JP2003336731A - 油圧制御装置 - Google Patents

油圧制御装置

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JP2003336731A
JP2003336731A JP2002143731A JP2002143731A JP2003336731A JP 2003336731 A JP2003336731 A JP 2003336731A JP 2002143731 A JP2002143731 A JP 2002143731A JP 2002143731 A JP2002143731 A JP 2002143731A JP 2003336731 A JP2003336731 A JP 2003336731A
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Japan
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pressure
hydraulic
valve
signal
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JP2002143731A
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English (en)
Inventor
Kenichi Tsuchida
建一 土田
Akitomo Suzuki
明智 鈴木
Takayuki Kuno
孝之 久野
Masahiro Hayabuchi
正宏 早渕
Masaaki Nishida
正明 西田
Hirotaka Kumihashi
裕貴 組橋
Satoru Kasuya
悟 糟谷
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Aisin AW Co Ltd
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】信号フェールが発生したときに、フェールセー
フ用として設定された変速段と異なる変速段が達成され
ることがないようにする。 【解決手段】第1の信号油圧室に第1の信号油圧を供給
するための油路L−81に、第1の信号油圧室に作用す
る油圧の立上りを遅延させる第1の油圧上昇遅延部材を
配設し、前記他の信号油圧室に他の信号油圧を直接供給
するか、又は前記他の信号油圧室に他の信号油圧を供給
するための油路に、前記第1の油圧上昇遅延部材より油
圧の立上りの遅延効果の小さい第2の油圧上昇遅延部材
を配設する。油路L−81内の油の流れが抑制されるの
で、信号フェールが発生したときに、油圧遮断状態が保
持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧制御装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動変速機においては、プラネタ
リギヤユニットを備えた変速装置における動力伝達経路
を、係合要素を係脱することによって切り換え、ギヤ比
を変更して複数の変速段を達成するようになっている。
そのために、前記自動変速機を作動させるための油圧制
御装置において、各係合要素の油圧サーボごとにそれぞ
れ専用のソレノイドバルブが配設され、各ソレノイドバ
ルブを独立して制御し、所定のコントロール圧を発生さ
せ、該コントロール圧を各油圧サーボにアプライ圧とし
て供給し、前記各係合要素を係合させるようになってい
る。
【0003】ところで、前記油圧制御装置にフェールが
発生したときに、所定の油圧サーボに所定の油圧を供給
して車両を走行させるようにしている。そのために、前
記各ソレノイドバルブは、ソレノイドにソレノイド信号
が入力されない無信号状態において所定の油圧を出力す
ることができるように、常開型のソレノイドバルブによ
って構成される。また、信号フェールが発生したとき
に、同時に係合させるべきでない係合要素が係合させら
れてタイアップ状態が形成されることがないように、フ
ェールセーフ用の所定のバルブ、すなわち、フェールセ
ーフバルブを作動させ、変速段が達成されるようにして
いる。
【0004】そのために、正常時において、前記フェー
ルセーフバルブの反スプリング負荷側にライン圧を、ス
プリング負荷側にライン圧と対向させて前記各アプライ
圧を信号油圧として供給し、スプリング荷重、及び各ア
プライ圧とライン圧との油圧バランスによって、前記フ
ェールセーフバルブにおいて油圧遮断状態を形成し、他
の係合要素の油圧サーボにアプライ圧が供給されるのを
防止することができる。
【0005】また、信号フェールが発生すると、前記油
圧バランスを保持することによって前記油圧遮断状態を
保持し、前記二つの係合要素の係合状態を維持する。そ
の結果、フェールセーフ用として設定された変速段を達
成することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の油圧制御装置においては、油圧制御装置にフェール
が発生するのに伴って、ライン圧を発生させるためのソ
レノイドバルブがフル出力になり、ライン圧が高くな
り、それに伴って、前記各コントロール圧も高くなる
が、このとき、フェールセーフバルブの油圧遮断状態を
維持することができなくなり、フェールセーフ用として
設定された変速段と異なる変速段が達成されてしまうこ
とがある。
【0007】その結果、運転者の走行フィーリングを低
下させてしまう。
【0008】本発明は、前記従来の油圧制御装置の問題
点を解決して、信号フェールが発生したときに、フェー
ルセーフ用として設定された変速段と異なる変速段が達
成されることがなく、走行フィーリングを向上させるこ
とができる油圧制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の油
圧制御装置においては、第1の係合要素の油圧サーボと
油圧源との間の油路に配設され、前記第1の係合要素の
油圧サーボと油圧源とを連通する開位置と、この連通を
遮断する位置とに切換自在なフェールセーフバルブを備
え、前記第1の係合要素と同時に係合してはならない少
なくとも一つの他の係合要素が係合させられるときの第
1の係合要素の油圧サーボへの油圧の供給を、前記フェ
ールセーフバルブの閉位置への切換えによって阻止する
ようになっている。そして、前記フェールセーフバルブ
を開位置側にするための第1の信号油圧が、第1の信号
油圧室に供給され、該第1の信号油圧と対向させて、前
記他の係合要素の油圧サーボに供給される油圧が、他の
信号油圧として他の信号油圧室に供給され、他の係合要
素の油圧サーボに油圧が供給されるときに、前記フェー
ルセーフバルブが閉位置に切り換えられるようにすると
ともに、前記第1の信号油圧室に第1の信号油圧を供給
するための油路に、第1の信号油圧室に作用する油圧の
立上りを遅延させる第1の油圧上昇遅延部材を配設し、
前記他の信号油圧室に他の信号油圧を直接供給するか、
又は前記他の信号油圧室に他の信号油圧を供給するため
の油路に、前記第1の油圧上昇遅延部材より油圧の立上
りの遅延効果の小さい第2の油圧上昇遅延部材を配設す
る。
【0010】本発明の他の油圧制御装置においては、さ
らに、前記第1の油圧上昇遅延部材は油路面積を絞るオ
リフィスである。そして、他の信号油圧は他の信号油圧
室に直接供給される。
【0011】本発明の更に他の油圧制御装置において
は、さらに、前記第1、第2の油圧上昇遅延部材は、油
路面積を絞る第1、第2のオリフィスである。そして、
第1のオリフィスの油路面積は第2のオリフィスの油路
面積より小さくされる。
【0012】本発明の更に他の油圧制御装置において
は、さらに、前記第1の信号油圧はライン圧である。
【0013】本発明の更に他の油圧制御装置において
は、さらに、前記フェールセーフバルブは、閉位置側に
切り換えるためのスプリングを備える。そして、前記第
1の信号油圧は反スプリング負荷側に、前記他の信号油
圧はスプリング負荷側に供給される。
【0014】本発明の更に他の油圧制御装置において
は、さらに、前記フェールセーフバルブは、前記第1の
信号油圧に対向させて作用する他の信号油圧が供給され
る他の信号油圧室として二つの信号油圧室を備える。そ
して、前記他の係合要素は、前記第1の係合要素と同時
に係合してはならない第2、第3の係合要素であって、
第2の係合要素の油圧サーボに供給される油圧を二つの
信号油圧室のうちの一方に、第3の係合要素の油圧サー
ボに供給される油圧を二つの信号油圧室のうちの他方に
供給する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】図2は本発明の実施の形態における自動変
速機の概念図、図3は本発明の実施の形態における自動
変速機の動作を示す図である。
【0017】図において、21は図示されないエンジン
のクランクシャフトに連結された出力軸であり、前記エ
ンジンによって発生させられた回転は、出力軸21を介
してトルクコンバータ22に伝達される。該トルクコン
バータ22は、エンジンからの回転を、流体である油を
介して入力軸11に伝達するが、車速が設定値以上にな
ると、ロックアップクラッチL/Cが係合させられ、前
記回転を入力軸11に直接伝達することができるように
なっている。
【0018】該入力軸11には、前進6段後進1段の変
速を行うFR車用の変速装置23が接続される。該変速
装置23は、シンプルプラネタリ型のプラネタリギヤユ
ニットG1、及び変速装置23の主体となるラビニョウ
型のプラネタリギヤユニットG2の組合せから成るギヤ
トレインを有する。
【0019】前記プラネタリギヤユニットG1は、サン
ギヤS1、リングギヤR1、サンギヤS1と外接して噛
(し)合させられ、リングギヤR1と内接して噛合させ
られるピニオンギヤP1、及び該ピニオンギヤP1を支
持するキャリヤCR1を備える。サンギヤS1、リング
ギヤR1及びキャリヤCR1によって各歯車要素が構成
される。
【0020】前記プラネタリギヤユニットG2は、互い
に径の異なる大径及び小径のサンギヤS2、S3、リン
グギヤR2、サンギヤS2と外接して噛合させられ、か
つ、リングギヤR2と内接して噛合させられる第1のピ
ニオンギヤとしてのロングピニオンギヤP2、サンギヤ
S3及びロングピニオンギヤP2と外接して噛合させら
れたショートピニオンギヤP3、並びにロングピニオン
ギヤP2及び第2のピニオンギヤとしてのショートピニ
オンギヤP3を支持するキャリヤCR2を備える。サン
ギヤS2、S3、リングギヤR2及びキャリヤCR2に
よって各歯車要素が構成される。
【0021】入力要素としてのリングギヤR1が入力軸
11と連結され、出力要素としてのキャリヤCR1が、
クラッチC1を介してサンギヤS3に連結されるととも
に、クラッチC3を介してサンギヤS2に連結され、反
力を発生させる固定要素としてのサンギヤS1が変速機
