JP2003335718A - 4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類の製造法 - Google Patents

4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類の製造法

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JP2003335718A
JP2003335718A JP2002146087A JP2002146087A JP2003335718A JP 2003335718 A JP2003335718 A JP 2003335718A JP 2002146087 A JP2002146087 A JP 2002146087A JP 2002146087 A JP2002146087 A JP 2002146087A JP 2003335718 A JP2003335718 A JP 2003335718A
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Takayuki Odajima
貴之 小田島
Takehisa Mizuno
武久 水野
Misao Uohama
操 魚濱
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応の転化率が高く、かつ反応の副生成
物であるハイドロキノン類の多核体の生成が抑制可能
で、目的物である4,4′−ジヒドロキシジフェニルエ
ーテル類の選択率が充分に高い固体酸触媒を用いた4,
4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類の製造法を提
供すること。 【解決手段】 触媒として水分含有率3重量%以上の活
性白土類、好ましくは水分含有率5〜20重量%の活性
白土類を用い、水非混和性で水と共沸可能な有機溶媒、
例えばメシチレン中で、ハイドロキノン類を脱水二量化
する4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類の製
造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性ポリマー原
料等として有用な4,4′−ジヒドロキシジフェニルエ
ーテル類の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ハイドロキノンの脱水二量化によ
って4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルを得る
方法については、触媒として合成雲母、活性白土、モン
モリロナイト、イオン交換樹脂等の固体酸触媒を用いる
方法が一般的である(特開2001−89408号公
報、特開昭59−206326号公報等)。
【0003】しかし、これらの製造方法では、反応の転
化率は必ずしも高くなく、かつ反応の副生成物としてハ
イドロキノンの多核体が生成し、目的物である4,4′
−ジヒドロキシジフェニルエーテルの選択率も満足でき
るものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、反応
の転化率が高く、かつ反応の副生成物であるハイドロキ
ノン類の多核体の生成が抑制可能で、目的物である4,
4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類の選択率が充
分に高い固体酸触媒を用いた4,4′−ジヒドロキシジ
フェニルエーテル類の製造法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な状況に鑑みて鋭意検討した結果、触媒として水分含有
率を3重量%以上に調整した活性白土類を用いてハイド
ロキノン類の脱水二量化反応を実施することにより、高
い転化率で4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル
類を得ることができ、しかも副生成物であるハイドロキ
ノン類の多核体の生成が抑制できることを見い出し、本
発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、触媒として水分含有率3
重量%以上の活性白土類を用い、水非混和性で水と共沸
可能な有機溶媒中で、ハイドロキノン類を脱水二量化す
ることを特徴とする、4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル類の製造法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明でハイドロキノン類の脱水
二量化反応の触媒として用いる活性白土類としては、水
分含有率が3重量%以上の活性白土類であることが必須
であり、なかでも、ハイドロキノン類の脱水二量化反応
に際して特に高転化率と高選択率とを達成できることか
ら、水分含有率5〜20重量%の活性白土類が特に好ま
しい。水分含有率が3重量%未満の活性白土類を触媒と
して用いた場合には、ハイドロキノン類の脱水二量化反
応に際して高転化率と高選択率とを達成することができ
ない。
【0008】なお、活性白土類は、モンモリロナイト系
粘土化合物である酸性白土を酸処理したものであるが、
本発明において用いられる活性白土類は、その水分含有
量を除いた他の特性、例えば、化学組成、粉末度、比表
面積、密度及び酸性度等に制限はない。活性白土中の水
分の役割に関しては触媒活性な酸性点の保持、内部層空
