JP2023152807A - 4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸の製造方法 - Google Patents

4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸が高収率で得られる製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、軽油中で、式(1)TIFF2023152807000009.tif1672[式中、Mはカリウム、リチウム、ルビジウムまたはセシウムを示す]で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩と二酸化炭素とを、酢酸のアルカリ金属塩の存在下で反応させる工程を含む、式(2)TIFF2023152807000010.tif2671で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸の製造方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸の製造方法に関する。
カルボキシル化ビフェノール化合物は、熱的特性、機械的特性等に優れた芳香族ポリエステルの製造原料として有用な化合物である。また、近年、ガス貯蔵や固体触媒等に使用される金属有機構造体(MOF)の有機配位子としての用途が期待されている。MOFは金属と有機配位子を組み合わせた多孔質材料の1つであり、特許文献1および2には、有機配位子として4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸(BPDC)を用いることが提案されている。
BPDCを含有するMOFは二酸化炭素の吸着性が高いことから注目されており、MOFの需要が高まるにつれて、BPDCの需要も高まっている。
BPDCの製造方法としては、いわゆるコルベシュミット反応が知られており、特許文献3には、ベンジルアルコール中で、4,4’-ジヒドロキシビフェニルジナトリウム塩と二酸化炭素を反応させてBPDCを製造する方法が記載されている。
特表2020-527455号公報 特表2020-531248号公報 特開平11-140015号公報
しかしながら、特許文献3に記載の方法は収率が低く、工業的なスケールでの生産には適さない方法であった。したがって、高収率でBPDCを製造する方法が求められていた。
本発明の目的は、BPDCが高収率で得られる製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、軽油中、酢酸のアルカリ金属塩の存在下で、4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩と二酸化炭素とを反応させることにより、BPDCが高生成率で得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、以下の好適な態様を包含する。
〔1〕軽油中で、式(1)
Figure 2023152807000001
[式中、Mはカリウム、リチウム、ルビジウムまたはセシウムを示す]
で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩と二酸化炭素とを、酢酸のアルカリ金属塩の存在下で反応させる工程を含む、式(2)
Figure 2023152807000002
で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸の製造方法。
〔2〕Mはカリウムである、〔1〕に記載の方法。
〔3〕4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩と二酸化炭素との反応を、二酸化炭素圧力0.1~10MPaの条件下で行う、〔1〕または〔2〕に記載の方法。
〔4〕前記反応工程は、温度100~300℃の条件下で行う、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の方法。
〔5〕酢酸のアルカリ金属塩は酢酸カリウムである、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の方法。
〔6〕前記反応工程によって得られた反応液に水を添加した後、有機層と水層に分液し、得られた水層を酸析することにより、前記式(2)で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸を含む粗組成物を得る工程を含む、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の方法。
〔7〕前記粗組成物をさらに精製する工程を含む、〔6〕に記載の方法。
〔8〕前記精製工程は懸濁洗浄、再結晶、および再沈殿からなる群から選択される1種以上の工程を含む、〔7〕に記載の方法。
〔9〕前記精製工程は懸濁洗浄工程を含む、〔7〕または〔8〕に記載の方法。
〔10〕前記精製工程で使用する溶媒は、水、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、2-エチルヘキサノール、エチレングリコール、グリセリン、酢酸、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、4-メチルテトラヒドロピラン、クロロホルム、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸プロピルおよび酢酸ブチルからなる群から選択される1種以上である、〔7〕~〔9〕のいずれかに記載の方法。
