JP2003332612A - フォトダイオード - Google Patents

フォトダイオード

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JP2003332612A JP2003115323A JP2003115323A JP2003332612A JP 2003332612 A JP2003332612 A JP 2003332612A JP 2003115323 A JP2003115323 A JP 2003115323A JP 2003115323 A JP2003115323 A JP 2003115323A JP 2003332612 A JP2003332612 A JP 2003332612A
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忠夫 石橋
Tomoshi Furuta
知史 古田
Naofumi Shimizu
直文 清水
Koichi Nagata
公一 永田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有効な内部量子効率とCR時定数を確保しつつ周
波数応答と飽和出力を改善するための素子構造を有する
フォトダイオードを提供する。 【解決手段】p形の第1の半導体層と、n形の第2の半
導体層と、これらの半導体層に挾まれかつ低いドーピン
グ濃度を持つ第3の半導体層と、上記第1の半導体層に
接して上記第3の半導体層の反対側に配設された上記第
1の半導体層よりもバンドギャップエネルギーが大きい
p形の第4の半導体層とを備え、上記第1の半導体層の
みが光吸収層として機能するようにバンドギャップエネ
ルギーが設定され、上記第3の半導体層が空乏化したキ
ャリア走行層として機能するようにドーピング濃度が設
定されていることを特徴とするフォトダイオードとす
る。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はIII−V族化合物
半導体、特にInGaAsP系材料を用いた長波長帯の
広帯域フォトダイオードの素子構造に関する。 【0002】 【従来の技術】長波長帯(1.5μm帯)の広帯域フォ
トダイオードは、InGaAsを光吸収層とするpin
形ダイオード(pin−PD)が一般的であり、この光
吸収層は電流を誘起するキャリア走行領域を共用する。
ここでは、発生したキャリアが電界で即座に加速される
べく、InGaAs光吸収層は動作状態で空乏化するよ
うに設計され、構造的にはInGaAs光吸収層をp形
およびn形のInPなどで挾んだ、いわゆるダブルヘテ
ロpin構造が採用される。これまでの例では、InG
aAs光吸収層の厚さが0.2μm程度の面光入射形素
子、および通常の導波路形の素子において、3dB帯域
(f3dB)として110GHzが報告されている。帯域
を制限する主な要因は、キャリアの走行に伴う周波数応
答の低下とCR時定数である(Cはダイオードの接合容
量、Rは、素子寄生抵抗+線路特性インピーダンス)。
光吸収層厚の変化に伴って容量も変化するので、キャリ
ア走行時間とCR時定数はトレードオフ関係にある。こ
の関係のため、面光入射形素子においては、一定のダイ
オード接合面積に対して、帯域が最大となる光吸収層厚
が存在する。また、光吸収層厚が減少する際に、キャリ
ア走行時間は改善されるが内部量子効率は低下するの
で、この両者もトレードオフ関係にある。導波路形素子
は導波路に沿って光を導入するため、面光入射形素子に
くらべ、内部量子効率を高くできる利点があり、キャリ
ア走行時間と内部量子効率とのトレードオフは改善でき
るが、キャリア走行時間とCR時定数とのトレードオフ
は基本的に変わらない。結局、キャリアの走行速度を増
大しないかぎり、面光入射形素子の量子効率とCR時定
数を保ちながら(導波路形素子ではCR時定数を保ちな
がら)、周波数応答(3dB帯域、f3dB)を大幅に伸
ばすことは困難である。これは、基本的には半導体の物
