JP4293504B2 - N−置換ホルミルイミダゾール類の製造方法 - Google Patents

N−置換ホルミルイミダゾール類の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、利尿剤、降圧剤、抗ガン剤等医薬品の原料として有用なN−置換ホルミルイミダゾール類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホルミルイミダゾールは近年注目されている化学品であり、その製造法としては、2−アルキル−4−ヒドロキシメチルイミダゾールをt−ブチルアルコール等のアルコール溶媒中で貴金属触媒の存在下に接触酸化してアルキルホルミルイミダゾール類を得る方法(例えば、特許文献1参照。)が知られ、また、アルカリ水溶媒中で、5−ヒドロキシメチルイミダゾール類を貴金属触媒の存在下に、炭素数1〜3のアルコールを共存させて接触酸化する方法(例えば、特許文献2参照。)も知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−116243号公報
【特許文献2】
特開2001−2653号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に開示の方法では溶媒として低級カルボン酸、アルコール、ケトン、エーテル、カルボン酸エステル及びその含水物等が例示されているが、実用的には酢酸やt−ブタノールが用いられているのみである。更にこの系での反応では酸素を過剰に吹き込む必要があり、工業的に難点がある。工業的に実施可能な程度にまで酸素の使用量を低減させると、反応時間が長くなり純度や収率が低くなってしまうという新たな問題点が生じる。また、上記文献には水と相溶性のある溶媒を使用する場合は含水溶媒を使用するのが有利であるとの記載もあるが、メタノールやエタノール等の溶媒を含水状態で用いると、得られたホルミルイミダゾール類の収率や純度が低くなり、しかも反応終了後、濃縮操作で水を除去するため加熱が必要となり目的物の着色が起ったり、またN−置換ヒドロキシメチルイミダゾール類を原料とした場合ではN−置換イミダゾールカルボン酸類になってしまうという問題点がある。
また、特許文献2に開示の方法では反応がスラリー系で反応時間が長くなったり、反応系から目的物を単離する場合に水の濃縮により着色したり、工業的な方法としては必ずしも有利であるとは言い難く問題があり、更に上述したごとく水系の溶媒を使用する時の欠点であるN−置換イミダゾールカルボン酸類が副生してしまうという問題点は避けられない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
しかるに本発明者は、メタノール溶媒中で、N−置換ヒドロキシメチルイミダゾール類を貴金属触媒の存在下に、接触酸化させてN−置換ホルミルイミダゾール類を製造するにあたり、一般的には低級アルコールが酸化を受けやすい化合物にもかかわらず、本発明のごときN−置換ヒドロキシメチルイミダゾール類の酸化という特定の反応では、意外にも該アルコールが酸化されずに純度の高いN−置換ホルミルイミダゾール類を収率良く製造でき、反応終了後溶媒の除去の際にも目的物が着色をおこすことなく、更には、N−置換ヒドロキシメチルイミダゾール類を接触酸化した場合にもN−置換イミダゾールカルボン酸の副生は全くなく、N−置換ホルミルイミダゾール類を有利に得ることができ、本発明を完成するに至った
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の反応は下記式で示される。
【化1】
Figure 0004293504
【0007】
ここでRは炭素数1〜15のアルキル基、置換アルキル基(アルキル基中の水素がシアノ基、アミノ基、ハロゲン等のいずれかで置換されたもの)、ベンジル基、アリール基、置換アリール基(アリール基中の水素がアルキル基または、ハロゲンで置換されたもの)、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基のいずれかである。
なお、上記のホルミル基はイミダゾール環の2位、4位、5位の炭素のいずれに結合していても良い。更にホルミル基の結合していない炭素にはハロゲン、アルキル基、アリール基、ベンジル基等の置換基が結合していても良い。
【0008】
