JP2000163889A - クロック再生装置 - Google Patents

クロック再生装置

Info

Publication number
JP2000163889A
JP2000163889A JP10332550A JP33255098A JP2000163889A JP 2000163889 A JP2000163889 A JP 2000163889A JP 10332550 A JP10332550 A JP 10332550A JP 33255098 A JP33255098 A JP 33255098A JP 2000163889 A JP2000163889 A JP 2000163889A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
phase error
output
phase
frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10332550A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruo Ota
晴夫 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP10332550A priority Critical patent/JP2000163889A/ja
Publication of JP2000163889A publication Critical patent/JP2000163889A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)
  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生された信号からディジタル情報に同期し
たクロックを再生するのに適し、広いプルインレンジが
確保できるクロック再生装置を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 AD変換器4により標本化された再生信
号から位相誤差検出回路6で位相誤差信号25を検出す
るとともに、周波数誤差検出回路21で周波数誤差信号
26を検出し、これらを合成回路22で位相周波数誤差
信号27に合成し、この位相周波数誤差信号27をルー
プフィルタ23に供給する。可変周波数発振器9は、ル
ープフィルタ23の出力により制御されクロック11を
発生する。この構成により、帰還ループ内にあるイコラ
イザ14において遅延があっても広いプルインレンジが
確保できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体から再生
された信号から再生データに同期したクロック信号を再
生するためのクロック再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ディジタルデータを記録再生する
ハードディスク装置や磁気テープ装置では、再生された
信号をパーシャルレスポンス等化し、その後ビタビ復号
器などにより最尤復号することでデータを検出する、い
わゆるPRML方式(Partial Respons
e Maximum Likelihood)が用いら
れる。このPRML方式では、再生されたデータに正確
に同期して信号を標本化する必要がある。
【0003】以下に、このようなPRML方式による再
生信号処理部の従来例について、図面を参照して説明す
る。
【0004】図13は、磁気ディスクの従来の再生処理
部のブロック図である。図13において、磁気ディスク
から再生された再生信号10は、再生アンプ2において
増幅され、イコライザ3においてパーシャルレスポンス
等化される。等化された信号は、AD変換器(ADC)
4において、クロック信号11のタイミングで標本化さ
れ、ディジタル信号に変換されることで、標本化された
信号12となる。標本化された信号12は、ビタビ復号
器5においてビタビアルゴリズムにより最尤復号され、
磁気ディスクに記録されていたディジタル情報が検出さ
れて信号13として出力される。
【0005】一方、位相誤差検出回路6は、標本化され
ディジタル化された信号12から位相誤差を検出する。
検出された位相誤差は、DA変換器(DAC)7におい
てアナログ信号に変換され、ループフィルタ8を経て可
変周波数発振器(VCO)9に入力される。可変周波数
発振器9は、ループフィルタ8の出力信号に応じた周波
数で発振し、クロック信号11を発生しAD変換器4に
標本化クロックとして帰還される。
【0006】ここで、このような再生された信号をパー
シャルレスポンス等化し、その後ビタビ復号器により最
尤復号することでデータを検出するいわゆるPRML方
式では、再生されたデータに正確に同期して信号を標本
化する必要がある。このため、図13の従来例では、A
D変換器4、位相誤差検出回路6、DA変換器7、ルー
プフィルタ8、可変周波数発振器9からなるPLL(P
hase Locked Loop)回路を構成してお
り、再生されたデータに同期したクロック信号11を発
生するよう構成されている。
【0007】このような従来のPRML方式による再生
信号処理の例は、例えば、Patrick K.D.P
ai他著、”A 160−MHz analog fr
ont−end IC for EPR− PRML
magnetic storage read cha
nnels”、IEEE Journal of so
lid−state circuits、Vol.3
1、No.11(1996年11月)に記載されてい
る。
【0008】ところで、図13の例では、再生信号をパ
ーシャルレスポンス等化するためのイコライザ3はアナ
ログ回路により構成されている。しかしながら、等化の
高精度化や無調整化、LSIへの高集積化などの観点か
ら、パーシャルレスポンス等化をディジタル処理で行う
ことが好ましい。そこで、この場合の構成例を図14に
示す。
【0009】図14は、パーシャルレスポンス等化をデ
ィジタル処理で行う従来例であり、先の図13の例と同
機能のブロックには同番号を付した。図13の例との違
いは、再生アンプ2の出力をAD変換器4でそのまま標
本化およびディジタル化し、ディジタル信号処理の形態
でイコライザ14によってパーシャルレスポンス等化す
る点である。この場合には、クロック信号11を発生す
るためのPLL回路は、AD変換器4、イコライザ1
4、位相誤差検出回路6、DA変換器7、ループフィル
タ8、可変周波数発振器9からなる帰還ループで構成さ
れている。これにより、クロック信号11は再生された
データに同期し、PRML方式によりディジタル情報が
検出される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図14の構
成においては、イコライザ14をディジタル処理の形態
で行うため、クロック周期単位での多くの遅延が発生す
る。このため、PLL回路の帰還ループ内の遅延量が多
くなり、PLLにより正しく位相同期が機能するための
周波数誤差範囲、いわゆるプルインレンジが極端に狭く
なってしまうという課題がある。これは、再生信号の周
波数変動が比較的大きい磁気テープ装置において一層大
きな課題である。
【0011】そこで、本発明の目的は、たとえPLLの
帰還ループ内の遅延量が大きい場合であっても、広いプ
ルインレンジが確保できるクロック再生装置を提供する
ことである。
【0012】また、本発明の他の目的は、広いプルイン
レンジを確保するにあたり、再生信号を再生信号のデー
タレートより高い周波数でオーバーサンプリングする必
要はなく、再生信号のデータレートに等しい周波数で標
本化すればよいクロック再生装置を提供することであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的のために、本発
明の請求項1記載のクロック再生装置は、再生信号をク
ロック信号のタイミングで標本化する標本化手段と、標
本化された信号から位相誤差を検出する第1の位相誤差
検出手段と、標本化された信号から周波数誤差を検出す
る周波数誤差検出手段と、第1の位相誤差検出手段と周
波数誤差検出手段とから位相周波数誤差信号を得る合成
手段と、位相周波数誤差信号を入力とする第1のフィル
タ手段と、第1のフィルタ手段の出力により発振周波数
