JP2003338133A - 信号処理装置および方法 - Google Patents
信号処理装置および方法Info
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- JP2003338133A JP2003338133A JP2002146068A JP2002146068A JP2003338133A JP 2003338133 A JP2003338133 A JP 2003338133A JP 2002146068 A JP2002146068 A JP 2002146068A JP 2002146068 A JP2002146068 A JP 2002146068A JP 2003338133 A JP2003338133 A JP 2003338133A
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- Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)
- Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 AGCの動作が安定しており、良質なデータ伝
送特性を得ることができる装置を実現することが可能と
なる。 【解決手段】 ステップS1で、アナログデータ信号の
プリアンブル・パターンの領域を判定し、プリアンブル
・パターンの領域である場合、ステップS2において、
等化フィルタの動作を停止させた状態で、速やかに振幅
誤差が収束するように、第2AGC部のゲインを相対的に
増加させる。ステップS3で、ランダム・データ信号の
領域であるか判定し、ランダム・データ信号の領域であ
る場合、ステップS4で、第2AGC部のループゲインを
零値(または零に近い小さな値)に変更した後、適応等
化フィルタの動作を開始させる。本発明は、ディジタル
磁気記録再生装置に適用することができる。
送特性を得ることができる装置を実現することが可能と
なる。 【解決手段】 ステップS1で、アナログデータ信号の
プリアンブル・パターンの領域を判定し、プリアンブル
・パターンの領域である場合、ステップS2において、
等化フィルタの動作を停止させた状態で、速やかに振幅
誤差が収束するように、第2AGC部のゲインを相対的に
増加させる。ステップS3で、ランダム・データ信号の
領域であるか判定し、ランダム・データ信号の領域であ
る場合、ステップS4で、第2AGC部のループゲインを
零値(または零に近い小さな値)に変更した後、適応等
化フィルタの動作を開始させる。本発明は、ディジタル
磁気記録再生装置に適用することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、信号処理装置およ
び方法に関し、例えば、記録、再生、伝送などの処理を
施すディジタル信号の位相同期をとる場合に用いて好適
な信号処理装置および方法に関する。
び方法に関し、例えば、記録、再生、伝送などの処理を
施すディジタル信号の位相同期をとる場合に用いて好適
な信号処理装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル信号を記録したり、再生した
り、伝送したりする場合におけるディジタル信号の位相
同期をとる方法として、PLL(Phase Locked Loop)を用い
る方法が知られている。
り、伝送したりする場合におけるディジタル信号の位相
同期をとる方法として、PLL(Phase Locked Loop)を用い
る方法が知られている。
【0003】一般に、ディジタル回路は、アナログ回路
に較べて温度や環境などに依存せず、安定して動作する
こと、数値演算などの信号処理を行う場合、アナログ回
路では結果に個体差によるばらつきが生じる可能性があ
るのに対し、結果に個体差が生じないこと、近年、ディ
ジタル回路の生産プロセスが向上していることなどに起
因して、従来においてアナログ回路によって実現されて
いる装置や機能ブロックをディジタル回路だけで実現す
るようにする傾向がある。
に較べて温度や環境などに依存せず、安定して動作する
こと、数値演算などの信号処理を行う場合、アナログ回
路では結果に個体差によるばらつきが生じる可能性があ
るのに対し、結果に個体差が生じないこと、近年、ディ
ジタル回路の生産プロセスが向上していることなどに起
因して、従来においてアナログ回路によって実現されて
いる装置や機能ブロックをディジタル回路だけで実現す
るようにする傾向がある。
【0004】特に、例えば、磁気ディスク、磁気テー
プ、光ディスク、光磁気ディスクなどの情報記録媒体に
ディジタルデータを記録し、また再生するディジタル記
録再生装置のように、アナログ回路とディジタル回路が
混載されることが多い装置においては、上述したディジ
タル回路の利点に加えて、省電力化、省スペース化など
を目的として、アナログ回路をディジタル回路によって
置換することが推進されている。
プ、光ディスク、光磁気ディスクなどの情報記録媒体に
ディジタルデータを記録し、また再生するディジタル記
録再生装置のように、アナログ回路とディジタル回路が
混載されることが多い装置においては、上述したディジ
タル回路の利点に加えて、省電力化、省スペース化など
を目的として、アナログ回路をディジタル回路によって
置換することが推進されている。
【0005】上述したPLLも例外ではなく、そのディジ
タル化に関するさまざまな手法が考案されている。
タル化に関するさまざまな手法が考案されている。
【0006】例えば、文献「"Interpolation in Digita
l Modems - Part I: Fundamentals", Floyd M. Gardne
r, IEEE Transactions on Communications, Vol.41、pp
501-507、March 1993」には、ディジタル通信の分野に
用いるPLLをディジタル化する一手法として、サンプリ
ングしたデータ間を、ディジタルフィルタなどを用いて
補間することにより、所望のサンプリング点を得る方
法、すなわち補間による位相同期(以下、ITR(Interpol
ated Timing Recovery)と記述する)方式を用いた方法
が提案されている。
l Modems - Part I: Fundamentals", Floyd M. Gardne
r, IEEE Transactions on Communications, Vol.41、pp
501-507、March 1993」には、ディジタル通信の分野に
用いるPLLをディジタル化する一手法として、サンプリ
ングしたデータ間を、ディジタルフィルタなどを用いて
補間することにより、所望のサンプリング点を得る方
法、すなわち補間による位相同期(以下、ITR(Interpol
ated Timing Recovery)と記述する)方式を用いた方法
が提案されている。
【0007】また、文献「"A MMSE Interpolated Timin
g Recovery Scheme for The Magnetic Recording Chann
el,"Zi-Ning Wu, John M.Cioffi, et al. ,Communicati
ons,1997. ICC '97 Montreal, Towards the Knowledge
Millennium. 1997 IEEE International Conference on,
Volume: 3, 1997 pp1625 -1629 vol.3、」、および文
献「"Interpolated Timing Recovery for Hard Disk Dr
ive ReA/D Channels" Mark Spurbeck, Richard T. B
ehrens ,Communications, 1997. ICC '97 Montreal, To
wards the Knowledge Millennium. 1997 IEEE Internat
ional Conference on, Volume: 3, 1997 pp1618 -1624
vol.3」には、ITR方式を用いたディジタルPLLを磁気記
録用データ再生の分野に応用することが記載されてい
る。
g Recovery Scheme for The Magnetic Recording Chann
el,"Zi-Ning Wu, John M.Cioffi, et al. ,Communicati
ons,1997. ICC '97 Montreal, Towards the Knowledge
Millennium. 1997 IEEE International Conference on,
Volume: 3, 1997 pp1625 -1629 vol.3、」、および文
献「"Interpolated Timing Recovery for Hard Disk Dr
ive ReA/D Channels" Mark Spurbeck, Richard T. B
ehrens ,Communications, 1997. ICC '97 Montreal, To
wards the Knowledge Millennium. 1997 IEEE Internat
ional Conference on, Volume: 3, 1997 pp1618 -1624
vol.3」には、ITR方式を用いたディジタルPLLを磁気記
録用データ再生の分野に応用することが記載されてい
る。
【0008】ITR方式を用いたディジタルPLLにおけるサ
ンプリングデータの補間は、様々な方法が存在する。FI
Rフィルタによって位相を補間する場合、そのタップ係
数として、Sinc関数、ディジタル信号処理で用いられる
各種の窓関数を乗じたSinc関数、所定の周波数特性を有
するフィルタを逆フーリエ変換することによって得られ
るFIRフィルタ・タップ係数等を用いる他、サンプリン
グした2点または複数点間を多項式で近似して補間する
方法などが一般的に用いられる。
ンプリングデータの補間は、様々な方法が存在する。FI
Rフィルタによって位相を補間する場合、そのタップ係
数として、Sinc関数、ディジタル信号処理で用いられる
各種の窓関数を乗じたSinc関数、所定の周波数特性を有
するフィルタを逆フーリエ変換することによって得られ
るFIRフィルタ・タップ係数等を用いる他、サンプリン
グした2点または複数点間を多項式で近似して補間する
方法などが一般的に用いられる。
【0009】ここで、従来のアナログ回路によって実現
されているPLLを含む信号処理装置(以下、アナログPLL
搭載信号処理装置と記述する)について、図1を参照し
て説明する。このアナログPLL搭載信号処理装置は、入
力される信号の振幅を、信号の検出点レベルと対応させ
る自動信号振幅調整機能を有するものである。
されているPLLを含む信号処理装置(以下、アナログPLL
搭載信号処理装置と記述する)について、図1を参照し
て説明する。このアナログPLL搭載信号処理装置は、入
力される信号の振幅を、信号の検出点レベルと対応させ
る自動信号振幅調整機能を有するものである。
【0010】このアナログPLL搭載信号処理装置におい
て、入力されるアナログデータ信号は、帰還される振幅
誤差電圧に従って利得を変化させる可変利得増幅部(以
下、VGA(Variable gain amplifier)と記述する)1によ
って所定の振幅に増幅され、アナログ等化フィルタ(ま
たはアナログアンチエイリアシングフィルタ)2によっ
て等化された後、A/Dコンバータ3により、電圧制御
発振部(以下、VCO(Voltage controlled oscillator)と
記述する)7が発振するサンプリング動作クロックに同
期してサンプリングされ、ディジタルデータ信号に変換
される。ディジタルデータ信号は、位相誤差計算部4、
振幅誤差計算部9、およびディジタル適応等化フィルタ
12に出力される。
て、入力されるアナログデータ信号は、帰還される振幅
