JP4650130B2 - 信号処理装置、信号処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、デジタル信号の同期を適切に取るためのデジタル信号処理技術に関する。
アナログ回路とデジタル回路が混載する装置、たとえば、磁気記録再生装置においては、LSIチップの歩留まり向上および動作の安定を図るため、それらを構成する回路要素を動作のばらつきが少なく、製造過程でのチップテスト手法が確立されているデジタル回路によってすべて実現することが求められている。たとえばデータの位相同期を取るPLL(Phase Locked Loop:位相同期ループ)回路は、デジタル化が要望される回路要素のひとつである。
PLL回路(以下、単にPLL)のデジタル化には各種の手法が提案されており、たとえば、デジタル通信の分野においては、補間による位相同期(Interpolated Timing Recovery)(以下、ITRと略称する)方式によるデジタルPLL制御が実用化されている。ITR方式によるPLL制御とは、再生信号の位相と、位相オフセット演算器(位相積算器(Phase Accumulator)とも称する)から出力される整数値が示す位相との位相誤差に基づいて、デジタルフィルタなどで再生信号を補間し、再生信号の位相を制御するものである。このITR方式のPLL制御については、たとえば下記非特許文献1に詳細に開示されている。
また、ITR方式のデジタルPLLは、磁気記録再生装置にも応用されており、たとえば、下記非特許文献2または3に詳細に開示されている。
図1に、下記非特許文献等に開示されている、ITR方式のデジタルPLL回路を含む従来の信号処理装置の構成を示すブロック図を示す。
図1に示す信号処理装置において、入力されるアナログ信号r(t)(たとえば磁気記録再生装置の場合、ヘッド再生信号)は、アナログAGC5によって帰還される振幅誤差電圧に従って利得を変化させるVGA(Variable Gain Amplifier:可変利得増幅器)2によって所定の振幅に増幅され、アナログフィルタ(またはアナログアンチエイリアシングフィルタとも称する)4によって等化される。そして、A/Dコンバータ6は、等化されたアナログ信号を周波数シンセサイザ3が生成するITRサンプリング周波数fsに同期してサンプリングし、デジタル信号xに変換する。
デジタル信号xは、デジタル等化フィルタ7によって所定の等化方式で等化され、PLL20内の位相補間フィルタにより位相補間がなされた後、ビタビ検出器10に供給される。
PLL20では、位相補間フィルタから帰還されたデジタル等化後の信号に基づいて、位相誤差が検出され、検出された位相誤差のループフィルタ出力を用いて、位相オフセットを算出し、その位相オフセットに基づいて位相補間フィルタのタップ係数が逐次更新される。
周波数シンセサイザ3では、基準クロックに基づいて、書き込み動作用のチャンネル周波数fchのクロックを生成するとともに、このチャンネル周波数fchよりも若干高い周波数の読み出し動作用のITRサンプリング周波数fsのクロックを生成してA/Dコンバータ6に供給する。
Floyd M. Gardnerの"Interpolation in Digital Modems- Part I: Fundamentals", IEEE Transaction Communications , Vol.41、pp501-507、March 1993 Zi-Ning WuおよびJohn M. Cioffiの"A MMSE Interpolated Timing Recovery Scheme for The Magnetic Recording Channel," Communications, 1997. ICC '97 Montreal, Towards the KnowledgeMillennium. 1997 IEEE International Conference on, Volume: 3, 1997 pp1625 -1629 vol.3、 Mark Spurbeck, Richard T. Behrensの"Interpolated Timing Recovery for Hard Disk Drive Read Channels" Communications, 1997.ICC '97 Montreal, Towards the Knowledge Millennium. 1997 IEEE International Conference on, Volume: 3, 1997 pp1618 -1624 vol.3