が制御されクロック信号を発生する発振手段とを備えた
構成としたものである。
【0014】この構成によれば、周波数誤差と位相誤差
の両方を検出し、それらを合成した位相周波数誤差信号
によって発振手段の発振周波数を制御するようにしたの
で、たとえPLLの帰還ループ内の遅延量が大きい場合
であっても、広いプルインレンジが確保できる。また、
広いプルインレンジを確保するにあたり、再生信号を再
生信号のデータレートより高い周波数でオーバーサンプ
リングする必要はなく、再生信号のデータレートに等し
い周波数で標本化すればよい。
【0015】本発明の請求項2記載のクロック再生装置
は、請求項1記載のクロック再生装置において、合成手
段を以下のように構成している。すなわち、周波数誤差
検出手段により検出される周波数誤差が所定の範囲より
も小さい場合には位相誤差検出手段の出力を選択して位
相周波数誤差信号として出力し、周波数誤差検出手段に
より検出される周波数誤差が所定の範囲よりも大きい場
合にはその周波数誤差の符号に応じた所定値を選択して
位相周波数誤差信号として出力することを特徴とする。
【0016】この構成によれば、周波数が所定の範囲よ
りも大きくずれている場合には、そのずれの方向に応じ
てクロックの発振周波数が制御される。その結果、広い
プルインレンジが確保できる。
【0017】本発明の請求項3記載のクロック再生装置
は、請求項1記載のクロック再生装置において、周波数
誤差検出手段を以下のように構成している。すなわち、
標本化された信号から位相誤差を検出する第2の位相誤
差検出手段と、第2の位相誤差検出手段により検出され
た位相誤差が概略−90度から90度の範囲にあること
を検出する位相範囲検出手段と、検出された位相誤差を
所定期間遅延する第1の遅延手段と、検出された位相誤
差と第1の遅延手段により遅延された位相誤差との差分
を得る第1の演算手段と、第1の演算手段の出力を位相
範囲検出手段により検出された範囲に限り平均化する平
滑手段とを備え、平滑手段の出力を周波数誤差信号とす
ることを特徴とする。
【0018】この構成によれば、位相誤差の有効範囲を
位相範囲検出手段で検出し、その有効範囲における位相
誤差の変化から周波数誤差を検出できる。
【0019】本発明の請求項4記載のクロック再生装置
は、請求項3記載のクロック再生装置において、位相範
囲検出手段を以下のように構成している。すなわち、第
1の演算手段の出力を所定期間遅延する第2の遅延手段
と、第1の演算手段の出力と第2の遅延手段の差分を得
る第2の演算手段と、第2の演算手段の出力の包絡線を
検出する包絡線検出手段と、包絡線の大きさを所定値と
比較する比較手段とを備え、比較手段の出力信号を位相
範囲検出信号としたことを特徴とする。
【0020】この構成によれば、位相誤差が−90度か
ら+90度以外の範囲では検出された位相誤差の分散が
大きいという性質を利用して有効な範囲を検出できる。
【0021】本発明の請求項5記載のクロック再生装置
は、請求項1記載のクロック再生装置において、周波数
誤差検出手段を以下のように構成している。すなわち、
標本化された信号から位相誤差を検出する第2の位相誤
差検出手段と、第2の位相誤差検出手段により検出され
た位相誤差を所定期間遅延する第1の遅延手段と、検出
された位相誤差と第1の遅延手段により遅延された位相
誤差との差分を得る第1の演算手段と、第1の演算手段
の出力信号の符号を入力とする第2のフィルタ手段とを
備え、第2のフィルタ手段の出力を周波数誤差信号とす
ることを特徴とする。
【0022】この構成によれば、位相誤差の変化の方向
から周波数誤差の方向を知るとともに、検出された位相
誤差の分散の性質を利用して周波数誤差を検出できる。
【0023】本発明の請求項6記載のクロック再生装置
は、請求項1記載のクロック再生装置において、周波数
誤差検出手段を以下のように構成している。すなわち、
標本化された信号から位相誤差を検出する第2の位相誤
差検出手段と、第2の位相誤差検出手段により検出され
た位相誤差を所定期間遅延する第1の遅延手段と、検出
された位相誤差と第1の遅延手段により遅延された位相
誤差との差分を得る第1の演算手段と、第1の演算手段
の出力信号から小振幅の雑音を低減する非線形雑音低減
手段と、非線形雑音低減手段の出力信号の符号を入力と
する第2のフィルタ手段とを備え、第2のフィルタ手段
の出力を周波数誤差とすることを特徴とする。
【0024】この構成によれば、非線形雑音低減手段に
より小振幅の雑音を低減することで、より安定して周波
数誤差を検出できる。
【0025】本発明の請求項7記載のクロック再生装置
は、請求項6記載のクロック再生装置において、非線形
雑音低減手段を以下のように構成している。すなわち、
第1の演算手段の出力を所定の時間だけ遅延する第2の
遅延手段と、第1の演算手段と第2の遅延手段の出力と
の差分を得る第2の演算手段と、第2の演算手段の出力
を小振幅に限り通過させる非線形処理手段と、第1の演
算手段の出力と非線形処理手段との出力を混合する第3
の演算手段とを備えている。
【0026】この構成によれば、大きな分散は維持した
まま小振幅雑音のみを低減できる。
【0027】本発明の請求項8記載のクロック再生装置
は、請求項7記載のクロック再生装置において、第2の
遅延手段の遅延時間が第1の遅延手段の遅延時間と等し
いことを特徴とする。
【0028】この構成によれば、非線形雑音低減手段の
入力信号に含まれる雑音成分を有効に抽出し、効果的に
小振幅の雑音を低減できる。
【0029】本発明の請求項9記載のクロック再生装置
は、請求項1記載のクロック再生装置において、周波数
誤差検出手段を以下のように構成している。すなわち、
標本化された信号から位相誤差を検出する第2の位相誤
差検出手段と、第2の位相誤差検出手段により検出され
た位相誤差をそれぞれ異なる期間遅延するN個の遅延手
段と、検出された位相誤差とN個の遅延手段により遅延
された位相誤差との差分をそれぞれ得るN個の演算手段
と、N個の演算手段の出力信号の符号をそれぞれ入力と
するN個のフィルタ手段とを備え、N個のフィルタ手段
の出力をそれぞれ周波数誤差信号とすることを特徴とす
る。
【0030】この構成によれば、わずかな周波数誤差か
ら大きな周波数誤差まで、広い範囲にわたって周波数誤
差を検出できる。
【0031】本発明の請求項10記載のクロック再生装
置は、請求項1記載のクロック再生装置において、周波
数誤差検出手段を以下のように構成している。すなわ
ち、標本化された信号から位相誤差を検出する第2の位
相誤差検出手段と、第2の位相誤差検出手段により検出
された位相誤差をそれぞれ異なる期間遅延するN個の遅
延手段と、検出された位相誤差とN個の遅延手段により
遅延された位相誤差との差分をそれぞれ得るN個の演算
手段と、N個の演算手段の出力信号からそれぞれ小振幅
の雑音を低減するN個の非線形雑音低減手段と、N個の
非線形雑音低減手段の出力信号の符号をそれぞれ入力と
するN個のフィルタ手段とを備え、N個のフィルタ手段
の出力を周波数誤差信号とすることを特徴とする。
【0032】この構成によれば、広い範囲にわたって周
波数誤差を検出できるとともに、非線形雑音低減手段に
より小振幅の雑音を低減することで、より安定して周波
数誤差を検出できる。
【0033】本発明の請求項11記載のクロック再生装
置は、請求項1記載のクロック再生装置において、請求
項3,5,6,9または10記載のクロック再生装置に
おいて、第2の位相誤差検出手段を以下のように構成し
ている。すなわち、標本化された信号から位相誤差を抽
出する位相誤差抽出手段と、位相誤差抽出手段の出力が
不連続にならないよう補間を行って位相誤差を出力する
補間手段とを備えている。
【0034】この構成によれば、検出した位相誤差が不
連続とならないため、安定して周波数誤差を検出でき
る。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0036】(第1の実施の形態)本発明のクロック再
生装置の第1の実施の形態を用いた、磁気再生装置の再
生信号処理部のブロック図を図1に示す。なお、図1で
先に図14に示した従来例と同機能のブロックには同番
号を付した。
【0037】図1において、磁気媒体から再生された再
生信号10は、再生アンプ2において増幅され、AD変
換器(ADC)4においてクロック信号11のタイミン
グで再生信号10のデータレートに概ね等しい周波数で
