JP2003335662A - 医薬用組成物および医薬の製造方法 - Google Patents

医薬用組成物および医薬の製造方法

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JP2003335662A
JP2003335662A JP2002145502A JP2002145502A JP2003335662A JP 2003335662 A JP2003335662 A JP 2003335662A JP 2002145502 A JP2002145502 A JP 2002145502A JP 2002145502 A JP2002145502 A JP 2002145502A JP 2003335662 A JP2003335662 A JP 2003335662A
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granulation
solvent
binder
pharmaceutical
pharmaceutical composition
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JP2002145502A
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English (en)
Inventor
Kazuaki Shiozawa
一晃 塩澤
Kaori Shimada
香織 島田
Kunio Fujiwara
国雄 藤原
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KOKANDOU SEIYAKU KK
Original Assignee
KOKANDOU SEIYAKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水や有機溶剤等の溶剤を使用しないで造粒し
た医薬用組成物および医薬の製造方法を提供する。 【解決手段】 薬効成分および/または医薬品添加物に
結合剤および造粒化助剤を配合し、無溶剤下で造粒した
医薬用組成物である。また、薬効成分および/または医
薬品添加物、結合剤および造粒化助剤を配合し、無溶剤
下で造粒した後、造粒化助剤を除去する医薬の製造方法
である。水または有機溶剤等の溶剤を加えることなく造
粒できるので、溶剤に対して不安定な薬効成分を含む場
合であっても支障なく使用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薬効成分および/
または医薬品添加物に結合剤および造粒化助剤を配合
し、無溶剤下で造粒した医薬用組成物と、医薬の製造方
法とに関する。
【0002】
【従来の技術】固形製剤の設計において、配合量が少な
い薬効成分の含量均一性の確保や、良好な成形性の確
保、流動性の悪い薬効成分の流動性の向上、配合禁忌の
薬効成分の分離、苦味等のマスキング、持続化等の目的
で、結合剤を用いて湿式造粒することが行われている。
上記湿式造粒には水を使用するのが一般的であり、水に
対して不安定な薬効成分または乾燥時の熱に対して不安
定な薬効成分を配合する固形製剤の設計においては製造
上に問題点があった。
【0003】一方、水に代えて有機溶剤を使用すること
も考えられるが、爆発、汚染などの危険性があるため防
爆施設など専用施設を必要とするなど工業的に有利なも
のではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水や
有機溶剤等の溶剤を使用しないで造粒することができる
医薬用組成物および医薬の製造方法を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、薬効成分および
/または医薬品添加物に、結合剤および造粒化助剤を配
合して無溶剤下で造粒すれば造粒化助剤が液状化し、そ
れに結合剤が溶解して造粒が開始され、水または有機溶
剤を加えて湿式造粒したときと同様の造粒物が得られる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明の医薬用組成物は、薬効成分および/または医薬
品添加物に、結合剤および造粒化助剤を配合し、無溶剤
下で造粒したことを特徴とする。
【0006】本発明では水または有機溶剤等の溶剤を加
えることなく造粒できるので、溶剤に対して不安定な薬
効成分を含む場合であっても支障なく使用可能である。
また本発明では、水に対して溶けにくく有機溶剤を使用
