが可能である。ここで注意すべきは、当該陽極酸化アルミナを触媒として活用するために、アルミナ層の最深部まで触媒粒子を担持させないようにすることである。触媒粒子はアルミナ層の表面から半分までの深さに担持させることが望ましい。具体的には次のような製造方法で作製できる。すなわち、含浸する溶液中のPt濃度を担持したい所定量に調整し、時間管理を適切にする。例えば、40μmの膜厚を有する陽極酸化アルミナの場合、1g−Pt/Lの塩化白金酸溶液で2時間程度浸漬すると、皮膜表面から約20μmの深度までPtが担持でき、皮膜表面から20μmから40μmは陽極酸化アルミナの無担持触媒層とすることができるので好適である。また、細孔内部の空気を抜かずに触媒粒子の前駆体溶液を含浸させることは、陽極酸化アルミナの最深部まで触媒粒子を担持させないために有効な方法である。これは、溶液の拡散が空気によって抑制され、表面近傍に担持することが可能となるからである。
触媒粒子を担持するに際し、一度に担持することも可能であるし、また複数回に分けて担持することも可能である。また、担持する深さ(担持触媒層の厚み)を含浸浴との関係で調整することも可能である。例えば、含浸する溶液中の貴金属濃度と含浸時間を調節することにより担持触媒層の厚みと触媒粒子の担持量を制御することができる。担持触媒層の厚みや触媒粒子の担持量は、燃料の処理量、処理する反応器の大きさ、ガス流量やSV値等に応じて、適したものとすることができる。
また、本実施の形態では、触媒構造体に、陽極酸化させた基材の多孔質体に触媒粒子を担持させたものについて詳述したが、陽極酸化させた基材に替えてセラミクス成形体を用いることもできる。セラミクス成形体としては、γ−Al23の粉末を加圧成形したものを用いることができる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態においては、2層の触媒層を有する触媒構造体について説明したが、触媒構造体はこれに限定されるものではなく触媒層を3層構造にすることもできる。
以下、3層構造を有する触媒構造体について図2を参照して説明する。
図2は、第2の実施の形態による触媒構造体の概念図である。
触媒構造体21は、担体基材22の上に形成された無担持触媒層23と、無担持触媒層23に熱的に連続し、かつ第1の触媒粒子24を含む第1の担持触媒層25と、第1の担持触媒層25に熱的に連続し、かつ第2の触媒粒子26を含む第2の担持触媒層27とを備える。担体基材22と無担持触媒層23とは熱的に連続していることが好ましい。
第1の触媒粒子としては前述した改質触媒を例示することができる。第2の触媒粒子としてはシフト触媒を例示することができる。第2の担持触媒層には、第1の触媒粒子が含まれていてもよい。シフト触媒を組み合わせることにより、式(1)ならびに式(2)の化学反応を進める際に生成する副生成物である一酸化炭素(CO)を水(H2O)と反応させて二酸化炭素(CO2)と水素(H2)とする式(3)のシフト反応を進めることが可能となり、得られる改質ガス中のCO濃度を低減することができる。
CO+H2O → H2+CO2 ・・・(3)
シフト触媒としては公知の触媒組成を用いることができる。例えば、特開2004−97946号公報、特開2004−97948号公報、特開2004−261755号公報などに記載のものを用いることができる。具体的には、シフト触媒として、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、モリブデン(Mo)、レニウム(Re)、セリウム(Ce){例えばセリア(CeO2)}や、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を挙げることができる。アルカリ金属としては、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)などが挙げられる。アルカリ土類金属としては、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)などの固体塩基性触媒が挙げられる。中でも、レニウムおよびセリアの少なくともいずれか一方を用いることが好ましい。これらシフト触媒は単独で使用することもできるし、複数種類を組み合わせて用いることもできる。
第2の担持触媒層で進行するCOシフト反応(以下、高温シフト反応と称する)は発熱反応であり、高温になり過ぎると反応が進行しにくくなる。無担持触媒層と第2の担持触媒層との間に各触媒層に熱的に連続する第1の担持触媒層を設け、ここで改質反応(吸熱反応)を進行させることによりCOシフト領域が高温になり過ぎるのを防ぐことができる。また、吸熱反応と発熱反応を組み合わせた複数種の触媒層を一体構造で保持することにより熱的結合性が高まり、反応器の効率向上に寄与できる。例えば、担持触媒層として白金の触媒粒子を担持する第1の担持触媒層のみを設けた場合には、改質ガス中に4〜5%程度のCOが含まれる。第1の担持触媒層に第2の触媒粒子として粒子状のレニウムとセリアを担持し、第2の担持触媒層を設けることにより、改質反応と高温シフト反応の多段反応により改質ガス中のCO濃度を1000ppm程度にまで低減することができる。本実施形態に係る触媒構造体は、前述したジメチルエーテルと水を燃料とした反応だけでなく、他の燃料、例えばエタノールやメタノール等のアルコール類と水とを含む燃料の改質反応にも利用することができる。