標本化され、ディジタル信号に変換される。ディジタル
化された再生信号は、イコライザ14においてディジタ
ル信号処理の形態でパーシャルレスポンス等化され、標
本化された信号12となる。なお、ここでのパーシャル
レスポンス等化は、記録からのインパルス応答が(1,
0,−1)となるように等化する、いわゆるパーシャル
レスポンス・クラス4を用いる。上記の標本化された信
号12は、ビタビ復号器5においてビタビアルゴリズム
により最尤復号され、磁気媒体に記録されていたディジ
タル情報が検出され、信号13として出力される。
【0038】一方、信号12は、位相誤差検出回路6お
よび周波数誤差検出回路21にも供給される。位相誤差
検出回路6は、信号12から位相誤差を検出して位相誤
差信号25を出力する。また、周波数誤差検出回路21
は、後に説明する構成および動作により周波数誤差を検
出し、周波数誤差信号26を出力する。位相誤差信号2
5および周波数誤差信号26は、合成回路22に供給さ
れる。
【0039】ここで、合成回路22の構成を図2に示
す。図2において、選択回路31には、位相誤差信号2
5、および正の所定の値A(A>0)を表わす信号3
4、負の所定の値−Aを表わす信号35の3つの信号が
入力され、制御信号33によりいずれか1つを選択して
位相周波数誤差信号27を出力する。一方、周波数誤差
信号26は比較器32に入力され、これに応じた制御信
号33が出力される。制御信号33は、再生データの周
波数が標本化に用いているクロック信号11の周波数に
比べて所定量以上に高い場合には信号34が選択される
よう選択回路31を制御する。また、再生データの周波
数が標本化に用いているクロック信号11の周波数に比
べて所定量以上に低い場合には信号35が選択されるよ
う選択回路31を制御する。さらに、再生データの周波
数と標本化に用いているクロック信号11の周波数との
誤差が所定量以内の場合には信号25が選択されるよう
選択回路31を制御する。
【0040】さて、再び図1に戻り、合成回路22より
得られた位相周波数誤差信号27は、ループフィルタ2
3に入力される。ループフィルタ23は、主として位相
誤差に対する応答特性を決める係数回路25、主として
周波数誤差に対する応答特性を決める係数回路26、さ
らに加算回路30、1クロック周期だけ信号を遅延する
遅延回路28、および加算回路29から構成されてい
る。ループフィルタ23の出力信号は、DA変換器24
においてアナログ電圧に変換され、可変周波数発振器9
に入力される。可変周波数発振器9は、DA変換器24
からの制御電圧に応じた周波数で発振してクロック信号
11を発生し、AD変換器4の標本化クロックとして帰
還する。なお、可変周波数発振器9は、DA変換器24
からの制御信号の電圧が高いほど高い周波数で発振す
る。
【0041】ここで、AD変換器4、イコライザ14、
位相誤差検出回路6および周波数誤差検出回路21、合
成回路22、ループフィルタ23、DA変換器24、可
変周波数発振器9からなる帰還ループは、再生データに
同期したクロック信号11を発生するためのPLL回路
を構成している。これにより、クロック信号11は再生
されたデータに同期し、PRML方式によりディジタル
情報が検出される。
【0042】上記において、再生アンプ2、AD変換器
4およびイコライザ14が再生信号をクロック信号のタ
イミングで標本化する標本化手段を構成している。ま
た、位相誤差検出回路6が標本化された信号から位相誤
差を検出する第1の位相誤差検出手段を構成している。
また、周波数誤差検出回路21が標本化された信号から
周波数誤差を検出する周波数誤差検出手段を構成してい
る。また、合成回路22が第1の位相誤差検出手段と周
波数誤差検出手段とから位相周波数誤差信号を得る合成
手段を合成している。また、ループフィルタ23が位相
周波数誤差信号を入力とする第1のフィルタ手段を構成
している。また、可変周波数発振器9が第1のフィルタ
手段の出力により発振周波数が制御されクロック信号を
発生する発振手段を構成している。
【0043】つぎに、以上の構成において、再生データ
の周波数が標本化に用いているクロック信号11の周波
数に比べて所定量以上高い場合の動作について説明す
る。
【0044】再生データの周波数が標本化に用いている
クロック信号11の周波数に比べて所定量以上高い場合
には、周波数誤差検出回路21が周波数の誤差を検出し
周波数誤差信号26を出力する。これに従い、合成回路
22において、正の所定値Aを表わす信号34が選択さ
れて位相周波数誤差信号27として出力される。位相周
波数誤差信号27はループフィルタ23に入力される。
ループフィルタ23では、加算回路30および遅延回路
28により積分回路が構成されており、位相周波数誤差
信号27として入力された正の所定値Aが係数回路26
を経て積分される。その結果、ループフィルタ23の出
力は上昇し、DA変換器24から可変周波数発振器9へ
加えられる制御電圧が高くなる。これにより、クロック
信号11の周波数は徐々に高くなる。
【0045】やがてクロック信号11の周波数が再生デ
ータの周波数の所定範囲内に近づくと、合成回路22で
は周波数誤差信号26に基づいて位相誤差信号25が選
択されて位相周波数誤差信号27として出力される。そ
の結果、従来例のPLL回路と同様にしてクロック信号
11は再生データの位相にロックする。なお、このとき
でも、ループフィルタ23では加算回路30および遅延
回路28からなる積分回路により値が保持されるため、
可変周波数発振器9の発振周波数が維持され、再び周波
数がずれていくことはない。
【0046】同様にして、再生データの周波数が標本化
に用いているクロック信号11の周波数に比べて所定量
以上低い場合には、周波数誤差検出回路21からの周波
数誤差信号26に従い、合成回路22において、負の所
定値−Aを表わす信号35が選択されて位相周波数誤差
信号27として出力される。位相周波数誤差信号27は
ループフィルタ23に入力され、加算回路30および遅
延回路28からなる積分回路により、入力された負の所
定値−Aが係数回路26を経て積分される。その結果、
ループフィルタ23の出力は下降し、DA変換器24か
ら可変周波数発振器9への制御電圧低くなる。これによ
り、クロック信号11の周波数は徐々に低くなる。
【0047】やがてクロック信号11の周波数が再生デ
ータの周波数の所定範囲内に近づくと、合成回路22で
は周波数誤差信号26に基づいて位相誤差信号25が選
択されて位相周波数誤差信号27として出力される。そ
の結果、従来例のPLL回路と同様にしてクロック信号
11は再生データの位相にロックする。
【0048】つぎに、図1における周波数誤差検出回路
21の具体的構成について説明する。図3は、第1の実
施の形態における周波数誤差検出回路21の構成を示す
ブロック図である。図3において、パーシャルレスポン
ス・クラス4等化された信号12は第2の位相誤差検出
回路40に入力され、位相誤差信号50を得る。この第
2の位相誤差検出回路40の構成を図4に示す。上記の
第2の位相誤差検出回路40が標本化された信号から位
相誤差を検出する第2の位相誤差検出手段を構成してい
る。
【0049】図4において、信号12は位相誤差抽出回
路69に入力される。位相誤差抽出回路69はパーシャ
ルレスポンス・クラス4等化された信号から標本化ごと
に位相誤差情報を抽出するもので、信号を1クロック期
間だけ遅延する遅延回路(D)60、信号12を所定の
閾値で識別して0,1,−1のいずれかの3値の信号に
変える3値判別回路61、3値判別回路61の出力を1
クロック期間だけ遅延する遅延回路(D)62、信号1
2と遅延回路62の出力とを掛け合わせる乗算回路6
3、遅延回路60の出力と3値判別回路61の出力とを
掛け合わせる乗算回路64、乗算回路63の出力と乗算
回路64の出力との差をとる減算回路65とから構成さ
れ、信号71を出力する。上記の位相誤差抽出回路69
が、標本化された信号から位相誤差を抽出する位相誤差
抽出手段を構成している。
【0050】この位相誤差抽出回路69の動作について
は、例えば、Roy D. Cideciyan他
著、”A PRML system for digi
talmagnetic recording”、IE
EE Journal onselected are
as in communications、Vol.