ケース10に固定される。
【0022】前記サンギヤS3はクラッチC1に連結さ
れる。また、前記サンギヤS2は、クラッチC3に連結
されるとともに、ブレーキB1を介して変速機ケース1
0に連結される。そして、前記キャリヤCR2は、クラ
ッチC2を介して入力軸11に連結され、かつ、ブレー
キB2を介して変速機ケース10に連結され、ワンウェ
イクラッチF1によって変速機ケース10に対して一方
向に回転係止可能にされる。また、リングギヤR2が出
力軸(カウンタドライブギヤ)19に連結される。そし
て、該出力軸19にカウンタ歯車機構31が、該カウン
タ歯車機構31にディファレンシャル装置32が、該デ
ィファレンシャル装置32に図示されない駆動輪が接続
される。
【0023】なお、前記クラッチC1〜C3及びブレー
キB2は、複数の摩擦板を備えた多板式の係合要素によ
って構成され、ブレーキB1はブレームドラム及びバン
ドを備えたバンド式の係合要素によって構成される。必
要に応じてブレーキB1を多板式の係合要素によって構
成することもできる。
【0024】図3に示されるように、通常走行時、信号
フェール発生時及び再始動時において、ソレノイドバル
ブSLC1〜SLC3、SLB1、及びオンオフソレノ
イドバルブSLが駆動され、前記クラッチC1〜C3、
ブレーキB1、B2、及び一方向式の係合要素としての
ワンウェイクラッチF1が係脱させられ、レンジが設定
され、変速段が達成される。なお、図3において、ソレ
ノイドバルブSLC1〜SLC3、SLB1、及びオン
オフソレノイドバルブSLの場合、○は各ソレノイドS
L1〜SL5の通電を、×は非通電を表す。前記クラッ
チC1〜C3、ブレーキB1、B2及びワンウェイクラ
ッチF1の場合、○は係合を、△はエンジンブレーキを
効かせるとき(エンジンブレーキ時)の係合を、その他
は解放を表す。また、NOは常開型のソレノイドバルブ
であることを、NCは常閉型のソレノイドバルブである
ことを表す。Pはパーキングレンジを、Rは後進レンジ
を、Nはニュートラルレンジを、Dは前進レンジを、1
st、2nd、3rd、4th、5th、6thは前進
レンジにおける1速〜6速の各変速段を表す。
【0025】ところで、前進レンジの1速においては、
クラッチC1及びワンウェイクラッチF1が係合させら
れる。なお、該ワンウェイクラッチF1はブレーキB2
の係合に代えて自動的に係合させられる。
【0026】これは、1速から2速への変速、すなわ
ち、1→2変速を行う際のブレーキB2、B1のつかみ
替え操作において、複雑な油圧制御を行うことなく、ブ
レーキB2を解放するために行われる。すなわち、1→
2変速においてブレーキB1を係合させると、ワンウェ
イクラッチF1が自動的に解放される。
【0027】そして、1速において、入力軸11から入
力され、プラネタリギヤユニットG1によって減速させ
られた回転が、クラッチC1を介してサンギヤS3に入
力され、ワンウェイクラッチF1の係合に伴って発生さ
せられた反力を受けてキャリヤCR2が停止させられ、
最大減速比で減速させられた回転がリングギヤR2から
出力軸19に出力される。
【0028】次に、2速においては、クラッチC1及び
ブレーキB1が係合させられる。この場合、入力軸11
から入力され、プラネタリギヤユニットG1を介して減
速させられた回転がクラッチC1を介してサンギヤS3
に入力され、ブレーキB1の係合に伴って発生させられ
た反力を受けてサンギヤS2が停止させられ、減速させ
られた回転がリングギヤR2から出力軸19に出力され
る。
【0029】また、3速においては、クラッチC1、C
3が係合させられる。この場合、プラネタリギヤユニッ
トG2が直結状態になるので、入力軸11から入力さ
れ、プラネタリギヤユニットG1を介して減速させられ
た回転がクラッチC1、C3を介して同時にサンギヤS
2、S3に入力され、サンギヤS2、S3に入力された
回転と同じ回転が、入力軸11の回転に対して減速させ
られた回転として、リングギヤR2から出力軸19に出
力される。
【0030】そして、4速においては、クラッチC1、
C2が係合させられる。この場合、一方で入力軸11か
ら入力され、プラネタリギヤユニットG1を介して減速
させられた回転がクラッチC1を介してサンギヤS3に
入力され、他方で入力軸11からクラッチC2を介して
入力された減速させられない回転がキャリヤCR2に入
力され、二つの入力された回転の中間の回転が、入力軸
11の回転に対してわずかに減速させられた回転とし
て、リングギヤR2から出力軸19に出力される。
【0031】次に、5速においては、クラッチC2、C
3が係合させられる。この場合、一方で入力軸11から
入力され、プラネタリギヤユニットG1を介して減速さ
せられた回転がクラッチC3を介してサンギヤS2に入
力され、他方で入力軸11からクラッチC2を介して入
力された減速させられない回転がキャリヤCR2に入力
され、入力軸11の回転よりわずかに増速させられた回
転がリングギヤR2から出力軸19に出力される。
【0032】そして、6速においては、クラッチC2及
びブレーキB1が係合させられる。この場合、入力軸1
1からクラッチC2を介して減速させられない回転がキ
ャリヤCR2に入力され、ブレーキB1の係合に伴って
発生させられた反力を受けてサンギヤS2が停止させら
れ、更に増速させられた回転がリングギヤR2から出力
軸19に出力される。
【0033】なお、後進レンジにおいては、クラッチC
3及びブレーキB2が係合させられる。この場合、入力
軸11から入力され、プラネタリギヤユニットG1を介
して減速させられた回転がクラッチC3を介してサンギ
ヤS2に入力され、ブレーキB2の係合によって発生さ
せられた反力を受けてキャリヤCR2が停止させられ、
逆方向の回転がリングギヤR2から出力軸19に出力さ
れる。
【0034】次に、前記構成の自動変速機の油圧回路に
ついて説明する。
【0035】図4は本発明の実施の形態における油圧回
路を示す第1の図、図5は本発明の実施の形態における
油圧回路を示す第2の図、図6は本発明の実施の形態に
おける油圧回路の概念図である。
【0036】図において、51は油圧源としてのオイル
ポンプ51であり、該オイルポンプ51は、ストレーナ
31を介して図示されないオイルタンク内の油を吸引
し、油路L−1に吐出する。また、52は油路L−1に
出力された油圧を調圧するプライマリレギュレータバル
ブであり、該プライマリレギュレータバルブ52から油
路L−2にセカンダリ圧の油圧が出力され、油路L−9
にドレーン油が排出され、それに伴って、車両の走行負
荷に対応させて係合要素を係合したり、係合状態を維持
したりするのに必要なライン圧PL が形成される。該ラ
イン圧PL は、各種のバルブを介して、各係合要素の油
圧サーボC−1〜C−3、B−1及びB−2にアプライ
圧として供給される。
【0037】前記プライマリレギュレータバルブ52
は、スプリング負荷側においてスプリングaによるスプ
リング荷重を受け、かつ、プランジャbが当接させられ
たスプールcを備え、油路L−1に連通させられた入力
ポートp1、油路L−2に連通させられた出力ポートp
2、及び油路L−9に連通させられ、オイルポンプ51
の吸込み側に連通させられたドレーンポートp3を備え
る。入力ポートp1と出力ポートp2及びドレーンポー
トp3との連通度合いを制御するスプールcにおいて、
スプリング荷重に対向させて、ライン圧PL による直接
のフィードバック圧がオリフィスを介して印加され、更
に、スプリング荷重に重畳する方向に、ソレノイドバル
ブ(スロットルソレノイドバルブ)SLTによって発生
させられるスロットル圧PT が信号圧として印加され
る。なお、本実施例においては、前記ソレノイドバルブ
SLTとして、常開型のソレノイドバルブが使用され
る。
【0038】したがって、プライマリレギュレータバル
ブ52は、車両の走行負荷の増大に対応してスロットル
圧PT が高くなると、入力ポートp1とドレーンポート
p3との連通度合いを小さくし、油路L−1のライン圧
L を高くするとともに、余剰圧を主としてセカンダリ
圧として油路L−2に発生させる。また、走行負荷の低
下に対応してスロットル圧PT が低くなると、入力ポー
トp1とドレーンポートp3の連通度合いを大きくし、
ライン圧PL を低くする。このようにして、ライン圧P
L を適性な値に保つことができる。
【0039】前記油路L−1は、マニュアルバルブ53
及びソレノイドモジュレータバルブ54に接続され、該
ソレノイドモジュレータバルブ54によって発生させら
れたモジュレータ圧PM は、各ソレノイドバルブSLC
1〜SLC3、SLB1に元圧として送られ、各ソレノ
イドバルブSLC1〜SLC3、SLB1において、所
定のソレノイド圧が発生させられる。
【0040】マニュアルバルブ53は、変速操作部とし
ての図示されないシフトレバーを運転者が操作すること
によって切り換えられ、本実施の形態においては、7個
のポジションを有する。そのために、スプールcが移動
させられ、油路L−1に連通させられた入力ポートp1
を閉鎖するPレンジ位置、出力ポートp2を入力ポート
p1に連通させ、他の出力ポートをドレーンさせるRレ
ンジ位置、入力ポートp1をすべての出力ポートに対し
て閉鎖するNレンジ位置、入力ポートp1を出力ポート
p5に連通させ、出力ポートp2をドレーンさせ、出力
ポートp8を閉鎖するDレンジ位置、4レンジ位置、3
レンジ位置、入力ポートp1を出力ポートp5、p8に
連通させ、出力ポートp2をドレーンさせる2レンジ位
置を採る。前記出力ポートp5は、Dレンジ用の油路L
−3に接続され、ライン圧PL と等しいDレンジ圧PD
を出力する。また、出力ポートp2はRレンジ用の油路
L−4に接続され、ライン圧PL を出力する。
【0041】前記ソレノイドモジュレータバルブ54
は、各ソレノイドバルブSLC1〜SLC3、SLB1
によって所定のソレノイド圧を発生させるために、ライ
ン圧P L を減圧することによって、元圧としてのモジュ
レータ圧PM を発生させる。そのために、前記ソレノイ
ドモジュレータバルブ54のスプールcのスプリング負
荷側にスプリングaによるスプリング荷重が印加され、
スプールcの反スプリング負荷側にフィードバックされ
たモジュレータ圧PM が印加される。そして、ライン圧
L の入力ポートp1と、モジュレータ圧PM の出力ポ
ートp2及びドレーンポートp3との連通度合いが制御
される。
【0042】また、ソレノイドバルブSLTにおいて、
スプールcのスプリング負荷側にスプリングaによるス
プリング荷重が印加され、スプールcの反スプリング負
荷側にスプリング荷重と対向させて発生させられたソレ
ノイド負荷が印加され、モジュレータ圧PM の入力ポー
トp1と、スロットル圧PT の出力ポートp2及びドレ
ーンポートp3との連通度合いが制御される。
【0043】また、ソレノイドバルブSLC1は、図示
されない制御装置から供給されたソレノイド信号を受け