性に由来する。直接遷移形のIII−V族化合物半導体
は「ホールのドリフト速度が遅い」という性質があり、
そのために実行的なキャリアの走行時間は、ホールのド
リフト速度で支配されてしまう。すなわち、電子のドリ
フト速度が高いにもかかわらず、「ホールがキャリア走
行時間を決定する」ことが、この種のフォトダイオード
の基本的な問題である。一方、可能な出力電流を増大さ
せることも、光通信のレシーバなどにフォトダイオード
を応用する場合には重要である。高出力を得るために
は、キャリア走行領域のキャリア濃度を増大させなけれ
ばならない。しかしながら、ダイオードの応答は、内部
の空間電荷の発生に伴う電界変調の影響のため、高光入
力となると劣化する。すなわち、電子濃度に比べ残留す
るホール濃度が高くなり、その正電荷により走行層の電
界が平坦化し、ホールの引き抜きが悪くなるのである。
ここでも、ホールのドリフト速度が遅いことが制限要因
となっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上述
の従来技術における問題点を解消するものであって、有
効な内部量子効率とCR時定数を確保しつつ周波数応答
と飽和出力を改善するための素子構造を有するフォトダ
イオードを提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記本発明の課題を達成
するために、本発明は特許請求の範囲に記載のような構
成とするものである。すなわち、本発明は請求項1に記
載のように、p形の第1の半導体層と、n形の第2の半
導体層と、これらの半導体層に挾まれ、上記第1の半導
体層および第2の半導体層よりも低いドーピング濃度を
持つ第3の半導体層と、上記第1の半導体層に接して上
記第3の半導体層の反対側に配設された上記第1の半導
体層よりもバンドギャップエネルギーが大きいp形の第
4の半導体層とを備えた半導体pn接合構造を有するフ
ォトダイオードであって、上記第1の半導体層の少なく
とも一部が電荷中性条件を保つようにドーピング濃度が
設定され、かつ光吸収層として機能するようにバンドギ
ャップエネルギーが設定され、上記第3の半導体層が空
乏化したキャリア走行層として機能するようにドーピン
グ濃度が設定され、かつ上記第2および第3の半導体層
が光吸収層として機能しないように上記第1の半導体層
よりも大きいバンドギャップエネルギーに設定され、上
記第1の半導体層の価電子帯端のホールに対するエネル
ギーが上記第3の半導体層の価電子帯端のホールに対す
るエネルギーより低く設定されている構造のフォトダイ
オードとするものである。上記のような構成とすること
により、従来型が光吸収層とキャリア走行層は同一の空
乏化した半導体層を用いるのに対して、本発明ではキャ
リアの発生と走行を分離することができるようになるの
で、走行速度の大きなキャリアのみを使用することがで
き、応答速度や出力振幅特性を改善できる効果がある。
すなわち、本発明のフォトダイオードの構成手法によれ
ば、ドリフト速度の遅いホールが電流発生に関与するこ
とを排除し、その結果、従来の電子とホールの両キャリ
アを使用するフォトダイオードに比べ、より高速な動作
が可能となる。特に、本発明のフォトダイオードでは、
吸収層が比較的薄い、いわゆる超高速フォトダイオード
への応用で顕著な応答特性の改善効果がある。また、本
発明ではキャリアの発生と走行を分離できる構造である
ので、直接遷移型のIII−V族化合物半導体のホール
のドリフト速度が遅く、従来型構造における制約、すな
わち、「実行的なキャリアの走行時間はホールのドリフ
ト速度で支配され、電子のドリフト速度が高いにもかか
わらずホールがキャリア走行時間を決定する」という問
題を解消できる。本発明では、走行速度の大きなキャリ
アのみを使用することができるので、応答速度が速く、
出力振幅特性に優れたフォトダイオードが実現できる効
果がある。本発明のフォトダイオードの基本的な構成を
図1(a)、(b)に示す。なお、図1(a)は、面光