誤差電圧に従って利得を変化させる可変利得増幅部(以
下、VGA(Variable gain amplifier)と記述する)1によ
って所定の振幅に増幅され、アナログ等化フィルタ(ま
たはアナログアンチエイリアシングフィルタ)2によっ
て等化された後、A/Dコンバータ3により、電圧制御
発振部(以下、VCO(Voltage controlled oscillator)と
記述する)7が発振するサンプリング動作クロックに同
期してサンプリングされ、ディジタルデータ信号に変換
される。ディジタルデータ信号は、位相誤差計算部4、
振幅誤差計算部9、およびディジタル適応等化フィルタ
12に出力される。
【0011】位相誤差計算部4では、ディジタルデータ
信号の位相誤差が計算され、計算された位相誤差は、ル
ープフィルタ5によって高域成分が除去された後、予め
設定されている係数が乗算され、D/Aコンバータ6に
よって位相誤差電圧に変換されてVCO7に帰還される。V
CO7では、周波数シンセサイザ8によって基準クロック
に基づいて生成されたチャンネル周波数fchに基づいて
発振するディジタル部動作クロックが、発振基準電圧と
帰還された位相誤差電圧との和に従って調整される。こ
れにより、A/Dコンバータ3以降の動作タイミングが
調整される。以下、位相誤差計算部4以降をPLL帰還ル
ープとも記述する。
信号の位相誤差が計算され、計算された位相誤差は、ル
ープフィルタ5によって高域成分が除去された後、予め
設定されている係数が乗算され、D/Aコンバータ6に
よって位相誤差電圧に変換されてVCO7に帰還される。V
CO7では、周波数シンセサイザ8によって基準クロック
に基づいて生成されたチャンネル周波数fchに基づいて
発振するディジタル部動作クロックが、発振基準電圧と
帰還された位相誤差電圧との和に従って調整される。こ
れにより、A/Dコンバータ3以降の動作タイミングが
調整される。以下、位相誤差計算部4以降をPLL帰還ル
ープとも記述する。
【0012】振幅誤差計算部9では、ディジタルデータ
信号のレベルと予め設定されている理想的な検出点レベ
ルとの振幅誤差が算出される。算出された振幅誤差は、
D/Aコンバータ10によって振幅誤差電圧に変換さ
れ、アナログ積分フィルタ11により積分された後にVG
A1に帰還される。これにより、VGA1の利得が変化され
る。以下、振幅誤差計算部9以降をAGC帰還ループとも
記述する。
信号のレベルと予め設定されている理想的な検出点レベ
ルとの振幅誤差が算出される。算出された振幅誤差は、
D/Aコンバータ10によって振幅誤差電圧に変換さ
れ、アナログ積分フィルタ11により積分された後にVG
A1に帰還される。これにより、VGA1の利得が変化され
る。以下、振幅誤差計算部9以降をAGC帰還ループとも
記述する。
【0013】ディジタル適応等化フィルタ12では、PL
L帰還ループによって位相同期され、AGC帰還ループによ
って振幅が理想的な値に制御されたディジタルデータ信
号が、等化される。適応等化タップ係数生成部13で
は、帰還されるディジタル等化後信号に基づき、ディジ
タル適応等化フィルタ12に供給するタップ係数が更新
される。
L帰還ループによって位相同期され、AGC帰還ループによ
って振幅が理想的な値に制御されたディジタルデータ信
号が、等化される。適応等化タップ係数生成部13で
は、帰還されるディジタル等化後信号に基づき、ディジ
タル適応等化フィルタ12に供給するタップ係数が更新
される。
【0014】次に、従来のITR方式のPLLを含む信号処理
装置(以下、ディジタルPLL搭載信号処理装置と記述す
る)について、図2を参照して説明する。このディジタ
ルPLL搭載信号処理装置も、上述したアナログPLL搭載信
号処理装置と同様に、入力される信号の振幅を、信号の
検出点レベルと対応させる自動信号振幅調整機能を有す
るものである。
装置(以下、ディジタルPLL搭載信号処理装置と記述す
る)について、図2を参照して説明する。このディジタ
ルPLL搭載信号処理装置も、上述したアナログPLL搭載信
号処理装置と同様に、入力される信号の振幅を、信号の
検出点レベルと対応させる自動信号振幅調整機能を有す
るものである。
【0015】このディジタルPLL搭載信号処理装置にお
いて、入力されるアナログデータ信号(例えば、当該PL
L搭載信号処理装置が磁気記録再生装置である場合に
は、ヘッド再生信号)は、帰還される振幅誤差電圧に従
って利得を変化させるVGA21によって所定の振幅に増
幅され、アナログ等化フィルタ(またはアナログアンチ
エイリアシングフィルタ)22によって等化された後、
A/Dコンバータ23によって、周波数シンセサイザ3
1が発振するITRサンプリング周波数fsに同期してサ
ンプリングされて、ディジタルデータ信号に変換され
る。ディジタルデータ信号は、32タップ・ディジタル
適応化フィルタ24によって、適応等化タップ係数29
から供給されるタップ係数に基づいて所定の等化方式で
等化され、8タップ・位相補間フィルタ25によって、
ITR30から供給されるタップ係数に基づいて位相補間
がなされて後段に出力される。
いて、入力されるアナログデータ信号(例えば、当該PL
L搭載信号処理装置が磁気記録再生装置である場合に
は、ヘッド再生信号)は、帰還される振幅誤差電圧に従
って利得を変化させるVGA21によって所定の振幅に増
幅され、アナログ等化フィルタ(またはアナログアンチ
エイリアシングフィルタ)22によって等化された後、
A/Dコンバータ23によって、周波数シンセサイザ3
1が発振するITRサンプリング周波数fsに同期してサ
ンプリングされて、ディジタルデータ信号に変換され
る。ディジタルデータ信号は、32タップ・ディジタル
適応化フィルタ24によって、適応等化タップ係数29
から供給されるタップ係数に基づいて所定の等化方式で
等化され、8タップ・位相補間フィルタ25によって、
ITR30から供給されるタップ係数に基づいて位相補間
がなされて後段に出力される。
【0016】振幅誤差計算部26では、8タップ・位相
補間フィルタ25から帰還されたディジタル等化後信号
のレベルと予め設定されている理想的な検出点レベルと
の振幅誤差が算出される。算出された振幅誤差は、D/
Aコンバータ27によって振幅誤差電圧に変換され、ア
ナログ積分フィルタ28により積分されてVGA21に供
給される。これにより、VGA21の利得が変化される。
以下、振幅誤差計算部26以降をAGC帰還ループとも記
述する。
補間フィルタ25から帰還されたディジタル等化後信号
のレベルと予め設定されている理想的な検出点レベルと
の振幅誤差が算出される。算出された振幅誤差は、D/
Aコンバータ27によって振幅誤差電圧に変換され、ア
ナログ積分フィルタ28により積分されてVGA21に供
給される。これにより、VGA21の利得が変化される。
以下、振幅誤差計算部26以降をAGC帰還ループとも記
述する。
【0017】適応等化タップ係数生成部29では、8タ
ップ・位相補間フィルタ25から帰還されたディジタル
等化後信号に基づき、32タップ・ディジタル適応化フ
ィルタ24が用いるタップ係数が決定される。
ップ・位相補間フィルタ25から帰還されたディジタル
等化後信号に基づき、32タップ・ディジタル適応化フ
ィルタ24が用いるタップ係数が決定される。
【0018】ITR30では、8タップ・位相補間フィル
タ25から帰還されたディジタル等化後信号に基づき、
8タップ・位相補間フィルタ25が用いるタップ係数が
更新される。以下、ITR30以降をPLL帰還ループとも記
述する。
タ25から帰還されたディジタル等化後信号に基づき、
8タップ・位相補間フィルタ25が用いるタップ係数が
更新される。以下、ITR30以降をPLL帰還ループとも記
述する。
【0019】周波数シンセサイザ31では、基準クロッ
クに基づき、書き込み動作用のチャンネル周波数fchが
発振され、さらに、チャンネル周波数fchよりも若干高
い周波数の読み出し動作用のITRサンプリング周波数f
sが発振される。
クに基づき、書き込み動作用のチャンネル周波数fchが
発振され、さらに、チャンネル周波数fchよりも若干高
い周波数の読み出し動作用のITRサンプリング周波数f
sが発振される。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図2に示し
たようなディジタルPLL搭載信号処理装置においては、
ディジタル適応等化フィルタ24に対する帰還ループ
と、AGC帰還ループは、どちらも信号振幅レベルを変動
させる効果を持っており、同時に動作させた場合には相
互に影響し合って不安定な動作が発生し得るので、これ
らの設計には注意が必要である。
たようなディジタルPLL搭載信号処理装置においては、
ディジタル適応等化フィルタ24に対する帰還ループ
と、AGC帰還ループは、どちらも信号振幅レベルを変動
させる効果を持っており、同時に動作させた場合には相
互に影響し合って不安定な動作が発生し得るので、これ
らの設計には注意が必要である。
【0021】このような不具合を回避するためには、両
者が同時に動作しないように制御するか、または両者の
ループゲインを適正に配分し、不安定な動作を抑制する
ことなどが挙げられる。
者が同時に動作しないように制御するか、または両者の
ループゲインを適正に配分し、不安定な動作を抑制する
ことなどが挙げられる。
【0022】しかしながら、ディジタル適応等化フィル
タ24の帰還ループを動作させている間にAGC帰還ルー
プを停止させる場合、入力信号の振幅レベルに大きな変
動が生じてしまうと、ディジタル適応等化フィルタ24
の動作の速度では速やかに振幅を補正することができな
い。したがって、これらの対策には、その調整範囲が制
限されており、不安定動作を回避した結果、AGC特性が
劣化する可能性を避けることができなくなるという課題
があった。
タ24の帰還ループを動作させている間にAGC帰還ルー
プを停止させる場合、入力信号の振幅レベルに大きな変
動が生じてしまうと、ディジタル適応等化フィルタ24
の動作の速度では速やかに振幅を補正することができな
い。したがって、これらの対策には、その調整範囲が制
限されており、不安定動作を回避した結果、AGC特性が
劣化する可能性を避けることができなくなるという課題
があった。
【0023】また、図2に示したAGCループには、ディ
ジタル適応等化フィルタ24および位相補間フィルタ2
5の2つのFIRフィルタを経由した後、振幅誤差計算部
26において振幅誤差を計算しているので、VGA21に
帰還させる位相誤差電圧にループディレイが生じてい
た。このループディレイに起因して、AGC帰還ループの
即応性が劣化し、AGC帰還ループの動作が不安定になっ
てしまう課題があった。
ジタル適応等化フィルタ24および位相補間フィルタ2
5の2つのFIRフィルタを経由した後、振幅誤差計算部
26において振幅誤差を計算しているので、VGA21に
帰還させる位相誤差電圧にループディレイが生じてい
た。このループディレイに起因して、AGC帰還ループの
即応性が劣化し、AGC帰還ループの動作が不安定になっ
てしまう課題があった。
【0024】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、AGC帰還ループの動作が安定しており、良
質なデータ伝送特性を得ることができる装置を実現する
ことを目的とする。
ものであり、AGC帰還ループの動作が安定しており、良
質なデータ伝送特性を得ることができる装置を実現する
ことを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明の信号処理装置
は、入力されたアナログデータ信号の振幅レベルを所定
の値に維持するアナログ信号振幅調整手段と、アナログ
信号振幅調整手段によって振幅レベルが調整されたアナ
ログデータ信号をディジタルデータ信号に変換するA/
D変換手段と、ディジタルデータ信号を適応的に等化す
る等化手段と、等化手段によって等化されているディジ
タルデータ信号の振幅レベルを、予め想定されている振
幅レベルに調整するディジタル信号振幅調整手段と、デ
