JP2003335866A - 複合微粒子の製造方法および複合微粒子ならびに導電性材料 - Google Patents

複合微粒子の製造方法および複合微粒子ならびに導電性材料

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JP2003335866A
JP2003335866A JP2002146512A JP2002146512A JP2003335866A JP 2003335866 A JP2003335866 A JP 2003335866A JP 2002146512 A JP2002146512 A JP 2002146512A JP 2002146512 A JP2002146512 A JP 2002146512A JP 2003335866 A JP2003335866 A JP 2003335866A
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metal
resin
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JP2002146512A
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English (en)
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Takahiro Nakada
高弘 中田
Yasushi Tominaga
康 富永
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、導電性に優れる複合微粒子
の製造方法および複合微粒子ならびに導電性材料を提供
することである。 【解決手段】 本発明の複合微粒子の製造方法は、少な
くとも第1の物質と第2の物質とを含む2種以上の物質
を反応させて得られる樹脂微粒子を基部とする複合微粒
子の製造方法であって、前記第1の物質と、前記第2の
物質と、金属含有液とを混合して、前記基部の表面に前
記金属が析出した複合微粒子を得ることを特徴とするも
のである。また、本発明の複合微粒子は、樹脂微粒子で
構成される基部の表面に、多数の針状物が形成されてい
ることを特徴とするものである。また、本発明の導電性
材料は、上記に記載の複合微粒子を含むことを特徴とす
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合微粒子の製造
方法および複合微粒子ならびに導電性材料に関する。
【0002】
【従来の技術】導電性ペースト、異方導電フィルム等の
導電性材料には、導電性粒子を樹脂に分散してなる材料
が用いられている。この導電性粒子には、金、銀、ニッ
ケル、銅等の金属粒子が用いられる。しかし、金属粒子
と樹脂との比重の相違および形状の不均一さ等の理由に
より、金属粒子を樹脂中に均一に分散するのが困難であ
った。そのため、導電性にバラツキが生じていた。ま
た、これら導電性の金属粒子は、金、銀、銅、白金等の
一般的には高価な貴金属が用いられる。更に10μm以
下の微粒子を製造するのは困難であるため、金属単体の
粒子は、高価になり、そのためこれらを使用した異方導
電フィルム等の導電性材料はコストが高く、実用化が困
難であった。
【0003】そこで、ガラスビーズ、樹脂微粒子等の表
面に金、銀、銅等をメッキした導電性粒子等が開発され
ている。しかし、このような導電性粒子は、ガラスビー
ズ等とメッキ層との密着性が不充分であった。そのた
め、導電性ペースト等を製造する際にメッキが剥離して
しまい、全体として導電性が不充分なものであった。更
に、メッキ層を形成することは、その工程が複雑である
ため、作業工数およびコストの増大を招いていた。ま
た、従来の樹脂微粒子は、耐熱性に劣るため、導電性ペ
ースト等への加工時に樹脂微粒子の形状が破壊されてし
まい全体としての導電性に劣るものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、導電
性に優れる複合微粒子の製造方法および複合微粒子なら
びに導電性材料を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(12)に記載の本発明により達成される。 (1)少なくとも第1の物質と第2の物質とを含む2種
以上の物質を反応させて得られる樹脂微粒子を基部とす
る複合微粒子の製造方法であって、前記第1の物質と、
前記第2の物質と、金属含有液とを混合して、前記基部
の表面に前記金属が析出した複合微粒子を得ることを特
徴とする複合微粒子の製造方法。 (2)前記混合は、前記第1の物質と、前記第2の物質