入射形フォトダイオードの断面構造を示す模式図、図1
(b)は、図1(a)の素子のバンドダイアグラムであ
る。11はp形光吸収層、12はn形電極層、13はキ
ャリア走行層、14はp形キャリアブロック層である。
15はアノード電極、16はカソード電極、17は半絶
縁性基板である。光吸収層は、バイアス状態で空乏化し
ないように、一定以上のドーピング濃度とし、InPキ
ャリア走行層は空乏化させるべく低いドーピング濃度に
設定する。光吸収層は、ほとんどの領域が中性となるこ
とが好ましいが、一部は空乏化しても構わない。フォト
ダイオードを動作させる際は、−0.5Vから−2.5V
程度に逆バイアスする。ただし、出力電流レベルが小さ
い時は0バイアスでも良い。素子の光応答は、以下に示
す通りに行われる。まず、半絶縁性基板17側から入射
した光は、n形電極層12とキャリア走行層13を通過
し、p形光吸収層11で吸収される。発生した電子とホ
ールのうち、電子はキャリア走行層13に拡散し外部回
路に誘導電流を発生する。ホールは直接アノード電極1
5に流れ込むので、走行層中の誘導電流にはほとんど寄
与しない。ここで、本発明のフォトダイオードの従来技
術との相違点について説明する。図5(a)は、従来の
ダブルヘテロpin−PDの断面構造を示す模式図で、
図5(b)に、そのバンドダイアグラムを示す。図にお
いて、51はp形電極層、52はn形電極層、53はキ
ャリア走行層、55はアノード電極、56はカソード電
極、57は半絶縁性基板である。この従来型のフォトダ
イオードでは、光吸収層とキャリア走行層は同一の空乏
化した半導体層を用いるので、等しい数の電子とホール
が生成され、それぞれn形電極層とp形電極層に到達す
る間、共に誘導電流を外部回路に発生させる。ここで、
誘導電流は、電子とホールの2種類の電流成分の和の形
で生じ、それがダイオードの周波数応答を決定する。I
nGaAs等の化合物半導体では、両キャリアのドリフ
ト速度が4〜8倍程度異なり、ドリフト速度の遅いホー
ルによって走行遅延時間特性がほとんど決まってしま
う。3dB帯域f3dBは、τhをホールの走行時間、vh
をホールドリフト速度、WTを空乏層幅とすると、 f3dB=3.5/(2πτh)=3.5vh/(2πWT)……(数1) で近似的に表わすことができる。一方、本発明のpin
−PD〔図1(a)〕は、ドリフト速度の遅いキャリア
が素子動作に直接関与しない構造としている。光吸収と
キャリア走行を機能的に分離しているので、全体の光応
答はキャリア注入と誘導電流発生の二段階のプロセスと
なる。キャリアドリフト速度に違いが無い場合には、従
来型のpin−PDよりも応答が遅くなる。しかしなが
ら、キャリアドリフト速度に一定以上の違いが有る場合
には、速度の速いキャリア(一般的には電子)を選択的
に使うことにより、逆に応答が早くなる。以下に、本発
明のpin−PDの動作を説明する。まず、光吸収層で
生成された電子とホールのうち、電子はキャリア走行層
に拡散する。ホールは光吸収層電荷中性条件を保つよう
に、単に電子の挙動に合わせて電気的に応答する。この
ホールの応答時間は、誘電緩和時間のそれであり極めて
短いものである。走行層へのキャリア注入の応答時間τ
Absは、光吸収層内の電子の拡散時間で決まるが、これ
は全光吸収層の厚さをWAbs、走行時間をτeAbs、電子
の移動度をμeとすると、バイポーラトランジスタのベ
ース走行時間の類推から、ベース走行時間として見積も
られるτの1/2すなわち、 τA=τeAbs/2=〔WAbs 2/(2kTμe/q)〕/2=〔WAbs 2/(2kT μe/q)〕/2 =WAbs 2/(4kTμe/q)∝WAbs 2……(数2) で近似できる。ここで、キャリア発生層の応答時間は、
層厚の2乗に比例する。 f3dB帯域は拡散の伝達関数:
1/(1+jωτ)の特性から、 f3dB=4/(2πτeAbs)……(数3) となる。上式と(数1)式を比較すると、τhとτeAbs
が等しい場合には、従来型と本発明の違いは少ないが、
