JP4897344B2 - 導電性微粒子及び異方性導電材料 - Google Patents
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以下に本発明を詳述する。
上記メラミン化合物としては特に限定されず、例えば、メラミン;メラミンのアミノ基の水素をアルキル基、アルケニル基、フェニル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルキル(オキサアルキル)n基、アミノアルキル基で置換した置換メラミン化合物等が挙げられる。
なお、分散剤としてシリカ微粒子を用いた場合には、このシリカ微粒子が基材微粒子の表面に付着、又は、基材微粒子内に埋め込まれたりする。
ここで、上記シリカ微粒子の平均粒子径は、窒素吸着法(BET法)により測定して得られる比表面積径である。平均粒子径(比表面積径)(Dnm)は、窒素吸着法で測定して、比表面積Sm2/gからD=2720/Sの式により求められる。
上記シリカ微粒子のゾルとしては特に限定されず、例えば、水性シリカゾル、オルガノシリカゾル等が挙げられる。なかでも、基材微粒子の製造の際には、上述したように水性媒体を用いるため、シリカ微粒子のゾルの分散安定性の面から水性シリカゾルを用いることが好ましい。
上記正投影像は、例えば、走査電子顕微鏡(SEM)等により観察することができ、具体的には、図1に示すような10000倍で撮影した正投影像のうち、正方形で囲んだ面積比率1/16.6の部分について拡大した図2に示すような正投影像中で、基材微粒子の表面の凸部とシリカ微粒子との存在個数を数えることにより、基材微粒子の表面に付着したシリカ微粒子の投影像と、基材微粒子の表面の凸部の投影像との存在個数の比率を求める方法等が挙げられる。
なお、正投影像中において、基材微粒子の表面の凸部とシリカ微粒子とは、図2に示すように、微小で白色であるものをシリカ微粒子、それ以外のものを基材微粒子として区別することができる。
なお、上記CV値は、粒子径分布から得られる標準偏差を平均粒子径で除し百分率とすることにより求められるものである。
なお、最大外形とは、図1中の矢印で示すように、各凸部の外形のうち最大のものをいう。
また、上記ニッケルからなる導電層には、リンやホウ素等の非金属成分が含有されていてもよい。
なお、上記導電層の厚さは、無作為に選んだ10個の粒子について測定し、これらを算術平均した厚さである。
なお、上記CV値は、粒子径分布から得られる標準偏差を平均粒子径で除し百分率とすることにより求められるものである。
以下に各工程を詳述する。
上記塩基性触媒としては特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等が挙げられる。
また、上記工程1の反応温度として50〜80℃が好ましい。
この結果、分子量が200〜700程度の水に可溶なメラミン系樹脂の初期縮合物の水溶液が得られる。
また、このとき、上記酸触媒により反応液のpHは3〜7、反応温度は70〜100℃に調整することが好ましい。
上記工程2においては、上記酸触媒を添加後、数分で基材微粒子が析出する。
また、乾燥して得られた粉末状の微粒子が粒子間凝集している場合には、ホモミキサー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー等の剪断力を有する混合機や、ピンディスクミル、パルベライザー、イノマイザー、カウンタージェットミル等の粉砕機で適切に処理することにより、球状微粒子を破壊することなく粒子間凝集をほぐすことができる。
上記工程1及び工程2により製造される基材微粒子は、平均粒子径が0.05〜100μmである。ここで、上記基材微粒子の平均粒子径は、Mie理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定して得られる50%体積比(メジアン径)である。
なお、センシタイジングとは、絶縁物質の表面にSn2+イオンを吸着させる工程であり、アクチベイチングとは、絶縁性物質表面にSn2++Pd2+→Sn4++Pd0で示される反応を起こしてパラジウムを無電解メッキの触媒核とする工程である。
また、上記硬化性樹脂は、常温硬化型、熱硬化型、光硬化型、湿気硬化型のいずれの硬化型であってもよい。
また、絶縁性の樹脂バインダーと、本発明の導電性微粒子とを混合することなく、別々に用いて異方性導電材料としてもよい。
(1)基材微粒子の製造
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した2Lの反応フラスコに、メラミン100.0g、37%ホルマリン193.0g、水性シリカゾル(日産化学工業社製、スノーテックスN、SiO2濃度20.3重量%、pH10.0、平均粒子径7.9nm)26.7g、水614gを仕込み、25%アンモニア水にてpHを8.5に調整した。その後、上記混合物を撹拌しながら昇温し、温度を70℃に保ち、30分反応させてメラミン樹脂の初期縮合物の水溶液を調製した。この時点でのメラミン樹脂の分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)にて測定したところ、280であった。