ところで、図1に示した従来の信号処理装置では、PLL20内の位相補間フィルタが出力する補間データzがビタビ検出器10に供給されている。それゆえ、PLL20内の位相補間フィルタには高い計算精度が要求され、位相補間フィルタで遅延が生じやすい。この遅延はそのままPLL20のループ遅延となるため、PLLの追従性能が劣化することになる。すなわち、位相オフセットの算出から位相誤差の検出までに時間がかかり、その結果を位相補間フィルタへフィードバックさせてタップ係数を更新するタイミングが遅れるため、再生データの位相同期を取る(位相引き込み)までの時間が長くかかることになる。
一方、ループ遅延を短縮するために、PLL20内の位相補間フィルタの精度を低下させる(たとえばタップ数、ビット幅を小さくする)ことは、そのまま再生データの精度劣化を招来し、望ましくないことは明らかである。
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、デジタルPLLのループ遅延の短縮化と、そのデジタルPLLによって位相同期が取られた再生データの高精度化とを両立させた信号処理装置および信号処理方法を提供することにある。
上記課題を克服するために、本発明の第1の観点は、
再生信号の位相誤差を検出する検出部と、
前記再生信号のサンプリング周期ごとに前記位相誤差を積算する積算部と、
前記積算値に基づいて第1フィルタ係数を算出し、その第1フィルタ係数により再生信号を所定の位相分解能にて補間することによって当該再生信号の位相調整を行う第1位相補間フィルタ部と、
前記積算値に基づいて、前記第1フィルタ係数よりも数が少ない第2フィルタ係数を算出し、その第2フィルタ係数により再生信号を前記位相分解能にて補間することによって当該再生信号の位相調整を行い、位相調整がされた再生信号を前記検出部に与える第2位相補間フィルタ部と、
前記第1位相補間フィルタ部により位相調整が行われた再生信号に対して畳み込み復号を行う復号部と、
を備えた信号処理装置である。
上記課題を克服するために、本発明の第2の観点は、
再生信号の位相誤差を検出する第1工程と、
前記位相誤差を積算する第2工程と、
前記第2工程における積算値に基づいて第1フィルタ係数を算出し、そのフィルタ係数により再生信号を所定の位相分解能にて補間することによって、ビタビ検出のために当該再生信号の位相調整を行う第3工程と、
前記第2工程における積算値に基づいて、前記第1フィルタ係数よりも数が少ない第2フィルタ係数を算出し、そのフィルタ係数により再生信号を前記位相分解能にて補間することによって、前記位相誤差の検出のために当該再生信号の位相調整を行う第4工程と、
を備えた信号処理方法である。
本発明によれば、デジタルPLLのループ遅延の短縮化と、そのデジタルPLLによって位相同期が取られた再生データの高精度化とを両立することができる。
以下、本発明の実施形態を添付図面に関連付けて説明する。
図2は、本発明の信号処理装置の一実施形態としての磁気記録再生装置1の構成を示すブロック図である。
実施形態に係る磁気記録再生装置は、磁気記録媒体から読み取った再生信号の位相同期を取るために、ITR方式のデジタルPLL(位相同期ループ)を備え、そのPLLには、再生信号の位相誤差を検出する検出部、位相誤差を積算する積算部、サンプリング間の再生信号のデータを補間し、積算値に応じて位相調整を行う第1位相補間フィルタ部を含む。
さらに、実施形態に係る磁気記録再生装置は、PLLのループ内に存在しない第2位相補間フィルタ部、そのフィルタ結果に基づいて畳み込み復号を行う復号部、を有する。
図2において、検出部は、PLL8内の位相誤差検出器82に相当する。積算部は、ループフィルタ83および位相オフセット演算器84に相当する。第1位相補間フィルタ部は、位相補間フィルタ81に相当する。
図2において、第2位相補間フィルタ部は、PLL8のループ外に設けられた位相補間フィルタ9に相当し、復号部は、位相補間フィルタ9の出力結果を処理するビタビ検出器10に相当する。
図2に示すように、実施形態に係る磁気記録再生装置1は、上述した構成要素のほか、VGA(Variable Gain Amplifier:可変利得増幅器)2、周波数シンセサイザ3、アナログフィルタ4、アナログAGC(Automatic Gain Controller:自動利得制御器)5、A/D(Analog/Digital)コンバータ6、等化フィルタ7、を備える。
磁気記録再生装置1では、磁気ディスク(図示しない)に記録された信号が再生用ヘッド(図示しない)によって読み取られ、図2に示すように、その再生信号r(t)がVGA2に入力信号として取り込まれる。