燃料ガスの浸透性を向上させるために第2の担持触媒層は、第1の担持触媒層よりも大きい平均細孔径を有することが望ましい。
本実施形態の触媒構造体は、例えば、図1の触媒構造体に第2の触媒粒子を更に担持させることにより製造することができる。担持方法は第1の実施の形態で説明したのと同様にして行うことができる。より具体的には、第1の実施の形態で説明したように白金担持陽極酸化アルミナとした後、シフト触媒粒子の前駆体溶液を含浸させ、これを焼成することにより製造することができる。例えば、40μmの膜厚を有する陽極酸化アルミナの場合、1g−Pt/Lの塩化白金酸溶液で2時間程度浸漬して皮膜表面から約20μmの深度までPtを担持した後、0.5時間ほど1g当量/Lを含有したシフト触媒溶液に浸漬し、焼成することにより第2の担持触媒層を有する触媒構造体を作製することができる。
ここでは3層構造の触媒構造体について説明したが、4層以上の構造を有する触媒構造体を製造することができる。例えば、母材の陽極酸化アルミナの上にメタノール改質用触媒である白金等の貴金属系触媒、さらにその上に水性シフト触媒、さらにアルカリ又はアルカリ土類金属の4層系触媒を作製できる。4層以上の多層構造の担持触媒層は含浸工程を繰り返すことにより作製することができる。
(第3の実施の形態)
第2の実施の形態では改質触媒と高温シフト触媒を組み合わせた例を説明したが、これに限定されるものではなく、第1の触媒粒子としてシフト触媒を用い、第2の触媒粒子としてメタネーション触媒を用いることもできる。シフト触媒とメタネーション触媒を組み合わせることにより、高温シフト反応よりも低温領域でシフト反応(以下、低温シフト反応と称する)を進行させることができると共に、式(4)に示すメタネーション反応を進行させることができる。このように多段で進行する低温シフト反応とメタネーション反応により改質ガス中に含まれるCO濃度をさらに低減させることができる。
CO+3H2 → CH4+H2O ・・・(4)
低温シフト触媒としては、高温シフト反応と同様なものを挙げることができる。メタネーション触媒としては公知の触媒組成を用いることができる。例えば、特開2003−340280号公報などに記載のものを用いることができる。具体的には、メタネーション触媒として、ルテニウム(Ru)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、銀(Ag)、ロジウム(Rh)などを挙げることができる。これらメタネーション触媒は単独で使用することもできるし、複数種類を組み合わせて用いることもできる。
低温シフト反応とメタネーション反応は共に発熱反応であるため、触媒構造体が高温になり易い。第1の担持触媒層を第2の担持触媒層と熱的に連続させることにより、触媒構造体の放熱効率を良好にすることができ、担持触媒層が高温になり過ぎるのを抑制してシフト反応の反応効率が低下するのを防ぐことができる。例えば、本実施形態の触媒構造体を用いることにより、1000ppm程度のCO濃度を有する改質ガスをCO濃度10ppm程度まで純化させることができる。
本実施形態において無担持触媒層は、改質ガス中に改質されずに残存するジメチルエーテルを加水分解して除去する役割を果たす。改質ガス中にジメチルエーテルが多量に含まれたまま燃料電池システムの後段(例えば後述する燃料電池103)に送られると、ジメチルエーテルの燃焼により炭化が生じたり、後段の触媒が被毒する恐れがある。本実施形態の触媒構造体によればジメチルエーテルを低減することができ、例えば改質ガスが供給される燃料電池の燃料極に含まれる触媒の被毒を抑制することができる。
本実施形態に係る触媒構造体は、第1,2の触媒粒子を変更すること以外には第2の実施の形態と同様にして製造することができる。また、第2の実施の形態に係る触媒構造体にさらにメタネーション触媒を担持させることにより、第3の実施の形態に係る触媒構造体を作製することもできる。
本実施形態の触媒構造体は、ジメチルエーテルと水を燃料として得られる改質ガスだけでなく、他の燃料、例えばエタノールやメタノール等のアルコール類と水を含む燃料を改質することにより得られる改質ガスのCO濃度を低減するためにも使用することができる。
(第4の実施の形態)
