JP2003335721A - 4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類の製造方法 - Google Patents

4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類の製造方法

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JP2003335721A
JP2003335721A JP2002146086A JP2002146086A JP2003335721A JP 2003335721 A JP2003335721 A JP 2003335721A JP 2002146086 A JP2002146086 A JP 2002146086A JP 2002146086 A JP2002146086 A JP 2002146086A JP 2003335721 A JP2003335721 A JP 2003335721A
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dihydroxydiphenyl ethers
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dihydroxydiphenyl
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Takayuki Odajima
貴之 小田島
Takehisa Mizuno
武久 水野
Misao Uohama
操 魚濱
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体酸触媒を用いたハイドロキノン類の
脱水二量化反応で得られる反応混合物から、4,4′−
ジヒドロキシジフェニルエーテル類を、有機溶媒の引火
の危険が少なく安全に、効率よく、高収率で分離する、
4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類の製造方
法を提供すること。 【解決手段】 固体酸触媒の存在下に、水非混和性で水
と共沸可能な有機溶媒中で、ハイドロキノン類を脱水二
量化して4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類
を製造して得られる反応混合液に、水を添加して未反応
ハイドロキノン類及び4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル類を加熱下で溶解させた後、熱時ろ過して固
体酸触媒を除去し、得られたろ液を冷却して4,4′−
ジヒドロキシジフェニルエーテル類を固体として分離す
る、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性ポリマー原
料等として有用な4,4′−ジヒドロキシジフェニルエ
ーテル類の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ハイドロキノンの脱水二量化によ
って4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類を得
る方法については、触媒として合成雲母、活性白土、モ
ンモリロナイト、イオン交換樹脂等の固体酸触媒を用い
る方法が一般的である(特開2001−89408号公
報、特開昭59−206326号公報等)。
【0003】前記のように脱水二量化反応後に得られる
反応混合物には、未反応のハイドロキノン、目的物の
4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、数種の副
生成物、固体酸触媒及び反応溶媒等が含まれている。こ
の反応混合物から目的物である4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルエーテルを分離する方法としては、脱水二量
化反応後、得られた液状反応混合物から固体酸触媒を除
去した後、55℃以上の水と接触させて未反応のハイド
ロキノンと4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル
を水相に移行させ、得られた水相を分離した後、冷却し
て4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルの粗結晶
を得る方法(特開昭63−51345号公報)等が知ら
れている。
【0004】しかし、前記特開昭63−51345号公
報の方法では、その参考例1に記載されているように、
脱水二量化反応終了後に反応混合物を150℃という高
温でろ過して固体酸触媒と反応液とを分離しており、有
機溶媒の引火の危険が極めて大きく、現実的でない方法
を採用している。しかも、この方法では、危険を冒して
反応混合液を150℃という高温に加熱しても未反応ハ
イドロキノンを完全に溶解させることはできないことか
ら、未反応ハイドロキノンの回収率が低くなるうえに、
目的物の4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルの
溶解も完全とは言い難く、精製して得られる4,4′−
ジヒドロキシジフェニルエーテルは純度及び収率の点で
決して高い数値は得られないという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、固体
酸触媒を用いたハイドロキノン類の脱水二量化反応で得
られる反応混合物から、目的物である4,4′−ジヒド
ロキシジフェニルエーテル類を、有機溶媒の引火の危険
が少なく安全に、効率よく、高収率で分離する、4,