アナログフィルタ4は、再生信号r(t)を適正に等化し、A/Dコンバータ6に供給する。
なお、アナログAGC5は、アナログフィルタ4の出力の波形振幅のピーク値と理想検出値とのレベル誤差の積分値を算出し、VGA2では、この積分値に従って利得を変化させることで、入力した再生信号r(t)のレベルを調整する。これによって、再生信号r(t)は、その振幅が所定のレベルに維持されたうえで、アナログフィルタ4に供給される。
A/Dコンバータ6は、アナログフィルタ4からのアナログ信号を、サンプリング周波数fsでサンプルし、デジタル信号に変換する。
周波数シンセサイザ3は、磁気ディスクへの書き込み動作用のチャンネル周波数fchのクロックと、チャンネル周波数fchよりも若干高い周波数の(オーバーサンプリングされた)読み出し動作用のサンプリング周波数fsのクロックとを基準クロックに基づいて生成し、サンプリング周波数fsのクロックをA/Dコンバータ6に供給する。
たとえば本実施形態では、チャンネル周波数fchとサンプリング周波数fsとの関係を下記式(1)に示すように設定する。

fs=α・fch(α=8/7) …(1)

A/Dコンバータ6によって時刻nT(T:サンプリング周期,T=1/fs,n=1,2,…)にサンプルされた信号(サンプルデータ)x(n)が等化フィルタ7に供給される。
等化フィルタ7は、A/Dコンバータ6からのサンプルデータxを、所望の等化方式で等化する。たとえばパーシャル・レスポンス・クラス1(PR1)に等化する。
等化フィルタ7により得られたサンプルデータyは、PLL8および位相補間フィルタ9に供給される。
位相補間フィルタ9は、位相オフセット演算器84から指定された位相φに対応したタップ係数を用いて、等化フィルタ7からのサンプルデータyを補間してその位相を調整する。すなわち、位相補間フィルタ9のタップ係数を位相オフセット演算器84が算出する位相オフセットφに応じて変動させて、再生信号を補間することで、再生信号の位相に追従することができるようになされている。
また、位相補間フィルタ9は、PLL8内の位相補間フィルタ81と比較して、高精度のフィルタとなっている。具体的には、後段のビタビ検出器10の処理に十分な精度のビット幅およびタップ数を備えるように構成される。かかる観点から、本実施形態では、位相補間フィルタ9におけるタップ数を8、ビット幅を8ビットとした。
位相補間フィルタ9は、図3に示すように、タップ係数(本発明の第1フィルタ係数)を選択する係数選択部91と、タップ数8のFIR(Finite Impulse Response)フィルタ92とで構成されている。
本実施形態では、位相分解能を16、すなわち、サンプリング周期Tは16等分されているものとし、位相オフセット演算器84が算出する位相オフセットφは、後述するように、0〜15の整数値で位相補間フィルタ9に与えられる。
係数選択部91では、16組のタップ係数群の中から、位相オフセット量φと同一の値の位相アドレスp_adr(0〜15の整数値)に対応するタップ係数が選択される。各位相アドレス(0〜15)と、それに対応するタップ係数(8値)は、対応付けて図示しないメモリに予め記録されている。
FIRフィルタ92では、選択されたタップ係数に基づいて、フィルタ演算を行う。
なお、位相アドレスp_adrは、本実施形態の説明では位相オフセット量φと同一の値であるが、これに限られず、メモリに記録されたタップ係数群の各タップ係数と対応付けられればよい。
図3において、たとえば入力した位相オフセット量φが「0」の場合には、位相アドレスp_adr:「0」に対応するタップ係数{k0,00,10,20,30,40,50,60,7}が選択され、それぞれ、FIRフィルタ92の計算に用いられるタップ係数{k}と対応付けられる。また、たとえば入力した位相オフセット量φが「15」の場合には、位相アドレスp_adr:「15」に対応するタップ係数{k15,015,115,215,315,415,515,615,7}が選択され、それぞれ、FIRフィルタ92の計算に用いられるタップ係数{k}と対応付けられる。
位相補間フィルタ9の係数選択部91に用意されるタップ係数は、たとえば下記式(2)が示すように、時間軸上でチャンネル周期TCH毎にヌル(NULL)点を持つSINC関数を用いる。

SINC(k)=(sin(πk/TCH))/(πk/TCH) …(2)
なお、このタップ係数は、デジタル信号(再生信号)の位相を、位相オフセット演算器84からの位相φに対応させて変化させることができるものであればよく、上記のSINC関数に対して、デジタル信号処理で用いられる各種の窓関数を乗じて用いてもよいし、SINC関数ではなく多項式の関数を用いてもよい。