第3の実施の形態では第1の触媒粒子としてシフト触媒、第2の触媒粒子としてメタネーション触媒を用いた例を説明したが、触媒構造体はこれに限定されるものではない。例えば、無担持触媒層として固体酸触媒、第1の触媒粒子として酸塩基性両性触媒、第2の触媒粒子として貴金属触媒およびマンガン族触媒のうち少なくとも一方を用いることにより、例えばこれら全体として高機能のCOシフト触媒とすることもできる。
表層部の貴金属触媒表面へはCOが吸着するが、この貴金属触媒に隣接して酸塩基性両性触媒が存在すると、酸塩基性両性触媒がアルカリ金属として機能するため、電子を貴金属触媒へ供与し、これによって貴金属触媒の電子密度が高くなればCO吸着が相対的に強くなるので反応性が高くなる。
一方、固体酸触媒は燃料の加水分解触媒等として機能するが、この時、燃料がオレフィン系炭化水素に転化して重合を起こし、後段の燃料電池システムに悪影響を及ぼす恐れがある。ここで酸塩基性両性触媒が隣接することにより固体酸触媒の酸点が中和されるので、この問題を回避することができる。
このように固体酸触媒、酸塩基性両性触媒、貴金属触媒やマンガン族触媒の組み合せにより、COのシフト反応を効率的に進行させることが可能となる。
貴金属触媒としては第2の実施の形態に記載した白金(Pt)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)を用いることができる。マンガン族触媒としてはレニウム(Re)、テクネチウム(Tc)、マンガン(Mn)を用いることができる。
また、酸塩基性両性触媒としてはセリア(CeO2)やジルコニア(ZrO2)を用いることができる。
固体酸触媒としては、アルミナ(Al23)のほかにシリカ(SiO2)などを用いることができる。
本実施形態に係る触媒構造体は、第1,2の触媒粒子を変更すること以外には第2の実施の形態と同様にして製造することができる。また、本実施の形態に係る触媒構造体にさらにメタネーション触媒を担持させることにより、第2の実施の形態に係る触媒構造体を作製することもできる。
本実施形態の触媒構造体は、ジメチルエーテルと水を燃料として得られる改質ガスだけでなく、他の燃料、例えばエタノールやメタノール等のアルコール類と水を含む燃料を改質することにより得られる改質ガスのCO濃度を低減するためにも使用することができる。
本発明の実施の形態に係る触媒構造体は、小型反応器に適用することができる。以下、図3を参照して小型反応器を説明する。
図3は、小型反応器を示す分解斜視図である。
この小型反応器31は、第1の流路構成部材32および第2の流路構成部材33を含む流路構造体40と、筐体34と、蓋35とを具備する。第1の流路構成部材32は、長方形の板状部材36を含み、この板状部材36の平面部には、垂直かつ長手方向に直交に平板状の流路フィン37が複数並設されている。板状部材36と流路フィン37とは一体成形されたものであってもよい。第2の流路構成部材33は、第1の流路構成部材32と同サイズで、同様な構造を有する板状部材38と複数の流路フィン39とを含んでいる。流路フィン37,39の表面には触媒構造体が形成されている。流路フィン37,39がアルミニウム金属あるいはアルミニウム合金からなる場合や、アルミニウム金属あるいはアルミニウム合金の皮膜を有する場合には、前述した陽極酸化処理を用いた製造方法により流路フィン37,39の表面に触媒構造体を形成することができる。触媒構造体は流路フィン37,39の両面の全体わたって形成されていることが望ましい。
流路構造体40は、第1の流路構成部材32と第2の流路構成部材33とを流路フィン37,39が設けられた側の面を対向させ、互いの流路フィン37,39が隙間を空けて交互に並ぶように嵌め合わせたものである。このような構造を有する流路構造体40は、流路フィン37と隣接する流路フィン39との間に形成された複数の平行流路41を有する。
筐体34は外形が直方体であり、流路構造体40を収容するための嵌め込み部34aが形成されている。嵌め込み部34aは長手に直交する辺の長さが流路構造体40よりも僅かに大きくなるように形成されている。筐体34の長手に直交する端部のうち一方には供給口42が設けられており、他端には排出口43が設けられている。供給口42、排出口43は各々、嵌め込み部34aに連通しており、供給口42と排出口43とは嵌め込み部34aの開口面における対角線上に位置するように設けられている。前述した流路構造体40は、板状部材36または板状部材38が底面となるようにこの筐体34の嵌め込み部34a内に収容され、その上に蓋35が配置される。これにより、嵌め込み部34aの内部には流路構造体40の複数の平行流路41とこの平行流路41に連通する2本の直交流路(図示せず)とが形成される。これら直交流路のうち一方に供給口42が連通し、他方に排出口43が連通している。
このような小型反応器31に供給口42から流体を供給すると、流体が直交流路を経て各平行流路41を流通する。このときに、流路フィン37,39に形成された触媒構造体で逐次あるいは多段の反応が進行する。反応後の流体は排出口43から排出される。本発明の実施の形態に係る触媒構造体を用いれば、逐次あるいは多段の反応を効率良く進行させることができるため、反応器の小型化に寄与することができる。
