JP4318028B2 - 信号処理装置 - Google Patents

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本発明は、信号処理装置に関し、特に、等化波形の非線形を補償することができるようにした信号処理装置に関する。
従来、記録媒体より再生されたデジタルデータである再生信号を検出する方法として、電圧振幅のピークを特定するピーク・ディテクト法があった。しかしながら、近年の情報処理技術の向上とともに、記録媒体における記録密度の高密度化が進み、再生信号に符号間干渉が発生するようになり、ピーク・ディテクト法では、正確に検出できない場合があった。
そこで、積極的に符号間干渉(Inter Symbol Interference)を利用するパーシャルレスポンス(PR:Partial Response)方式と最尤検出(ML:Maximum Likelihood Sequence Detection)方式を組み合わせたPRML(Partial Response Maximum Likelihood)方式が用いられるようになった。しかしながら、記録媒体における記録密度の高密度化がさらに進み、その結果、符号間干渉の影響や、媒体等による非線形歪が顕著となり、従来のPRML方式では十分な性能が期待できなくなってきた。
ところで、検出器の検出結果を、フィードバックフィルタに通し、その出力を検出器入力に帰還することで符号間干渉を抑圧する方式として、検出器にビットバイビット検出装置を用いたDFE(Decision Feedback Equalization)がよく知られている(例えば、非特許文献1参照)。
図1は、従来の、DFE方式の信号処理部の構成例を示すブロック図である。
図1において、信号処理部1は、記録媒体より再生された再生信号を復号する信号処理部である。入力端子11より入力された、等化基準値に波形等化された再生信号ynは、加算器12に供給され、FIR(Finite Impulse Response)フィルタ15の出力と加算され、ビットバイビット検出器よりなる検出器13に供給される。検出器13は、その供給された再生信号znより検出した2値の信号b^nを、出力端子14より信号処理部1の外部に出力するとともに、FIRフィルタ15に供給する。FIRフィルタ15は、入力された信号に対してフィルタ処理を行い、その出力を加算器12に供給する。従って、FIRフィルタ15を、フィルタ係数がpi(1≦i≦N)、大きさがNのフィルタとし、その伝達関数を、遅延素子Dとして表すと、
1・D+p2・D2+・・・+pN・DN
とすると、検出器13の入力信号znは式(1)のように表すことができる。
Figure 0004318028
このように、フィルタ処理された検出結果をフィードバックさせるようにして、信号処理部1は、符号間干渉を抑圧する。
Jan W. M. Bergmans、"Density Improvements in Digital Magnetic Recording by Decision Feedback Equalizer"、IEEE trans.mag.、VOL. MAG-22, No.3, May,1986
しかしながら、以上のように、DFEを用いて信号を検出する場合においては、検出器13の検出結果を利用するので、誤りが発生したときに誤り伝播の可能性があり、検出器の精度が問題になるという課題があった。また、具体的な非線形な歪に対しての対策がなされておらず、再生ヘッドや媒体等の記録再生機構の応答によってもたされる非線形歪は完全に除去できないという課題があった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、誤り伝播の可能性を低く抑え、等化波形の非線形歪を補償することができるようにするものである。