本発明の原料となるN−置換ヒドロキシメチルイミダゾール類は上記のような所望されるN−置換ホルミルイミダゾール類により任意に選択されればよく、具体的には、N−置換ヒドロキシメチルイミダゾール類が挙げられ、N−置換ヒドロキシメチルイミダゾール類としては、(1)1−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、(2)1−n−プロピル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール、(3)1−(2−シアノエチル)−4−ヒドロキシメチルイミダゾール、(4)1−ベンジル−2−ヒドロキシメチルイミダゾール、(5)1−ベンジル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、(6)1−ベンジル−2−ブチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、(7)1−トリチル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる
【0009】
本発明で使用する貴金属触媒は、白金、パラジウム、金やそれらの塩、酸化物等であり、その中でも白金及びパラジウムが実用的である。又かかる貴金属触媒には、ビスマス、セリウム、鉛、インジウムやそれらの塩、酸化物等(特にはビスマス)の助触媒を併用することが好ましい。
本発明で用いる貴金属触媒や助触媒はそのまま、あるいは必要に応じて活性炭、シリカ、アルミナ等の担体に1〜20重量%程度担持された状態で用いられる。
またかかる触媒は、発火することがあるので、通常30〜70重量%の含水状態で使用される。
【0010】
本発明では接触酸化反応時に、メタノールを使用することが必須条件であり、かかる溶媒の使用により目的物の収率と品質の向上が可能となる。
【0011】
本発明では接触酸化反応時に、更にアルカリを使用するのが好ましく、かかるアルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート等が挙げら、その中でも水酸化ナトリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラートが好ましい。
【0012】
貴金属触媒の使用量は原料のN−置換ヒドロキシメチルイミダゾール類に対して0.001〜50モル%が好ましく、更には0.01〜20モル%である。かかる使用量が0.001モル%未満では反応時間が長くなることがあり、50モル%を超えても反応時間の短縮の効果がそれほど発揮できないことがあり好ましくない。上記の助触媒を併用する時は通常貴金属触媒に対して10〜80モル%程度使用される。
【0013】
メタノールの使用量はN−置換ヒドロキシメチルイミダゾール類に対して1〜30倍重量が好ましく、使用量が1倍重量未満では、溶存酸素が少なくなって反応が長時間に及び生産性が悪く着色を引き起こす場合があり、30倍重量を越えると反応終了後の濃縮に時間がかかり、更には装置効率が損なわれることがあり好ましくない。
【0014】
アルカリの使用量は、原料のN−置換ヒドロキシメチルイミダゾール類に対して0.01〜2.0倍モルから選択されるが、該イミダゾール類に対して0.01〜1倍モルが好ましく、更には0.05〜0.5倍モルである。0.01倍モル未満では、反応時間が長くなることがあり、1倍モルを超えても収率の向上が見られないことがあり好ましくない
アルカリは粉末状態、顆粒状態、水溶液状態、有機溶媒溶液状態等の任意の形態で使用可能である。
【0015】
但し、本発明では、反応系に水が共存すると、特にN−置換ホルミルイミダゾール類を製造する場合は、N−置換イミダゾールカルボン酸類が副生することがあり、また、水溶性のN−未置換ホルミルイミダゾール類を製造する場合、反応終了後の濃縮操作により着色や収率低下が起こることがあり好ましくないので、原料に対して5倍重量、望ましくは3倍重量以下にする必要がある。
【0016】
接触酸化反応に際しては、上記の系内に酸素あるいは空気を導入して酸化したり、あるいは過酸化水素等の過酸化物で酸化してもよいが、取扱いが容易な点で酸素あるいは空気、更には酸素で接触酸化する方法が好ましい。酸素あるいは空気を導入して接触酸化する方法では、系は常圧でも加圧でもよい。
酸素を導入する場合の酸素の導入速度は、原料のN−置換ヒドロキシメチルイミダゾール類1gに対して0.01〜3.0ミリリットル(標準状態換算)/分〔以下単にミリリットル/分と略記する〕が好ましく、更には0.1〜2.0ミリリットル/分である。かかる導入速度が0.01ミリリットル/分未満では酸化反応が充分に進まないことがあり、3.0ミリリットル/分を超えても酸化速度の向上が見られないことがあり好ましくない。
なお、空気を導入して接触酸化する時には、酸素の導入速度が上記の割合になるようにすればよい。