間の適正化による原料ハイドロキノン類の分子の選択的
吸着等に関与していると推定されるが、必ずしも明確で
はない。
【0009】水分含有率が3重量%未満の活性白土類に
ついては、水への浸析または水洗浄、さらに必要ならば
適時乾燥操作等によって目的とする水分含有量に調節す
ることにより、本発明においてハイドロキノン類の脱水
二量化反応触媒として好ましく用いることができる。
【0010】水分含有率が3重量%以上の活性白土類の
使用量は、原料のハイドロキノン類100重量部に対し
て、通常5〜100重量部であり、好適には10〜30
重量部である。
【0011】本発明で原料として用いるハイドロキノン
類としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロ
キノン、ジメチルハイドロキノン、トリメチルハイドロ
キノン、エチルハイドロキノン、イソプロピルハイドロ
キノン、n−ブチルハイドロキノン等が挙げられ、なか
でも、容易に、効率よく、かつ高収率で4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニルエーテルが得られることから、ハイ
ドロキノンが特に好ましい。
【0012】また、本発明において、ハイドロキノン類
の脱水二量化反応を実施するための適切な反応温度は、
80〜300℃であり、なかでも、反応速度が適切で、
かつ副反応が抑制できることから、100〜200℃が
最適である。
【0013】本発明でハイドロキノン類の脱水二量化反
応の際に用いる有機溶媒は、水非混和性で水と共沸可能
なものであればよいが、なかでも、ハイドロキノン類の
脱水二量化に最適な反応温度を達成可能なもの、すなわ
ち、常圧あるいは減圧で沸点が前記最適温度範囲内にあ
るものが好ましい。具体例としては、トルエン、エチル
ベンゼン、キシレン、クメン、メシチレン等の芳香族炭
化水素類、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、ブロム
ベンゼン、ジブロムベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化
水素類、アニソール、ニトロベンゼン等の反応に影響を
与えない置換基を有する芳香族化合物などが挙げられ、
なかでも、常圧での沸点が脱水二量化に最適な温度範囲
内にあることから、キシレン、メシチレンが特に好まし
い。
【0014】また、原料のハイドロキノン類の溶解性が
低い溶媒であっても、本発明の触媒を用いる限り、反応
には大きな影響を与えない。
【0015】ハイドロキノン類の脱水二量化反応の際に
用いる有機溶媒の使用量は、ハイドロキノン類と水分含
有率が3重量%未満の活性白土類が充分に撹拌できる量
以上であればよく、特に制限されないが、原料のハイド
ロキノン類100重量部に対して100〜500重量部
が好ましく、これ以上多量に用いてもバッチ収率が低下
するだけであり、利益はない。
【0016】ハイドロキノン類の脱水二量化反応の反応
時間は、水分含有率が3重量%未満の活性白土類の活性
度、その量、反応温度等により異なってくるが、ハイド
ロキノン類の転化率が変化しなくなった時点が終点であ
り、通常2〜10時間、好適には3〜5時間である。
【0017】本発明の製造法においては、ハイドロキノ
ン類の脱水二量化反応を行った後、得られる反応混合液
から4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類を分
離し、精製することが好ましい。
【0018】4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル類の分離方法としては、特に限定はなく、例えば、
反応混合物を150℃程度の高温でろ過して触媒を除去
した後、水を添加して未反応のハイドロキノン類を溶解
させてから冷却して析出する4,4′−ジヒドロキシジ
フェニルエーテル類をろ取する方法、反応混合物を冷
却後、未反応のハイドロキノン類及び生成物の4,4′
−ジヒドロキシジフェニルエーテル類を可溶な溶媒、例
えば、テトラヒドロフランに溶解させた後、触媒をろ別
し、さらに、ろ液から溶媒を除去した後に水を添加して
ハイドロキノン類を溶解させ、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルエーテル類をろ取する方法、反応混合物に
水を添加して未反応のハイドロキノン類及び生成物の
4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類を加熱し
た水に溶解させた後、熱時ろ過して触媒を除去する方法
等が挙げられ、なかでも、有機溶媒の引火の危険が少な
く安全に触媒の除去でき、4,4′−ジヒドロキシジフ
ェニルエーテル類を固体として効率よく、かつ高収率で
分離できることから、前記の分離方法が特に好まし
い。
【0019】前記の分離方法は、原料のハイドロキノ
ン類が水に易溶であること及び生成物の4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニルエーテル類が比較的高い温度、例え
ば60℃以上の温度においてのみ水に可溶となる事実を
基礎としたものである。
【0020】前記の分離方法において添加する水の量
は、熱時ろ過して触媒である水分含有率が3重量%未満
の活性白土類を除去する際に未反応のハイドロキノン類
及び生成物の4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル類が析出せず、かつ該活性白土類除去後の冷却及びろ
