JP2001348352A - シクロヘキサンジオン類の製造方法 - Google Patents

シクロヘキサンジオン類の製造方法

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JP2001348352A
JP2001348352A JP2000168356A JP2000168356A JP2001348352A JP 2001348352 A JP2001348352 A JP 2001348352A JP 2000168356 A JP2000168356 A JP 2000168356A JP 2000168356 A JP2000168356 A JP 2000168356A JP 2001348352 A JP2001348352 A JP 2001348352A
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JP2000168356A
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Kyoko Ono
恭子 小野
Toshisumi Miura
俊澄 三浦
Akito Watanabe
亜希人 渡邉
Masato Yamazaki
正人 山崎
Yasuyoshi Watabe
恭吉 渡部
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】2価フェノール類を水素化して、対応するシク
ロヘキサンジオン類を製造するにあたって、高価な貴金
属触媒の量を極力低減せしめ、よって経済的に有利に、
工業的に実施する方法を提供することを課題とする。 【解決手段】2価フェノール類を溶媒中において、第VI
II族金属からなる触媒およびアルカリ金属塩の存在下に
水素と反応させてシクロヘキサンジオン類を製造する
際、添加する該アルカリ金属塩の量が、2価フェノール
に対してモル比で0.95以上、1.0未満であること
を特徴とするシクロヘキサンジオン類の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシクロヘキサンジオ
ン類の製造方法に関する。1,3−シクロヘキサンジオ
ンは、医薬、農薬、感熱感圧染料の原料として有用な物
質である。
【0002】
【従来の技術】レゾルシノールを原料として、パラジウ
ム、ルテニウムなどの触媒を用いて水素と反応させて
1,3−シクロヘキサンジオンを製造する方法は、古く
から知られているものである。例えば、米国特許、J.
Am.Pharm.Assoc.Sience E
d.,49:786(1960)、J.Am.Che
m.Soc.,83,2739(1961)、J.Or
g.Chem.,39,409(1974)などであ
る。しかし、これらは全て塩基を2価フェノール類に対
してモル比で1以上添加しており、また触媒量も金属量
として2価フェノール類に対して1%以上必要としてい
る。すなわち、多量の触媒を必要とし工業的に実施する
には経済的に不利であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、2
価フェノール類を水素と反応して対応するシクロヘキサ
ンジオン類を製造する方法において、高価な貴金属触媒
の量を極力低減せしめ、よって経済的に有利に、工業的
に実施する方法を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、2価フェノー
ル類を溶媒中、第VIII族金属からなる触媒および塩基の
存在下に水素と反応して対応するシクロヘキサンジオン
類を製造する際、添加する塩基の量を、ある所定の量に
限定することにより、従来の10分の1以下の触媒量
で、高収率且つ高選択率で、対応するシクロヘキサンジ
オン類を得ることができることを見出して本発明を完成
した。
【0005】すなわち本発明は、2価フェノール類を溶
媒中において、第VIII族金属からなる触媒およびアルカ
リ金属塩の存在下に水素と反応させてシクロヘキサンジ
オン類を製造する際、添加する該アルカリ金属塩の量
が、2価フェノールに対してモル比で0.95以上、1
未満であることを特徴とするシクロヘキサンジオン類の
製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明における2価フェノール類
としては、例えば ハイドロキノン、レゾルシン、カテ
コールなどの無置換2価フェノール類、2−メチルハイ
ドロキノン、4−メチルレゾルシン、5−メチルレゾル
シン、5−エチルレゾルシン、5−イソプロピルレゾル
シン、5−n−ブチルレゾルシン、5−sec−ブチル
レゾルシン、5−tert−ブチルレゾルシン、3−メ
チルカテコール、4−メチルカテコール、4−エチルカ
テコール、4−イソプロピルカテコール、4−n−ブチ
ルカテコール、4−sec−ブチルカテコール、4−t
ert−ブチルカテコール等の炭素数1〜5の直鎖又は
分枝のアルキル基で置換された2価フェノール類などが
使用される。これらのうちでは、無置換2価フェノール
類が好ましく用いられ、より好ましくはレゾルシンであ
る。
【0007】本発明において反応は溶媒の存在下に行わ
れるが、使用できる溶媒としては、水、C〜Cアル
コール、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族
炭化水素、及び反応条件に不活性な全ての溶媒である。
好ましくは、水またはアルコール、又はそれらの混合物
が使用される。さらに好ましくは、目的とするシクロヘ
キサンジオン類を高選択率にて得られる水が好ましい。
添加する溶媒の量は、好ましくは、2価フェノール類に
対して重量比で1〜10の範囲であり、さらに好ましく
は1〜4の範囲である。2価フェノール類に対して溶媒
の量が1以下となると反応成績は著しく低下する。
【0008】本発明で用いる塩基はアルカリ金属塩であ
り、水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、有機酸塩であり、例
えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどである。使用
量は、原料2価フェノールに対しモル比で0.95以
上、1.0未満である。モル比が1より大きくなるに従
い2価フェノールの転化率が下がり、より多くの触媒が
必要となる。又、0.95より小さくなるとシクロヘキ
サンジオン類の選択率の低下が大きくなる。
【0009】本発明で使用する触媒としては、担体の無
いもしくは担体付のいずれかの通常の水素化―脱水素化
触媒であり、例えば、パラジウム、ルテニウム、白金、
及びロジウムからなる群から選ばれた金属触媒であり、
これらは単独で用いてもよいし2種以上を同時に使用し
てもかまわない。触媒の担体としては、アルミナ、シリ
カ、アルミナ−シリカ、粘土、ゼオライト、炭素などが
挙げられる。好ましくは担体付の触媒であり、担体とし
て好ましいのは炭素である。触媒担体上の金属濃度は広
い範囲で可能であるが、好ましくは1〜30重量%であ
り、さらに好ましくは1〜10重量%である。担体上の
金属触媒は原料となる2価フェノール類に対して0.0
05〜0.5重量%、好ましくは、0.02〜0.3重
量%である。
【0010】反応は、常圧から20kg/cmGの水
素圧下に通常3〜10時間、好ましくは、4〜7時間に
わたって行われる。水素は反応系に一括して封入しても
よく、あるいは連続して又は断続的に反応系に加えても
良い。反応温度は常温〜80℃、好ましくは30℃〜6
0℃の範囲である。所定の反応時間経過後、反応混合物
をろ過などの通常の方法で触媒から分離し、塩酸、硫酸
などの鉱酸で好ましくは塩酸でpHが少なくとも3に低
下するまで中和を行い、ろ過などの通常の分離手段によ
り目的物質を得ることができる。
【0011】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではな
い。
【0012】実施例1 100ml容量のSUS製耐圧容器にレゾルシン(以下
RSと略記する。)5.50g(0.05mol)、4
0%NaOH水溶液4.9g(0.049mol)、5
0%含水の5%Pd/C(カーボン担持型パラジウム、
エヌ.イー.ケムキャット社製)0.1g、及び水7.
