JP2003332210A - マスクパターン作成方法 - Google Patents

マスクパターン作成方法

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JP2003332210A
JP2003332210A JP2002137533A JP2002137533A JP2003332210A JP 2003332210 A JP2003332210 A JP 2003332210A JP 2002137533 A JP2002137533 A JP 2002137533A JP 2002137533 A JP2002137533 A JP 2002137533A JP 2003332210 A JP2003332210 A JP 2003332210A
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Shinichi Ueki
伸一 植木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステンシルマスクに形成不可能または形成困
難なパターンを発生させずに、高速で相補分割処理を行
えるマスクパターン作成方法を提供する。 【解決手段】 小領域の境界線にパターンの振り分けに
関する第1および第2の情報を付加し、相補分割された
パターンのうち、境界線に接するパターンについては、
第1および第2の情報を参照してパターンの振り分けを
行うことにより、小領域単位での並列処理と問題パター
ンの発生防止を可能とするマスクパターン作成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置製造の
リソグラフィ工程で用いられるステンシルマスクのマス
クパターン作成方法に関し、特に、パターンを相補マス
クに形成するために分割する処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路の微細化に伴い、
フォトリソグラフィにおいて露光波長の短波長化が進め
られてきたが、さらに微細なパターンを形成するため、
電子ビーム、X線、イオンビームを用いたリソグラフィ
が開発されている。例えば、電子ビームによるパターン
の転写には、ステンシルマスクまたはメンブレンマスク
が用いられる。
【0003】ステンシルマスクはシリコンやダイヤモン
ド等の材質からなる基板に、所定のパターンで開口部が
設けられたマスクであり、開口部を電子ビームあるいは
イオンビームといった荷電粒子線が透過する。一方、メ
ンブレンマスクは荷電粒子線やX線を透過させる基板上
に、所定のパターンで荷電粒子線散乱体(またはX線散
乱体)が設けられたものである。
【0004】図10は、ステンシルマスクを用いた露光
を示す概略図である。図10に示すように、電子ビーム
101をステンシルマスク102に照射する。ステンシ
ルマスク102は基板103に所定のパターンで開口部
104が形成された構造を有し、開口部104を透過し
た電子ビーム105によって、ウェハ上にパターンが転
写される。
【0005】図11はステンシルマスクの一部を示す平
面図である。基板103に所定のパターンで開口部10
4が形成されている。図12は、ステンシルマスクを作
製するためのパターンデータの例である。基板上にレジ
ストを塗布し、塗布されたレジストに図12のパターン
を描画した後、レジストをマスクとしてエッチングを行
い、開口部を形成することにより、ステンシルマスクが
作製される。図12のパターンで作製されたステンシル
マスクを用いて露光を行うと、図13に示すパターンが
転写される。
【0006】ステンシルマスクでは、どこからも保持さ
れない部分を含むパターン(ドーナッツ状パターン)
や、2つの開口部が1点で接触(点接触)するパターン
が存在すると、意図したパターンを露光できない。基板
として、厚さ数μm以下の薄膜が用いられる場合、基板
に開口部を設けることによる応力解放や、重力の影響に
より、基板が撓み易くなる。したがって、細長いパター
ンやパターンで挟まれた細長い基板部分等では、パター
ンが歪み易くなる。
【0007】これらの例を図14〜17に示す。図14
はドーナッツ状パターンの例である。図14(a)に示
すデータ上パターンで開口部を形成しようとすると、図