過操作で両者を分離するに際して、ハイドロキノン類が
完全に溶解し、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエー
テル類の大部分が析出する量の範囲であり、具体的には
反応に用いたハイドロキノン類100重量部に対して5
0〜500重量部、好適には150〜300重量部であ
る。
【0021】水を添加した後、熱時ろ過して触媒を除去
する際の反応混合物の保持温度は、未反応のハイドロキ
ノン類及び生成物の4,4′−ジヒドロキシジフェニル
エーテル類が析出しない温度以上が要求され、通常60
℃以上であり、70℃以上が好ましい。上限温度は特に
規定されないが、通常は100℃までであり、なかで
も、ろ過操作が容易で、有機溶媒の引火の危険性が少な
いことから、70〜95℃が特に好ましい。
【0022】熱時ろ過して固体酸触媒を除去した後、得
られたろ液を冷却することにより、目的物の4,4′−
ジヒドロキシジフェニルエーテル類が析出してくる。
4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類を析出さ
せる場合の系の温度は−10〜50℃、好適には10〜
30℃である。析出した4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニルエーテル類は、通常85〜90重量%の純度を有す
る。
【0023】析出した4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル類をろ過により採取した後、ろ液を構成する
有機溶媒相と未反応ハイドロキノン類を含む水相を分離
する。
【0024】未反応のハイドロキノン類は、冷却後にお
いても水中に残存しており、定量的に回収して再使用す
ることが可能である。
【0025】また、反応に用いた有機溶媒には、水を添
加後には未反応のハイドロキノン類及び生成物の4,
4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類はほとんど溶
解していないため、有機溶媒からのハイドロキノン類及
び4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類の回収
は考慮する必要がなく、有機溶媒は単蒸留して再使用す
ることができる。
【0026】分離された4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニルエーテル類は、さらに精製することが好ましい。精
製方法に限定はないが、再結晶により精製することが好
ましく、なかでも、副生成物であるハイドロキノン類の
多核体に対する溶解性に優れることから、芳香族炭化水
素系溶媒と、該芳香族炭化水素系溶媒以外の極性有機溶
媒の混合物を再結晶溶媒として用いて、4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニルエーテル類の再結晶を実施すること
が特に好ましい。
【0027】芳香族炭化水素系溶媒としては、具体的に
は、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、クメン、メ
シチレン等が挙げられる。なお、ハイドロキノン類の脱
水二量化反応の際に有機溶媒として芳香族炭化水素を用
いた場合には、再結晶時にも同じ有機溶媒を用いること
が原料化合物を統一できる点で好都合である。
【0028】芳香族炭化水素系溶媒とともに用いられ
る、該芳香族炭化水素系溶媒以外の極性有機溶媒として
は、反応において生成する副生成物のハイドロキノン類
の多核体(3核体以上)の溶解度が高い化合物であるこ
とが好ましく、具体的には、メタノール、エタノール、
n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノー
ル、i−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノー
ル、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチル
ヘキサノール等の炭素原子数1〜8の脂肪族アルコール
類、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、
メチルi−ブチルケトン等の炭素原子数1〜8の脂肪族
ジアルキルケトン類、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、
プロピオン酸エチル等の炭素原子数1〜8の脂肪族カル
ボン酸エステル類などが挙げられる。
【0029】4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル類の再結晶に用いられる前記有機溶媒の使用量は、精
製物の収率または純度の低下がなく、良好な結果が得ら
れることから、固体として分離して得られた4,4′−
ジヒドロキシジフェニルエーテル類と、再結晶による精
製に用いる芳香族炭化水素系溶媒と、これ以外の極性有
機溶媒の重量比(4,4′−ジヒドロキシジフェニルエ
ーテル類/芳香族炭化水素系溶媒/極性有機溶媒)が、
1.0/(1.0〜10.0)/(0.5〜5.0)と
なる範囲であることが好ましい。
【0030】具体的な再結晶操作としては、例えば、固
体として分離した4,4′−ジヒドロキシジフェニルエ
ーテル類を、芳香族炭化水素系溶媒と、該芳香族炭化水
素系溶媒以外の極性有機溶媒の混合物と混合し、完全に
溶解するまで加熱する。溶解後、0℃〜室温の範囲まで
冷却して析出した結晶をろ過採取する方法が挙げられ
