JP2003336640A - 多点接触玉軸受 - Google Patents

多点接触玉軸受

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JP2003336640A
JP2003336640A JP2002141765A JP2002141765A JP2003336640A JP 2003336640 A JP2003336640 A JP 2003336640A JP 2002141765 A JP2002141765 A JP 2002141765A JP 2002141765 A JP2002141765 A JP 2002141765A JP 2003336640 A JP2003336640 A JP 2003336640A
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bearing
cage
ball
ball bearing
ring
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Yoshiaki Katsuno
美昭 勝野
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NSK Ltd
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/02Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
    • F16C19/14Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load
    • F16C19/16Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with a single row of balls
    • F16C19/163Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with a single row of balls with angular contact
    • F16C19/166Four-point-contact ball bearings
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
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    • F16C33/38Ball cages
    • F16C33/41Ball cages comb-shaped
    • F16C33/412Massive or moulded comb cages, e.g. snap ball cages
    • F16C33/414Massive or moulded comb cages, e.g. snap ball cages formed as one-piece cages, i.e. monoblock comb cages
    • F16C33/416Massive or moulded comb cages, e.g. snap ball cages formed as one-piece cages, i.e. monoblock comb cages made from plastic, e.g. injection moulded comb cages

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内外輪及び玉と保持器との熱膨張係数の違い
などにより玉とポケットとの間に発生する突っ張り力を
緩和して保持器の摩耗等を防止する。 【解決手段】 冠形保持器のリング部21を保持器の円
周方向に所定の幅Δtを有するスリット26により玉挟
持時22の部分で分離し、リング部21を円周方向に弾
性変形可能な構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボールねじのボー
ルねじ軸や各種産業機械の回転軸を支承する軸受として
用いられる多点接触玉軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子部品実装装置や工作機械等で
使用される精密位置決め用ボールねじのボールねじ軸や
回転軸の端部は、図20に示すような軸受装置によって
支持されていることが多い。この軸受装置は二列組合せ
軸受1と、この二列組合せ軸受1の周囲を密封する軸受
ハウジング2と、この軸受ハウジング2の軸方向両端部
