JP2003335820A - 蒸着膜用樹脂及びこれを用いたガスバリア性プラスチックフィルム - Google Patents
蒸着膜用樹脂及びこれを用いたガスバリア性プラスチックフィルムInfo
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Abstract
リア膜に適した蒸着膜用樹脂を提供するとともに、従来
よりも高いガスバリア性能を持ちかつ曲げてもそのバリ
ア性能が劣化しない透明フィルムを提供する。 【解決手段】熱重量分析による5%重量減少温度が15
5℃〜300℃であり、かつ数平均分子量が200〜1
000である反応性モノマーからなる蒸着膜用樹脂、及
び、高分子材料からなる基材の少なくとも片面に、前記
蒸着膜用樹脂を真空蒸着させ活性エネルギー線によって
架橋させて形成された有機層と無機層とが交互に少なく
とも一層以上積層されたガスバリア性プラスチックフィ
ルム。
Description
トロニクス部材、一般包装部材、薬品包装部材などの幅
広い用途に応用が可能な透明でガスバリア性の高いプラ
スチックフィルムに関する。
面に酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化珪素等
の金属酸化物の薄膜を形成したガスバリア性フィルム
は、水蒸気や酸素等の各種ガスの遮断を必要とする物品
の包装、食品や工業用品及び医薬品等の変質を防止する
ための包装用途に広く用いられている。また、包装用途
以外にも液晶表示素子、太陽電池、エレクトロルミネッ
センス(EL)基板等で使用されている。特に液晶表示
素子やEL素子などへの応用が進んでいる透明基材に
は、近年、軽量化、大型化という要求に加え、長期信頼
性や形状の自由度が高いこと、曲面表示が可能であるこ
と等の高度な要求が加わり、重くて割れやすく大面積化
が困難なガラス基板に代わって透明プラスチック等のフ
ィルム基材が採用され始めている。また、プラスチック
フィルムは上記要求に応えるだけでなく、ロールトゥロ
ール方式が可能であることからガラスよりも生産性が良
くコストダウンの点でも有利である。
ルム基材はガラスに対しガスバリア性が劣るという問題
がある。ガスバリア性が劣る基材を用いると、水蒸気や
空気が浸透し、例えば液晶セル内の液晶を劣化させ、表
示欠陥となって表示品位を劣化させてしまう。この様な
問題を解決するためにフィルム基板上に金属酸化物薄膜
を形成してガスバリア性フィルム基材とすることが知ら
れている。包装材や液晶表示素子に使用されるガスバリ
ア性フィルムとしてはプラスチックフィルム上に酸化珪
素を蒸着したもの(特許文献1)や酸化アルミニウムを
蒸着したもの(特許文献2)が知られており、いずれも
1g/m2/day程度の水蒸気バリア性を有する。近年では、
液晶ディスプレイの大型化、高精細ディスプレイ等の開
発によりフィルム基板へのガスバリア性能について水蒸
気バリアで0.1g/m2/day程度まで要求が上がってきてい
る。これに応えるためにより高いバリア性能が期待でき
る手段としてスパッタリング法やCVD法による成膜検
討が行われている。
ア性を要求される有機ELディスプレイや高精彩カラー
液晶ディスプレイなどの開発が進み、これに使用可能な
透明性を維持しつつもさらなる高バリア性、特に水蒸気
バリアで0.1g/m2/day未満の性能をもつ基材が要求され
るようになってきた。これらの要求に対し、有機層/無
機層の交互多層積層構造を有するバリア膜を真空蒸着法
により作製する技術が特許文献3に提案されている。ド
ライプロセスである有機層の真空蒸着は、溶媒を使用
しないため高純度の有機物薄膜が得られる、薄膜が容
易に得られ膜厚制御性が良い、異物などのコンタミが
入りにくいなどの特徴を有している。また、有機層を真
空下で形成できれば有機層/無機層を交互に積層する際
に必要な常圧−真空を繰り返す工程を省くことができ、
生産性も向上する。しかしながら、フレキシブル表示デ
バイスとしては曲面表示の要望もあり、有機層/無機層
の交互多層積層構造を有するバリア膜の曲げに対するバ
リア性能は、まだ十分ではない。また、蒸着膜用樹脂と
しては、トリプロピレングリコールジアクリレートや
1,6−ヘキサンジオールジアクリレートなどを用いた
例が非特許文献1や非特許文献2に示されているが、こ
れらアクリレートは真空下での揮発性が高いために基材
温度が高くなると蒸着効率が著しく低下するおそれがあ
った。
74(1999)
ual Technical Conference Proceedings,348-352(199
3)
層/無機層の交互多層積層構造を有するバリア膜に適し
た蒸着膜用樹脂を提供するとともに、従来よりも高いガ
スバリア性能を持ちかつ曲げてもそのバリア性能が劣化
しない透明フィルムを提供することにある。
300℃であり、かつ、数平均分子量が200〜100
0である反応性モノマーからなる蒸着膜用樹脂。 (2)前記反応性モノマーが、アクリロイル基またはメ
タクリロイル基を有する(メタ)アクリレートであるこ
とを特徴とする(1)の蒸着膜用樹脂。 (3)前記反応性モノマーがエステル型ジアクリレート
またはエーテル型ジアクリレートであることを特徴とす
る(1)の蒸着膜用樹脂。 (4)前記反応性モノマーがネオペンチルグリコール変