14(b)に示すように、どこからも保持されない基板
部分106が生じる。したがって、作製されたステンシ
ルマスクを用いて露光を行うと、図14(c)に示すよ
うに、保持されない部分106が消失したパターンが転
写される。
【0008】図15は点接触を含むパターンの例であ
る。図15(a)に示すデータ上パターンで開口部を形
成しようとすると、図15(b)に示すように、基板1
03に点接触部分107が発生する。点接触部分107
は機械的強度が不足するため、変形し易い。作製された
ステンシルマスクを用いて露光を行うと、図15(c)
に示すように、変形したパターンが転写される。
【0009】図16は細長い開口部の例である。図16
(a)に示すデータ上パターンで、図16(b)に示す
ように開口部104を形成すると、基板の内部応力の影
響で、実際には開口部104の形状に異方性の歪みが生
じる。したがって、作製されたステンシルマスクを用い
て露光を行うと、図16(c)に示すように、変形した
パターンが転写される。
【0010】図17は基板に細長い部分が生じる例であ
る。図17(a)に示すデータ上パターンで、図17
(b)に示すように開口部104を形成すると、開口部
104の間に細長い基板部分108が生じる。細長い基
板部分108も、基板の内部応力の影響で、幅が均一と
ならない。したがって、作製されたステンシルマスクを
用いて露光を行うと、図17(c)に示すように、変形
したパターンが転写される。
【0011】このような問題を回避し、意図したパター
ンが露光されるように、パターンを相補的に分割して、
相補マスクと呼ばれる2枚のステンシルマスクにパター
ンを形成し、2回の露光を行う方法が採られる。図18
〜21を参照して、この方法を説明する。
【0012】図18はドーナッツ状パターンの例であ
る。図18(a)のデータ上パターンを、例えば図18
(a−1)および(a−2)に示す2種類のパターンに
分割し、これらを相補マスクのデータ上パターンとす
る。図18(b−1)および(b−2)に示すように、
相補マスクのそれぞれに開口部104を形成する。一方
のマスクを用いて露光を行った後、他方のマスクを用い
て露光を行うことにより、図18(c)に示すように、
意図したパターンが転写される。
【0013】図19は点接触を含むパターンの例であ
る。図19(a)のデータ上パターンを、点接触しない
ように図19(a−1)および(a−2)に示す2種類
のパターンに分割し、これらを相補マスクのデータ上パ
ターンとする。図19(b−1)および(b−2)に示
すように、相補マスクのそれぞれに開口部104を形成
する。一方のマスクを用いて露光を行った後、他方のマ
スクを用いて露光を行うことにより、図19(c)に示
すように、意図したパターンが転写される。
【0014】図20は細長いパターンの例である。図2
0(a)のデータ上パターンを、細長いパターンが生じ
ないように図20(a−1)および(a−2)に示す2
種類のパターンに分割し、これらを相補マスクのデータ
上パターンとする。図20(b−1)および(b−2)
に示すように、相補マスクのそれぞれに開口部104を
形成する。一方のマスクを用いて露光を行った後、他方
のマスクを用いて露光を行うことにより、図20(c)
に示すように、意図したパターンが転写される。
【0015】図21はパターン間に細長い部分が生じる
例である。図21(a)のデータ上パターンを、パター
ン間が細長くならないように図21(a−1)および
(a−2)に示す2種類のパターンに分割し、これらを
相補マスクのデータ上パターンとする。図21(b−
1)および(b−2)に示すように、相補マスクのそれ
ぞれに開口部104を形成する。一方のマスクを用いて
露光を行った後、他方のマスクを用いて露光を行うこと
により、図21(c)に示すように、意図したパターン
が転写される。
【0016】相補分割は処理速度やデータ量の観点か
ら、LSIチップ全体での処理が困難である。そこで、
チップは例えばメッシュ状に複数の小領域に分割され、
それぞれの小領域で相補分割が行われる。小領域で相補
分割を行った後、再度、小領域を繋ぎ合わせる作業を行
うことにより、LSIチップ全体での相補分割パターン
が得られる。
【0017】図22(a)はチップ全体を模式的に示す