本発明の信号処理装置は、再生信号に対して等化処理を施し、等化後信号を出力する等化手段と、複数の加算器からなり、それぞれの前記加算器において、前記等化後信号から符号間干渉および非線形歪を表す信号を減算することによって、前記等化後信号に含まれる符号間干渉および非線形歪を除去する第1の加算手段と、前記第1の加算手段により符号間干渉および非線形歪が除去された複数の前記等化後信号より2値を検出し、検出結果を出力する検出手段と、前記検出手段の検出処理における、ブランチ毎に状態推移に対応したデータおよび所定のパスメモリに格納されているデータのいずれか一方、または両方をパーシャルレスポンスの応答に変換する第1の変換手段と、前記検出手段の状態推移に対応するブランチ毎に互いに独立して設定されるフィルタ係数を用いてフィルタ処理を行う複数のFIRフィルタからなり、前記第1の変換手段により変換されて得られた前記パーシャルレスポンスの応答に基づいて、それぞれの前記FIRフィルタにおいてフィルタ処理を行うことによって、前記等化後信号に含まれる符号間干渉および非線形歪を表す前記信号を生成し、複数の前記加算器に供給する第1のフィルタ手段とを備える。
前記等化後信号を遅延させ、その前記等化後信号から得られた検出結果としての2値信号が前記検出手段から出力されるタイミングと同じタイミングで出力する遅延手段と、前記検出手段から出力された前記2値信号をパーシャルレスポンスの応答に変換する第2の変換手段と、前記第2の変換手段により変換されて得られたパーシャルレスポンスの応答から、前記遅延手段から出力された前記等化後信号を減算し、減算結果を表す信号を出力する第2の加算手段と、前記第2の変換手段により変換されて得られたパーシャルレスポンスの応答に対してFIRフィルタを用いたフィルタ処理を施し、フィルタ処理の結果を表す信号を出力する第2のフィルタ手段と、前記第2の加算手段の出力から、前記第2のフィルタ手段の出力を減算する第3の加算手段と、LMSを適用するブランチに対応するFIRフィルタを、前記第1のフィルタ手段を構成する複数の前記FIRフィルタの中から選択し、選択した前記FIRフィルタのフィルタ係数を、前記第3の加算手段による減算結果に基づいて更新する更新手段とをさらに設けることができる。
前記検出手段から出力された前記2値信号と、既知信号のうちのいずれかの信号を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された信号に基づいて状態遷移のパターンを検出し、LMSを適用するブランチを選択する信号を作成するパターン検出手段とをさらに設けることができる。この場合、前記更新手段には、前記パターン検出手段により作成された信号に基づいて、LMSを適用するブランチに対応するFIRフィルタを選択させ、前記第2のフィルタ手段には、前記パターン検出手段により作成された信号に基づいて、フィルタ処理に用いるFIRフィルタのフィルタ係数を選択させることができる。
本発明の信号処理装置においては、再生信号に対して等化処理が施され、等化後信号が出力され、複数の加算器において、前記等化後信号から符号間干渉および非線形歪を表す信号を減算することによって、前記等化後信号に含まれる符号間干渉および非線形歪が除去される。また、符号間干渉および非線形歪が除去された複数の前記等化後信号より2値が検出され、検出結果が出力され、検出処理における、ブランチ毎に状態推移に対応したデータおよび所定のパスメモリに格納されているデータのいずれか一方、または両方がパーシャルレスポンスの応答に変換される。変換されて得られた前記パーシャルレスポンスの応答に基づいて、それぞれのFIRフィルタにおいてフィルタ処理が行われることによって、前記等化後信号に含まれる符号間干渉および非線形歪を表す前記信号が生成され、複数の前記加算器に供給される。
本発明によれば、信号を処理することができる。非線形歪、特に、記録信号のパターンに依存した非線形歪を除去することができる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図2は、本発明を適用した信号処理部の構成例を示すブロック図である。図2において信号処理部31は、例えば、記録媒体より再生された再生信号を復号する信号処理装置であり、波形等化された再生信号が入力される入力端子41、入力端子41を介して入力された再生信号からフィルタ部46の出力を減算する加算部42、最尤検出処理を行うビタビ検出器43、ビタビ検出器43の出力を信号処理部31の外部に出力する出力端子44、ビタビ検出器43の出力をパーシャルレスポンスの応答に変換するパーシャルレスポンス処理部(PR)(Partial Response)45、並びに、パーシャルレスポンス処理部(PR)45の出力であるパーシャルレスポンスの応答より非線形歪を求めるフィルタ部46により構成される。