4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類の製造方法を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な状況に鑑みて鋭意検討した結果、ハイドロキノン類が
水に易溶であること、及び、生成物の4,4′−ジヒド
ロキシジフェニルエーテル類が比較的高い温度において
のみ水に可溶となることを利用して、固体酸触媒の存在
下、有機溶媒中でハイドロキノン類を脱水二量化して得
られる反応混合液に水を添加し、加熱下、例えば、70
〜100℃で該反応混合液中の未反応ハイドロキノン類
と4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類を水に
溶解させた後、熱時ろ過するだけで、有機溶媒の引火の
危険が少なく安全に固体酸触媒を除去することができ、
次いで、得られたろ液を冷却して4,4′−ジヒドロキ
シジフェニルエーテル類を固体として効率よく、かつ高
収率で分離できることを見い出し、本発明を完成するに
至った。
【0007】即ち、本発明は、固体酸触媒の存在下に、
水非混和性で水と共沸可能な有機溶媒中で、ハイドロキ
ノン類を脱水二量化して4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニルエーテル類を製造して得られる反応混合液に、水を
添加して未反応ハイドロキノン類及び4,4′−ジヒド
ロキシジフェニルエーテル類を加熱下で溶解させた後、
4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類が析出し
ない温度で熱時ろ過して固体酸触媒を除去し、得られた
ろ液を冷却して4,4′−ジヒドロキシジフェニルエー
テル類を固体として分離することを特徴とする、4,
4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類の製造方法を
提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いる固体酸触媒として
は、水、及び、ハイドロキノン類の脱水二量化に用いる
有機溶剤のいずれにも不溶で熱時ろ過可能な固形の酸触
媒が挙げられ、例えば、合成雲母、活性白土、モンモリ
ロナイト、イオン交換樹脂等がある。これら固体酸触媒
のなかでも、ハイドロキノン類を脱水二量化に際して高
転化率と高選択率を達成できることから、水分含有率が
3.0重量%以上の活性白土が好ましく、5.0〜2
0.0重量%の活性白土が特に好ましい。なお、活性白
土類は、モンモリロナイト系粘土化合物である酸性白土
を酸処理したものであるが、本発明において用いられる
活性白土類は、その水分含有量を除いた他の特性、例え
ば、化学組成、粉末度、比表面積、密度及び酸性度等に
制限はない。
【0009】活性白土中の水分の役割に関しては触媒活
性な酸性点の保持,内部層空間の適正化による原料ハイ
ドロキノン類分子の選択的吸着等に関与していると推定
されるが、必ずしも明確ではない。
【0010】活性白土中の含有水分量が上記適正範囲未
満の活性白土については、水への浸析または水洗浄、さ
らに必要ならば適時乾燥操作等によって目的とする水分
含有量に調節することにより、本発明において固形酸触
媒として好ましく用いることができる。
【0011】触媒の使用量は、原料のハイドロキノン類
100重量部に対して、通常5〜100重量部であり、
好適には10〜30重量部である。
【0012】本発明で原料として用いるハイドロキノン
類としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロ
キノン、ジメチルハイドロキノン、トリメチルハイドロ
キノン、エチルハイドロキノン、イソプロピルハイドロ
キノン、n−ブチルハイドロキノン等が挙げられ、なか
でも、容易に、効率よく、かつ高収率で4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニルエーテルが得られることから、ハイ
ドロキノンが特に好ましい。
【0013】また、本発明において、ハイドロキノン類
の脱水二量化反応を実施するための適切な反応温度は、
80〜300℃であり、なかでも、反応速度が適切で、
かつ副反応が抑制できることから、100〜200℃が
最適である。
【0014】本発明でハイドロキノン類の脱水二量化反
応の際に用いる有機溶媒は、水非混和性で、かつ、水と
共沸可能なものであればよいが、なかでも、ハイドロキ
ノン類の脱水二量化に最適な反応温度を達成可能なも
の、すなわち、常圧あるいは減圧で沸点が前記最適温度
範囲にあるものが好ましい。具体例としては、トルエ
ン、エチルベンゼン、キシレン、クメン、メシチレン等
の芳香族炭化水素類、クロルベンゼン、ジクロルベンゼ
ン、ブロムベンゼン、ジブロムベンゼン等の芳香族ハロ
ゲン化炭化水素類、アニソール、ニトロベンゼン等の反
応に影響を与えない置換基を有する芳香族化合物などが
挙げられ、なかでも、常圧での沸点が脱水二量化に最適
な温度範囲内にあることから、キシレン、メシチレンが
特に好ましい。
【0015】また、原料のハイドロキノン類の溶解性が
低い溶媒であっても、本発明の触媒を用いる限り、反応
には大きな影響を与えない。
【0016】ハイドロキノン類の脱水二量化反応の際に
用いる有機溶媒の使用量は、ハイドロキノン類と固体酸
触媒が充分に撹拌できる量以上であればよく、特に制限
されないが、原料のハイドロキノン類100重量部に対
して100〜500重量部が好ましく、これ以上多量に
用いてもバッチ収率が低下するだけであり、利益はな
い。
【0017】ハイドロキノン類の脱水二量化反応の反応
時間は、固体酸触媒の活性度、固体酸触媒量、反応温度
等により異なってくるが、ハイドロキノン類の転化率が