電子の拡散速度がホールドリフト速度よりも大きくなる
構造においては、本発明の場合の方がはるかにf3dB
大きくなる。走行層の応答時間τTは、コンデンサ内走
行キャリアの伝達関数:{1−exp(−jωτ)}/
(jωτ)の特性から、電子のドリフト速度をve、電
子の走行時間をτeT、走行層幅をWTとして、 τT=WT/2ve=1/2τeT……(数4) また対応するf3dB帯域は、 f3dB=2.4/(2πτeT)……(数5) となる。上式と(数1)式を比較すると、vh=veの場
合には、従来型の方が3.5/2.4倍帯域が広いが、電
子速度がホール速度に対して3.5/2.4倍以上となる
際には、そのf3dBの関係は逆転する。周波数応答と共
に、出力振幅特性もpin−PDの重要な特性指標であ
る。出力飽和は、内部の空間電荷の発生に伴う電界変調
により生じるものであり、電子のみをキャリアとして使
うことにより、一定のキャリア濃度に対して、速度が高
い分だけ、より高い電流密度を許容し、したがって、よ
り高い出力振幅を可能とする。結局、従来型と本発明の
pin−PDとの差異は、従来型が「光吸収層とキャリ
ア走行層は同一の空乏化した半導体層を用いる」のに対
して、本発明では「キャリアの発生と走行を分離」する
ことにある。これにより「走行速度の大きなキャリアの
みを使う」ことにより、応答速度や出力振幅特性を改善
するものである。 【0005】 【発明の実施の形態】〈第1の実施の形態〉図2に、本
実施の形態で例示する面光入射形フォトダイオードのバ
ンドダイアグラムを示す。図において、21はp形のI
0.53Ga0.47As光吸収層、22はn形のInP電極
層、23はアンドープのInPキャリア走行層、24は
p形のIn0.73Ga0.27As0.60.4キャリアブロック
層、25はアノード電極である。In0.53Ga0.47As
光吸収層21は、バイアス状態で空乏化しないように一
定以上のドーピング濃度とし、InPキャリア走行層2
3は空乏化させるべく低いドーピング濃度に設定する。
In0.73Ga0.27As0.60.4キャリアブロック層24
のバンドギャップエネルギーはIn0.53Ga0.47As光
吸収層21のそれよりも200meV大きいので、少数
キャリアとしての電子が電極側に拡散するのをブロック
する。一例として、ドーピング濃度p=2×1018/c
2のp形In0.53Ga0.47As光吸収層を考える場
合、均一な光吸収の近似における応答時間τAは、電子
移動度μe=4000cm2/Vs、WAbs=0.2μmと
して、(数2)式からτ A=1ps、また、(数3)式
から帯域はf3dB=320GHzとなる。また、InP
キャリア走行層中の電子走行速度をve=4×107cm
/s、WT=0.2μmとして、(数4)式から応答時間
はτT=0.25ps、帯域は(数5)式からf3dB=7
64GHzとなる。全体の帯域は(1/f3dB 2total
=Σ(1/f3d B 2)の関係から、295GHzと計算さ
れる。従来型のpin−PDでは、同一の走行層厚(=
同一の量子効率)WT=0.2μmに対して、InGaA
s中のホール速度をvh=5×106cm/sとして、帯
域はf3dB=140GHzと計算される。本発明の構造
では、これに比べ2倍大きい。 【0006】〈第2の実施の形態〉図3に、本実施の形
態で例示する面光入射形フォトダイオードのバンドダイ
アグラムを示す。31はp形の傾斜バンドギャップIn
GaAsP光吸収層、32はn形のInP電極層、33
はアンドープのInPキャリア走行層、34はp形のI
0.73Ga0.27As0.60.4キャリアブロック層、35
はアノード電極である。InGaAsP光吸収層はバイ
アス状態で空乏化しないように一定以上のドーピング濃
度とし、InPキャリア走行層は空乏化させるべく低い
ドーピング濃度に設定する。 【0007】〈第3の実施の形態〉図4に、本実施の形
態で例示する面光入射形フォトダイオードのバンドダイ
アグラムを示す。41はp形のドーピング濃度を走行層