に設けられたオイルシール3とからなり、二列組合せ軸
受1は、図21に示すように、二つのアンギュラ玉軸受
4から構成されている。これらのアンギュラ玉軸受4は
外輪4a、内輪4b、玉4c等からなり、内輪4bは、
図20に示すように、たとえば、ボールねじ軸5の端部
に形成された大径軸部5aの端面に押えリング6及び軸
受ナット7によって押付け固定されている。なお、軸受
ハウジング2は円筒状のハウジング本体2aと、このハ
ウジング本体2aのフランジ部2bにボルト接合される
環状の外輪押え2cとから構成されている。
【0003】ところで、アンギュラ玉軸受は深溝玉軸受
に比べ、以下のような特徴を持っている。 一列当りの玉数が多く、荷重負荷能力及び剛性が大
きい。 保持器形状が強固であり、高速回転が可能。 単列では一方向のアキシャル荷重しか負荷すること
ができないが、アンギュラ玉軸受を二列の組合せとする
ことにより、両方向のアキシャル荷重を負荷することが
可能となる。
【0004】 二つのアンギュラ玉軸受の端面間に形
成されるギャップg(図21参照)を調整することによ
り、軸受の内部すき間を無くし、予め内部荷重を発生さ
せること(いわゆる定位置予圧)が容易である。予圧を
かけることで、軸受剛性の向上や高回転精度を得ること
が可能となる。 アンギュラ玉軸受は以上のような特徴を持っていること
から、旋盤やフライス盤、研削盤等の工作機械における
スピンドルを支持する軸受として使用される他、高精度
の位置決めを必要とする機械(例えば工作機械用精密ボ
ールねじ、電子部品高速装着機用精密ボールねじ、搬送
ロボット用ボールねじ等)にも広く使用されている。し
かし、アンギュラ玉軸受をボールねじ支持用軸受として
使用する場合、ボールねじ軸にはアキシャル方向の負荷
荷重が作用するため、単列のアンギュラ玉軸受のみでは
ボールねじ軸に作用する負荷荷重を支持することができ
ない。従って、切削型あるいは研削型工作機械のベッド
を移動させる手段として用いられるボールねじでは、加
工荷重の反力による変位を最小限に抑え、かつ所要の加
工精度を得るために、軸方向剛性が極めて大きく、かつ
接触角が60°程度のスラストアンギュラ玉軸受を2〜
4列に組み合わせたものをボールねじ支持用軸受として
使用している場合が多い。この場合、ラジアル方向の負
荷荷重は、ボールねじとセットで使用されるリニアガイ
ドやアリ溝が受ける構造となっている。
【0005】一方、放電加工機、レーザー加工機等の電
解加工型工作機やネジ穴加工用のタッピングセンター、
あるいは電子部品実装装置等では、実加工時の負荷荷重
が比較的小さいことから、ボールねじ軸や通常の回転軸
端部を支持する軸受として、例えば内径寸法が6mm〜
40mm程度で、接触角が15°〜30°程度の標準型
アンギュラ玉軸受(寸法系列79××、70××、72
××等)を二列に組合せ、数十Nから数百Nの比較的小
さな予圧をかけたものを使用する場合が多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、ボール
ねじ軸用や回転軸用としてアンギュラ玉軸受を使用する
場合において、剛性を上げたり、高精度の回転精度や位
置決め特性を得る必要があるときは、定位置予圧をかけ
なければならないため、二列組合せが条件となる。この
ため、軸受を装着する軸およびハウジング部分のスペー
スも単列での使用に対して2倍必要となり、機械全体の
スペース増につながる。
【0007】IT部品等の組立ラインや装着ラインで
は、工程に応じて部品実装装置や搬送ロボットが数多く
使用されているため、上記のスペース増はライン構成の
点で問題になる。また、二列組合せアンギュラ玉軸受を
1台の機械で数ヶ所に使用すると、軸受の干渉が問題と
なることが懸念される。これに加えて、最近では、部品
の実装速度を上げてタクトタイムを短縮化することが要
求されており、可動部分の軽量化による急加減速時の慣
性力軽減要求も非常に高い。
【0008】また、従来のボールねじ支持用軸受(二列
組合せアンギュラ玉軸受)を放電加工機やレーザー加工
機等の電解加工型工作機で使用した場合には、電解加工
中に発生する微細なスラッジや電解溶液等が外輪と内輪
との間に形成された環状間隙から軸受内部に侵入する虞
があった。また、半導体チップ等の電子部品を基板上に
装着する電子部品装着装置においては、誤ってライン内
に残された半導体チップが回転軸支持用軸受の内部に侵
入することがあった。
【0009】本発明は上記のような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、ボールねじ
支持用軸受や回転軸支持用軸受として現在使用されてい