と、前記金属含有溶液とを超音波を与えながら行うもの
である上記(1)に記載の複合微粒子の製造方法。 (3)前記金属含有液を、前記第1の物質と、前記第2
の物質とを混合した後に添加・混合するものである上記
(1)または(2)に記載の複合微粒子の製造方法。 (4)前記樹脂微粒子は、析出重合で得られるものであ
る上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の複合微粒
子の製造方法。 (5)前記混合する際の温度は、−10〜110℃であ
る上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の複合微粒
子の製造方法。 (6)前記第1の物質が、無水テトラカルボン酸を含む
ものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の
複合微粒子の製造方法。 (7)前記第2の物質は、ジアミン化合物を含むもので
ある上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の複合微
粒子の製造方法。 (8)樹脂微粒子で構成される基部の表面に、多数の針
状物が形成されていることを特徴とする複合微粒子。 (9)前記針状物は、少なくとも鉄を含むものである上
記(8)に記載の複合微粒子。 (10)前記樹脂微粒子は、ポリアミド酸微粒子または
ポリイミド微粒子である上記(8)または(9)に記載
の複合微粒子。 (11)前記複合微粒子の平均粒子径は、10nm〜1
00μmである上記(8)ないし(10)のいずれかに
記載の複合微粒子。 (12)上記(8)ないし(11)のいずれかに記載の
複合微粒子を含むことを特徴とする導電性材料。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の複合微粒子の製造
方法および複合微粒子ならびに導電性材料を詳細に説明
する。本発明の複合微粒子の製造方法は、少なくとも第
1の物質と第2の物質とを含む2種以上の物質を反応さ
せて得られる樹脂微粒子を基部とする複合微粒子の製造
方法であって、前記第1の物質と、前記第2の物質と、
金属含有液とを混合して、前記基部の表面に前記金属が
析出した複合微粒子を得ることを特徴とするものであ
る。また、本発明の複合微粒子は、樹脂微粒子で構成さ
れる基部の表面に、多数の針状物が形成されていること
を特徴とするものである。また、本発明の導電性材料
は、上記に記載の複合微粒子を含むことを特徴とする導
電性材料である。
【0007】以下、複合微粒子の製造方法について説明
する。本発明の複合微粒子の製造方法では、少なくとも
第1の物質と第2の物質とを含む2種以上の物質を反応
して得られる樹脂微粒子を基部とする。前記基部を構成
する樹脂微粒子としては、例えばポリアミド微粒子、ポ
リアミド酸微粒子、ポリイミド微粒子等、アクリル系樹
脂微粒子、スチレン系樹脂微粒子等の熱可塑性樹脂の微
粒子、フェノール樹脂微粒子等の熱硬化性樹脂の微粒子
が挙げられる。これらの中でもポリアミド酸微粒子、ポ
リイミド微粒子、フェノール樹脂微粒子の中から選ばれ
る少なくとも1種以上が好ましい。これにより、複合微
粒子の耐熱性を向上することができる。複合微粒子の耐
熱性が向上すると、導電性材料に添加した際でも微粒子
の形状を保持することができる。
【0008】前記第1の物質は、目的とする樹脂微粒子
によって適宜選択される。前記第1の物質としては、例
えば3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸二無水物(BTA)、3,3’,4,4’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物、2,3’,4,4’−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸
二無水物等の芳香族テトラカルボン酸無水物、ブタン−
1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族
テトラカルボン酸無水物等の無水テトラカルボン酸、フ
ェノール、クレゾール、キシレノール、ビスフェノール
A、ターシャリーブチルフェノール、オクチルフェノー
ル、フェニルフェノール、レゾルシノール、カテコー
ル、ヒドロキノン、フロログルシノール、ピロガロール
等のフェノール類(特にベンゼン環1個当たり2個以上
のフェノール性水酸基を有する化合物)、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル等のアクリル酸系化合物、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸
化合等が挙げられる。
【0009】前記第1の物質は、特に限定されないが、
溶媒に溶解して溶剤の状態で反応することが好ましい。
これにより、より均一な反応が可能となり、それによっ
て、より微細な樹脂微粒子の基部を得ることができる。
前記第1物質を溶解するのに用いられる溶媒は、特に限
定されるものではなく、第1物質を溶解し、かつ生成す
る樹脂微粒子を溶解しないものであれば良い。前記無水
テトラカルボン等を溶解する溶媒としては、例えば2−
プロパンノン、3−ペンタノン、テトラヒドロピノン、
エピクロロヒドリン、アセトン、メチルエチルケトン、
テトラヒドロフラン、酢酸エチル、メタノール、イソプ
ロパノール等が挙げられる。前記フェノール類を溶解す
る溶媒としては、例えば水、メタノール、アセトン、メ
チルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン等が挙げられ
る。前記アクリル酸等を溶解する溶媒としては、例えば
水、アセトン、メチルエチルケトン等を挙げることがで
きる。
【0010】前記第1の物質の濃度は、特に限定されな
い。例えば無水カルボン酸を用いる場合、第1の物質を
含む溶液中で0.001〜1モル/リットルが好まし
く、特に0.001〜0.20モル/リットルが好まし
い。濃度が前記上限値を超えると樹脂微粒子の粒子径の
分布が広がり単分散の樹脂微粒子を得るのが困難になる
場合があり、前記下限値未満であると反応性が低下する
場合がある。
【0011】前記第2の物質も、目的とする樹脂微粒子
によって適宜選択される。前記第2の物質としては、例
えば4,4’−ジアミノジフェニルメタン(DDM)、
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)、
4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル等
の芳香族ジアミン、1,2−ジアミノメタン、1,2−
ジアミノブタン等の脂肪族ジアミン等のジアミン化合
物、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデ
ヒド、トリオキサン、グリオキザール、クロトンアルデ
ヒド等のアルデヒド類、アゾイゾブチロニトリル、過酸
化ベンゾイル、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)等が挙げられる。
【0012】前記第2の物質は、特に限定されないが、
溶媒に溶解して溶剤の状態で反応することが好ましい。
これにより、より均一な反応が可能となり、それによっ
て、より微細な樹脂微粒子の基部を得ることができる。
前記第2の物質を溶解するのに用いられる溶媒は、特に
限定されるものではなく、第2の物質を溶解し、かつ生
成する樹脂微粒子を溶解しないものであれば良い。前記
ジアミン化合物等を溶解する溶媒としては、例えば2−
プロパンノン、3−ペンタノン、テトラヒドロピノン、
エピクロロヒドリン、アセトン、メチルエチルケトン、
テトラヒドロフラン、酢酸エチル、メタノール、イソプ
ロパノール等が挙げられる。前記アルデヒド類を溶解す
る溶媒としては、例えば水、メタノール、アセトン、メ
チルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン等が挙げられ
る。
【0013】前記第2の物質の濃度も、特に限定されな
い。例えばジアミン化合物を用いる場合、第2の物質を
含む溶液中で0.001〜1モル/リットルが好まし
く、特に0.001〜0.20モル/リットルが好まし
い。濃度が前記上限値を超えると樹脂微粒子の粒子径の
分布が広がり単分散の樹脂微粒子を得るのが困難になる
場合があり、前記下限値未満であると反応性が低下する
場合がある。
【0014】なお、前記第1の物質を溶解する溶媒と、
第2の物質を溶解する溶媒は相溶するものであれば異な
る種類のものを用いることができるが、同じ種類の溶媒
を用いることが好ましい。また、第1の物質と第2の物
質を溶解するが、得られる樹脂微粒子を溶解しない溶媒
であることが必要である。
【0015】前記基部を構成する樹脂微粒子を、具体的
に説明する。例えばポリアミド酸またはポリイミドの樹
脂微粒子を得る場合、第1の物質および第2の物質とし
て無水テトラカルボン酸およびジアミン化合物が好まし
い。前記無水テトラカルボン酸とジアミン化合物との比
率は、特に限定されないが、無水カルボン酸/ジアミン
化合物の比率0.5〜2.0が好ましく、特に0.9〜