平面図であり、図22(b)は図22(a)の一部を拡
大した図である。図22に示すように、チップ10は境
界線11により小領域12に分割される。小領域12ご
とに独立して相補分割を行うと、小領域単位の並列処理
が可能となる。この並列処理により、相補分割の高速化
を図ることができる。
【0018】パターンの形状に応じてパターンを分割
し、露光を行う方法は、特開2000−91191号公
報に開示されている。また、パターンを小領域に分割し
て相補分割パターンを作成する方法については、特開平
11−329957号公報に開示されている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、チップ
全体を小領域に区分して、単純に小領域ごとに相補分割
を行ってから、その相補分割結果を統合してチップ全体
の相補分割結果を求めると、小領域の境界部分にドーナ
ッツ状パターン等の問題となるパターンが発生する可能
性がある。
【0020】一例を説明する。図7は小領域同士の境界
近傍に形成されるパターンの例であり、図22(b)の
点線で囲まれた部分のパターンに対応する。図7に示す
ように、小領域12aと小領域12bとの境界線11上
に、ドーナッツ状パターン13と細長い開口部14〜1
7が形成されている。
【0021】図23は、図7の小領域12a、12bで
独立に相補分割を行った結果のデータ上パターンを示
す。図23に示すように、各小領域内で分割されたパタ
ーンは、2つのグループに振り分けられる。仮に、これ
らをグループA、Bとし、グループAに振り分けられる
パターンを斜線で示し、グループBに振り分けられるパ
ターンを塗りつぶしで示す。
【0022】小領域12a、12bを含む各小領域でグ
ループAに振り分けられたパターンは、一方の相補マス
クのマスクパターンとなる。小領域12a、12bを含
む各小領域でグループBに振り分けられたパターンは、
他方の相補マスクのマスクパターンとなる。
【0023】各小領域内での相補分割においては、ドー
ナッツ状パターンや、所定の長さLを超える長さのパタ
ーン等が検出され、検出されたパターンが分割される。
分割されたパターンは、分割前に接していたものが同じ
グループに属さないように、2つのグループに振り分け
られる。
【0024】図24(a)は一方の相補マスク上のパタ
ーンを示し、図23でグループAに振り分けられたパタ
ーンに対応する。図24(a)に示すように、図7の細
長い開口部14で点接触18が発生し、図7の細長い開
口部15〜17で所定の長さL(図23参照)を超える
長さのパターン19が発生する。
【0025】また、図24(b)は他方の相補マスク上
のパターンを示し、図23でグループBに振り分けられ
たパターンに対応する。図24(b)に示すように、図
7のドーナッツ状パターン13が再現し、図7の細長い
開口部14では点接触18が発生する。
【0026】以上のように、各小領域内にドーナッツ状
パターン等の問題となるパターンが存在しなくても、小
領域での相補分割結果を統合することにより、問題とな
るパターンが発生する可能性がある。このような問題を
回避するには、各小領域で相補分割を行う際、すでに相
補分割が行われた隣接する小領域での分割結果(パター
ンの分割位置および振り分け先)を参照すればよい。
【0027】しかしながら、この場合には各小領域での
相補分割処理を独立に行えず、順に行う必要がある。し
たがって、小領域単位での並列処理が不可能であり、チ
ップ全体での相補分割の処理速度を上げることができな
い。特開2001−244192号公報には、相補分割
パターンの作成において、相補分割後にドーナッツ状パ
ターンのような問題となるパターンが生じていた場合、
パターンの分割や振り分けをやり直すという方法が開示
されている。この場合もデータ処理量が多く、処理時間
は長い。パターンの微細化・高集積化に伴い、データ処
理量は増大するため、マスクパターン作成のスループッ
トが低下する問題が起こる。
【0028】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
のであり、したがって本発明は、ステンシルマスクに形
成不可能または形成困難なパターンを発生させずに、高
速で相補分割処理を行うことを可能とするマスクパター