加算部42は、入力端子41を介して入力された、等化基準値に波形等化された再生信号からフィルタ部46の出力を減算し、その減算結果をビタビ検出器43に供給する。加算部42は、ビタビ検出器43におけるブランチ毎にその状態推移に対応した加算器42−1乃至加算器42−2M+K+1よりなり、各加算器において、それぞれ、入力された再生信号から、フィルタ部46の各FIR(Finite Impulse Response)フィルタ(FIRフィルタ46−1乃至FIRフィルタ46−2M+K+1)より供給された信号を減算し、その減算結果をビタビ検出器43に供給する。
ビタビ検出器43は、加算部42の各加算器(加算器42−1乃至加算器42−2M+K+1)より供給された、ビタビ検出器43におけるブランチ毎にその状態推移に対応した減算結果に基づいて、最尤検出処理(ビタビ検出方式による最尤検出処理)を行い、得られた判定値を、出力端子44を介して信号処理部31の外部に出力する。また、ビタビ検出器43は、その判定結果を、ビタビ検出器43におけるブランチ毎にその状態推移に対応して、パーシャルレスポンス処理部(PR)45に供給する。
パーシャルレスポンス部(PR)45は、ビタビ検出器43のパスメモリに格納されている判定結果を、ビタビ検出器43におけるブランチ毎にその状態推移に対応したパーシャルレスポンスの応答に変換し、それらをフィルタ部46の各FIRフィルタ(FIRフィルタ46−1乃至FIRフィルタ46−2M+K+1)に供給する。
フィルタ部46は、パーシャルレスポンス部(PR)45より供給されるパーシャルレスポンスの応答に対して、等化基準値に波形等化された再生信号に含まれる非線形歪を求め、それを加算部42に供給する。フィルタ部46は、ビタビ検出器43におけるブランチ毎にその状態推移に対応したFIRフィルタ46−1乃至FIRフィルタ46−2M+K+1よりなり、各FIRフィルタにおいて、それぞれ、ビタビ検出器43におけるブランチ毎にその状態推移に対応したパーシャルレスポンスの応答より非線形歪を求め、その処理結果を、そのFIRフィルタが対応する加算器(加算器42−1乃至加算器42−2M+K+1)に供給する。
すなわち、図2に示される信号処理部31は、図1を参照して説明した従来のDFE方式の信号処理部1における検出器13(ビットバイビット検出器)の代わりに、検出精度の良いビタビ検出器を適用したものである。
なお、図2においては、加算器42−1乃至加算器42−2M+K+1、並びに、FIRフィルタ46−1乃至FIRフィルタ46−2M+K+1の内、一部のみを示しており、その他を省略している。具体的に言うと、あるk番目の状態の2つのブランチは、2k−1,2k(1≦i≦2M+K)番目で表される。図2では、1番目、2M+K番目の状態に対する加算部42およびフィルタ部46が明示されている。
図3は、フィルタ部46に含まれるFIRフィルタの構成例を示すブロック図である。図3において、FIRフィルタ46−1は、入力端子61、入力された信号を遅延させるN個の遅延素子である遅延素子62−1乃至62−N、遅延された信号とフィルタ係数を乗算するN個の乗算器である乗算器63−1乃至63−N、それらの乗算結果を加算する加算器64、並びに、加算結果を出力する出力端子65により構成される。
遅延素子62−1乃至遅延素子62−Nは、それぞれ、フリップフロップ回路等により構成され、各遅延素子は、入力端子61に直列に接続される。各遅延素子は、所定の期間入力された信号を保持した後、その信号を、その遅延素子が対応する乗算器、および1つ後段の遅延素子に供給する。なお、N個目の遅延素子である遅延素子62−Nは、後段の遅延素子がないため、その出力を、遅延素子62−Nが対応する乗算器63−Nのみに供給する。なお、ここで、Nは、FIRフィルタ46−1のタップ数を表す。