〔11〕アルカリ金属の含有量が1000ppm未満である、前記式(2)で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸。
〔12〕アルカリ金属はナトリウムおよび/またはカリウムである、〔11〕に記載の4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸。
〔13〕アルカリ金属はナトリウムである、〔11〕に記載の4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸。
〔14〕ナトリウムの含有量は100ppm未満である、〔13〕に記載の4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸。
本発明によれば、BPDCを高生成率で得ることができる。
本発明の式(2)で表されるBPDCの製造方法においては、式(1)で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩を二酸化炭素と反応させる、いわゆるコルベシュミット反応が用いられる。本発明において、反応は通常撹拌下で行われる。
Figure 2023152807000003
[式中、Mはカリウム、リチウム、ルビジウムまたはセシウムを示す。]
Figure 2023152807000004
本発明において使用される反応装置としては、通常のコルベシュミット反応において使用される反応装置であればよく、例えば、撹拌機を備え、高圧反応に対応可能なオートクレーブが好適に使用できる。さらに、温度制御機能を有し、炭酸ガスや不活性ガスの導入管、温度計支持管、圧力計および排気管などを有するものがより好ましい。
本発明において使用される式(1)で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩としては、4,4’-ジヒドロキシビフェニルジカリウム塩、4,4’-ジヒドロキシビフェニルジリチウム塩、4,4’-ジヒドロキシビフェニルジルビジウム塩、4,4’-ジヒドロキシビフェニルジセシウム塩が挙げられる。入手の容易さ、コストおよび反応性の点から、4,4’-ジヒドロキシビフェニルジカリウム塩が好ましい。
4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩は、4,4’-ジヒドロキシビフェニルを、アルカリ金属水酸化物や、アルカリ金属tert-ブトキシド、アルカリ金属メトキシド、アルカリ金属エトキシド、アルカリ金属iso-プロポキシドなどのアルカリ金属アルコキシドを用いて、ジアルカリ金属塩とすることにより得ることができる。特に、経済性を考慮すると、4,4’-ジヒドロキシビフェニルとアルカリ金属水酸化物を用いてジアルカリ金属塩とするのが好ましい。
より具体的には、4,4’-ジヒドロキシビフェニルジカリウム塩は、4,4’-ジヒドロキシビフェニルを、水酸化カリウムや、tert-ブトキシカリウム、メトキシカリウム、エトキシカリウム、iso-プロポキシカリウムなどのカリウムアルコキシドを用いて、ジカリウム塩とすることにより得ることができる。特に、経済性を考慮すると、4,4’-ジヒドロキシビフェニルと水酸化カリウムを用いてジカリウム塩とするのが好ましい。
反応に供する4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩、および、反応系に存在させる酢酸のアルカリ金属塩は、十分脱水されていることが好ましく、脱水が不完全であると反応収率が低下することがある。脱水は、例えば、エバポレーターなどの装置を用い、真空状態で加熱することにより行われる。反応に供する4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩および酢酸のアルカリ金属塩は、その水分量が3質量%以下、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下であることが好ましい。
本発明では、4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩と二酸化炭素との反応は、酢酸のアルカリ金属塩の存在下で行われる。
酢酸のアルカリ金属塩としては、酢酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸ルビジウムおよび酢酸セシウムからなる群から選択される1種以上が挙げられる。反応性に優れる点で酢酸カリウムが好ましい。
酢酸のアルカリ金属塩は、4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩1モル当たり、通常0.1~10モル、好ましくは0.3~5モル、より好ましくは0.5~4.5モル、さらに好ましくは1~3モル存在させるのがよい。
本発明の方法では、溶媒として軽油が用いられる。溶媒として軽油を用いることによってBPDCの生成率が大幅に向上する。
本発明に使用される軽油の使用量は、式(1)で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩100質量部に対して100~3000質量部(4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩に対して1~30質量倍)が好ましく、150~2000質量部がより好ましく、200~1500質量部がさらに好ましく、300~1000質量部が特に好ましい。軽油の使用量が上記範囲内にあると、効率よくBPDCの生成率を向上させることができる。