ィジタル信号振幅調整手段によって振幅レベルが調整さ
れたディジタルデータ信号を位相補間する位相補間手段
とを含み、アナログ信号振幅調整手段には、A/D変換
手段に入力される前のアナログ信号が帰還され、等化手
段およびディジタル信号振幅調整手段には、位相補間手
段によって位相補間された、等化されているディジタル
データ信号が帰還されることを特徴とする。
は、入力されたアナログデータ信号の振幅レベルを所定
の値に維持するアナログ信号振幅調整手段と、アナログ
信号振幅調整手段によって振幅レベルが調整されたアナ
ログデータ信号をディジタルデータ信号に変換するA/
D変換手段と、ディジタルデータ信号を適応的に等化す
る等化手段と、等化手段によって等化されているディジ
タルデータ信号の振幅レベルを、予め想定されている振
幅レベルに調整するディジタル信号振幅調整手段と、デ
ィジタル信号振幅調整手段によって振幅レベルが調整さ
れたディジタルデータ信号を位相補間する位相補間手段
とを含み、アナログ信号振幅調整手段には、A/D変換
手段に入力される前のアナログ信号が帰還され、等化手
段およびディジタル信号振幅調整手段には、位相補間手
段によって位相補間された、等化されているディジタル
データ信号が帰還されることを特徴とする。
【0026】入力されるアナログデータ信号にプリアン
ブル・パターンが設けられている場合、プリアンブル・
パターンの領域において、前記等化手段は、動作を停止
し、前記ディジタル信号振幅調整手段は、ループゲイン
を増加させ、プリアンブル・パターンの領域に続くラン
ダム・データ信号の領域において、前記等化手段は、動
作を再開し、ディジタル信号振幅調整手段は、ループゲ
インを零または零に近い値に減少させるようにすること
ができる。
ブル・パターンが設けられている場合、プリアンブル・
パターンの領域において、前記等化手段は、動作を停止
し、前記ディジタル信号振幅調整手段は、ループゲイン
を増加させ、プリアンブル・パターンの領域に続くラン
ダム・データ信号の領域において、前記等化手段は、動
作を再開し、ディジタル信号振幅調整手段は、ループゲ
インを零または零に近い値に減少させるようにすること
ができる。
【0027】入力されるアナログデータ信号にプリアン
ブル・パターンが設けられていない場合、初期の所定数
のサンプリング点において、前記等化手段は、動作を停
止し、前記ディジタル信号振幅調整手段は、ループゲイ
ンを増加させ、初期の所定数のサンプリング点を経過し
た後、前記等化手段は、動作を再開し、前記ディジタル
信号振幅調整手段は、ループゲインを零または零に近い
値に減少させるようにすることができる。
ブル・パターンが設けられていない場合、初期の所定数
のサンプリング点において、前記等化手段は、動作を停
止し、前記ディジタル信号振幅調整手段は、ループゲイ
ンを増加させ、初期の所定数のサンプリング点を経過し
た後、前記等化手段は、動作を再開し、前記ディジタル
信号振幅調整手段は、ループゲインを零または零に近い
値に減少させるようにすることができる。
【0028】前記ディジタル信号振幅調整手段は、等化
手段によって等化されているディジタルデータ信号の振
幅レベルと、予め想定されている振幅レベルとの誤差を
計算する誤差計算手段を含みようにすることができ、前
記誤差計算手段は、Sin2型振幅誤差計算手段および検出
点振幅誤差計算手段の少なくとも一方を含むようにする
ことができる。
手段によって等化されているディジタルデータ信号の振
幅レベルと、予め想定されている振幅レベルとの誤差を
計算する誤差計算手段を含みようにすることができ、前
記誤差計算手段は、Sin2型振幅誤差計算手段および検出
点振幅誤差計算手段の少なくとも一方を含むようにする
ことができる。
【0029】本発明の信号処理方法は、入力されたアナ
ログデータ信号の振幅レベルを所定の値に維持するアナ
ログ信号振幅調整ステップと、アナログ信号振幅調整ス
テップの処理で振幅レベルが調整されたアナログデータ
信号をディジタルデータ信号に変換するA/D変換ステ
ップと、ディジタルデータ信号を適応的に等化する等化
ステップと、等化ステップの処理で等化されているディ
ジタルデータ信号の振幅レベルを、予め想定されている
振幅レベルに調整するディジタル信号振幅調整ステップ
と、ディジタル信号振幅調整ステップの処理で振幅レベ
ルが調整されたディジタルデータ信号を位相補間する位
相補間ステップとを含み、アナログ信号振幅調整ステッ
プの処理には、A/D変換ステップの処理に入力される
前のアナログ信号が帰還され、等化ステップの処理およ
びディジタル信号振幅調整ステップの処理には、位相補
間ステップの処理で位相補間された、等化されているデ
ィジタルデータ信号が帰還されることを特徴とする。
ログデータ信号の振幅レベルを所定の値に維持するアナ
ログ信号振幅調整ステップと、アナログ信号振幅調整ス
テップの処理で振幅レベルが調整されたアナログデータ
信号をディジタルデータ信号に変換するA/D変換ステ
ップと、ディジタルデータ信号を適応的に等化する等化
ステップと、等化ステップの処理で等化されているディ
ジタルデータ信号の振幅レベルを、予め想定されている
振幅レベルに調整するディジタル信号振幅調整ステップ
と、ディジタル信号振幅調整ステップの処理で振幅レベ
ルが調整されたディジタルデータ信号を位相補間する位
相補間ステップとを含み、アナログ信号振幅調整ステッ
プの処理には、A/D変換ステップの処理に入力される
前のアナログ信号が帰還され、等化ステップの処理およ
びディジタル信号振幅調整ステップの処理には、位相補
間ステップの処理で位相補間された、等化されているデ
ィジタルデータ信号が帰還されることを特徴とする。
【0030】本発明の信号処理装置および方法において
は、入力されたアナログデータ信号の振幅レベルが所定
の値に維持され、振幅レベルが調整されたアナログデー
タ信号がディジタルデータ信号に変換され、適応的に等
化される。また、等化されているディジタルデータ信号
の振幅レベルが、予め想定されている振幅レベルに調整
され、振幅レベルが調整されたディジタルデータ信号が
位相補間される。なお、アナログ信号振幅調整の処理に
は、A/D変換の処理に入力される前のアナログ信号が
帰還され、等化の処理およびディジタル信号振幅調整の
処理には、位相補間の処理で位相補間された、等化され
ているディジタルデータ信号が帰還される。
は、入力されたアナログデータ信号の振幅レベルが所定
の値に維持され、振幅レベルが調整されたアナログデー
タ信号がディジタルデータ信号に変換され、適応的に等
化される。また、等化されているディジタルデータ信号
の振幅レベルが、予め想定されている振幅レベルに調整
され、振幅レベルが調整されたディジタルデータ信号が
位相補間される。なお、アナログ信号振幅調整の処理に
は、A/D変換の処理に入力される前のアナログ信号が
帰還され、等化の処理およびディジタル信号振幅調整の
処理には、位相補間の処理で位相補間された、等化され
ているディジタルデータ信号が帰還される。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態であるディ
ジタル磁気記録再生装置について、図3を参照して説明
する。
ジタル磁気記録再生装置について、図3を参照して説明
する。
【0032】当該ディジタル磁気記録再生装置は、書き
込み動作用のチャンネル周波数fch、およびチャンネル
周波数fchよりも若干高い周波数の読み出し動作用のITR
サンプリング周波数fsを、基準クロックに基づいて発
振する周波数シンセサイザ51、入力されるアナログデ
ータ信号の振幅を所定のレベルに維持する第1AGC部5
2、第1AGC部52の出力を等化するアナログ等化フィ
ルタ56、等化されたアナログデータ信号をITRサンプ
リング周波数fsにしたがってディジタルデータ信号に
変換するA/Dコンバータ57、A/Dコンバータ57
の出力を所定の等化方式で等化する適応等化フィルタ5
8、適応等化フィルタ58の出力の振幅を調整する第2
AGC部61、第2AGC部61からの出力を位相補間して後
段に出力するディジタルPLL部65、並びに、記録媒体
69に記録されている制御用プログラムに基づいて適応
等化フィルタ58および第2AGC部61を制御する制御
部68から構成される。
込み動作用のチャンネル周波数fch、およびチャンネル
周波数fchよりも若干高い周波数の読み出し動作用のITR
サンプリング周波数fsを、基準クロックに基づいて発
振する周波数シンセサイザ51、入力されるアナログデ
ータ信号の振幅を所定のレベルに維持する第1AGC部5
2、第1AGC部52の出力を等化するアナログ等化フィ
ルタ56、等化されたアナログデータ信号をITRサンプ
リング周波数fsにしたがってディジタルデータ信号に
変換するA/Dコンバータ57、A/Dコンバータ57
の出力を所定の等化方式で等化する適応等化フィルタ5
8、適応等化フィルタ58の出力の振幅を調整する第2
AGC部61、第2AGC部61からの出力を位相補間して後
段に出力するディジタルPLL部65、並びに、記録媒体
69に記録されている制御用プログラムに基づいて適応
等化フィルタ58および第2AGC部61を制御する制御
部68から構成される。
【0033】なお、アナログ等化フィルタ56の代わり
にアンチエイリアシングフィルタを用いてもよい。
にアンチエイリアシングフィルタを用いてもよい。
【0034】第1AGC部52は、アナログ等化フィルタ
56から帰還されるアナログ等化信号のピーク値を検出
して所定の閾値との誤差を算出する全波整流器・ピーク
ディテクタ53、全波整流器・ピークディテクタ53の
出力を積分するアナログ積分フィルタ54、およびアナ
ログ積分フィルタ54の出力に対応し、入力されるアナ
ログデータ信号の振幅を調整するVGA55から構成され
る。以下、第1AGC部52を、第1のAGC帰還ループとも
記述する。
56から帰還されるアナログ等化信号のピーク値を検出
して所定の閾値との誤差を算出する全波整流器・ピーク
ディテクタ53、全波整流器・ピークディテクタ53の
出力を積分するアナログ積分フィルタ54、およびアナ
ログ積分フィルタ54の出力に対応し、入力されるアナ
ログデータ信号の振幅を調整するVGA55から構成され
る。以下、第1AGC部52を、第1のAGC帰還ループとも
記述する。
【0035】第1AGC部52においては、アナログ等化
フィルタ56から帰還される信号のピーク値が、所定の
閾値以下の場合、VGA55の利得が増加される。反対
に、ピーク値が閾値よりも大きい場合、VGA55の利得
が減少される。なお、所定の閾値は、入力されるアナロ
グデータ信号のパターンに依存する量であり、第1AGC
部52から出力されるアナログデータ信号の振幅がA/
Dコンバータ57の入力範囲に収まるように調整されて
いるものとする。
フィルタ56から帰還される信号のピーク値が、所定の
閾値以下の場合、VGA55の利得が増加される。反対
に、ピーク値が閾値よりも大きい場合、VGA55の利得
が減少される。なお、所定の閾値は、入力されるアナロ
グデータ信号のパターンに依存する量であり、第1AGC
部52から出力されるアナログデータ信号の振幅がA/
Dコンバータ57の入力範囲に収まるように調整されて
いるものとする。
【0036】第1のAGC帰還ループは、A/Dコンバー
タ57の前段までの閉じた帰還ループを形成しているこ
とが特徴であり、これにより、そのループディレイを最
小とすることができる。
タ57の前段までの閉じた帰還ループを形成しているこ
とが特徴であり、これにより、そのループディレイを最
小とすることができる。
【0037】アナログ等化フィルタ56は、入力される
アナログデータ信号の各周波数成分の振幅が大きく異な
る場合、自己の周波数特性を適宜調整して第1AGC部5
2の動作を安定させるようにする。アナログ等化フィル
タ56の周波数特性は、第1AGC部52の動作を安定さ
せ、十分なアンチエイリアシングを行い、データ伝送特
性を悪化させるような位相の回転を抑制し、かつ、適応