乗算器63−1乃至乗算器63−Nは、それぞれ、供給された信号に、予め設定されたフィルタ係数pN乃至p1を乗算し、乗算結果を加算器64に供給する。加算器64は、供給された乗算結果を全て加算し、その加算結果をフィルタ出力として、出力端子65を介して外部に出力する。
なお、FIRフィルタ46−2乃至FIRフィルタ46−Nも、図3に示されるFIRフィルタ46−1と同様の構成であるのでその説明を省略する。
次に、図2の信号処理部31の動作について説明する。
入力端子41より入力された、等化基準値に波形等化された再生信号は、加算部42に供給される。加算部42(加算器42−1乃至加算器42−2M+K+1)は、この再生信号から、フィルタ部46(FIRフィルタ46−1乃至FIRフィルタ46−2M+K+1)の出力を減算し、その減算結果をビタビ検出器43に供給する。ビタビ検出器43は、その減算結果に対して最尤検出処理を行い、判定結果である判定値を、出力端子44を介して信号処理部31の外部に出力する。
また、ビタビ検出器43におけるブランチ毎にその状態推移に対応したビタビ検出器43のパスメモリに格納された判定結果を、パーシャルレスポンス処理部(PR)45に供給する。パーシャルレスポンス処理部(PR)45は、供給された各判定結果を、ビタビ検出器45におけるブランチ毎にその状態推移に対応したパーシャルレスポンスの応答に変換し、それらをフィルタ部46に供給する。フィルタ部46(FIRフィルタ46−1乃至FIRフィルタ46−2M+K+1)は、供給されたパーシャルレスポンス応答に対して、等化基準値に波形等化された再生信号に含まれる非線形歪を求め、その処理結果を加算部42に供給し、等化基準値に波形等化された再生信号に含まれる非線形歪を補償させる。
このように、信号処理部31は、フィルタ部46および加算部42によって、等化波形における非線形歪の補償を行う。この非線形歪は、歪を含まないビタビ検出器43の判定値から、信号の相関性を利用して、過去の判定値の線形結合で表すことができる。また、このとき、ブランチ毎に検出器(ビタビ検出器43)への入力が異なる。そこで、状態j(sj)から状態k(sk)への推移を考えると、式(1)により示されるDFEの場合に対して、信号処理部31におけるビタビ検出器43への入力znは、式(2)のように表すことができる。
Figure 0004318028
式(2)において、pi(1≦i≦N)はフィルタ部46の各FIRフィルタのフィルタ係数である。また、b^n(sj)は、状態sjのパスメモリに格納されている2値のデータをパーシャルレスポンスの応答に変換したものである。ビタビ検出器43において、毎時刻、全ての可能な状態推移のブランチメトリックの計算を行ううえで、式(2)ではフィルタ係数pi(1≦i≦N)を共用することになるが、その場合、各状態推移におけるその応答は異なるので、最適化されているわけではない。そこで、ブランチ毎に、フィルタ係数pi(1≦i≦N)を個別に持たせるようにすると、信号処理部31は、式(3)のように表すことができる。
Figure 0004318028
このように表すことにより、信号処理部31は、フィルタ部46において、ビタビ検出器43の状態推移に対応するブランチ毎に、互いに独立して設定されるフィルタ係数、すなわち、ブランチ毎に最適化されたフィルタ係数が用いられるようにすることができる。すなわち、信号処理部31は、その状態推移に相当する記録信号のパターンに依存した非線形歪を除去することができる。
また、式(3)のb^nはビタビ検出器43の状態に割り当てることが出来るので、式(3)は、次の式(4)ように表すことができる。
Figure 0004318028
ここで、ビタビ検出器の状態数は、2M+K(0≦K≦N)である。従って、K=Nとすれば、図2において、フィードバックフィルタであるフィルタ部46(FIRフィルタ46−1乃至FIRフィルタ46−N)の必要が無くなり、誤り伝播の可能性を最小限に抑えることもできる。
