JP2003317405A - 信号処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム - Google Patents

信号処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム

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JP2003317405A
JP2003317405A JP2002117828A JP2002117828A JP2003317405A JP 2003317405 A JP2003317405 A JP 2003317405A JP 2002117828 A JP2002117828 A JP 2002117828A JP 2002117828 A JP2002117828 A JP 2002117828A JP 2003317405 A JP2003317405 A JP 2003317405A
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JP2002117828A
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Yoshiyuki Kajiwara
祥行 梶原
Hiroyuki Ino
浩幸 井野
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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  • Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ITR方式によるディジタルPLLにおいて、初期
位相誤差を小さくすることができるようにする。 【解決手段】 ゼロクロス点検出器14によりゼロクロ
ス点が検出されたとき、引き込みパターン生成器15
は、再生信号に挿入されている引き込みパターンを推定
し、セレクタ16を介して位相誤差計算器17に供給す
る。位相誤差計算器17は、補間フィルタ12からの再
生信号の位相と、引き込みパターンの位相との位相差を
計算する。平均初期位相誤差計算器18は、複数の位相
誤差の平均を算出する。位相オフセット量計算器21
は、位相誤差の平均値をPA22が発振するデータの時間
軸上の値に変換する。PA22は、算出された位相オフセ
ット量に基づいて位相を補正する。補間フィルタ12
は、PA22の位相に基づいて再生信号を補間する。その
後、PLL制御が開始される。本発明は、ディジタル磁気
記録再生装置に適用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、信号処理装置およ
び方法、記録媒体、並びにプログラムに関し、特に、デ
ィジタル信号を適切に再生することができるようにした
信号処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年ディジタル回路の製造プロセスが微
細化されるにともなって、従来と同等の規模の回路と比
較した場合にディジタル回路の消費電力は低減する傾向
にあり、アナログ回路の消費電力は、ディジタル回路に
比べ、相対的に電力消費が多く、またディジタル回路が
その動作を内部の数学的なビット演算で行うためチップ
の個体差が原理的に生じないのに対し、アナログ回路は
チップ内部のアナログ素子自体の性能にばらつきが生じ
る可能性があり、また動作温度などの環境要因によって
同一のチップにおいても特性を変化させる可能性がある
ため、アナログ回路全体としても性能の個体差および動
作のばらつきが生じる可能性を原理的に保持している。
したがってアナログ回路とディジタル回路が混載する、
例えば、磁気記録用ディジタルデータ再生装置または光
記録若しくは光磁気記録用ディジタルデータ再生装置に
おいては、LSIチップの歩留まり向上および動作の安定
を図るためにそれを構成する回路要素を動作のばらつき
が少なく、製造過程でのチップテスト手法が確立されて
いるディジタル回路で実現することが求められている。
ディジタル記録またはディジタル伝送されたデータの位
相同期を取るPLL回路も、ディジタル化が図られている
回路要素のひとつである。
【0003】PLL回路のディジタル化には各種の手法が
提案されている。
【0004】ディジタル通信の分野においては、補間に
よる位相同期(Interpolated Timing Recovery)(以
下、ITRと略称する)方式が実用化されている。なお、
この技術については、例えば、Floyd M. Gardnerの"Int
erpolation in Digital Modems- Part I: Fundamental
s", IEEE Transaction Communications , Vol.41、pp50
1-507、March 1993に詳細に示されている。
【0005】また、ITR方式のディジタルPLL制御技術
は、磁気記録用データ再生装置にも応用されている。そ
の技術については、例えば、Zi-Ning WuおよびJohn M.
Cioffiの"A MMSE Interpolated Timing Recovery Schem
e for The Magnetic RecordingChannel," Communicatio
ns, 1997. ICC '97 Montreal, Towards the KnowledgeM
illennium. 1997 IEEE International Conference on,
Volume: 3, 1997 pp1625 -1629 vol.3、またはMark Sp
urbeck, Richard T. Behrensの"InterpolatedTiming Re
covery for Hard Disk Drive Read Channels" Communic
ations, 1997.ICC '97 Montreal, Towards the Knowled
ge Millennium. 1997 IEEE International Conference
on, Volume: 3, 1997 pp1618 -1624 vol.3に詳細に示
されている。
【0006】ここでITR方式によるPLL制御とは、
再生信号の位相と、PA(位相積算器(Phase Accumulato
r))から出力される整数値が示す位相との位相誤差に
基づいて、ディジタルフィルタなどで再生信号を補間
し、再生信号の位相を制御するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ディジタル信号処理に
よるPLL回路に求められる性能の1つとして、再生信号
の位相を、短時間に所望の位相まで引き込むこと(位相
同期をとること)が挙げられる。
【0008】なお、PLL制御開始時(引き込み開始時)
における、所望する位相と再生信号の位相との位相差
(位相誤差)を初期位相誤差と称すると、初期位相誤差
が大きいほど、位相引き込みにおける位相誤差の減衰振
動の振幅は大きく、その結果、位相引き込みに時間がか
かる。したがって位相の引き込みを迅速に行うためには
初期位相誤差を小さくすることが必要となる。
【0009】従来、一般的に用いられてきたVCO (Volta
ge Controlled Oscillator)を利用したアナログ回路に
よるPLL制御装置においては、さまざまな回路構成から
なるゼロ位相補正回路により初期位相誤差を小さくする
試みがなされているが、その技術をそのまま、ITR方式
を用いたディジタルPLL制御に応用することはできな
い。
【0010】上記ゼロ位相補正回路の一例をあげる。装
置中に入力されるアナログ信号が通常磁気記録再生で用
いられるPR4またはPR1等化されていて、その理想検出符
号値として{-1, 0, 1}の3値を取る場合、信号の正負が
変わるゼロクロス点または信号のピーク点を利用し、そ
の後に再生される符号を推定する。アナログ回路におい
ては信号が時間的に連続しているため、ゼロクロス点ま
たはピーク点を正確に検出することができるため、その
検出精度は高い。信号のピーク値を検出する方法の例と
して、アナログフィルタの出力信号を全波整流器でその
絶対値をとり、その結果得られたアナログ信号の絶対値