性トリメチロールプロパンジアクリレートであることを
特徴とする(1)の蒸着膜用樹脂。 (5)高分子材料からなる基材の少なくとも片面に、
(1)〜(4)記載の蒸着膜用樹脂を真空蒸着させ活性
エネルギー線によって架橋させて形成された有機層と無
機層とが交互に少なくとも一層以上積層されたガスバリ
ア性プラスチックフィルム。 (6)前記有機層の厚みが10nm〜5000nmであ
る(5)のガスバリア性プラスチックフィルム。 (7)前記無機層が珪素酸化物または珪素窒化物または
珪素窒化酸化物を主成分とする(5)又は(6)のガス
バリア性プラスチックフィルム。(8)前記高分子材料
からなる基材がノルボルネン系樹脂またはポリエーテル
スルホンを主成分とする(5)〜(7)のガスバリア性
プラスチックフィルム。である。
5%重量減少温度とは、セイコー電子工業(株)製示差
熱熱重量同時測定装置TG−DTA320を用いて、窒
素ガス流量300mL/minの下、1分間に10℃の
割合で温度を室温から上昇させた時に試料の重量が全体
の5%減少した時点の温度を示している。本発明におい
ては、反応性モノマーの熱重量分析による5%重量減少
温度が155℃〜300℃である必要がある。好ましく
は160℃〜280℃であり、さらに好ましくは165
℃〜270℃である。反応性モノマーの熱重量分析によ
る5%重量減少温度が155℃より低い場合、基材温度
が上昇すると蒸着効率が著しく低下するおそれがある。
一方、反応性モノマーの熱重量分析による5%重量減少
温度が300℃を超えると揮発性が低いために蒸着困難
となり、場合によっては蒸発する前に硬化してしまうお
それがある。
分子量は200〜1000である必要がある。好ましく
は250〜800であり、さらに好ましくは300〜7
00であり、最も好ましくは300〜600である。反
応性モノマーの数平均分子量が200より低い場合、基
材温度が上昇すると蒸着効率が著しく低下するおそれが
ある。一方、反応性モノマーの数平均分子量が1000
を超えると揮発性が低いために蒸着困難となり、場合に
よっては蒸発する前に硬化してしまうおそれがある。
ー線によって架橋できるモノマーであれば良く、熱重量
分析による5%重量減少温度及び分子量以外に特に制限
されるものはない。具体的にはアクリロイル基またはメ
タクリロイル基を有するモノマーやエポキシ基を有する
モノマーなどがあげられ、アクリロイル基またはメタク
リロイル基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、
2官能のアクリロイル基を有するアクリレートが特に好
ましい。2官能のアクリロイル基を有するアクリレート
としては、エステル型ジアクリレート、エーテル型ジア
クリレート、イソシアヌレート型ジアクリレート、脂環
式ジアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンア
クリレート、ポリエステルアクリレートなどが挙げら
れ、これらの中でも密着性等の面からエステル型ジアク
リレート、エーテル型ジアクリレートが好ましい。本発
明におけるエステル型ジアクリレートとは、アクリレー
ト基以外に1つ以上のエステル結合を有していれば良
く、水酸基等を含有していてもかまわない。例えば、カ
プロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグ
リコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペ
ンチルグリコールジアクリレート、ビス(アクリロキシ
ネオペンチルグリコール)アジペート、カプロラクトン
変性ジシクロペンタジエニルジアクリレート、カプロラ
クトン変性ノルボルナンジメチロールジアクリレート等
が挙げられる。本発明におけるエーテル型ジアクリレー
トとは、エーテル結合を1つ以上有する構造であれば良
く、水酸基等の官能基を有していてもかまわない。例え
ば、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパ
ンジアクリレート、エピクロロヒドリン変性1,6−ヘ
キサンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコ
ールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリ
レート、トリグリセロールジアクリレート、エチレング
リコール変性ジシクロペンタジエニルジアクリレート、
プロピレングリコール変性ジシクロペンタジエニルジア
クリレート、エチレングリコール変性ノルボルナンジメ
チロールジアクリレート、プロピレングリコール変性ノ
ルボルナンジメチロールジアクリレートなどが挙げられ
る。これらの中でも透明性、耐熱性、密着性等の面から
下記式(1)に示されるネオペンチルグリコール変性トリ
メチロールプロパンジアクリレートが特に好ましい。反
応性モノマーは単独で用いても、2種類以上を混合して
も良く、また1官能や3官能以上の反応性モノマーを併
用して用いてもかまわない。
活性エネルギー線としては、紫外線(UV)、電子線等
が挙げられる。活性エネルギー線が紫外線(UV)の場
合、例えば、ラジカルやカチオン等を発生する光重合開
始剤を添加する公知のラジカル重合またはカチオン重合