図4は、位相補間フィルタ9によって算出される、サンプルデータyの補間データを図解した図である。
図4に示すように、位相補間フィルタ9は、サンプリング周期Tごとのサンプルデータy(n),y(n+1),…を補間する。本実施形態では位相分解能が16であるので、時刻nTにおけるフィルタ出力z(n)は、サンプルデータy(n)〜y(n+1)間の16個の補間データy(n),y(n),…,y15(n)のうち、位相アドレスp_adrに応じたいずれかの値を取りうる。
ビタビ検出器10は、たとえばPR1用ビタビ検出器である。ビタビ検出器10は、時刻nTにおける位相補間フィルタ9の補間データzに対して、所定の拘束長に応じた数の状態における生き残りパスを検出し、検出シンボルaを外部に出力する。
本実施形態では、ビタビ検出器10の検出精度を高くするため、位相補間フィルタ9のタップ数、ビット幅を十分に大きくして、出力信号zの精度を高くするようにしている。
PLL8は、ITR方式の位相同期ループであり、図2に示すように、そのループ内には、位相補間フィルタ81、位相誤差検出器82、ループフィルタ83、位相オフセット演算器84を備える。
位相補間フィルタ81は、位相補間フィルタ9同様、位相オフセット演算器84から指定された位相φに対応したタップ係数を用いて、等化フィルタ7からのサンプルデータyを補間してその位相を調整する。すなわち、位相補間フィルタ81のタップ係数(本発明の第2フィルタ係数)を位相オフセット演算器84が算出する位相オフセットφに応じて変動させて、再生信号を補間することで、再生信号の位相に追従することができるようになされている。
位相補間フィルタ81はPLL8のループ内にあるため、位相補間フィルタ81における処理の遅延は、そのままループ遅延となってPLLの引き込み時間に影響する。したがって、位相補間フィルタ81は、以下に説明するように、位相補間フィルタ9と比較して高速処理が可能なフィルタとなっている。
具体的には、位相補間フィルタ81におけるタップ数を4、ビット幅を7ビットとした。なお、図2では、位相補間フィルタ9(入出力データ:y(n),z(n))と区別するために、位相補間フィルタ81の入出力データをy’(n),z’(n)と表記している。
このように、位相補間フィルタ9に対して、タップ数、ビット幅を変更することで、処理の高速化が図れるが、本実施形態では、さらなる高速化を図るために、位相補間フィルタ81を出力選択型フィルタとしている。
ここで、出力選択型フィルタとは、位相オフセット量φが与えられてからフィルタ演算を開始する位相補間フィルタ9と異なり(図3参照)、毎サンプルごとにすべての位相オフセット量φに対応するタップ係数でフィルタ演算を行い、逐次16通りの演算結果を求め、位相オフセット量φが与えられると直ちに対応する演算結果を選択して出力するフィルタである。
たとえば、図3に示す位相補間フィルタ9(FIRフィルタ92)では、位相オフセット量φが与えられてタップ係数を決定し、FIRフィルタ92の乗算器にそのタップ係数をセットしてから出力データが得られるまでに、7クロックの遅延が発生してしまう(4タップでは、3クロックの遅延)。
出力選択型フィルタでは、位相オフセット量φが与えられた時点で16通りのフィルタ演算結果が求められているため、対応する演算結果を選択するだけでよく、位相オフセット量φが与えられた後の遅延(サンプルデータの伝搬に伴う遅延)が発生しない。したがって、この選択型フィルタを使用することで、PLL8のループ遅延時間を非常に短く、ループ遅延を短くすることに寄与している。
図5に具体的な位相補間フィルタ81の回路構成を示す。
位相補間フィルタ81は、図5に示すように、タップ数4のFIR(Finite Impulse Response)フィルタ811(本発明のフィルタ演算部に対応)と、補間データとしての出力z’を選択する出力選択部812(本発明の選択部に対応)とで構成されている。
位相補間フィルタ81において、位相分解能は位相補間フィルタ9と同様に16であり、位相オフセット演算器84が算出する位相オフセットφは、0〜15の整数値で位相補間フィルタ81に与えられる。