変化しなくなった時点が終点であり、通常2〜10時
間、好適には3〜5時間である。
【0018】本発明の製造方法において、反応終了後に
実施される以下の分離操作は、原料のハイドロキノン類
が水に易溶であること及び生成物の4,4′−ジヒドロ
キシジフェニルエーテル類が比較的高い温度においての
み水に可溶となる事実を基礎としたものである。
【0019】本発明の製造方法においては、反応終了後
の反応混合物に水を添加して、未反応のハイドロキノン
類及び生成物の4,4′−ジヒドロキシジフェニルエー
テル類を加熱した水に溶解させた後、熱時ろ過して触媒
を除去する。添加する水の量は、熱時ろ過して触媒を除
去する際に未反応のハイドロキノン類及び生成物の4,
4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類が析出せず、
かつ触媒除去後の冷却及びろ過操作で両者を分離するに
際して、ハイドロキノン類が完全に溶解し、4,4′−
ジヒドロキシジフェニルエーテル類の大部分が析出する
量の範囲であり、具体的には反応に用いたハイドロキノ
ン類100重量部に対して50〜500重量部、好適に
は150〜300重量部である。
【0020】水を添加した後、熱時ろ過して触媒を除去
する際の反応混合物の温度は、未反応のハイドロキノン
類及び生成物の4,4′−ジヒドロキシジフェニルエー
テル類が析出しない温度以上が要求され、通常60℃以
上であり、70℃以上が好ましい。上限温度は特に規定
されないが、通常は100℃までであり、なかでも、ろ
過操作が容易で、有機溶媒の引火の危険性が少ないこと
から、70〜95℃が特に好ましい。
【0021】熱時ろ過して固体酸触媒を除去した後、得
られたろ液を冷却することにより、目的物の4,4′−
ジヒドロキシジフェニルエーテル類が析出してくる。
4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類を析出さ
せる場合の系の温度は−10〜50℃、好適には10〜
30℃である。析出した4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニルエーテル類は、通常85〜90重量%の純度を有す
る。
【0022】析出した4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル類をろ過により採取した後、ろ液を構成する
有機溶媒相と未反応ハイドロキノン類を含む水相を分離
する。
【0023】未反応のハイドロキノン類は、冷却後にお
いても水中に残存しており、定量的に回収して再使用す
ることが可能である。
【0024】また、反応に用いた有機溶媒には、水を添
加後には未反応のハイドロキノン類及び生成物の4,
4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類はほとんど溶
解していないため、有機溶媒からのハイドロキノン類及
び4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類の回収
は考慮する必要がなく、有機溶媒は単蒸留して再使用す
ることができる。
【0025】分離された4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニルエーテル類は、さらに精製することが好ましい。精
製方法に限定はないが、再結晶により精製することが好
ましく、なかでも、副生成物であるハイドロキノン類の
多核体に対する溶解性に優れることから、芳香族炭化水
素系溶媒と、該芳香族炭化水素系溶媒以外の極性有機溶
媒の混合物を再結晶溶媒として用いて、4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニルエーテル類の再結晶を実施すること
が特に好ましい。
【0026】芳香族炭化水素系溶媒としては、具体的に
は、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、クメン、メ
シチレン等が挙げられる。なお、ハイドロキノン類の脱
水二量化反応の際に有機溶媒として芳香族炭化水素を用
いた場合には、再結晶時にも同じ有機溶媒を用いること
が原料化合物を統一できる点で好都合である。
【0027】芳香族炭化水素系溶媒とともに用いられ
る、該芳香族炭化水素系溶媒以外の極性有機溶媒として
は、反応において生成する副生成物のハイドロキノン類
の多核体(3核体以上)の溶解度が高い化合物であるこ
とが好ましく、具体的には、メタノール、エタノール、
n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノー
ル、i−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノー
ル、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチル
ヘキサノール等の炭素原子数1〜8の脂肪族アルコール
類、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、
メチルi−ブチルケトン等の炭素原子数1〜8の脂肪族
ジアルキルケトン類、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、
プロピオン酸エチル等の炭素原子数1〜8の脂肪族カル
ボン酸エステル類などが挙げられる。
【0028】4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル類の再結晶に用いられる前記有機溶媒の使用量は、精
製物の収率または純度の低下がなく、良好な結果が得ら
れることから、固体として分離して得られた4,4′−