【0017】
接触酸化反応を実施するに当たっては、通常反応器に上記のアルコール触媒、、触媒、原料のN−置換ヒドロキシメチルイミダゾール類、必要に応じてアルカリを仕込み、これに酸素あるいは空気を吹込めばよい。
各成分の仕込は、一括仕込み、分割仕込み、連続仕込み等いずれも実施可能であるが、酸素あるいは空気以外は一括仕込みが有利である。
反応温度としては0℃〜還流温度が好ましく、更には10〜80℃である。0℃未満では反応速度が遅くなることがあり、還流温度を超えると不純物の副生が多くなることがあり好ましくない。
【0018】
本発明においては反応時に系の撹拌効率を特定化すると更に効果が発揮され、PV値を0.3kW/m以上、更には0.6〜3.0kW/m、特には1.0〜2.0kW/mとするのが好ましい。ここでPV値とは流体単位体積当たりの撹拌所要動力を意味し、撹拌機の撹拌動力(kW)/反応液の体積(m)で定義される。PV値が0.3kW/m未満では反応が十分に進行せず、反応に長時間を必要としたり、副生物の生成が増加することがある。
撹拌機の種類は限定されず、例えば三枚後退翼、フルゾーン翼、タービン翼、マックスブレンド翼等任意のものが挙げられる。
【0019】
接触酸化反応時間は特に制限されず、原料のN−置換ヒドロキシメチルイミダゾール類が消失して酸素の吸収が停止した時点で反応を終了させるが、通常は2〜4時間程度と短い反応時間が本発明の一つの特徴である。反応終了液から触媒を濾別する。
濾液には生成したN−置換ホルミルイミダゾール類が存在するのでこれを単離する。かかる単離方法としては、該濾液に塩酸や硫酸等を添加してアルカリを中和した後、析出した塩を除去してから、抽出、濃縮を行ったり、溶媒置換したり冷却して目的物の結晶を析出させる等の任意の方法が行われる。必要であれば更に活性炭処理、再結晶法等の精製が行われる。
本発明の方法によれば、N−置換ホルミルイミダゾール類の収率は、N−置換ヒドロキシメチルイミダゾール類に対して80%以上とすることができる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明を実例を挙げて詳述する。「%」は重量基準である。
実施例1
内径100mmφのセパラブルフラスコにタービン翼(翼径60mmφ)と酸素吹き込み管及び温度計を取り付けた反応装置に、メタノール650g、1−n−プロピル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール70g(0.5モル)、白金−ビスマス系触媒〔活性炭に白金5%(1.8ミリモル)及びビスマス2%(0.7ミリモル)を担持、含水率50%〕14g、28%ナトリウムメチラートメタノール溶液48g(0.25モル)を仕込み、40℃で該イミダゾール1gに対して1.4ミリリットル/分で酸素を吹込みPv値を1.3kW/mで撹拌しながら反応した。3時間後、原料が消失したので触媒を濾過し濾液に濃硫酸を加えてナトリウムメチラートを中和し析出物を濾別して除去した。濾液中のメタノールを30℃、30分間で減圧留去し残渣をクロロホルムで抽出し、そのクロロホルム層を30℃で20分間で濃縮し無色油状の1−n−プロピル−4−ホルミルイミダゾールを64.5g(HPLCによる純度99.2%、0.466モル)を得た〔収率93.3%〕。
赤外線分析、NMR分析の結果、1−n−プロピル−4−ホルミルイミダゾールであることを確認した。
【0021】
実施例2
実施例1において、メタノール650gを900gに、1−n−プロピル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール70gを1−ベンジル−2−ヒドロキシメチルイミダゾール94g(0.5モル)に、28%ナトリウムメチラートのメタノール溶液48gを5.0gに、白金−ビスマス系触媒14gを9.0gに変更し、酸素を20℃で該イミダゾール1gに対して1.1ミリリットル/分の速度で吹き込んだ以外は、同様にして反応を行い、微黄色油状の1−ベンジル−2−ホルミルイミダゾールを86g(HPLCによる純度99.5%、0.464モル)得た〔収率92.2%〕。
赤外線分析、NMR分析の結果、1−ベンジル−2−ホルミルイミダゾールであることを確認した。
【0022】
実施例3
実施例2において、1−ベンジル−2−ヒドロキシメチルイミダゾールに替えて1−ベンジル−4−ヒドロキシメチルイミダゾールを同量用いた以外は、同様にして白色結晶1−ベンジル−4−ホルミルイミダゾールを89g(HPLCによる純度99.3%、0.478モル)を得た〔収率95.6%〕。