てソレノイドSL1を駆動し、ソレノイド圧を発生させ
るとともに、C−1コントロール圧PC1を発生させる。
そのために、ソレノイドバルブSLC1は、調圧弁とし
て機能するコントロールバルブ部e、及びソレノイドバ
ルブとして機能するリニアソレノイドバルブ部fを備え
る。
【0044】そして、前記コントロールバルブ部eにお
いては、スプールc1のスプリング負荷側にスプリング
a1によるスプリング荷重が印加され、C1カットオフ
バルブ64を介してDレンジ圧PD が元圧として供給さ
れる入力ポートp1と、C−1コントロール圧PC1の出
力ポートp2及びドレーンポートp3との連通度合いが
制御される。
【0045】また、リニアソレノイドバルブ部fにおい
て、スプールc2のスプリング負荷側にスプリングa2
によるスプリング荷重が印加され、スプールc2の反ス
プリング負荷側にスプリング荷重と対向させて発生させ
られたソレノイド負荷が印加され、モジュレータ圧PM
の入力ポートp4と、ソレノイド圧の出力ポートp5及
びドレーンポートp6との連通度合いが制御される。
【0046】リニアソレノイドバルブ部fのスプールc
2においてはスプリング負荷側には、オリフィスを介し
てフィードバックさせたソレノイド圧を印加するための
第1の受圧部が、コントロールバルブ部eのスプールc
1において反スプリング負荷側には、前記オリフィスを
介してフィードバックさせたソレノイド圧を印加するた
めの第2の受圧部が形成される。
【0047】また、ソレノイドバルブSLC2は、前記
制御装置から供給されたソレノイド信号を受けてソレノ
イドSL2を駆動し、ソレノイド圧を発生させるととも
に、C−2コントロール圧PC2を発生させる。そして、
ソレノイドバルブSLC3は、前記制御装置から供給さ
れたソレノイド信号を受けてソレノイドSL3を駆動
し、ソレノイド圧を発生させるとともに、C−3コント
ロール圧PC3を発生させる。さらに、ソレノイドバルブ
SLB1は、前記制御装置から供給されたソレノイド信
号を受けてソレノイドSL4を駆動し、ソレノイド圧を
発生させるとともに、B−1コントロール圧PB1を発生
させる。
【0048】なお、前記C−1コントロール圧PC1、C
−2コントロール圧PC2、C−3コントロール圧PC3
びB−1コントロール圧PB1は、それぞれ油圧サーボC
−1〜C−3、B−1にアプライ圧として供給されるコ
ントロール圧を構成する。
【0049】そして、前記各ソレノイドバルブSLC1
〜SLC3、SLB1において、各ソレノイドSL1〜
SL4に供給されるソレノイド信号は、ソレノイド負荷
を零にする0〔%〕から最大値にする100〔%〕まで
変化させられる。
【0050】前記ソレノイドバルブSLC2、SLC
3、SLB1は、コントロールバルブ部eのスプールc
1の反スプリング負荷側のランドの径に対して他のラン
ドの径が小さくされる点において、ソレノイドバルブS
LC1と異なるが、それ以外の点で前記ソレノイドバル
ブSLC1とほぼ同じ構造を有するので、詳細な説明は
省略する。
【0051】また、オンオフソレノイドバルブSLは、
前記制御装置から供給されたソレノイド信号を受けてソ
レノイドSL5を駆動することによってオン・オフさせ
られる常閉型のオン・オフ弁である。そして、前記ソレ
ノイド信号がオンになると、スプリングによるスプリン
グ荷重が印加されたボールを、ソレノイド荷重が印加さ
れたプランジャによって押圧し、弁座から離すことによ
り、モジュレータ圧P M の入力ポートp1と出力ポート
p2とを連通させ、ソレノイド信号がオフになると、出
力ポートp2をドレーンポートp3とを連通させる。C
3アプライリレーバルブ68は、スプールcのスプリン
グ負荷側にスプリングaによるスプリング荷重が印加さ
れるとともに、スプールcのスプリング負荷側がソレノ
イド圧の受圧部にされ、スプールcの反スプリング負荷
側がモジュレータ圧PM の受圧部にされ、ライン圧PL
の入力ポートp1及びC−3コントロール圧PC3の入力
ポートp4とアプライ圧の出力ポートp2との連通を切
り換えるとともに、ライン圧PL の通過と遮断とを切り
換える。
【0052】そして、B1アプライリレーバルブ69
は、C3アプライリレーバルブ68と同様の構造を有
し、ライン圧PL の入力ポートp1及びB−1コントロ
ール圧P B1の入力ポートp4とアプライ圧の出力ポート
p2との連通を切り換えるとともに、ライン圧PL の通
過と遮断とを切り換える。
【0053】また、第1の信号圧作動弁としての前記C
1カットオフバルブ64は、スプールcのスプリング負
荷側にスプリングaによるスプリング荷重が印加される
とともに、三つの信号油圧を印加することによって、D
レンジ圧PD の入力ポートp1と、Dレンジ圧PD の出
力ポートp2及びドレーンポートp3との連通を切り換
える。そのために、スプールcに径差部を備え、スプー
ルcのスプリング負荷側に、スプリング荷重に重畳して
油圧サーボC−2のアプライ圧を信号油圧として印加す
るための第1の受圧部が、径差部に、スプリング荷重に
重畳して油圧サーボC−3、B−1のアプライ圧を信号
油圧として印加するための第2の受圧部が、スプールc
の反スプリング負荷側に、スプリング荷重と対向させて
ライン圧PL を信号油圧として印加するための第3の受
圧部が形成される。
【0054】また、第2の信号圧作動弁としてのB1・
C3カットオフバルブ65は、同様に、スプールcのス
プリング負荷側にスプリングaによるスプリング荷重が
印加されるとともに、三つの信号油圧を印加することに
よって、ライン圧PL の入力ポートp1と、ライン圧P
L の出力ポートp2及びドレーンポートp3との連通を
切り換える。そのために、スプールcに径差部を備え、
スプールcのスプリング負荷側に、スプリング荷重に重
畳して油圧サーボC−2のアプライ圧を信号油圧として
印加するための第1の受圧部が、径差部に、スプリング
荷重に重畳して油圧サーボC−1のアプライ圧を信号油
圧として印加するための第2の受圧部が、スプールcの
反スプリング負荷側に、スプリング荷重と対向させてラ
イン圧PL を信号油圧として印加するための第3の受圧
部が形成される。
【0055】そして、第3の信号圧作動弁としてのSL
C3リリースバルブ66は、同様に、スプールcのスプ
リング負荷側にスプリングaによるスプリング荷重が印
加されるとともに、三つの信号油圧を印加することによ
って、ソレノイド圧の入力ポートp1及びソレノイド圧
の出力ポートp2とドレーンポートp3との連通を切り
換える。そのために、スプールcに径差部を備え、スプ
ールcのスプリング負荷側に、スプリング荷重に重畳し
て油圧サーボC−2のアプライ圧を信号油圧として印加
するための第1の受圧部が、径差部に、スプリング荷重
に重畳してB−1油圧サーボのアプライ圧を信号油圧と
して印加するための第2の受圧部が、スプールcの反ス
プリング負荷側に、スプリング荷重と対向させてライン
圧PL を信号油圧として印加するための第3の受圧部が
形成される。
【0056】SLB1リリースバルブ67は、スプール
cのスプリング負荷側にスプリングaによるスプリング
荷重が印加されるとともに、二つの信号油圧を印加する
ことによって、ソレノイド圧の入力ポートp1と、ソレ
ノイド圧の出力ポートp2及びドレーンポートp3との
連通を切り換える。そのために、スプールcのスプリン
グ負荷側に、スプリング荷重に重畳してソレノイド圧を
信号油圧として印加するための第1の受圧部が、スプー
ルcの反スプリング負荷側に、スプリング荷重と対向さ
せてモジュレータ圧PM を信号油圧として印加するため
の第2の受圧部が形成される。
【0057】C2サプライリレーバルブ60は、スプー
ルcのスプリング負荷側にスプリングaによるスプリン
グ荷重が印加されるとともに、スプールcの反スプリン
グ負荷側にプランジャbが配設され、Dレンジ圧PD
入力ポートp1と、Dレンジ圧PD の出力ポートp2及
びドレーンポートp3との連通を切り換える。また、プ
ランジャbの外端側にソレノイド圧を印加するための第
1の受圧部が、プランジャbの内端側及びスプールcの
反スプリング負荷側に、いずれの切換位置においても油
圧サーボC−2のアプライ圧を印加するための第2の受
圧部が形成される。
【0058】そして、第4の信号圧作動弁としてのB2
カットオフバルブ57は、スプールcのスプリング負荷
側にスプリングaによるスプリング荷重が印加されると
ともに、Dレンジ圧PD の入力ポートp1と、Dレンジ
圧PD の出力ポートp2及びドレーンポートp3との連
通を切り換える。そのために、スプールcの反スプリン
グ負荷側に、径が小さくされた油圧サーボC−2のアプ
ライ圧を印加するための第1の受圧部が、スプールcの
途中の径差部に、油圧サーボC−3及び油圧サーボB−
1のアプライ圧を印加するための第2の受圧部が形成さ
れる。
【0059】また、油圧サーボB−2に供給される油圧
を制御するB2コントロールバルブ59は、スプールc
のスプリング負荷側にスプリングaによるスプリング荷
重が印加されるとともに、スプールcの反スプリング負
荷側に、スプリング荷重と対向させて、ソレノイドバル
ブSLTによって発生させられたスロットル圧PT が印
加され、スロットル圧PT に対応させてDレンジ圧PD
の入力ポートp1と、B−2コントロール圧PB2の出力
ポートp2との間を連通させ、油圧サーボB−2に供給
されるB−2コントロール圧PB2を調圧するようにして
いる。
【0060】シャトルバルブ62及びシャトルバルブ6
3は、いずれも、ボールを受圧弁体として備え、二つの
入力ポートp1、p4のうちのいずれか一方の入力ポー
トと出力ポートp2とを連通させ、他方の入力ポートを
遮断する。
【0061】次に、前記油圧回路における各油路の接続
関係について説明する。
【0062】まず、ライン圧PL を供給するためのライ
ン圧供給系について説明する。オイルポンプ51は、油
路L−1を介してモジュレータバルブ54に接続される
とともに、油路L−11を介してB1・C3カットオフ
バルブ65に接続され、さらに、油路L−12を介して
C3アプライリレーバルブ68及びB1アプライリレー
バルブ69に接続される。そして、C3アプライリレー
バルブ68は、油路L−13、L−14を介して直接B
1アプライリレーバルブ69に接続されるとともに、油
路L−13、L−15、ソレノイドバルブSLB1及び
油路L−16を介してB1アプライリレーバルブ69に
接続され、該B1アプライリレーバルブ69と油圧サー
ボB−1とが油路L−17を介して接続される。
【0063】また、該油路L−17から分岐した油路L
−18がSLC3リリースバルブ66の径差部にオリフ
ィスを介して接続される。
【0064】そして、B1アプライリレーバルブ69
は、油路L−21を介して直接C3アプライリレーバル
ブ68に接続されるとともに、油路L−21、L−2
2、ソレノイドバルブSLC3及び油路L−23を介し
てC3アプライリレーバルブ68に接続され、該C3ア