ジヒドロキシジフェニルエーテル類と、再結晶による精
製に用いる芳香族炭化水素系溶媒と、これ以外の極性有
機溶媒の重量比(4,4′−ジヒドロキシジフェニルエ
ーテル類/芳香族炭化水素系溶媒/極性有機溶媒)が、
1.0/(1.0〜10.0)/(0.5〜5.0)と
なる範囲であることが好ましい。
【0029】具体的な再結晶操作としては、例えば、固
体として分離した4,4′−ジヒドロキシジフェニルエ
ーテル類を、芳香族炭化水素系溶媒と、該芳香族炭化水
素系溶媒以外の極性有機溶媒の混合物と混合し、完全に
溶解するまで加熱する。溶解後、0℃〜室温まで冷却し
て析出した結晶をろ過採取する方法が挙げられる。この
時に活性炭、活性白土等の適切な脱色剤と溶液の加熱
と、脱色操作とを実施し、熱時ろ過(脱色剤の除去)を
行った後に、冷却操作を実施することも可能である。結
晶析出時の温度は、再結晶による精製の前の4,4′−
ジヒドロキシジフェニルエーテル類の純度、有機溶媒使
用量等により異なってくるが、副生成物も析出による純
度低下や、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル
類の一部溶解による収率の低下がないことから、通常は
−10〜30℃である。
【0030】得られた結晶は、常圧または減圧下に乾燥
させることにより高純度の4,4′−ジヒドロキシジフ
ェニルエーテル類とすることができる。
【0031】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を
具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の方法を限
定するものではない。
【0032】なお、収率(モル%)は反応に用いられた
ハイドロキノンに対する収率であり、転化率(モル%)
はハイドロキノン類の消費率を意味する。また、選択率
は(収率/転化率)×100(%)である。
【0033】実施例1 水分離装置を付けた1000mlの4つ口フラスコに、
ハイドロキノン100g(0.91モル)、メシチレン
200g及び活性白土SA−35(日本活性白土社製:
水分含有率8.0重量%)17gを入れ、脱水操作を実
施しながら160℃で4時間二量化反応させた。
【0034】脱水二量化反応後、60℃の水200gを
加え、系内を攪拌下に80℃まで加熱して未反応のハイ
ドロキノンと脱水二量化反応で得られた4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニルエーテル類とを溶解させた後、80
℃でろ過して固体酸触媒の活性白土をろ別し、ろ液を2
0℃まで冷却した。析出した結晶をろ過して採取し、水
で洗浄後、減圧乾燥を行って4,4′−ジヒドロキシジ
フェニルエーテルを得た。ガスクロマトグラフで測定し
たハイドロキノンの転化率は56.4モル%で、4,
4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルの選択率は8
7.6%であった。
【0035】得られた4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル45.4gに、イソプロピルアルコール20
g及びメシチレン170gを加え、80℃に加熱して溶
解させた後、20℃まで冷却した。析出した4,4′−
ジヒドロキシジフェニルエーテルの結晶をろ過して採取
後、減圧乾燥して純粋な4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニルエーテルを得た。得られた4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルエーテルの収量は44.6g(収率48.5
モル%、純度99.3モル%)であった。第1表に4,
4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルの転化率と選択
率と収率と純度を示す。
【0036】実施例2 活性白土SA−35 17gの代わりに活性白土K−
(日本活性白土社製:水分含有量12.7重量%)17
gを用いた以外は実施例1と同様に脱水二量化反応と分
離操作を行って4,4′−ジヒドロキシジフェニルエー
テルを得た後、さらに実施例1と同様に精製して純粋な
4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルを得た。第
1表に4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルの転
化率と選択率と収率と純度を示す。
【0037】実施例3 脱水二量化反応後の水の添加量を200gから150g
に変更し、更にろ過温度を80℃から92℃に変更した
以外は実施例1と同様に脱水二量化反応と分離操作を行
って4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルを得た
後、さらに実施例1と同様に精製して純粋なと同様にし
て純粋な4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルを
得た。第1表に4,4′−ジヒドロキシジフェニルエー
テルの転化率と選択率と収率と純度を示す。
【0038】比較例1 ハイドロキノンを脱水二量化反応させた後、水の添加な
しに、反応混合液を150℃でろ過して固体酸触媒の活
性白土をろ別した以外は実施例1と同様にしてて4,
4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルを得た。得られ
た4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルの収量は
32.6g(収率35.5モル%、純度96.6モル