06gを仕込み、水素圧5kg/cmGとなるように
連続的に水素をフィードしながら50℃で6時間反応さ
せた。反応終了後ろ過により触媒を濾別した後、液体ク
ロマトグラフィーにて分析した結果、RS転化率99.
8(mol%)、1,3−シクロヘキサンジオン(以下
CHDと略記する)選択率99.9(mol%)であっ
た。
【0013】比較例1 塩基として40%水酸化ナトリウム水溶液6.0g
(0.06mol)、溶媒として水6.4g添加した以
外は実施例1と同様に反応を行い、反応終了後ろ過によ
り触媒を濾別した後液体クロマトグラフィーを用いて分
析を行った。その結果、RS転化率89.6(mol
%)、CHD選択率99.7(mol%)であった。
【0014】比較例2 塩基として40%水酸化ナトリウム水溶液5.5g
(0.055mol)、溶媒として水6.7g添加した
以外は実施例1と同様に反応を行い、反応終了後ろ過に
より触媒を濾別した後液体クロマトグラフィーを用いて
分析を行った。その結果、RS転化率96.9(mol
%)、CHD選択率99.4(mol%)であった。
【0015】実施例2 塩基として40%水酸化ナトリウム水溶液4.9g
(0.049mol)、溶媒として水7.1g添加した
以外は実施例1と同様に反応を行い、反応終了後ろ過に
より触媒を濾別した後液体クロマトグラフィーを用いて
分析を行った。その結果、RS転化率100(mol
%)、CHD選択率99.9(mol%)であった。こ
の反応液を10℃以下に冷却しながら濃塩酸でpH3に
なるまで中和を行った。析出してきた結晶をろ過により
分離し7.3gのwetケーキを得た。このケーキを
7.0gの冷却水(5℃以下)で洗浄し濾過後、さらに
5gの冷却水でリンスし乾燥したところ、4.74gの
薄黄色結晶を得た。この結晶のNaCl濃度は0.33
重量%、水分0.21重量%、CHD純度99.7重量
%であった。GPCにより2量体、3量体の確認を行っ
たが未検出であった。
【0016】実施例3〜4 NaOH/RS比、又は反応温度を代えた以外は、実施
例1と同様に行った。その結果を表−1(表1)に示
す。
【0017】実施例5〜6 触媒をRh又はRuに、及びNaOH/RS比を変更し
た以外は、実施例1と同様に行った。その結果を表−1
(表1)に示す。
【0018】実施例7〜8 触媒量、反応時間とNaOH/RS比を変更した以外
は、実施例1と同様に行った。その結果を表−1(表
1)に示す。
【0019】実施例9〜10 NaOH/RS比、反応時間と水素圧を変更した以外
は、実施例1と同様に行った。その結果を表−1(表
1)に示す。
【0020】比較例3〜7 NaOH/RS比、及び反応時間を変更した以外は、実
施例1と同様に行った。その結果を表−1(表1)に示
す。
【0021】
【表1】
【発明の効果】本発明によれば、使用する触媒量を削減
することが可能となり大幅なコスト削減効果がある。
又、触媒濾過などの操作性が向上する。さらに、副生し
てくる塩化物(NaClなど)が削減できるため中和、
廃水処理工程の負荷が少なくすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邉 亜希人 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 山崎 正人 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 渡部 恭吉 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井化学 株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AB84 AC11 AC44 BA23 BA24 BA25 BA26 BA55 BB11 BB14 BB31 BC34 BE20 4H039 CA40 CA62 CB10 CC20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2価フェノール類を溶媒中において、第VI
    II族金属からなる触媒およびアルカリ金属塩の存在下に
    水素と反応させてシクロヘキサンジオン類を製造する
    際、添加する該アルカリ金属塩の量が、2価フェノール
    に対してモル比で0.95以上、1.0未満であること
    を特徴とするシクロヘキサンジオン類の製造方法。
  2. 【請求項2】2価フェノールがレゾルシンである請求項
    1記載の方法。
  3. 【請求項3】触媒がパラジウム、白金、ルテニウムまた
    はロジウムである請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】触媒が担体付であり、担体が炭素、アルミ
    ナ、シリカ、シリカーアルミナ、粘土、およびゼオライ
    トからなる群から選ばれた担体である請求項1記載の方
    法。
  5. 【請求項5】触媒金属の添加量が、2価フェノールに対
    して0.005重量%以上、0.5重量%以下である請
    求項1記載の方法。
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