以上のように、信号処理部31は、等化波形における符号間干渉や非線形歪の除去を行うようにしたので、より精度のよい信号検出を行うことができる。すなわち、信号処理部31は、等化波形の非線形歪を補償することができる。また、フィードバックフィルタをビタビ検出器43における状態数に振り分け、フィードバックフィルタを無くすことにより、誤り伝播を抑制することもできる。
図4は、本発明を適用した光ディスク再生装置の構成例を示す図である。
図4において、光ディスク再生装置100は、例えば、CDやDVD等のような光ディスクに記録された情報を再生する装置である。光ディスク再生装置100の光ディスク111に記録された情報は、光学式ヘッド112により再生信号として再生され、RFアンプ113にて適当な振幅の大きさに増幅される。
増幅された再生信号は、ゲインコントロールアンプ(GCA:Gain Control Amp)114に入力され、所望の振幅の大きさに増幅される。増幅された再生信号は、アンチエイリアスを防ぐ為のローパスフィルタ(LPF:Low-Pass Filter)115に供給され、フィルタ処理が行われた後、AD変換器(Analog to Digital Convertor)117に供給されて量子化される。
また、ローパスフィルタ115の出力は、ゲインコントローラ116にも供給される。ゲインコントローラ116は、供給された再生信号に基づいて、ゲインコントロールアンプ114のゲイン(増幅度)を決定し、ゲインコントロールアンプ114をAGC回路(Auto Gain Controller)として動作させる。さらに、ローパスフィルタ115の出力は、PLL(Phase Locked Loop)118にも供給される。PLL118には、さらに基準クロックも供給される。PLL118は、供給された基準クロックをローパスフィルタ115の出力に同期させてAD変換器117のサンプリングクロックを生成し、それをAD変換器117に供給する。
AD変換器117は、そのサンプリングクロックを用いて、ローパスフィルタの出力である再生信号を量子化する。量子化された再生信号は、FIRフィルタ119に供給される。FIRフィルタ119は、供給された再生信号に対して、適応等化処理、若しくは等化処理を施し、等化後の再生信号を、図2を参照して説明した信号処理装置31に供給する。信号処理装置31は、供給された再生信号に対して検出処理を行い、光ディスク111に記録される前の元の信号を復元してそれを出力する。
このように、図2を参照して説明した信号処理部31を用いて光ディスク111より再生された再生信号を検出することにより、信号処理部31が、等化波形における非線形歪の除去を行うので、光ディスク再生装置100は、より精度のよい信号検出を行うことができる。すなわち、光ディスク再生装置100は、等化波形の非線形歪を補償することができる。
図5は、このような光ディスク再生装置100における、Blue-ray Disc(登録商標)フォーマット(ユーザ容量27ギガバイト)の光ディスクのラジアル方向の傾きに対するの耐性の例を示すグラフである。図5において、横軸はディスクのラジアル方向の傾きであるラジアルスキューを示し、縦軸は、その時のビットエラーレートを示している。また、図5の曲線131は、PRML方式(PR(1,2,2,1))により再生信号を検出する場合の、ディスクのラジアル方向の傾きに対するの耐性の例を示しており、曲線132は、上述したように、DFE方式にビタビ検出器を適用した場合、すなわち、図2の信号処理部31を用いて再生信号を検出する場合の、ディスクのラジアル方向の傾きに対するの耐性の例を示している。
図5において、曲線132の横方向の広がりの方が曲線131と比較して大きく、DFE方式にビタビ検出器を適用した図2の信号処理部31を用いて再生信号を検出する場合が、PRML方式により再生信号を検出する場合と比較して、ディスクのラジアル方向の傾きに対するの耐性が大きいことが示されている。