を用いて架橋を行うことができる。
定されるものではない。光重合開始剤としては、ラジカ
ル重合開始剤やカチオン性重合開始剤等を用いることが
できるが、ラジカル重合開始剤がより好ましい。例え
ば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、
2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−
オン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−
2−モリフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ
−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒ
ドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ビス
(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォ
スフィンオキサイド等が挙げられる。これら光重合開始
剤は単独で用いても2種以上併用してもかまわない。
反応性モノマー100重量部に対し0.1〜10重量部
が好ましい。より好ましくは0.5〜7重量部であり、
最も好ましくは0.8〜5重量部である。光重合開始剤
の含有量が0.1重量部より少なくなると硬化が不十分
となるおそれがある。一方、光重合開始剤の含有量が1
0重量部を超えると硬化は起こるものの脆い有機層とな
るおそれがある。
上に熱重量分析による5%重量減少温度が155℃〜3
00℃で数平均分子量が200〜1000の反応性モノ
マーを蒸着により成膜し、直ちに活性エネルギー線によ
って架橋させることにより高分子の有機層を形成させ、
次に有機層の表面に無機層を真空製膜法により形成させ
る工程を繰り返すことで大気下にフィルム表面を曝すこ
となく有機と無機の交互積層バリア膜を形成させること
ができる。この方法により無機層だけでは無くしきれな
い層構造の欠陥部分を有機層で埋める事が可能であるた
め、ガスバリア性を高めた透明フィルムを得ることがで
きる。
00nmが好ましい。有機層の厚みが10nmより小さ
い場合は、有機層の厚みの均一性を得ることが困難とな
るため、無機層の構造欠陥を効率よく有機層で埋めるこ
とができない場合がある。また、5000nmを越える
厚みの場合は、曲げ等の外力により有機層がクラックを
発生し易くなるためバリア性が低下するおそれがある。
が、例えばSi、Al、In、Sn、Zn、Ti、Cu、Ce等の1種以
上を含む酸化物もしくは窒化物もしくは酸化窒化物など
を用いることができる。無機層は厚すぎると曲げ応力に
よるクラックの恐れがあり、薄すぎると膜が島状に分布
するため、いずれもガスバリア性が悪くなる。上記のこ
とより、それぞれの無機層の厚みは5nm〜500nm
の範囲が好ましいが、特に限定はしない。また、それぞ
れの無機層は同じ組成でも別の組成でも良く制限はな
い。ガスバリア性と高透明性を両立させるには無機層と
して珪素酸化物、珪素窒化物や珪素酸化窒化物を使うの
が好ましい。また、無機層の形成方法としては抵抗加熱
蒸着法、電子線蒸着法、イオンプレーティング法、CV
D法、スパッタリング法が適用でき、目的の無機酸化
物、無機窒化物、無機窒化酸化物が得られる方法であれ
ば制限はない。
に制限はないが、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリアクリレ
ート、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリ
イミド、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニリデン等を使用
することができる。特に、ガラス転移温度が200℃以
上のノルボルネン系樹脂やポリエーテルスルホンは光学
特性が良好で耐熱性が高く、有機層無機層形成プロセス
において高温処理による変形や劣化が無いので好まし
い。
が、本発明は、何ら下記実施例に限定されるものではな
い。 (実施例1)光重合開始剤(イルガキュアー907:チ
バ・スペシャルティ・ケミカルズ製、5%重量減少温
度:207.7℃)を3重量部含有するカプロラクトン
変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジア
クリレート(KAYARADHX−220:日本化薬
(株)製、5%重量減少温度:198.8℃、数平均分
子量:540)100重量部を蒸着源に入れ、基材とし
てポリエーテルスルホンを真空槽内にセットした。真空
槽内を10−4Pa台まで真空引きした後に、有機蒸着
源の抵抗加熱を開始し、不純物の蒸発が完了したところ
で蒸着シャッターを開き2000nmの有機層を蒸着し
た。その後、500mJ/cm2の積算光量のUVを照
射し、有機層を形成した。
クトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコー
ルジアクリレートの代わりに、ポリプロピレングリコー
ルジアクリレート(アロニックスM−225:東亞合成
(株)製、5%重量減少温度: 229.0℃、数平均