等化フィルタ58において入力信号が完全に等化される
ようなものとする。例えば、高域信号成分が減衰してい
る場合、それを補うように利得をつける周波数特性のア
ナログ等化フィルタを採用する。このようなアナログ等
化フィルタ56を用いれば、第1AGC部52に帰還され
るアナログデータ信号の各周波数成分のピーク値が一定
になり、第1AGC部52の動作が安定する。
アナログデータ信号の各周波数成分の振幅が大きく異な
る場合、自己の周波数特性を適宜調整して第1AGC部5
2の動作を安定させるようにする。アナログ等化フィル
タ56の周波数特性は、第1AGC部52の動作を安定さ
せ、十分なアンチエイリアシングを行い、データ伝送特
性を悪化させるような位相の回転を抑制し、かつ、適応
等化フィルタ58において入力信号が完全に等化される
ようなものとする。例えば、高域信号成分が減衰してい
る場合、それを補うように利得をつける周波数特性のア
ナログ等化フィルタを採用する。このようなアナログ等
化フィルタ56を用いれば、第1AGC部52に帰還され
るアナログデータ信号の各周波数成分のピーク値が一定
になり、第1AGC部52の動作が安定する。
【0038】適応等化フィルタ58は、ディジタルPLL
部65から帰還されるディジタル等化後信号に従ってタ
ップ係数を決定する適応等化タップ係数生成部59、お
よび決定されたタップ係数を用いた所定の等化方式(最
小2乗平均(LMS(Least MeanSquare))法、再帰最小2
乗(RLS(Recursive Least Squares))法等)によってA
/Dコンバータ57の出力を等化するディジタル適応等
化フィルタ60から構成される。なお、ディジタル適応
等化フィルタ60には、初期段階において、計算器シミ
ュレーションまたは実験によって決定された、所定の等
化方式に最適なタップ係数が供給されている。以下、適
応等化フィルタ58を、適応等化フィルタ帰還ループと
も記述する。
部65から帰還されるディジタル等化後信号に従ってタ
ップ係数を決定する適応等化タップ係数生成部59、お
よび決定されたタップ係数を用いた所定の等化方式(最
小2乗平均(LMS(Least MeanSquare))法、再帰最小2
乗(RLS(Recursive Least Squares))法等)によってA
/Dコンバータ57の出力を等化するディジタル適応等
化フィルタ60から構成される。なお、ディジタル適応
等化フィルタ60には、初期段階において、計算器シミ
ュレーションまたは実験によって決定された、所定の等
化方式に最適なタップ係数が供給されている。以下、適
応等化フィルタ58を、適応等化フィルタ帰還ループと
も記述する。
【0039】第2AGC部61は、ディジタルPLL部65か
ら帰還されるディジタル等化後信号の検出点レベルと、
理想的な検出点レベルとの振幅誤差を計算する振幅誤差
計算部62、振幅誤差に所定のループゲインを乗算して
積分するディジタル積分フィルタ63、およびディジタ
ル積分フィルタ63の出力に対応し、適応等化フィルタ
58からのディジタルデータ信号の振幅を調整するディ
ジタルAGC64から構成される。以下、第2AGC部61
を、第2のAGC帰還ループとも記述する。なお、振幅誤
差計算部62乃至ディジタルAGC64の構成例について
は、図6および図11を参照して後述する。
ら帰還されるディジタル等化後信号の検出点レベルと、
理想的な検出点レベルとの振幅誤差を計算する振幅誤差
計算部62、振幅誤差に所定のループゲインを乗算して
積分するディジタル積分フィルタ63、およびディジタ
ル積分フィルタ63の出力に対応し、適応等化フィルタ
58からのディジタルデータ信号の振幅を調整するディ
ジタルAGC64から構成される。以下、第2AGC部61
を、第2のAGC帰還ループとも記述する。なお、振幅誤
差計算部62乃至ディジタルAGC64の構成例について
は、図6および図11を参照して後述する。
【0040】第2のAGC帰還ループは、適応等化フィル
タ58の後段に配置されていることが特徴であり、その
ループディレイは、ディジタルPLL部65の処理に起因
するものだけの比較的短いものとなる。
タ58の後段に配置されていることが特徴であり、その
ループディレイは、ディジタルPLL部65の処理に起因
するものだけの比較的短いものとなる。
【0041】ディジタルPLL部65は、ITR66から供給
されるタップ係数に基づき、第2AGC部61の出力を位
相補間するディジタル位相補間フィルタ67、およびデ
ィジタル位相補間フィルタ67から帰還されたディジタ
ル等化後信号に基づき、タップ係数を随時更新するITR
66から構成される。
されるタップ係数に基づき、第2AGC部61の出力を位
相補間するディジタル位相補間フィルタ67、およびデ
ィジタル位相補間フィルタ67から帰還されたディジタ
ル等化後信号に基づき、タップ係数を随時更新するITR
66から構成される。
【0042】次に、当該ディジタル磁気記録再生装置に
入力されるアナログデータ信号について、図4を参照し
て説明する。入力されるアナログデータ信号は、情報記
録媒体から再生された再生信号に相当する。
入力されるアナログデータ信号について、図4を参照し
て説明する。入力されるアナログデータ信号は、情報記
録媒体から再生された再生信号に相当する。
【0043】入力されるアナログデータ信号は、図4A
に示すように、ランダム・データ信号の前にAGCとPLLを
調整するためのプリアンブル・パターンが配置されてい
る信号を想定する。なお、図4Bに示すように、プリア
ンブル・パターンが配置されていない信号であってもか
まわない。
に示すように、ランダム・データ信号の前にAGCとPLLを
調整するためのプリアンブル・パターンが配置されてい
る信号を想定する。なお、図4Bに示すように、プリア
ンブル・パターンが配置されていない信号であってもか
まわない。
【0044】図4Aに示すアナログデータ信号のプリア
ンブル・パターンは、再生パターンが単一周波数である
か、またはそれに準じたものであって、再生時において
既知の再生パターンが得られるような符号列が書き込ま
れている再生データ領域であり、その再生パターンによ
る位相誤差や振幅誤差の計算を容易にし、速やかな収束
をもたらすものである。なお、ランダム・データ信号の
途中に複数のプリアンブル・パターンが挿入されてもか
まわない。
ンブル・パターンは、再生パターンが単一周波数である
か、またはそれに準じたものであって、再生時において
既知の再生パターンが得られるような符号列が書き込ま
れている再生データ領域であり、その再生パターンによ
る位相誤差や振幅誤差の計算を容易にし、速やかな収束
をもたらすものである。なお、ランダム・データ信号の
途中に複数のプリアンブル・パターンが挿入されてもか
まわない。
【0045】次に、当該ディジタル磁気記録再生装置の
全体的な動作について、図5のフローチャートを参照し
て説明する。
全体的な動作について、図5のフローチャートを参照し
て説明する。
【0046】ステップS1において、制御部68は、入
力されたアナログデータ信号がプリアンブル・パターン
の領域であるか否かを判定し、プリアンブル・パターン
の領域であるかと判定するまで待機する。プリアンブル
・パターンの領域であるかと判定された場合、処理はス
テップS2に進む。
力されたアナログデータ信号がプリアンブル・パターン
の領域であるか否かを判定し、プリアンブル・パターン
の領域であるかと判定するまで待機する。プリアンブル
・パターンの領域であるかと判定された場合、処理はス
テップS2に進む。
【0047】なお、入力されたアナログデータ信号が、
図4Bに示すようにプリアンブル・パターンが存在しな
いものである場合、ランダム・データ信号の初期の所定
数のサンプリング点であると判定するまで待機するよう
にし、ランダム・データ信号の初期の所定数のサンプリ
ング点であると判定された場合、ステップS2に進むよ
うにする。
図4Bに示すようにプリアンブル・パターンが存在しな
いものである場合、ランダム・データ信号の初期の所定
数のサンプリング点であると判定するまで待機するよう
にし、ランダム・データ信号の初期の所定数のサンプリ
ング点であると判定された場合、ステップS2に進むよ
うにする。
【0048】ステップS2において、制御部68は、等
化フィルタ58の動作を停止させた状態で、速やかに振
幅誤差が収束するように、第2AGC部61のゲインを相
対的に増加させる。
化フィルタ58の動作を停止させた状態で、速やかに振
幅誤差が収束するように、第2AGC部61のゲインを相
対的に増加させる。
【0049】ステップS3において、制御部68は、入
力されたアナログデータ信号がランダム・データ信号の
領域であるか否かを判定し、ランダム・データ信号の領
域であるかと判定するまで待機する。ランダム・データ
信号の領域であると判定された場合、処理はステップS
4に進む。
力されたアナログデータ信号がランダム・データ信号の
領域であるか否かを判定し、ランダム・データ信号の領
域であるかと判定するまで待機する。ランダム・データ
信号の領域であると判定された場合、処理はステップS
4に進む。
【0050】なお、入力されたアナログデータ信号が、
図4Bに示すようにプリアンブル・パターンが存在しな
いものである場合、ステップS1,S2の処理をスキッ
プするようにする。
図4Bに示すようにプリアンブル・パターンが存在しな
いものである場合、ステップS1,S2の処理をスキッ
プするようにする。
【0051】ステップS4において、制御部68は、適
応等化フィルタ帰還ループと第2AGC帰還ループとの相
互の安定を図るために、第2AGC部61の振幅誤差計算
部62において乗算するループゲインを零値(または零
に近い小さな値)に変更した後、適応等化フィルタ58
の動作を開始させる。なお、振幅誤差計算部62におい
て乗算するループゲインを零値(または零に近い小さな
値)に変更した後、ディジタルAGC64における利得は
零(または零に近い小さな値)となる。
応等化フィルタ帰還ループと第2AGC帰還ループとの相
互の安定を図るために、第2AGC部61の振幅誤差計算
部62において乗算するループゲインを零値(または零
に近い小さな値)に変更した後、適応等化フィルタ58
の動作を開始させる。なお、振幅誤差計算部62におい
て乗算するループゲインを零値(または零に近い小さな
値)に変更した後、ディジタルAGC64における利得は
零(または零に近い小さな値)となる。
【0052】この後、処理はステップS1に戻り、以降
の処理が繰り返される。以上、当該ディジタル磁気記録
再生装置の全体的な動作の説明を終了する。
の処理が繰り返される。以上、当該ディジタル磁気記録
再生装置の全体的な動作の説明を終了する。
【0053】以上説明したように当該ディジタル磁気記
録再生装置が動作することにより、以下のような効果を
奏することができる。すなわち、第1のAGC帰還ループ
においては、ループディレイが比較的に小さいので、A
/Dコンバータ57に供給する信号の振幅レベルを最適
に保つことができる。
録再生装置が動作することにより、以下のような効果を
奏することができる。すなわち、第1のAGC帰還ループ
においては、ループディレイが比較的に小さいので、A
/Dコンバータ57に供給する信号の振幅レベルを最適
に保つことができる。
【0054】入力されるアナログデータ信号がプリアン
ブル・パターンの領域である場合、適応等化フィルタ5
8の動作が停止された状態、すなわち、適応等化フィル
タ58のディジタル適応等化フィルタ60にセットされ
ている理想的なタップ係数の初期値を保った状態で、第
2AGC部61では振幅誤差が速やかに収束される。
ブル・パターンの領域である場合、適応等化フィルタ5
8の動作が停止された状態、すなわち、適応等化フィル
タ58のディジタル適応等化フィルタ60にセットされ
ている理想的なタップ係数の初期値を保った状態で、第
2AGC部61では振幅誤差が速やかに収束される。
【0055】したがって、この後、入力されるアナログ
データ信号がランダム・データ信号の領域となった場合