の微分をとることで信号のピーク点を簡単に検出するこ
とができる。
【0011】それに対してディジタル回路の場合、ディ
ジタル信号は離散的な信号であるので、例えば、ゼロク
ロス点検出においては、信号の正負の変化を検出したと
きに最大でサンプリング周期Tsだけの誤差が生じる可
能性があり、セロクロス点を基準にとってゼロ位相補正
をする場合にはその動作にばらつきが生じる。
【0012】このように、ITR方式を用いたディジタルP
LL制御において、従来のVCOを使用したアナログ回路に
よるPLL装置で用いられるゼロ位相補正装置をそのまま
の回路構成で使用することはできなかった。
【0013】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、ITR方式を用いたディジタルPLL制御におい
て、初期位相誤差を小さな値に抑制し、位相の引き込み
を迅速に行うことができるようにするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の信号処理装置
は、再生信号に組み込まれた引き込みパターンの実再生
信号値から正しい再生ビットパターンを推定する推定手
段と、再生信号に組み込まれた引き込みパターンから実
再生信号値を読み取る読み取り手段と、推定手段により
推定された引き込みパターンの実再生信号値から得られ
た正しい再生ビットパターンと、読み取り手段により読
み取られた引き込みパターンから得られる実再生信号値
を利用して位相誤差を計算する第1の計算手段と、第1
の計算手段により計算されたN個分の位相差の平均値を
計算する第2の計算手段と、第2の計算手段により計算
された平均値に基づいて、位相積算器から出力される整
数値が示す位相と再生信号の位相が同期するように、位
相積算器を制御する制御手段と、制御手段により位相積
算器が制御された後、位相制御処理を開始する実行手段
とを備えことを特徴とする。
【0015】制御手段は、位相誤差が、再生信号のチャ
ンネルクロック周期Tchで正規化された実質的な位相誤
差と所定の値との乗算で表されるとき、所定の値を、平
均値に除算して、位相誤差を、位相積算器から出力され
る整数値で示された位相の時間軸上の値に変換し、変換
された位相誤差に基づいて、位相積算器を制御すること
ができる。
【0016】本発明の信号処理方法は、再生信号に組み
込まれた引き込みパターンより、その正しい再生ビット
パターンを推定する推定ステップと、再生信号に組み込
まれた引き込みパターンの実再生信号値を読み取るため
の読み取りステップと、推定ステップの処理で推定され
た引き込みパターンの正しい再生ビットパターンと、読
み取りステップの処理で読み取られた引き込みパターン
の実再生信号値を利用して位相誤差を計算する第1の計
算ステップと、第1の計算ステップの処理で計算された
N個分の位相誤差の平均値を計算する第2の計算ステッ
プと、第2の計算ステップの処理で計算された平均値に
基づいて初期位相誤差を検出し、位相積算器から出力さ
れる整数値が示す位相と再生信号の位相が同期するよう
に初期位相誤差相当の位相を補正するように位相積算器
を制御する制御ステップと、制御ステップの処理で位相
積算器が制御された後、位相制御処理を開始する実行ス
テップとを含むことを特徴とする。
【0017】本発明の記録媒体のプログラムは、再生信
号に組み込まれた引き込みパターンより、その正しい再
生ビットパターンの推定を制御する推定制御ステップ
と、再生信号に組み込まれた引き込みパターンの実再生
信号値の読み取りを制御する読み取り制御ステップと、
推定制御ステップの処理で推定された引き込みパターン
の正しい再生ビットパターンと、読み取り制御ステップ
の処理で読み取られた引き込みパターンの実再生信号値
を利用して位相誤差の計算を制御する第1の計算制御ス
テップと、第1の計算制御ステップの処理で計算された
N個分の位相誤差の平均値の計算を制御する第2の計算
制御ステップと、第2の計算制御ステップの処理で計算
された平均値に基づいて初期位相誤差を検出し、位相積
算器から出力される整数値が示す位相と再生信号の位相
が同期するように、位相積算器を制御する制御ステップ
と、制御ステップの処理で位相積算器が制御された後、
位相制御処理を開始する実行制御ステップとを含むこと
を特徴とする。
【0018】本発明のプログラムは、再生信号に組み込
まれた引き込みパターンより、その正しい再生ビットパ
ターンの推定を制御する推定制御ステップと、再生信号
に組み込まれた引き込みパターンの実再生信号値の読み
取りを制御する読み取り制御ステップと、推定制御ステ
ップの処理で推定された引き込みパターンの正しい再生
ビットパターンと、読み取り制御ステップの処理で読み
取られた引き込みパターンの実再生信号値を利用して位
相誤差の計算を制御する第1の計算制御ステップと、第
1の計算制御ステップの処理で計算されたN個分の位相
誤差の平均値の計算を制御する第2の計算制御ステップ
と、第2の計算制御ステップの処理で計算された平均値
に基づいて初期位相誤差を検出し、位相積算器から出力
される整数値が示す位相と再生信号の位相が同期するよ
うに、位相積算器を制御する制御ステップと、制御ステ
ップの処理で位相積算器が制御された後、位相制御処理
を開始する実行制御ステップとを含む処理をコンピュー
タに実行させることを特徴とする。
【0019】本発明の信号処理装置および方法、並びに
プログラムにおいては、再生信号に組み込まれた引き込
みパターンより、その正しい再生ビットパターンが推定
され、再生信号に組み込まれた引き込みパターンの実再
生信号値が読み取られ、推定された引き込みパターンの
正しい再生ビットパターンと、読み取られた引き込みパ
ターンの実再生信号値を利用して位相誤差が計算され、
計算されたN個分の位相誤差の平均値が計算され、計算
された平均値に基づいて初期位相誤差を検出し、位相積
算器から出力される整数値が示す位相と再生信号の位相
が同期するように、位相積算器が制御され、位相積算器
が制御された後、位相制御処理が開始される。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、本発明を適用したディジ
タル磁気記録再生装置におけるディジタルPLL回路4の
構成例を示している。
【0021】このPLL回路4には、アナログ等化フィル
タ2により等化された磁気ヘッド再生信号h(t)がA/Dコ
ンバータ3によりディジタル信号にされた入力信号x(k
T)、周波数fsの動作クロックSC、および論理積回路1
からの、動作クロックSCに同期したリード・ゲート信号
RGおよびアクイジション・ゲート信号ACQの論理積信号
が供給される。またリード・ゲート信号RGおよびアクイ
ジション・ゲート信号ACQは、内部の装置制御のために
直接入力されている。
【0022】図示せぬ磁気ヘッドにより読み出された再
生信号h(t)には、図2に示すように、ランダム・データ
としての再生データの前段に、300ビット分の引き込み
パターン(プリアンブル・パターン)が記録時に前もっ
て挿入されている。このパターンは、例えば、・・・,
1, 1, 0, 0, 1, 1, 0, 0, 1, 1,
・・・のようなデータ列で、チャンネル周期Tch(Tch
=1/fch)の4倍の周期で1周期となるようなパターン
である。
【0023】なお、このプリアンブル・パターンから
は、再生時において、再生信号がパーシャル・レスポン
ス・クラス1(PR1)等化された場合、(・・・, 1,
0, −1, 0, 1, 0, −1,・・・)の既知の
検出ビットパターンが読み取られ、パーシャル・レスポ
ンス・クラス4(PR4)等化された場合、(・・・,1,
1,−1, −1, 1, 1,−1, −1,・・・)の
既知の検出ビットパターンが読み取られる。
【0024】信号RGは、図2に示すように、プリアンブ
ル・パターンおよびランダム・データが再生信号として
入力されているとき、1となり、それ以外の無効信号が
再生信号として入力されているとき、0となる信号であ
る。信号ACQは、再生信号のプリアンブル・パターンが
終了した時点から、ランダム・データが入力される間0
となり、信号RGが0のとき1となる信号である。すなわ
ち、プリアンブル・パターンが再生信号として入力され
ているとき、PLL回路4に供給される、信号RGおよび信