次に、温度を70℃を維持したまま、得られた初期縮合物の水溶液にパラトルエンスルホン酸・一水和物の10重量%水溶液を添加してpHを5.5に調整した。約2分後に反応系内が白濁して硬化メラミン樹脂微粒子が析出した。その後、温度を90℃まで昇温して3時間硬化反応を続けた。冷却後、得られた反応液を濾過、乾燥し、ピンディスクミルで粉砕することにより白色の硬化メラミン樹脂微粒子を得た。平均粒子径はレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置で測定したところ、3.0μmであった。この硬化メラミン樹脂微粒子をそのままの状態でSEM観察をし、スライス片の状態でTEM−EDX観察をしたところ、硬化メラミン樹脂微粒子は球状で、かつ、シリカ微粒子が硬化メラミン樹脂微粒子の表面付近に偏在していることが確認された。すなわち、基材微粒子(球状複合硬化メラミン樹脂微粒子)が得られた。
得られた基材微粒子を更に水1200mLで希釈し、メッキ安定剤4mLを添加した。しかる後、この水溶液に、硫酸ニッケル450g/L、次亜リン酸ナトリウム150g/L、クエン酸ナトリウム116g/L、及び、メッキ安定剤6mLの混合溶液120mLを、81mL/分の添加速度で定量ポンプを通して添加した。その後、pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解メッキ前期工程を行なった。
次いで、更に硫酸ニッケル450g/L、次亜リン酸ナトリウム150g/L、クエン酸ナトリウム116g/L、及び、メッキ安定剤35mLの混合溶液650mLを、27mL/分の添加速度で定量ポンプを通して添加した。その後、pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認し、無電解メッキ後期工程を行なった。
次いで、メッキ液を濾過し、濾過物を水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥して、ニッケルメッキされた導電性微粒子を得た。
更に、置換メッキ法により表面に金メッキを施し、表面に凸部を有する導電層を有する導電性微粒子を得た。
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した2Lの反応フラスコに、メラミン30.5g、37%ホルマリン118g、水性シリカゾル(日産化学工業社製、スノーテックスN、SiO2濃度20.3重量%、pH9.5、平均粒子径12.0nm)15.5g、水614gを仕込み、25%アンモニア水にてpHを8.0に調整した。その後、上記混合物を撹拌しながら昇温し、温度を70℃に保ち、30分反応させてメラミン樹脂の初期縮合物の水溶液を調製した。この時点でのメラミン樹脂の分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)にて測定したところ、310であった。
次に、温度を70℃を維持したまま、得られた初期縮合物の水溶液にパラトルエンスルホン酸・一水和物の10重量%水溶液を添加してpHを5.5に調整した。約2分後に反応系内が白濁して硬化メラミン樹脂微粒子が析出した。その後、温度を90℃まで昇温して3時間硬化反応を続けた。冷却後、得られた反応液を濾過、乾燥し、ピンディスクミルで粉砕することにより白色の硬化メラミン樹脂微粒子を得た。平均粒子径はレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置で測定したところ、4.0μmであった。この硬化メラミン樹脂微粒子をそのままの状態でSEM観察をし、スライス片の状態でTEM−EDX観察をしたところ、硬化メラミン樹脂微粒子は球状で、かつ、シリカ微粒子が硬化メラミン樹脂微粒子の表面付近に偏在していることが確認された。以下、実施例1と同様の操作によりニッケルメッキ及び金メッキを施し、表面に凸部を有する導電性微粒子を製造した。
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した2Lの反応フラスコに、メラミン100g、37%ホルマリン193g、水性シリカゾル(日産化学工業社製、スノーテックスN、SiO2濃度20.3重量%、pH9.5、平均粒子径12.0nm)15.5g、水614gを仕込み、25%アンモニア水にてpHを8.0に調整した。その後、上記混合物を撹拌しながら昇温し、温度を70℃に保ち、30分反応させてメラミン樹脂の初期縮合物の水溶液を調製した。この時点でのメラミン樹脂の分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)にて測定したところ、310であった。
次に、温度を70℃を維持したまま、得られた初期縮合物の水溶液にパラトルエンスルホン酸・一水和物の10重量%水溶液を添加してpHを5.5に調整した。約2分後に反応系内が白濁して硬化メラミン樹脂微粒子が析出した。その後、温度を90℃まで昇温して3時間硬化反応を続けた。冷却後、得られた反応液を濾過、乾燥し、ピンディスクミルで粉砕することにより白色の硬化メラミン樹脂微粒子を得た。平均粒子径はレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置で測定したところ、6.5μmであった。この硬化メラミン樹脂微粒子をそのままの状態でSEM観察をし、スライス片の状態でTEM−EDX観察をしたところ、硬化メラミン樹脂微粒子は球状で、かつ、シリカ微粒子が硬化メラミン樹脂微粒子の表面付近に偏在していることが確認された。