る二列組合せアンギュラ玉軸受からの代替が可能である
と共に正確な位置決めと予圧付与が可能であり、しかも
保持器の製造が容易で且つ機能性の向上を図ることので
きる多点接触玉軸受を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、外輪および内輪に形成された
軌道溝に3点以上で接触する複数の玉と、これらの玉を
保持する保持器とを備えた多点接触玉軸受であって、前
記保持器は、リング部と、このリング部上に所定の間隔
で設けられた複数の玉保持部とからなる冠形の片持ち形
状であり、前記リング部は、前記保持器の円周方向に所
定の幅を有するスリットにより前記玉保持部の部分で分
離されていることを特徴とする。
【0011】請求項2の発明は、請求項1記載の多点接
触玉軸受において、前記外輪または内輪の両端部に環状
シール体を設け、前記外輪と内輪との間に形成された環
状間隙を前記環状シール体により密閉したことを特徴と
する。請求項3の発明は、請求項1記載の多点接触玉軸
受において、前記保持器が合成樹脂からなることを特徴
とする。
【0012】請求項4の発明は、請求項1記載の多点接
触玉軸受において、前記保持器が玉案内型であることを
特徴とする。
【0013】
【作用】本発明に係る多点接触玉軸受は、図16または
図17に示すように、外輪10aおよび内輪10bに形
成された軌道溝10e,10fと玉10cが3点または
4点で接触する多点接触玉軸受であり、外輪10aまた
は内輪10bのいずれか一方が別々の軌道面を構成する
一対の軌道輪別体として構成されている。
【0014】本発明に係る多点接触玉軸受では、保持器
構造を冠形の片持ち構造とすることで、保持器が玉と一
体になり、内外輪の軌道溝により半径方向に位置決めさ
れた玉を介して保持器の半径方向の動き量が抑制され
る。これにより、保持器が内外輪と直接接触したりする
ことがないため、動トルクの増加や摩擦熱による保持器
の温度上昇を防止できる。また、保持器のポケットから
玉が容易に脱落しないので、内外輪を組み合わせて軸受
を組立てる際に軸受の組立を容易に行うことができる。
さらに、別体となった軌道輪を分解した際に玉が保持器
から容易に脱落しないので、軸受の交換作業や洗浄作業
あるいはグリースの再封入作業等も容易に行うことがで
きる。
【0015】また、保持器のリング部を保持器の円周方
向に所定の幅を有するスリットにより玉保持部の部分で
分離したことにより、保持器のリング部がスリットの分
だけ円周方向に弾性変形可能となる。これにより、保持
器と内外輪及び玉の熱膨張係数の違いや保持器の寸法精
度あるいは真円度のバラツキ等により保持器のポケット
と玉との間に突っ張り力が生じてもリング部が突っ張り
力に応じて円周方向に弾性変形し、保持器のポケットと
玉との間に発生する突っ張り力が緩和されるので、保持
器のポケット内面と玉との接触抵抗増加による保持器の
早期摩耗や温度上昇等を防止できると共に負荷トルクの
増大を防止することができる。
【0016】また、本発明に係る多点接触玉軸受におい
て、外輪または内輪の両端部に環状シール体を設けるこ
とにより、 放電加工やレーザー加工等の電解加工時における微
細スラッジの軸受内部への侵入防止 上記電解加工液の軸受内部への侵入防止 電子部品装着装置の場合、微細半導体チップの軸受
内部への侵入防止 別体となった内輪の軸方向脱落防止(ボールねじ軸
端支持軸受ユニットとした時、特に取扱性向上) ボールねじ軸や回転軸、またはハウジングに軸受を
組込む際の組込み性の向上 という効果が得られる。
【0017】ここで、通常、一般の用途では、軸受は内
輪回転が主で、静止ラジアル荷重が負荷する場合(いわ
ゆる内輪回転荷重)が多い。この場合、内輪に発生し易
いフレッチングを防止するため、内輪を締めしろにし、
外輪をすき間ばめにする。このため、軸受を軸やハウジ
ングに組込む場合、先ず、軸に内輪を圧入または焼嵌め
した後、外輪をハウジングに挿入する方法が採られるこ
とが多い。しかし、ボールねじ支持用軸受では、アキシ
ャル荷重のみでラジアル荷重を負荷しない用途のため、
外輪および内輪をすき間ばめ(h又はHハメアイ)に設
定し、軸方向を軸受ナット等で確りと締結する方法が採
られている。このような嵌め合いの他に、軸が長尺のボ
ールねじであることもあり、軸受がハウジングに挿入さ
れたボールねじ軸端支持軸受ユニットとして予め作られ
ており、そのユニットをすき間ばめのねじ軸に挿入する
組込み方法が採られることが多い。このような場合、内
輪が別体となった多点接触玉軸受では、組込み性が極め
て悪い。また、誤って内輪を分離・落下させた場合に
は、軸受内部への異物の侵入や打痕きず等を発生させる