号ACQの論理積をとった信号RG^ACQ(図6)は1とな
る。
【0025】動作クロックSCは、図示せぬ周波数シンセ
サイザにおいて所定の基準クロックから生成される。PL
L回路4の各部の動作は、動作クロックSCに同期して行
われる。
【0026】図1に戻り、論理積回路1は、供給される
信号RGおよび信号ACQの論理積を演算し、その演算結果
としての信号RG^ACQを、PLL回路4のゼロクロス点検出
器14およびセレクタ16に供給する。
【0027】アナログ等化フィルタ2は、供給されたヘ
ッド再生信号h(t)を適正に等化し、A/Dコンバータ3に
供給する。
【0028】A/Dコンバータ3は、アナログ等化フィル
タ2からの信号を、動作クロックSCの周期数fsでサン
プリングし、そのサンプリング結果を、PLL回路4のデ
ィジタル等化フィルタ11に供給する。
【0029】この例の場合、周波数fsは、下記の式で
表される。すなわち周波数fsは、再生信号のチャンネ
ル周波数fchより高い周波数である。 fs= (16/15)×fch
【0030】PLL回路4は、ITR方式を利用したディジタ
ルPLL制御を行うが、PLL制御を開始するに先立ち、ゼロ
クロス点の検出時に再生信号に組み込まれた引き込みパ
ターンの実再生信号値から推定される正しい再生ビット
パターンと、引き込みパターンの実再生信号値の位相誤
差の平均値に基づいて、PA22の位相φを補正する。こ
のようにPA22の位相φを補正することにより、PLL制
御開始時の位相誤差(初期位相誤差)を小さくすること
ができるので、位相の引き込みを迅速に行うことができ
る。
【0031】PLL回路4は、ディジタル等化フィルタ1
1、補間フィルタ12、3値検出器13、ゼロクロス点
検出器14、強制引き込みパターン生成器15、セレク
タ16、位相誤差計算器17、平均初期位相誤差計算器
18、セレクタ19、2次ループフィルタ20、位相オ
フセット量計算器21、およびPA22から構成される。
【0032】ディジタル等化フィルタ11は、A/Dコン
バータ3からのディジタル信号(再生信号)を、所望の
等化方式で等化する。
【0033】なお、前段のアナログ等化フィルタ2によ
る等化と後段のディジタル等化フィルタ11による等化
の総伝達関数は、入力された再生信号の波形を所望の等
化方式に等化するものであり、例えばパーシャル・レス
ポンス・クラス1(PR1)、またはパーシャル・レスポン
ス・クラス4(PR4)に等化する場合、( 1 + D )、また
は( 1 D2 )となる。
【0034】また、ディジタル等化フィルタ11は、デ
ィジタルFIRフィルタまたはIIRフィルタで構成すること
ができるが、この例の場合、タップ数32のディジタル
FIRフィルタから構成されている。
【0035】補間フィルタ12は、図3に示すように、
タップ数8のFIRフィルタで構成さされている。補間フ
ィルタ12は、PA22から指定された位相φに対応した
タップ係数を用いて、ディジタル等化フィルタ11から
のディジタル信号を補間してその位相を調整する。すな
わち補間フィルタ12のタップ係数をPA22からの位相
φに応じて変動させて、再生信号を補間することで、再
生信号の位相に追従することができるようになされてい
る。
【0036】なおこの例の場合、チャンネル周期Tch
(= 1/ fch)は128等分されているので、PA22から
の位相φは、0乃至127の中のいずれかの値で表され
る。
【0037】補間フィルタ12のタップ係数は、例え
ば、下記の式に示すように、窓関数w(k)(式(2))を
乗じたSINC関数sinc(k)(式(1))としてのタップ係
数g(k)とすることができる。式(2)中のMは、タップ
数で、この例の場合8である。 g(k) =w(k)×sinc(k)
【数1】
【数2】
【0038】図4は、w(k)、sinc(k)、およびg(k)の軌
跡を表し、図5は、g(k)を用いた場合の係数器51−1
乃至係数器51−8(図3)におけるタップ係数a[0]
[φ]乃至タップ係数[7][φ]を表している。
【0039】なお、補間フィルタ12のタップ数は、デ
ィジタル信号(再生信号)の位相を、PA22からの位相
φに対応させて変化させることができるものであればよ
く、SINC関数、または多項式による補間係数とすること
もできる。
【0040】補間フィルタ12からの信号y(k)は、3値
検出器13、ゼロクロス点検出器14、および位相誤差
計算器17に供給される。
【0041】図1に戻り、3値検出器13は、補間フィ
ルタ12からの信号y(k)の元々のビット値を、検出閾値
に基づいて検出するスライサーであり、信号y(k)から、
1、0、または−1のいずれかの値を検出し、その検出
結果を検出ビットz0(k)としてセレクタ16に出力す
る。この例の場合、検出点レベルは1.0であり、信号
y(k)のレベルが0.5以上である場合、1が検出ビット
とされ、0.5未満で−0.5より大きい場合、0が検
出ビットとされ、−0.5以下の場合、−1が検出ビッ
トとされる。
【0042】なお、再生信号に対しては、信号y(k)
を適切に3値化することができるように、レベル調整が
なされているものとする。
【0043】ゼロクロス点検出器14は、論理積回路1
から、図6に示すように1の信号RG^ ACQが入力されて
いるとき、補間フィルタ12から供給された、現時刻k
の信号y(k)と一時刻前の信号y(k-1)の符号を比較し、符
号が変化したか否かを判定する(プラスからマイナス、
またはマイナスからプラスに変化したかを判定する)。
そしてゼロクロス点検出器14は、符号が変化していな
いとき0で、信号RG ^ACQが1の間に初めて符号が変化し
たとき所定の時間だけ1となるゼロクロス点検出フラグ
en_ZCRS(図6)を発生し、強制引き込みパターン生成
器15および平均初期位相誤差計算器18に供給する。
【0044】ゼロクロス点検出器14はまた、符号が変
化したと判定したとき、信号y(k)の符号を表す信号sign
(y(k))(プラスまたはマイナスを表す信号)を、強制引
き込みパターン生成器15に出力する。
【0045】強制引き込みパターン生成器15は、ゼロ
クロス点検出器14からのゼロクロス点検出フラグen_Z
CRSが1になったとき、このときゼロクロス点検出器1
4から供給される信号sign(y(k))に基づいて、強制引き
込みパターンz1(k)を推定(生成)する。
【0046】例えば、図7に示すように、信号y(k-1)
が正の値で、信号y(k)が負の値であり、ゼロクロス点
検出器14からマイナスを表す信号sign(y(k))が供給さ
れた場合、再生信号がPR1等化されているとき、図8に
示すように、(0,−1,0,1,0,−1,・・・)
が、またPR4等化されているとき、(−1,−1,1,
1,−1,−1,・・・)が強制引き込みパターンz1
(k)として推定される。
【0047】また、図9に示すように、信号y(k-1)が
負の値で、信号y(k)が正の値であり、ゼロクロス点検
出器14からプラスを表す信号sign(y(k))が供給された
場合、図10に示すように、再生信号がPR1等化されて
いるとき、(0,1,0,−1,0,1・・・)が、ま
たPR4等化されているときとき、(1,1,−1,−
1,1,1,・・・)が強制引き込みパターンz1(k)と
して推定される。
【0048】なお、強制引き込みパターン生成器15
は、ゼロクロス点検出フラグen_ZCRSが0の間(図6)、
値0の列を強制引き込みパターンz1(k)としてセレクタ
16に出力する。
【0049】セレクタ16は、論理積回路1から、1の
信号RG^ACQ(図6)が入力されているとき、強制引き
込みパターン生成器15からの強制引き込みパターンz1
(k)を、位相誤差計算用検出パターンz(k)として選択
し、位相誤差計算器17に出力する。一方、0の信号RG
^ACQが入力されているとき、セレクタ16は、3値検
出器13からの検出ビットz0(k)を位相誤差計算用検出
パターンz(k)として選択し、位相誤差計算器17に出力
する。
【0050】位相誤差計算器17は、補間フィルタ12
からの信号y(k)およびセレクタ16からの位相誤差計
算用検出パターンz(k)を利用して式(3)を演算して、
位相誤差Δτ(k)を計算し、平均初期位相誤差計算器
18およびセレクタ19に供給する。
【数3】
【0051】なお、式(3)は、Roy D. Cideciyan, F.