分子量:536)を用いた他は実施例1と同様に蒸着膜
作製を行った。
クトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコー
ルジアクリレートの代わりに、ネオペンチルグリコール
変性トリメチロールプロパンジアクリレート(KAYA
RAD R−604:日本化薬(株)製、5%重量減少
温度:174.3℃、数平均分子量:326)を、光重
合開始剤をイルガキュア−907の代わりにイルガキュ
ア−651(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、5
%重量減少温度:167.8℃)を用いた他は実施例1
と同様に蒸着膜作製を行った。
えた真空蒸着機内に高圧水銀UVランプを取り付け成膜
装置とした。無機層として珪素窒化酸化物を用い、有機
層として2官能のカプロラクトン変性ヒドロキシピバリ
ン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート(KAYA
RAD HX−220:日本化薬(株)製)100重量
部に光重合開始剤(イルガキュア−907:チバ・スペ
シャルティ・ケミカルズ製)を1重量部添加した未硬化
樹脂を用いた。樹脂基板として0.1mm厚のポリエー
テルスルホンを真空槽内にセットし10−4Pa台まで
真空引きした後に、電子線蒸着法により30nmの珪素
窒化酸化物膜を形成した。その後、真空槽内の真空度が
10−4Pa台で安定した状態で、有機蒸着源の抵抗加
熱を開始し、不純物の蒸発が完了したところで蒸着シャ
ッターを開き500nmの有機層を蒸着した。蒸着シャ
ッターを戻した後にUVランプのシャッターを開き、5
00mJ/cm2の積算光量でモノマーを硬化した。そ
の後さらに電子線蒸着法による30nmの珪素窒化酸化
物膜形成を繰り返し、樹脂基板/無機層/有機層/無機
層のガスバリア性プラスチックフィルムを成膜した。水
蒸気透過度をJISK7129B法にて測定した。また、30mmφ
の棒に1回巻きつけた後、再度水蒸気透過度をJISK7129
B法にて測定した。
用したポリエーテルスルホンの代わりにノルボルネン樹
脂(Promerus社製、Appear)を用いた他は実施例4と同
様に樹脂基板/無機層/有機層/無機層のガスバリア性
プラスチックフィルムを成膜した。水蒸気透過度の測定
についても実施例4と同様に行った。
クトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコー
ルジアクリレートの代わりに、ネオペンチルグリコール
変性トリメチロールプロパンジアクリレート(KAYA
RAD R−604:日本化薬(株)製)を、光重合開
始剤をイルガキュア−907の代わりにイルガキュア−
651(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)を用い
た他は実施例4と同様に樹脂基板/無機層/有機層/無
機層のガスバリア性プラスチックフィルムを成膜した。
水蒸気透過度の測定についても実施例4と同様に行っ
た。
クトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコー
ルジアクリレートの代わりに、ネオペンチルグリコール
変性トリメチロールプロパンジアクリレート(KAYA
RAD R−604:日本化薬(株)製)を、光重合開
始剤をイルガキュア−907の代わりにイルガキュア−
651(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)を、樹
脂基板としてポリエーテルスルホンの代わりにノルボル
ネン樹脂(Promerus社製、Appear)を用いた他は実施例
4と同様に樹脂基板/無機層/有機層/無機層のガスバ
リア性プラスチックフィルムを成膜した。水蒸気透過度
の測定についても実施例4と同様に行った。
クトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコー
ルジアクリレートの代わりに、トリプロピレングリコー
ルジアクリレート(アロニックスM−220:東亞合成
(株)製、5%重量減少温度: 152.0℃、数平均
分子量:300)を、イルガキュア907の代わりにイ
ルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ
製、5%重量減少温度:151.8℃)を用いた他は実
施例1と同様に蒸着膜作製を行った。
クトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコー
ルジアクリレートの代わりに、1,6−ヘキサンジオー
ルジアクリレート(東亞合成(株)製、5%重量減少温
度: 142.6℃、数平均分子量:226)を、イルガ
キュア907の代わりにイルガキュア184(チバ・ス
ペシャルティ・ケミカルズ製、5%重量減少温度:15
1.8℃)を用いた他は実施例1と同様に蒸着膜作製を
行った。
クトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコー
ルジアクリレートの代わりに、ジペンタエリスリトール
ペンタ及びヘキサアクリレート(アロニックスM−40
0:東亞合成(株)製、5%重量減少温度: 382.