して造粒しなければならなかった薬効成分に対しても有
機溶剤を加えることなく無溶剤下で造粒することで所望
の造粒物を得ることができる。また有機溶剤を使用しな
いので防爆設備等の特殊な設備を設ける必要がない。
【0007】さらに本発明では、造粒化助剤が、融点未
満の温度にて単独または複数により液状化する固体物質
であるのが好ましい。これにより、必ずしも加温して造
粒することなく常温またはこれに近い温度で造粒できる
ので、熱に対して不安定な薬効成分を含む場合であって
も支障なく使用可能である。
【0008】本発明の上記医薬組成物はそれ自体で医薬
として使用可能であるが、無溶剤下で造粒した後、造粒
化助剤を除去して医薬を製造してもよい。すなわち、本
発明の医薬の製造方法は、薬効成分および/または医薬
品添加物に、結合剤および造粒化助剤を配合し、無溶剤
下で造粒した後、造粒化助剤を除去することを特徴とす
る。
【0009】このように本発明によれば、無溶剤下で造
粒しても溶剤を用いた際と同様の造粒が可能であるの
で、配合量が少ない薬効成分の含量均一性の確保や、流
動性の悪い薬効成分の流動性の向上、配合禁忌の薬効成
分の分離、苦味等のマスキング、持続化等を目的とした
固形製剤の製剤化に対応することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の医薬用組成物は、薬効成
分および/または医薬品添加物に、結合剤および造粒化
助剤を配合し、無溶剤下で単に造粒することにより得ら
れる。
【0011】<薬効成分>上記薬効成分としては、例え
ば医薬品製造指針 別冊 一般用医薬品製造[輸入]承認
基準(2000年版 薬業時報社)等に記載されている
薬物が含まれ、ビタミン剤、アスパラギン酸カリウム・
マグネシウム等量物、イノシトールヘキサネート、シス
テイン類、カルシウム塩類、グルクロン酸類、解熱鎮痛
剤、鎮静催眠剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳去痰剤、消炎酵
素剤、カフェイン類、副交感神経遮断剤、鎮痙剤、鎮吐
剤、強心利尿剤、交感神経興奮剤、殺菌消毒剤、制酸
剤、胃腸薬、消化剤、整腸剤、止瀉剤、鎮痛鎮痙剤、粘
膜修復剤、瀉下薬、浣腸薬、駆虫薬、原生薬、生薬エキ
ス末、ミネラル、ウルソデオキシコール酸、コンドロイ
チン硫酸またはその塩、タンパク、アミノ酸およびオリ
ゴ糖から選ばれる少なくとも一種が例示される。これら
の薬剤成分は1種または2種以上を通常使用される範囲
内で適量あるいは適当な配合割合で適宜添加することが
できる。
【0012】<医薬品添加物>また上記医薬品添加物と
しては、医薬品添加物辞典( 日本医薬品添加物協会編
集 薬事日報社、2000)に収載の種々のものが使用
可能で、常温で固体または液体の制限は特になく、賦形
剤、崩壊剤、崩壊助剤、結合剤、安定化剤、流動化剤、
滑沢剤、界面活性剤、可塑剤、緩衝剤、還元剤、甘味
剤、吸着剤、矯味剤、芳香剤、保存剤、光沢化剤、清涼
化剤、咀嚼剤、着色剤、着香料、香料、軟化剤、粘着
剤、pH調節剤および基剤から選ばれる少なくとも1種
が挙げられる。これらの医薬品添加物は1種または2種
以上を通常使用される範囲内で適量あるいは適当な配合
割合で適宜添加することができる。前記賦形剤として
は、乳糖、トウモロコシデンプン等のデンプン類、結晶
セルロース、D−マンニトール、無水リン酸水素カルシ
ウム、白糖、軽質無水ケイ酸、カルメロース、デキスト
リン等があげられる。
【0013】崩壊剤としては、カルボキシメチルスター
チナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウ
ム、L−HPC(低置換度ヒドロキシプロピルセルロー
ス)、クロスカルメロースカルシウム、クロスポビドン
等が挙げられる。滑沢剤としては、例えばステアリン酸
またはその塩(ステアリン酸マグネシウム、ステアリン
酸カルシウム等)、タルク、ショ糖脂肪酸エステル等が
挙げられる。
【0014】崩壊剤としては、例えばトウモロコシデン
プン、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナ
トリウム、クロスポビドン、L−HPC、部分α化デン
プン等が挙げられる。流動化剤としては、例えば軽質無
水ケイ酸、タルク、含水二酸化ケイ素等があげられる。
安定化剤としては、例えばジブチルヒドロキシトルエ
ン、亜硫酸塩等があげられる。保存剤としては、例えば
パラオキシ安息香酸エステル類等があげられる。矯味剤
としては、例えば白糖、D−ソルビトール、キシリトー
ル等があげられる。