Dolivo, et al. "A PRML System for Digital Magneti
c Recording" IEEE Journal on Selected Areas in Com
muninations, Volume: 10, NO.1, January 1992. Page
(s): 38-56.に記載されているタイミング勾配の式であ
り、この式によれば、位相誤差Δτ(k)を、詳細は後
述する位相誤差計算利得に比例した値として近似的に計
算することができる。
【0052】平均初期位相誤差計算器18は、図6に示
すように、ゼロクロス点検出器14から1のゼロクロス
点検出フラグen_ZCRSが入力され終わったときから一定
時間経過した後、内部信号であるフラグen_AVPE を、所
定時間(位相誤差計算器17から、所定の数の位相誤差
Δτが入力される時間)だけ1にするとともに、1のフ
ラグen_AVPE を発生している間、位相誤差計算器17か
らの位相誤差Δτの平均値(平均初期位相誤差Δτav
e)を計算する。
【0053】平均初期位相誤差計算器18は、平均初期
位相誤差Δτaveを計算し終えたときから所定時間経過
後、1の平均初期位相誤差ロードフラグen_LAVPE(図
6)を所定の時間だけ発生し、計算した平均初期位相誤
差Δτaveとともに、位相オフセット量計算器21に供
給する。
【0054】平均初期位相誤差計算器18はまた、図6
に示すように、1の平均初期位相誤差ロードフラグen_L
AVPEを発生し終えたときから、位相オフセット量計算器
21乃至補間フィルタ12の処理により、算出した平均
初期位相誤差Δτaveに基づいて再生信号の位相が補間
されるまでの時間だけ待って、1のPLL動作フラグen_PL
Lを発生し、セレクタ19に供給する。
【0055】平均される位相誤差Δτの数は任意である
が、引き込みパターン、重畳されるノイズ等によって最
適な数が変わるが、より迅速に位相を引き込みたい場合
には少ない数とし、位相誤差の平均値計算の精度を上げ
たい場合には多い数とすることができる。
【0056】例えばこの例の場合のように、プリアンブ
ル・パターンを用いてPLLの引き込みを開始する場合、
毎サンプリング時刻における位相誤差の値を理想的に同
じ値とすることができるので、平均をとる位相誤差Δτ
の数を少なくすることができる。これに対してランダム
なデータパターンを用いて、PLLの引き込みを開始する
場合、毎サンプリング時刻における位相誤差がばらつく
可能性があるので、平均をとる位相誤差Δτの数を増や
す必要がある。
【0057】またハードウェア化を考慮した場合には、
平均をとる位相誤差Δτの数を、2のベキ乗とすること
によって、平均初期位相誤差の計算による除算を簡略化
することができる。
【0058】なお、この例の場合、16個分の位相誤差
Δτの平均が計算される。
【0059】セレクタ19は、平均初期位相誤差計算器
18から、0のPLL動作フラグen_PLL(図6)が供給さ
れているとき、別途入力される0を実効位相誤差Δτef
f (k)として選択し、2次ループフィルタ20に供給す
る。一方、1のPLL動作フラグen_PLLが供給されていると
き、セレクタ19は、位相誤差計算器17からの位相誤
差Δτ(k)を実効位相誤差Δτeff (k)として選択し、2
次ループフィルタ20に供給する。すなわち、PLLの動
作は、PLL動作フラグen_PLLによって制御され、PLL動作
フラグen_PLLが0であるとき、PLL動作は実質行われな
い。
【0060】2次ループフィルタ20は、この例の場
合、IIRフィルタによって構成されており、式(4)に
示す伝達関数HLoop(D)に従って、例えば、セレクタ19
を介して供給される、位相誤差計算器17からの位相誤
差Δτをフィルタリングし、その結果を位相オフセット
量計算器21に供給する。ただし、Dは、1クロック遅
延演算子である。
【数4】
【0061】式(4)中、フィルタ係数Kp,Ki は、P
LLのループ全体の利得を考慮した閉ループ伝達関数を求
めるときの特性方程式が式(5)で示されたときに、そ
の減衰定数ζが約0.7〜0.95程度になるようなも
のであり、所望する引き込み特性によって調整される。
【数5】
【0062】位相オフセット量計算器21は、式(6)
に従って、位相のオフセット量Δφ(k)を算出し、PA2
2に供給する。PA22は、位相オフセット量計算器21
からの位相オフセット量Δφ(k)だけ、位相φ(k)をずら
す(補正する)。
【数6】
【0063】ここで式(6)中の位相誤差検出利得Kpd
について説明する。
【0064】例えば、PR4のプリアンブル・パターンの
波形を、図11に示すようにSin型波形とした場合(そ
のとき得られる検出ビットパターンは(・・・, 1,
1,−1,−1,1, 1, −1,−1,・・・))、
検出点での信号レベルをVenvとすると、図11に示すSi
n波形は式(7)で表される。
【数7】
【0065】またこの場合、時刻kと時刻k-1における位
相誤差τk,τk-1が近似的にτk =τk-1であり、かつ位
相誤差は十分に小さいと仮定すれば、式(3)を式
(8)のように展開することができる。
【数8】
【0066】この場合式(8)中のVenv×πが、位相
誤差検出利得Kpdとなる。すなわち、再生信号をパーシ
ャル・レスポンス・クラス4(PR4)等化した場合、引き
込みパターンz1(k)と再生信号の信号y(k)の位相誤差
Δτは、位相誤差検出利得Kpdと(τk /Tch)の乗算で
表され、その(τk /Tch)は、チャンネル周期Tchで規
格化された位相誤差τkを表しているので、式(6)に
示したように、平均初期位相誤差Δτaveを位相誤差検
出利得Kpdで除算することで、平均初期位相誤差Δτav
eを、PA22が出力する整数値で表された位相の変化量
に変換することができる。
【0067】なお、この例の場合、Venv=1.0である
ので、PR4の場合の位相誤差検出利得Kpd(式(9))
は、近似的にπとなる。
【数9】
【0068】また式(8)に示す展開にあたって、Sin
関数の一次式での展開の式(10)を用いているので、
(τk /Tch)が小さい領域以外では良好な近似ではない
が、おおよその位相誤差検出利得Kpdの値を見積もるに
は問題ない。ただし(τk /Tch)が大きな領域になると
近似の誤差が生じ、またランダムなデータ列が入力され
た場合、近似誤差が生じる。
【数10】
【0069】図12は、Sin型波形のPR1のプリアンブル
・パターンを表している(そのとき得られる検出ビット
パターンは(・・・,1,0,−1,0 ,1,0,−
1,0,・・・))。図12に示すSin波形は式(1
1)で表される。
【数11】
【0070】時刻kと時刻k-1における位相誤差τk,τk
-1が近似的にτk =τk-1であり、かつ位相誤差は十分に
小さいと仮定すれば、式(3)を式(12)のように展
開することができる。
【数12】
【0071】この場合式(12)中のVenv×(π/
2)が位相誤差検出利得Kpdとなる。すなわち、再生信
号をパーシャル・レスポンス・クラス1(PR1)等化した
場合も、引き込みパターンz1(k)と再生信号の信号y
(k)の位相誤差Δτは、この位相誤差検出利得Kpdと(τ
k /Tch)の乗算で表され、その(τk /Tch)は、チャ
ンネル周期Tchで規格化された位相誤差τkを表してい
るので、式(6)に示したように、平均初期位相誤差Δ