にも、第2AGC部61における大幅な振幅調整はもはや
必要ない。すなわち、第2AGC部61におけるループゲ
インは、緩やかに振幅追従するために、零値または零に
近い小さな値に変更されることとなる。このとき、適応
等化フィルタ58は、等化誤差の補正動作に関してのみ
初期タップ係数の微調整が行われることとなり、信号の
振幅レベルの調整にはほとんど寄与しない。したがって
適応等化フィルタ58における等化誤差の収束も迅速に
行われる。
データ信号がランダム・データ信号の領域となった場合
にも、第2AGC部61における大幅な振幅調整はもはや
必要ない。すなわち、第2AGC部61におけるループゲ
インは、緩やかに振幅追従するために、零値または零に
近い小さな値に変更されることとなる。このとき、適応
等化フィルタ58は、等化誤差の補正動作に関してのみ
初期タップ係数の微調整が行われることとなり、信号の
振幅レベルの調整にはほとんど寄与しない。したがって
適応等化フィルタ58における等化誤差の収束も迅速に
行われる。
【0056】第1のAGC帰還ループと第2のAGC帰還ルー
プを設けた理由は、両者の役割を明確に分離することが
その発想が基礎となっている。
プを設けた理由は、両者の役割を明確に分離することが
その発想が基礎となっている。
【0057】第1のAGC帰還ループの役割は、A/Dコ
ンバータ57に供給する信号の振幅レベルを最適化する
ことだけであり、これによりA/Dコンバータ57に対
する入力は最適に保たれ、量子化誤差も適正なレベルで
抑えられ必要以上に大きくなることはない。またアナロ
グ回路だけで第1のAGC帰還ループを構成することによ
りループディレイを小さくし、安定した動作を実現する
ことができる。
ンバータ57に供給する信号の振幅レベルを最適化する
ことだけであり、これによりA/Dコンバータ57に対
する入力は最適に保たれ、量子化誤差も適正なレベルで
抑えられ必要以上に大きくなることはない。またアナロ
グ回路だけで第1のAGC帰還ループを構成することによ
りループディレイを小さくし、安定した動作を実現する
ことができる。
【0058】第2のAGC帰還ループの役割は、入力され
た信号を適応等化フィルタ58に与えられた所定の等化
方式に最適化された初期タップ係数で等化した時に、入
力されたディジタルデータ信号振幅レベルを最適化する
ことだけである。これにより、適応等化フィルタ58で
は、その入力信号のレベルによってそのタップ係数の形
状を初期に与えた理想的なタップ係数の形状から大きく
変動させることはなく、等化誤差の補正のみにその動作
を集中することができる。この結果、タップ係数の収束
時間が短縮される効果がもたらされる。
た信号を適応等化フィルタ58に与えられた所定の等化
方式に最適化された初期タップ係数で等化した時に、入
力されたディジタルデータ信号振幅レベルを最適化する
ことだけである。これにより、適応等化フィルタ58で
は、その入力信号のレベルによってそのタップ係数の形
状を初期に与えた理想的なタップ係数の形状から大きく
変動させることはなく、等化誤差の補正のみにその動作
を集中することができる。この結果、タップ係数の収束
時間が短縮される効果がもたらされる。
【0059】このように役割を分担した第1のAGC帰還
ループと第2のAGC帰還ループを設けることにより、ア
ナログデータ信号の振幅レベルと等化後ディジタルデー
タ信号の振幅レベルをそれぞれのブロックにおいて最適
化することができる。
ループと第2のAGC帰還ループを設けることにより、ア
ナログデータ信号の振幅レベルと等化後ディジタルデー
タ信号の振幅レベルをそれぞれのブロックにおいて最適
化することができる。
【0060】また、これはA/Dコンバータ57の前段
のアナログ部分と、A/Dコンバータ57の後段のディ
ジタル部分と間の信号の出入りを最小にすることにな
り、当該装置の完全なブロック化がもたらされ、設計も
ブロック毎に独立で行うことができるようになり、設計
・検証が単純化されるという利点もある。
のアナログ部分と、A/Dコンバータ57の後段のディ
ジタル部分と間の信号の出入りを最小にすることにな
り、当該装置の完全なブロック化がもたらされ、設計も
ブロック毎に独立で行うことができるようになり、設計
・検証が単純化されるという利点もある。
【0061】入力されるアナログデータ信号の振幅が時
間の経過とともに変動した場合には第1のAGC帰還ルー
プによって最適な振幅レベルに制御されているため、デ
ィジタル部では小さなループゲインを持つ第2のAGC帰
還ループを緩やかに信号振幅追従させることで十分であ
る。
間の経過とともに変動した場合には第1のAGC帰還ルー
プによって最適な振幅レベルに制御されているため、デ
ィジタル部では小さなループゲインを持つ第2のAGC帰
還ループを緩やかに信号振幅追従させることで十分であ
る。
【0062】次に、当該ディジタル磁気記録再生装置の
動作を、コンピュータを用いてシミュレートした結果に
ついて、図を参照して説明する。
動作を、コンピュータを用いてシミュレートした結果に
ついて、図を参照して説明する。
【0063】当該シミュレーションにおいて、入力され
るアナログデータ信号は、磁気記録媒体からの再生信号
の近似に一般的に用いられる、次式(1)に示すローレ
ンツ波形を用いた。
るアナログデータ信号は、磁気記録媒体からの再生信号
の近似に一般的に用いられる、次式(1)に示すローレ
ンツ波形を用いた。
【数1】
・・・(1)
【0064】ローレンツ波形の半値幅aを、チャンネル
・クロックfchの周期Tsで除算した値を記録密度の指
標とし、規格化線密度(NLD(Normalized Linear Densit
y))として定義する。シミュレーションで用いたヘッド
再生信号は、再生符号列に所定のNLDを与えられたロー
レンツ波形を乗じた波形の時間軸上の重ね合わせとして
表される。
・クロックfchの周期Tsで除算した値を記録密度の指
標とし、規格化線密度(NLD(Normalized Linear Densit
y))として定義する。シミュレーションで用いたヘッド
再生信号は、再生符号列に所定のNLDを与えられたロー
レンツ波形を乗じた波形の時間軸上の重ね合わせとして
表される。
【0065】入力されるヘッド再生信号は、VGA55を
経由して、アナログ等化フィルタ56に入力される。ア
ナログフィルタ56の出力は、A/Dコンバータ57に
出力されるとともに、第1AGC部52に帰還される。第
1AGC部52においては、全波整流器・ピークディテク
タ53により、信号の片側絶対値がとられてピーク値が
検出され、それが所定の閾値よりも大きいか否かが判定
されて、判定結果に対応した振幅誤差信号が生成され
る。さらに、アナログ積分フィルタ54により、振幅誤
差信号が積分されて、その積分値に基づいてVGA55に
おいて信号振幅が変動される。
経由して、アナログ等化フィルタ56に入力される。ア
ナログフィルタ56の出力は、A/Dコンバータ57に
出力されるとともに、第1AGC部52に帰還される。第
1AGC部52においては、全波整流器・ピークディテク
タ53により、信号の片側絶対値がとられてピーク値が
検出され、それが所定の閾値よりも大きいか否かが判定
されて、判定結果に対応した振幅誤差信号が生成され
る。さらに、アナログ積分フィルタ54により、振幅誤
差信号が積分されて、その積分値に基づいてVGA55に
おいて信号振幅が変動される。
【0066】ここで、アナログ等化フィルタ56は、第
1AGC部52に全波整流器・ピークディテクタ53を用
いているので、信号のピーク値をある程度一定値に揃え
なければならない。そこで、7pole2zeroフィルタを使
用するようにし、高域が減衰した信号を増幅するように
した。
1AGC部52に全波整流器・ピークディテクタ53を用
いているので、信号のピーク値をある程度一定値に揃え
なければならない。そこで、7pole2zeroフィルタを使
用するようにし、高域が減衰した信号を増幅するように
した。
【0067】A/Dコンバータ57において、ITRサン
プリング周波数fsでサンプリングされて生成されたデ
ィジタル信号は、適応等化フィルタ58により、所定の
等化方式に等化される。なお、当該シミュレーションに
おいては、ITRサンプリング周波数fs=(16/1
5)fchとした。
プリング周波数fsでサンプリングされて生成されたデ
ィジタル信号は、適応等化フィルタ58により、所定の
等化方式に等化される。なお、当該シミュレーションに
おいては、ITRサンプリング周波数fs=(16/1
5)fchとした。
【0068】前段のアナログ等化フィルタ56による等
化と、ディジタルの適応等化フィルタ58による等化の
総伝達関数は、入力されたヘッド再生信号を所定の等化
方式に等化する。例えば、パーシャル・レスポンス方式
の場合、パーシャル・レスポンス・クラス1(PR
1)、パーシャル・レスポンス・クラス4(PR4)、
拡張されたパーシャル・レスポンス・クラス4(EPR
4、E2PR4)などに等化される。
化と、ディジタルの適応等化フィルタ58による等化の
総伝達関数は、入力されたヘッド再生信号を所定の等化
方式に等化する。例えば、パーシャル・レスポンス方式
の場合、パーシャル・レスポンス・クラス1(PR
1)、パーシャル・レスポンス・クラス4(PR4)、
拡張されたパーシャル・レスポンス・クラス4(EPR
4、E2PR4)などに等化される。
【0069】当該シミュレーションにおいては、ヘッド
再生信号をアナログ等化フィルタ56および適応等化フ
ィルタ58を用いてPR4に等化するようにした。
再生信号をアナログ等化フィルタ56および適応等化フ
ィルタ58を用いてPR4に等化するようにした。
【0070】適応等化フィルタ58のディジタル適応等
化フィルタ60を、タップ数を32のディジタルFIRフ
ィルタとした。等化方法は、最小2乗平均法を使用し
た。
化フィルタ60を、タップ数を32のディジタルFIRフ
ィルタとした。等化方法は、最小2乗平均法を使用し
た。
【0071】ディジタルPLL部65におけるディジタル
位相補間フィルタ67およびITR66には、一般的に用
いられている8タップのものを使用した。
位相補間フィルタ67およびITR66には、一般的に用
いられている8タップのものを使用した。
【0072】図6は、当該シミュレーションに用いた第
2AGC部61の振幅誤差計算部62の構成を示してい
る。振幅誤差計算部62は、振幅誤差計算の一般的な方
式を実行する検出点振幅誤差計算部81と、入力データ
がSin型のプリアンブル・パターン(図7および図8を
参照して後述する)を有するときだけ使用することがで
きるsin2振幅誤差計算部82を併用している。
2AGC部61の振幅誤差計算部62の構成を示してい
る。振幅誤差計算部62は、振幅誤差計算の一般的な方
式を実行する検出点振幅誤差計算部81と、入力データ
がSin型のプリアンブル・パターン(図7および図8を
参照して後述する)を有するときだけ使用することがで
きるsin2振幅誤差計算部82を併用している。
【0073】すなわち、振幅誤差計算部62において
は、ランダム・データ信号の領域に対しては検出点振幅
誤差計算部81が使用されるようになされており、Sin
型のプリアンブル・パターンの領域に対してはSin2型振
幅誤差計算器部82が使用されるようになされている。
は、ランダム・データ信号の領域に対しては検出点振幅
誤差計算部81が使用されるようになされており、Sin
型のプリアンブル・パターンの領域に対してはSin2型振
幅誤差計算器部82が使用されるようになされている。
【0074】検出点振幅誤差計算部81においては、次
式(2)にしたがって振幅誤差計算が行われる。
式(2)にしたがって振幅誤差計算が行われる。
【数2】
・・・(2)
【0075】ただし、式(2)において、y(k)は、
時刻kにおけるディジタル位相補間フィルタ67の出力
であり、y’(k)は、{1,0,−1}で表される再
生符号であり、Vrefy’(k)は検出点で3値検出し
た信号のリファレンス・レベルの値である。
時刻kにおけるディジタル位相補間フィルタ67の出力