以上のように、DFE方式にビタビ検出器を適用させ(すなわち、ビタビ検出器による信号検出において、歪補正用フィルタであるFIRフィルタを用いて検出器の出力を入力側にフィードバックさせ)、等化波形の非線形歪を補償することにより、光ディスク再生装置100(信号処理部31)は、図5に示されるように、ディスクのラジアル方向の傾きに対する耐性を拡大させることができる。
なお、図2の信号処理部31のフィルタ部46(FIRフィルタ46−1乃至FIRフィルタ46−2M+K)のフィルタ係数は、予め定められた値であってもよいが、LMS(Least Mean Square)アルゴリズムを用いて適応等化させることも可能である。
次に、フィルタ係数の求め方について説明する。LMSアルゴリズムについては、数ある適応等化アルゴリズムの中でも、最も代表的なもので、広く一般に知られているので、ここでの説明は省略する。
等化波形の非線形歪を補償するFIRフィルタはJaekyun Moon, and Jongseung Park, “Pattern-Dependent Noise Prediction in Signal-Dependent Noise”, IEEE J. Select. Areas Commun., vol. 19, No.4, pp.730-743, April 2001に記載されているようなLMSアルゴリズムを利用する。ビタビ検出器の判定結果がパーシャルレスポンスの応答に変換され、入力信号との差を求め、更に、ビタビ検出器の判定結果がパーシャルレスポンスの応答に変換された信号を入力としたFIRフィルタの出力との演算によって、誤差信号が求められる。また、フィルタの係数の更新は、ビタビ検出器の2値の判定結果がビタビ検出器の状態の長さだけメモリ等に格納されるようにし、現時刻の判定結果と過去の判定結果から現時刻の状態推移が検出されて、その推移に相当するブランチが持つFIRフィルタの係数が更新されるようにする。
図6は、このような場合の、本発明を適用した信号処理部の構成例を示すブロック図である。図2に示される信号処理部31と同様の構成の部分については、図2と同じ符号を付してあり、その説明を省略する。
図6において、信号処理部151のパーシャルレスポンス処理部(PR)45の出力(パーシャルレスポンスの応答)は、係数を更新可能なFIRフィルタ166−1乃至FIRフィルタ166−2M+K+1からなるフィルタ部166に供給される。すなわち、図2の場合と同様に、ビタビ検出器43におけるブランチ毎にその状態推移に対応したパーシャルレスポンスの応答は、それぞれ、FIRフィルタ166−1乃至FIRフィルタ166−2M+K+1に供給される。FIRフィルタ166−1乃至FIRフィルタ166−2M+K+1は、係数が更新可能である点以外は、図2のFIRフィルタ46−1乃至FIRフィルタ46−2M+K+1と同様であり、それらの出力は、それぞれ、加算部42の加算器42−1乃至加算器42−2M+K+1に供給される。
信号処理部151は、FIRフィルタ166−1乃至FIRフィルタ166−2M+K+1の各フィルタ係数を決定する回路として、入力された再生信号を遅延させる遅延処理部171、ビタビ検出器43の出力(判定値)をパーシャルレスポンスの応答に変換するパーシャルレスポンス処理部172、パーシャルレスポンスの応答から遅延された再生信号を減算する加算器173、加算器173における減算結果よりFIRフィルタ175の出力を減算する加算器174、パーシャルレスポンスの応答にフィルタ処理を行うFIRフィルタ175、加算器174による減算結果によりフィルタ係数を更新するFIRフィルタを選択するスイッチ回路176、フィルタ係数の決定にあたってトレーニングの為、既知の信号パターンを用いる場合、この信号を入力する入力端子181、ビタビ検出器43より供給される判定値または既知の信号パターンの内、いずれか一方を選択するスイッチ回路182、並びに、スイッチ回路182により選択された信号に基づいて、状態推移のパターンを検出するパターン検出器183よりなる回路を有している。