プライリレーバルブ68と油圧サーボC−3とが油路L
−24を介して接続される。
【0065】また、油路L−17、L−24は、シャト
ルバルブ62の入力ポートp4、p1にそれぞれ接続さ
れ、シャトルバルブ62の出力ポートp2は、油路L−
25を介してC1カットオフバルブ64の径差部に、油
路L−26を介してB2カットオフバルブ57の径差部
にそれぞれ接続される。
【0066】そして、前記油路L−1は、SLC3リリ
ースバルブ66の反スプリング負荷側に、更に、油路L
−11を介してC1カットオフバルブ64及びB1・C
3カットオフバルブ65の各反スプリング負荷側にオリ
フィスを介して接続される。
【0067】次に、Dレンジ圧PD を供給するためのD
レンジ圧供給系について説明する。マニュアルバルブ5
3の出力ポートp5に接続された油路L−3は、油路L
−31を介してC1カットオフバルブ64に接続され、
該C1カットオフバルブ64及び油路L−32を介して
ソレノイドバルブSLC1に接続され、該ソレノイドバ
ルブSLC1及び油路L−33を介して油圧サーボC−
1に接続される。
【0068】また、前記油路L−33から分岐した油路
L−35がB1・C3カットオフバルブ65の径差部に
接続される。
【0069】そして、前記油路L−3は、C2サプライ
リレーバルブ60に接続され、該C2サプライリレーバ
ルブ60及び油路L−37を介してB2カットオフバル
ブ57に接続され、該B2カットオフバルブ57及び油
路L−38を介してB2コントロールバルブ59に接続
され、該B2コントロールバルブ59、油路L−39、
シャトルバルブ63及び油路L−41を介して油圧サー
ボB−2に接続される。また、油路L−37から分岐し
た油路L−43は、ソレノイドバルブSLC2及び油路
L−46を介して油圧サーボC−2に接続される。
【0070】また、前記油路L−46から分岐した油路
L−47は、C1カットオフバルブ64及びB1・C3
カットオフバルブ65の各スプリング負荷側に接続され
るとともに、油路L−46から分岐した油路L−48
は、SLC3リリースバルブ66のスプリング負荷側
に、油路L−46から分岐した油路L−49は、B2カ
ットオフバルブ57の反スプリング負荷側にそれぞれオ
リフィスを介して接続され、更に油路L−49から分岐
した油路L−51は、C2サプライリレーバルブ60の
スプールcとプランジャbとの当接部に接続される。
【0071】次に、マニュアルバルブ53の出力ポート
p2から出力されたライン圧PL の供給系について説明
する。油路L−4は、シャトルバルブ63の入力ポート
p1に接続され、シャトルバルブ63及び油路L−41
を介して油圧サーボB−2に接続される。また、油路L
−4から分岐した油路L−5は、プライマリレギュレー
タバルブ52のスプリング負荷側にも接続され、油路L
−4のライン圧PL は、プライマリレギュレータバルブ
52内に配設されたオリフィスを介してプランジャbに
印加される。
【0072】次に、ソレノイドモジュレータバルブ54
によって発生させられたモジュレータ圧PM の供給系に
ついて説明する。油路L−6は、ソレノイドバルブSL
Tの入力ポートp1に接続され、該ソレノイドバルブS
LTの出力ポートp2は、プライマリレギュレータバル
ブ52のスプリング負荷側に油路L−53及びオリフィ
スを介して接続されるとともに、B2コントロールバル
ブ59のプランジャcの外端側に油路L−54を介して
接続される。油路L−6は、更に、油路L−55、L−
56を介してB1アプライリレーバルブ69、C3アプ
ライリレーバルブ68及びSLB1リリースバルブ67
の各反スプリング負荷側に接続されるとともに、ソレノ
イドバルブSLC1〜SLC3、SLB1の各入力ポー
トp4、並びにオンオフソレノイドバルブSLの入力ポ
ートp1に接続される。
【0073】次に、各ソレノイドバルブSLC1〜SL
C3、SLB1の各ソレノイド圧系について説明する。
まず、ソレノイドバルブSLC1のソレノイド圧が出力
される油路L−61は、オリフィスを介してソレノイド
バルブSLC1自身のコントロールバルブ部eの反スプ
リング負荷側に接続される。ソレノイドバルブSLC2
のソレノイド圧が出力される油路L−62は、オリフィ
スを介してソレノイドバルブSLC2自身のコントロー
ルバルブ部eの反スプリング負荷側に接続される。ま
た、ソレノイドバルブSLC3のソレノイド圧が出力さ
れる油路L−63は、SLC3レリースバルブ66及び
油路L−75を介して、SLB1リリースバルブ67の
スプリング負荷側に接続され、SLC3レリースバルブ
66及び油路L−76を介してC3アプライリレーバル
ブ68のスプリング負荷側に接続され、SLC3レリー
スバルブ66及び油路L−76、L−77を介してC3
ソレノイドバルブSLC3自身のコントロールバルブ部
eの反スプリング負荷側にそれぞれ接続される。
【0074】そして、ソレノイドバルブSLB1のソレ
ノイド圧が出力される油路L−64は、SLB1リリー
スバルブ67を介してB1アプライリレーバルブ69の
スプリング負荷側に接続され、更に、油路L−78を介
してソレノイドバルブSLB1自身のコントロールバル
ブ部eの反スプリング負荷側に接続される。また、オン
オフソレノイドバルブSLのソレノイド圧が出力される
油路L−65は、C2サプライリレーバルブ60のプラ
ンジャbの外端側に接続される。なお、図において破線
で示される油路は、チェックバルブ79を介してオイル
タンクに戻るドレン油路であり、各バルブのポートEX
はドレーンポートである。
【0075】前記構成の油圧回路において、シフトレバ
ーによってニュートラルレンジが選択され、マニュアル
バルブ53がN位置に置かれると、入力ポートp1に対
して油路L−3、L−4はスプールcのランドによって
遮断されているので、ライン圧PL だけが出力される。
この状態においては、C1カットオフバルブ64、B1
・C3カットオフバルブ65及びSLC3リリースバル
ブ66の反スプリング負荷側にライン圧PL が供給さ
れ、C1カットオフバルブ64、B1・C3カットオフ
バルブ65及びSLC3リリースバルブ66は、いずれ
も、右半位置を採る。
【0076】また、油路L−1を介してライン圧PL
供給されるソレノイドモジュレータバルブ54は、調圧
状態にあり、油路L−6に出力されたモジュレータ圧P
M が、ソレノイドバルブSLTの入力ポートp1に供給
され、各ソレノイドバルブSLC1〜SLC3、SLB
1の入力ポートp4及びオンオフソレノイドバルブSL
の入力ポートp1に供給されるとともに、C3アプライ
リレーバルブ68、B1アプライリレーバルブ69及び
SLB1リリースバルブ67の各反スプリング負荷側に
供給される。
【0077】したがって、ソレノイドバルブSLTも調
圧状態にあり、油路L−53、L−54にスロットル圧
T が出力される。該スロットル圧PT は、前述された
ようにプライマリレギュレータバルブ52に供給される
とともに、B2コントロールバルブ59のプランジャb
の外端側に供給され、該B2コントロールバルブ59は
右半位置を採り、該B2コントロールバルブ59の入力
ポートp1と出力ポートp2とを連通させる。
【0078】また、ニュートラルレンジにおいて、各ソ
レノイドバルブSLC1〜SLC3、SLB1のリニア
ソレノイドバルブ部fの各ソレノイド負荷は最大にされ
る。したがって、モジュレータ圧PM の入力ポートp4
が閉鎖され、それに伴って、コントロールバルブ部eは
いずれも左半位置を採り、入力ポートp1が閉鎖され
る。その結果、各ソレノイド負荷が最大にされると、各
ソレノイドバルブSLC1〜SLC3、SLB1より下
流側の油路への油圧及び信号油圧の供給は行われない。
また、ニュートラルレンジにおいて、オンオフソレノイ
ドバルブSLのソレノイドSL5に供給されるソレノイ
ド信号がオフにされ、ソレノイド負荷が零にされる。し
たがって、モジュレータ圧PM の入力ポートp1が閉鎖
されるので、同様に、オンオフソレノイドバルブSLよ
り下流側の油路への油圧及び信号油圧の供給は行われな
い。
【0079】また、C3アプライリレーバルブ68、B
1アプライリレーバルブ69及びSLB1リリースバル
ブ67においては、いずれも反スプリング負荷側にモジ
ュレータ圧PM が供給されると、右半位置を採る。
【0080】そして、油路L−1、L−11を介してラ
イン圧PL が直接供給されるB1・C3カットオフバル
ブ65は、C3アプライリレーバルブ68及びB1アプ
ライリレーバルブ69の入力ポートp7にライン圧PL
を供給し、各C3アプライリレーバルブ68及びB1ア
プライリレーバルブ69を通過し、出力ポートp5から
出力されたライン圧PL がソレノイドバルブSLC3、
SLB1の各コントロールバルブ部eの入力ポートp1
に供給されるが、各スプールcのランドによって閉鎖さ
れる。したがって、ソレノイドバルブSLC3、SLB
1より下流側の油路への油圧及び信号油圧の供給は行わ
れない。
【0081】なお、この場合、C2サプライリレーバル
ブ60及びB2カットオフバルブ57は、スプールcが
スプリング荷重を受け、右半位置を採る。
【0082】また、シフトレバーによってパーキングレ
ンジが選択され、マニュアルバルブ53がP位置に置か
れたときは、マニュアルバルブ53がN位置に置かれた
ときと同じであるので、説明を省略する。
【0083】そして、シフトレバーによって前進レンジ
が選択され、マニュアルバルブ53がD位置に置かれる
と、油路L−3にライン圧PL と等しいDレンジ圧PD
が出力される。その結果、Dレンジ圧PD は、油路L−
31を介してC1カットオフバルブ64に供給され、該
C1カットオフバルブ64及び油路L−32を介してソ
レノイドバルブSLC1の入力ポートp1に供給され
る。
【0084】また、前述されたように、C3アプライリ
レーバルブ68及びB1アプライリレーバルブ69を通
過したライン圧PL がソレノイドバルブSLC3、SL
B1の入力ポートp1に供給されている。
【0085】したがって、ソレノイドバルブSLC2以
外の各ソレノイドバルブSLC1、SLC3、SLB1
は、前記制御装置から送られたソレノイド負荷を小さく
することによって、所定のC−1コントロール圧PC1
C−3コントロール圧PC3及びB−1コントロール圧P
B1を発生させることができる。
【0086】なお、前記クラッチC1〜C3、ブレーキ
B2、油圧サーボC−1〜C−3、B−1、B−2、ソ
レノイドバルブSLC1〜SLC3、SLB1によって
油圧制御装置が構成される。
【0087】次に、各変速段を達成するための油圧回路
の動作について説明する。
【0088】1速において、ソレノイドバルブSLC1
のソレノイド負荷を小さくすると、モジュレータ圧PM
を元圧としてリニアソレノイドバルブ部fによる調圧が
開始され、それに伴って発生させられたソレノイド圧が
コントロールバルブ部eに印加され、該コントロールバ