る。この時に活性炭、活性白土等の適切な脱色剤と溶液
の加熱と、脱色操作とを実施し、熱時ろ過(脱色剤の除
去)を行った後に、冷却操作を実施することも可能であ
る。結晶析出時の温度は、再結晶による精製の前の4,
4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類の純度、有機
溶媒使用量等により異なってくるが、副生成物も析出に
よる純度低下や、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエ
ーテル類の一部溶解による収率の低下がないことから、
通常は−10〜30℃の範囲である。
【0031】得られた結晶は、常圧または減圧下に乾燥
させることにより高純度の4,4′−ジヒドロキシジフ
ェニルエーテル類とすることができる。
【0032】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を
具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の方法を限
定するものではない。
【0033】なお、収率(モル%)は反応に用いられた
ハイドロキノンに対する収率であり、転化率(モル%)
はハイドロキノンの消費率を意味する。また、選択率は
(収率/転化率)×100(%)である。
【0034】実施例1 水分離装置を付けた1000mlの4つ口フラスコに、
ハイドロキノン100g(0.91モル)、メシチレン
200g及び活性白土SA−35(日本活性白土社製:
水分含有率11.6重量%)17gを入れ、脱水操作を
実施しながら160℃で4時間二量化反応させた。
【0035】脱水二量化反応後、60℃の水200gを
加え、系内を攪拌下に80℃まで加熱して未反応のハイ
ドロキノンと脱水二量化反応で得られた4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニルエーテルとを溶解させた後、80℃
でろ過して活性白土をろ別し、ろ液を20℃まで冷却し
た。析出した結晶をろ過して採取し、水で洗浄後、減圧
乾燥を行って、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエー
テルを得た。ガスクロマトグラフで測定したハイドロキ
ノンの転化率は56.8モル%で、4,4′−ジヒドロ
キシジフェニルエーテルの選択率は87.9%であっ
た。
【0036】得られた4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル45.4gに、イソプロピルアルコール20
g及びメシチレン170gを加え、80℃に加熱して溶
解させた後、20℃まで冷却した。析出した4,4′−
ジヒドロキシジフェニルエーテルの結晶をろ過して採取
後、減圧乾燥して純粋な4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニルエーテルを得た。得られた4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルエーテルの収量は44.8g(収率48.7
モル%、純度99.5モル%)であった。第1表に4,
4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルの転化率と選択
率と収率と純度を示す。
【0037】実施例2〜5 活性白土SA−35 17gの代わりに第1表に示す活
性白土をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様に脱水二
量化反応と分離操作を行って4,4′−ジヒドロキシジ
フェニルエーテルを得た後、さらに実施例1と同様に精
製して純粋な4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ルを得た。第1表に4,4′−ジヒドロキシジフェニル
エーテルの転化率と選択率と収率と純度を示す。
【0038】
【表1】
【0039】第1表の脚注 ・SA-35、SA-254、K-500:日本活性白土
社製の活性白土 ・NS:水澤化学社製活性白土 ・F-124:NEケムキャト社製活性白土 ただし、SA-254及びF-124は、市販品を水洗浄
後減圧乾燥して、水分含有率を第1表記載の水分含有率
に調節したものである。
【0040】実施例6〜9 脱水二量化反応に際してメシチレン(沸点164℃)の
代わりに第2表に示す有機溶媒をそれぞれ用いた以外は
実施例1と同様に脱水二量化反応と分離操作を行って
4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルを得た後、
さらに実施例1と同様に精製して純粋な4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニルエーテルを得た。第2表に4,4′
−ジヒドロキシジフェニルエーテルの転化率と選択率を
示す。
【0041】
【表2】
【0042】実施例10〜13 実施例1と同様に脱水二量化反応と分離操作を行って
4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルを得た後、
得られた4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルの
使用量を45.4gから43.3gに変更し、再結晶用
有機溶媒としてメシチレンとイソプロピルアルコールの
混合溶媒(メシチレン/イソプロピルアルコールの重量
比:3.74/0.44)代わりに、第3表に示芳香族