4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩と二酸化炭素との反応は、通常100~300℃で行われ、好ましくは150~280℃、より好ましくは200~270℃の温度下で行うことができる。100℃より低温では、反応が進行し難い傾向があり、300℃より高温では、反応が頭打ちとなりエネルギーが損失するとともに、分解などの副反応が生じるおそれがある。
4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩と二酸化炭素との反応は、通常10MPa以下、好ましくは0.1~5MPa、より好ましくは0.2~1MPaの圧力下、好適には二酸化炭素による圧力下で行なわれる。反応時の圧力が10MPaを超えると高圧に耐える装置が必要となるなど、工業的に有利ではない場合がある。
反応時間は、通常30分~24時間、好ましくは1時間~20時間、より好ましくは2時間~16時間、特に好ましくは3~12時間の間で適宜選択することができる。
かかる反応により得られたBPDCのジアルカリ金属塩は、酸析などの当業者に既知の手段によって酸に変換することにより、目的のBPDCを得ることができる。
酸析の前に、必要により、BPDCのジアルカリ金属塩を水溶性溶媒に溶解させた状態での有機溶媒による洗浄や、不溶性の異物を除去するためのろ過処理、着色性物質、金属などを除去するための活性炭などによる吸着剤処理を行ってもよい。
軽油中、式(1)で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩と二酸化炭素とを、酢酸のアルカリ金属塩の存在下で反応させる工程によって、BPDCジアルカリ金属塩を含む反応液が得られる。
BPDCジアルカリ金属塩を含む反応液に水を添加し(添加後の液を反応液と称することもある)、分液することによって得られた水層を酸で酸析することにより、BPDCを含む粗組成物が得られる。
酸析の前に、水層に対してさらに別途、水溶性媒体を添加してもよい。添加可能な水溶性媒体としては、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフランおよびジオキサンからなる群から選択される一種以上が挙げられ、酸析後の固液分離の際の濾過性を向上させることが可能になる点で、メタノールを添加するのが好ましい。また、例えばメタノールを添加する場合、酸析に供される水層は、好ましくはメタノール20~80質量%水溶液、より好ましくはメタノール35~65質量%水溶液、さらに好ましくはメタノール45~55質量%水溶液に調製するのがよい。
酸析される溶液の媒体の量は、BPDCの質量に対し好ましくは1~20質量倍、より好ましくは2~15質量倍、さらに好ましくは3~10質量倍である。
酸析中の温度は20~95℃が好ましく、30~90℃がより好ましく、40~85℃がさらに好ましい。酸析中の温度が上記範囲内にあると、副反応を起こし難く、また酸析後の固液分離の際の濾過性が向上する。
本発明において酸析に使用される酸は特に限定されないが、鉱酸が好適に用いられる。鉱酸としては、例えば、塩酸、フッ化水素酸のような二元酸、硫酸、硝酸、リン酸、過塩素酸のようなオキソ酸が挙げられる。また、酢酸、プロピオン酸などの有機酸などを用いることもできる。
これらの酸析に使用される酸は、反応温度等を制御し易い点から水溶液の形態であることが好ましく、例えば62質量%硫酸水溶液が好適に使用される。
BPDCを含む粗組成物とは、目的物であるBPDC以外に、反応原料や触媒および反応副生物などの不純物を含む組成物を意味する。不純物の含有量は反応方法によっても異なるが、通常は粗組成物中1~30質量%であり、別の場合には3~25質量%である。尚、本明細書において、BPDCを含む粗組成物のことを単に「粗BPDC」とも称する。
得られたBPDCを含む粗組成物は、さらに精製工程に供することによって、より高純度のものとすることが可能である。
精製工程は、懸濁洗浄、再結晶および再沈殿からなる群から選択される1種以上の工程を含むのが好ましく、懸濁洗浄工程を含むのがより好ましい。
精製工程で使用する溶媒としては、水、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、2-エチルヘキサノール、エチレングリコール、グリセリン、酢酸、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、4-メチルテトラヒドロピラン、クロロホルム、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸プロピルおよび酢酸ブチルからなる群から選択される1種以上が挙げられる。
懸濁洗浄工程は、BPDCを含む粗組成物に懸濁洗浄溶媒を加えて、懸濁状態で撹拌することによって行われる。
懸濁洗浄における溶媒の量は、溶媒の種類によっても異なるが、BPDCを含む粗組成物と上記溶媒1~50質量倍であることが好ましく、3~40質量倍であることがより好ましく、5~30質量倍であることが最も好ましい。
懸濁洗浄する際の温度は、用いる溶媒の種類および混合比率によっても異なるため特に限定されないが、好ましくは15℃~200℃、より好ましくは20℃~150℃、さらに好ましくは30℃~100℃である。
再結晶工程は、BPDCを含む粗組成物を再結晶溶媒で溶解させた後、晶析させることによって行われる。
再結晶工程における溶媒の量は、溶媒の種類によっても異なるが、BPDCを含む粗組成物と上記溶媒1~50質量倍であることが好ましく、3~40質量倍であることがより好ましく、5~30質量倍であることが最も好ましい。