ルブ部eがC−1コントロール圧PC1を発生させる。該
C−1コントロール圧PC1はアプライ圧として油圧サー
ボC−1に供給される。
【0089】このようにして、クラッチC1(図2)が
係合させられ、該クラッチC1に伴って、ワンウェイク
ラッチF1がロックさせられ、1速が達成される。
【0090】なお、1速が達成されるのに伴って、B1
・C3カットオフバルブ65の径差部には、C−1コン
トロール圧PC1が油路L−35を介して供給される。と
ころが、B1・C3カットオフバルブ65は、ほぼライ
ン圧PL になった二つのコントロール圧、すなわち、C
−1コントロール圧PC1及びC−2コントロール圧P C2
が同時に印加されることによって切り換わるように設定
されている。したがって、1速で径差部に供給されるC
−1コントロール圧PC1がライン圧PL になっても、B
1・C3カットオフバルブ65は、切り換わらず、C3
アプライリレーバルブ68及びB1アプライリレーバル
ブ69の各入力ポートp7にライン圧P L を供給する。
【0091】また、この状態では、Dレンジ圧PD が油
路L−3を介してC2サプライリレーバルブ60に供給
されているが、該C2サプライリレーバルブ60は、ス
プリングaによるスプリング荷重によって右半位置を採
り、入力ポートp1が閉鎖される。したがって、油路L
−3とソレノイドバルブSLC2とは機械的に遮断され
ている。
【0092】なお、1速においては、ワンウェイクラッ
チF1の係合に伴って発生させられた反力を受けてキャ
リヤCR2が停止させられるようになっているが、出力
軸19から伝達されるの駆動力を受けるコースト時にお
いては、ワンウェイクラッチF1が解放され、反力がな
くなるので、キャリヤCR2を停止させることができな
い。したがって、第2のブレーキB2を係合させること
によって、反力を発生させる必要がある。そこで、1速
において、エンジンブレーキを効かせる場合は、オンオ
フソレノイドバルブSLのソレノイドSL5に供給され
るソレノイド信号がオンにされ、ソレノイド負荷が発生
させられる。
【0093】この場合、オンオフソレノイドバルブSL
のソレノイド負荷が発生させられると、モジュレータ圧
M が、出力ポートp2から出力され、信号油圧として
C2サプライリレーバルブ60に供給される。それに伴
って、C2サプライリレーバルブ60は、スプリング負
荷に抗して左半位置を採り、油路L−3を介して供給さ
れたDレンジ圧PD は、スプリング荷重を受けて右半位
置を採るB2カットオフバルブ57を通過し、B2コン
トロールバルブ59に供給され、B2コントロールバル
ブ59によって調圧されたB−2コントロール圧PB2
発生させる。その結果、該B−2コントロール圧PB2
シャトルバルブ63を介して油圧サーボB−2に供給さ
れ、ブレーキB2が係合する。したがって、1速におい
てエンジンブレーキを効かせることができる。
【0094】なお、C2サプライリレーバルブ60に供
給されたDレンジ圧PD は、油路L−43を介してソレ
ノイドバルブSLC2に供給されるが、ソレノイドバル
ブSLC2の入力ポートp1は閉鎖されているので、油
圧サーボB−2にB−2コントロール圧PB2を供給する
ことによって油圧回路の他の部分に与える影響はない。
【0095】第2速は、ソレノイドバルブSLC1、S
LB1のソレノイド負荷を小さくし、零にすることによ
って達成される。この状態では、前記油圧サーボC−1
へのC−1コントロール圧PC1の供給に加えて、ソレノ
イドバルブSLB1のリニアソレノイドバルブ部fが調
圧状態になり、出力ポートp5から出力されるソレノイ
ド圧が、モジュレータ圧PM の供給によって右半位置を
採るSLB1リリースバルブ67を介して、B1アプラ
イリレーバルブ69のスプリング負荷側に供給されると
ともに、ソレノイドバルブSLB1自身のコントロール
バルブ部eの反スプリング負荷側に供給される。
【0096】また、前記ソレノイド圧が前記コントロー
ルバルブ部eの反スプリング負荷側に供給されるのに伴
って、コントロールバルブ部eから調圧されたB−1コ
ントロール圧PB1が出力され、該B−1コントロール圧
B1が、モジュレータ圧PMが供給されて、右半位置を
採るB1アプライリレーバルブ69を介して油圧サーボ
B−1に供給される。
【0097】そして、ソレノイドバルブSLB1のソレ
ノイド負荷が小さくなるのに伴って、ソレノイド圧及び
B−1コントロール圧PB1が次第に高くなり、B1アプ
ライリレーバルブ69において、スプリング負荷側にお
いてスプリング荷重及びソレノイド圧がスプールcに加
える負荷が、反スプリング負荷側においてモジュレータ
圧PM がスプールcに加える負荷より大きくなると、B
1アプライリレーバルブ69は、入力ポートp7を閉じ
て入力ポートp1を開く左半位置を採り、ソレノイドバ
ルブSLC3へのライン圧PL の供給が遮断される。ま
た、油路L−1、L−11、L−12、C3アプライリ
レーバルブ68、及び油路L−13、L−14を介して
B1アプライリレーバルブ69に供給されたライン圧P
L が、ソレノイドバルブSLB1を介することなく、油
路L−17を介して油圧サーボB−1へ供給される。
【0098】これにより、クラッチC1が係合させら
れ、ブレーキB1によって反力が発生させられた状態で
2速が達成される。
【0099】なお、この状態では、ブレーキB1に供給
されるB−1コントロール圧PB1が、油路L−18及び
オリフィスを介してSLC3リリースバルブ66の径差
部に供給されるとともに、シャトルバルブ62及び油路
L−25を介してC1カットオフバルブ64の径差部に
供給され、シャトルバルブ62及び油路L−26を介し
てB2カットオフバルブ57の径差部に供給される。こ
の場合、C1カットオフバルブ64の切換えが行われな
いように油圧バランスが設定される。また、B2カット
オフバルブ57の切換えは行われるが、油圧回路の他の
部分に与える影響はない。
【0100】3速は、ソレノイドバルブSLC1、SL
C3のソレノイド負荷を小さくし、零にすることによっ
て達成される。この状態では、前記油圧サーボC−1へ
のC−1コントロール圧PC1の供給は2速と同様に行わ
れ、ソレノイドバルブSLC3のリニアソレノイドバル
ブ部fが調圧状態になり、リニアソレノイドバルブ部f
から出力されるソレノイド圧は、ライン圧PL が供給さ
れて右半位置を採るSLC3リリースバルブ66を介し
て、SlB1リリースバルブ67のスプリング負荷側、
及びC3アプライリレーバルブ68のスプリング負荷側
に供給されるとともに、ソレノイドバルブSLC3自身
のコントロールバルブ部eの反スプリング負荷側に供給
される。
【0101】前記ソレノイド圧が前記コントロールバル
ブ部eの反スプリング負荷側に供給されるのに伴って、
コントロールバルブ部eから調圧されたC−3コントロ
ール圧PC3が出力され、該C−3コントロール圧P
C3が、モジュレータ圧PM が供給されて、右半位置を採
るC3アプライリレーバルブ68を介して油圧サーボC
−3へ供給される。
【0102】そして、ソレノイドバルブSLC3のソレ
ノイド負荷が小さくなるのに伴って、ソレノイド圧及び
C−3コントロール圧PC3が次第に高くなり、C3アプ
ライリレーバルブ68において、スプリング負荷側にお
いてスプリング荷重及びソレノイド圧がスプールcに加
える負荷が、反スプリング負荷側においてモジュレータ
圧PM がスプールcに加える負荷より大きくなると、C
3アプライリレーバルブ68は、入力ポートp7を閉じ
て入力ポートp1を開く左半位置を採り、ソレノイドバ
ルブSLC3へのライン圧PL の供給が遮断される。ま
た、油路L−1、L−11、L−12、B1アプライリ
レーバルブ69、及び油路L−21を介してC3アプラ
イリレーバルブ68に供給されたライン圧PL が、ソレ
ノイドバルブSLC3を介することなく、油路L−24
を介して油圧サーボC−3へ供給される。
【0103】なお、この状態では、ブレーキC3に供給
されるC−3コントロール圧PC3が、シャトルバルブ6
2及び油路L−25を介してC1カットオフバルブ64
の径差部に供給され、シャトルバルブ62及び油路L−
26を介してB2カットオフバルブ57の径差部に供給
される。この場合、C1カットオフバルブ64の切換え
が行われないように油圧バランスが設定される。また、
B2カットオフバルブ57の切換えは行われるが、油圧
回路の他の部分に与える影響はない。
【0104】また、ソレノイドバルブSLC3のソレノ
イド圧が高くなるのに伴って、SLB1リリースバルブ
67が左半位置を採るが、ソレノイドバルブSLB1の
ソレノイド圧が、SLC3レリースバルブ66のスプー
ルcによって遮断されるので、油圧回路の他の部分に与
える影響はない。その他のバルブの動作は、2速と同じ
である。そして、ソレノイド圧が高くなり、C−3コン
トロール圧PC3がライン圧PL になると、クラッチC
1、C3が係合させられ、3速が達成される。
【0105】4速は、ソレノイドバルブSLC1、SL
C2のソレノイド負荷を小さくし、零にするとともに、
オンオフソレノイドバルブSLのソレノイド信号をオン
にすることによって達成される。この状態では、前記油
圧サーボC−1にC−1コントロール圧PC1が供給され
たまま、オンオフソレノイドバルブSLにおいてモジュ
レータ圧PM がそのままソレノイド圧として出力され、
C2サプライリレーバルブ60のプランジャbの外端側
に供給され、該C2サプライリレーバルブ60は、切り
換わり、左半位置を採る。
【0106】これに伴って、Dレンジ圧PD が、油路L
−3、C2サプライリレーバルブ60及び油路L−43
を介してソレノイドバルブSLC2の入力ポートp1に
供給され、同時に、油路L−3、C2サプライリレーバ
ルブ60及び油路L−37を介してB2カットオフバル
ブ57の入力ポートp1にも供給されるようになる。
【0107】ところで、前記ソレノイドバルブSLC2
においては、調圧状態になるリニアソレノイドバルブ部
fからソレノイド圧が出力され、オリフィスを介してコ
ントロールバルブ部eの反スプリング負荷側に供給され
る。したがって、コントロールバルブ部eの入力ポート
p1に供給されたDレンジ圧PD は、コントロールバル
ブ部eにおいて調圧されてC−2コントロール圧PC2
なる。そして、C−2コントロール圧PC2は、出力ポー
トp2から出力され、アプライ圧として油圧サーボC−
2に供給される。
【0108】また、前記C−2コントロール圧PC2は、
C1カットオフバルブ64のスプリング負荷側に供給さ
れるとともに、B1・C3カットオフバルブ65のスプ
リング負荷側に供給される。さらに、前記C−2コント
ロール圧PC2は、油路L−48及びオリフィスを介して
SLC3レリースバルブ66のスプリング負荷側に供給
されるとともに、油路L−49を介してC2サプライリ
レーバルブ60のプランジャbとスプールcとの間に供
給されるとともに、B2カットオフバルブ57の反スプ