側に向けて傾斜させたIn 0.53Ga0.47As光吸収層、
42はn形のInP電極層、43はアンドープのInP
キャリア走行層、44はp形のIn0.73Ga0.27As
0.60.4キャリアブロック層、45はアノード電極であ
る。In0.53Ga0.47As光吸収層はバイアス状態で空
乏化しないように一定以上のドーピング濃度とし、In
Pキャリア走行層は空乏化させるべく低いドーピング濃
度に設定する。図3、図4で示したいずれの実施の形態
も、光吸収層に擬電界(中性域で少数キャリアのみに働
く電界)を発生させるための構造である。例えば、図3
の構造において、5kV/cmの擬電界を誘起させるた
めには、WAbs=0.2μmの吸収層厚にわたって100
meVのバンドギャップ傾斜が必要であり、具体的には
InGaAsPの組成を変えることにより実現できる。
また、図4の構造において5kV/cmの電界を誘起さ
せるためには、WAbs=0.2μmの吸収層厚にわたって
100meVのフェルミ準位傾斜が必要であり、具体的
にはInGaAsのドーピング濃度を47倍変えること
により実現できる。擬電界は、光吸収層内の電子を電界
ドリフトにより加速し応答時間τeAbsを低減する効果が
ある。拡散に対してドリフト効果が支配的とする近似で
は、吸収層内の電子速度は一定であり、光吸収層の厚さ
をWAbs、電界強度をE、電位変化をΔVG、電子の移動
度をμeとすると、走行時間は、 τeAbs=WAbs/(μeE)=WAbs/(μeEΔVG/WAbs)∝WAbs 2……(数6) となる。ここで、キャリア発生層の応答時間は、層厚の
2乗に比例する。均一な光吸収の近似における伝達関数
は、ここでは導出の詳細は省くが、{1−exp(−j
ωτ)}/(jωτ)と求められ、応答時間は、 τA=τeAbs/2……(数7) さらに、帯域f3dBは、 f3dB=2.4/(2πτeAbs)……(数8) となる。一例として、光吸収層厚WAbs=0.2μm、内
部電界E=5kV/cmの場合、電子移動度μe=40
00cm2/Vsとして応答時間を計算すると、τA=τ
eAbs/2=0.5psとなる。帯域はf3dB=2.4/
(2πτeAbs)=382GHzと計算される。図2の第
1の実施の形態の場合(キャリア拡散ケース)に比べて
応答時間が改善されることがわかる。内部電界効果が拡
散効果と同程度(例えば、E=5kV/cm)の場合
は、両効果が相乗的に働くので、現実には、このf3dB
帯域値よりも大きくなるものと予測される。吸収層厚を
薄くすると効果はいっそう顕著となる。WAbs=0.14
μmに対して、τA=0.25ps、f3dB=2.4/(2
πτeAbs)=764GHzとなり、大幅な改善が見込め
る。この場合走行層の応答が第1の実施の形態と同様で
あるとすると、全体の帯域はf3dB=540GHzとな
る。 【0008】 【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明のフ
ォトダイオードの構成手法によれば、ドリフト速度の遅
いホールが電流発生に関与することを排除し、その結
果、従来の「電子とホールの両キャリアを使用する」フ
ォトダイオードに比べ、より高速な動作が可能となる。
特に、本発明のフォトダイオードでは、吸収層が比較的
薄い、いわゆる超高速フォトダイオードへの応用で顕著
な応答特性の改善効果がある。一定のバンドギャップを
持つ典型的な吸収層(厚さ0.2μm)の例では、従来
型の帯域限界140GHzに対して、本発明で295G
Hzが見込まれる。また、擬電界を光吸収層に内蔵する
構造(厚さ0.14μm)では、帯域限界540GHz
に達する。さらに、キャリアの空間電荷による走行層の
電界変調が、電子速度/ホール速度に逆比例して抑制で
きるので、より高い電流密度を許容し、より高い飽和出
力を与えるものである。結局、本発明のフォトダイオー
ドが持つ基本的利点は高速動作にあり、100Gb/s
およびそれ以上の光信号の検出に有効に活用できるもの