【0015】常温で液体である薬効成分および医薬品添
加物を使用する場合には、取り扱いに困難が伴ったり、
また医薬用組成物を構成する他の薬効成分や医薬品添加
物などの常温固体物質にあらかじめ吸着させ実質的に常
温で固体にするなどの製造上の工夫が必要であることか
ら、薬効成分および医薬品添加物としては常温で固体の
ものを使用するのが好ましい。
【0016】<結合剤>結合剤としては、造粒化助剤が
液状化したものに可溶なものなら特に制限はなく使用可
能である。具体的にはヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(H
PC)、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ポ
リビニルアセタールジエチルアミノアセテート、カルボ
キシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルナウバロ
ウ、サラシミツロウ、パラフィン、モノグリセリン酸パ
ルミテート、モノグリセリン酸ステアレート、セラッ
ク、アルギン酸ナトリウム、パラフィン、マクロゴール
などのワックス類、α化デンプン、デキストリン、アラ
ビアゴム、ゼラチン、プルラン、カンテン等があげられ
る。これらを単独または2種以上を組み合わせて使用す
ることができる。
【0017】中でも、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シエチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、α
化デンプン、アラビアゴム、ゼラチンおよびプルランか
ら選ばれる少なくとも1種を使用するのが好ましく、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロースおよびポリビニルピロリドンから選ばれる
少なくとも1種を使用するのがより好ましい。
【0018】<造粒化助剤>本発明でいう「造粒化助
剤」とは、常温では固体であるが、物理的、化学的ある
いは物理化学的等の現象によって液状化するものが該当
する。これらを必要に応じて1種または2種以上を適宜
選択して使用すればよい。液状化の詳しいメカニズムは
不明であるが、結合剤に造粒化助剤を無溶剤下で配合す
ることにより生じる現象としては、融点降下、共融混合
物生成による液状化などが想定される。
【0019】本発明では造粒化助剤として、単独または
複数により液状化する固体物質を、好ましくは常温また
は融点未満での加温で単独または複数により液状化する
固体物質を、より好ましくは常温で単独または複数によ
り液状化する固体物質を使用するのがよい。なお、本発
明における「液状化」とは、造粒化助剤が完全に液状化
することをいうだけでなく、部分的な液状化、湿潤化を
含む。このような部分的な液状化または湿潤化の例とし
ては、複数の造粒化助剤の配合によって互いに接触した
部分のみが選択的に液状化または湿潤し、互いに接触し
ていない部分においては液状化または湿潤していない場
合などが挙げられる。また「造粒化助剤の液状物による
結合剤の溶解」とは、液状物に結合剤が完全溶解してい
る程度から部分的な溶解、さらに通常結合剤を粉末添加
で仕込み水を用いて湿式造粒する際に結合剤が湿潤する
程度を含むものである。「融点未満の加温」とは、配合
する造粒化助剤の中で、最も低い融点を有する造粒化助
剤の融点未満の温度をいう。具体的にはその融点よりも
10〜98%、好ましくは30〜95%、より好ましく
は60〜90%の低い温度に加温すればよい。ただし、
加温する温度が常温未満になる場合には常温で行えばよ
い。
【0020】また複数により液状化する固体物質とは、
各固体物質が液状化して結合剤を溶解させる場合の他、
一の固体物質(例えば2成分を配合する場合には1成
分、3成分以上を配合する場合には1成分または2成
分)が、他の固体物質の液状化を引き起こして液状化さ
せる場合(一の固体物質は液状化していない)などが挙
げられる。さらに本発明では、単独または複数により液
状化する固体のうち、ある特定のもの以外は複数を併用
することによって液状化する固体を使用し、結合剤を溶
解させ造粒を行うのがよい。なお、単独により液状化す
る固体である場合に他の造粒化助剤を共存させて液状化
を促進させてもよいことはいうまでもない。
【0021】単独により液状化する固体としては、融点
が35℃未満、好ましくは常温〜30℃未満の低融点物
質が該当し、具体的にはdl−メントールなどが挙げら
れる。また複数により液状化する固体としては、l−メ