リング負荷側に供給される。
【0109】この場合、B2カットオフバルブ57は、
反スプリング負荷側にC−2コントロール圧PC2が供給
されることによって、油圧バランスが変化して切り換わ
り、左半位置を採り、Dレンジ圧PD がB2カットオフ
バルブ57を介してB2コントロールバルブ59に供給
されるのが遮断される。その結果、B2コントロールバ
ルブ59によって調圧されたコントロール圧は油圧サー
ボB−2に供給されない。
【0110】そして、B1・C3カットオフバルブ65
は、前記C−2コントロール圧PC2を受けるとともに、
C1コントロール圧PC1を受けて左半位置を採り、油路
L−11と油路L−12とを遮断することによって、ラ
イン圧PL がC3アプライリレーバルブ68及びB1ア
プライリレーバルブ69を介してソレノイドバルブSL
C3、SLB1に供給されなくする。
【0111】また、C2サプライリレーバルブ60は、
C−2コントロール圧PC2がプランジャbとスプールc
との間に供給されることによって、左半位置を保持す
る。これに伴って、オンオフソレノイドバルブSLのソ
レノイド負荷が不要になるので、適当なタイミングでソ
レノイド信号がオフにされる。すなわち、オンオフソレ
ノイドバルブSLに供給されるソレノイド信号は、変速
時期だけオンにされ、変速が終了した後の定常状態では
オフにされる。
【0112】このようにして、C−2コントロール圧P
C2がライン圧PL になると、クラッチC1、C2が係合
されて4速が達成される。
【0113】5速は、ソレノイドバルブSLC2、SL
C3のソレノイド負荷を小さくし、零にするとともに、
オンオフソレノイドバルブSLのソレノイド信号をオン
にすることによって達成される。この状態では、4速と
同様に、油圧サーボC−2に供給されるC−2コントロ
ール圧PC2が同じバルブに供給され、3速と同様に、油
圧サーボC−3に供給されるC−3コントロール圧PC3
が同じバルブに供給される。
【0114】これに伴って、C1カットオフバルブ64
のスプリング負荷側にC−2コントロール圧PC2が、径
差部にC−3コントロール圧PC3が供給されると、C1
カットオフバルブ64は左半位置を採り、油圧遮断状態
を形成し、油路L−31と油路L−32とを遮断し、D
レンジ圧PD がソレノイドバルブSLC1に供給されな
くする。したがって、ソレノイドバルブSLC1の上流
側の油路は、チェックバルブ79を介してドレーンされ
る。
【0115】このようにして、クラッチC2、C3が係
合させられ、5速が達成される。
【0116】6速は、ソレノイドバルブSLC2、SL
B1のソレノイド負荷を小さくし、零にするとともに、
オンオフソレノイドバルブSLのソレノイド信号をオン
にすることによって達成される。この状態では、オンオ
フソレノイドバルブSLから出力されるモジュレータ圧
M による作用は4速及び5速と同じである。また、B
−1コントロール圧PB1が2速と同様のバルブに供給さ
れる。
【0117】これに伴って、SLC3リリースバルブ6
6のスプリング負荷側にC−2コントロール圧PC2が、
径差部にB−1コントロール圧PB1が供給され、C−2
コントロール圧PC2及びB−1コントロール圧PB1がラ
イン圧PL 近くになると、SLC3リリースバルブ66
は左半位置を採り、油圧遮断状態を形成し、油路L−6
3と油路L−76とを遮断し、ソレノイドバルブSLC
3自身のコントロールバルブ部eへのソレノイド圧の供
給を遮断する。
【0118】また、C1カットオフバルブ64のスプリ
ング負荷側にC−2コントロール圧PC2が、径差部にB
−1コントロール圧PB1が供給され、C−2コントロー
ル圧PC2及びB−1コントロール圧PB1がライン圧PL
近くになると、C1カットオフバルブ64は左半位置を
採り、油圧遮断状態を形成し、油路L−31と油路L−
32とを遮断し、ソレノイドバルブSLC1の上流側の
油路をチェックバルブ79を介してドレーンさせる。
【0119】このようにして、C−2コントロール圧P
C2及びB−1コントロール圧PB1がライン圧PL になる
と、クラッチC2及びブレーキB1が係合させられ、ブ
レーキB1によって反力が発生させられ、6速が達成さ
れる。
【0120】また、シフトレバーによって後進レンジが
選択され、マニュアルバルブ53がR位置に置かれたと
きに、ソレノイドバルブSLC3のソレノイド負荷を小
さくすることによって達成される。この場合、油路L−
3はドレーンされているが、油路L−4にライン圧PL
が出力されるようになり、ライン圧PL は、シャトルバ
ルブ63を介して油圧サーボB−2に直接供給される。
一方、油路L−1のライン圧PL は、前述されたように
B1・C3カットオフバルブ65及びB1アプライリレ
ーバルブ69を介してソレノイドバルブSLC3に供給
され、ソレノイドバルブSLC3のソレノイド負荷を小
さくすることによって、ソレノイドバルブSLC3から
C−3コントロール圧PC3が出力され、該C−3コント
ロール圧PC3がC3アプライリレーバルブ68を介して
油圧サーボC−3に供給される。
【0121】そして、前記C−3コントロール圧PC3
ライン圧PL 近くになると、C3アプライリレーバルブ
68が切り換わり、ライン圧PL がソレノイドバルブS
LC3を迂回して入力ポートp1に供給され、油圧サー
ボC−3に供給され、クラッチC3が係合させられる。
そして、クラッチC3及びブレーキB2が係合させら
れ、ブレーキB2によって反力が発生させられ、後進段
が達成される。
【0122】ところで、前記構成の油圧回路において
は、各ソレノイドバルブSLC1〜SLC3、SLB1
及びオンオフソレノイドバルブSLにおいて信号フェー
ルが発生したときに、所定の油圧サーボに所定の油圧を
供給して車両を走行させるようにしている。そのため
に、前記各ソレノイドバルブSLC1〜SLC3、SL
B1は、ソレノイドSLS1〜SL4にソレノイド信号
が入力されない無信号状態において所定の油圧が出力さ
れるように、常開型のバルブによって構成され、オンオ
フソレノイドバルブSLは、ソレノイドSL5にソレノ
イド信号が入力されない無信号状態において油圧を発生
させないように、常閉型のバルブによって構成される。
また、信号フェールが発生したときに、同時に係合させ
るべきでない係合要素が係合させられてタイアップ状態
が形成されることがないように、フェールセーフ用の所
定のバルブを作動させ、変速段が達成されるようにして
いる。
【0123】まず、1速においては、Dレンジ圧P
D は、C2サプライリレーバルブ60によって遮断さ
れ、ソレノイドバルブSLC2には供給されず、ソレノ
イドバルブSLC2はドレーン状態に置かれているの
で、信号フェールが発生しても、ソレノイドバルブSL
C2はアプライ圧を出力しない。
【0124】これに対して、ライン圧PL は、C3アプ
ライリレーバルブ68及びB1アプライリレーバルブ6
9を介してソレノイドバルブSLC3、SLB1に供給
されるので、ソレノイドバルブSLC3、SLB1はア
プライ圧を出力する状態になる。
【0125】これにより、ソレノイドバルブSLC3の
ソレノイド圧がSLC3リリースバルブ66を介してS
LB1リリースバルブ67のスプリング負荷側に供給さ
れ、同時にソレノイドバルブSLB1のソレノイド圧が
直接、SLB1リリースバルブ67の入力ポートp1に
供給されることになるが、ソレノイドバルブSLC3は
フル出力の状態であり、ソレノイドバルブSLC3から
出力されるソレノイド圧が高いので、SLB1リリース
バルブ67の切換えは迅速に行われる。
【0126】したがって、ソレノイドバルブSLB1の
ソレノイド圧は、SLB1リリースバルブ67において
遮断される。また、ソレノイドバルブSLC3のC−3
コントロール圧PC3はC3アプライリレーバルブ68に
供給され、C3アプライリレーバルブ68は、左半位置
を採る。これに伴って、ライン圧PL がB1アプライリ
レーバルブ69を介して供給され、油圧サーボC−3に
供給される。
【0127】一方、ソレノイドバルブSLB1からが出
力されるソレノイド圧は、SLB1リリースバルブ67
の入力ポートp1に供給されるが、前述されたように、
前記SLB1リリースバルブ67によって遮断されるの
で、B1アプライリレーバルブ69及びソレノイドバル
ブSLB1には供給されない。なお、SLB1リリース
バルブ67によってフェールセーフバルブが構成され
る。
【0128】なお、油圧サーボB−2への供給路は、オ
ンオフソレノイドバルブSLが常開型のソレノイドバル
ブであり、通常時の状態に対して変化せず、C2サプラ
イリレーバルブ60は油圧遮断状態を形成するので、油
圧サーボB−2にアプライ圧は供給されない。
【0129】このように、1速において信号フェールが
発生すると、クラッチC1の係合に加えてクラッチC3
が係合させられ、3速が達成される。
【0130】また、2速においては、当初、ソレノイド
バルブSLB1が作動して、油圧サーボB−1にライン
圧PL が供給されているが、信号フェールが発生する
と、ソレノイドバルブSLC3が前述されたように、ア
プライ圧を出力する状態になるので、油圧の供給状態が
1速において信号フェールが発生したときと同じにな
る。
【0131】この場合、C3アプライリレーバルブ68
からB1アプライリレーバルブ69に供給されたライン
圧PL が油圧サーボB−1に供給されていたのが、逆
に、B1アプライリレーバルブ69からC3アプライリ
レーバルブ68に供給されたアプライ圧が油圧サーボC
−3に供給されるようになる。
【0132】したがって、2速において信号フェールが
発生したときも、クラッチC1の係合に加えてクラッチ
C3が係合させられ、3速が達成される。
【0133】また、3速においては、当初から油圧サー
ボC−3にライン圧PL が供給されているので、信号フ
ェールが発生しても、油圧の供給状態が1速において信
号フェールが発生したときと同じになる。
【0134】したがって、3速において信号フェールが
発生したときは、クラッチC1、C3の係合状態がその
まま維持され、3速が維持される。
【0135】また、4速においては、当初、油圧サーボ
C−1、C−2にライン圧PL が供給されていて、ソレ
ノイドバルブSLC3、SLB1の各入力ポートp1
は、それより上流側の油路がB1・C3カットオフバル
ブ65によって遮断され、ライン圧PL はソレノイドバ
ルブSLC3、SLB1に供給されず、かつ、ソレノイ
ドバルブSLC3、SLB1はドレーン状態に置かれ
る。したがって、信号フェールが発生しても、ソレノイ
ドバルブSLC3、SLB1からアプライ圧は出力され
ない。なお、前記B1・C3カットオフバルブ65によ
ってフェールセーフバルブが構成される。
【0136】信号フェールによって、オンオフソレノイ
ドバルブSLのソレノイド信号がオフになるが、オンオ
フソレノイドバルブSLへのソレノイド信号は前述され
たように定常状態でオフにされるので、C2・B2サプ