10、No.1(1992年1月)に記載されている。
したがって、ここでは詳細な動作説明は省略するが、再
生信号のデータレートに等しい周波数で標本化された連
続する2標本値から位相誤差を抽出するものであり、連
続する2標本値の3値判別結果がいずれも零の場合、す
なわち図4における3値判別回路61の出力と遅延回路
62の出力がいずれも零の場合には、位相誤差を検出す
ることができず、このとき信号71として零を出力す
る。
【0051】さて、信号71はつぎに補間回路70に入
力される。補間回路70は、選択回路68、選択回路6
8の出力である位相誤差信号50を1クロック期間遅延
する遅延回路67、3値判別回路61の出力と遅延回路
62の出力とを入力とする論理回路66とから構成され
ており、位相誤差信号50を出力する。論理回路66
は、3値判別回路61の出力と遅延回路62の出力とが
いずれも零の場合には遅延回路67の出力が選択され、
それ以外の場合には信号71が選択されるよう選択回路
68を制御する。上記の補間回路70が、位相誤差抽出
手段の出力が不連続にならないよう補間を行って位相誤
差を出力する補間手段を構成している。
【0052】前述のように、位相誤差抽出回路69では
連続する2標本値の3値判別結果がいずれも零の場合に
は位相誤差を検出することができず、このとき信号71
として零を出力する。その結果、実際の位相誤差が連続
的に変化している場合であっても信号71で示される位
相誤差はここで不連続となり、後の周波数誤差検出が正
しく機能しない。補間回路70はこれを防ぐためのもの
で、連続する2標本値の3値判別結果がいずれも零の場
合には直前に検出された位相誤差と置き換えることで、
信号50として出力される位相誤差信号を連続的変化さ
せる機能を持つ。
【0053】さて、再び図3に戻って説明するのにあた
り、標本化に用いるクロック信号11の周波数が再生デ
ータの周波数に比べて一定量だけが低い場合の各部の波
形を図5に示しながら説明する。
【0054】いま、標本化に用いるクロック信号11の
周波数が再生データの周波数に比べて一定量だけが低い
ものとすると、再生データの1周期に比べてクロック信
号11の1周期の方が長いため、標本点の位相は徐々に
進んでいく。この場合の位相誤差信号50の波形を図5
(a)に示す。なお、位相誤差信号50はディジタル信
号の形態であるが、ここでは簡単のためアナログ量で示
す。第2の位相誤差検出回路40の位相誤差検出特性
は、位相誤差が約−90度から約+90度までの範囲で
は安定して位相誤差を検出でき、図5(a)の期間Aに
見られるように、標本点の位相が徐々に進んでいく様子
がわかる。しかし、位相誤差が90度からさらに進んで
180度に到達し、また−180度から進んで−90度
に到達するまでの期間は、平均的には位相誤差が検出で
きるものの分散が極めて大きく、図5(a)の期間Bに
見られるような乱れた波形となる。
【0055】さて、位相誤差信号50は遅延回路41に
おいて1クロック周期だけ遅延され、減算回路42にお
いて位相誤差信号50と遅延回路41との差として信号
51を得る。信号51の波形を図5(b)に示す。信号
51は、位相誤差信号50の時間に対する傾きを表わし
ており、図5(b)の期間Aは概ね正の値となってい
る。またその大きさは、標本化に用いるクロック信号1
1の周波数と再生データの周波数との周波数誤差の大き
さに比例する。上記の遅延回路41は、第2の位相誤差
検出手段により検出された位相誤差を所定期間遅延する
第1の遅延手段を構成している。また、減算回路42
は、検出された位相誤差と第1の遅延手段(遅延回路4
1)により遅延された位相誤差との差分を得る第1の演
算手段を構成している。
【0056】つぎに、図3において、信号51は遅延回
路43において1クロック周期だけ遅延され、減算回路
44において信号51と遅延回路43との差として信号
52を得る。この信号52の波形を図5(c)に示す。
図5(c)では、図5(b)に示した信号51の変動成
分のみが取り出され、期間Aではその振幅が小さいのに
対して期間Bでは大きな振幅となっている。包絡線検出
回路45では、信号52の包絡線を検出して包絡線信号
53として出力する。また、包絡線信号53は比較器4
6において所定の閾値と比較され、包絡線信号53の振
幅が小さいときに限りスイッチ48が閉じられるようゲ
ート信号54を出力する。このゲート信号54の波形を
図5(d)に示す。図5(d)に見られるように、ゲー
ト信号54は、期間Aの範囲を検出する機能を果たして
おり、ゲート信号54を得るための機能ブロックは位相
範囲検出回路47により構成されている。
【0057】この位相範囲検出回路47は、第2の位相
誤差検出手段(第2の位相誤差検出回路40)により検
出された位相誤差が概略−90度から90度の範囲にあ
ることを検出する位相範囲検出手段を構成している。ま
た、遅延回路43が、第1の演算手段(減算回路42)
の出力を所定期間遅延する第2の遅延手段を構成してい
る。また、減算回路44が、第1の演算手段(減算回路
42)の出力と第2の遅延手段(遅延回路43)の差分
を得る第2の演算手段を構成している。また、包絡線検
出回路45が、第2の演算手段(減算回路44)の出力
の包絡線を検出する包絡線検出手段を構成している。ま
た、比較器46が、包絡線の大きさを所定値と比較する
比較手段を構成し、比較手段の出力信号を位相範囲検出
信号としている。
【0058】スイッチ48は、ゲート信号54が期間A
の範囲を検出している期間に限り閉じられる。ローパス
フィルタ(LPF)49は、スイッチ48を通過した信
号を平滑し、周波数誤差信号26を出力する。上記のス
イッチ48とLPF49は、第1の演算手段(減算回路
42)の出力を位相範囲検出手段(位相範囲検出回路4
7)により検出された範囲に限り平均化する平滑手段を
構成している。そして、平滑手段の出力を周波数誤差信
号26とする。
【0059】以上の動作の結果、信号51が図5の期間
Aに限りLPF49で平滑される。信号51の期間Aの
部分の振幅は、前述したように標本化に用いるクロック
信号11の周波数と再生データの周波数との周波数誤差
の大きさに比例するため、LPF49の出力である周波
数誤差信号26も周波数誤差の大きさに比例したものと
なり、周波数誤差が検出できる。
【0060】つぎに、これまでとは逆に標本化に用いる
クロック信号11の周波数が再生データの周波数に比べ
て一定量だけが高い場合の各部の波形を図6に示す。図
6において、(a)は位相誤差信号50、(b)は信号
51、(c)は信号52、(d)はゲート信号54であ
る。この場合には、再生データの1周期に比べてクロッ
ク信号11の1周期の方が短いため、標本点の位相は徐
々に遅れていき、図6(a)の位相誤差信号50の分散
が少ない期間Aにおいてこの様子がわかる。また、図6
(b)の信号51はこの期間において概ね負の値とな
る。先の例と同様に、図6(d)のゲート信号54によ
り期間Aの範囲を検出してこの部分に限り信号51をL
PF49で平滑することで、周波数誤差を周波数誤差信
号26として得ることができる。なお、標本化に用いる
クロック信号11の周波数が再生データの周波数に比べ
て高い場合には周波数誤差信号26は負の値となり、そ
の絶対値は周波数誤差の大きさに比例する。
【0061】このように、周波数誤差検出回路21によ
り周波数誤差が周波数誤差信号26として検出でき、前
述のように周波数がずれた状態からでも位相同期させる
ことができる。
【0062】以上のように、第1の実施の形態では、周
波数誤差が周波数誤差信号26として検出され、これを
合成回路22において位相誤差と合成してループフィル
タ23に供給する。この構成により、周波数の初期ずれ
量にかかわらず位相ロックさせることができ、正しく位
相同期が機能するための周波数誤差範囲、いわゆるプル
インレンジを広く確保できる。このため、PLLを構成
する帰還ループ内に遅延があってもよく、ディジタル処
理によるイコライザ14をループ内に配置することが可
能となり、より高精度でかつ集積化に適した再生処理部
が構成できる。また、広いプルインレンジが確保できる
ため、時間軸変動の大きい磁気テープ装置でも安定して
クロックを再生できる。
【0063】また、周波数誤差を検出するために再生信
号のデータレートより高い周波数で信号をオーバーサン
プリングする必要はなく、再生信号のデータレートに等
しい周波数で標本化すればよいため、AD変換器4やイ
コライザ14の構成が複雑になることはない。
【0064】(第2の実施の形態)つぎに、本発明のク
ロック再生装置の第2の実施の形態について説明する。
【0065】本発明のクロック再生装置の第2の実施の