である。高飽和出力の利点は、光通信のレシーバにおけ
るビット誤り率の改善に寄与できる。なお、本発明の実
施の形態において、主にInGaAsP系材料を用いた
面光入射形のフォトダイオードについて述べたが、同様
の構成手法は導波路型のフォトダイオードにおいても、
また、他のIII−V族化合物半導体材料を用いたフォ
トダイオードにおいても適用することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明のフォトダイオードの基本構成およびバ
ンドダイアグラムを示す図。 【図2】本発明の第1の実施の形態で例示したフォトダ
イオードのバンドダイアグラムを示す図。 【図3】本発明の第2の実施の形態で例示したフォトダ
イオードのバンドダイアグラムを示す図。 【図4】本発明の第3の実施の形態で例示したフォトダ
イオードのバンドダイアグラムを示す図。 【図5】従来型のフォトダイオードの構成およびバンド
ダイアグラムを示す図。 【符号の説明】 11…p形光吸収層 12…n形電極層 13…キャリア走行層 14…p形キャリアブロック層 15…アノード電極 16…カソード電極 17…半絶縁性基板 21…p形のIn0.53Ga0.47As光吸収層 22…n形のInP電極層 23…アンドープのInPキャリア走行層 24…p形のIn0.73Ga0.27As0.60.4キャリアブ
ロック層 25…アノード電極 31…p形の傾斜バンドギャップInGaAsP光吸収
層 32…n形のInP電極層 33…アンドープのInPキャリア走行層 34…p形のIn0.73Ga0.27As0.60.4キャリアブ
ロック層 35…アノード電極 41…p形のドーピング濃度を走行層側に向けて傾斜さ
せたIn0.53Ga0.47As光吸収層 42…n形のInP電極層 43…アンドープのInPキャリア走行層 44…p形のIn0.73Ga0.27As0.60.4キャリアブ
ロック層 45…アノード電極 51…p形電極層 52…n形電極層 53…キャリア走行層 55…アノード電極 56…カソード電極 57…半絶縁性基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 直文 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 永田 公一 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 5F049 MA04 MB07 NA03 WA01

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】p形の第1の半導体層と、n形の第2の半
    導体層と、これらの半導体層に挾まれ、上記第1の半導
    体層および第2の半導体層よりも低いドーピング濃度を
    持つ第3の半導体層と、上記第1の半導体層に接して上
    記第3の半導体層の反対側に配設された上記第1の半導
    体層よりもバンドギャップエネルギーが大きいp形の第
    4の半導体層とを備えた半導体pn接合構造を有するフ
    ォトダイオードであって、 上記第1の半導体層の少なくとも一部が電荷中性条件を
    保つようにドーピング濃度が設定され、かつ光吸収層と
    して機能するようにバンドギャップエネルギーが設定さ
    れ、上記第3の半導体層が空乏化したキャリア走行層と
    して機能するようにドーピング濃度が設定され、かつ上
    記第2および第3の半導体層が光吸収層として機能しな
    いように上記第1の半導体層よりも大きいバンドギャッ
    プエネルギーに設定され、 上記第1の半導体層の価電子帯端のホールに対するエネ
    ルギーが上記第3の半導体層の価電子帯端のホールに対
    するエネルギーより低く設定されていることを特徴とす
    るフォトダイオード。
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