であり、y’(k)は、{1,0,−1}で表される再
生符号であり、Vrefy’(k)は検出点で3値検出し
た信号のリファレンス・レベルの値である。
【0076】式(2)より、再生符号の値が0である場
合には振幅誤差が0となり、再生符号の値が1または−
1である場合にのみ、検出点での振幅誤差が検出され、
かつy’(k)との積をとることで振幅誤差の正負の符
号を一致させている。
合には振幅誤差が0となり、再生符号の値が1または−
1である場合にのみ、検出点での振幅誤差が検出され、
かつy’(k)との積をとることで振幅誤差の正負の符
号を一致させている。
【0077】ただし、式(2)に従う検出点振幅誤差計
算部81の動作は、ディジタルPLL部65が動作し、位
相の引き込みが終了した後でなければ正しい振幅誤差を
計算できない。しかしながら、信号の位相が同期してい
るときには正確な振幅誤差を計算することができる。
算部81の動作は、ディジタルPLL部65が動作し、位
相の引き込みが終了した後でなければ正しい振幅誤差を
計算できない。しかしながら、信号の位相が同期してい
るときには正確な振幅誤差を計算することができる。
【0078】次に、Sin2振幅誤差計算部82について説
明する。上述したように、Sin2振幅誤差計算部82は、
入力データがSin型のプリアンブル・パターンを有する
ときだけ使用される。図7および図8は、Sin型のプリ
アンブル・パターンの一例を示している。
明する。上述したように、Sin2振幅誤差計算部82は、
入力データがSin型のプリアンブル・パターンを有する
ときだけ使用される。図7および図8は、Sin型のプリ
アンブル・パターンの一例を示している。
【0079】図7は、チャンネル周波数周期Tchの4倍
(4Tch)を1周期とするようなSin型のパターン(以
下、4Tパターンと記述する)であり、PR4に等化さ
れたプリアンブル・パターンを示している。図8は、4
Tパターンであり、PR1に等化されたプリアンブル・
パターンを示している。
(4Tch)を1周期とするようなSin型のパターン(以
下、4Tパターンと記述する)であり、PR4に等化さ
れたプリアンブル・パターンを示している。図8は、4
Tパターンであり、PR1に等化されたプリアンブル・
パターンを示している。
【0080】ここで、図7より、PR4に等化された4
Tパターンの理想検出符号パターンは、{・・・,1,
1,−1,−1,1,1,−1,−1,・・・}であ
る。また、図8より、PR1に等化された4Tパターン
の理想検出符号パターンは、{・・・,0,1,0,−
1,0,1,0,−1,・・・}である。
Tパターンの理想検出符号パターンは、{・・・,1,
1,−1,−1,1,1,−1,−1,・・・}であ
る。また、図8より、PR1に等化された4Tパターン
の理想検出符号パターンは、{・・・,0,1,0,−
1,0,1,0,−1,・・・}である。
【0081】図7に示したPR4に等化された4Tパタ
ーンについて考える。図7において、●で示されたサン
プリング点y(k)は、時刻kにおけるサンプリング点
であり、入力信号に対してPLLがまだかかっておらず、
図中の□で示された理想サンプリング点とは位相の誤差
がある。このとき、任意の時刻k−1におけるサンプリ
ング点y(k−1)は、プリアンブル・パターンの波形
が近似的にSin型であって、かつ、入力信号の振幅レベ
ルが図7示したように完全に一致している場合には、三
角関数の公式sin2+COS2=1に基づいて次式(3)が成
立する。
ーンについて考える。図7において、●で示されたサン
プリング点y(k)は、時刻kにおけるサンプリング点
であり、入力信号に対してPLLがまだかかっておらず、
図中の□で示された理想サンプリング点とは位相の誤差
がある。このとき、任意の時刻k−1におけるサンプリ
ング点y(k−1)は、プリアンブル・パターンの波形
が近似的にSin型であって、かつ、入力信号の振幅レベ
ルが図7示したように完全に一致している場合には、三
角関数の公式sin2+COS2=1に基づいて次式(3)が成
立する。
【数3】
・・・(3)
【0082】ただし、式(3)において、Vrefは、理
想的な信号振幅レベルである。しかしながら、信号振幅
が理想値からずれている場合には式(3)は成立しな
い。
想的な信号振幅レベルである。しかしながら、信号振幅
が理想値からずれている場合には式(3)は成立しな
い。
【0083】このとき式(3)の左辺の理想値が、式
(3)の右辺であると考えれば、入力した信号について
式(3)の左辺を右辺に近づけることにより、信号振幅
を理想値に近似させるように制御することができる。
(3)の右辺であると考えれば、入力した信号について
式(3)の左辺を右辺に近づけることにより、信号振幅
を理想値に近似させるように制御することができる。
【0084】具体的には、式(3)の左辺を2V2 actと
おく。ここで、Vactは、実際の入力信号の検出点にお
ける振幅レベルである。ここで、任意の時刻kにおける
Sin2振幅誤差ERR’sin(k)を次式(4)のように
定義する。
おく。ここで、Vactは、実際の入力信号の検出点にお
ける振幅レベルである。ここで、任意の時刻kにおける
Sin2振幅誤差ERR’sin(k)を次式(4)のように
定義する。
【数4】
・・・(4)
【0085】式(4)から、Sin2振幅誤差ERR’sin
(k)には、実際の検出点における振幅レベルVactと
理想的な振幅レベルVrefの差を示す項(Vact−
Vref)が含まれていることがわかる。ここで、実際の
検出点における振幅レベルVactと理想的な振幅レベル
Vrefの差が小さい領域を考えた場合、Vact≒Vrefで
あるので、式(4)は、近似的に次式(5)のように書
き直すことができる。
(k)には、実際の検出点における振幅レベルVactと
理想的な振幅レベルVrefの差を示す項(Vact−
Vref)が含まれていることがわかる。ここで、実際の
検出点における振幅レベルVactと理想的な振幅レベル
Vrefの差が小さい領域を考えた場合、Vact≒Vrefで
あるので、式(4)は、近似的に次式(5)のように書
き直すことができる。
【数5】
・・・(5)
【0086】式(3)乃至(5)より、Sin2振幅誤差E
RR’sin(k)を4Vrefで規格化した次式(6)を、
Sin2振幅誤差計算部82では、最終的なSin2振幅誤差E
RR sin(k)として用いている。
RR’sin(k)を4Vrefで規格化した次式(6)を、
Sin2振幅誤差計算部82では、最終的なSin2振幅誤差E
RR sin(k)として用いている。
【数6】
・・・(6)
【0087】式(6)を用いるSin2振幅誤差計算部82
では、プリアンブル・パターンを仮定すれば、ディジタ
ルPLL部65が動作していない状態においても、その誤
差信号は常に一定である。したがって、プリアンブル・
パターンとしてSin型の4Tパターンを持つ信号を入力
する場合には、ディジタルPLL部65の収束を待つこと
なく、振幅誤差を行うことができるという利点がある。
では、プリアンブル・パターンを仮定すれば、ディジタ
ルPLL部65が動作していない状態においても、その誤
差信号は常に一定である。したがって、プリアンブル・
パターンとしてSin型の4Tパターンを持つ信号を入力
する場合には、ディジタルPLL部65の収束を待つこと
なく、振幅誤差を行うことができるという利点がある。
【0088】ここで問題となることは、検出点振幅誤差
計算部81で計算される振幅誤差と、Sin2振幅誤差計算
部82で計算される振幅誤差との差がどの程度であるか
ということである。図9に、PR4に等化され、PLLが
かかったあとの4Tパターンに対する検出点振幅誤差計
算部81で式(2)を用いて計算される振幅誤差と、Si
n2振幅誤差計算部82で式(6)を用いて計算される振
幅誤差との差を示す。
計算部81で計算される振幅誤差と、Sin2振幅誤差計算
部82で計算される振幅誤差との差がどの程度であるか
ということである。図9に、PR4に等化され、PLLが
かかったあとの4Tパターンに対する検出点振幅誤差計
算部81で式(2)を用いて計算される振幅誤差と、Si
n2振幅誤差計算部82で式(6)を用いて計算される振
幅誤差との差を示す。
【0089】図9は、理想検出点振幅が1.0であり、
入力される理想値の信号列に対して0.5乃至1.5の
ゲインをかけた場合の両者を比較したものである。ただ
し、入力波形はSin型であると仮定し、入力信号に係数
をかけない場合にはSin波形の振幅は−1.41乃至
1.41を振動するとものする。
入力される理想値の信号列に対して0.5乃至1.5の
ゲインをかけた場合の両者を比較したものである。ただ
し、入力波形はSin型であると仮定し、入力信号に係数
をかけない場合にはSin波形の振幅は−1.41乃至
1.41を振動するとものする。
【0090】図9から明らかなように、Sin2型振幅誤差
計算部82では、振幅誤差の小さい領域では、検出点振
幅誤差とよく一致し、振幅誤差が大きな領域でも、その
誤差の正負の方向を誤らないことがわかる。また、前述
のとおりSin2型振幅誤差計算部82は、検出点振幅誤差
計算部81と比較して、PLLがまだ引き込んでいない位
相誤差を持った領域において近似的に正しい振幅誤差を
計算することができる。
計算部82では、振幅誤差の小さい領域では、検出点振
幅誤差とよく一致し、振幅誤差が大きな領域でも、その
誤差の正負の方向を誤らないことがわかる。また、前述
のとおりSin2型振幅誤差計算部82は、検出点振幅誤差
計算部81と比較して、PLLがまだ引き込んでいない位
相誤差を持った領域において近似的に正しい振幅誤差を
計算することができる。
【0091】それに対して検出点振幅誤差計算部81
は、PLLが動作して所望の位相に信号を引き込まない限
り、その計算結果に誤りを生じる可能性を持つ。したが
って、4Tパターンのプリアンブル・パターンに持つ入
力信号に対しては、Sin2型振幅誤差計算部82を用いる
ことで速やかなAGC動作を行うことができるという利点
がある。
は、PLLが動作して所望の位相に信号を引き込まない限
り、その計算結果に誤りを生じる可能性を持つ。したが
って、4Tパターンのプリアンブル・パターンに持つ入
力信号に対しては、Sin2型振幅誤差計算部82を用いる
ことで速やかなAGC動作を行うことができるという利点
がある。
【0092】上述したように、当該シミュレーションに
おいては、プリアンブル・パターンの領域においては、
Sin2振幅誤差計算部82を用いて振幅誤差を計算するよ
うにし、ランダム・データ信号の領域においては、第2
AGC部61の動作を停止させた。
おいては、プリアンブル・パターンの領域においては、
Sin2振幅誤差計算部82を用いて振幅誤差を計算するよ
うにし、ランダム・データ信号の領域においては、第2
AGC部61の動作を停止させた。
【0093】同様に、図8に示したPR1に等化された
4Tパターンについて考えた場合、Sin2振幅誤差計算部
82では、次式(7)が用いられることとなる。
4Tパターンについて考えた場合、Sin2振幅誤差計算部
82では、次式(7)が用いられることとなる。
【数7】
・・・(7)
【0094】また、PR1に等化された、PLLがかかっ
たあとの4Tパターンに対する検出点振幅誤差計算部8
1で式(2)を用いて計算される振幅誤差と、Sin2振幅
誤差計算部82で式(7)を用いて計算される振幅誤差
との差は図10に示すとおりとなる。
たあとの4Tパターンに対する検出点振幅誤差計算部8
1で式(2)を用いて計算される振幅誤差と、Sin2振幅
誤差計算部82で式(7)を用いて計算される振幅誤差
との差は図10に示すとおりとなる。
【0095】図11は、当該シミュレーションに用いた
第2AGC部61のディジタル積分フィルタ63およびデ
ィジタルAGC64の構成例を示している。
第2AGC部61のディジタル積分フィルタ63およびデ
ィジタルAGC64の構成例を示している。
【0096】振幅誤差計算部62からディジタル積分フ