ントールと、dl−メントール、コハク酸トコフェロー
ル、オリザノール、ボルネオール、カンフル、チモー
ル、抱水クロラール、抱水ブチルクロラール、抱水テル
ピン、テルピネオール、アミノピリン、カフェイン、バ
ルビタール、フェノール、サリチル酸フェニル、ウレタ
ン、ブロムカンフル、アンチピリン、アセトアニリド、
ピラビタール、フェノバリン、ミグレニンおよびラクチ
ルフェニラミンから選ばれる少なくとも1種との組み合
わせ、チモールと、メントール、サリチル酸フェニル、
ウレタン、アセトアニリド、アンチピリン、ボルネオー
ル、カンフル、抱水クロラール、抱水ブチルクロラー
ル、テルピネオールまたはその誘導体、カンフルおよび
抱水テルピンから選ばれる少なくとも1種との組み合わ
せ、カンフルと、アンチピリン、フェノール、レゾルシ
ン、サリチル酸またはその誘導体、メントール、チモー
ル、ボルネオール、抱水クロラール、抱水ブチルクロラ
ール、抱水テルピンおよびテルピネオールから選ばれる
少なくとも1種との組み合わせ、アンチピリンと、サリ
チル酸またはその誘導体、抱水クロラール、抱水ブチル
クロラール、抱水テルピン、テルピネオールまたはその
誘導体およびメントールから選ばれる少なくとも1種と
の組み合わせ、などが挙げられる。
【0022】なお、これらは天然物から抽出、精製した
ものでも、あるいは化学的に合成したものでもよい。ま
た光学異性体や立体異性体が存在する場合に特定の記載
がない場合は全てを使用することができる。
【0023】粒径は特に制限はないが、結合剤や、組成
物を構成する他の成分との配合性を高める上では粒径が
小さいものが好ましい。通常10〜2000μm、好ま
しくは20〜1000μm、より好ましくは50〜50
0μmの範囲の粒状または粉状のものを使用するのがよ
い。
【0024】本発明では、上記例示した中から昇華性を
有する造粒化助剤(複数の場合は少なくとも1成分)を
使用すれば、造粒を行って医薬用組成物を得た後に、目
的に応じて通気乾燥、真空乾燥などの簡易な手段によっ
て当該医薬用組成物の系外に容易に除去することができ
る。さらに液状化する造粒化助剤(複数の場合は少なく
とも1成分)が、昇華性を有するものであればより好ま
しい。
【0025】従って、本発明ではl−メントールと、d
l−メントール、コハク酸トコフェロール、オリザノー
ル、ボルネオール、カンフル、チモール、抱水テルピ
ン、アミノピリン、カフェイン、バルビタール、フェノ
ール、サリチル酸フェニル、ウレタン、ブロムカンフ
ル、アンチピリン、アセトアニリド、ピラビタール、フ
ェノバリン、ミグレニンおよびラクチルフェニラミンか
ら選ばれる少なくとも1種との組み合わせ、チモール
と、メントール、ウレタン、ボルネオール、カンフルお
よび抱水テルピンから選ばれる少なくとも1種との組み
合わせ、カンフルと、アンチピリン、フェノール、メン
トール、チモール、ボルネオールおよび抱水テルピンか
ら選ばれる少なくとも1種との組み合わせ、およびdl
−メントール単独の使用が、本発明では好適である。
【0026】造粒化助剤の配合量には特に制限はない
が、医薬用組成物全量に対して3重量%以上、好ましく
は5〜40重量%、より好ましくは6〜30重量%、さ
らに好ましくは10〜25重量%であるのがよい。
【0027】複数の造粒化助剤を配合する場合の配合比
は特に制限はなく、使用する造粒化助剤の種類等により
適宜選択すればよい。例えば2成分の造粒化助剤を配合
する場合に、一の造粒化助剤と他の造粒化助剤とが共に
液状化する場合は、通常、重量比(前者:後者)で0.
01〜1:1、好ましくは0.3〜1:1、より好まし
くは0.3〜0.7:1の範囲になるように配合すれば
よい。また一の造粒化助剤が他の造粒化助剤の液状化を
引き起こし液状化させる場合(他の造粒化助剤のみが液
状化している)には、通常、重量比(前者:後者)で
1:0.1〜1、好ましくは1:0.2〜1、より好ま
しくは1:0.3〜0.8の範囲になるように配合すれ
ばよい。3成分以上の造粒化助剤を配合する場合には、
各々が上記割合になるように適宜配合すればよく、特に
制限されない。
【0028】造粒には一般的に用いられる混合、攪拌、
振とう(振り混ぜ、すり混ぜなど)などの作業をもって
行えばよい。その際、配合する順序は特に制限はなく任
意である。また必要に応じて混合機、振とう機、攪拌
機、造粒機などの機器を使用して配合すればよい。造粒
機としては、具体的には押出し造粒機、転動造粒機、攪
拌造粒機(混合攪拌造粒機、高速混合攪拌造粒機)、流
動造粒機、遠心転動造粒機、遠心転動流動造粒機等の製