反応は流路方向に次第に進むので、流路方向にも濃度プロファイルを持たせることも有効である。すなわち、深さ方向に濃度プロファイルが異なる流路構造体40を複数用意しておき、これを流路構造体40や筐体34の流路方向に反応の進行に応じて適宜配設することにより、反応に関する熱的なやりとりを適切に管理制御した小型反応器31を提供することができる。
次に、本発明の実施の形態に係る触媒構造体が用いられる燃料電池システムについて図4を参照して説明する。
図4は、燃料電池システムの概念図である。
この燃料電池システム100は、燃料供給タンク101と、改質ユニット102と、燃料電池103とを具備する。燃料供給タンク101には、燃料が収容されている。
改質ユニット102は、例えば、気化器と、改質器と、CO除去器と、燃焼器とを備える。気化器は、燃料供給タンク101から供給された燃料を気化させるためのものである。改質器は、気化器で気化された燃料から水素ガスを含む改質ガスを生成させるためのものである。改質器では、改質反応と必要により高温シフト反応が進行する。改質器は例えば350℃程度に設定される。CO除去器は、改質器で生成された改質ガスのCO濃度を低減することにより改質ガスを純化させるためのものである。CO除去器では、例えば、低温シフト反応とメタネーション反応によりCOが除去される。CO除去器は例えば250℃程度に設定される。また、燃焼器は燃料電池から排出された改質ガスの燃焼反応を促進させるものである。図4の燃料電池システム100では改質反応、シフト反応、メタネーション反応、燃焼反応をそれぞれ担う各工程に前述した小型反応器を用いることが可能である。これら改質反応、シフト反応、メタネーション反応、燃焼反応を一まとめにして広義の改質部(改質ユニット102)を構成した。改質器に備えられる触媒としては、第1または第2の実施形態の触媒構造体を使用することが好ましい。特に、第2の実施形態の触媒構造体を改質器に用いることが望ましい。CO除去器に備えられる触媒としては、第3の実施形態の触媒構造体を使用することが好ましいが、第1または第2の実施形態の触媒構造体を備えた改質器を使用する場合には他の公知のCO除去触媒を使用することができる。同様に第3の実施形態の触媒構造体を備えたCO除去器を使用する場合には他の公知の改質触媒を備えた改質器を用いることもできる。
燃料電池103は、燃料極と、酸化剤極と、燃料極と酸化剤極との間に配置される電解質膜とを含む起電部を具備する。この起電部において、改質ユニット102から燃料極へと供給される水素純化ガスと酸化剤極に供給される酸素を含む空気とを用いて、発電反応が進行する。
燃料タンク101から改質ユニット102に燃料を供給し、ここで水素ガスを含む改質ガスを発生させると共に純化させる。得られた水素純化ガスを燃料電池103の起電部の燃料極に供給し、発電反応に使用する。排出物と残留水素を含む燃料電池103のオフガスは再度の改質ユニット102に送られ、ここの燃焼器で燃焼させた後、大気放出等される。
[実施例]
以下、本発明の実施の形態を実施例により説明する。
(実施例1)
<触媒構造体の作製>
A1050材のアルミニウム製流路フィンを有する流路構成部材A,Bを用意した。流路構成部材Aならびに流路構成部材Bは、流路フィンの厚みが0.3mmであり、流路フィンのピッチが0.9mmである。これら流路構成部材A,Bの各流路フィンを以下に説明するように陽極酸化して80μmの膜厚を有するアルミナを形成した。
すなわち、陽極酸化にはシュウ酸水溶液(2〜5wt%)を用い、50A/m2の電流密度で18時間陽極酸化処理した。これを一旦350℃で焼成した後、25℃でシュウ酸水溶液(2〜5wt%)に4時間浸漬し、細孔拡大処理を行った。更に350℃で焼成した後、80℃のイオン交換水に2時間浸漬し、その後、500℃で焼成したものを流路構成部材の担体とした。もちろん、陽極酸化処理はこれらに限られたものではなく、硫酸、リン酸などの無機酸、マロン酸、クエン酸などの有機酸を適宜用いることができる。
陽極酸化処理した流路構成部材に以下に説明する含浸法により白金の触媒粒子を担持させた。
すなわち、陽極酸化処理した流路フィンを、1.0g−Pt/Lの塩化白金酸溶液にアンモニア溶液(35%)を加え、pHをアルカリ性にした溶液に2時間浸漬し、25℃で12時間乾燥し、500℃で4時間焼成することにより図1に示す構造を有する触媒構造体を得た。なお、担持量を増やすために、超音波を併用した。
得られた触媒構造体について、EPMAを用いて担持触媒層の厚みと触媒粒子の濃度プロファイルを測定した。濃度プロファイルの結果を図5に示す。図5中、縦軸は触媒構造体の深さ方向(図中、上方が表層部を示し、下方が最深部を示す)を示し、横軸は触媒粒子の担持量を示す。
