JP2003338274A - 蓄電池用セパレータおよびそれを用いた鉛蓄電池 - Google Patents
蓄電池用セパレータおよびそれを用いた鉛蓄電池Info
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Abstract
るセパレータにおいて、セパレータ表面に形成したリブ
の基部に沿ったセパレータの切断と、これによる正極と
負極との短絡を抑制した蓄電池用セパレータと、これを
用いることにより信頼性の高い鉛蓄電池を得ること。 【解決手段】 合成樹脂シートからなる蓄電池用セパレ
ータ11であって、前記蓄電池用セパレータ11面に線
状のリブ14が形成され、前記蓄電池用セパレータ11
面と前記リブ14の側部14aとが連続する基部14b
を曲面とする。
Description
鉛蓄電池に用いるセパレータに関するものである。
ては、正極板もしくは負極板の一方を微孔性ポリエチレ
ン等の合成樹脂のシートを袋状に構成したセパレータに
収納した構成が広く採用されている。
素ガスが発生するとともに、正極活物質が二酸化鉛で構
成されているため、セパレータの正極に対向する面は酸
化雰囲気下にある。したがって、セパレータの正極側に
対向する面は負極側に対向する面に比較して酸化しやす
い。セパレータの厚みは電池の急放電特性を考慮して
0.5mm以下を採用することが多く、このような薄型
のセパレータは酸化することによって穴があきやすく、
その結果正極と負極が短絡するという問題がある。
示したようにセパレータ1の表面の正極板2に対向する
面にリブ3を線状に配置することが行われている。この
ような構成によって、セパレータ1と正極板2とはリブ
3の頂面3aで接触することとなり、正極板2とセパレ
ータ1の主体部分である厚みの薄いベース4とが接触し
ないので、ベース4の穴あきを抑制することができる。
化が求められている。電池を高出力化する手法の一つと
して、セパレータと極板の厚みを薄くして電気抵抗を低
減し、出力電圧を増加させることが挙げられる。セパレ
ータと極板の厚みを薄くすることによって、極板群の厚
みは薄くできる。ところが、セパレータを薄くすること
によって極板間の距離がある程度短くなると、放電反応
に必要な電解液が確保できなくなる。したがって、セパ
レータ1のベース4の厚み寸法(T)を0.30mm程
度以下にまで薄くし、リブ3の高さ寸法(D)を少なく
ともベース4の厚み以上に高くすることが検討されてき
ている。
した場合、極板自体の強度が低いために、電池が振動を
受けた場合に容易に変形して活物質が極板から脱落する
等の不具合がある。このような活物質の脱落は正極にお
いて、特に顕著に発生する。このような極板の変形と活
物質の脱落を抑制するために、極板群に群圧をかけるこ
とによって、特に正極板2の表面をリブ3で保持する必
要がある。
厚みのベース4をもつセパレータ1に比較的高い寸法で
リブ3を形成した場合、極板群圧によって、図5に示し
たようにリブ3が変形を受ける。この状態で長期間電池
を使用した場合に、リブ3の基部3bに沿って線状にク
ラック5が発生し、セパレータ1が切断されることによ
って、正極と負極とが短絡するという課題があった。特
に、正極と負極間の空間に電解液が潤沢に存在する液式
の鉛蓄電池の場合、セパレータ1と正極板2の間に充電
で発生した酸素ガス気泡が残留しやすく、セパレータ1
がリブ3に沿って切断するという現象が顕著に発生する
傾向にあった。
し、この袋状セパレータに収納する極板の極性が正極で
ある場合は、負極である場合に比較して酸素ガス気泡の
残留する度合いは大きく、セパレータの劣化が進行しや
すい傾向にあった。
に0.30mm以下の比較的薄いベースを有するセパレ
ータにおいて、セパレータの表面に形成したリブの基部
に沿ったクラックによるセパレータの切断と、これによ
る正極と負極との短絡を抑制した蓄電池用セパレータ
と、これを用いることにより信頼性の高い鉛蓄電池を得
るものである。
ために、本発明の請求項1記載に係る発明は、合成樹脂
シートからなる蓄電池用セパレータであって、前記セパ
レータの面に線状のリブが形成され、前記セパレータの
面と前記リブの側面とは連続した曲面で接続されている
ことを特徴とする蓄電池用セパレータを示すものであ
る。
項1記載の構成を備えた蓄電池用セパレータにおいて、
リブの高さ寸法をD、セパレータの厚み寸法をTとした
時に、比率(D/T)を1.0以上に構成した蓄電池用
セパレータを示すものである。
項1もしくは2の構成を備えた蓄電池用セパレータにお