剤機器を使用して造粒行えばよい。上記製剤機器の中で
押出し造粒機、攪拌造粒機が好ましく、攪拌造粒機がよ
り好ましい。攪拌造粒機としては例えばパウレック社製
のバーチュカルグラニュレータが挙げられる。造粒時間
は、結合剤の種類、造粒化助剤の添加量や造粒手段に応
じて適宜選択すればよく特に制限はないが、通常数分か
ら数時間行えばよい。また造粒においては、薬効成分や
医薬品添加物とは別に予め造粒化助剤を常温で液状化さ
せ、それに結合剤を添加して可溶化させてなる造粒用バ
インダを調製し、それを薬効成分や医薬品添加物などか
らなる混合物中に配合して造粒を行ってもよい。
【0029】本発明において使用する、薬効成分および
/または医薬品添加物、結合剤、造粒化助剤としては、
常温で固体のものか、あるいは本来は常温で液体である
が医薬品添加物などに吸着等を施して実質的に固体(固
形状)に製したものを使用するのが好ましく、より好ま
しくは医薬用組成物を構成する薬効成分および/または
医薬品添加物、結合剤、造粒化助剤としては常温で固体
のものを使用するのがよい。
【0030】本発明では、結合剤、薬効成分および/ま
たは医薬品添加物が熱に対して安定な場合には、完全に
融解しない温度、すなわち融点未満で造粒してもよい
が、常温で造粒するのが好ましい。上記造粒によって得
られた医薬用組成物は、必要に応じてパワーミルなどの
整粒機によって製粒したのち、乾燥機を用いて乾燥し、
再度必要に応じて整粒機を用いて整粒化してもよい。上
記乾燥機としては特に制限はないが、通常流動層乾燥
機、通風式箱型乾燥機、減圧乾燥機が使用される。使用
する薬効成分等の物性、乾燥機の種類等に応じて給気温
度、乾燥時間を適宜決定すればよい。
【0031】さらに造粒化助剤として昇華性を有するも
のを使用した場合には、造粒して医薬用組成物を得た後
に、目的に応じて上記乾燥手段で使用した機器等を利用
して当該医薬用組成物から造粒化助剤を系外に除去して
医薬を得てもよい。かくして得られた医薬用組成物また
は医薬は打錠して製剤化すればよい。打錠は、通常の打
錠機を用いて、常法に従って錠剤等の固形製剤とする。
【0032】また本発明では、打錠前または打錠後の医
薬用組成物または医薬に対して被覆剤(コーティング
剤)を用いて慣用の方法で被覆してもよい。前記被覆剤
としては、例えばHPC、HPMC、メチルセルロース
などの水溶性セルロース、ポリビニルアセタールジエチ
ルアミノアセテートなどの酸性領域で可溶な被覆剤、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート
またはアクリル系コポリマーなどの腸溶性基剤、エチル
セルロースなどの水不溶性の基剤、ゼラチン、セラッ
ク、アルギン酸ナトリウムのほか、カルナウバロウ、サ
ラシミツロウ、パラフィン、モノグリセリン酸パルミテ
ート、モノグリセリン酸ステアレート、パラフィン、マ
クロゴールなどのワックス類、デンプン類を加熱固化し
た糊液などがあげられる。これらは単独または2種以上
を組み合わせて、1層または2層以上からなる多層のコ
ーティング剤膜を形成することができる。
【0033】また本発明を利用し被覆剤を用いて医薬用
組成物または医薬を被覆してもよい。すなわち、造粒化
助剤以外で構成した医薬用組成物に、上述の結合剤にも
該当する被覆剤と、造粒化助剤とを無溶剤下で配合し、
被覆剤の剤膜を形成してもよい。さらにこれらの剤は、
白糖等の糖成分で糖衣層を、あるいは前出の医薬品添加
物辞典に収載されている被覆剤で剤皮を施すこともでき
る。さらには、有核錠、積層錠として製剤化してもよ
い。
【0034】さらに糖成分または被覆剤に他の成分、例
えば被覆助剤(ポリエチレングリコール、硬化ヒマシ油
等)、増量剤(乳糖、グラニュー糖などの糖類、デンプ
ン類等)、着色剤(タール結合剤、カラメル、ベンガ
ラ、酸化チタン、リボフラビン等)、矯味剤(甘味剤、
香料等)を適宜添加してもよい。
【0035】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるも
のではない。
【0036】実施例1 無水カフェイン100重量部、ヒドロキシプロピルセル
ロース6重量部、l−メントール15重量部およびdl
−カンフル7.5重量部を乳鉢に投入し造粒した。造粒
物を18メッシュ篩で篩過し、真空乾燥機で乾燥しなが
ら併せてl−メントールおよびdl−カンフルを除去す
ることにより、本発明の医薬を得た。
【0037】実施例2 dl−カンフルに代えてd−ボルネオールを7重量部用
いた以外は実施例1と同様にして本発明の医薬を得た。