FIRフィルタ811では、位相オフセットφ(本実施形態では、位相アドレスp_adrと同じ値)のそれぞれ整数値に対応するタップ係数(4つ)がセットされて、毎クロックごとにフィルタ演算を行う。たとえば、位相アドレスp_adr:「0」に対応して、タップ係数{k’0,0,k’0,1,k’0,2,k’0,3}がFIRフィルタ811内の乗算器にセットされて逐次y’(n)を算出し、同様に、位相アドレスp_adr:「15」に対応して、タップ係数{k’15,0,k’15,1,k’15,2,k’15,3}がFIRフィルタ811内の乗算器にセットされて逐次y’15(n)を算出する。このように、毎クロックごとに16個の演算結果y’(n)〜y’15(n)を算出する。
出力選択部812では、位相オフセット演算器84から位相オフセット量φ(すなわち、位相アドレスp_adr)が与えられると、FIRフィルタ811の16個の演算結果y’(n)〜y’15(n)の中から対応する演算結果を選択し、補間データz’として出力する。したがって、位相補間フィルタ81では、位相オフセット量φが与えられてから補間データz’を出力するまでの時間が極めて短い。
なお、位相補間フィルタ81のFIRフィルタ811に用いられるタップ係数は、位相補間フィルタ9と同様に、たとえば上記式(2)が示すようなSINC関数を用いる。
位相誤差検出器82は、位相補間フィルタ81の出力データz’(n)の位相誤差を検出し、その検出結果をループフィルタ83に供給する。
位相誤差の検出式は、下記式(3)に示すように、文献「K. H. Mueller and M. Muller, “Timing recovery in digial synchronous data receivers,” IEEE Trans. Commun., vol. COM-24, pp. 516-530, May 1976.」に記載されているタイミング勾配の式を使用する。この式は、デジタルPLLで一般的によく使用されている。

Δτ(n)=−b(n)・z’(n−1)+b(n−1)・z’(n) …(3)
なお、上記式(3)において、Δτ(n)は時刻nTCHにおける位相誤差の検出値、z’(n)は時刻nTCHにおける位相補間フィルタ81の出力データである。b(n)は時刻nTCHにおけるz’(n)のビット・バイ・ビット検出値{−1,0,1}である。
位相誤差検出器82は、位相補間フィルタ81からの信号z’(n)の元々のビット値を検出閾値に基づいて検出する3値検出器を含み、この3値検出器では、信号z’(n)から1、0、または−1のいずれかの値を検出し、その検出結果をビット・バイ・ビット検出値b(n)として上記式(2)の計算に使用する。
たとえば、信号z’(n)のレベルが0.5以上である場合に検出値は「1」となり、信号z’(n)のレベルが0.5未満で−0.5より大きい場合に検出値は「0」となり、信号z’(n)のレベルが−0.5以下の場合に検出値は「−1」となる。なお、再生信号に対しては、信号z’(n)を適切に3値化することができるように、レベル調整がなされているものとする。
ループフィルタ83は、たとえばIIR(Infinite Impulse Response)フィルタによって構成される。
図6は、ループフィルタ83のブロック線図の一例を示す図である。なお、図6において、Ki,Kpはフィルタ係数であり、所望する引き込み特性によって調整される。Δτ(n)は時刻nTCHにおける位相誤差、μ(n)は時刻nTCHにおけるΔτ(n)のフィルタ結果である。
図6に示すループフィルタ83の伝達関数Hは、下記式(4)で表すことができる。

H=Kp+(Ki/(1−D))(D:遅延演算子) …(4)

ループフィルタ83では、上記(4)式によるフィルタ結果として位相誤差μ(n)を算出し、位相オフセット演算器84に供給する。
位相オフセット演算器84は、図7にそのブロック線図を示すように、チャンネル周期TCHごとにループフィルタ83からの位相誤差μ(n)を積算し、位相オフセット量φ(n)を算出する。すなわち、下記式(5)に示すように、位相オフセット量φ(n)を逐次算出する。

φ(n)=φ(n−1)+μ(n) …(5)

なお、式(5)で、位相オフセット量φ(n−1)は、位相オフセット量φ(n)に対して1チャンネル周期前の値を示す。
位相オフセット演算器84は、いわゆるデジタル・アキュムレータを備え、これにより、PLL8の位相分解能をN(本実施形態では、N=16)としたならば、位相オフセット量φ(n)の値に応じて0〜N−1のいずれかの整数値を算出する。この整数値が、チャンネル周期TCHをN等分した場合の位相を表す。
位相オフセット演算器84は、この整数値を位相オフセット量φ(n)として位相補間フィルタ81に供給する。
次に、実施形態に係る磁気記録再生装置1の動作について、図2、図8および図9を参照して説明する。