図5に示すように、表面から40μmの深さまでは白金の触媒粒子が担持された担持触媒層6であり、40μmの深さから80μmまでは白金の触媒粒子を含まない(白金の担持量がEPMA等の分析手段によって有意差があるかどうか判別可能な検出量以下程度しか担持されていない)無担持触媒層3であった。また、担持触媒層6の表層部から最深部に向かって深さ方向に白金の触媒粒子の担持量が減少していた。図5中、参照符号2は、流路フィンにおける陽極酸化されていない部分(担体基材)を示す。
<小型反応器の組立て>
これら流路構成部材Aならびに流路構成部材Bを、それぞれの流路フィンが交互に並ぶように向い合せに嵌め合わせて流路幅0.15mmの平行流路を有する流路構造体とし、この流路構造体を流路構成部材(筐体)の嵌め込み部に詰め、その上に流路構成部材(蓋)を配置し、溶接することにより、図3に示す構造を有する小型反応器を組立てた。
この小型反応器にジメチルエーテルと水を供給し、水素を生成させた。条件はジメチルエーテルと水のモル比(CH3OCH3:H2O)で1:4である。小型反応器を350℃に加熱し、そこに上記ジメチルエーテルと水の混合ガスを0.6cm2/sccm(標準状態における1分間当たりのガス流量に対する流路幾何面積)で流通させ、改質ガスを得た。流路フィンの触媒担持された幾何面積(面積の合計)は150cm2であった。
得られた改質ガス中の水素ガスの量(ガス発生量)と改質ガス中のCO濃度を表1に示す。
(実施例2)
硝酸セリウム六水和物(Ce(NO33・6H2O)を1g/mLの水溶液とした。これに実施例1の流路構成部材Aならびに流路構成部材Bを浸漬させた。このとき、超音波で3分間照射した後、16時間浸漬した。その後、120℃で1時間乾燥させた後、5℃/分で500℃まで昇温し、そのまま3時間保持して自然放冷させた。
次に、塩化白金酸六水和物(H2PtCl6・6H2O)を約10mg/mLの水溶液とし、これにアンモニア水(35%原液)を加えてpHを約11とし、これに更にNH4ReO4を50mg/mLの濃度となるよう溶解させた。この混合溶液に上記流路構成部材Aならびに流路構成部材Bを浸漬し、超音波を3分間照射し、引き続き16時間浸漬して含浸担持させた。その後、120℃で1時間乾燥した後、5℃/分で400℃まで昇温し、3時間保持した後、自然放冷させ後、焼成することにより、第2の実施形態に係る触媒構造体を作製した。なお、今回は脱気するために3分間ほど超音波を用いたが、担持量を増やすために、継続して超音波を併用することも効果的である。得られた触媒構造体の濃度プロファイルを図6の(a)に示す。図6の(a)中、縦軸は触媒構造体の深さ方向を示し、横軸は触媒粒子の担持量を示す。
図6の(a)に示すように、第1の担持触媒層25では表層部から最深部に向かって深さ方向に白金の触媒粒子の担持量が減少しており、第2の担持触媒層27では深さ方向にレニウム粒子とセリア粒子と白金の触媒粒子の担持量がそれぞれ減少していた。
さらに、得られた触媒構造体について、N2吸着法により細孔径分布(BJH法)を測定し、平均細孔径を算出した。この結果を図6の(b)に示す。図6の(b)中、縦軸は触媒構造体の深さ方向を示し、横軸は細孔径の大きさを示す。
この結果、各触媒層の平均細孔径は、無担持触媒層23で約5nm、第1の担持触媒層25で約20nm、第2の担持触媒層27で約50nmであった。また、図6の(b)から明らかなように、触媒構造体の表層部から最深部(担体基材22)に向かって深さ方向に細孔径が減少していた。
もちろん、これら細孔径は適宜調整することが可能である。調整方法としては陽極酸化の電流密度を変化させる方法、陽極酸化の溶液を途中で変更する方法、細孔拡大処理の温度や濃度を適宜変化させる方法が挙げられる。これらは適宜組み合わせて用いることも可能である。
得られた触媒構造体を有する流路構成部材を用いたこと以外には実施例1と同様にして小型反応器を形成し、混合ガスを流通させて改質ガスを得た。
この結果、水素ガスとして238sccm(標準状態で238cc/分相当)が得られた。得られた改質ガス中のCO濃度を表1に示す。
また、混合ガスを流通させたときの触媒構造体の温度分布を図6の(c)に示す。図6の(c)中、縦軸は触媒構造体の深さ方向を示し、横軸は温度を示す。
図6の(c)から明らかなように、触媒構造体において熱源に近い無担持触媒層23は350℃であったのに対して、第2の担持触媒層27は300℃に保たれていた。これは、無担持触媒層23と第2の担持触媒層27では発熱反応が進行するものの、これら触媒層23,27に熱的に連続する第1の担持触媒層25で進行する吸熱反応により第2の担持触媒層27の温度が過剰に上昇するのを抑制することができたためである。
(実施例3)