【0038】実施例3 アスピリン250重量部、トウモロコシデンプン60重
量部、ヒドロキシプロピルセルロース40重量部、l−
メントール33重量部およびdl−カンフル17重量部
を用いた以外は実施例1と同様にして本発明の医薬を得
た。
【0039】実施例4 アズレンスルホン酸ナトリウム100重量部、乳糖83
50重量部、トウモロコシデンプン2000重量部、α
化デンプン1000重量部、結晶セルロース3500重
量部、炭酸水素ナトリウム1500重量部、l−メント
ール1500重量部およびdl−カンフル700重量部
を用いた以外は実施例1と同様にして造粒、乾燥をして
顆粒を得、その顆粒全量に対してステアリン酸マグネシ
ウム100重量部、軽質無水ケイ酸100重量部を配合
して本発明の医薬(顆粒)を得た。
【0040】実施例5 実施例4で得た顆粒を臼・杵を用いて打錠することによ
り本発明の医薬(薬効成分2mg/錠 直径9mm、重
量335mgの錠剤 )を得た。
【0041】比較例1 l−メントールおよびdl−カンフルに代えて水15重
量部を添加して造粒した以外は実施例1と同様にして顆
粒を得た。 比較例2 l−メントールおよびdl−カンフルに代えて水50重
量部を添加して造粒した以外は実施例3と同様にして顆
粒を得た。 比較例3 l−メントールおよびdl−カンフルに代えて水2.5
重量部にて造粒した以外は実施例4と同様にして顆粒を
得た。 比較例4 比較例3で得た顆粒を臼・杵を用いて打錠することによ
り、直径9mm、重量335mgの錠剤(薬効成分2m
g/錠)を得た。
【0042】(評価)実施例1〜4および比較例1〜3
で得た顆粒について流動性および外観について目視にて
評価した。流動性については実施例1〜4で得た顆粒は
比較例1〜3のそれと同等であった。また外観について
は、実施例4で得た顆粒はアズレンスルホン酸ナトリウ
ムが有する色が顆粒全体に展延しているため、むらのな
い均一な色味を有するものであった。一方、比較例3の
それはアズレンスルホン酸ナトリウムが顆粒全体に展延
しておらず、点在していることから青色の斑点が見ら
れ、外観を損ねるものであった。つぎに実施例5および
比較例4で得た錠剤(n=3)について、外観を目視に
て評価するとともに常法に従い硬度測定、崩壊性試験お
よび溶出試験を行った。なお、硬度測定は富山産業
(株)製の錠剤破壊強度測定器、崩壊試験は富山産業
(株)製の錠剤破壊強度測定器、溶出試験は富山産業
(株)製の溶出試験測定器(試験液:水)を使用して行
った。
【表1】 実施例5の錠剤は比較例4のそれに比べて外観が良好
で、かつ溶出率が高いことから、配合量が少ない薬効成
分の含量均一性の確保および成形性の確保においてより
適していることがわかる。
【0043】
【発明の効果】本発明では水または有機溶剤等の溶剤を
加えることなく造粒できるので、溶剤に対して不安定な
薬効成分を含む場合であっても支障なく使用可能であ
る。さらに本発明では、融点未満の温度にて単独または
複数により液状化する固体物質を使用すると、必ずしも
加温することなく、融点未満の室温またはこれに近い温
度で造粒できるので、熱に対して不安定な薬効成分を含
む場合であっても支障なく使用可能である。本発明によ
れば、無溶剤下で造粒しても溶剤を用いた際と同様の造
粒が可能であるので、配合量が少ない薬効成分の含量均
一性の確保や、流動性の悪い薬効成分の流動性の向上、
配合禁忌の薬効成分の分離、苦味等のマスキング、持続
化等を目的とした固形製剤の製剤化に対応することがで
きる利点がある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薬効成分および/または医薬品添加物に、
    結合剤および造粒化助剤を配合し、無溶剤下で造粒した
    ことを特徴とする医薬用組成物。
  2. 【請求項2】造粒化助剤が、融点未満の温度にて単独ま
    たは複数により液状化する固体物質である請求項1記載
    の医薬用組成物。
  3. 【請求項3】薬効成分および/または医薬品添加物に、
    結合剤および造粒化助剤を配合し、無溶剤下で造粒した
    後、造粒化助剤を除去することを特徴とする医薬の製造
    方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114699516A (zh) * 2022-04-14 2022-07-05 苏州中化药品工业有限公司 一种舍雷肽酶肠溶制剂及其制备方法与应用

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