形態を用いた、磁気再生装置の再生信号処理部のブロッ
ク図は、先に示した図1と全く同じである。第1の実施
の形態との違いは、周波数誤差検出回路21の内部構成
のみであるので、その部分に限り説明する。
【0066】図7は、第2の実施の形態における周波数
誤差検出回路21のブロック図である。なお、図3に示
した第1の実施の形態における周波数誤差検出回路21
と同機能のブロックには同番号を付した。
【0067】図7において、パーシャルレスポンス・ク
ラス4等化された信号12は第2の位相誤差検出回路4
0に入力され、位相誤差信号50を得る。位相誤差信号
50は遅延回路41において1クロック周期だけ遅延さ
れ、減算回路42において位相誤差信号50と遅延回路
41との差として信号51を得る。ここまでの構成は、
図3に示した先の第1の実施の形態と同じである。した
がって、標本化に用いるクロック信号11の周波数が再
生データの周波数に比べて一定量だけが低い場合の位相
誤差信号50および信号51の波形は、それぞれ図5
(a)、(b)に示したものとなる。
【0068】つぎに、信号51は符号抽出回路75に入
力される。符号抽出回路75は、信号51が正の値のと
きには+B(B>0)を、信号51が負の値のときには
−Bを、また信号51が零のときには零を信号77とし
てそれぞれ出力する。この信号77は、ローパスフィル
タ(LPF)76において平均化される。上記のLPF
76は、第1の演算手段(減算回路42)の出力信号の
符号を入力とする第2のフィルタ手段を構成し、第2の
フィルタ手段の出力を周波数誤差信号としている。
【0069】ここで、図5(b)に示された信号51の
波形を見ると、期間Aの間は概ね正の値になっている。
一方期間Bの間は、平均的には負の値であるが、この期
間では分散が大きいため信号51が正の値になる機会と
負の値になる機会は概ね等しい。すなわち、期間Aでは
概ね正の値となり、期間Bでは正と負とが半々であるこ
とから、期間Aおよび期間Bを合わせた全体としては、
信号51は正の値を取る期間のほうが長くなる。したが
って、この信号51の符号に応じた値をとる信号77を
LPF76において平均化すると正の値となる。またそ
の大きさは、標本化に用いるクロック信号11と再生デ
ータとの周波数誤差の大きさに概ね比例する。すなわ
ち、LPF76の出力は周波数誤差を表わすものとな
り、周波数誤差信号26として出力される。
【0070】同様にして、逆に標本化に用いるクロック
信号11の周波数が再生データの周波数に比べて一定量
だけが高い場合の位相誤差信号50、信号51はそれぞ
れ図6(a)、(b)のようになる。ここで、図6
(b)の信号51は期間Aにおいて概ね負の値となり、
期間Bにおいては平均的には負の値であるが分散が大き
いため正の値になる機会と負の値になる機会は概ね等し
い。すなわち、期間Aでは概ね負の値となり、期間Bで
は正と負とが半々であることから、期間Aおよび期間B
を合わせた全体としては、信号51は負の値を取る期間
のほうが長くなる。したがって、この信号51の符号に
応じた値をとる信号77はをLPF76において平均化
すると負の値となり、またその絶対値の大きさは周波数
誤差の大きさに概ね比例する。
【0071】このように、第2の実施の形態ではより簡
単な構成の周波数誤差検出回路21により周波数誤差が
周波数誤差信号26として検出できる。
【0072】以上のように、第2の実施の形態でも第1
の実施の形態と同様に、周波数誤差が周波数誤差信号2
6として検出され、これを図1の合成回路22において
位相誤差と合成してループフィルタ23に供給すること
により、周波数の初期ずれ量にかかわらず位相ロックさ
せることができ、正しく位相同期が機能するための周波
数誤差範囲、いわゆるプルインレンジを広く確保でき
る。
【0073】また、周波数誤差を検出するために再生信
号のデータレートより高い周波数で信号をオーバーサン
プリングする必要はなく、再生信号のデータレートに等
しい周波数で標本化すればよい。
【0074】(第3の実施の形態)つぎに、本発明のク
ロック再生装置の第3の実施の形態について説明する。
【0075】本発明のクロック再生装置の第3の実施の
形態を用いた磁気再生装置の再生信号処理部のブロック
図も、先に示した図1と全く同じである。第1ないし第
2の実施の形態との違いは、周波数誤差検出回路21の
内部構成のみであり、その部分に限り説明する。
【0076】図8は、第3の実施の形態における周波数
誤差検出回路21のブロック図である。なお、図7に示
した第2の実施の形態における周波数誤差検出回路21
と同機能のブロックには同番号を付した。図8の第3の
実施の形態における周波数誤差検出回路21が第2の実
施の形態と異なる点は、信号51がそのまま符号抽出回
路75に入力されるのではなく、非線形雑音低減回路8
0を経て信号79が符号抽出回路75に入力されている
点にある。上記の非線形雑音低減回路80が、第1の演
算手段(減算回路42)の出力信号から小振幅の雑音を
低減する非線形雑音低減手段を構成している。
【0077】非線形雑音低減回路80は、信号51を遅
延回路41の遅延時間と同じ時間だけ遅延する遅延回路
81、信号51と遅延回路81の出力との差を信号78
として得る減算回路82、信号78のうち小振幅の信号
のみ通過させるリミッタ83、リミッタ83の出力信号
の振幅を1/2倍する係数回路84、信号51から係数
回路84の出力を差し引く減算回路85とから構成さ
れ、信号79を出力する。
【0078】上記の遅延回路81が、第1の演算手段
(減算回路42)の出力を所定の時間だけ遅延する第2
の遅延手段を構成している。また、減算回路82が、第
1の演算手段(減算回路42)と第2の遅延手段(遅延
回路81)の出力との差分を得る第2の演算手段を構成
している。また、リミッタ83が、第2の演算手段(減
算回路82)の出力を小振幅に限り通過させる非線形処
理手段を構成している。また、上記の係数回路84と減
算回路85とが、第1の演算手段(減算回路42)の出
力と非線形処理手段(リミッタ83)との出力を混合す
る第3の演算手段を構成している。
【0079】いま、標本化に用いるクロック信号11の
周波数が再生データの周波数に比べて一定量だけが低い
ものとすると、位相誤差信号50および信号51の波形
は、第2の実施の形態と同様にそれぞれ図5(a)、
(b)に示したものとなる。また、信号78は、図5
(c)に示すように、図5(b)に示した信号51の変
動成分のみが取り出され、期間Aではその振幅が小さい
のに対して期間Bでは大きな振幅となっている。リミッ
タ83は、期間Aの小振幅の変動成分は概ねそのまま通
過させるが、期間Bの大振幅の変動成分は通過させな
い。このため、リミッタ83を通過した期間Aの小振幅
の変動成分のみが減算回路85において低減され、期間
Bの大振幅の変動成分は減算回路85においても低減さ
れない。その結果、信号79は図5(e)に示すものと
なり、信号51の期間Aの部分の変動成分がより抑圧さ
れ、期間Bの変動成分はそのまま維持された信号とな
る。なお、遅延回路81の遅延時間を遅延回路41の遅
延時間と等しくすることで、信号51に含まれる雑音の
うち大きなエネルギーを占める周波数帯域の雑音が効果
的に低減できる。
【0080】この信号79は、符号抽出回路75に入力
される。符号抽出回路75は、先の第2の実施の形態と
同様に、信号51が正の値のときには+B(B>0)
を、信号79が負の値のときには−Bを、また信号51
が零のときには零を信号77としてそれぞれ出力する。
この信号77は、ローパスフィルタ(LPF)76にお
いて平均化され、周波数誤差信号26となる。
【0081】ここで、図5(e)に示された信号79は
信号51に比べて期間Aの変動成分が少ないため、この
部分での符号をより正確に知ることができる。一方、期
間Bの部分では信号51と同じように分散が大きく正の
値になる機会と負の値になる機会は概ね等しい。その結
果、先の第2の実施の形態に比べ、期間Aおよび期間B
を合わせた全体としての符号の平均値がより正確に周波
数誤差を表わすこととなる。
【0082】なお、標本化に用いるクロック信号11の
周波数が再生データの周波数に比べて一定量だけが高い
ものとした場合には、信号79は図6(e)に示したよ
うになり、図6(e)に示された信号79は信号51に
比べて期間Aの変動成分が少ないため、この部分での符
号をより正確に知ることができる。一方、期間Bの部分
では信号51と同じように分散が大きく正の値になる機
会と負の値になる機会は概ね等しい。その結果、先の第
2の実施の形態に比べ、期間Aおよび期間Bを合わせた