虞があるが、本発明に係る多点接触玉軸受をボールねじ
支持用軸受として用いることで、上記のような不具合が
防止される。一般的な回転軸支持に使用する場合も、条
件によっては同等の効果がある。
【0018】別体となった内輪の隣り合う端面間には、
図18または図19に示すように、幾何的に3点または
4点接触(軸受接触角α)で適度な予圧すき間(Δa)
が形成されており、二列組合せアンギュラ玉軸受と同様
に、軸受ナットや抑えふたで内輪または外輪の端部を軸
方向に押付け固定することで適正な予圧をかけることが
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1乃至図9は本発明の第1の実
施形態を示す図で、図1は本発明の第1の実施形態に係
る多点接触玉軸受を備えた軸受装置の断面図である。同
図において、符号8はボールねじ軸5あるいは回転軸等
を支承する軸受装置を示し、この軸受装置8は、多点接
触玉軸受10と、この玉軸受10の周囲を密封する軸受
ハウジング2と、この軸受ハウジング2の軸方向両端部
に設けられたオイルシール3とから構成されている。
【0020】多点接触玉軸受10は、図2に示すよう
に、外輪10a、内輪10b、玉10c、保持器20等
からなり、外輪10aの内周面には、軌道溝10eが外
輪10aの円周方向に沿って形成されている。この軌道
溝10eの軸方向断面は、図17の(a)に示すよう
に、Reの曲率半径を有する二つの円弧つまりゴシック
アーチ状に形成されており、これにより、玉10cは軌
道溝10eと二点で接触するようになっている。
【0021】一方、内輪10bの外周面には軌道溝10
fが内輪10bの円周方向に沿って形成されている。こ
の軌道溝10fの軸方向断面は、図17の(b)に示す
ように、Riの曲率半径を有する二つの円弧つまりゴシ
ックアーチ状に形成されており、これにより、玉10c
は軌道溝10fと二点で接触するようになっている。多
点接触玉軸受10の内輪10bは、図1に示すように、
ボールねじ軸5の端部に形成された大径軸部5aの端面
に押えリング6及び軸受ナット7によって押付け固定さ
れている。また、内輪10bは別々の軌道面を構成する
一対の軌道輪別体10b1,10b2となっており、別体
となった内輪の隣り合う端面間には、幾何的に4点接触
した状態(軸受接触角α)で適度な予圧すき間11(図
18参照)が形成されている。
【0022】多点接触玉軸受10は、外輪10aと内輪
10bとの間に形成された環状間隙をシールする一対の
環状シール体12(図2参照)を備えている。これらの
環状シール体12は円環状に形成されており、各環状シ
ール体12の外周縁部には、外輪10aの内周面に形成
されたシール取付け溝13に着脱自在に係合する係合部
12aが形成されている。また、環状シール体12は芯
金とゴム等の弾性材から形成されており、各環状シール
体12の内周縁部には、図3に示すように、内輪10b
の外周面に形成されたシール溝14に弾性接触するラビ
ンスシール部12bが形成されている。上述のような構
成とすることで、内輪が別体となった場合は、防水性及
び防塵性の向上と共に内輪の分解を防止することができ
る。尚、環状シール体12は適正な強度を保持できれば
芯金を有しない構造であっても勿論差し支えない。
【0023】図4は玉10cと保持器20の一部を示す
斜視図であり、同図に示すように、本実施形態では玉1
0cを保持する保持器として、冠形片持ち形状の保持器
20が用いられている。この冠形保持器20は例えばポ
リアミド、ポリアセタール・ポリフェニレンサルファイ
ド等の合成樹脂を射出成形して形成されており、保持器
20を形成する成形用樹脂母材には、保持器20の剛性
を高めるために、必要に応じてガラス繊維、カーボン繊
維等の強化材を添加してもよい。なお、軸受ハウジング
2は円筒状のハウジング本体2aと、このハウジング本
体2aのフランジ部2bにボルト接合される環状の外輪
押え2cとから構成されている。
【0024】保持器20は、図5及び図6に示すよう
に、リング部21と、このリング部21上に所定の間隔
で設けられた複数の玉保持部22とからなり、これらの
玉保持部22間には、図7に示すように、玉10cを保
持するためのポケット23が形成されている。玉保持部
22は、図8に示すように、円盤状に形成されており、
この玉保持部22の両端面には、玉10cと摺動自在に
接触する球面状の転動体接触面24,25が形成されて
いる。これらの転動体接触面24,25は、玉10cの
脱落を防止すると共にポケット23への玉10cの組込
み性を容易にするために、玉10cの直径Daに対して
1.02〜1.10倍程度、好ましくは1.02〜1.