図8は、再生信号に対するPLL8の動作を説明するためのタイミングチャートであり、図9は、PLL8において算出される位相オフセット量φの時間変化を示す図である。
図2において、アナログフィルタ4によって等化された再生信号は、A/Dコンバータ6によって、チャンネル周波数fchよりも少し高いサンプリング周波数fsによって、サンプルされてデジタル信号(サンプルデータ)に変換された後、等化フィルタ7によって所定の等化方式で等化される。
等化フィルタ7の出力信号yは、PLL8内の位相補間フィルタ81と、位相補間フィルタ9に供給される。但し、前述したように、ビット幅の違いから、位相補間フィルタ9に入力される信号はy、位相補間フィルタ81に入力される信号はy’として区別している。
PLL8では、位相補間フィルタ81において、位相オフセット演算器84から与えられる位相オフセット量φに応じて逐次タップ係数が更新されて、位相分解能が16となる補間データz’が生成される。
位相誤差検出器82では、補間データz’の位相誤差が算出され、この位相誤差は、位相オフセット演算器84において位相オフセット量φとして積算されていく。
アナログフィルタ4により等化されたサンプルデータyは、チャンネル周波数fchに対してオーバーサンプリングされたデータであるため、原理的に、位相オフセット演算器84で算出される位相オフセット量φは、図8に示すように、φ(n−2),φ(n−1),φ(n),φ(n+1),…と順次増加していく。仮に再生信号に歪みがないとしたならば、完全にリニアに増加していく。同様にして、図9においても、時間が経過するにつれて、位相オフセット量φ(0〜15の整数値)は増加していく。
この位相オフセット量φは、位相補間フィルタ81および位相補間フィルタ9にフィードバックされて、それぞれタップ係数の更新が行われ、フィルタ演算がなされる。これによって、等化フィルタ7からのサンプルデータを補間してその位相を調整する。すなわち、位相補間フィルタのタップ係数を位相オフセット演算器84が算出する位相オフセットφに応じて変動させて、再生信号を補間することで、再生信号の位相に追従させている。
なお、図9において、位相オフセット量φがN−1(N:位相分解能、本実施形態では16)を越えたときは、位相が1周したことになるので、「間引き点」において位相補間フィルタの動作を中断し、次のタイミング(時刻T後)では中断したときの位相オフセット量φに基づいて、位相補間フィルタの動作を再開する。
なお、ITR方式のデジタルPLLでは、位相補間動作の中断は、オーバーサンプリングに伴って原理的に生ずるものである。図8において、この位相補間動作の中断はφ(n+4)の算出の際になされている。
ここで、位相補間フィルタ81は、位相補間フィルタ9と比較して、処理の負荷が軽く、高速なフィルタとなっている。具体的には、ビット幅が7ビット、タップ数が4のフィルタ構成とし、位相補間フィルタ9と比較して精度を粗くすることで、演算時間の短縮を図っている。なお、位相補間フィルタ9と比較して、ビット幅またはタップ数のいずれかを小さくしても、演算時間の短縮を図ることができる。
これにより、PLL8におけるループ遅延時間が非常に短くなり、位相調整の追従性を高くすることができる。一方、位相補間フィルタ81のフィルタ精度の粗さは、PLL8では問題とならない。これは、前述した式(3)に示すように、位相誤差検出器82における位相誤差Δτの算出は、補正データz’の3値のビット・バイ・ビット検出値{−1,0,1}を用いており、位相補間フィルタ81のフィルタ精度を高くしたとしても、その高精度なフィルタ出力結果が位相誤差Δτの精度として反映されないためである。
一方、位相補間フィルタ9は、位相補間フィルタ81と比較して、高精度なフィルタとなっている。具体的には、ビット幅が8ビット、タップ数が8のフィルタ構成としている。これによって、高精度な補正データzをビタビ検出器10に供給することができる。
なお、図2に示すように、位相補間フィルタ9は、PLL8のループ内に存在しないため、PLL8のループ遅延に全く影響しない。
以上説明したように、実施形態に係る磁気記録再生装置1によれば、PLL8内にタップ数が少なく高速演算を行う位相補間フィルタ81を設け、PLL8のループ外にタップ数が多く高精度な演算を行う位相補間フィルタ9を設けたので、ループ遅延を短縮して素早く位相オフセット量を算出するとともに、高精度に位相調整されたデータをビタビ検出器10に出力できる。したがって、動作の安定化および高速化を両立することができる。