ン作成方法を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のマスクパターン作成方法は、荷電粒子線を
遮断するマスクに所定のパターンで設けられ、荷電粒子
線を透過させる開口部の前記パターンを作成する方法で
あって、前記パターンは全パターンの互いに異なる一部
である相補分割パターンであり、前記全パターンを、第
1の方向に延びる少なくとも1本の境界線と、第2の方
向に延びる少なくとも1本の境界線で、複数の小領域に
分割する工程と、各小領域のすべての辺に、パターンの
振り分けに関する第1および第2の情報を付加する工程
であって、第1の情報として、1つの辺全体に同じ振り
分け先を設定し、該辺が共有される隣接小領域では、該
辺に異なる振り分け先を設定し、第2の情報として、1
つの辺を複数の区間に分割し、該区間の両端を相補分割
線交点に設定し、隣接する区間に互いに異なる振り分け
先を設定し、該区間が共有される隣接小領域では、該区
間に同じ振り分け先を設定する工程と、各小領域におい
て、分割が必要なパターンを相補分割線で分割する工程
であって、前記境界線に接するパターンのうち、前記相
補分割線が前記境界線に達するものを、前記相補分割線
交点で分割されるように分割する工程と、各小領域内の
すべてのパターンを複数のグループに振り分ける工程で
あって、前記境界線に接するパターンのうち、前記相補
分割線交点を含まないものを、前記第1の情報に従って
振り分け、前記相補分割線交点を含むものを、前記第2
の情報に従って振り分ける工程と、振り分け先の同じパ
ターンを小領域間で統合し、前記相補分割パターンを得
る工程とを有することを特徴とする。
【0030】これにより、小領域単位での相補分割を並
列処理で行い、チップ全体での相補分割処理を高速化さ
せることが可能となる。また、本発明のマスクパターン
作成方法によれば、小領域の境界部分でドーナッツ状パ
ターン等の問題となるパターンが発生しない。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のマスクパターン
作成方法の実施の形態について、図面を参照して説明す
る。本実施形態のマスクパターン作成方法における相補
分割処理のフローを、図1に示す。
【0032】図1のステップ1(ST1)では、チップ
全体を複数の小領域に区分する。以下、簡略化のため、
小領域の境界線を単に境界線とする。チップをメッシュ
状に分割した場合、小領域は同サイズの正方形または矩
形となる。各小領域の4つの辺は、それぞれ境界線に対
応する。境界線を越えるパターン(隣接する小領域の両
方に属するパターン)は、境界線で分割して各領域に振
り分ける。境界線を越えず、1つの小領域のみに属する
パターンは、分割せずにそのままの形状で、その小領域
に振り分ける。
【0033】ステップ2(ST2)では、パターンの振
り分け先に関する2つの情報を、境界線に付加する。こ
こで、パターンの振り分け先とは、分割されたパターン
が振り分けられる相補マスクのいずれかをさす。第1の
付加情報は、各小領域で1つの辺の全体に同じ振り分け
先を設定するという情報である。
【0034】第2の付加情報は、1つの辺を複数の区間
に分割して、区間の両端を相補分割線交点に設定すると
いう情報、および、それぞれの区間に振り分け先を設定
するという情報である。パターン内での相補分割線交点
の有無に応じて、境界線の特定の箇所で第1の付加情報
と第2の付加情報のどちらか一方が有効となる。これら
の付加情報や、それに基づくパターンの振り分けについ
ては後述する。
【0035】ステップ3(ST3)では、各小領域で独
立にパターンを分割する。このステップでは、各小領域
内で相補分割が必要なパターン、具体的にはドーナッツ
状パターンや細長いパターンが抽出され、抽出されたパ
ターンが分割される。分割の際には、相補分割線と境界
線とが交わる場合、その交点が第2の付加情報の相補分
割線交点と一致するようにする。すなわち、仮想的に相
補分割線を引いてみて、その相補分割線が境界線に達し
た場合には、第2の付加情報の相補分割線交点に相補分
割線が接続するよう、その相補分割線を引き直す。
【0036】ステップ4(ST4)では、小領域内のす
べてのパターンを複数のグループに振り分ける。1つの