3℃、数平均分子量:578)を用いた他は実施例1と
同様に蒸着膜作製を行った。
えた真空蒸着機内に高圧水銀UVランプを取り付け成膜
装置とした。無機層として珪素窒化酸化物を用いた。樹
脂基板として0.1mm厚のポリエーテルスルホンを真
空槽内にセットし10−4Pa台まで真空引きした後
に、電子線蒸着法により30nmの珪素窒化酸化物膜を
形成し、樹脂基板/無機層のガスバリア性プラスチック
フィルムを成膜した。水蒸気透過度の測定については実
施例4と同様に行った。
用したポリエーテルスルホンの代わりにノルボルネン樹
脂(Promerus社製、Appear)を用いた他は比較例4と同
様に樹脂基板/無機層のガスバリア性プラスチックフィ
ルムを成膜した。水蒸気透過度の測定については実施例
4と同様に行った。
明の実施例では、何れも基材温度に係わらず2000n
mの膜厚で有機層を蒸着でき、曲げ処理後の水蒸気透過
度も良好に保たれていた。これに対し、熱重量分析によ
る5%重量減少温度が152℃の比較例1では、基材温
度35℃で、また熱重量分析による5%重量減少温度が
142.6℃の比較例2では、何れの基材温度でもほと
んど蒸着させることができなかった。さらに、熱重量分
析による5%重量減少温度が382.3℃の比較例3で
は、樹脂が揮発せず、蒸着源のところで硬化した。ま
た、樹脂基板に直接無機層を積層させた比較例4及び5
では、本発明の請求項6に対応する実施例4〜7に比
し、水蒸気透過度が高く、特に曲げ処理後の水蒸気透過
度は著しく上昇した。
層構造を有するバリア膜に適した蒸着膜用樹脂を提供す
ることができる。また、本発明の蒸着膜用樹脂を用いて
形成した有機層を用いることにより、従来よりも高いガ
スバリア性能を持ちかつ曲げてもそのバリア性能が劣化
しない透明フィルムを提供することができる。本発明の
フィルムをたとえば表示素子用基板として適用すれば、
軽くて割れないディスプレイが実現できる。
Claims (8)
- 【請求項1】 熱重量分析による5%重量減少温度が1
55℃〜300℃であり、かつ、数平均分子量が200
〜1000である反応性モノマーからなる蒸着膜用樹
脂。 - 【請求項2】 前記反応性モノマーが、アクリロイル基
またはメタクリロイル基を有する(メタ)アクリレート
であることを特徴とする請求項1記載の蒸着膜用樹脂。 - 【請求項3】 前記反応性モノマーがエステル型ジアク
リレートまたはエーテル型ジアクリレートであることを
特徴とする請求項1記載の蒸着膜用樹脂。 - 【請求項4】 前記反応性モノマーが下記式(1)に示さ
れるネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパ
ンジアクリレートであることを特徴とする請求項1記載
の蒸着膜用樹脂。 【化1】 - 【請求項5】 高分子材料からなる基材の少なくとも片
面に、請求項1〜4何れか一項記載の蒸着膜用樹脂を真
空蒸着させ活性エネルギー線によって架橋させて形成さ
れた有機層と無機層とが交互に少なくとも一層以上積層
されたガスバリア性プラスチックフィルム。 - 【請求項6】 前記有機層の厚みが10nm〜5000
nmである請求項5記載のガスバリア性プラスチックフ
ィルム。 - 【請求項7】 前記無機層が珪素酸化物または珪素窒化
物または珪素窒化酸化物を主成分とする請求項5又は6
記載のガスバリア性プラスチックフィルム。 - 【請求項8】 前記高分子材料からなる基材がノルボル
ネン系樹脂またはポリエーテルスルホンを主成分とする
請求項5〜7記載のガスバリア性プラスチックフィル
ム。
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