ライリレーバルブ60の作動に加わる影響はない。すな
わち、この回路においては、C2・B2サプライリレー
バルブ60のプランジャbとスプールcとの間に、油圧
サーボC−2に供給されているライン圧PL が供給され
るので、C2・B2サプライリレーバルブ60は左半位
置に保持される。
【0137】したがって、ソレノイドバルブSLC2か
ら油圧サーボC−2へのライン圧P L の供給は維持され
るので、4速において信号フェールが発生したときは、
当初からの油圧サーボC−1、C−2へのアプライ圧の
供給状態が維持され、4速が維持される。
【0138】また、5速において、当初、油圧サーボC
−2、C−3にライン圧PL が供給され、C1カットオ
フバルブ64に油圧サーボC−2のアプライ圧及び油圧
サーボC−3のアプライ圧が重畳させて供給され、Dレ
ンジ圧PD はC1カットオフバルブ64によって遮断さ
れている。したがって、信号フェールが発生しても、D
レンジ圧PD はソレノイドバルブSLC1に供給されな
いので、ソレノイドバルブSLC1から油圧サーボC−
1にアプライ圧は供給されない。
【0139】同様に、油圧サーボC−3にライン圧PL
が供給されるのに伴って、C3アプライリレーバルブ6
8が左半位置を採り、ライン圧PL がC3アプライリレ
ーバルブ68で遮断され、B1アプライリレーバルブ6
9には供給されない。したがって、ライン圧PL を油圧
サーボB−1に供給する油路が、C3アプライリレーバ
ルブ68によって遮断されるので、信号フェールが発生
して、ソレノイドバルブSLB1がアプライ油圧を出力
する状態になっても、油圧サーボB−1にアプライ圧は
供給されない。なお、C1カットオフバルブ64及びC
3アプライリレーバルブ68によってフェールセーフバ
ルブが構成される。
【0140】この場合、オンオフソレノイドバルブSL
へのソレノイド信号がオフになるが、C2サプライリレ
ーバルブ60の保持状態に与える影響はなく、また、B
2カットオフバルブ57も、油圧サーボC−2、C−3
のアプライ圧によって左半位置を保持する。
【0141】したがって、5速において信号フェールが
発生したときは、クラッチC2、C3の係合状態に変化
は生じず、5速が維持される。
【0142】また、6速において、当初、油圧サーボC
−2及び油圧サーボB−1にライン圧PL が供給された
状態に置かれる。この場合、5速と同様に、Dレンジ圧
Dの供給路はC1カットオフバルブ64によって遮断
されているので、Dレンジ圧PD はソレノイドバルブS
LC1に供給されない。したがって、信号フェールが発
生しても、ソレノイドバルブSLC1から油圧サーボC
−1にアプライ圧は出力されない。
【0143】また、ソレノイドバルブSLC3から出力
されるソレノイド圧は、SLC3リリースバルブ66に
油圧サーボC−2のアプライ圧及び油圧サーボB−1の
アプライ圧が重畳させて供給され、SLC3レリースバ
ルブ66は油圧遮断状態を形成するので、ソレノイドバ
ルブSLC3のコントロールバルブ部eには供給されな
い。したがって、信号フェールが発生しても、ソレノイ
ドバルブSLC3の入力ポートp1が遮断されるので、
コントロールバルブ部eにライン圧PL が供給されず、
油圧サーボC−3にアプライ圧は供給されない。なお、
C1カットオフバルブ64及びSLC3リリースバルブ
66によってフェールセーフバルブが構成される。
【0144】この場合、オンオフソレノイドバルブSL
へのソレノイド信号がオフになるが、C2サプライリレ
ーバルブ60の保持状態に与える影響はなく、また、B
2カットオフバルブ57も、油圧サーボC−2、C−3
のアプライ圧によって左半位置を保持する。
【0145】したがって、6速において信号フェールが
発生したときは、クラッチC2及びブレーキB1の係合
状態に変化は生じず、6速が維持される。
【0146】また、後進走行時においては、当初、油圧
サーボC−3、B−2にライン圧P L が供給された状態
に置かれる。この場合、マニュアルバルブ53において
Dレンジ圧PD は発生させられていないので、信号フェ
ールが発生しても、ソレノイドバルブSLC1、SLC
2はアプライ圧を出力しない。
【0147】一方、油路L−1からライン圧PL が供給
されるので、信号フェールが発生すると、ソレノイドバ
ルブSLB1のソレノイド圧が出力されるが、後進走行
時においては、当初からSLB1リリースバルブ67が
ソレノイドバルブSLB1のソレノイド圧の油路を遮断
しているので、ソレノイドバルブSLB1から油圧サー
ボB−1にアプライ圧は出力されない。なお、SLB1
リリースバルブ67によってフェールセーフバルブが構
成される。
【0148】したがって、後進走行時において信号フェ
ールが発生したときは、クラッチC3及びブレーキB2
の係合状態に変化は生じず、後進レンジが維持される。
【0149】ところで、例えば、4速においては、B1
・C3カットオフバルブ65にライン圧PL 、C1コン
トロール圧PC1及びC2コントロール圧PC2が供給され
るようになっている。この状態で信号フェールが発生
し、ソレノイドバルブSLTがフル出力になると、ライ
ン圧PL が高くなり、それに伴って、前記C1コントロ
ール圧PC1及びC2コントロール圧PC2も高くなるが、
このとき、B1・C3カットオフバルブ65の油圧遮断
状態を維持することができない場合、5速が達成されて
しまうことがある。
【0150】次に、4速における油圧回路の動作を説明
する。
【0151】図1は本発明の実施の形態における油圧回
路の要部を示す図、図7はB1・C3カットオフバルブ
の油圧特性を示す比較図、図8は本発明の実施の形態に
おけるB1・C3カットオフバルブの油圧特性を示す図
である。なお、図7及び8において、横軸に時間を、縦
軸に圧力を採ってある。
【0152】図において、C−3は第1の係合要素とし
てのクラッチC3を係脱するための油圧サーボ、C−1
は第2の係合要素としてのクラッチC1を係脱するため
の油圧サーボ、C−2は第3の係合要素としてのクラッ
チC2を係脱するための油圧サーボ、PL はライン圧、
D はDレンジ圧、PC1はC1コントロール圧、PC2
C2コントロール圧、PC3はC3コントロール圧、PM
はモジュール圧である。この場合、図7及び8におい
て、ライン圧PL 、C1コントロール圧PC1及びC2コ
ントロール圧PC2の各油圧の変動を明らかにするため
に、タイミングt1より前において、ライン圧PL 、C
1コントロール圧PC1及びC2コントロール圧PC2の各
値をそれぞれ異ならせてあるが、実際の値はほぼ等し
い。
【0153】正常時において、第2、第3(他の)の係
合要素としてのクラッチC1(図2)、C2を係合させ
るために、第1、第2のソレノイドバルブとしてのソレ
ノイドバルブSLC1、SLC2によって第1、第2の
コントロール圧としてのC1コントロール圧PC1及びC
2コントロール圧PC2が発生させられ、C1コントロー
ル圧PC1及びC2コントロール圧PC2が油圧サーボC−
1、C−2に供給される。このとき、フェールセーフバ
ルブとしてのB1・C3カットオフバルブ65の反スプ
リング負荷側において第1の信号油圧室hに第1の信号
油圧としてライン圧PL が、スプリング負荷側におい
て、ライン圧PL と対向させて、C1コントロール圧P
C1が他の信号油圧及び第2の信号油圧として、他の信号
油圧室としての第2の信号油圧室iに、前記C2コント
ロール圧PC2が他の信号油圧及び第3の信号油圧とし
て、他の信号油圧室としての第3の信号油圧室jに供給
され、ライン圧PL と、スプリング荷重に重畳させて供
給されるC1コントロール圧P C1及びC2コントロール
圧PC2との油圧バランスによって、前記B1・C3カッ
トオフバルブ65が左半位置を採り、油圧遮断状態を形
成する。それに伴って、ライン圧PL がソレノイドバル
ブSLC3に供給されなくなり、クラッチC3の油圧サ
ーボC−3にC3コントロール圧PC3が供給されるのが
防止される。
【0154】すなわち、本発明の油圧制御装置において
は、油圧サーボC−2とオイルポンプ51との間の油路
に配設され、前記油圧サーボC−2と油圧源とを連通す
る開位置と、この連通を遮断する位置とに切換自在なB
1・C3カットオフバルブ65を備え、前記クラッチC
3と同時に係合してはならない少なくとも一つのクラッ
チC1、C2が係合させられるときの油圧サーボC−3
への油圧の供給を、前記B1・C3カットオフバルブ6
5の閉位置への切換えによって阻止するようになってい
る。
【0155】ところで、信号フェールが発生して、ソレ
ノイドバルブSLT(図4)、SLC1〜SLC3がフ
ル出力になると、ライン圧PL 、C1コントロール圧P
C1、C2コントロール圧PC2及びC3コントロール圧P
C3が高くなるが、B1・C3カットオフバルブ65にお
いて、前記油圧バランスが保持され、油圧遮断状態が保
持される。その結果、前記クラッチC1、C2の係合状
態を維持され、同じ変速段が達成される。
【0156】ところで、ライン圧PL は、前記ソレノイ
ドバルブSLTによって発生させられたスロットル圧P
T に基づいて、プライマリレギュレータバルブ52によ
って発生させられるのに対して、前記C1コントロール
圧PC1は、前記ソレノイドバルブSLC1によって前記
モジュレータ圧PM に基づいてソレノイド圧を発生さ
せ、該ソレノイド圧に対応させてDレンジ圧PD に基づ
いて発生させ、前記C2コントロール圧PC2は、前記ソ
レノイドバルブSLC2によって前記モジュレータ圧P
M に基づいてソレノイド圧を発生させ、該ソレノイド圧
に対応させてDレンジ圧PD に基づいて発生させるよう
になっている。
【0157】したがって、図7に示されるように、タイ
ミングt1でフェール信号が発生したときに、C1コン
トロール圧PC1及びC2コントロール圧PC2の上昇がラ
イン圧PL の上昇に対して遅れることがあり、その場
合、ライン圧PL とC1コントロール圧PC1及びC2コ
ントロール圧PC2との間に一時的に差圧ΔPが発生し、
B1・C3カットオフバルブ65によって形成された油
圧遮断状態を保持することができず、ライン圧PL がソ
レノイドバルブSLC3に供給されてしまう。
【0158】そして、前記ソレノイドバルブSLC3も
フル出力になっているので、ライン圧PL がソレノイド
バルブSLC3に供給されるのに伴って、C3コントロ
ール圧PC3が急激に高くなるが、何らかの理由で、C3
コントロール圧PC3がC1コントロール圧PC1より早く
ライン圧PL と等しくなると、C1カットオフバルブ6
4が左半位置を採り、C1カットオフバルブ64が油圧
遮断状態を形成し、それに伴って、Dレンジ圧PD がソ
レノイドバルブSLC1に供給されなくなってしまう。
その結果、クラッチC2、C3が係合されて5速が達成
され、運転者の走行フィーリングを低下させてしまう。
【0159】そこで、本実施例においては、4速で走行