赤外線分析、NMR分析の結果、1−ベンジル−4−ホルミルイミダゾールであることを確認した。
【0023】
実施例4
実施例1の反応装置に、メタノール500g、1−トリチル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール17g(0.05モル)、白金−ビスマス系触媒〔活性炭に白金5%(0.4ミリモル)及びビスマス2%(0.2ミリモル)を担持、含水率50%〕3.5g、ナトリウムメチラート粉末1.35g(0.025モル)を仕込み30℃で酸素を該イミダゾール1gに対して1.5ミリリットル/分で吹き込み、Pv値を1.3kW/mで撹拌しながら反応した。2時間後原料が消失したので触媒を濾過して濾液に水500gを加え析出した結晶を濾別し白色結晶の1−トリチル−4−ホルミルイミダゾールを15g(HPLCによる純度99.8%、0.44モル)得た〔収率88.6%〕。
赤外線分析、NMR分析の結果、1−トリチル−4−ホルミルイミダゾールであることを確認した。
なお、1−トリチル−4−ホルミルイミダゾールは、トリチル基というバルキーな置換基をもつ化合物であるため、過剰のメタノールには可溶なものの、そこに水を加えると不溶化して析出するので上記のごとく実施した。
【0024】
実施例5
実施例1の反応装置に、メタノール700g、1−(2−シアノエチル)−4−ヒドロキシメチルイミダゾール75.2g(0.5モル)、白金−ビスマス系触媒〔活性炭に白金5%(1.9ミリモル)及びビスマス2%(0.7ミリモル)を担持、含水率50%〕14g、28%ナトリウムメチラートメタノール溶液48g(0.25モル)を仕込み20℃で酸素を該イミダゾール1gに対して1.3ミリリットル/分で吹込み、Pv値を1.3kW/mで撹拌しながら反応した。3時間後、原料が消失したので触媒を濾過し濾液に濃硫酸を添加し、ナトリウムメチラートを中和し析出した塩を濾別して除去した。濾液中のメタノールを30℃、30分間で減圧留去し残渣をクロロホルムで抽出し、そのクロロホルム層を30℃、20分間で濃縮して、白色結晶の1−(2−シアノエチル)−4−ホルミルイミダゾールを63g(HPLCによる純度98.8%、0.423モル)得た〔収率84.5%〕。
赤外線分析、NMR分析の結果、1−(2−シアノエチル)−4−ホルミルイミダゾールであることを確認した。
【0025】
実施例6
実施例1の反応装置に、メタノール1000g、1−ベンジル−2−ブチル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール122g(0.5モル)、白金−ビスマス系触媒〔活性炭に白金5%(3.0ミリモル)及びビスマス2%(1.1ミリモル)を担持、含水率50%〕24g、28%ナトリウムメチラートメタノール溶液48g(0.25モル)を仕込み20℃で酸素を該イミダゾール1gに対して0.41ミリリットル/分で吹込み、Pv値を1.3kW/mで撹拌しながら反応した。4時間後原料が消失したので、触媒を濾過し濾液の中のナトリウムメチラートを濃硫酸で中和し析出した塩を濾別して除去した。濾液中のメタノールを30℃、30分間で減圧留去し残渣をクロロホルムで抽出し、そのクロロホルム層を30℃、20分間で濃縮して白色結晶の1−ベンジル−2−ブチル−4−ホルミルイミダゾールを104.5g(HPLCによる純度99.4%、0.431モル)を得た〔収率86.2%〕。
赤外線分析、NMR分析の結果、1−ベンジル−2−ブチル−4−ホルミルイミダゾールであることを確認した。
【0026】
実施例7
実施例1の反応装置に、メタノール950g、1−ベンジル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール101g(0.5モル)、白金−ビスマス系触媒〔活性炭に白金5%(2.5ミリモル)及びビスマス2%(0.9ミリモル)を担持、含水率50%〕20g、28%ナトリウムメチラートメタノール溶液48g(0.25モル)を仕込み20℃で酸素を該イミダゾール1gに対して0.5ミリリットル/分で吹込み、Pv値を1.3kW/mで撹拌しながら反応した。4時間後、原料が消失したので触媒を濾過し濾液中のナトリウムメチラートを濃硫酸で中和し析出した塩を濾別して除去した。濾液中のメタノールを30℃、30分間で減圧留去し残渣をクロロホルムで抽出し、そのクロロホルム層を30℃、20分間で濃縮して、白色結晶の1−ベンジル−4−ホルミル−5−メチルイミダゾールを87.5g(HPLCによる純度99.2%、0.437モル)得た〔収率87.4%〕。
赤外線分析、NMR分析の結果、1−ベンジル−4−ホルミル−5−メチルイミダゾールであることを確認した。