1.1が好ましい。比率が前記範囲内であると、特に反
応性を向上することができる。
【0016】また、フェノール樹脂の樹脂微粒子を得る
場合、第1の物質および第2の物質としてフェノール類
(特にベンゼン環1個当たり2個以上のフェノール性水
酸基を有する化合物)およびアルデヒド類が好ましい。
前記フェノール類とアルデヒド類との比率は、特に限定
されないが、アルデヒド類/フェノール類の比率1.0
〜3.0が好ましく、特に1.2〜2.8が好ましい。
比率が前記範囲内であると、特に単分散の樹脂微粒子を
得ることができる。
【0017】また、アクリル酸樹脂等の微粒子を得る場
合、第1の物質および第2の物質としてアクリル酸等の
化合物および開始剤が好ましい。
【0018】本発明の複合微粒子の製造方法では、第1
の物質と、第2の物質と、金属含有液とを所定の順序で
混合する。これにより、樹脂微粒子の基部と金属との複
合化をすることができる。前記金属含有液に含まれる金
属としては、例えば鉄、銅、金、銀、白金、アルミ等が
挙げられる。これらの中でも鉄または銅が好ましい。こ
れにより、複合微粒子の導電性と、コストとのバランス
を図ることができる。前記金属を含有する溶液は、特に
限定されず、通常のものを用いることができる。具体的
には、塩化第二鉄水溶液等の鉄含有金属溶液、硫酸銅水
溶液、塩化第二銅水溶液等の銅含有溶液、塩化アルミ、
塩化金、硝酸銀等が挙げられる。
【0019】前記混合の順序は、特に限定されないが、
第1の樹脂と、第2の樹脂とを混合した後に金属含有液
を添加・混合することが好ましい。これにより、金属の
析出量を多くする事ができる。また、樹脂微粒子が生成
する速度は、金属が析出する速度よりも速いことが好ま
しい。これにより、樹脂微粒子の基部の表面に効率的に
金属を析出させることができる。
【0020】前記混合する温度は、特に限定されない
が、−10〜110℃が好ましく、特にポリイミド樹脂
微粒子を作成する場合は、混合温度が−10〜10℃が
好ましい。混合する温度が前記下限値未満であると樹脂
微粒子の生産性が低下する場合があり、前記上限値を超
えると樹脂微粒子の粒子径の分布が広がり単分散の樹脂
微粒子を得るのが困難になる場合があり、下限値未満で
あると反応性が低下する場合がある。また、フェノール
樹脂微粒子の場合は、混合温度30〜100℃が好まし
く、特に40〜90℃が好ましい。混合温度が前記下限
値であると反応を制御するのが困難となる場合があり、
前記上限値を超えると反応性が低下する場合がある。
【0021】前記混合は、どのような方法でも良いが、
前記第1の物質と、前記第2の物質と、前記金属含有液
とを超音波を与えながら、攪拌して行うことが好まし
い。これにより、より微細で均一な複合微粒子を得るこ
とができる。前記超音波の周波数は、特に限定されない
が、25〜1000kHz、特に28〜500kHzが
好ましい。
【0022】本発明の複合微粒子の製造方法では、前記
樹脂微粒子の基部の表面に前記金属が析出してなる。こ
れにより、導電性を有する複合微粒子を得ることができ
る。従来のメッキ方法により、樹脂微粒子の表面に金属
を付着させる方法では、樹脂と金属との密着性が不十分
であった。これに対して、本発明では、樹脂微粒子の製
造時に金属を混合するため、金属が樹脂微粒子中に一部
複合化されると予想される。したがって、本発明で得ら
れる複合微粒子は、樹脂微粒子と、金属との密着性に優
れるものである。
【0023】本発明の複合微粒子の製造方法では、使用
する樹脂微粒子、金属溶液等の組成、反応、混合等の条
件により前記金属を、基部の表面に種々の形態で析出さ
せることができる。例えば、基部をポリイミド樹脂微粒
子またはポリアミド酸微粒子として、その表面に鉄を析
出させる場合、針状物質を有する複合微粒子を得ること
ができる。また、基部を同様にポリイミド樹脂微粒子ま
たはポリアミド酸微粒子として、その表面に銅を析出さ
せる場合、基部表面に銅がコーティングされた複合微粒
子を得ることができる。
【0024】以上のような製造方法により、本発明の複
合微粒子が得られる。本発明の複合微粒子は、樹脂微粒
子の表面に金属が析出して得られる複合微粒子である。
本発明の複合微粒子を導電性材料等に添加した場合、よ
り導電性を向上することができる。従来の金、銅、鉄等
からなる導電性微粒子は、球形のものであった。球形で
ある場合、電気を通す接点は、点となるため所望の導電
性を得るためには導電性微粒子を大量に添加する必要が
あった。これに対して、本発明の複合微粒子では、表面
には導電性の高い金属が析出し、その内部は樹脂微粒子
で構成されている。樹脂微粒子は、偏平等に変形可能で
あるため、電気を通す接点が増加し、フィラーとして用