中に信号フェールが発生したときに、確実に4速を維持
することができるように、油路L−11から分岐し、B
1・C3カットオフバルブ65の信号油圧ポートp11
及び第1の信号油圧室hにライン圧PL を供給するため
の油路L−81に、オリフィスor1を第1の油圧上昇
遅延部材及び第1の油流抑制部材として配設し、油路L
−81内の油の流れを抑制することによって、第1の信
号油圧室hにおける油圧の立上りを遅延させる。また、
B1・C3カットオフバルブ65の信号油圧ポートp1
3及び第2の信号油圧室iにC1コントロール圧PC1
供給する油路L−35には、オリフィスを配設せず、油
路L−82内の油の流れを促進する。さらに、油路L−
47から分岐し、B1・C3カットオフバルブ65の信
号油圧ポートp12及び第3の信号油圧室jにC2コン
トロール圧PC2を供給する油路L−82にも、オリフィ
スを配設せず、油路L−82内の油の流れを促進する。
なお、油路L−35、L−82に油圧の立上り遅延効果
の小さい図示されないオリフィスを第2の油圧上昇遅延
部材及び第2の油流抑制部材として配設することもでき
る。その場合、オリフィスor1は、油路L−35、L
−82に配設されたオリフィスより油路面積が小さくさ
れる。
【0160】したがって、図8に示されるように、タイ
ミングt1で信号フェールが発生したときに、油路L−
81内における油の流れが抑制されるのに対して、油路
L−82、L−35内における油の流れが抑制されない
ので、C1コントロール圧P C1及びC2コントロール圧
C2の上昇がライン圧PL の上昇に対して遅れることが
なく、ライン圧PL とC1コントロール圧PC1及びC2
コントロール圧PC2との間に差圧は発生しない。したが
って、B1・C3カットオフバルブ65は右半位置を採
り、B1・C3カットオフバルブ65によって形成され
た油圧遮断状態を保持することができるので、ライン圧
L がソレノイドバルブSLC3に供給されることがな
い。
【0161】その結果、フェールセーフ用として設定さ
れた4速と異なる他の変速段が達成されることがなく、
確実に4速を維持することができるので、運転者の走行
フィーリングを向上させることができる。
【0162】また、C2コントロール圧PC2、C1コン
トロール圧PC1等の信号油圧を供給する油路L−82、
L−35上にオリフィスを配設する必要がなくなるの
で、油圧回路における油路の連結の自由度を高くするこ
とができる。
【0163】なお、C1カットオフバルブ64において
も、油路L−11から分岐し、C1カットオフバルブ6
4の信号油圧ポートp21にライン圧PL を供給する油
路L−84にオリフィスor2を油流抑制部材として配
設し、油路L−84内の油の流れを抑制する。また、油
路L−47から分岐し、C1カットオフバルブ64の信
号油圧ポートp22にC2コントロール圧PC2を供給す
る油路L−85には、オリフィスを配設せず、油路L−
85内の油の流れを促進する。さらに、C1カットオフ
バルブ64の信号油圧ポートp23にC3コントロール
圧PC3を供給する油路L−25にも、オリフィスを配設
せず、油路L−25内の油の流れを促進する。
【0164】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させ
ることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除す
るものではない。
【0165】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、油圧制御装置においては、第1の係合要素の油圧
サーボと油圧源との間の油路に配設され、前記第1の係
合要素の油圧サーボと油圧源とを連通する開位置と、こ
の連通を遮断する位置とに切換自在なフェールセーフバ
ルブを備え、前記第1の係合要素と同時に係合してはな
らない少なくとも一つの他の係合要素が係合させられる
ときの第1の係合要素の油圧サーボへの油圧の供給を、
前記フェールセーフバルブの閉位置への切換えによって
阻止するようになっている。そして、前記フェールセー
フバルブを開位置側にするための第1の信号油圧が、第
1の信号油圧室に供給され、該第1の信号油圧と対向さ
せて、前記他の係合要素の油圧サーボに供給される油圧
が、他の信号油圧として他の信号油圧室に供給され、他
の係合要素の油圧サーボに油圧が供給されるときに、前
記フェールセーフバルブが閉位置に切り換えられるよう
にするとともに、前記第1の信号油圧室に第1の信号油
圧を供給するための油路に、第1の信号油圧室に作用す
る油圧の立上りを遅延させる第1の油圧上昇遅延部材を
配設し、前記他の信号油圧室に他の信号油圧を直接供給
するか、又は前記他の信号油圧室に他の信号油圧を供給
するための油路に、前記第1の油圧上昇遅延部材より油
圧の立上りの遅延効果の小さい第2の油圧上昇遅延部材
を配設する。
【0166】この場合、信号フェールが発生したとき
に、第1の信号油圧室に第1の信号油圧を供給するため
の油路内の油の流れが抑制されるので、フェールセーフ
バルブにおいて、コントロール圧によって油圧遮断状態
が保持される。したがって、フェールセーフ用として設
定された変速段と異なる他の変速段が達成されることが
ないので、運転者の走行フィーリングを向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における油圧回路の要部を
示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における自動変速機の概念
図である。
【図3】本発明の実施の形態における自動変速機の動作
を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における油圧回路を示す第
1の図である。
【図5】本発明の実施の形態における油圧回路を示す第
2の図である。
【図6】本発明の実施の形態における油圧回路の概念図
である。
【図7】B1・C3カットオフバルブの油圧特性を示す
比較図である。
【図8】本発明の実施の形態におけるB1・C3カット
オフバルブの油圧特性を示す図である。
【符号の説明】
65 B1・C3カットオフバルブ B1、B2 ブレーキ C1、C2 クラッチ h、i、j 第1〜第3の信号油圧 L−81、L−84 油路 or1、or2 オリフィス SLC1、SLC2 ソレノイドバルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久野 孝之 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 早渕 正宏 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 西田 正明 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 組橋 裕貴 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 糟谷 悟 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 Fターム(参考) 3J552 MA02 MA12 NA01 NB01 PB01 PB06 QA02C QA36C

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の係合要素の油圧サーボと油圧源と
    の間の油路に配設され、前記第1の係合要素の油圧サー
    ボと油圧源とを連通する開位置と、この連通を遮断する
    位置とに切換自在なフェールセーフバルブを備え、前記
    第1の係合要素と同時に係合してはならない少なくとも
    一つの他の係合要素が係合させられるときの第1の係合
    要素の油圧サーボへの油圧の供給を、前記フェールセー
    フバルブの閉位置への切換えによって阻止する油圧制御
    装置において、前記フェールセーフバルブを開位置側に
    するための第1の信号油圧が、第1の信号油圧室に供給
    され、該第1の信号油圧と対向させて、前記他の係合要
    素の油圧サーボに供給される油圧が、他の信号油圧とし
    て他の信号油圧室に供給され、他の係合要素の油圧サー
    ボに油圧が供給されるときに、前記フェールセーフバル
    ブが閉位置に切り換えられるようにするとともに、前記
    第1の信号油圧室に第1の信号油圧を供給するための油
    路に、第1の信号油圧室に作用する油圧の立上りを遅延
    させる第1の油圧上昇遅延部材を配設し、前記他の信号
    油圧室に他の信号油圧を直接供給するか、又は前記他の
    信号油圧室に他の信号油圧を供給するための油路に、前
    記第1の油圧上昇遅延部材より油圧の立上りの遅延効果
    の小さい第2の油圧上昇遅延部材を配設することを特徴
    とする油圧制御装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の油圧上昇遅延部材は油路面積
    を絞るオリフィスであり、他の信号油圧は他の信号油圧
    室に直接供給される請求項1に記載の油圧制御装置。
  3. 【請求項3】 前記第1、第2の油圧上昇遅延部材は、
    油路面積を絞る第1、第2のオリフィスであり、第1の
    オリフィスの油路面積は第2のオリフィスの油路面積よ
    り小さくされる請求項1に記載の油圧制御装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の信号油圧はライン圧である請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の油圧制御装置。
  5. 【請求項5】 前記フェールセーフバルブは、閉位置側
    に切り換えるためのスプリングを備え、前記第1の信号
    油圧は反スプリング負荷側に、前記他の信号油圧はスプ
    リング負荷側に供給される請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の油圧制御装置。
  6. 【請求項6】 前記フェールセーフバルブは、前記第1
    の信号油圧に対向させて作用する他の信号油圧が供給さ
    れる他の信号油圧室として二つの信号油圧室を備え、前
    記他の係合要素は、前記第1の係合要素と同時に係合し
    てはならない第2、第3の係合要素であって、第2の係
    合要素の油圧サーボに供給される油圧を二つの信号油圧
    室のうちの一方に、第3の係合要素の油圧サーボに供給
    される油圧を二つの信号油圧室のうちの他方に供給する
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の油圧制御装置。
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