τaveを位相誤差検出利得Kpdで除算することで、平均
初期位相誤差Δτaveを、PA22が出力する整数値で表
された位相の変化量に変換することができる。
【0072】なお、この例の場合、Venv=1.0である
ので、この場合の位相誤差検出利得Kpd(式(13))
は、近似的にπ/2となる。
【数13】
【0073】また式(12)に示す展開にあっては、PR
4等化された信号の場合と同様に(式(8)に展開する
場合と同様に)、(τkk/ Tch)が小さい領域以外で
は良好な近似ではないが、おおよその位相誤差検出利得
Kpdの値を見積もるには問題ない。また(τk /Tch)が
大きな領域になると近似の誤差が生じ、またランダムな
データ列が入力された場合、近似誤差が生じる。
【0074】式(6)の説明に戻り、式(6)中、平均
初期位相誤差ロードフラグen_LAVPEが乗じてある項は、
平均初期位相誤差の補正項であり、en_LAVPEが1となっ
た一時刻だけその値を持つ。
【0075】式(6)中のG0は、2次ループフィルタ
20の出力Δμ(k)をPA22が発振するデータの時間上
の値に変換する係数であり、これはITR方式によるPLL制
御において固有のものであって、PLLループ中の総利得
と関係する値である。G1は、平均初期位相誤差を補正
する係数(以下、平均初期位相誤差補正利得と称する)
である。
【0076】なお、平均初期位相誤差補正利得G1につ
いては、実際は高次の項を無視したこと、プリアンブル
・パターンの波形をSin波形に近似したことによる誤
差、等化方式やその再生システムのノイズの振る舞いや
位相誤差計算器17の非線形性などに位相誤差の出力が
依存するので、初期位相誤差のシミュレーション結果に
基づいて、最良のG1の値を決定することが望ましい。
なお、このシミュレーションについては後述する。
【0077】PA22は、いわゆるディジタル・アキュミ
ュレーターであり、PLLの位相分解能をNとしたならば、
0からN−1までのいずれかの値を取り、その値が、チ
ャンネル周期TchをN等分した場合の位相を表す。
【0078】PA22はまた、位相オフセット量計算器2
1からの位相オフセット量Δφ(k)に基づいて位相補正
を行う。具体的には、PA22の位相φ(k)が、式(1
4)に従って算出される値に合わせられる。
【数14】
【0079】式(14)中、―Δφ0はITR方式のPLL装
置固有のものである。これはA/Dコンバータのサンプリ
ング周波数fsが入力信号のチャンネル周波数fchよりも1
6/15倍だけ高いため、毎時刻にその分の位相進みを補正
しなければならない。その位相補正量は装置固有である
ため、定数―Δφ0を毎時刻補正する。またITR方式のPL
L装置は生来出力される信号に周期的に不連続なものが
現れる。本例においては式(14)のφ(k)が負になっ
たときに発生し、そのときφ(k)はModulo 128の計算が
行われ、理論上一時刻前の信号と同じ信号が出力され
る。このようにModulo128の計算が行われたときの信号
は不要なサンプリング点として破棄される。
【0080】式(14)中のφ(k−1)は、一時刻前
のPA位相である。
【0081】次に、論理積回路1からの信号RG ^ ACQが
1である場合のPLL回路4の動作を、図13のフローチ
ャートを参照して説明する。なお、論理積回路1からの
信号RG ^ ACQが1であるとき、セレクタ19に入力され
る、平均初期位相誤差計算器18からのPLL動作フラグe
n_PLLは0であるので、2次ループフィルタ20には、
セレクタ19から0が実効位相誤差Δτeffとして入力
される。すなわち、このときPLL制御は実質的に行わ
れない。
【0082】ステップS1において、ゼロクロス点が検
出される。すなわちゼロクロス点検出器14は、補間フ
ィルタ12からの、現時刻kの信号y(k)と一時刻前の信
号y(k-1)の符号を比較し、符号が変化したか否かを判定
する。ゼロクロス点検出器14は、符号が変化したと判
定したとき、強制引き込みパターン生成器15および平
均初期位相誤差計算器18に供給するゼロクロス点検出
フラグen_ZCRS(図6)を1とするとともに、符号が変
化したと判定したときの信号y(k)の信号sign(y(k))を、
強制引き込みパターン生成器15に出力する。
【0083】次に、ステップS2において、強制引き込
みパターンz1(k)が推定される。すなわち、強制引き込
みパターン生成器15は、ゼロクロス点検出器14から
のゼロクロス点検出フラグen_ZCRSが1になったとき、
このときゼロクロス点検出器14から供給される信号si
gn(y(k))に基づいて、強制引き込みパターンz1(k)を推
定し、セレクタ16に供給する。セレクタ16にはいま
の場合、1の信号RG^ACQが入力されているので、セレ
クタ16は、強制引き込みパターン生成器15からの強
制引き込みパターンz1(k)を、位相誤差計算用検出パ
ターンz(k)として選択し、位相誤差計算器17に供給す
る。
【0084】例えば、図8または図10に示したような
強制引き込みパターンz1(k)が推定され、それが位相誤
差計算用検出パターンz(k)として、位相誤差計算器17
に供給される。
【0085】ステップS3において、位相誤差計算器1
7は、式(3)に従って、位相誤差Δτを計算し、平均
初期位相誤差計算器18に供給する。
【0086】次に、ステップS4において、平均初期位
相誤差Δτaveが計算される。すなわち、平均初期位相
誤差計算器18は、ゼロクロス点検出器14から1のゼ
ロクロス点検出フラグen_ZCRS(図6)が入力され終わ
ったときから一定時間経過後、内部信号であるフラグen
_AVPE を所定時間(この例の場合、位相誤差計算器17
から、16個の位相誤差Δτが入力される時間)だけ1
とするとともに、1のフラグen_AVPE を発生している
間、位相誤差計算器17から入力された位相誤差Δτの
平均値(平均初期位相誤差Δτave)を計算する。
【0087】平均初期位相誤差計算器18は、平均初期
位相誤差Δτaveを計算し終えたときから所定時間経過
後、1の平均初期位相誤差ロードフラグen_LAVPEを所定
の時間だけ発生し、計算した平均初期位相誤差Δτave
とともに、位相オフセット量計算器21に供給する。
【0088】次に、ステップS5において、PA22の位
相補正が行われる。すなわち、位相オフセット量計算器
21は、式(6)に従って、位相のオフセット量Δφ
(k)を算出し、PA22に供給する。
【0089】PA22は、位相オフセット量計算器21か
ら供給された位相オフセット量Δφ(k)を利用して、式
(14)を演算し、その結果得られた位相φ(k)を補間
フィルタに供給する。補間フィルタ12は、PA22から
供給された整数値が示す位相に対応するタップ係数を用
いて、ディジタル等化フィルタ11からの再生信号を補
間する。PLLループ特性に従って、PA22の位相と再生
信号の位相は徐々に近づき、最終的に再生信号の位相は
引き込まれる。
【0090】次に、ステップS6において、PLL制御
が開始される。平均初期位相誤差計算器18は、ステッ
プS4で、平均初期位相誤差ロードフラグen_LAVPEを発
生し終えたときから所定の時間経過した後、1のPLL動
作フラグen_PLLを発生し、セレクタ19に供給する。す
なわちセレクタ19は、このとき位相誤差計算器17か
らのΔτを実効位相誤差Δτeffとして選択し、2次ル
ープフィルタ20に供給する。
【0091】2次ループフィルタ20は、式(4)に示