06倍程度の曲率直径Dpで玉保持部22の両端面に形
成されている。なお、本実施形態では隣り合うポケット
23,23間の最小厚さΔL(図6参照)は、0.15
mm〜0.5mm程度となっている。また、本軸受の使
用対象用途は、軸受のdmn値(転動体のピッチ円直径
dm(mm)と回転数n(min-1)との積)がせいぜ
い20万以下の領域なので、遠心力の影響も少ないた
め、比較的強度の低い合成樹脂材料で保持器20を作る
ことが可能である。
【0025】図9は図6に示すM部の詳細図であり、同
図に示すように、保持器20のリング部21は保持器2
0の円周方向にΔtの幅を有するスリット26により玉
保持部22の部分つまり隣り合うボケット23,23間
で分離されている。上述のように、玉軸受10の玉10
cを保持する保持器として、玉案内型の冠形保持器20
を用いると、保持器20が玉10cと一体になり、保持
器20の半径方向の動き量が内外輪10a,10bの軌
道溝10e,10fにより抑制される。これにより、保
持器20が内外輪10a,10bと直接接触したりする
ことがないため、動トルクの増加や摩擦熱による保持器
20の温度上昇を防止できる。ただし、内外輪の接触す
る面が研削加工されていれば、保持器20は内輪案内ま
たは外輪案内であってもよい。
【0026】また、上述した実施形態では保持器20の
ポケット23から玉10cが容易に脱落しなくなるの
で、内外輪10a,10bを組み合わせて軸受を組立て
る際に軸受の組立を容易に行うことができる。さらに、
別体となった内輪10bを分解した際に玉10cが保持
器20から容易に脱落することがないので、軸受の交換
作業や洗浄作業あるいはグリースの再封入作業等も容易
に行うことができる。
【0027】また、保持器20のリング部21を保持器
20の円周方向に所定の幅Δtを有するスリット26に
より玉保持部22の部分で分離したことにより、リング
部21がスリット26の幅Δt分だけ円周方向に弾性変
形可能となる。これにより、保持器20と内外輪10
a,10b及び玉10cの熱膨張係数の違いで、保持器
ポケットピッチ円直径と転動体のピッチ円直径に寸法差
が発生したり、また、保持器20の寸法精度あるいは真
円度のバラツキなどにより保持器20と玉10cとの間
に突っ張り力が生じてもリング部21が突っ張り力に応
じて円周方向に弾性変形し、保持器20と玉10cとの
間に発生した突っ張り力が緩和されるので、保持器20
のポケット内面と玉10cとの接触抵抗増加による保持
器20の早期摩耗や温度上昇等を防止できると共に負荷
トルクの増大を防止することができる。
【0028】また、本軸受の使用用途は、主として、d
mn値が20万以下程度の低速回転領域であるが、さら
に回転数の高い領域で使用する場合、保持器20を形成
する成形用樹脂母材にガラス繊維、カーボン繊維等の強
化材を添加して保持器20の剛性を適度に高めれば良
い。さらに、上述した実施形態では単列アキシャル玉軸
受を二列に組み合わせたものを使用しなくてもよいの
で、従来に比べて約半分の取付けスペースで回転軸を支
持することができる。
【0029】また、上述した実施形態では外輪10aま
たは内輪10bの両端部に環状シール体12を設け、こ
の環状シール体12で外輪10aと内輪10bとの間に
形成された環状間隙を密閉したことにより、異物や液体
等が軸受内部に侵入することを防止できる。また、上述
した保持器構造を採用することにより、軸受の低トルク
化、低発熱化を図れると共に、軸受の組立性向上および
取付け性向上を図ることができる。
【0030】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れるものではない。たとえば、上述した第1の実施形態
では玉保持部22の転動体接触面24,25を球面状に
形成したが、図10に示す第2の実施形態のように、ポ
ケット23の内外径開口部に玉脱落防止用の張り出し部
27を設けてもよい。また、図11及び図12に示す第
3の実施形態のように、玉保持部22を多角形の形状に
形成してもよく、このような構成とすることによって、
図8に示したものに比べて軸受軸方向の玉の保持部を広
く確保でき、玉10cが脱落し難くなる。
【0031】また、第1の実施形態では外輪10aまた
は内輪10bの両端部に環状シール体12を設けたが、
外輪または内輪の両端部に環状シール体を必ずしも設け
る必要はなく、この場合には環状シール体の収容スペー
スを省略できるため、軸方向のコンパクト化を図ること
ができる。また、図13に示す第4の実施形態のよう
に、外輪10aと内輪10bとの間に形成された環状間
隙を非接触型の環状シール体15でシールするようにし
てもよい。さらに、図14に示す第5の実施形態のよう
に、外輪と内輪との間に形成された環状間隙をシールす
る手段として、金属からなる環状シール体16を用いて
もよい。また、上述した各実施形態ではボールねじ支持
用軸受として4点接触玉軸受を用いたが、4点接触玉軸
受の代わりに3点接触玉軸受(内外輪いずれか一方の軌
道溝が単一の曲率半径を持った円弧から形成されてい
る)を用いてもよい。
【0032】また、図2、図13および図14に示す各
実施形態では、内外輪のいずれか一方が別体構造の多点
接触玉軸受を例示したが、図15に示す第6の実施形態
のように、外輪10aおよび内輪10bのいずれもが別
体構造でない多点接触玉軸受についても本発明を適用す