信号処理部151において、入力された再生信号は、加算部42および遅延処理部171に供給される。また、ビタビ検出器43より出力された2値の判定値は、出力端子44より出力されるとともに、パーシャルレスポンス処理部(PR)172およびスイッチ回路182に供給される。パーシャルレスポンス処理部(PR)172は、その供給された判定値をパーシャルレスポンスの応答に変換し、加算器173およびFIRフィルタ175に供給する。
加算器173は、パーシャルレスポンスの応答より、遅延処理部171により、ビタビ検出器43の出力と同じタイミングになるように遅延された再生信号を減算し、減算結果を加算器174に供給する。また、FIRフィルタ175は、パーシャルレスポンス処理部(PR)172より供給されるパーシャルレスポンスの応答より、等化波形の非線形歪を算出し、その算出結果を加算器174に供給する。加算器174は、加算器173の減算結果よりFIRフィルタ175の出力を減算し、その減算結果を、フィルタ部166を構成する各FIRフィルタの誤差信号として、スイッチ回路176に供給する。
ところで、スイッチ回路182には、ビタビ検出器43より判定値が供給され、さらに、入力端子181を介して外部から信号パターンを供給することも可能である。スイッチ回路182は、フィルタ係数の決定する為のトレーニングにあたって、既知の信号パターンを利用する場合、入力端子181を介して入力される既知の信号パターンをパターン検出器183に供給するようにスイッチを切り替える。また、ビタビ検出器43の判定結果でトレーニングする場合、ビタビ検出器45より供給される判定値をパターン検出器183に供給するようにスイッチを切り替える。
パターン検出器183は、このようにして供給された既知の信号パターンまたは判定値に基づいて、LMSを適用するブランチを選択する信号を作成し、それをスイッチ回路176およびFIRフィルタ175に供給する。FIRフィルタ175は、このようにパターン検出器183より供給された信号に基づいて、フィルタ係数を選択する。また、スイッチ回路176は、このようにパターン検出器183より供給された信号に基づいて、LMSを適用するブランチのFIRフィルタをFIRフィルタ166−1乃至FIRフィルタ166−2M+K+1より選択し、スイッチを切り替えることにより、FIRフィルタの誤差信号を、選択したFIRフィルタに供給させるように制御する。
このようにすることにより、信号処理部151は、FIRフィルタ166−1乃至FIRフィルタ166−2M+K+1のフィルタ係数を互いに独立して決定させることができる。すなわち、信号処理部151は、FIRフィルタの係数を準最適化して、再生信号に含まれる符号間干渉や非線形歪の除去を行うようにしたので、より正確に検出処理を行うことができる。すなわち、信号処理部31は、等化波形の非線形歪をより正確に補償することができる。
なお、FIRフィルタの係数の更新方法は、上述した以外であってもよく、どのようなアルゴリズムを用いるようにしてもよい。
また、以上においては、光ディスクの再生装置について説明したが、これに限らず、図2の信号処理部31、および図6の信号処理部151は、例えば、記録再生装置や通信装置等、どのような装置に適用するようにしてもよい。また、記録媒体としては、光ディスクだけでなく、磁気ディスクや光磁気ディスク等であってももちろんよい。
さらに、以上においては、ビタビ検出器43が出力する判定値を用いて非線形歪を補償する方法を説明したが、これに限らず、ビタビ検出器43は、内蔵する所定のパスメモリに格納されているデータをパーシャルレスポンス処理部45に供給するようにしてももちろんよい。すなわち、信号処理部31は、ブランチ毎に状態推移に対応したデータおよび所定のパスメモリに格納されているデータのいずれか一方、または両方により非線形歪を補償するようにしてもよい。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
従来の信号処理部の構成例を示すブロック図である。 本発明を適用した信号処理部の構成例を示すブロック図である。 図2のFIRフィルタの構成例を示すブロック図である。 本発明を適用した光ディスク再生装置の構成例を示す図である。 ディスクのラジアル方向の傾きに対する耐性の例を示す図である。 本発明を適用した光ディスク再生装置の他の構成例を示す図である。