【0027】
実施例8
実施例1の反応装置に、メタノール500g、1−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール56g(0.5モル)、白金−ビスマス系触媒〔活性炭に白金5%(0.7ミリモル)及びビスマス2%(0.3ミリモル)を担持、含水率50%〕5.5g、28%ナトリウムメチラートメタノール溶液48g(0.25モル)を仕込み20℃で酸素を該イミダゾール1gに対して0.89ミリリットル/分で吹込み、Pv値を1.3kW/mで撹拌しながら反応した。4時間後、原料が消失したので触媒を濾過し濾液中のナトリウムメチラートを濃硫酸で中和し析出した塩を濾別して除去した。濾液中のメタノールを30℃、30分間で減圧留去し残渣をクロロホルムで抽出し、そのクロロホルム層を30℃、20分間で濃縮して、白色結晶の1−メチル−5−ホルミルイミダゾールを51.5g(HPLCによる純度99.6%0.471モル)得た〔収率94.2%〕
赤外線分析、NMR分析の結果、1−メチル−5−ホルミルイミダゾールであることを確認した。
【0031】
実施例12
実施例1の反応装置に、メタノール900g、2−ブチル−4−クロロ−5−ヒドロキシメチルイミダゾール94g(0.5モル)、28%ナトリウムメチラートメタノール溶液106g(0.55モル)、白金−ビスマス系触媒〔活性炭に白金5%(2.3ミリモル)及びビスマス2%(0.9ミリモル)を担持、含水率50%〕18gを仕込み酸素を該イミダゾール1gに対して1.3ミリリットル/分の速度で吹き込み、Pv値を1.1kW/mで撹拌しながら20℃で反応した。3時間後、原料が消失したので触媒を濾過し濾液を濃硫酸で中和し析出した塩を濾別して除去した。濾液中のメタノールを30℃、30分間で減圧留去し残渣をクロロホルムで抽出し、そのクロロホルム層を30℃、20分間で濃縮して、白色結晶の2−ブチル−4−クロロ−5−ホルミルイミダゾールを178g(HPLCによる純度99.5%、0.478モル)得た〔収率95.5%〕。
赤外線分析、NMR分析の結果、2−ブチル−4−クロロ−5−ホルミルイミダゾールであることを確認した。
【0032】
比較例1
実施例1において、メタノール650gの替りに水を同量用いた以外は同様に接触酸化反応を実施した。反応液の生成物を分析したところ、1−n−プロピル−4−ホルミルイミダゾールが0.24モル〔収率48%〕と1−n−プロピル−4−イミダゾールカルボン酸が0.2モル〔収率40%〕が生成しており、1−n−プロピル−4−ホルミルイミダゾールの収率は低かった。
【0034】
比較例
実施例1において、メタノール650gの替りにt−ブタノールを同量用いた以外は同様に実施したところ、原料が消失するまで14時間かかり、その後同様にして油状の1−n−プロピル−4−ホルミルイミダゾールを60.7g(HPLCによる純度90.4%、0.4モル)を得た〔収率87.9%〕が、黄色の着色が認められた。
赤外線分析、NMR分析の結果、1−n−プロピル−4−ホルミルイミダゾールであることを確認した。
【0035】
【発明の効果】
本発明は、利尿剤や降圧剤、抗ガン剤等医薬品の原料として有用なN−置換ホルミルイミダゾール類を貴金属触媒の存在下に接触酸化法によって製造するに際して、溶媒にメタノールを使用することにより、高純度で着色のないN−置換ホルミルイミダゾール類が得られること、特に、N−置換ヒドロキシメチルイミダゾール類からは従来のアルカリ水溶媒系では得られなかったN−置換ホルミルイミダゾール類を収率良く製造することも可能となる。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)で示されるN−置換ヒドロキシメチルイミダゾール類をメタノール溶媒中で貴金属触媒の存在下に、接触酸化させることを特徴とするN−置換ホルミルイミダゾール類の製造方法。
    Figure 0004293504
    (式中、Rは炭素数1〜15のアルキル基、置換アルキル基(アルキル基中の水素がシアノ基、アミノ基、ハロゲン等のいずれかで置換されたもの)、ベンジル基、アリール基、置換アリール基(アリール基中の水素がアルキル基または、ハロゲンで置換されたもの)、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基のいずれかである。)
  2. 接触酸化反応時にアルカリを使用することを特徴とする請求項1記載のN−置換ホルミルイミダゾール類の製造方法。
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