す伝達関数HLoop(D)に従って、セレクタ19を介して供
給される、位相誤差計算器17からの位相誤差Δτをフ
ィルタリングし、その結果を位相オフセット量計算器2
1に供給する。
【0092】このように、平均初期位相誤差Δτaveに
基づいてPA22の位相を予め補正し、PA22が発振する
データの位相と再生信号の位相誤差が小さくした後(初
期位相誤差が小さくした後)、PLL制御を開始するよう
にしたので、位相の引き込みを迅速に行うことができ
る。
【0093】なお以上においては、再生されたときのビ
ットパターンが既知であるようなプリアンブル・パター
ンをデータの先頭に挿入しておき、そのスライサーによ
る検出値が、1、0、または−1である3値検出とした
ので、引き込みパターンを正確に検出することができ、
平均初期位相誤差の計算精度を高めることができた。
【0094】次に、本発明における初期位相誤差につい
てのシミュレーション結果を説明する。ここでのシミュ
レーションでは、記録媒体に磁気記録されたデータの磁
化反転部分による波形であって、式(15)に示される
ローレンツ波形が、再生波形として用いられている。な
おローレンツ波形は、磁気記録の再生波形を近似的に表
すものとして一般的に用いられているものである。
【数15】
【0095】式(15)中の半値幅aは、チャンネル周
期Tchで除算した値の記録密度の指標であり、規格化
線密度(NLD(Normalized Linear Density ))を定義
する。なお、NLDはすべて2.5とした。
【0096】図14は、PR4等化した再生信号の入力位
相を、−2Tch乃至2Tchの範囲で変化させた場合の、
上述したようにPLL回路4における初期位相誤差(平均
初期位相誤差によりPA22の位相を補正したときの初期
位相誤差(以下、補正あり初期位相誤差と称する))
(図中、実線)と、PA22の位相を補正しなかったとき
の初期位相誤差(正確には、いくつかの初期位相誤差の
平均)(以下、補正なし初期位相誤差と称する)(図
中、点線)を表している。なお、初期位相誤差とは、上
述したが、PLL引き込み開始時における、本来所望する
信号の位相と実際の再生信号の位相誤差をいう。
【0097】縦軸は、位相誤差検出利得Kpd(この場合
PR4等化であるのでπ(式(9)))で除算された、Tch
で規格化された位相誤差Δτの大きさを表し、横軸は、
再生信号の入力位相の変化量を表している。なお、再生
信号にはノイズを加えておらず、平均初期位相誤差補正
利得G1=1.2とした。
【0098】補正あり初期位相誤差(実線)と補正なし
初期位相誤差(点線)の絶対値を比べると、補正あり初
期位相誤差の絶対値が、補正なし初期位相誤差の絶対値
より小さくなっている。
【0099】すなわち、例えば、図14に示す、再生信
号の位相が0.45Tchだけずれた場合の補正あり初期
位相誤差と補正なし初期位相誤差だけの初期位相誤差が
発生したとき、そのときの位相引き込みにおける位相誤
差量は、図15に示すように、補正あり初期位相誤差
(図中、実線)の場合の変動が、補正なし初期位相誤差
の場合(図中、点線)に比べ小さくなる。従って、実効
的に位相の引き込みを迅速に行うことができる。
【0100】図15の縦軸は、位相誤差検出利得Kpd
(この場合PR4等化であるのでπ)で除算された、Tch
で規格化された位相誤差Δτの大きさを表し、横軸は、
再生信号(ディジタル信号)のデータ数である。また再
生信号にはノイズが含まれていないものとする。
【0101】図16は、PR1等化した再生信号の位相
を、−2Tch乃至2Tchの範囲で変化させた場合の、補
正あり初期位相誤差(図中、実線)と、補正なし初期位
相誤差(図中、点線)を表している。
【0102】縦軸は、位相誤差検出利得Kpd(この場合
PR1等化であるのでπ/2(式(13)))で除算され
た、Tchで規格化された位相誤差Δτの大きさを表し、
横軸は、再生信号の位相誤差を表している。なお、再生
信号にはノイズを加えておらず、平均初期位相誤差補正
利得G1=1.6とした。
【0103】この場合も、補正あり初期位相誤差と補正
なし初期位相誤差の絶対値を比べると、補正あり初期位
相誤差の絶対値が、補正なし初期位相誤差の絶対値に比
べ小さくなっている。
【0104】すなわち、例えば、図16に示す、再生信
号の位相が0.45Tchだけずれた場合の補正あり初期
位相誤差と補正なし初期位相誤差だけの初期位相誤差が
発生したとき、そのときの位相引き込みにおける位相誤
差量は、図17に示すように、補正あり初期位相誤差
(図中、実線)の場合の変動が、補正なし初期位相誤差
の場合(図中、点線)に比べ小さくなる。従って、この
場合も位相の引き込みを迅速に行うことができる。
【0105】図17の縦軸は、位相誤差検出利得Kpd
(この場合PR1等化であるのでπ/2)で除算された、
Tchで規格化された位相誤差Δτの大きさを表し、横軸
は、再生信号(ディジタル信号)のデータ数である。再
生信号にはノイズが含まれていないものとする。
【0106】ところで、図14の例のように、再生信号
がPR4等化された場合においての平均初期位相誤差補正
利得G1を1.2とし、また図16の例のように、再生
信号がPR1等化された場合においての平均初期位相誤差
補正利得G1を1.6としたが、この平均初期位相誤差
補正利得G1を選択するとき、図18および図19に示
すような複数の平均初期位相誤差補正利得G1によるシ
ミュレーションを行うことができる。
【0107】図18には、再生信号がPR4等化された場
合において、平均初期位相誤差補正利得G1を、0.8
(線d)、1.0(線c)、1.2(線b)、および
1.4(線a)とした場合のシミュレーション結果が示
されている。図19には、再生信号がPR1等化された場
合において、G1を、1.2(線a)、1.4(線
b)、1.6(線c)、および1.8(線d)としたと
きのシミュレーション結果が示されている。
【0108】図18によれば、平均初期位相誤差補正利
得G1が0.8(線d)または1.0(線c)の場合にお
いて、PA22の位相補正が不十分であり、平均初期位相
誤差補正利得G1 が 1.2(線b)である場合と比較し
て初期位相誤差が大きい。また平均初期位相誤差補正利
得G1 が 1.4(線a)の場合にはPA22の位相補正が
大き過ぎるため、補正なし初期位相誤差の符号と補正あ
り初期位相誤差の符号が逆転している。
【0109】なお、平均初期位相誤差補正利得G1の選
択の基準は、補正なし初期位相誤差の符号と補正あり初
期位相誤差の符号が逆転することには関係がなく、時間
が十分経過した後の位相誤差の平均値が0と仮定した場
合の補正あり初期位相誤差の分散であり、その分散が小
さいものを選択すれば、再生信号の位相がいかなるもの
であろうと補正あり初期位相誤差を、十分に小さな値に
保つことができる。
【0110】図20は、図18において再生信号の位相
のずれが−0.5乃至0.5の範囲である部分の補正な
し初期位相誤差と補正あり初期位相誤差であって、時間
が十分経過した後の位相誤差の平均値が0であると仮定
した場合のそれらの分散を表している。図20によれ
ば、補正あり初期位相誤差の分散は、平均初期位相誤差
補正利得G1が1.2ときもっとも小さい。すなわちこの
場合、1.2を平均初期位相誤差補正利得G1として選択
することができる。補正なし初期位相誤差の分散は、図
中のOffに対応する値である。
【0111】なお、再生信号の位相ずれの範囲を−0.