ルテニウム(III)アセチルアセトナート(Ru(acac)2)をアセトンに52mg/mLとなるように溶解し、これに実施例2の流路構成部材Aならびに流路構成部材Bを16時間浸漬し、含浸担持させた。その後、120℃で1時間乾燥し、5℃/分で500℃まで昇温し、そのまま2時間保持した後、自然放冷させ、第3の実施形態に係る触媒構造体を作製した。得られた触媒構造体の濃度プロファイルを図7に示す。図7中、縦軸は触媒構造体の深さ方向を示し、横軸は触媒粒子の担持量を示す。
図7に示すように、第1の担持触媒層25では表層部から最深部に向かって深さ方向に白金の触媒粒子とレニウム粒子とセリウム粒子の担持量が減少しており、第2の担持触媒層27では深さ方向にルテニウム粒子とレニウム粒子とセリウム粒子と白金の触媒粒子の担持量がそれぞれ減少していた。
得られた触媒構造体を有する流路構成部材を用いたこと以外には実施例1と同様にして小型反応器を形成した。この小型反応器を250℃に加熱し、実施例2で得られた改質ガスを0.4cm2/sccm(標準状態における1分間当たりのガス流量に対する流路幾何面積)で流通させて水素純化ガスを得た。得られた水素純化ガスの発生量と水素純化ガス中のCO濃度を表1に示す。
(実施例4)
実施例1と同様の手法により、A1050材のアルミニウム製流路フィンを有する流路構成部材Aならびに流路構成部材Bを用意した。流路構成部材Aならびに流路構成部材Bは、流路フィンの厚みが0.3mmであり、流路フィンのピッチが0.9mmである。これら流路構成部材A,Bの各流路フィンを実施例1と同様の方法により陽極酸化して80μmの膜厚を有するアルミナを形成した。
これに、実施例2と同様の手法でまず硝酸セリウム六水和物(Ce(NO33・6H2O)を1g/mLの水溶液を作り、これに上記の流路構成部材を浸漬させた。この時、超音波で3分間照射した後、16時間浸漬し、その後、120℃で1時間乾燥させた後、5℃/分で500℃まで昇温し、そのまま3時間保持して自然放冷させた。
次に、塩化白金酸六水和物(H2PtCl6・6H2O)を約10mg/mLの水溶液とし、これにアンモニア水(35%原液)を加えてpHを約11とし、これに更にNH4ReO4を50mg/mLの濃度となるよう溶解させた。この混合溶液に上記流路構成部材を浸漬し、超音波を3分間照射し、引き続き4時間浸漬して含浸担持させた。その後、120℃で1時間乾燥した後、5℃/分で400℃まで昇温し、3時間保持した後、自然放冷させ、その後、焼成することにより、第4の実施形態に係る触媒構造体を作製した。なお、今回は脱気するために3分間ほど超音波を用いたが、担持量を増やすために、継続して超音波を併用することも効果的である。得られた触媒構造体の濃度プロファイルを図8に示す。図8中、縦軸は触媒構造体の深さ方向を示し、横軸は触媒粒子の担持量を示す。
図8に示すように、第1の担持触媒層25では表層部から最深部に向かって深さ方向に酸塩基性両性触媒であるセリア粒子の担持量が減少しており、第2の担持触媒層27では深さ方向にマンガン族触媒であるレニウム粒子と貴金属触媒である白金の触媒粒子の担持量がそれぞれ減少していた。
得られた触媒構造体を有する流路構成部材を用いて実施例1と同様の小型反応器を形成し、改質模擬ガスを流通させ、COガスのシフト試験を行った。小型反応記の流路フィンの触媒担持された幾何面積は150cm2、反応温度は300℃で、単位流量当たりの幾何面積は0.7cm2/sccm(標準状態における1分間当たりのガス流量に対する流路幾何面積)とした。
そこにH2、CO、CO2、CH4、H2Oを含む改質模擬ガス(H2:50%、CO:3.5%、CO2:15%、CH4:5%、H2O:26.5%)を流通させたところCO濃度を1.5%へ低下させることができた。
(比較例1)
陽極酸化処理溶液の濃度と含浸時間を変更した以外には実施例1と同様にして流路構造体A,Bの各流路フィンに陽極酸化を行い、40μmの厚みを有するアルミナを形成した。この上に、白金アルミナ触媒、アルミナ触媒を公知のアルミナバインダと混合したスラリーを調製し、これを塗布・乾燥を繰返し、焼成して40μmの厚みとすることにより、触媒構造体を得た。このとき、実施例1の触媒構造体と白金の触媒粒子の担持量が同じになるよう白金アルミナ触媒の割合を調整した。また、平行流路の流路幅が0.15mmとなるように予め流路フィンの厚みを調整しておいた。
得られた触媒構造体について濃度プロファイルを測定したところ、陽極酸化アルミナ上に白金の触媒粒子を担持したアルミナ焼結体からなる触媒層が形成されており、この触媒層において白金の触媒粒子はほぼ均一に分散して存在していた。
得られた触媒構造体を有する流路構成部材を用いたこと以外には実施例1と同様にして小型反応器を形成し、混合ガスを流通させて改質ガスを得た。得られた改質ガス中の水素ガスの量と改質ガス中のCO濃度を表1に示す。
(比較例2)