また、実施形態に係る磁気記録再生装置1によれば、PLL8内の位相補間フィルタ81を、毎サンプルごとにすべての位相オフセット量φに対応するタップ係数でフィルタ演算を行い、逐次16通りの演算結果を求め、位相オフセット量φが与えられると直ちに対応する演算結果を選択して出力する出力選択型フィルタとすることで、さらにループ遅延を短縮することができる。
[効果の検証]
図10は、磁気記録再生装置における再生信号の位相引き込み性能を観測した図であって、(a)は従来の磁気記録再生装置の場合、(b)は実施形態に係る磁気記録再生装置1の場合、をそれぞれ示す。図10に示すように、従来の磁気記録再生装置では、位相引き込みが完了するまで約6000ポイント(1ポイントはTCH時間相当)かかっていたが、実施形態に係る磁気記録再生装置1では約2000ポイントに短縮できた。
以上、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成及びシステムは本実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない均等の範囲、設計変更、他のシステムへの適応なども含まれる。
また、上述した実施形態における各処理は、ハードウエアによって実現するだけでなく、コンピュータに実行されるソフトウエアとして実現することもできる。
ITR方式のデジタルPLL回路を含む従来の信号処理装置の構成を示すブロック図である。 実施形態に係る磁気記録再生装置の構成を示すブロック図である。 位相補間フィルタの構成を示す図である。 位相補間フィルタによって算出される、サンプルデータの補間データを示す図である。 位相補間フィルタの構成を示す図である。 ループフィルタのブロック線図の一例を示す図である。 位相オフセット演算器のブロック線図の一例を示す図である。 再生信号に対するPLLの動作を説明するタイミングチャートである。 PLLにおいて算出される位相オフセット量の時間変化を示す図である。 再生信号の位相引き込み性能を観測した図である。
符号の説明
1…磁気記録再生装置
2…VGA
3…周波数シンセサイザ
4…アナログフィルタ
5…アナログAGC
6…A/Dコンバータ
7…等化フィルタ
8,20…PLL
81…位相補間フィルタ、82…位相誤差検出器
83…ループフィルタ、84…位相オフセット演算器
9…位相補間フィルタ
10…ビタビ検出器

Claims (4)

  1. 再生信号の位相誤差を検出する検出部と、
    前記再生信号のサンプリング周期ごとに前記位相誤差を積算する積算部と、
    前記積算値に基づいて第1フィルタ係数を算出し、その第1フィルタ係数により再生信号を所定の位相分解能にて補間することによって当該再生信号の位相調整を行う第1位相補間フィルタ部と、
    前記積算値に基づいて、前記第1フィルタ係数よりも数が少ない第2フィルタ係数を算出し、その第2フィルタ係数により再生信号を前記位相分解能にて補間することによって当該再生信号の位相調整を行い、位相調整がされた再生信号を前記検出部に与える第2位相補間フィルタ部と、
    前記第1位相補間フィルタ部により位相調整が行われた再生信号に対して畳み込み復号を行う復号部と、
    を備えた信号処理装置。
  2. 前記第1位相補間フィルタ部は、処理対象の再生信号のビット幅を前記第2位相補間フィルタ部よりも小さくした
    請求項1記載の信号処理装置。
  3. 前記積算部は、前記積算値として、前記再生信号の位相分解能をNとしたときの整数値(0〜N−1)を算出し、
    前記第1の位相補間フィルタ部は、
    前記第2フィルタ係数を前記整数値のそれぞれに対応してN通り設け、前記サンプリング周期ごとに、前記N通りの第2フィルタ係数に基づいてN個の演算結果を得るフィルタ演算部と、
    応じて、前記N個の演算結果の中から、前記積算部から算出された整数値に対応する演算結果を選択する選択部と、
    を有する請求項1記載の信号処理装置。
  4. 再生信号の位相誤差を検出する第1工程と、
    前記位相誤差を積算する第2工程と、
    前記第2工程における積算値に基づいて第1フィルタ係数を算出し、そのフィルタ係数により再生信号を所定の位相分解能にて補間することによって、ビタビ検出のために当該再生信号の位相調整を行う第3工程と、
    前記第2工程における積算値に基づいて、前記第1フィルタ係数よりも数が少ない第2フィルタ係数を算出し、そのフィルタ係数により再生信号を前記位相分解能にて補間することによって、前記位相誤差の検出のために当該再生信号の位相調整を行う第4工程と、
    を備えた信号処理方法。
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