ることができる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
精密位置決めが必要とされるボールねじ軸端支持用軸受
や回転軸支持軸受等の用途において、二列組合せアンギ
ュラ玉軸受と同等の機能を単列多点接触玉軸受で置き換
えることが可能となる。これにより、従来の約半分の取
付けスペースで済み、機械の省スペース化による設計の
多様性確保や構造簡素化によるコストダウンができると
共に、稼動部の軽量化ができ、タクトタイムの向上によ
る生産効率アップにも寄与できる。また、保持器のリン
グ部を保持器の円周方向に所定の幅を有するスリットに
より玉保持部の部分で分離したことにより、リング部が
円周方向に弾性変形可能となるので、保持器と内外輪及
び玉の熱膨張係数の違いなどに起因する保持器の早期摩
耗や温度上昇を防止できると共に負荷トルクの増大を防
止できる。さらに、玉案内型の冠形保持器を用いたこと
により、玉が保持器から容易に脱落しなくなるので、軸
受の組立性向上および取扱性向上を図ることができる。
また、外輪または内輪の両端部に環状シール体を設け、
この環状シール体により外輪と内輪との間に形成された
環状間隙を密閉したことにより、異物の侵入を防止で
き、防塵性および防水性の向上を図ることができる。さ
らに、内輪の脱落を防止でき、取扱性の向上と組付け性
の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る多点接触玉軸受
を備えたボールねじ支持用軸受の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る多点接触玉軸受
の軸方向断面図である。
【図3】図2のD部を示す詳細図である。
【図4】図2に示す玉と保持器の一部を示す斜視図であ
る。
【図5】図2の保持器を示す図である。
【図6】図5に示す保持器を矢印A方向から見た矢視図
である。
【図7】図5に示す保持器を矢印B方向から見た矢視図
である。
【図8】図7のC−C線に沿う矢視断面図である。
【図9】図6のM部を示す詳細図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る保持器の要部
を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る保持器を示す
図である。
【図12】図11に示す保持器の要部を示す図である。
【図13】本発明の第4の実施形態に係る多点接触玉軸
受の軸方向断面図である。
【図14】本発明の第5の実施形態に係る多点接触玉軸
受の軸方向断面図である。
【図15】本発明の第6の実施形態に係る多点接触玉軸
受の軸方向断面図である。
【図16】3点接触玉軸受の構造を示す図で、(a)は
外輪の軸方向断面図、(b)は内輪の軸方向断面図であ
る。
【図17】4点接触玉軸受の構造を示す図で、(a)は
外輪の軸方向断面図、(b)は内輪の軸方向断面図であ
る。
【図18】4点接触玉軸受の軸方向断面図である。
【図19】3点接触玉軸受の軸方向断面図である。
【図20】従来のボールねじ支持用軸受を示す断面図で
ある。
【図21】図20に示す二列組合せ玉軸受の軸方向断面
図である。
【符号の説明】
2 軸受ハウジング 3 オイルシール 5 ボールねじ軸 6 押えリング 7 軸受ナット 10 多点接触玉軸受 10a 外輪 10b 内輪 10c 玉 12 環状シール体 13 シール取付け溝 14 シール溝 15 環状シール体 16 環状シール体 20 保持器 21 リング部 22 玉保持部 23 ポケット 24,25 転動体接触面 26 スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J016 AA02 AA03 BB03 BB04 CA02 3J101 AA04 AA32 AA42 AA54 AA62 BA25 BA45 BA50 BA73 DA11 DA14 EA36 EA37 EA49 EA76 FA06 FA44 FA46 FA51 FA60 GA31

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外輪および内輪に形成された軌道溝に3
    点以上で接触する複数の玉と、これらの玉を保持する保
    持器とを備えた多点接触玉軸受であって、 前記保持器は、リング部と、このリング部上に所定の間
    隔で設けられた複数の玉保持部とからなる冠形の片持ち
    形状であり、前記リング部は、前記保持器の円周方向に
    所定の幅を有するスリットにより前記玉保持部の部分で
    分離されていることを特徴とする多点接触玉軸受。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の多点接触玉軸受におい
    て、前記外輪または内輪の両端部に環状シール体を設
    け、前記外輪と内輪との間に形成された環状間隙を前記
    環状シール体により密閉したことを特徴とする多点接触
    玉軸受。
  3. 【請求項3】 前記保持器は、合成樹脂からなることを
    特徴とする請求項1記載の多点接触玉軸受。
  4. 【請求項4】 前記保持器は、玉案内型であることを特
    徴とする請求項1記載の多点接触玉軸受。
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