いて、比率(D/T)を1.6以上で、かつ6.0以下
としたものである。
は、請求項1ないし3のいずれかに記載の蓄電池用セパ
レータを介して正極板と負極板とを積層した極板群を電
槽に収納した鉛蓄電池であって、前記電槽収納状態にお
いて、前記極板群は極板積層方向に圧縮され、前記リブ
と前記正極板が対向した構成を備えた鉛蓄電池を示すも
のである。
は、請求項4に記載の構成を備えた鉛蓄電池において、
セパレータが袋状に構成され、この袋状セパレータに正
極板が収納された鉛蓄電池を示すものである。
は、請求項4もしくは請求項5に記載の構成を備えた鉛
蓄電池において、セパレータと正極板との間に電解液が
満たされた構成の鉛蓄電池を示すものである。
した構成を実施の形態とすることにより達成することが
できるのであるが、以下には本発明の実施の形態につい
て図面を用いて具体的かつ詳細に説明する。
に、本発明の実施の形態による蓄電池用セパレータ11
は径が0.1〜10.0μm程度の微孔を有する合成樹
脂シートで構成されたベース12を有している。用いる
合成樹脂としてはポリエチレン、特に分子量が100万
程度の高分子ポリエチレンを主体とし、必要に応じてシ
リカ等の無機粉体を添加する。
する片面にはリブ14を形成する。リブ14の形成パタ
ーンとしては種々のものを採用することができるが、一
般的には図1に示したように線状のリブ14の複数本を
極板上下方向に沿って互いに平行配置する。
基部14bの断面を例えばR形状とすることによって、
側部14aとベース12とを連続する曲面で接続する。
例えばこの部分の曲率Rを0.5mm〜0.1mm程度
に構成すれば良い。このような構成により、図2に示し
たように正極板13に押しつけられたリブ14が倒れこ
むような変形をしても、リブ14の基部14bを基点と
するクラックの発生を抑制することができる。
ス12の厚み寸法(T)がリブ14の高さ寸法(D)以
下、すなわち、比率(D/T)を1.0以上、特に好ま
しくは1.6以上で、かつ6.0以下である場合に適用
する。従来構成のセパレータにおいては、ベース4の厚
み寸法(T)がリブ3の高さ寸法(D)に比較して薄い
場合に基部3bでのクラック5が顕著に発生するからで
ある。したがって、比率(D/T)を1.0以上、特に
好ましくは1.6以上で、かつ6.0以下の構成のセパ
レータに本発明を適用することにより、本発明の効果を
より顕著に得ることができる。なお、D寸法はセパレー
タに群圧がかかっていない状態での値である。
蓄電池用セパレータ11をリブ14を内側にして折り曲
げ、両側部をメカニカルシール等により貼り合わせて袋
状セパレータ15を構成する。この袋状セパレータ15
に正極板13を収納し、負極板16を重ね合わせ、同極
性の耳部同士を集合溶接してストラップを形成するとと
もに、このストラップに端子極柱もしくは接続体を形成
した極板群(図示せず)を構成する。この極板群を極板
積層方向に加圧した状態で電槽(図示せず)に収納す
る。以降は常法にしたがって、鉛蓄電池を組み立て、化
成充電することにより本発明の鉛蓄電池を得ることがで
きる。
断面を図3に示す。袋状セパレータ15に収納された正
極板13はリブ14によって加圧状態に保持されてい
る。リブ14はこの加圧力によって倒れこむような変形
を受けるが、リブ14の基部14bとベース12とが連
続する曲面で接続しているので基部14bへの応力の集
中を抑制し、この基部14bでのクラックの発生を抑制
することができる。
板を袋状セパレータに収納した構成で用いる必要はない
が、このような極板群構成において、酸素ガス気泡がセ
パレータ内部に滞留しやすく、従来の鉛蓄電池では応力
の集中したリブの基部とこの滞留した酸素ガスとが接触
することによって、クラックが顕著に発生していたこと
から、正極板を袋状セパレータに収納した構成に本発明
を適用することが好ましい。
が電解液に浸漬された液式の鉛蓄電池ではセパレータが
常に電解液中の硫酸と接触した状態であり、さらにセパ
レータ内部に滞留した酸素ガスが存在するためにセパレ
ータに応力集中した部分があるとその部分から酸化劣化
が発生する。したがって、本発明は極板群が電解液に浸
漬した鉛蓄電池に適用することが好ましい。
作製し、これらのセパレータを用いて鉛蓄電池を作製し
た。
状を有し、ベース4の厚み(T)を0.3mmとし、リ
ブ3の高さ(D)を種々に設定した。リブ3の断面形状
は下底0.4mm、上底0.2mmの台形形状を有して
いる。
たリブ形状を有し、リブ14の基部14bは曲面で構成
する。リブ14の断面寸法は上底0.2mm、下底0.