ィルタ63に入力される振幅誤差は、ディジタルAGCル
ープゲイン乗算部91により、所定のディジタルAGCル
ープゲインLGDAGCが乗算され、加算部92において、
遅延部93から入力される前回までの積算値に加算され
て、ディジタルAGC利得増分ΔGDAGCとして後段に出力
される。ディジタルAGC64に入力されたディジタルAGC
利得増分ΔGDAGCは、加算部101により、ディジタル
AGC利得初期値が加算されてディジタルAGC利得G DAGCと
され、乗算部102により、ディジタル適応等化フィル
タ60の出力に乗算されて、後段のディジタルPLL部6
5に出力される。
ィルタ63に入力される振幅誤差は、ディジタルAGCル
ープゲイン乗算部91により、所定のディジタルAGCル
ープゲインLGDAGCが乗算され、加算部92において、
遅延部93から入力される前回までの積算値に加算され
て、ディジタルAGC利得増分ΔGDAGCとして後段に出力
される。ディジタルAGC64に入力されたディジタルAGC
利得増分ΔGDAGCは、加算部101により、ディジタル
AGC利得初期値が加算されてディジタルAGC利得G DAGCと
され、乗算部102により、ディジタル適応等化フィル
タ60の出力に乗算されて、後段のディジタルPLL部6
5に出力される。
【0097】次に、図12乃至図16は、プリアンブル
・パターンが入力された場合における、図3に示した本
発明の一実施の形態であるディジタル磁気記録再生装置
における振幅誤差計算部62の出力と、図2に示した従
来のディジタルPLL搭載信号処理装置における振幅誤差
計算部26の出力との比較結果を示している。
・パターンが入力された場合における、図3に示した本
発明の一実施の形態であるディジタル磁気記録再生装置
における振幅誤差計算部62の出力と、図2に示した従
来のディジタルPLL搭載信号処理装置における振幅誤差
計算部26の出力との比較結果を示している。
【0098】すなわち、図12は、A/Dコンバータ2
3,57に対する入力信号の振幅の理想値を1.0と
し、実際の入力信号の振幅を0.8とした場合に対応す
る振幅誤差の変動を示している。同様に、図13乃至図
16は、A/Dコンバータ23,57に対する入力信号
の振幅の理想値を1.0とし、実際の入力信号の振幅
を、0.9,1.0,1.1、または1.2とした場合
のそれぞれ対応する振幅誤差の変動を示している。
3,57に対する入力信号の振幅の理想値を1.0と
し、実際の入力信号の振幅を0.8とした場合に対応す
る振幅誤差の変動を示している。同様に、図13乃至図
16は、A/Dコンバータ23,57に対する入力信号
の振幅の理想値を1.0とし、実際の入力信号の振幅
を、0.9,1.0,1.1、または1.2とした場合
のそれぞれ対応する振幅誤差の変動を示している。
【0099】なお、図2に示した従来のディジタルPLL
搭載信号処理装置におけるAGC帰還ループのループディ
レイは、図3に示した本発明の一実施の形態であるディ
ジタル磁気記録再生装置における第2のAGC帰還ループ
に比較して、20Tchだけ遅延時間が長く、ローレンツ
波形と再生符号パターンの積の時間軸上での重ねあわせ
によって生成したヘッド再生信号にはノイズが重畳され
ていないものとする。
搭載信号処理装置におけるAGC帰還ループのループディ
レイは、図3に示した本発明の一実施の形態であるディ
ジタル磁気記録再生装置における第2のAGC帰還ループ
に比較して、20Tchだけ遅延時間が長く、ローレンツ
波形と再生符号パターンの積の時間軸上での重ねあわせ
によって生成したヘッド再生信号にはノイズが重畳され
ていないものとする。
【0100】また、ディジタルAGCループゲインLG
DAGCは、図3の第2AGC部61におけるディジタルAGC6
4が上述した入力を得た場合において、プリアンブル・
パターンのサンプリング点数が100乃至150点程度
となり、振幅誤差が微小量となるような基準で選択し
た。具体的には、ディジタルAGCループゲインLGDAGC
=24/2048=0.0117とした。
DAGCは、図3の第2AGC部61におけるディジタルAGC6
4が上述した入力を得た場合において、プリアンブル・
パターンのサンプリング点数が100乃至150点程度
となり、振幅誤差が微小量となるような基準で選択し
た。具体的には、ディジタルAGCループゲインLGDAGC
=24/2048=0.0117とした。
【0101】ただし、実際に装置を設計する場合には、
その他の帰還ループ等との兼ね合いを考慮してさらなる
綿密な検討が必要である。例えば、A/Dコンバータ5
7の入力時点で信号振幅誤差が小さいのであれば、ディ
ジタルAGCループゲインLGD AGCは、0.0117より
も小さな値でかまわない。また、プリアンブル・パター
ンの区間においても、AGC動作の初期は、ディジタルAGC
ループゲインLGDAGCの値を大きくして速やかな追従を
目指し、その後、当該値を小さくして帰還ループの安定
を目指すようにしてもよい。
その他の帰還ループ等との兼ね合いを考慮してさらなる
綿密な検討が必要である。例えば、A/Dコンバータ5
7の入力時点で信号振幅誤差が小さいのであれば、ディ
ジタルAGCループゲインLGD AGCは、0.0117より
も小さな値でかまわない。また、プリアンブル・パター
ンの区間においても、AGC動作の初期は、ディジタルAGC
ループゲインLGDAGCの値を大きくして速やかな追従を
目指し、その後、当該値を小さくして帰還ループの安定
を目指すようにしてもよい。
【0102】図12乃至図16のうち、図14は、A/
Dコンバータ23,57に対する入力が適正な場合(理
想値の1.0倍)における、振幅誤差の比較であり、両
者とも振幅誤差はほぼ零である。
Dコンバータ23,57に対する入力が適正な場合(理
想値の1.0倍)における、振幅誤差の比較であり、両
者とも振幅誤差はほぼ零である。
【0103】これに対して、図12(理想値の0.8
倍)、図13(理想値の0.9倍)、図15(理想値の
1.1倍)、および図16(理想値の1.2倍)では、
本実施の形態である第2のAGC帰還ループ(図3)が、
入力される振幅誤差を速やかに収束していることを示し
ているのに対し、従来のAGC帰還ループ(図2)では、
大きなループディレイが生じ、A/Dコンバータ23に
対する入力信号の振幅誤差が大きければ大きいほど、振
幅誤差の収束が遅くなることを示している。また、振幅
誤差には、ループディレイに起因する振動が発生してい
る。
倍)、図13(理想値の0.9倍)、図15(理想値の
1.1倍)、および図16(理想値の1.2倍)では、
本実施の形態である第2のAGC帰還ループ(図3)が、
入力される振幅誤差を速やかに収束していることを示し
ているのに対し、従来のAGC帰還ループ(図2)では、
大きなループディレイが生じ、A/Dコンバータ23に
対する入力信号の振幅誤差が大きければ大きいほど、振
幅誤差の収束が遅くなることを示している。また、振幅
誤差には、ループディレイに起因する振動が発生してい
る。
【0104】図12乃至図16から明らかなように、本
実施の形態である第2のAGC帰還ループ(図3)では、
従来のものよりもループディレイを小さくすることがで
き、A/Dコンバータ57に対する入力の初期振幅誤差
が大きいほどその効果が発揮される。
実施の形態である第2のAGC帰還ループ(図3)では、
従来のものよりもループディレイを小さくすることがで
き、A/Dコンバータ57に対する入力の初期振幅誤差
が大きいほどその効果が発揮される。
【0105】また、A/Dコンバータ57に対する入力
信号の振幅は、アナログ回路から成る第1AGC部52に
よって制御されるので、安定した信号振幅を供給するこ
とができる。よって、第2AGC部61のループゲインを
緩やかに収束するように設定することができる。
信号の振幅は、アナログ回路から成る第1AGC部52に
よって制御されるので、安定した信号振幅を供給するこ
とができる。よって、第2AGC部61のループゲインを
緩やかに収束するように設定することができる。
【0106】なお、本発明は、ディジタル磁気記録再生
装置の他、ディジタル信号を処理するあらゆる電子機器
に適用することが可能である。
装置の他、ディジタル信号を処理するあらゆる電子機器
に適用することが可能である。
【0107】上述した一連の処理は、ハードウェアによ
り実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行
させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより
実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプロ
グラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコン
ピュータ、または、各種のプログラムをインストールす
ることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば
汎用のパーソナルコンピュータなどに、例えば図3に示
す記録媒体69からインストールされる。
り実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行
させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより
実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプロ
グラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコン
ピュータ、または、各種のプログラムをインストールす
ることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば
汎用のパーソナルコンピュータなどに、例えば図3に示
す記録媒体69からインストールされる。
【0108】この記録媒体69は、コンピュータとは別
に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、
プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブ
ルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Dis
c-ReA/D Only Memory)、DVD(Digital Versatile Dis
c)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc)を含
む)、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメ
ディアにより構成されるだけでなく、コンピュータに予
め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラム
が記録されているROMやハードディスクなどで構成され
る。
に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、
プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブ
ルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Dis
c-ReA/D Only Memory)、DVD(Digital Versatile Dis
c)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc)を含
む)、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメ
ディアにより構成されるだけでなく、コンピュータに予
め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラム
が記録されているROMやハードディスクなどで構成され
る。