炭化水素と極性溶媒を第3表に示す重量比で混合した混
合溶媒を用いて再結晶を実施した以外は実施例1と同様
に精製して純粋な4,4′−ジヒドロキシジフェニルエ
ーテルを得た。第3表に4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニルエーテルの再結晶収率と純度を示す。
【0043】
【表3】
【0044】前記第3表において、溶媒重量比(A)/(B)
は、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル1重量
部に対する芳香族炭化水素系溶媒とこれ以外の極性溶媒
のそれぞれの使用比率を示す。例えば、実施例10の場
合には4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル1重
量部に対して、メシチレンを3.74重量部、イソプロ
ピルアルコールを0.44重量部用いたことを意味して
いる。
【0045】比較例1 活性白土SA−35 17gの代わりに活性白土SA-
254(日本活性白土社製:水分含有量2.5%)17
gを用いた以外は実施例1と同様に脱水二量化反応と分
離操作を行って4,4′−ジヒドロキシジフェニルエー
テルを得た。ガスクロマトグラフで測定したハイドロキ
ノンの転化率は15モル%で、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルエーテルの選択率は78%であった。
【0046】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、高い転化率
で4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルを得るこ
とができ、しかも副生成物であるハイドロキノン多核体
の生成が抑制できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 魚濱 操 千葉県八街市みどり台1−7−1 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC43 AD15 AD16 BA68 BA85 BB11 BB31 BC10 BC34 BC50 BC51 GN05 4H039 CA61 CG10 CL25

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒として水分含有率3重量%以上の活
    性白土類を用い、水非混和性で水と共沸可能な有機溶媒
    中で、ハイドロキノン類を脱水二量化することを特徴と
    する、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類の
    製造法。
  2. 【請求項2】 水分含有率3重量%以上の活性白土類
    が、水分含有率5〜20重量%の活性白土類である、請
    求項1記載の4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテ
    ル類の製造法。
  3. 【請求項3】 ハイドロキノン類100部重量部に対し
    て、5〜100重量部の水分含有率3重量%以上の活性
    白土類の存在下でハイドロキノン類を脱水二量化する、
    請求項1または2記載の4,4′−ジヒドロキシジフェ
    ニルエーテル類の製造法。
  4. 【請求項4】 水非混和性で水と共沸可能な有機溶媒
    が、常圧における沸点が100〜200℃の範囲内にあ
    る有機溶媒であって、かつ芳香族炭化水素化合物及び/
    またはハロゲン化芳香族化合物である、請求項3記載の
    4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類の製造
    法。
  5. 【請求項5】 水非混和性で水と共沸可能な有機溶媒
    が、キシレン及び/またはメシチレンである、請求項3
    記載の4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類の
    製造法。
  6. 【請求項6】 ハイドロキノン類を脱水二量化して得ら
    れる反応混合液から4,4′−ジヒドロキシジフェニル
    エーテル類を分離した後、得られた4,4′−ジヒドロ
    キシジフェニルエーテル類を、芳香族炭化水素系溶媒
    と、これ以外の極性有機溶媒の混合物から再結晶するこ
    とにより精製する、請求項3記載の4,4′−ジヒドロ
    キシジフェニルエーテル類の製造法。
  7. 【請求項7】 反応混合液から分離して得られた4,
    4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類と、再結晶に
    よる精製に用いる芳香族炭化水素系溶媒と、これ以外の
    極性有機溶媒の重量比(4,4′−ジヒドロキシジフェ
    ニルエーテル類/芳香族炭化水素系溶媒/極性有機溶
    媒)が、1.0/(1.0〜10.0)/(0.5〜
    5.0)である、請求項6記載の4,4′−ジヒドロキ
    シジフェニルエーテル類の製造法。
JP2002146087A 2002-05-21 2002-05-21 4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類の製造法 Pending JP2003335718A (ja)

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