%)であった。第1表に4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニルエーテルの転化率と選択率と収率と純度を示す。な
お、ろ別した固体酸触媒中には、4,4′−ジヒドロキ
シジフェニルエーテルが11.6gおよび未反応の原料
ハイドロキノンが21g含まれていた。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、固体酸触媒
を用いたハイドロキノンの脱水二量化反応で得られる反
応混合物から、目的物である4,4′−ジヒドロキシジ
フェニルエーテル類を、有機溶媒の引火の危険が少な
く、安全に、効率よく、高収率で4,4′−ジヒドロキ
シジフェニルエーテル類を分離することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 魚濱 操 千葉県八街市みどり台1−7−1 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC43 AD15 AD16 BA68 BA85 BB11 BB31 BC50 BC51 GN05 4H039 CA61 CG10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体酸触媒の存在下に、水非混和性で水
    と共沸可能な有機溶媒中で、ハイドロキノン類を脱水二
    量化して4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類
    を製造して得られる反応混合液に、水を添加して未反応
    ハイドロキノン類及び4,4′−ジヒドロキシジフェニ
    ルエーテル類を加熱下で溶解させた後、熱時ろ過して固
    体酸触媒を除去し、得られたろ液を冷却して4,4′−
    ジヒドロキシジフェニルエーテル類を固体として分離す
    ることを特徴とする、4,4′−ジヒドロキシジフェニ
    ルエーテル類の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱時ろ過を、水非混和性で水と共沸可能
    な有機溶媒の沸点を超えない温度で、かつ70〜100
    ℃で行う、請求項1記載の4,4′−ジヒドロキシジフ
    ェニルエーテル類の製造方法。
  3. 【請求項3】 水非混和性で水と共沸可能な有機溶媒
    が、常圧における沸点が100〜200℃の範囲内にあ
    る有機溶媒であって、かつ芳香族炭化水素化合物及び/
    またはハロゲン化芳香族化合物である、請求項2記載の
    4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 水非混和性で水と共沸可能な有機溶媒
    が、キシレン及び/またはメシチレンである、請求項3
    記載の4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 固体酸触媒が、水分含有率5.0〜2
    0.0重量%の活性白土類である、請求項1〜4のいず
    れか1項記載の4,4′−ジヒドロキシジフェニルエー
    テル類の製造方法。
  6. 【請求項6】 固体として分離して得られた4,4′−
    ジヒドロキシジフェニルエーテル類を、芳香族炭化水素
    系溶媒と、これ以外の極性有機溶媒の混合物から再結晶
    することにより精製する、請求項1〜4のいずれか1項
    記載の4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル類の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 再結晶に用いる極性有機溶媒が、炭素数
    1〜8の脂肪族アルコール類、ジアルキルケトン類及び
    カルボン酸エステル類の中から選ばれた少なくとも一種
    以上の有機溶剤である、請求項6記載の4,4′−ジヒ
    ドロキシジフェニルエーテル類の製造方法。
  8. 【請求項8】 再結晶に用いる芳香族炭化水素系溶媒が
    トルエン、エチルベンゼン、キシレン、クメン及びメシ
    チレンからなる群から選ばれる1種以上の溶媒である、
    請求項7記載の4,4′−ジヒドロキシジフェニルエー
    テル類の製造方法。
  9. 【請求項9】 固体として分離して得られた4,4′−
    ジヒドロキシジフェニルエーテル類と、再結晶による精
    製に用いる芳香族炭化水素系溶媒と、これ以外の極性有
    機溶媒の重量比(4,4′−ジヒドロキシジフェニルエ
    ーテル類/芳香族炭化水素系溶媒/極性有機溶媒)が、
    1.0/(1.0〜10.0)/(0.5〜5.0)で
    ある、請求項5記載の4,4′−ジヒドロキシジフェニ
    ルエーテル類の製造方法。
  10. 【請求項10】 再結晶よる精製に用いる極性有機溶媒
    が、炭素数1〜8の脂肪族アルコール類、ジアルキルケ
    トン類及びカルボン酸エステル類の中から選ばれた少な
    くとも一種以上の有機溶剤で、かつ、4,4′−ジヒド
    ロキシジフェニルエーテル類と、再結晶による精製に用
    いる芳香族炭化水素系溶媒と、これ以外の極性有機溶媒
    の重量比(4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル
    類/芳香族炭化水素系溶媒/極性有機溶媒)が、1.0
    /(1.0〜10.0)/(0.5〜5.0)である、
    請求項6記載の4,4′−ジヒドロキシジフェニルエー
    テル類の製造方法。
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