再結晶において、BPDCを含む粗組成物を溶媒に溶解する際の温度は、用いる溶媒の種類および混合比率によって異なるため特に限定されないが、好ましくは20~200℃、より好ましくは40~150℃、さらに好ましくは60~130℃である。
再結晶工程における晶析は、好ましくは0~80℃、より好ましくは、5~60℃、さらに好ましくは10~40℃の温度下で攪拌しながら行われる。尚、晶析の前に不溶物をろ過して除去するのが好ましい。
再沈殿工程は、BPDCを含む粗組成物を良溶媒で溶解させた溶液中に貧溶媒を添加し、BPDCの固体を析出させることによって行われる。
再沈殿工程で用いられる良溶媒および貧溶媒は上記精製工程で使用する溶媒の中からそれぞれ適宜選択することができる。
上記精製工程後、濾過等の常套手段により固液分離し、目的物であるBPDCを回収する。固液分離に際し、適宜有機溶媒または水を注いで結晶を洗浄するのが好ましい。固液分離における洗浄に用いる溶媒は、粗BPDCに対して、1~50質量倍であることが好ましく、3~40質量倍であることがより好ましく、5~30質量倍であることが最も好ましい。
固液分離によって回収された結晶は、常圧下において通風乾燥するか、あるいは減圧下で乾燥し、溶媒を留去することによって、高純度のBPDCを得ることができる。
本発明の方法により得られた高純度のBPDCは、アルカリ金属の含有量が少なく、1,000ppm未満であり、好ましくは500ppm未満であり、より好ましくは300ppm未満であり、さらに好ましくは250ppm未満である。このようなアルカリ金属は、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などとして存在し得る。アルカリ金属としては、ナトリウムおよび/またはカリウムが挙げられる。
このように、本発明は、アルカリ金属の含有量が1,000ppm未満であり、好ましくは500ppm未満であり、より好ましくは300ppm未満であり、さらに好ましくは250ppm未満であるBPDCを提供する。アルカリ金属としては、ナトリウムおよび/またはカリウムが挙げられる。本発明の一実施形態では、アルカリ金属の含有量は通常5ppm以上である。
本発明の方法により得られた高純度のBPDCは、アルカリ金属の中でも特にナトリウムの含有量が低く、ナトリウムの含有量が100ppm未満であり、好ましくは75ppm未満であり、より好ましくは50ppm未満であるBPDCを提供する。本発明の一実施形態では、ナトリウムの含有量は通常1ppm以上である。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
各化合物は、以下の方法によって分析した。
<超高速液体クロマトグラフ(UPLC)>
装置:Waters UPLC H-Class システム
カラム型番:ACQUITY UPLC HSS C18 1.8μm 2.1×50mm
液量:0.5mL/分
溶媒比:HO(pH2.3)/メタノール=55/45(2.5分)→0.5分→38/62(1.5分)→0.5分→20/80(2分)→0.5分→5/95(2.5分)、グラジエント分析
波長:254nm
カラム温度:40℃
120mLのオートクレーブ中に、4,4’-ジヒドロキシビフェニルジカリウム塩(BP-K2)13.4g(0.05モル)、酢酸カリウム10.4g(0.11モル、2.1当量/BP-K2)および軽油67.7gを加えて密閉し、撹拌しながら260℃まで昇温した。260℃到達後、二酸化炭素圧力0.4MPa条件下にて、6時間反応した。反応終了後80℃まで冷却し、水201.3gを加え、撹拌・静置し、反応液を得た。
得られた反応液をUPLCにてBPDCおよび中間体であるBPMC(4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3-カルボン酸)への転化率、ならびにBP(4,4’-ジヒドロキシビフェニル)の残存率について、定量分析を行った。結果を表1に示す。
反応温度を260℃から250℃へ変更した以外は、実施例1と同様に反応液を得た。得られた反応液をUPLCにてBPDC、BPMCへの転化率ならびにBPの残存率について、定量分析を実施した。結果を表1に示す。
比較例1
酢酸カリウムを加えないこと以外は、実施例2と同様に反応液を得た。得られた反応液をUPLCにてBPDC、BPMCへの転化率ならびにBPの残存率について、定量分析を実施した。結果を表1に示す。
比較例2
軽油に代えて、ベンジルアルコール(BnOH)67.3gへ変更し、反応温度を250℃から200℃に変更した以外は、比較例1と同様に反応液を得た。得られた反応液をUPLCにてBPDC、BPMCへの転化率ならびにBPの残存率について、定量分析を実施した。結果を表1に示す。
比較例3
酢酸カリウム10.0g(0.10モル、2.0当量/BP-K2)を加えたこと以外は、比較例2と同様に反応液を得た。得られた反応液をUPLCにてBPDC、BPMCへの転化率ならびにBPの残存率について、定量分析を実施した。結果を表1に示す。
比較例4
酢酸カリウムをギ酸カリウム8.6g(0.10モル、2.0当量/BP-K2)へ変更した以外は、実施例2と同様に反応液を得た。得られた反応液をUPLCにてBPDC、BPMCへの転化率ならびにBPの残存率について、定量分析を実施した。結果を表1に示す。
比較例5
酢酸カリウムを炭酸カリウム7.1g(0.05モル、1.0当量/BP-K2)へ変更した以外は、実施例2と同様に反応液を得た。得られた反応液をUPLCにてBPDC、BPMCへの転化率ならびにBPの残存率について、定量分析を実施した。結果を表1に示す。
比較例6