いた場合に導電性を向上することができると考えられ
る。
【0025】次に、本発明の複合微粒子について説明す
る。本発明の複合微粒子は、樹脂微粒子で構成される表
面の基部に、多数の針状物が形成されているものであ
る。これにより、電気を通す接点が増加し、フィラーと
して用いた場合に導電性を向上することができ、好まし
い。従来の導電性微粒子は、球形のものであった。球形
である場合、電気を通す接点は、点となるため所望の導
電性を得るためには導電性微粒子を大量に添加する必要
があった。これに対して、本発明の複合微粒子は、基部
を構成する樹脂微粒子が偏平等に変形可能なことに加
え、樹脂微粒子の表面に多数の針状物が形成されている
ため、電気を通す接点が増加し、それにより導電性を向
上することができるものと考えられる。
【0026】前記針状物は、特に限定されないが、少な
くとも鉄を含むことが好ましい。これにより、従来の鉄
のみを使用した微粒子に比べ導電性をより向上すること
ができる。前記針状物は、特に限定されないが、針状物
の先端部と元部とで金属成分の濃度が異なることが好ま
しい。これにより、金属と樹脂微粒子との密着性と、導
電性とを両立することができる。前記金属成分の濃度
は、特に限定されないが、針状物の先端部で高く、元部
で低くなっていることが好ましい。なお、前記先端部と
は、針状の先端を意味し、元部とは樹脂層と接している
部分を意味する。
【0027】前記複合微粒子を構成する樹脂微粒子とし
ては、例えばアクリル系樹脂微粒子、スチレン系樹脂微
粒子等の熱可塑性樹脂の微粒子、フェノール樹脂微粒子
等の熱硬化性樹脂の微粒子、ポリアミド微粒子、ポリア
ミド酸微粒子、ポリイミド微粒子等が挙げられる。これ
らの中でもポリアミド酸微粒子、ポリイミド微粒子、フ
ェノール樹脂微粒子の中から選ばれる少なくとも1種以
上が好ましい。これにより、耐熱性に優れる複合微粒子
を得ることができる。また、それによって、導電性ペー
スト、異方導電性フィルム等を製造する際にも複合微粒
子が破壊されずに、その機能を発揮することができる。
【0028】前記複合微粒子の平均粒径は、特に限定さ
れないが、10nm〜100μmが好ましく、特に50
nm〜50μmが好ましい。平均粒径が前記下限値未満
であると複合微粒子の形成が困難となる場合が有り、前
記上限値を超えると導電性材料に添加した際に、導電性
材料の特性が低下する場合がある。なお、前記平均粒径
は、例えば走査型電子顕微鏡を用いて複合微粒子におけ
る針状物質の一端から他端までを測定することにより評
価できる。
【0029】前記針状物の平均高さは、特に限定されな
いが、0.1〜2.0μmが好ましく、特に0.1〜
1.0μmが好ましい。平均高さが前記範囲内である
と、特に体積抵抗率を低くすることができる。なお、平
均高さは、例えば走査型電子顕微鏡を用いて複合微粒子
における針状物質の先端から元部までを測定することに
より評価できる。
【0030】次に、導電性材料について説明する。本発
明の導電性材料は、上述の複合微粒子を含むものであ
る。導電性材料としては、例えば回路用ペースト、電磁
シールド用ペースト等の導電性ペースト、異方導電フィ
ルム等が挙げられる。例えば導電性ペーストを得る場
合、前記複合微粒子とバインダーとを用いて形状を保持
することが好ましい。
【0031】前記導電性ペースト中の複合微粒子とバイ
ンダーとの割合は、複合微粒子100重量部に対して、
バインダー5〜500重量部とすることが好ましく、特
に50〜400重量部が好ましい。なお、必要に応じ有
機溶剤、酸化物除去剤、分散助剤、効果促進剤、酸化防
止剤等の添加剤を含有させることができる。前記バイン
ダーとしては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、
アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹
脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹
脂、スチレン樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0032】例えば、回路ペーストを得る方法として
は、複合微粒子とバインダーとを3本ロール、ライカイ
機等を用いて混練する方法を挙げることができる。ま
た、例えば異方導電フィルムを得る方法としては、複合
微粒子と、バインダーとの混合物を射出成形、カレンダ
ーロール等の方法を挙げることができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例に基づい
て詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。 <複合微粒子の実施例> (実施例1)第1の物質として3,3’,4,4’−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物0.002モルをア
セトンに溶解させた50ml溶液と、第2の物質として
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル0.002モル
をアセトンに溶解させた50ml溶液とを25℃で混合
して周波数38kHzの超音波を与えながら10分間攪
拌した。なお、両溶液を混合後、直ちに金属含有液とし
て39%塩化第二鉄溶液を100ml混合した。得られ
た析出物を水洗し、アセトンで洗浄、200℃で3時間
乾燥して複合微粒子を得た。得られた複合微粒子を走査
型電子顕微鏡(SEM)で観察し、針状物が基部の表面
に析出した複合微粒子が得られたことを確認した。その
SEM写真を図1に示す。この複合微粒子の平均粒径
は、1.0μm(針の先端まで含めた粒径)であり、針
状物の高さは、0.5μm程度であった。
【0034】(実施例2)金属含有液として、40%塩
化第二銅水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にし
た。得られた複合微粒子をSEMで観察し、球状の複合
微粒子が得られたことを確認した。そのSEM写真を図
2に示す。この複合微粒子の平均粒径は、0.4μmで
あった。
【0035】(実施例3)金属含有液として、30%硫
酸銅水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にした。得
られた複合微粒子をSEMで観察し、球状の複合微粒子
が得られたことを確認した。この複合微粒子の平均粒径
は、0.5μmであった。
【0036】(実施例4)第1の物質としてレゾルシノ
ール100重量部、第2の物質として37%ホルムアル
デヒド水溶液200重量部、触媒として炭酸ナトリウム
0.1重量部を水1000重量部に添加して、レゾルシ
ノールが完全に溶解するまで攪拌した。その後、金属含
有液として39%塩化第二鉄溶液を1000ml混合し
た。混合後、ガラス容器に混合溶液を入れ、80℃の恒
温槽で72時間放置した。その後、スラリードライヤー
で乾燥を行い、複合微粒子を得た。この複合微粒子の平
均粒径は、1.0μmであった。
【0037】(実施例5)攪拌時に超音波を用いなかっ
た以外は、実施例1と同様にした。
【0038】(比較例1)実施例1において、金属含有
液を添加せずにポリイミドの樹脂微粒子を得た。得られ
た樹脂微粒子を無電解ニッケルメッキ液に70℃、10
分間浸漬した後、取り出して乾燥して複合微粒子を得
た。
【0039】各実施例および比較例で得られた複合微粒
子について、以下の評価を行った。評価項目を内容と共
に、以下に示す。得られた結果を表1に示す。 ・体積抵抗率 複合微粒子10gを金型に充填して、厚さ2.0mm、
2cmφのタブレットを作製し、体積抵抗率(Ω−c
m)を測定した。
【0040】・耐熱性 耐熱性は、熱重量分析を用いて複合微粒子の熱分解温度
で評価した。なお、測定は、昇温速度10℃/分、窒素
雰囲気下で行った。
【0041】
【表1】
【0042】表1から明らかなように、実施例1〜5
は、体積抵抗率が低く、導電性に優れていることが確認
された。また、実施例1〜5は、耐熱性にも優れてい
た。
【0043】<導電性材料の実施例> (実施例1a)実施例1で得られた複合微粒子を用いて
導電性ペーストを得た。実施例1で得られた複合微粒子
70重量部と、ジグリシジルビスフェノールA(エポキ
シ当量180、常温で液体)15.3重量部と、クレジ
ルグリシジルエーテル(エポキシ当量185)10.2
重量部と、3,3,5,5−テトラメチルビフェノール
(本州化学工業製)2重量部と、2−メチルイミダゾー
ルアジン(四国化成製 2MA−Z)1.8重量部と、
ジシアンジアミド0.5重量部と、1,8−ジアザビシ
クロウンデセン0.2重量部とを3本ロールで混練して
導電性ペーストを得た。この導電性ペーストを真空チャ
ンバーにて2mmHgで30分間脱泡した後、これをス
ライドガラス上に幅4mm、厚さ30μmに塗布し、2
00℃のホットプレート上で30秒硬化した。そして、
硬化物の体積抵抗率を測定したところ、4×10
−3(Ω−cm)であり、導電性に優れていることが確
認された。
【0044】また、複合微粒子として、それぞれ実施例
2〜5のものを用いて実施例1aと同様に評価した結
果、実施例1aと同様の低い体積抵抗率が得られた。ま