5乃至0.5の範囲に限定したのは、図18より補正な
し初期位相誤差および補正あり初期位相誤差は周期的に
変動するので、その一周期分に注目したためである。
【0112】再生信号がPR1等化された場合(図1
9)、補正なし初期位相誤差は正の値となるがこのよう
な場合でも、PR4の場合と同様に、時間が十分経過した
後の位相誤差の平均値が0であるとしたときの補正あり
初期位相誤差の分散を最小にする平均初期位相誤差補正
利得G1を選択することができる。その結果、PR4等化の
場合と同様に再生信号の位相がいかなる場合であっても
初期位相誤差を常に、十分に小さな値に保つことができ
る。
【0113】また図19の例の場合において、再生信号
の位相が0.45 Tchずれたとき、補正なし初期位相誤
差が最大となるが、補正あり初期位相誤差は、平均初期
位相誤差補正利得G1 が1.2または1.4のとき、
0.2以上の値となり、G1 が1.6のとき、平均初期
位相誤差補正利得を多少大きめの値にしたことにより、
およそ−0.9乃至0.12程度の範囲に抑えられてい
る。この条件が満たされれば再生信号の位相がいかなる
ものであっても補正あり初期位相誤差は常に、十分に小
さな値に保たれる。
【0114】図21は、図19において再生信号の位相
のずれが−0.5乃至0.5の範囲である部分の補正な
し初期位相誤差と補正あり初期位相誤差であって、時間
が十分経過した後の位相誤差の平均値が0であると仮定
した場合のそれらの分散を表している。図21によれ
ば、補正あり初期位相誤差の分散は、平均初期位相誤差
補正利得G1が1.6のときもっとも小さい。すなわち
この場合、1.6を平均初期位相誤差補正利得G1として
選択することができる。補正なし初期位相誤差の分散
は、図中のOffに対応する値である。
【0115】なお、再生信号の位相ずれの範囲を−0.
5乃至0.5の範囲に限定したのは、図19より補正な
し初期位相誤差および補正あり初期位相誤差は周期的に
変動するので、その一周期分に注目したためである。
【0116】上述した一連の処理は、ハードウエアによ
り実現させることもできるが、ソフトウエアにより実現
させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより
実現する場合には、そのソフトウエアを構成するプログ
ラムがコンピュータにインストールされ、そのプログラ
ムがコンピュータで実行されることより、上述したPL
L回路4が機能的に実現される。
【0117】図22は、上述のようなPLL回路4とし
て機能するコンピュータ101の一実施の形態の構成を
示すブロック図である。CPU(Central Processing Uni
t)111にはバス115を介して入出力インタフェー
ス116が接続されており、CPU111は、入出力イン
タフェース116を介して、ユーザから、キーボード、
マウスなどよりなる入力部118から指令が入力される
と、例えば、ROM(ReadOnly Memory)112、ハードデ
ィスク114、またはドライブ120に装着される磁気
ディスク131、光ディスク132、光磁気ディスク1
33、若しくは半導体メモリ134などの記録媒体に格
納されているプログラムを、RAM(Random Access Memor
y)113にロードして実行する。これにより、上述し
た各種の処理が行われる。さらに、CPU111は、その
処理結果を、例えば、入出力インタフェース116を介
して、LCD(Liquid Crystal Display)などよりなる出
力部117に必要に応じて出力する。なお、プログラム
は、ハードディスク114やROM112に予め記憶して
おき、コンピュータ101と一体的にユーザに提供した
り、磁気ディスク131、光ディスク132、光磁気デ
ィスク133,半導体メモリ134等のパッケージメデ
ィアとして提供したり、衛星、ネットワーク等から通信
部119を介してハードディスク114に提供すること
ができる。
【0118】なお、本明細書において、記録媒体により
提供されるプログラムを記述するステップは、記載され
た順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必
ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個
別に実行される処理をも含むものである。
【0119】
【発明の効果】本発明によれば、再生信号に組み込まれ
た引き込みパターンの実再生信号値から正しい再生ビッ
トパターンを推定し、記録時にビットバターンに組み込
まれた再生信号の引き込みパターンを読み取り、推定さ
れた引き込みパターンの正しい再生ビットパターンと、
読み取られた引き込みパターンの実再生信号値を利用し
て位相誤差を計算し、計算されたN個分の位相誤差の平
均値を計算し、計算された平均値に基づいて、位相積算
器から出力される整数値で示された位相と再生信号の位
相が同期するように、位相積算器を制御し、位相積算器
が制御された後、PLLによる位相制御処理を開始するよ
うにしたので、再生信号の位相の引き込みを迅速に行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したPLL回路の構成例を示すブロ
ック図である。
【図2】図1のPLL回路に入力される信号を説明する図
である。
【図3】図1の補間フィルタの構成例を示すブロック図
である。
【図4】補間フィルタのタップ係数を説明する図であ
る。
【図5】補間フィルタ12のタップ係数を説明する他の
図である。
【図6】図1のPLL回路で処理される信号のタイミング
チャートである。
【図7】強制引き込みパターンの推定動作を説明する図
である。
【図8】推定される強制引き込みパターンの例を示す図
である。
【図9】強制引き込みパターンの推定動作を説明する他
の図である。
【図10】推定される強制引き込みパターンの他の例を
示す図である。
【図11】位相誤差検出利得Kpdを説明する図である。
【図12】位相誤差検出利得Kpdを説明する他の図であ
る。
【図13】図1のPLL回路の動作を説明するフローチャ
ートである。
【図14】初期位相誤差のシミュレーション結果を示す
図である。
【図15】初期位相誤差の他のシミュレーション結果を
示す図である。
【図16】初期位相誤差の他のシミュレーション結果を
示す図である。
【図17】初期位相誤差の他のシミュレーション結果を
示す図である。
【図18】初期位相誤差の他のシミュレーション結果を
示す図である。
【図19】初期位相誤差の他のシミュレーション結果を
示す図である。
【図20】平均初期位相誤差の分散を示す図である。
【図21】平均初期位相誤差の他の分散を示す図であ
る。
【図22】パーソナルコンピュータ101の構成例を示
すブロック図である。
【符号の説明】
1 論理積回路, 2 アナログ等化フィルタ, 3
A/Dコンバータ, 4 PLL回路, 11 ディジタル等
化フィルタ, 12 補間フィルタ、13 3値検出
器, 14 ゼロクロス点検出器, 15 強制引き込
みパターン生成器,16 セレクタ, 17 位相誤差
計算器, 18 平均初期位相誤差計算器, 19 セ
レクタ, 20 2次ループフィルタ, 21 位相オ
フセット量計算器, 22 PA