以下、実施例1と同様の操作によりニッケルメッキ及び金メッキを施し、表面に凸部を有する導電性微粒子を製造した。
シード粒子として0.8μmのスチレン粒子5gと、イオン交換水500gと、5%のポリビニルアルコール水溶液100gとを混合し超音波を加え分散させた後、セパラブルフラスコに入れて均一に撹拌した。
次に、ポリテトラメチレングリコールアクリレート128g、ジビニルベンゼン32gを過酸化ベンゾイル12g、ラウリル硫酸トリエタノールアミン9g、エタノール118gを添加したイオン交換水1035gより調製した乳化液を数回に分けてセパラブルフラスコに加え、12時間撹拌を行うことによりシード粒子にモノマーを吸収させた。
その後、5%のポリビニルアルコール水溶液250g、30%のポリアクリル酸水溶液250gを加え窒素ガスを導入し90℃、9時間反応させることにより平均粒子径3.0μmの重合体粒子を得た。
以下、実施例1と同様の操作によりニッケルメッキ及び金メッキを施し、表面に凸部を有しない導電性微粒子を製造した。
実施例1〜3及び比較例1で得られた導電性微粒子について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
得られた導電性微粒子のうち50個について、硝酸:塩酸=1:3の王水に浸漬することにより表面のメッキ層を溶かし、日立ハイテクノロジーズ社製走査電子顕微鏡(SEM)により、倍率2000倍で粒子観察を行うことにより基材微粒子の平均粒子径及びCV値を求めた。
また、任意の1個の基材微粒子について、図1で示されるような10000倍に拡大したSEM画像を撮影し、任意の10個の凸部の最大外径を測定し、平均値を求めた。
また、図1中にて正方形で囲んだ面積比率1/16.6の部分について拡大した図2に示す画像中で、基材微粒子の表面の凸部とシリカ微粒子との存在個数を数えることにより、基材微粒子の表面の凸部とシリカ微粒子との存在個数の比率を求めた。
得られた導電性微粒子のうち50個について、日立ハイテクノロジーズ社製走査電子顕微鏡(SEM)により、倍率2000倍で粒子観察を行うことにより導電性微粒子の平均粒子径及びCV値を求めた。
また、任意の1個の導電性微粒子について、10000倍に拡大したSEM画像を撮影し、任意の10個の凸部の最大外径を測定し、平均値を求めた。
まず、得られた導電性微粒子を用いて、以下の方法により異方性導電フィルムを作製した。
樹脂バインダーの樹脂としてエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、「エピコート828」)100重量部、トリスジメチルアミノエチルフェノール2重量部、及び、トルエン100重量部を、遊星式攪拌機を用いて充分に混合した後、離型フィルム上に乾燥後の厚さが10μmとなるように塗布し、トルエンを蒸発させて接着性フィルムを得た。
次いで、樹脂バインダーの樹脂としてエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、「エピコート828」)100重量部、トリスジメチルアミノエチルフェノール2重量部、及び、トルエン100重量部に、得られたそれぞれの導電性微粒子を添加し、遊星式攪拌機を用いて充分に混合した後、離型フィルム上に乾燥後の厚さが7μmとなるように塗布し、トルエンを蒸発させて導電性微粒子を含有する接着性フィルムを得た。なお、導電性微粒子の配合量は、フィルム中の含有量が5万個/cm2となるようにした。
得られた接着性フィルムと導電性微粒子を含有する接着性フィルムとを常温でラミネートすることにより、2層構造を有する厚さ17μmの異方性導電フィルムを得た。
このガラス基板の接合部を、10N、150℃の圧着条件で熱圧着した後、電極間の抵抗値を測定した。
Claims (4)
- メラミン樹脂基材微粒子と、前記メラミン樹脂基材微粒子の表面に付着したシリカ微粒子と、前記メラミン樹脂基材微粒子とシリカ微粒子との表面に形成されたニッケルからなる導電層とからなる導電性微粒子であって、
前記導電性微粒子は、水性媒体中、分散剤として平均粒子径5〜70nmのシリカ微粒子の懸濁下で、メラミン化合物とアルデヒド化合物とを塩基性条件下で反応させて、水に可溶なメラミン系樹脂の初期縮合物の水溶液を生成させる工程1と、前記水溶液に酸触媒を加えて、メラミン樹脂基材微粒子を析出させる工程2と、前記メラミン樹脂基材微粒子の表面にニッケルメッキを施す工程3とを有する方法により製造されたものであり、
前記メラミン樹脂基材微粒子は、正投影像をとったときに、該正投影像中に観察される任意の10個の凸部の最大外径の平均が10〜300nmであり、
該導電性微粒子は、正投影像をとったときに、該正投影像中に観察される任意の10個の凸部の最大外径の平均が10〜300nmである
ことを特徴とする導電性微粒子。 - メラミン樹脂基材微粒子は、粒子径のCV値が4.5%以下であることを特徴とする請求項1記載の導電性微粒子。
- メラミン樹脂基材微粒子の正投影像をとったときに、前記メラミン樹脂基材微粒子の表面に付着したシリカ微粒子の投影像と、前記メラミン樹脂基材微粒子の表面の凸部の投影像との存在個数の比率が1:2〜1:10であることを特徴とする請求項1記載の導電性微粒子。
- 請求項1、2又は3記載の導電性微粒子が樹脂バインダーに分散されてなることを特徴とする異方性導電材料。
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