た、比較例1aについて、比較例1の複合微粒子を用い
て実施例1aと同様に評価した結果、体積抵抗率は1×
10(Ω−cm)であった。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、導電性に優れる複合微
粒子の製造方法および複合微粒子ならびに導電性材料を
得ることができる。また、超音波を与えながら本発明の
複合微粒子を製造した場合、特に粒子径が小さく、粒径
分布がシャープな複合微粒子を得ることができる。ま
た、基部を構成する樹脂微粒子としてポリイミド樹脂微
粒子とした場合、特に耐熱性に優れる複合微粒子を得る
ことができる。また、金属含有液として鉄を含有する溶
液を用いた場合、基部の表面に多数の針状物質が形成さ
れた複合微粒子を得ることができる。また、基部の表面
に多数の針状物質が形成された複合微粒子を得た場合、
特に導電性に優れた複合微粒子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で得られた複合微粒子の粒子
構造を示す写真(SEM写真)である。
【図2】図2は、実施例2で得られた複合微粒子の粒子
構造を示す写真(SEM写真)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F070 AA29 AA44 AA55 AE06 DA28 DC05 DC07 FA03 FB01 FB06 FC08 5G301 DA02 DA43 DA55 DD01 DD08 DE01 DE10

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも第1の物質と第2の物質とを
    含む2種以上の物質を反応させて得られる樹脂微粒子を
    基部とする複合微粒子の製造方法であって、 前記第1の物質と、前記第2の物質と、金属含有液とを
    混合して、前記基部の表面に前記金属が析出した複合微
    粒子を得ることを特徴とする複合微粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記混合は、前記第1の物質と、前記第
    2の物質と、前記金属含有溶液とを超音波を与えながら
    行うものである請求項1に記載の複合微粒子の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記金属含有液を、前記第1の物質と、
    前記第2の物質とを混合した後に添加・混合するもので
    ある請求項1または2に記載の複合微粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記樹脂微粒子は、析出重合で得られる
    ものである請求項1ないし3のいずれかに記載の複合微
    粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記混合する際の温度は、−10〜11
    0℃である請求項1ないし4のいずれかに記載の複合微
    粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の物質が、無水テトラカルボン
    酸を含むものである請求項1ないし5のいずれかに記載
    の複合微粒子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第2の物質は、ジアミン化合物を含
    むものである請求項1ないし6のいずれかに記載の複合
    微粒子の製造方法。
  8. 【請求項8】 樹脂微粒子で構成される基部の表面に、
    多数の針状物が形成されていることを特徴とする複合微
    粒子。
  9. 【請求項9】 前記針状物は、少なくとも鉄を含むもの
    である請求項8に記載の複合微粒子。
  10. 【請求項10】 前記樹脂微粒子は、ポリアミド酸微粒
    子またはポリイミド微粒子である請求項8または9に記
    載の複合微粒子。
  11. 【請求項11】 前記複合微粒子の平均粒子径は、10
    nm〜100μmである請求項8ないし10のいずれか
    に記載の複合微粒子。
  12. 【請求項12】 請求項8ないし11のいずれかに記載
    の複合微粒子を含むことを特徴とする導電性材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5317474B2 (ja) * 2005-09-02 2013-10-16 学校法人甲南学園 金属超微粒子含有ポリアミド酸

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