グループ内のパターンは、1つの相補マスクのマスクパ
ターンを構成する。ステップ2で分割されたパターンに
ついては、分割後のパターンが各グループに振り分けら
れる。ステップ4において、境界線に接するパターン
は、ステップ3で境界線に付加された情報に従って振り
分けられる。
【0037】ステップ5(ST5)では、各小領域での
相補分割結果を統合する。これにより、チップ全体での
相補分割パターンが得られる。上記の本実施形態の相補
分割処理によれば、各小領域内でのパターンの分割(ス
テップ3)や振り分け(ステップ4)を独立に行うこと
が可能となる。したがって、パターンの分割や振り分け
を小領域単位で並列に処理することが可能となり、相補
分割処理を高速化できる。
【0038】次に、図1のステップ2で境界線に付加す
る情報について、詳細に説明する。第1の付加情報によ
れば、各小領域で1つの辺の全体に同じ振り分け先が設
定される。この場合、隣接する小領域では、同一の箇所
の辺(共有される部分の境界線)に対して、異なる振り
分け先を設定する。
【0039】図2に具体例を示す。2枚の相補マスク
A、Bのマスクパターンを作成する場合を考え、振り分
け先をA、Bとする。図2に示すように、小領域1aと
小領域1bが隣接する。小領域1bの辺2bの全体に、
例えば振り分け先Aを設定すると、小領域1aの辺2a
の全体には、自動的に振り分け先Bが設定される。
【0040】1つの小領域内の4つの辺の振り分け先は
一致させる必要がなく、任意に設定できる。例えば図3
に示すように、対向する辺に同じ振り分け先を設定でき
る。また、図4に示すように、4つの辺に同じ振り分け
先を設定することもできる。あるいは、これら以外の組
み合わせで振り分け先を設定してもよい。
【0041】但し、いずれの場合も、振り分け先が設定
された辺には、隣接する小領域で()内に示すように異
なる振り分け先を設定する。このように振り分け先を設
定すると、小領域ごとの相補分割結果を統合しても、ド
ーナッツ状パターンが発生しない。また、境界線と交差
する方向に延びる細長いパターンも発生しない。
【0042】第2の付加情報によれば、1つの辺が複数
の区間に分割されるが、各区間の長さは、ステンシルマ
スクの強度等に応じて決定する。例えば、細長いパター
ンや面積の広いパターンをステンシルマスクに形成する
と、応力の影響を受けてパターンが変形する。このよう
なパターンは、変形が問題とならない所定の長さ(これ
を、便宜的に分割距離Dとする。)以下となるように、
ステップ2で分割される。第2の付加情報での各区間の
長さは、この分割距離以下で任意に決定できる。
【0043】第2の付加情報では、1つの辺上の隣接す
る区間に、互いに異なる振り分け先を設定する。したが
って、1つの辺上に振り分け先の異なる区間が交互に配
置される。複数の区間に分割される辺は、隣接する小領
域においても、等しい分割距離で区間に分割される。隣
接する小領域では、同一の箇所の区間に対して、同じ振
り分け先を設定する。
【0044】図5に具体例を示す。図5に示すように、
小領域1aと小領域1bが隣接するとき、これらの境界
線である小領域1aの辺2aを、分割距離Dで複数の区
間に分割する。小領域1bの辺2bも、分割距離Dで複
数の区間に分割する。辺2a、辺2bが分割された各区
間には、同様に振り分け先A、B、A、B、Aを設定す
る。
【0045】1つの辺上の区間の数は奇数でも偶数でも
よく、特に限定されない。図6は、ある1つの小領域の
4つの辺に第2の付加情報で振り分け先を設定した例を
示すが、この例に限定されない。但し、いずれの場合
も、振り分け先が設定された区間には、隣接する小領域
で( )内に示すように同じ振り分け先を設定する。こ
のように振り分け先を設定すると、小領域ごとの相補分
割結果を統合しても、境界線で点接触が発生しない。ま
た、境界線と平行な方向に延びる細長いパターンも発生
しない。
【0046】次に、第1および第2の付加情報に基づく
パターンの振り分けについて説明する。なお、図1のス
テップ4でパターンを振り分ける際、境界線に接しない
パターンは、第1および第2の付加情報を参照せずに、
通常の処理方法で複数のグループ(例えば振り分け先
A、B)に振り分ける。
【0047】ここで、通常の処理方法とは、相補分割線