陽極酸化処理溶液の濃度と含浸時間を変更した以外には実施例1と同様にして流路構造体A,Bの各流路フィンに陽極酸化を行い、40μmの厚みを有するアルミナを形成した。アルミナ層について窒素吸着法により細孔径分布(BJH法)を測定し、平均細孔径を算出したところ、50nmであった。この上に、γ−Al23(担持体)の前駆体のコロイド溶液に、Pt(改質触媒の活性成分)を含有する金属塩を添加した改質触媒前駆体ゾルをディップコーティングし、乾燥後300℃〜700℃で焼成した。このコーティング、乾燥、焼成の操作を繰返し、厚さ20μmの改質触媒層を形成した。また同時に改質触媒前駆体ゾルの一部をそのまま乾燥し、粉末形状の改質触媒を作製し、300℃〜700℃で焼成した焼結体を用い、窒素吸着法により細孔径分布(BJH法)を測定し、平均細孔径を算出したところ、0.7nmであった。
得られた改質触媒層の表面に、テトラエトキシシラン0.05モルとビニルトリエトキシシラン0.05モルをエタノール中で混合したアルコキシド溶液に、水0.5モル、塩酸0.001モルを加えたエタノール溶液を滴下、攪拌することにより得た担持体(SiO2)の前駆体溶液に、Pt,Re(CO除去触媒の活性成分)を含有する金属塩とCeO2(CO除去触媒の活性成分)の前駆体のコロイド溶液を添加したCO除去触媒前駆体ゾルをディップコーティングし、乾燥後300℃〜700℃で焼成した。このコーティング、乾燥、焼成の操作を繰返し、厚さ20μmのCO除去触媒層を形成した。また同時にCO除去触媒前駆体ゾルの一部をそのまま乾燥し、粉末形状のCO除去触媒を作製し、300℃〜700℃で焼成した焼結体を用い、窒素吸着法により細孔径分布(BJH法)を測定し、平均細孔径を算出したところ、0.51nmであった。なお、実施例2の触媒構造体と白金の触媒粒子、ルテニウム粒子およびセリア粒子の担持量が同じになるよう各ゾル濃度を調整した。また、平行流路の流路幅が0.15mmとなるように予め流路フィンの厚みを調整しておいた。
得られた触媒構造体について濃度プロファイルを測定したところ、改質触媒層、CO除去触媒層共に活性成分がほぼ均一に分散して存在していた。
得られた触媒構造体を有する流路構造部材を用いたこと以外には実施例1と同様にして小型反応器を形成し、混合ガスを流通させて改質ガスを得た。得られた改質ガス中の水素ガスの量と改質ガス中のCO濃度を表1に示す。
(比較例3)
比較例2の流路構造部材を使用したこと以外には実施例3と同様にして触媒構造体を作製し、小型反応器を組立てた。この小型反応器を用いたこと以外には実施例3と同様にして改質ガスを流通させて水素純化ガスを得た。得られた水素純化ガスの発生量と水素純化ガス中のCO濃度を表1に示す。
Figure 2007090241
表1から明らかなように、無担持触媒層と無担持触媒層に熱的に連続する担持触媒層とを備え、担持触媒層の担体と無担持触媒層とが一体構造である実施例1〜3の触媒構造体は、得られた改質ガス、水素純化ガス共にCO濃度が低く、改質効率に優れていただけでなく、CO除去効率にも優れていた。以下、同じ種類の触媒粒子が担持されている触媒構造体を対比させて説明する。
比較例1の触媒構造体は、実施例1の触媒構造体に比較して得られた改質ガス中のCO濃度が高く、水素ガスの量も少なかった。これは、比較例1の触媒構造体では触媒層をゲルの塗布により形成したため、陽極酸化アルミナ層と触媒層の担体とが一体構造とならず、各層の間に界面が形成されて熱的に不連続になったためと考えられる。これにより、燃料改質反応に必要とされる熱量をアルミナ層から触媒層へと効率良く伝達させることができず、反応効率が低下したものと考えられる。なお、比較例1では全体の反応効率が落ちるため、得られた改質ガス中に未反応の混合ガスが多く含まれていた。
特許文献8の複合触媒膜を流通タイプに適用したものに相当する比較例2の触媒構造体は、実施例2の触媒構造体に比較して得られた改質ガス中のCO濃度が高かった。これは、以下に説明する理由によるものと考えられる。すなわち、実施例2の触媒構造体では、図6の(c)に示したように、各触媒層間に界面が存在せず熱的に連続していたため、燃料改質反応に必要とされる熱量を無担持触媒層と第2の担持触媒層から第1の担持触媒層に効率良く伝達させることができたのに対して、比較例2の触媒構造体では、触媒層間に界面が存在したため熱伝導性が低くなり、この結果反応効率が低下したものと考えられる。さらに、比較例2の触媒構造体は、陽極酸化アルミナ層よりも各触媒層の平均細孔径が小さく、また改質触媒層よりもCO除去触媒層の平均細孔径が小さかったため、混合ガスが触媒構造体全体に浸透しにくく、反応効率が劣化したものと考えられる。
比較例3の触媒構造体は、実施例3の触媒構造体に比較して得られた水素純化ガス中のCO濃度が高かった。これは、比較例3の触媒構造体は、陽極酸化アルミナ層と各触媒層との間の熱伝導性が低かったため、各触媒層で発生した熱を触媒構造体外に逃すことができず、温度が過剰に上昇してCO除去反応の反応効率が低下したものと考えられる。