BP-K2に代えて、4,4’-ジヒドロキシビフェニルジナトリウム塩(BP-Na2)11.8g(0.05モル)、ならびに酢酸カリウムに代えて、酢酸ナトリウム8.4g(0.10モル)へ変更した以外は、実施例2と同様に反応液を得た。得られた反応液をUPLCにてBPDC、BPMCへの転化率ならびにBPの残存率について、定量分析を実施した。結果を表1に示す。
<粗BPDCの取得>
実施例2で得られた反応液を分液し、水層のみ取り出した。取り出した水層を撹拌機、温度センサーおよび還流管を備えた1Lの底抜き四つ口フラスコへ移し、水395.1gを加えた後、85℃へ昇温した。昇温後、72%硫酸をpH6.0になるまで添加した後、2-エチルヘキサノール(EHA)235.4gで3回洗浄を行った。得られた水層に72%硫酸を加えて80℃にて酸析した(pH2.0)。析出した固体を濾別した後、80℃で通風乾燥することにより、粗BPDCを得た(11.5g、歩留99.7モル%)。得られた粗BPDCをUPLCおよび結晶誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析にて定量分析を行った。組成を表2に示す。
<懸濁洗浄工程>
撹拌機、温度センサーおよび還流管を備えた500mLの四つ口フラスコに、得られた粗BPDC11.5gおよびメタノール143.9g、水143.9gを加えて、窒素気流下、60℃、3時間懸濁洗浄を実施した。懸濁液を固液分離した後、水153.0gで洗浄し、回収した結晶を80℃で通風乾燥することにより、BPDC9.6gを得た(歩留95.4モル%)。得られたBPDCの組成を表2に示す。
Figure 2023152807000005
Figure 2023152807000006
表1に示す通り、軽油中、酢酸のアルカリ金属塩の存在下、原料のBPがカリウム塩で反応を実施した本発明の実施例1、2は、酢酸のアルカリ金属塩を添加していない比較例1、4、5やベンジルアルコール中の反応である比較例2、3、原料のBPがナトリウム塩である比較例6と比較して、BPDC生成率が大幅に向上していることが分かる。また、表2に示す通り、さらに精製工程を実施することにより不純物を有意に除去可能であることが分かる。

Claims (14)

  1. 軽油中で、式(1)
    Figure 2023152807000007
    [式中、Mはカリウム、リチウム、ルビジウムまたはセシウムを示す]
    で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩と二酸化炭素とを、酢酸のアルカリ金属塩の存在下で反応させる工程を含む、式(2)
    Figure 2023152807000008
    で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸の製造方法。
  2. Mはカリウムである、請求項1に記載の方法。
  3. 4,4’-ジヒドロキシビフェニルジアルカリ金属塩と二酸化炭素との反応を、二酸化炭素圧力0.1~10MPaの条件下で行う、請求項1に記載の方法。
  4. 前記反応工程は、温度100~300℃の条件下で行う、請求項1に記載の方法。
  5. 酢酸のアルカリ金属塩は酢酸カリウムである、請求項1に記載の方法。
  6. 前記反応工程によって得られた反応液に水を添加した後、有機層と水層に分液し、得られた水層を酸析することにより、前記式(2)で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸を含む粗組成物を得る工程を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記粗組成物をさらに精製する工程を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記精製工程は懸濁洗浄、再結晶、および再沈殿からなる群から選択される1種以上の工程を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記精製工程は懸濁洗浄工程を含む、請求項7に記載の方法。
  10. 前記精製工程で使用する溶媒は、水、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、2-エチルヘキサノール、エチレングリコール、グリセリン、酢酸、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、4-メチルテトラヒドロピラン、クロロホルム、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸プロピルおよび酢酸ブチルからなる群から選択される1種以上である、請求項7に記載の方法。
  11. アルカリ金属の含有量が1000ppm未満である、前記式(2)で表される4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸。
  12. アルカリ金属はナトリウムおよび/またはカリウムである、請求項11に記載の4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸。
  13. アルカリ金属はナトリウムである、請求項11に記載の4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸。
  14. ナトリウムの含有量は100ppm未満である、請求項13に記載の4,4’-ジヒドロキシビフェニル-3,3’-ジカルボン酸。
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