を介して隣接するパターン(図1のステップ2で分割さ
れる前に連続していたパターン)が同じグループに振り
分けられないようにするアルゴリズムを含む。さらに、
ステンシルマスクの相補分割で従来公知の方法、例えば
グループ間でパターン密度を均等にするための方法等が
用いられてもよい。
【0048】境界線に接するパターンについては、第1
または第2の付加情報に従ってパターンが振り分けられ
る。境界線に接するパターンのうち、相補分割線と境界
線の交点を含まないものは、第1の付加情報に従ってパ
ターンの振り分けを行う。一方、相補分割線と境界線の
交点を含むものは、第2の付加情報に従ってパターンの
振り分けを行う。
【0049】図7〜10を参照して具体例を説明する。
図7に示すように、小領域12aと小領域12bとの境
界線11上に、ドーナッツ状パターン13と細長い開口
部14〜17が形成されている。前述した通り、図7に
示すデータ上パターンを従来の方法で相補分割すると、
ドーナッツ状パターン、点接触あるいは細長いパターン
が発生する。
【0050】図7のパターンに対して、本実施形態の処
理方法で相補分割を行うと、境界線には第1の付加情報
に従った振り分け先と、第2の付加情報に従った振り分
け先の2通りの振り分け先が設定される。図8は、本実
施形態の方法でパターンの分割と振り分けが行われたデ
ータ上パターンを示す。図8で、図7の小領域12a内
の境界線11を辺11aとし、小領域12b内の境界線
11を辺11bとする。振り分け先Aのパターンを斜線
で示し、振り分け先Bのパターンを塗りつぶしで示す。
【0051】図8に示すように、境界線を越えるパター
ンは境界線で分割される。さらに、分割距離Dを超える
長さのパターンは分割される。第1の付加情報によれ
ば、例えば図2と同様に、小領域12aの辺11a全体
に振り分け先Bが設定され、小領域12bの辺11b全
体に振り分け先Aが設定される。第2の付加情報によれ
ば、辺11a、11bを図5と同様に例えば5つの区間
に分割し、振り分け先A、B、A、B、Aを設定する。
【0052】図7に示すドーナッツ状パターン13と細
長い開口部14〜17のうち、相補分割線と境界線の交
点を含むものは、開口部14のみである。したがって、
図7の開口部14は、図8に示すように、第2の付加情
報に従って分割され、振り分けられる。図7の開口部1
4以外のパターンは、第1の付加情報に従って振り分け
られる。
【0053】以上のような相補分割を行うと、振り分け
先Aのパターンから、図9(a)に示すような相補マス
クのマスクパターンが得られる。また、振り分け先Bの
パターンから、図9(b)に示すような相補マスクのマ
スクパターンが得られる。いずれの相補マスクにも、ド
ーナッツ状パターン、点接触、細長いパターンといった
問題となるパターンは発生しない。
【0054】上記の本実施形態のマスクパターン作成方
法によれば、ある小領域の相補分割を行う際に、隣接す
る小領域での相補分割結果を参照する必要がなく、小領
域単位での並列処理が可能となる。これにより、処理速
度が向上する。また、ドーナッツ状パターンのような問
題となるパターンも発生しない。
【0055】本発明のマスクパターン作成方法の実施形
態は、上記の説明に限定されない。本発明の要旨を逸脱
しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0056】
【発明の効果】本発明のマスクパターン作成方法によれ
ば、ステンシルマスクに形成不可能または形成困難なパ
ターンを発生させずに、高速で相補分割処理を行うこと
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のマスクパターン作成方法にお
ける相補分割のフローチャートである。
【図2】図2は、本発明のマスクパターン作成方法で境
界線に付加される第1の情報を示す。
【図3】図3は、本発明のマスクパターン作成方法で境
界線に第1の情報を付加した例である。
【図4】図4は、本発明のマスクパターン作成方法で境
界線に第1の情報を付加した例である。
【図5】図5は、本発明のマスクパターン作成方法で境
界線に付加される第2の情報を示す。
【図6】図6は、本発明のマスクパターン作成方法で境
界線に第2の情報を付加した例である。