【0109】なお、本明細書において、記録媒体に記録
されるプログラムを記述するステップは、記載された順
序に従って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずし
も時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に
実行される処理をも含むものである。
されるプログラムを記述するステップは、記載された順
序に従って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずし
も時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に
実行される処理をも含むものである。
【0110】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、AGC帰
還ループの動作が安定しており、良質なデータ伝送特性
を得ることができる装置を実現することが可能となる。
還ループの動作が安定しており、良質なデータ伝送特性
を得ることができる装置を実現することが可能となる。
【図1】従来のアナログPLL搭載信号処理装置の構成の
一例を示すブロック図である。
一例を示すブロック図である。
【図2】従来のディジタルPLL搭載信号処理装置の構成
の一例を示すブロック図である。
の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態であるディジタル磁気記
録再生装置の構成例を示すブロック図である。
録再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】図3のディジタル磁気記録再生装置に入力され
るアナログデータ信号について説明するため図である。
るアナログデータ信号について説明するため図である。
【図5】図3のディジタル磁気記録再生装置の全体的な
動作を説明するフローチャートである。
動作を説明するフローチャートである。
【図6】図3の振幅誤差計算部62の構成例を示すブロ
ック図である。
ック図である。
【図7】PR4に等化されたSin型のプリアンブル・パ
ターンの一例を示す図である。
ターンの一例を示す図である。
【図8】PR1に等化されたSin型のプリアンブル・パ
ターンの一例を示す図である。
ターンの一例を示す図である。
【図9】図7に対応する、振幅権検出誤差とSin2振幅誤
差を比較する図である。
差を比較する図である。
【図10】図8に対応する、振幅権検出誤差とSin2振幅
誤差を比較する図である。
誤差を比較する図である。
【図11】図3のディジタル積分フィルタ63およびデ
ィジタルAGC64の構成例を示すブロック図である。
ィジタルAGC64の構成例を示すブロック図である。
【図12】プリアンブル・パターンが入力された場合に
おける、本実施の形態と従来例の振幅誤差を比較する図
である。
おける、本実施の形態と従来例の振幅誤差を比較する図
である。
【図13】プリアンブル・パターンが入力された場合に
おける、本実施の形態と従来例の振幅誤差を比較する図
である。
おける、本実施の形態と従来例の振幅誤差を比較する図
である。
【図14】プリアンブル・パターンが入力された場合に
おける、本実施の形態と従来例の振幅誤差を比較する図
である。
おける、本実施の形態と従来例の振幅誤差を比較する図
である。
【図15】プリアンブル・パターンが入力された場合に
おける、本実施の形態と従来例の振幅誤差を比較する図
である。
おける、本実施の形態と従来例の振幅誤差を比較する図
である。
【図16】プリアンブル・パターンが入力された場合に
おける、本実施の形態と従来例の振幅誤差を比較する図
である。
おける、本実施の形態と従来例の振幅誤差を比較する図
である。
51 周波数シンセサイザ, 52 第1AGC部, 5
6 アナログ等化フィルタ, 57 A/Dコンバー
タ, 58 適応等化フィルタ, 61 第2AGC部,
65 ディジタルPLL部, 68 制御部, 69
記録媒体, 81検出点振幅誤差計算部, 82 Sin2
振幅誤差計算部
6 アナログ等化フィルタ, 57 A/Dコンバー
タ, 58 適応等化フィルタ, 61 第2AGC部,
65 ディジタルPLL部, 68 制御部, 69
記録媒体, 81検出点振幅誤差計算部, 82 Sin2
振幅誤差計算部
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 5D044 AB01 BC01 CC03 DE40 FG04
FG14 FG16 GK12 GK14
5J106 AA04 CC46 DD07 DD36 FF02
FF05 KK12
Claims (5)
- 【請求項1】 補間による位相同期方式のディジタル信
号処理用位相同期ループを用いた信号処理装置におい
て、 入力されたアナログデータ信号の振幅レベルを所定の値
に維持するアナログ信号振幅調整手段と、 前記アナログ信号振幅調整手段によって振幅レベルが調
整された前記アナログデータ信号をディジタルデータ信
号に変換するA/D変換手段と、 前記ディジタルデータ信号を適応的に等化する等化手段
と、 前記等化手段によって等化されている前記ディジタルデ
ータ信号の振幅レベルを、予め想定されている振幅レベ
ルに調整するディジタル信号振幅調整手段と、 前記ディジタル信号振幅調整手段によって振幅レベルが
調整された前記ディジタルデータ信号を位相補間する位
相補間手段とを含み、 前記アナログ信号振幅調整手段には、前記A/D変換手
段に入力される前の前記アナログ信号が帰還され、 前記等化手段および前記ディジタル信号振幅調整手段に
は、前記位相補間手段によって位相補間された、等化さ
れている前記ディジタルデータ信号が帰還されることを
特徴とする信号処理装置。 - 【請求項2】 入力される前記アナログデータ信号にプ
リアンブル・パターンが設けられている場合、 前記プリアンブル・パターンの領域において、 前記等化手段は、動作を停止し、 前記ディジタル信号振幅調整手段は、ループゲインを増
加させ、 前記プリアンブル・パターンの領域に続くランダム・デ
ータ信号の領域において、 前記等化手段は、動作を再開し、 前記ディジタル信号振幅調整手段は、前記ループゲイン
を零または零に近い値に減少させることを特徴とする請
求項1に記載の信号処理装置。 - 【請求項3】 入力される前記アナログデータ信号にプ
リアンブル・パターンが設けられていない場合、 初期の所定数のサンプリング点において、 前記等化手段は、動作を停止し、 前記ディジタル信号振幅調整手段は、ループゲインを増
加させ、 前記初期の所定数のサンプリング点を経過した後、 前記等化手段は、動作を再開し、 前記ディジタル信号振幅調整手段は、前記ループゲイン
を零または零に近い値に減少させることを特徴とする請
求項1に記載の信号処理装置。 - 【請求項4】 前記ディジタル信号振幅調整手段は、前
記等化手段によって等化されている前記ディジタルデー
タ信号の振幅レベルと、前記予め想定されている振幅レ
ベルとの誤差を計算する誤差計算手段を含み、 前記誤差計算手段は、Sin2型振幅誤差計算手段および検
出点振幅誤差計算手段の少なくとも一方を含むことを特
徴とする信号処理装置。 - 【請求項5】 補間による位相同期方式のディジタル信
号処理用位相同期ループを用いた信号処理装置の信号処
理方法において、 入力されたアナログデータ信号の振幅レベルを所定の値
に維持するアナログ信号振幅調整ステップと、 前記アナログ信号振幅調整ステップの処理で振幅レベル
が調整された前記アナログデータ信号をディジタルデー
タ信号に変換するA/D変換ステップと、 前記ディジタルデータ信号を適応的に等化する等化ステ
ップと、 前記等化ステップの処理で等化されている前記ディジタ
ルデータ信号の振幅レベルを、予め想定されている振幅
レベルに調整するディジタル信号振幅調整ステップと、 前記ディジタル信号振幅調整ステップの処理で振幅レベ
ルが調整された前記ディジタルデータ信号を位相補間す
る位相補間ステップとを含み、 前記アナログ信号振幅調整ステップの処理には、前記A
/D変換ステップの処理に入力される前の前記アナログ
信号が帰還され、 前記等化ステップの処理および前記ディジタル信号振幅
調整ステップの処理には、前記位相補間ステップの処理
で位相補間された、等化されている前記ディジタルデー
タ信号が帰還されることを特徴とする信号処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002146068A JP2003338133A (ja) | 2002-05-21 | 2002-05-21 | 信号処理装置および方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002146068A JP2003338133A (ja) | 2002-05-21 | 2002-05-21 | 信号処理装置および方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003338133A true JP2003338133A (ja) | 2003-11-28 |
Family
ID=29705160
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002146068A Withdrawn JP2003338133A (ja) | 2002-05-21 | 2002-05-21 | 信号処理装置および方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003338133A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006318529A (ja) * | 2005-05-10 | 2006-11-24 | Sony Corp | 位相同期装置および方法、データ再生装置および方法、並びに、プログラム |
US7589927B2 (en) | 2005-08-30 | 2009-09-15 | International Business Machines Corporation | Dynamically adapting a read channel equalizer |
JP2012085111A (ja) * | 2010-10-12 | 2012-04-26 | Renesas Electronics Corp | デジタルpll回路、情報再生装置、ディスク再生装置および信号処理方法 |
-
2002
- 2002-05-21 JP JP2002146068A patent/JP2003338133A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006318529A (ja) * | 2005-05-10 | 2006-11-24 | Sony Corp | 位相同期装置および方法、データ再生装置および方法、並びに、プログラム |
JP4696672B2 (ja) * | 2005-05-10 | 2011-06-08 | ソニー株式会社 | 位相同期装置および方法、データ再生装置および方法、並びに、プログラム |
US7589927B2 (en) | 2005-08-30 | 2009-09-15 | International Business Machines Corporation | Dynamically adapting a read channel equalizer |
JP2012085111A (ja) * | 2010-10-12 | 2012-04-26 | Renesas Electronics Corp | デジタルpll回路、情報再生装置、ディスク再生装置および信号処理方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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