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位相積算器から出力される整数値が示す
    位相に基づいて、再生信号の位相を制御する位相制御処
    理を行う信号処理装置において、 前記再生信号の初期位相誤差を検出する検出手段と、 前記初期位相誤差に基づいて、前記位相積算器を制御す
    る制御手段と、 前記制御手段により前記初期位相誤差に基づく前記位相
    積算器の制御が行われた後、前記位相制御処理を開始す
    る実行手段を備えることを特徴とする信号処理装置。
  2. 【請求項2】 前記検出手段は、 前記再生信号に組み込まれた引き込みパターンより、そ
    の正しい再生ビットパターンを推定する推定手段と、 前記再生信号に組み込まれた前記引き込みパターンの実
    再生信号値を読み取るための読み取り手段と、 前記推定手段により推定された前記引き込みパターンの
    正しい再生ビットパターンと、前記読み取り手段により
    読み取られた前記引き込みパターンの実再生信号値を利
    用して位相誤差を計算する第1の計算手段を備え、 前記第1の計算手段により計算された位相誤差に基づ
    き、前記初期位相誤差を検出することを特徴とする、請
    求項1に記載の信号処理装置。
  3. 【請求項3】 前記検出手段は、さらに、 前記第1の計算手段により計算されたN個分の前記位相
    誤差の平均値を計算する第2の計算手段を備え、 前記第2の計算手段により計算された前記平均値に基づ
    き、前記初期位相誤差を検出し、それを補正する手段を
    提供することを特徴とする、請求項2に記載の信号処理
    装置。
  4. 【請求項4】 前記位相制御処理は、前記再生信号を所
    定の方式によって補間することにより行われることを特
    徴とする、請求項1に記載の信号処理装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記初期位相誤差が、
    前記再生信号のチャンネルクロック周期Tchで正規化
    された実質的な初期位相誤差と所定の値との乗算で表さ
    れるとき、前記所定の値を、前記初期位相誤差に除算し
    て、前記実質的な初期位相誤差を、前記位相積算器から
    出力される整数値で示された位相との誤差値に変換し、
    変換された前記誤差値に基づいて、前記位相積算器を制
    御することを特徴とする請求項1に記載の信号処理装
    置。
  6. 【請求項6】 位相積算器から出力される整数値が示す
    位相に基づいて、再生信号の位相を制御する位相制御処
    理を行う信号処理装置の信号処理方法において、 前記再生信号に組み込まれた引き込みパターンの実再生
    信号値から正しい再生ビットパターンを推定する推定ス
    テップと、 前記再生信号に組み込まれた前記引き込みパターンから
    実再生信号値を読み取る読み取りステップと、 前記推定ステップの処理で推定された前記引き込みパタ
    ーンの実再生信号値から得られた正しい再生ビットパタ
    ーンと、前記読み取りステップの処理で読み取られた前
    記引き込みパターンから得られる実再生信号値を利用し
    て位相誤差を計算する第1の計算ステップと、 前記第1の計算ステップの処理で計算されたN個分の前
    記位相誤差の平均値を計算する第2の計算ステップと、 前記第2の計算ステップの処理で計算された前記平均値
    に基づいて、再生信号の位相制御処理を開始する直前に
    前記平均値相当の位相誤差の補正を前記位相積算器から
    出力される整数値で示された位相に施すことによって、
    前記位相制御処理の開始時にその初期位相誤差を十分に
    小さくするように、前記位相積算器を制御する制御ステ
    ップと、 前記制御ステップの処理で前記位相積算器が制御された
    後、前記位相制御処理を開始する実行ステップとを含む
    ことを特徴とする信号処理方法。
  7. 【請求項7】 位相積算器から出力された整数値が示す
    位相に基づいて、再生信号の位相を制御する位相制御処
    理を行う信号処理装置のプログラムであって、 前記再生信号に組み込まれた引き込みパターンの実再生
    信号値から正しい再生ビットパターンを推定する推定ス
    テップと、 前記再生信号に組み込まれた前記引き込みパターンから
    実再生信号値を読み取る読み取りステップと、 前記推定ステップの処理で推定された前記引き込みパタ
    ーンの実再生信号値から得られた正しい再生ビットパタ
    ーンと、前記読み取りステップの処理で読み取られた前
    記引き込みパターンから得られる実再生信号値を利用し
    て位相誤差を計算する第1の計算ステップと、 前記第1の計算ステップの処理で計算されたN個分の前
    記位相誤差の平均値を計算する第2の計算ステップと、 前記第2の計算ステップの処理で計算された前記平均値
    に基づいて、再生信号の位相制御処理を開始する直前に
    前記平均値相当の位相誤差の補正を前記位相積算器から
    出力される整数値で示された位相に施すことによって、
    前記位相制御処理の開始時にその初期位相誤差を十分に
    小さくするように、前記位相積算器を制御する制御ステ
    ップと、 前記制御ステップの処理で前記位相積算器が制御された
    後、前記位相制御処理を開始する実行ステップとを含む
    ことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログ
    ラムが記録されている記録媒体。
  8. 【請求項8】 位相積算器から出力された整数値が示す
    位相に基づいて、再生信号の位相を制御する位相制御処
    理を行う信号処理装置のプログラムであって、 前記再生信号に組み込まれた引き込みパターンの実再生
    信号値から正しい再生ビットパターンを推定する推定ス
    テップと、 前記再生信号に組み込まれた前記引き込みパターンから
    実再生信号値を読み取る読み取りステップと、 前記推定ステップの処理で推定された前記引き込みパタ
    ーンの実再生信号値から得られた正しい再生ビットパタ
    ーンと、前記読み取りステップの処理で読み取られた前
    記引き込みパターンから得られる実再生信号値を利用し
    て位相誤差を計算する第1の計算ステップと、 前記第1の計算ステップの処理で計算されたN個分の前
    記位相誤差の平均値を計算する第2の計算ステップと、 前記第2の計算ステップの処理で計算された前記平均値
    に基づいて、再生信号の位相制御処理を開始する直前に
    前記平均値相当の位相誤差の補正を前記位相積算器から
    出力される整数値で示された位相に施すことによって、
    前記位相制御処理の開始時にその初期位相誤差を十分に
    小さくするように、前記位相積算器を制御する制御ステ
    ップと、 前記制御ステップの処理で前記位相積算器が制御された
    後、前記位相制御処理を開始する実行ステップとを含む
    処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプロ
    グラム。
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