全体としての符号の平均値がより正確に周波数誤差を表
わすこととなる。
【0083】このように、第3の実施の形態は、非線形
雑音低減回路80を用いることで、先の第2の実施の形
態に比べてより正確に周波数誤差を検出できる。
【0084】(第4の実施の形態)つぎに、本発明のク
ロック再生装置の第4の実施の形態について説明する。
【0085】本発明のクロック再生装置の第4の実施の
形態を用いた、磁気再生装置の再生信号処理部のブロッ
ク図を図9に示す。先に示した図1と同機能のブロック
には同番号を付した。
【0086】第4の実施の形態がこれまでの実施の形態
と異なる点は、信号12から周波数誤差を検出する周波
数誤差検出回路90の内部構成、周波数誤差検出回路9
0から周波数誤差信号26とともに第2の周波数誤差信
号92が出力されること、および合成回路91では位相
誤差信号25と周波数誤差信号26および第2の周波数
誤差信号92の3つの信号から位相周波数誤差信号27
を得るよう構成されている点である。以下に、これらの
相違部分についてのみ説明する。
【0087】第4の実施の形態における周波数誤差検出
回路90のブロック図を図10に示す。なお、図7に示
した第2の実施の形態における周波数誤差検出回路21
と同機能のブロックには同番号を付した。図10におい
て、信号12から周波数誤差信号26を得るまでの部分
は第2の実施の形態と全く同じであり、説明を省略す
る。異なる点は、位相誤差信号50から新たに第2の周
波数誤差信号92を得るように構成した点である。
【0088】位相誤差信号50は、遅延回路101にお
いて10クロック周期だけ遅延され、減算回路102に
おいて位相誤差信号50と遅延回路101との差として
信号103を得る。信号103は符号抽出回路104に
入力される。符号抽出回路104は、信号103が正の
値のときには+B(B>0)を、信号51が負の値のと
きには−Bを、また信号103が零のときには零を信号
105としてそれぞれ出力する。この信号105は、ロ
ーパスフィルタ(LPF)106において平均化され、
第2の周波数誤差信号92として出力される。
【0089】上記の遅延回路41,101が、第2の位
相誤差検出手段(第2の位相誤差検出回路40)により
検出された位相誤差をそれぞれ異なる期間遅延するN個
(Nは、2以上の整数で、この例では、2個)の遅延手
段を構成している。また、減算回路42,102が、検
出された位相誤差とN個の遅延手段(遅延回路41,1
01)により遅延された位相誤差との差分をそれぞれ得
るN個の演算手段を構成している。また、LPF76,
106が、N個の演算手段(減算回路42,102)の
出力信号の符号をそれぞれ入力とするN個のフィルタ手
段を構成し、N個のフィルタ手段の出力をそれぞれ周波
数誤差信号とする。
【0090】ここで、遅延回路41の遅延時間が1クロ
ック周期期間であるのに対して、遅延回路101ではよ
り長い時間の遅延を行っている。このため信号103
は、信号50の時間に対する変化の傾きを、信号51に
比べてより強い感度で検出することができる。その結
果、標本化に用いるクロック信号11と再生データの周
波数との差がごくわずかであり周波数誤差信号26では
十分な検出ができない場合であっても、周波数誤差信号
92は周波数のずれを検知することができる。
【0091】さて図9に戻り、周波数誤差信号26およ
び周波数誤差信号92は、位相誤差信号25とともに合
成回路91に入力される。この合成回路91のブロック
図を図11に示す。
【0092】図11において、図2に示した第1の実施
の形態における合成回路22と同機能のブロックには同
番号を付した。選択回路31には、位相誤差信号25、
および正の所定の値A(A>0)を表わす信号34、負
の所定の値−Aを表わす信号35の3つの信号が入力さ
れ、制御信号113によりいずれか1つを選択して位相
周波数誤差信号27を出力する。
【0093】一方、周波数誤差信号26は比較器32に
入力され、比較結果を信号33として出力する。また、
周波数誤差信号92は比較器110に入力され、比較結
果を信号111としてを出力する。
【0094】論理回路112は、信号33ないし信号1
11が再生データの周波数が標本化に用いているクロッ
ク信号11の周波数に比べて所定量以上に高いことを示
している場合には信号34が選択されるよう制御信号1
13により選択回路31を制御する。また、信号33な
いし信号111が再生データの周波数が標本化に用いて
いるクロック信号11の周波数に比べて所定量以上に低
いことを示している場合には信号35が選択されるよう
制御信号113により選択回路31を制御する。さら
に、信号33および信号111が再生データの周波数と
標本化に用いているクロック信号11の周波数との誤差
が所定量以内であることを示している場合には信号25
が選択されるよう制御信号113により選択回路31を
制御する。選択回路31は、このように選択された結果
を位相周波数誤差信号27としてループフィルタ23に
出力する。
【0095】この図11の回路と図2の回路との違い
は、図2の選択回路31が信号33のみで制御されてい
るのに対し、図11の回路では信号33と信号111の
2つの信号を参照し、その両者により選択回路31が制
御される点である。
【0096】前述のように、周波数誤差信号92は周波
数誤差信号26に対して、周波数のずれが小さい場合に
検出感度が高い。したがって、信号111を参照して選
択回路31を制御することで、周波数のずれが比較的小
さい場合でも安定して周波数引き込みが行える。これに
対し、周波数のずれが大きく、例えば図5のAの帰還が
遅延回路101の遅延時間よりも短くなると、周波数誤
差信号92による周波数誤差の検出感度は低下してしま
う。しかしながら、この場合には、周波数誤差信号26
により周波数のずれを検出できる。そのため、信号33
を参照して選択回路31を制御することで周波数のずれ
が比較的大きい場合でも引き込みが行える。
【0097】以上の構成および動作の結果、第4の実施
の形態では、標本化に用いるクロック信号11と再生デ
ータの周波数との差がごくわずかな場合から差が大きい
場合まで、広い範囲にわたって周波数誤差を検出でき、
その結果を位相周波数誤差信号27としてループフィル
タ23に出力する。これにより、PLLのプルインレン
ジをより一層広く確保したクロック再生装置が実現でき
る。
【0098】(第5の実施の形態)つぎに、本発明のク
ロック再生装置の第5の実施の形態について説明する。
【0099】本発明のクロック再生装置の第5の実施の
形態を用いた、磁気再生装置の再生信号処理部のブロッ
ク図は、先に第4の実施の形態で示した図9と全く同じ
である。第4の実施の形態との違いは、周波数誤差検出
回路90の内部構成のみであり、その部分に限り説明す
る。
【0100】図12に第5の実施の形態における周波数
誤差検出回路90のブロック図を示す。ここで、先の第
3の実施の形態である図8および第4の実施の形態であ
る図10と同機能のブロックには同番号を付した。
【0101】さて図12において、信号12から周波数
誤差信号26を得るまでの部分は図8に示した第3の実
施の形態と全く同じであり、説明を省略する。また、信
号12から第2の周波数誤差信号92を得るまでの部分
において先の第4の実施の形態と異なる点は、信号10
3がそのまま符号抽出回路104に入力されるのではな
く、非線形雑音低減回路120を経て信号126が符号
抽出回路104に入力されている点にある。上記の非線
形雑音低減回路80,120が、N個の演算手段(減算
回路42,102)の出力信号からそれぞれ小振幅の雑
音を低減するN個の非線形雑音低減手段を構成してい
る。
【0102】非線形雑音低減回路120は、信号103
を遅延回路101の遅延時間と同じ時間だけ遅延する遅
延回路121、信号103と遅延回路121の出力との
差を信号127として得る減算回路122、信号127
のうち小振幅の信号のみ通過させるリミッタ123、リ
ミッタ123の出力信号の振幅を1/2倍する係数回路
124、信号103から係数回路124の出力を差し引
く減算回路125とから構成され、信号126を出力す
る。
【0103】ここで、この非線形雑音低減回路120の
動作は先の第3の実施の形態における非線形雑音低減回
路80と同様であるので詳細な説明は省略するが、信号
103に含まれる小振幅の雑音成分のみを低減すること
で第2の周波数誤差信号92として検出される周波数誤
差の検出をより確実なものする。なお、遅延回路121
の遅延時間を遅延回路101の遅延時間と等しくするこ
とで、信号102に含まれる雑音のうち大きなエネルギ