【図7】図7は、本発明および従来のマスクパターン作
成方法を説明するためのパターン例である。
【図8】図8は、本発明のマスクパターン作成方法で図
7のパターンに相補分割を行った例を示す。
【図9】図9(a)および(b)は、図8の相補分割パ
ターンで作成される相補マスクのマスクパターンを示
す。
【図10】図10は、ステンシルマスクを用いた露光の
概略図である。
【図11】図11は、図10のステンシルマスクの一部
を示す平面図である。
【図12】図12は、図11のマスクのパターンデータ
を示す。
【図13】図13は、図11のマスクで転写されるパタ
ーンを示す。
【図14】図14は、ステンシルマスクで問題となるパ
ターンの例を示す。
【図15】図15は、ステンシルマスクで問題となるパ
ターンの例を示す。
【図16】図16は、ステンシルマスクで問題となるパ
ターンの例を示す。
【図17】図17は、ステンシルマスクで問題となるパ
ターンの例を示す。
【図18】図18は、図14に示すパターンの相補分割
例を示す。
【図19】図19は、図15に示すパターンの相補分割
例を示す。
【図20】図20は、図16に示すパターンの相補分割
例を示す。
【図21】図21は、図17に示すパターンの相補分割
例を示す。
【図22】図22(a)は、チップ全体を小領域に分割
する例であり、図22(b)は図22(a)の点線で囲
まれた部分の拡大図である。
【図23】図23は、従来のマスクパターン作成方法で
図7のパターンに相補分割を行った例を示す。
【図24】図24(a)および(b)は、図23の相補
分割パターンで作成される相補マスクのマスクパターン
を示す。
【符号の説明】
1a、1b…小領域、2a、2b…辺、10…チップ、
11…境界線、12、12a、12b…小領域、13…
ドーナッツ状パターン、14〜17…細長い開口部、1
8…点接触、19…細長いパターン、101…電子ビー
ム、102…ステンシルマスク、103…基板、104
…開口部、105…電子ビーム、106…保持されない
部分、107…点接触部分、108…細長い基板部分。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】荷電粒子線を遮断するマスクに所定のパタ
    ーンで設けられ、荷電粒子線を透過させる開口部の前記
    パターンを作成する方法であって、 前記パターンは全パターンの互いに異なる一部である相
    補分割パターンであり、 前記全パターンを、第1の方向に延びる少なくとも1本
    の境界線と、第2の方向に延びる少なくとも1本の境界
    線で、複数の小領域に分割する工程と、 各小領域のすべての辺に、パターンの振り分けに関する
    第1および第2の情報を付加する工程であって、 第1の情報として、1つの辺全体に同じ振り分け先を設
    定し、該辺が共有される隣接小領域では、該辺に異なる
    振り分け先を設定し、 第2の情報として、1つの辺を複数の区間に分割し、該
    区間の両端を相補分割線交点に設定し、隣接する区間に
    互いに異なる振り分け先を設定し、該区間が共有される
    隣接小領域では、該区間に同じ振り分け先を設定する工
    程と、 各小領域において、分割が必要なパターンを相補分割線
    で分割する工程であって、前記境界線に接するパターン
    のうち、前記相補分割線が前記境界線に達するものを、
    前記相補分割線交点で分割されるように分割する工程
    と、 各小領域内のすべてのパターンを複数のグループに振り
    分ける工程であって、前記境界線に接するパターンのう
    ち、前記相補分割線交点を含まないものを、前記第1の
    情報に従って振り分け、前記相補分割線交点を含むもの
    を、前記第2の情報に従って振り分ける工程と、 振り分け先の同じパターンを小領域間で統合し、前記相
    補分割パターンを得る工程とを有するマスクパターン作
    成方法。
  2. 【請求項2】前記相補分割線で分割されるパターンは、
    1枚のマスクに形成できないか、1枚のマスクに形成し
    たとき変形するパターンを含む請求項1記載のマスクパ
    ターン作成方法。
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