なお、陽極酸化アルミナの替わりに無担持触媒層および担持触媒層の担体として一体構造にあるセラミクス成形体を用いた場合にも、実施例1〜4と同様な結果が得られ、逐次あるいは多段に進む化学反応を効率良く進行させることができることを確認できた。
以上の結果から、実施例1もしくは実施例2の触媒構造体を含む反応器(改質器)、および/または、実施例3もしくは実施例4の触媒構造体を含む反応器(CO除去器)を用いることにより、燃料電池システムの逐次あるいは多段に進む化学反応を効率良く進行させることが可能であることが明らかになった。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
本発明の第1の実施の形態による触媒構造体を示す概念図。 本発明の第2の実施の形態による触媒構造体を示す概念図。 小型反応器を示す分解斜視図。 燃料電池システムを示す概念図。 実施例1の触媒構造体の濃度プロファイルを示す概念図。 実施例2の触媒構造体の(a)は濃度プロファイルを示す概念図、(b)は細孔径分布を示す概念図、(c)は温度分布を示す概念図。 実施例3の触媒構造体の濃度プロファイルを示す概念図。 実施例4の触媒構造体の濃度プロファイルを示す概念図。
符号の説明
1,21…触媒構造体、2,22…担体基材、3,23…無担持触媒層、4…担体、5…触媒粒子、6…担持触媒層、24…第1の触媒粒子、25…第1の担持触媒層、26…第2の触媒粒子、27…第2の担持触媒層、31…小型反応器、32…第1の流路構成部材、33…第2の流路構成部材、34…筐体、34a…嵌め込み部、35…蓋、36,38…板状部材、37,39…流路フィン、40…流路構造体、41…平行流路、42…供給口、43…排出口、100…燃料電池システム、101…燃料供給タンク、102…改質ユニット、103…燃料電池。

Claims (12)

  1. 無担持触媒層と、
    担体および前記担体に担持された触媒粒子を含み、かつ前記無担持触媒層に熱的に連続する担持触媒層と、を備え、
    前記担持触媒層の担体と前記無担持触媒層とが一体構造であることを特徴とする燃料電池システム用触媒構造体。
  2. 前記担持触媒層は、前記無担持触媒層よりも大きい平均細孔径を有することを特徴とする請求項1記載の触媒構造体。
  3. 前記触媒粒子は、前記担持触媒層の表層部から最深部に向かって担持量が減少していることを特徴とする請求項1または2記載の触媒構造体。
  4. 前記担持触媒層は、前記無担持触媒層に熱的に連続し、かつ第1の触媒粒子を含む第1の担持触媒層と、前記第1の担持触媒層に熱的に連続し、かつ第2の触媒粒子を含む第2の担持触媒層と、を備えることを特徴とする請求項1ないし3のうちのいずれか1項記載の触媒構造体。
  5. 前記第1の触媒粒子は吸熱反応を促進させるための触媒粒子であり、
    前記第2の触媒粒子は発熱反応を促進させるための触媒粒子であることを特徴とする請求項4記載の触媒構造体。
  6. 前記第1の触媒粒子は改質反応を促進させるための触媒粒子であり、
    前記第2の触媒粒子はシフト反応を促進させるための触媒粒子であることを特徴とする請求項4記載の触媒構造体。
  7. 前記第2の触媒粒子は白金、レニウムおよびセリウムのうち少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項5または6記載の触媒構造体。
  8. 前記第1の触媒粒子はシフト反応を促進させるための触媒粒子であり、
    前記第2の触媒粒子はメタネーション反応を促進させるための触媒粒子であることを特徴とする請求項4記載の触媒構造体。
  9. 前記無担持触媒層は固体酸触媒を含み、
    前記第1の触媒粒子は酸塩基性両性触媒を含み、
    前記第2の触媒粒子は貴金属触媒およびマンガン族触媒のうち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項4記載の触媒構造体。
  10. 前記固体酸触媒がアルミナを含み、
    前記酸塩基性両性触媒がセリウムを含み、
    前記マンガン族触媒がレニウムを含むことを特徴とする請求項9記載の触媒構造体。
  11. 前記無担持触媒層は陽極酸化アルミナまたはセラミクス成形体を有することを特徴とする請求項1ないし9のうちのいずれか1項記載の触媒構造体。
  12. 燃料を収容する燃料タンクと、
    前記燃料から水素ガスを含むガスを生成するための改質ユニットと、
    前記水素ガスを含むガスと酸素を用いて発電するための燃料電池と、を有し、
    前記改質ユニットは、無担持触媒層と、
    担体および前記担体に担持された触媒粒子を含み、かつ前記無担持触媒層に熱的に連続する担持触媒層と、を備え、
    前記担持触媒層の担体と前記無担持触媒層とが一体構造であることを特徴とする燃料電池システム。
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