ーを占める周波数帯域の雑音が効果的に低減できる。
【0104】このように、第5の実施の形態は、第4の
実施の形態のより広い範囲にわたって周波数誤差を検出
できるという特徴に加え、非線形雑音低減回路80およ
び120を用いることでより正確に周波数誤差を検出で
きる。
【0105】なお、上述した第1から第5の実施の形態
では、パーシャルレスポンス・クラス4の等化方式の場
合について説明したが、本発明はこれに限られるもので
はなく、他の等化方式の場合にも適用できる。
【0106】また、第1から第5の実施の形態では、再
生信号を標本化とともにディジタル化してディジタル処
理の形態で処理するものであったが、標本化された信号
をアナログ信号の形態で処理してもよい。つまり、サン
プルホールド回路を用いて、アナログ信号を標本化(標
本化のみでディジタル符号には変換しない)して標本化
されたアナログ信号をそのまま処理してもよいというこ
とである。
【0107】さらに、第4および第5の実施の形態では
2系統の周波数誤差検出機能を有するが、2系統以上の
複数系統備えていてもよい。
【0108】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1記載の
クロック再生装置によれば、位相誤差を検出する他に、
周波数誤差を検出して位相誤差と合成してループフィル
タに入力する構成とすることで、周波数の初期ずれ量に
かかわらず位相ロックさせることができ、いわゆるプル
インレンジが広いクロック再生装置を提供できる。この
ため、PLLを構成する帰還ループ内に遅延があっても
よく、ディジタル処理によるイコライザをループ内に配
置することが可能となり、より高精度でかつ集積化に適
した再生処理部が構成できる。また、広いプルインレン
ジが確保できるため、時間軸変動の大きい磁気テープ装
置でも安定してクロックを再生できる。さらに、周波数
誤差を検出するために再生信号のデータレートより高い
周波数で信号をオーバーサンプリングする必要はなく、
再生信号のデータレートに等しい周波数で標本化すれば
よいため、AD変換器やイコライザの回路規模を増大さ
せることがない。
【0109】請求項2記載のクロック再生装置によれ
ば、周波数が所定の範囲よりも大きくずれている場合に
は、そのずれの方向に応じてクロックの発振周波数が制
御される。その結果、広いプルインレンジが確保でき
る。
【0110】請求項3記載のクロック再生装置によれ
ば、位相誤差の有効範囲を位相範囲検出手段で検出し、
その有効範囲における位相誤差の変化から周波数誤差を
検出できる。
【0111】請求項4記載のクロック再生装置によれ
ば、位相誤差が−90度から+90度以外の範囲では検
出された位相誤差の分散が大きいという性質を利用して
有効な範囲を検出できる。
【0112】請求項5記載のクロック再生装置によれ
ば、位相誤差の変化の方向から周波数誤差の方向を知る
とともに、検出された位相誤差の分散の性質を利用して
周波数誤差を検出できる。
【0113】請求項6記載のクロック再生装置によれ
ば、非線形雑音低減手段により小振幅の雑音を低減する
ことで、より安定して周波数誤差を検出できる。
【0114】請求項7記載のクロック再生装置によれ
ば、大きな分散は維持したまま小振幅雑音のみを低減で
きる。
【0115】請求項8記載のクロック再生装置によれ
ば、非線形雑音低減手段の入力信号に含まれる雑音成分
を有効に抽出し、効果的に小振幅の雑音を低減できる。
【0116】請求項9記載のクロック再生装置によれ
ば、わずかな周波数誤差から大きな周波数誤差まで、広
い範囲にわたって周波数誤差を検出できる。
【0117】請求項10記載のクロック再生装置によれ
ば、広い範囲にわたって周波数誤差を検出できるととも
に、非線形雑音低減手段により小振幅の雑音を低減する
ことで、より安定して周波数誤差を検出できる。
【0118】請求項11記載のクロック再生装置によれ
ば、検出した位相誤差が不連続とならないため、安定し
て周波数誤差を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1、第2および第3の実施の形態を
用いた磁気再生装置の再生信号処理部の構成を示すブロ
ック図である。
【図2】本発明の第1、第2および第3の実施の形態に
おける合成回路の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における周波数誤差
検出回路の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1から第5の実施の形態における第
2の位相誤差検出回路の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1から第5の実施の形態の動作を説
明する波形図である。
【図6】本発明の第1から第5の実施の形態の動作を説
明する波形図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態における周波数誤差
検出回路の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態における周波数誤差
検出回路の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第4および第5の実施の形態を用いた
磁気再生装置の再生信号処理部の構成を示すブロック図
である。
【図10】本発明の第4の実施の形態における周波数誤
差検出回路の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第4および第5の実施の形態におけ
る合成回路の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態における周波数誤
差検出回路の構成を示すブロック図である。
【図13】従来の磁気再生装置の再生信号処理部の構成
を示すブロック図である。
【図14】従来の磁気再生装置の再生信号処理部の構成
を示すブロック図である。
【符号の説明】
4 AD変換器 6 位相誤差検出回路 9 可変周波数発振器 21,90 周波数誤差検出回路 22,91 合成回路 23 ループフィルタ 40 第2の位相誤差検出回路 41,43,81,101,121 遅延回路 42,44,82,85,102,122,125
減算回路 45 包絡線検出回路 47 位相範囲検出回路 49,76,106 ローパスフィルタ 69 位相誤差抽出回路 70 補間回路 75,104 符号抽出回路 80,110 非線形雑音低減回路 83,123 リミッタ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 再生信号をクロック信号のタイミングで
    標本化する標本化手段と、標本化された信号から位相誤
    差を検出する第1の位相誤差検出手段と、前記標本化さ
    れた信号から周波数誤差を検出する周波数誤差検出手段
    と、前記第1の位相誤差検出手段と前記周波数誤差検出
    手段とから位相周波数誤差信号を得る合成手段と、前記
    位相周波数誤差信号を入力とする第1のフィルタ手段
    と、前記第1のフィルタ手段の出力により発振周波数が
    制御され前記クロック信号を発生する発振手段とを備え
    たクロック再生装置。
  2. 【請求項2】 合成手段は、周波数誤差検出手段により
    検出される周波数誤差が所定の範囲よりも小さい場合に
    は位相誤差検出手段の出力を選択して位相周波数誤差信
    号として出力し、前記周波数誤差検出手段により検出さ
    れる周波数誤差が前記所定の範囲よりも大きい場合には
    その周波数誤差の符号に応じた所定値を選択して前記位
    相周波数誤差信号として出力することを特徴とする請求
    項1記載のクロック再生装置。
  3. 【請求項3】 周波数誤差検出手段は、標本化された信
    号から位相誤差を検出する第2の位相誤差検出手段と、
    前記第2の位相誤差検出手段により検出された位相誤差
    が概略−90度から90度の範囲にあることを検出する
    位相範囲検出手段と、前記検出された位相誤差を所定期
    間遅延する第1の遅延手段と、前記検出された位相誤差
    と前記第1の遅延手段により遅延された位相誤差との差
    分を得る第1の演算手段と、前記第1の演算手段の出力
    を前記位相範囲検出手段により検出された範囲に限り平
    均化する平滑手段とを備え、前記平滑手段の出力を周波
    数誤差信号とすることを特徴とする請求項1記載のクロ
    ック再生装置。