4mmの台形の基部14bを曲率0.2mmの曲面で構
成されることによってベース12とリブ14の側部14
aとが連続した曲面で接続された構成を有している。こ
の本発明例の蓄電池用セパレータ11のベース12の厚
み(T)は0.30mmで構成し、リブ14の高さ寸法
(D)を種々に変化させることにより比率(D/T)を
変化させた。
ータをそれぞれ袋状セパレータとし、極板を収納した。
なお、袋状セパレータの外側にリブを配置する場合に
は、収納する極板を負極板とし、袋状セパレータの内側
に配置する場合には、収納する極板を正極板として、常
に正極板にリブが対向するようにした。
他の極性の極板のそれぞれ5枚を重ね合わせ、同極性の
極板耳を集合溶接して極板群を構成し、さらにこの極板
群を電槽内で直列に接続することによって、55D23
形の自動車用鉛蓄電池を作製した。
納されているが、この状態でリブの高さが無加圧状態で
の高さ(D)の75%となるように、電槽内寸を変化さ
せた。
下でJIS D5301に定める軽負荷寿命試験を行っ
た。JIS D5301に定める軽負荷寿命試験条件は
以下の通りである。
引き続き14.8V(最大電流25A)で10分間充電
するサイクルを1サイクルとする。このサイクルを48
0回繰り返す毎に蓄電池を56時間、25℃雰囲気中に
放置し、その放置後に356Aで30秒間連続放電を行
い、放電30秒目の電圧を測定する。電圧測定後、上記
を同じ条件で充電する。これらの操作を繰り返して行
い、放電30秒目の放電電圧が7.2Vに低下するまで
のサイクル数を寿命サイクル数とした。なお、試験中に
電解液中の水分が減少するので、適宜精製水を補給し
た。
従来例の蓄電池に比較して優れた寿命特性を有している
ことがわかる。これらの蓄電池について寿命試験終了後
に分解調査を行ったところ、従来例の蓄電池については
セパレータのリブの基部に穴あきが発生し、短絡した痕
跡が認められた。一方、本発明例の蓄電池においてはセ
パレータの酸化劣化が進行しているものの、劣化要因は
主として活物質自体に起因するものであった。
袋状セパレータに収納し、リブの高さDとベースの厚み
Tの比率(D/T)を1.0以上、好ましくは1.6以
上で、かつ6.0以下に設定することで本発明の効果を
より顕著に得ることができる。比率(D/T)の値が上
記の数値以外であっても本発明の効果を得ることができ
るが、従来例の蓄電池からの寿命サイクル数の伸長効果
は300〜200サイクル程度であり、好ましい本発明
例に比較すればその効果は低下する。
るいは6.0を超える場合には、リブの圧縮変形によっ
てベースに及ぼされる応力が低下していると推測され
る。また、正極板を袋状セパレータに収納する従来例の
蓄電池において、寿命低下が最も著しい。これは正極板
から充電時に発生する酸素ガスが袋状セパレータ内に滞
留し、セパレータの酸化劣化を促進していると推測でき
るので、本発明はこのような正極板を袋状セパレータに
収納した電池に適用することが好ましいことがわかる。
0.30mm以下の比較的薄いベースを有するセパレー
タにおいて、セパレータの表面に形成したリブの基部に
沿ったセパレータの切断と、これによる正極と負極との
短絡を抑制した蓄電池用セパレータと、これを用いるこ
とにより信頼性の高い鉛蓄電池を提供できることから、
工業上極めて有用である。
レータを示す正面図 (b)(a)における円部分のB−B’線拡大断面図
部拡大断面図
面図 (b)(a)の時間経過をした状態の要部拡大断面図
Claims (6)
- 【請求項1】 合成樹脂シートからなる蓄電池用セパレ
ータであって、前記セパレータの面に線状のリブが形成
され、前記セパレータの面と前記リブの側面とは連続し
た曲面で接続されていることを特徴とする蓄電池用セパ
レータ。 - 【請求項2】 前記リブの高さ寸法をD、前記セパレー
タの厚み寸法をTとした時に、比率(D/T)を1.0
以上に構成したことを特徴とする請求項1に記載の蓄電
池用セパレータ。 - 【請求項3】 前記比率(D/T)を1.6以上で、か
つ6.0以下に構成したことを特徴とする請求項2に記
載の蓄電池用セパレータ。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の蓄
電池用セパレータを介して正極板と負極板とを積層した
極板群を電槽に収納した鉛蓄電池であって、前記電槽収
納状態において、前記極板群は極板積層方向に圧縮さ
れ、前記リブと前記正極板が対向したことを特徴とする
鉛蓄電池。 - 【請求項5】 前記セパレータが袋状に構成され、この
袋状セパレータに正極板が収納されたことを特徴とする
請求項4に記載の鉛蓄電池。 - 【請求項6】 前記セパレータと前記正極板との間に電
解液が満たされた請求項4もしくは5に記載の鉛蓄電
池。
Priority Applications (1)
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JP2002145830A JP4590814B2 (ja) | 2002-05-21 | 2002-05-21 | 鉛蓄電池 |
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JP4590814B2 JP4590814B2 (ja) | 2010-12-01 |
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