符号の説明
1 信号処理部, 31 信号処理部, 42 加算部, 43 ビタビ検出器, 45 パーシャルレスポンス処理部, 46 フィルタ部, 62−1乃至62−N 遅延素子, 63−1乃至63−N 乗算器, 64 加算器, 100 光ディスク再生装置, 111 光ディスク, 112 光学式ヘッド, 113 RFアンプ, 114 GCA, 115 LPF, 116 ゲインコントローラ, 117 AD変換器, 118 PLL, 119 FIRフィルタ, 166 フィルタ部, 171 遅延処理部, 172 パーシャルレスポンス処理部, 173 加算器, 174 加算器, 175 FIRフィルタ, 176 スイッチ回路, 182 スイッチ回路, 183 パターン検出器

Claims (3)

  1. 再生信号に対して等化処理を施し、等化後信号を出力する等化手段と、
    複数の加算器からなり、それぞれの前記加算器において、前記等化後信号から符号間干渉および非線形歪を表す信号を減算することによって、前記等化後信号に含まれる符号間干渉および非線形歪を除去する第1の加算手段と、
    前記第1の加算手段によ符号間干渉およ非線形歪が除去された複数の前記等化後信号より2値を検出し、検出結果を出力する検出手段と
    前記検出手段の検出処理における、ブランチ毎に状態推移に対応したデータおよび所定のパスメモリに格納されているデータのいずれか一方、または両方をパーシャルレスポンスの応答に変換する第1の変換手段と、
    前記検出手段の状態推移に対応するブランチ毎に互いに独立して設定されるフィルタ係数を用いてフィルタ処理を行う複数のFIRフィルタからなり、前記第1の変換手段により変換されて得られた前記パーシャルレスポンスの応答に基づいて、それぞれの前記FIRフィルタにおいてフィルタ処理を行うことによって、前記等化後信号に含まれる符号間干渉および非線形歪を表す前記信号を生成し、複数の前記加算器に供給する第1のフィルタ手段と
    を備える信号処理装置。
  2. 前記等化後信号を遅延させ、その前記等化後信号から得られた検出結果としての2値信号が前記検出手段から出力されるタイミングと同じタイミングで出力する遅延手段と、
    前記検出手段から出力された前記2値信号をパーシャルレスポンスの応答に変換する第2の変換手段と、
    前記第2の変換手段により変換されて得られたパーシャルレスポンスの応答から、前記遅延手段から出力された前記等化後信号を減算し、減算結果を表す信号を出力する第2の加算手段と、
    前記第2の変換手段により変換されて得られたパーシャルレスポンスの応答に対してFIRフィルタを用いたフィルタ処理を施し、フィルタ処理の結果を表す信号を出力する第2のフィルタ手段と、
    前記第2の加算手段の出力から、前記第2のフィルタ手段の出力を減算する第3の加算手段と、
    LMSを適用するブランチに対応するFIRフィルタを、前記第1のフィルタ手段を構成する複数の前記FIRフィルタの中から選択し、選択した前記FIRフィルタのフィルタ係数を、前記第3の加算手段による減算結果に基づいて更新する更新手段と
    をさらに備える請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記検出手段から出力された前記2値信号と、既知信号のうちのいずれかの信号を選択する選択手段と、
    前記選択手段により選択された信号に基づいて状態遷移のパターンを検出し、LMSを適用するブランチを選択する信号を作成するパターン検出手段と
    をさらに備え、
    前記更新手段は、前記パターン検出手段により作成された信号に基づいて、LMSを適用するブランチに対応するFIRフィルタを選択し、
    前記第2のフィルタ手段は、前記パターン検出手段により作成された信号に基づいて、フィルタ処理に用いるFIRフィルタのフィルタ係数を選択する
    請求項2に記載の信号処理装置。
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