  4. 【請求項4】 位相範囲検出手段は、第1の演算手段の
    出力を所定期間遅延する第2の遅延手段と、前記第1の
    演算手段の出力と前記第2の遅延手段の差分を得る第2
    の演算手段と、前記第2の演算手段の出力の包絡線を検
    出する包絡線検出手段と、前記包絡線の大きさを所定値
    と比較する比較手段とを備え、前記比較手段の出力信号
    を位相範囲検出信号としたことを特徴とする請求項3記
    載のクロック再生装置。
  5. 【請求項5】 周波数誤差検出手段は、標本化された信
    号から位相誤差を検出する第2の位相誤差検出手段と、
    前記第2の位相誤差検出手段により検出された位相誤差
    を所定期間遅延する第1の遅延手段と、前記検出された
    位相誤差と前記第1の遅延手段により遅延された位相誤
    差との差分を得る第1の演算手段と、前記第1の演算手
    段の出力信号の符号を入力とする第2のフィルタ手段と
    を備え、前記第2のフィルタ手段の出力を周波数誤差信
    号とすることを特徴とする請求項1記載のクロック再生
    装置。
  6. 【請求項6】 周波数誤差検出手段は、標本化された信
    号から位相誤差を検出する第2の位相誤差検出手段と、
    前記第2の位相誤差検出手段により検出された位相誤差
    を所定期間遅延する第1の遅延手段と、前記検出された
    位相誤差と前記第1の遅延手段により遅延された位相誤
    差との差分を得る第1の演算手段と、前記第1の演算手
    段の出力信号から小振幅の雑音を低減する非線形雑音低
    減手段と、前記非線形雑音低減手段の出力信号の符号を
    入力とする第2のフィルタ手段とを備え、前記第2のフ
    ィルタ手段の出力を周波数誤差とすることを特徴とする
    請求項1記載のクロック再生装置。
  7. 【請求項7】 非線形雑音低減手段は、第1の演算手段
    の出力を所定の時間だけ遅延する第2の遅延手段と、前
    記第1の演算手段と前記第2の遅延手段の出力との差分
    を得る第2の演算手段と、前記第2の演算手段の出力を
    小振幅に限り通過させる非線形処理手段と、前記第1の
    演算手段の出力と前記非線形処理手段との出力を混合す
    る第3の演算手段とを備えた請求項6記載のクロック再
    生装置。
  8. 【請求項8】 第2の遅延手段は、その遅延時間が第1
    の遅延手段の遅延時間と等しいことを特徴とする請求項
    7記載のクロック再生装置。
  9. 【請求項9】 周波数誤差検出手段は、標本化された信
    号から位相誤差を検出する第2の位相誤差検出手段と、
    前記第2の位相誤差検出手段により検出された位相誤差
    をそれぞれ異なる期間遅延するN個の遅延手段と、前記
    検出された位相誤差と前記N個の遅延手段により遅延さ
    れた位相誤差との差分をそれぞれ得るN個の演算手段
    と、前記Nの演算手段の出力信号の符号をそれぞれ入力
    とするN個のフィルタ手段とを備え、前記N個のフィル
    タ手段の出力をそれぞれ周波数誤差信号とすることを特
    徴とする請求項1記載のクロック再生装置。
  10. 【請求項10】 周波数誤差検出手段は、標本化された
    信号から位相誤差を検出する第2の位相誤差検出手段
    と、前記第2の位相誤差検出手段により検出された位相
    誤差をそれぞれ異なる期間遅延するN個の遅延手段と、
    前記検出された位相誤差と前記N個の遅延手段により遅
    延された位相誤差との差分をそれぞれ得るN個の演算手
    段と、前記Nの演算手段の出力信号からそれぞれ小振幅
    の雑音を低減するN個の非線形雑音低減手段と、前記N
    個の非線形雑音低減手段の出力信号の符号をそれぞれ入
    力とするN個のフィルタ手段とを備え、前記N個のフィ
    ルタ手段の出力を周波数誤差信号とすることを特徴とす
    る請求項1記載のクロック再生装置。
  11. 【請求項11】 第2の位相誤差検出手段は、標本化さ
    れた信号から位相誤差を抽出する位相誤差抽出手段と、
    前記位相誤差抽出手段の出力が不連続にならないよう補
    間を行って位相誤差を出力する補間手段とを備えている
    請求項3,5,6,9または10記載のクロック再生装
    置。
JP10332550A 1998-11-24 1998-11-24 クロック再生装置 Pending JP2000163889A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10332550A JP2000163889A (ja) 1998-11-24 1998-11-24 クロック再生装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10332550A JP2000163889A (ja) 1998-11-24 1998-11-24 クロック再生装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000163889A true JP2000163889A (ja) 2000-06-16

Family

ID=18256182

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10332550A Pending JP2000163889A (ja) 1998-11-24 1998-11-24 クロック再生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000163889A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007318755A (ja) * 2006-05-24 2007-12-06 National Semiconductor Germany Ag スイッチ可能なフェーズロックループ及びスイッチ可能なフェーズロックループの動作方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007318755A (ja) * 2006-05-24 2007-12-06 National Semiconductor Germany Ag スイッチ可能なフェーズロックループ及びスイッチ可能なフェーズロックループの動作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3683120B2 (ja) クロック再生装置
EP1039463B1 (en) Signal processing apparatus
JP2006252645A (ja) ジッタ検出装置
JP4206886B2 (ja) Itrデータ再生装置、記録再生システムおよび補間フィルタ
KR100398879B1 (ko) 입력신호의 영점교차 특성을 이용한 위상오차 검출장치
US6781938B2 (en) Expected value generation unit and a data reproduction apparatus
JP3639618B2 (ja) 信号処理装置
JP2001110146A (ja) 再生装置
US5920533A (en) Clock signal extraction system for high density recording apparatus
JP2000163889A (ja) クロック再生装置
JP3618787B2 (ja) 信号処理装置
JPH06343039A (ja) 位相検出回路およびデジタルpll回路
JPH0896516A (ja) クロック発生装置
JP3781163B2 (ja) 再生装置
JP3818031B2 (ja) 記録情報再生装置
JPH1011899A (ja) デジタル信号処理装置
JP2001006287A (ja) ディジタル信号再生装置
JP2001319427A (ja) 情報再生装置
JP2002025201A (ja) 記録再生装置
JP3994987B2 (ja) 再生装置
JPH09106626A (ja) データ処理装置
JP2001332033A (ja) 位相比較器およびこれを用いる同期信号生成回路
JP2000011550A (ja) 再生装置、クロック発生装置及びその方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体
JPH09213009A (ja) 再生装置
JPH06338782A (ja) ディジタルクロック再生装置